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宗教(その8)(政治家の「二股」を黙認してきた宗教団体の末路 2022年の夏は日本宗教史の大転換点になる、青山学院大の宗教部長が語る「カルト」と「健全な宗教」の違いとは、池上彰氏が解説「聖書を知らないと損をする訳」 世界情勢を知るうえで押さえたい前提知識) [社会]

宗教については、8月1日に取上げた。今日は、(その8)(政治家の「二股」を黙認してきた宗教団体の末路 2022年の夏は日本宗教史の大転換点になる、青山学院大の宗教部長が語る「カルト」と「健全な宗教」の違いとは、池上彰氏が解説「聖書を知らないと損をする訳」 世界情勢を知るうえで押さえたい前提知識)である。

先ずは、9月7日付け東洋経済オンラインが掲載した『宗教問題』編集長の小川 寛大氏による「政治家の「二股」を黙認してきた宗教団体の末路 2022年の夏は日本宗教史の大転換点になる」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/616266
・『安倍晋三元首相銃撃事件以降、マスコミ報道は世界平和統一家庭連合(旧統一教会、以下、統一教会)を中心とした「政治と宗教」の話題一色になった。  安倍氏を撃った山上徹也容疑者の母親は統一教会の熱心な信者で、教団に多額の献金などを行って家庭が崩壊、山上容疑者は「安倍元首相と統一教会はつながっている」と思い犯行に及んだと供述している。統一教会に注目が集まるのは当然だ。  実際、多くの政治家が統一教会と数々の接点を持っていたことが事件後に明らかとなった。このような報道に触れていると、一般有権者の中から「日本の政治は特定宗教団体の強い影響下にあるのではないか」といった不安が出てくるのも道理だろう。  しかし、「政治家と宗教団体」の関係を個別に吟味すると、少し違った状況が見えてくる。特集「宗教を問う」の第4回は、宗教専門誌『宗教問題』編集長の小川寛大氏が、政治家と宗教団体の「いい加減な関係」と、宗教団体の未来は決して明るいものではなくなっている現実を解説する』、「宗教団体の未来は決して明るいものではなくなっている」とは興味深そうだ。
・『政治家がつながる宗教団体は統一教会だけではない   統一教会との接点で注目を浴びた国会議員の一人に自民党の下村博文元文部科学相がいる。過去に統一教会関係の雑誌にインタビュー記事が掲載されたり、統一教会が現在の「世界平和統一家庭連合」へと名称変更された2015年時の文科相でもあることから、同教会との関係性が特別に濃いとされる人物だ。 ただ、下村氏が接点を持ってきたとされる宗教団体は統一教会だけではない。彼は同時に崇教真光やワールドメイトといった新宗教団体とも親密な関係を取り沙汰されてきた人物であり、何より選挙の際には創価学会を支持母体とする公明党の推薦を受けている。  同じく、自民党には山谷えり子参議院議員という国会議員がいる。彼女も過去に統一教会関係のメディアにインタビューが掲載されるなど、同教会との浅からぬつながりが指摘されている。しかし、山谷氏はそもそも神道の統括団体・神社本庁の関係政治組織である神道政治連盟の組織的なバックアップを受けて選挙を戦ってきた政治家であり、かつ、自身はカトリックを信仰するクリスチャンだと言っている。 今マスコミで「統一教会と接点があった」とされる政治家の「宗教事情」を調べてみると、彼らが実に多種多彩な宗教団体と接点を持ってきたことが浮かび上がる。こうした構図から浮上する疑問は、「彼らは特定の宗教団体に洗脳され、その強い影響下にあるのではないか」といったものより「彼らはいったい何教の信者なのか。いったい宗教を何だと思っているのか」というものではないだろうか。 一般有権者が憤る以上に、各宗教団体は自分たちが政治家から都合よく〝二股、三股〟をかけられている現実に怒るべきであろう。もし仮に、自民党が統一教会から言われるがままの政治を行っているのだとしたら、創価学会にとっては「自民党との連立を解除せよ」と公明党に指示する理由にもなるはずだ。 にもかかわらず、現在「政治と宗教」の問題について明確な意見表明をする宗教団体はほぼない。なぜなら、政治家も宗教団体も「もちつもたれつ」の関係にあることを互いによく知っているからだ。政治家が宗教団体に近づくのは信仰心などではなく、票や選挙運動支援をアテにしているからであり、宗教団体が政治家をイベントに招いたり祝電を要請したりするのは「自分たちはこんな国会議員とつながっている」という箔付け、広告塔に利用できるからだ。だから、宗教団体は政治家のいい加減な態度を黙認してきたのだ』、「山谷えり子参議院議員」は「自身はカトリックを信仰」しながら、「神道政治連盟の組織的なバックアップ」を受けている。「政治家も宗教団体も「もちつもたれつ」の関係にあることを互いによく知っている」、「宗教団体は政治家のいい加減な態度を黙認してきた」、本当にいい加減だ。
