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ドイツ(その5)(ドイツでクーデター未遂を起こした極右テロ組織に 「ロシア関与」の疑いが、ドイツの極右テロ組織「帝国市民」クーデター計画が浮き彫りにする民主主義の危機、ドイツ国家の転覆を画策 どういう集団なのか) [世界情勢]

ドイツについては、昨年10月22日に取上げた。今日は、(その5)(ドイツでクーデター未遂を起こした極右テロ組織に 「ロシア関与」の疑いが、ドイツの極右テロ組織「帝国市民」クーデター計画が浮き彫りにする民主主義の危機、ドイツ国家の転覆を画策 どういう集団なのか)である。

先ずは、12月9日付けNewsweek日本版「ドイツでクーデター未遂を起こした極右テロ組織に、「ロシア関与」の疑いが」を紹介しよう。
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2022/12/13-48_1.php
・『<クーデターを計画した極右組織のリーダーは今も一族が城を保有する貴族の家系。組織とロシアとの関係が疑われている> ドイツで政権転覆を企てたとして極右テロ組織のメンバーら25人が逮捕された問題で、同組織の活動にロシアが関与していた疑いが浮上している。ロシア政府は関係を否定しているが、貴族の家系で一族が現在も城や狩猟用の別邸などを保有している「ハインリッヒ13世」と名乗る男性がリーダーを務めるこの組織は、ロシア側と接触していたとみられている。 ドイツ当局は12月7日朝、3000人以上を投入して強制捜査を行い、組織のメンバーとみられる25人を逮捕した。逮捕者には、組織のリーダーで「ハインリッヒ13世」を名乗る、71歳の貴族の家系出身の男も含まれている。 当局によると、逮捕されたメンバーらは、リーダーの男を新政府の指導者にすることを計画していた。男はクーデター計画への支持を得るために、ドイツ国内とロシアにおいて、ロシアの代表者と連絡を取ったとされる。 ドイツ連邦検察庁によると、この組織は「ライヒスビュルガー」と呼ばれる極右勢力や「Qアノン」の陰謀論を支持しているという。ライヒスビュルガーは、ドイツの現代の国家体制を否定し、第2次大戦前の国境に従って存在すべきだと主張している。 組織は遅くとも昨年11月までにクーデターを計画し、「ドイツは現在『ディープステート(影の政府)』のメンバーによって統治されていると固く信じている」と検察は説明。組織は、この体制からの解放が米国やロシアを含む「さまざまな国家の政府、情報機関、軍による秘密結社」からなる「同盟」からの介入を約束するものだと考えているという』、「ドイツ」でこんな「極右」「クーデター計画」が発覚、「25人を逮捕」、とは、衝撃だ。
・『「交渉の主な窓口は現在、ロシアである」  新国家秩序について交渉するために暫定的な軍事政権を形成することも計画し、「交渉の主な窓口は現在、ロシアである」と検察庁は明らかにした。 検察庁はまた、逮捕者の中にロシア人の女1人が含まれていると発表した。ドイツの個人情報保護規則に従い「ビタリア・B」と公表されたこの女は、テロ組織とロシア政府高官との接触を仲介した疑いで拘束されたが、接触が成功した「兆候」はなかったという。 過激派について研究するロンドンのシンクタンク「戦略対話研究所」(ISD)の政策・研究担当シニアマネージャー、ヤコブ・グールは、ネオナチやアイデンティタリアン運動など、ドイツに従来から存在する極右勢力は、ロシアへの支持で二分されているとニューズウィークに語った』、「新国家秩序について交渉するために暫定的な軍事政権を形成することも計画し、「交渉の主な窓口は現在、ロシアである」、しかし、「ビタリア・B」が「テロ組織とロシア政府高官との接触を仲介した疑いで拘束されたが、接触が成功した「兆候」はなかった」、なるほど。
・『ロシアに共感する陰謀論信奉者  「しかし、ライヒスビュルガーやQアノンの(ような)陰謀論信奉者は親ロシア的であるため、特にこの組織のメンバーが(ロシア政府に)共感することはそれほど不思議ではない」とグールは言う。 同組織のメンバーには、2021年まで極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」の連邦議会議員を務めていたビルギット・マルザックウィンケマンも含まれている。 グールは、プーチンのウクライナ侵攻に対するAfD内の意見は分かれているものの、「自由主義に立ち向かうキリスト教の伝統的な強い支配者として」プーチンを支持する派閥が党内に存在すると指摘する。AfDの共同党首のティノ・クルパラとアリス・ワイデルは、今回のクーデター計画を非難している。 ロシアのドミトリー・ペスコフ大統領報道官は、今回の逮捕は「ドイツ国内の問題」であるとし、「ロシアの介入についてはいかなる議論もあり得ない」と述べた』、「ロシアのドミトリー・ペスコフ大統領報道官は」、「今回の逮捕は「ドイツ国内の問題」であるとし、「ロシアの介入についてはいかなる議論もあり得ない」と述べた」、「ロシア」との関係はいまのところないようだ。

次に、12月9日付けNewsweek日本版が掲載した在英ジャーナリストの木村正人氏による「ドイツの極右テロ組織「帝国市民」クーデター計画が浮き彫りにする民主主義の危機」を紹介しよう。
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2022/12/13-48_1.php
・『<米連邦議会の襲撃事件と同様、ドイツでのクーデターを企てた組織にもQアノンの陰謀論や、ネット上で広まる極右過激派の思想が大きく影響していたとみられる> 「インターネットを理解せずに極右は理解できない。極右を理解せずしてインターネットは理解できない」「何年もの間、当局はデジタル空間を真剣に考えず、法整備が不十分だ。このため極右テロリストのサブカルチャーが何の規制も受けることなく繁殖することが可能になり、未成年者でも簡単にアクセスできる」 陰謀論イデオロギー、偽情報、反ユダヤ主義、右翼過激主義に対する早期警告システムの構築を目指すドイツ非営利組織CeMASのミロ・ディトリッヒ上級研究員はこう警鐘を鳴らしてきた。そんな中、独連邦検察庁が独自国家樹立のため現体制の転覆を