・『「宗教票」は着実に減っている   政治家のいい加減な態度を黙認してきた果てに、とでも言っていいのだろうか、日本の宗教界は「国の政治を支配して操っている」どころか、足下の基盤が崩れかかっている。10~20年後、果たして宗教界がどのような惨憺たる姿になっているか、想像もつかない状態だ。 1つのメルクマールとして、7月の参議院議員選挙結果を見てみよう。公明党が今回の選挙で全国から集めた比例票は618万票だった。公明党が国政選挙で集める比例票の数は2005年の衆院選における898万票を頂点に低落傾向にあるが、600万台前半に落ち込んだのは今回が初めてのこと。党本部が目標に掲げていた800万票には遠く及ばなかった。 自民党の一部から「公明票は昔ほどあてにならない」という声も上がるなか、岡山選挙区では自民・小野田紀美候補が公明の推薦を断って勝利。また京都選挙区では公明票のかなりの割合が野党側に流れるなど、自公連立のゆがみが、かつてなく見られた選挙でもあった。 また創価学会に次ぐ国内第2位の規模を持つとされる立正佼成会は、比例代表で推した白眞勲候補(立憲民主党)、藤末健三候補(自民党)のいずれもが落選する事態となった。立正佼成会が参院選比例で推薦した候補が全滅するのは、現行制度になって以降初めてのことである。 幸福の科学を母体とする幸福実現党も党勢の衰えが目立つ。今回の比例代表で集めた票数は14万。幸福実現党は2009年の結党以来、国政選挙で一度も当選者を出したことはないが、20万~30万程度の比例票を集めてきた経緯がある。10万台前半にまで落ち込んだのは、やはり今回が初めてだ。 衰退傾向にあるのは伝統宗教も同じだ。前述した自民党の山谷参院議員(比例)は神道政治連盟の組織的なバックアップを受けてきたが、今回の選挙で彼女が獲得した票は17万。当選はしたものの2016年の前回選挙で得た24万票から7万票も減らした。 「宗教票」は着実に減っているのだ。 近年、「パワースポット」や「スピリチュアル」といった志向で神社仏閣に足を向ける若者が増えている事実はある。ただ、彼らは観光客的な目線で宗教的雰囲気を「消費」する人々であり、特定宗教団体に入信する例は少ない。 統一教会も安倍氏銃撃事件が起きたがゆえに世間の注目の的になってしまったが、票数としては数万票程度。創価学会票はおろか幸福実現党の票数にも遠く及ばない。2012年に教祖文鮮明(ムン・ソンミョン)が死去して以降は妻の韓鶴子(ハン・ハクチャ)総裁と息子たちによる親族内争いが表面化し、教団の求心力は衰えていた。安倍氏の事件がなくとも、組織としては既に息切れし始めていたのだ』、「公明党」の「比例票は618万票」と「党本部が目標に掲げていた800万票には遠く及ばなかった」、「創価学会に次ぐ国内第2位の規模を持つとされる立正佼成会は、比例代表で推した白眞勲候補(立憲民主党)、藤末健三候補(自民党)のいずれもが落選する事態」、「幸福実現党も・・・今回の比例代表で集めた票数は14万。20万~30万程度の比例票を集めてきた経緯がある。10万台前半にまで落ち込んだのは、やはり今回が初めて」、「統一教会も安倍氏銃撃事件が起きたがゆえに世間の注目の的になってしまったが、票数としては数万票程度。創価学会票はおろか幸福実現党の票数にも遠く及ばない」、「「宗教票」は着実に減っている」のは確かだ。
・『参政党と福音派が議席を確保  ゆるやかに凋落してきた宗教界に、安倍元首相銃撃事件は衝撃をもたらしている。2022年の夏は、この国における「政治と宗教」の大きな転換点として記憶されるだろう。 それは、安倍元首相銃撃事件が宗教団体の衰退に一気に拍車をかけるという意味だけではない。「政治と宗教」の新しい形が垣間見えたのだ。 まずは国政選挙初挑戦で1議席を獲得した参政党の存在である。参政党は宗教政党ではないが、出馬した候補者たちに「宗教っぽい人々」が目立った。「聖書的保守主義を名乗る牧師」、「コロナ禍の到来を事前に予見したとする占星術師」、「他人の身体に触れることによって真なる健康と生命力を開花させると称するセラピスト」といった面々だ。 参政党の候補者が選挙を通じて自分たちの「信者」を募っていた状況は確認されていない。ただし、スピリチュアルな「宗教っぽい癒し」を求める人々の共感を集めたのは事実だ。現に議席を確保しており、日本人の新しい宗教観を反映した政党と言えるのかもしれない。 さらに、日本維新の会からは金子道仁氏というキリスト教福音派の牧師が比例で当選した。福音派は現在、世界的規模で存在感を増すキリスト教の一派で、政治的傾向は保守。特にアメリカのドナルド・トランプ前大統領の強力な支持基盤として知られた信仰勢力だ。キリスト教の地盤が薄い日本で、今後どこまで存在感を発揮していくかは未知数だが、福音派が日本の国会で議席を取った意味は小さくないだろう。 連日のマスコミによる統一教会批判は「宗教は怖い」という社会の空気を強め、宗教団体の力を削いでいくだろう。その裏側で、スピリチュアルな雰囲気に下支えされた新しい「宗教っぽい運動」や外来の宗教が台頭している現実を見逃すべきではない。 その意味でも2022年という年は、この国の宗教史の節目になるはずだ』、「参政党」は「スピリチュアルな「宗教っぽい癒し」を求める人々の共感を集めたのは事実だ。現に議席を確保しており、日本人の新しい宗教観を反映した政党と言えるのかもしれない」、「日本維新の会からは金子道仁氏というキリスト教福音派の牧師が比例で当選した。福音派は現在、世界的規模で存在感を増すキリスト教の一派で、政治的傾向は保守。特にアメリカのドナルド・トランプ前大統領の強力な支持基盤として知られた信仰勢力だ・・・福音派が日本の国会で議席を取った意味は小さくないだろう」、その通りだ。

次に、9月15日付けAERAdot「青山学院大の宗教部長が語る「カルト」と「健全な宗教」の違いとは」を紹介しよう。
https://dot.asahi.com/dot/2022091400082.html?page=1
・『安倍晋三元首相の銃撃死亡事件で、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に焦点が当たり、再び「カルト宗教」が注目を集めている。「信教の自由」が認められているこの日本で、健全な宗教とカルトと呼ばれる宗教や危険な宗教との違いはどこにあるのか。キリスト教の牧師を経て、現在は青山学院大で宗教部長を務める塩谷直也さん(法学部教授)に見解を聞いた(Qは聞き手の質問)。 Q:日本国憲法の19、20条では「思想・良心の自由」「信教の自由」が保証されています。 塩谷さん:「イワシの頭も信心から」ということわざがあります。信仰心が深いと、どのようなものでも尊く思えてしまうという意味ですね。同じように、信じる対象が非合理であっても、それ自体になんら問題はありません。 Q:その自由がある中で、健全な宗教と危険な宗教との違いはどこにあるのでしょうか。青山学院大は、ホームページで旧統一教会などを名指しして勧誘被害にあわないように注意喚起しています。 塩谷さん:明らかな人権侵害をしているかどうか、だと考えます。最も分かりやすいのが「結婚の自由」の侵害でしょう。旧統一教会の合同結婚式など、その最たる例と言えます。また、正体を隠しての勧誘もそうです。宗教だと名乗らず、サークルやボランティア、今注目されているSDGsなど、入り口を魅力的に偽装して、興味を持って入ってきたターゲットと人間関係を作り上げていく。輪の中に入り込み、もう引くことができないという状況を作ってから宗教色を出し始め、取り込んでいきます。このやり方は明らかな自己決定権の侵害に当たり、詐欺と同じ行為です。 Q:AERA dot.の取材でも、いわゆる「カルト宗教」がSDGsやボランティア、サークルなどに偽装して勧誘する手口が明らかになっています。ただ、一般的にはカルトとされていない大きな宗教団体の信者にも、素性を名乗らずに勧誘している人はいます。 塩谷さん:正体隠しの勧誘は、あってはなりません。健全な団体なら、最初に何者かを名乗りますよね。宗教に限らず、当たり前のコミュニケーションのあり方です。現代における宗教は、きっちり名乗ったうえで、勧誘したとしても相手の選択権を尊重し、さらに入退会を自由にする。そうした透明性が大切だと思います。もちろん、例えば友人に、「ちょっと話を聞いてよ」などと言って、後から自分の信仰について話す信者がいる可能性は否定できません。ただ、相手の選択権は奪ってはいけない。嫌だ、興味がない、とはっきり言える権利は守る。それが健全な宗教のあり方です。』、「明らかな人権侵害をしているかどうか、だと考えます。最も分かりやすいのが「結婚の自由」の侵害でしょう。旧統一教会の合同結婚式など、その最たる例と言えます。また、正体を隠しての勧誘もそうです。宗教だと名乗らず、サークルやボランティア、今注目されているSDGsなど、入り口を魅力的に偽装して、興味を持って入ってきたターゲットと人間関係を作り上げていく。輪の中に入り込み、もう引くことができないという状況を作ってから宗教色を出し始め、取り込んでいきます。このやり方は明らかな自己決定権の侵害に当たり、詐欺と同じ行為です」、その通りだ。 
・『Q:危険な宗教の特徴として「マインドコントロール」が指摘されていますが、神を信じることとマインドコントロールは何が違うのでしょうか。 塩谷さん:健全な宗教は、その人の考える力を奪いません。むしろ、その力を与え、考えることを放棄させないのです。逆に、マインドコントロールなどによって考える力を奪うのが危険な宗教のやり口です。ここはまったく違います。キリスト教で言えば、健全なキリスト教は「聖書の神様はこう言っているけど、あなたはどう思いますか?」という問いかけがあります。神と対話し続ける、いわば「悩む力を与える」のです。 一方、危険な宗教団体はどうですか。抱えている悩みや苦しみに対し、ご先祖の問題が今のあなたに影響を与えているなど根拠のない答えを示したり、世界の終わりがやってくると明言し、恐怖心でその人の心を支配しますよね。閉ざされた世界を作り、そこには「カリスマ」が必ずいて、「正しいことをしているのに迫害されている」などとありもしない話で被害者意識を作り上げる。そこにハマってしまうと、考える力を宗教に預けるようになり、その人の頭は、鋼鉄のヘルメットが覆っているような状態になってしまい、やがてそのヘルメットによって「組織の教え」以外の考えをすべて跳ね返し、否定するようになります。考える力を奪うということは、きわめて犯罪的な行為だと思います。 Q:信仰の薄い人から見れば「そんなバカな」ということを本気で信じていますよね。 塩谷さん:私がかつて関わった、20歳で旧統一教会に入り40代で脱会した女性は「体は40代になったけど、精神は20歳のままなんですよね」と話していました。カルト宗教が、その人の考える力を奪い続けたという表れですよね。信仰とは、その人が主体的に何を信じるかであって、信じ込ませることではないのです。 Q:なぜ、カルトや危険な宗教にはまってしまう人が後を絶たないのでしょうか。 塩谷さん:危険な宗教の特徴として、二分法を用いるという点があります。この世界を「正しい世界」と「間違った世界」だったり、「善人」と「悪人」に分ける。性格が真面目で「正しい人」や「善人」でありたい人、正解を求めてしまいがちな人は狙われやすい。カルトはその人の不安をいかにも理解したように装って安心させ、取り込んでいく。そして自分は「正しいことをやっている」と信じさせて、今度は勧誘する側に取り込む。そうなると彼ら・彼女らは一生懸命勧誘(伝道活動)を始めます。基本、真面目な人が多いからです』、「健全な宗教は、その人の考える力を奪いません。むしろ、その力を与え、考えることを放棄させないのです。逆に、マインドコントロールなどによって考える力を奪うのが危険な宗教のやり口です」、「危険な宗教の特徴として、二分法を用いるという点があります。この世界を「正しい世界」と「間違った世界」だったり、「善人」と「悪人」に分ける。性格が真面目で「正しい人」や「善人」でありたい人、正解を求めてしまいがちな人は狙われやすい。カルトはその人の不安をいかにも理解したように装って安心させ、取り込んでいく。そして自分は「正しいことをやっている」と信じさせて、今度は勧誘する側に取り込む」、「カルト」のやり口は、危険で悪どいようだ。
・『Q:とはいえ、赤の他人に近い人が話すことを、疑いもせずに「正解」「正しい」と思ってしまうものでしょうか。 塩谷さん:勧誘・接触の中で、個人情報を吸い取っているから、それが可能になるのです。何回か集会に行くうちに突然「偉い先生」が現れる。そして今の状況や心理状態をズバリ言い当てるので、「ご先祖が~」などという荒唐無稽な話でも、悩みや苦しみを抱えている人にはストンと落ちてしまうのです。また、危険な宗教の中には「この世の終わり」をしばしば持ち出す団体がありますが、それは信者が人生を諦めて献金してくれるから。お金を集めたいから言っているだけなのです。組織の上に行くと、そうした集金システムが見えてくる。そこではっと気が付いて脱会できるかどうかが鍵です。 Q:旧統一教会は身を滅ぼすような高額の献金が問題視されています。ただ、寄付や献金は健全な宗教でもあります。どう違うのですか。 塩谷さん:おっしゃるように、どの宗教も寄付や献金はあります。何が違うのかを分かりやすく例えると、大学の卒業生が大学に寄付をするとしたら、「その学校に通ったことへの感謝」「学校が好きだから」といった前向きな気持ちがあると思います。健全な宗教への寄付や献金も、それと似ています。 一方で危険な宗教団体は、恐怖心や不安をあおってその人の考える力を奪い、その不安の解消のために多額の献金や物品の購入を迫ります。健全な宗教の愛は「無償の愛」ですが、危険な宗教は「見返りを求める愛」なのです。お金を出してこれを買えば、あなたも家族も、ご先祖も救われると。教えが本物なら、「押し売り」は必要ありません。偽物だから、なんだかんだと理屈をつけて押し売りするしかないのです。 Q:そもそも「ご先祖が~」などという教えは、キリスト教に基づくものなのでしょうか。先祖を気にするのは日本独特の文化のようにも思えるのですが。 塩谷さん:聖書の教えからは完全に逸脱しています。一神教であるキリスト教は「一人一人を神様が作った」という考え方です。その人に起こることはその人だけのもので、それは罪であっても、その人だけのもの。「ご先祖が~」と語ること自体が、あり得ないことです。旧統一教会の教義書である『原理講論』と聖書はまったく別物だということは知ってほしいと思います。集金目的のために、ご先祖を大切にするという日本人の心情を、巧妙に利用しているだけなのです。) Q:これだけ世間から批判を受けて問題視されても、危険な宗教団体がなくならないのはなぜでしょうか。 塩谷さん:被害者意識が植えつけられているので、批判を「迫害」ととらえ、結束がより強固になります。今の旧統一教会もそうした状況でしょう。安倍元首相の国葬も、旧統一教会に勢いを与えると思います。「国葬されるほどの人と、私たちは関係していた。やはり私たちは正しかったんだ」と。抜本的な解決策はありません。山上徹也容疑者がその一人ですが、困窮する二世、三世をどう救っていくのか。それを考えなければならない時期が来ていると感じています』、「健全な宗教の愛は「無償の愛」ですが、危険な宗教は「見返りを求める愛」なのです。お金を出してこれを買えば、あなたも家族も、ご先祖も救われると。教えが本物なら、「押し売り」は必要ありません。偽物だから、なんだかんだと理屈をつけて押し売りするしかないのです」、「被害者意識が植えつけられているので、批判を「迫害」ととらえ、結束がより強固になります。今の旧統一教会もそうした状況でしょう」、こうした「カルト」には何らかの法規制が必要だ。現在、文科省で検討している質問権行使を通じて、規制すべきだろう。

第三に、11月13日付け東洋経済オンラインがジャーナリストの池上 彰氏による「池上彰氏が解説「聖書を知らないと損をする訳」 世界情勢を知るうえで押さえたい前提知識」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/631742
・『世界で最も読まれている書物である『聖書』を多くの日本人は読んだことがありません。しかし、『聖書』を知ることは、世界に通用する教養を身につけることであり、世界を理解することにもつながる、と池上彰氏は言います。同氏の著書『聖書がわかれば世界が見える』より、教養として押さえておきたい聖書の基本を一部抜粋して解説します』、興味深そうだ。
・『『聖書』は世界の教養である  先日、あるイギリス映画を見ていたところ、主人公が友人たちの前で、自分の妻を褒め、次のような形容をしていました。 「ソロモンより賢く、サムソンより強く、ヨブより忍耐強い」 要は、私の妻でいられるのだから、という自虐的なギャグなのですが、ここに出てくる名前は、すべて『聖書』に登場します。これなど『聖書』の内容を知らないと理解できませんね。観客はみんなキリスト教の基礎的な素養があることを前提に映画が制作されていることがわかります。 国際政治の場でもキリスト教は登場します。アメリカの大統領就任式で、大統領は『聖書』に手を置いて宣誓します。アメリカの紙幣にもコインにも「我々は神を信じる」と記されています。アメリカがキリスト教国家であることがわかります。 欧州統一の動きが進むEU(欧州連合)は27カ国にまで増えましたが、トルコは加盟申請をしても、なかなか加入が認められません。EU側は言を左右にして認めませんが、本音はイスラム教徒の多いトルコを入れたくないからです。27カ国を見ると、カトリック、プロテスタント、東方正教会の違いはあれ、いずれもキリスト教徒が多数を占める国ばかりなのです。) その証拠に、欧州の国々には、国旗に十字架をあしらったものが多いですね。スイスはEUに加盟していませんが、赤地に白く十字が描かれています。赤十字を創設したアンリ・デュナンはスイス出身で、祖国の国旗の赤と白を逆にして赤十字の旗にしました。 長らく続く中東紛争。これは、欧州のキリスト教社会で迫害を受けたユダヤ人(ユダヤ教徒)たちが、『聖書』の記載を元に「自分たちの王国があった場所に新たな国をつくろう」とイスラエルを建国したことがきっかけです。 このように考えると、国際情勢を理解する上で、『聖書』の知識が必須であることがわかります。その点、日本はキリスト教徒が少ないから不利だなあ、などと思っていませんか。 でも、日本社会にもキリスト教由来のものがあります。たとえば1週間は、なぜ7日間なのでしょうか。それは、「旧約聖書」の冒頭で、神様がこの世界をお作りになったとき、6日働いて7日目に休まれたと書いてあるからです。かくしてヨーロッパのキリスト教社会で1週間というリズムが生まれ、日本にも輸入されたのです。 私たちの日常会話で「目からうろこ」という表現が出てきますね。これは「新約聖書」の中の「使徒言行録」に出てくるエピソードが由来です。後にキリスト教の熱心な伝道師になるパウロは、当初はキリスト教徒を迫害する側にいました。するとある日、目が見えなくなってしまうのですが、イエスを信じるようになった途端、「目からうろこのようなものが落ち」、再び目が見えるようになったというのです。 どうですか。さまざまな場面に登場する『聖書』。世界最大のベストセラー書籍の内容を知らないと、恥をかくことが出てくると思いませんか。 かく言う私はキリスト教徒ではなく、むしろ仏教に親近感を覚える立場ですので、「キリスト教徒になりなさい」などと宣教するつもりはありませんが、常識として、あるいは教養として、キリスト教を知っておく必要があると思います。 今回は『旧約聖書』から、3つの有名な話を紹介します』、「目からうろこ」も「新約聖書」の中の「エピソードが由来」、とは初めて知った。
・『エデンの園追放の物語  最初の人間は男で、名前は「アダム」。その名前は土の塵から造形されたからなのです。男のあばら骨から女は造られました。「人を助ける者」として創造されたというのです。この記述を根拠に男女格差は長らく是認されてきました。女性は男性を助ける役割だというわけです。 神は2人に「善悪の知識の木」から実を取って食べることを禁じたにもかかわらず、エデンの園にいた蛇がイブを誘惑して実を食べるように唆します。) 誘惑に負け、イブは知恵の実を食べ、アダムにも食べさせます。 「2人の目は開け、自分たちが裸であることを知り、2人はいちじくの葉をつづり合わせ、腰を覆うものとした」 人間は、禁断の実を食べたことで知恵がつきます。神は人間たちが知恵をつけることを望んでいなかったというのです。人間は知恵を得たことで、その後の苦難の道が始まります。 ちなみに「知恵の実」はリンゴというイメージを持っている人もいると思いますが、『聖書』にはそうは書かれていません。後世にリンゴと誤解されるようになったと言われています。iPhoneなどで知られるアップルのシンボルマークは、リンゴの一部が齧られたもの。これも「知恵を持った」ということを示しています。ここにも『聖書』に関する知識が背景にあるのです。 2人が知恵の実を食べた日、神がやってきて2人が裸でないことに気づき、2人は知恵の実を食べたことを白状します。そして、アダムとイブはエデンの園から追放されてしまうのです』、「人間は知恵を得たことで、その後の苦難の道が始まります」、私は「苦難」があっても、「知恵を得た」メリットの方が大きいように思う。
・『ノアの箱舟の物語  地上に人間たちが増えると、悪いことをする人間が増え、神は人間を創造したことを後悔したといいます。 主は、地上に人の悪が増し、常に悪いことばかりを心に思い計っているのを御覧になって、地上に人を造ったことを後悔し、心を痛められた。主は言われた。 「私は人を創造したが、これを地上から拭い去ろう。人だけでなく、家畜も這うものも空の鳥も。わたしはこれらを造ったことを後悔する」 神様でも後悔することがあるのですね。 この時代の神様は、実に人間的です。 後悔した神は、地上のすべての生き物を絶滅させようと考えるのです。神を怒らせると怖いですね。神の一存で、人間など消えてしまうのです。 神は大洪水を起こし、地上の生き物すべてを絶滅させようとしますが、ノアは信心深かったので、ノアとノアの一族だけは助けようと考えます。そこで事前にノアに「箱舟」を造るように指示します。 箱舟とは、屋根のある船です。大雨を降らせるので、船が浸水しないようにというわけです。 さらに集められるだけの食料を積み込み、あらゆる動物をメスとオスの一対ずつ船に収容させるように命じます。 これだけの巨大な船を、ノアの一族だけでどうやって建造できるのだろうと思ってしまうのですが、遂に箱舟は完成。あらゆる動物を収容し、ノアの一族が乗り込むと、扉を閉めて閉じこもります。 その直後、大雨が降り出し、40日間降り続けます。地表は水に覆われ、地上のあらゆる生き物は死に絶えてしまいます。 雨が止んだ後も110日間にわたって水は引きませんでしたが、やがて水は引き、ノアの一族は船から出ることができました。そのノアに対し、神は、二度と洪水によって地を滅ぼすことはないと約束します。 こうしてノアの一族は次々と子孫をつくり、世界に再び人間たちがあふれるようになりました。『聖書』によれば、日本に住む私たちもノアの子孫だということになります』、「あらゆる動物をメスとオスの一対ずつ船に収容」、近親交配の問題は無視されたようだ。
・『「バベルの塔」の物語  ノアの子孫の人間たちは、やがて不遜な行動に出ます。「天まで届く塔のある町を建て、有名になろう」と言い出すのです。 高い塔を建てて有名になろう。中東ドバイの世界一高い建物「ブルジュ・アル・ハリファ」は、確かに有名になりましたし、日本でも日本一高いビルの建設競争が続いています。 しかし、神はこれを見て不快に感じたようです。当時の人々は、みな同じ言葉を話していました。同じ言葉を話しているから建設作業員同士の意思の疎通が容易で建設が進んでしまう。人々の話す言葉をバラバラにして、工事ができないようにしよう。こうして人々は別々の言葉を話すようになり、工事は中断。塔は完成しなかったといいます。 神は混乱(バラル)させたので、「バベルの塔」と呼ばれるようになったといいます。日本では1980年代のバブルの時代、高層ビルや高層マンションが競って建設されましたが、バブルがはじけた結果、完成した建物が売れなくなったり、工事が中断したりするケースが相次ぎました。こうしたビルは「バブルの塔」と揶揄されました。 このように日常で使われる言葉も、『聖書』を知らなければその真の意味がわからないことはたくさんあります。常識として、あるいは教養として、ぜひこの機会に『聖書』を押さえてみてください』、「同じ言葉を話しているから建設作業員同士の意思の疎通が容易で建設が進んでしまう。人々の話す言葉をバラバラにして、工事ができないようにしよう。こうして人々は別々の言葉を話すようになり、工事は中断。塔は完成しなかったといいます」、「人々の話す言葉をバラバラにして、工事ができないようにしよう」、日本では考えつかないような国際色溢れた話だ。私も一度、聖書を読んでみたい。
タグ:「健全な宗教は、その人の考える力を奪いません。むしろ、その力を与え、考えることを放棄させないのです。逆に、マインドコントロールなどによって考える力を奪うのが危険な宗教のやり口です」、「危険な宗教の特徴として、二分法を用いるという点があります。この世界を「正しい世界」と「間違った世界」だったり、「善人」と「悪人」に分ける。性格が真面目で「正しい人」や「善人」でありたい人、正解を求めてしまいがちな人は狙われやすい。 カルトはその人の不安をいかにも理解したように装って安心させ、取り込んでいく。そして自分は「正しいことをやっている」と信じさせて、今度は勧誘する側に取り込む」、「カルト」のやり口は、危険で悪どいようだ。 宗教 「人々の話す言葉をバラバラにして、工事ができないようにしよう」、日本では考えつかないような国際色溢れた話だ。私も一度、聖書を読んでみたい。 「あらゆる動物をメスとオスの一対ずつ船に収容」、近親交配の問題は無視されたようだ。 「人間は知恵を得たことで、その後の苦難の道が始まります」、私は「苦難」があっても、「知恵を得た」メリットの方が大きいように思う。 「目からうろこ」も「新約聖書」の中の「エピソードが由来」、とは初めて知った。 『聖書がわかれば世界が見える』 池上 彰氏による「池上彰氏が解説「聖書を知らないと損をする訳」 世界情勢を知るうえで押さえたい前提知識」 「統一教会も安倍氏銃撃事件が起きたがゆえに世間の注目の的になってしまったが、票数としては数万票程度。創価学会票はおろか幸福実現党の票数にも遠く及ばない」、「「宗教票」は着実に減っている」のは確かだ。 (その8)(政治家の「二股」を黙認してきた宗教団体の末路 2022年の夏は日本宗教史の大転換点になる、青山学院大の宗教部長が語る「カルト」と「健全な宗教」の違いとは、池上彰氏が解説「聖書を知らないと損をする訳」 世界情勢を知るうえで押さえたい前提知識) 「参政党」は「スピリチュアルな「宗教っぽい癒し」を求める人々の共感を集めたのは事実だ。現に議席を確保しており、日本人の新しい宗教観を反映した政党と言えるのかもしれない」、「日本維新の会からは金子道仁氏というキリスト教福音派の牧師が比例で当選した。福音派は現在、世界的規模で存在感を増すキリスト教の一派で、政治的傾向は保守。特にアメリカのドナルド・トランプ前大統領の強力な支持基盤として知られた信仰勢力だ・・・福音派が日本の国会で議席を取った意味は小さくないだろう」、その通りだ。 AERAdot「青山学院大の宗教部長が語る「カルト」と「健全な宗教」の違いとは」 「公明党」の「比例票は618万票」と「党本部が目標に掲げていた800万票には遠く及ばなかった」、「創価学会に次ぐ国内第2位の規模を持つとされる立正佼成会は、比例代表で推した白眞勲候補(立憲民主党)、藤末健三候補(自民党)のいずれもが落選する事態」、「幸福実現党も・・・今回の比例代表で集めた票数は14万。20万~30万程度の比例票を集めてきた経緯がある。10万台前半にまで落ち込んだのは、やはり今回が初めて」、 「山谷えり子参議院議員」は「自身はカトリックを信仰」しながら、「神道政治連盟の組織的なバックアップ」を受けている。「政治家も宗教団体も「もちつもたれつ」の関係にあることを互いによく知っている」、「宗教団体は政治家のいい加減な態度を黙認してきた」、本当にいい加減だ。 「宗教団体の未来は決して明るいものではなくなっている」とは興味深そうだ。 このやり方は明らかな自己決定権の侵害に当たり、詐欺と同じ行為です」、その通りだ。 「明らかな人権侵害をしているかどうか、だと考えます。最も分かりやすいのが「結婚の自由」の侵害でしょう。旧統一教会の合同結婚式など、その最たる例と言えます。また、正体を隠しての勧誘もそうです。宗教だと名乗らず、サークルやボランティア、今注目されているSDGsなど、入り口を魅力的に偽装して、興味を持って入ってきたターゲットと人間関係を作り上げていく。輪の中に入り込み、もう引くことができないという状況を作ってから宗教色を出し始め、取り込んでいきます。 東洋経済オンライン 小川 寛大氏による「政治家の「二股」を黙認してきた宗教団体の末路 2022年の夏は日本宗教史の大転換点になる」 「健全な宗教の愛は「無償の愛」ですが、危険な宗教は「見返りを求める愛」なのです。お金を出してこれを買えば、あなたも家族も、ご先祖も救われると。教えが本物なら、「押し売り」は必要ありません。偽物だから、なんだかんだと理屈をつけて押し売りするしかないのです」、「被害者意識が植えつけられているので、批判を「迫害」ととらえ、結束がより強固になります。今の旧統一教会もそうした状況でしょう」、こうした「カルト」には何らかの法規制が必要だ。現在、文科省で検討している質問権行使を通じて、規制すべきだろう。
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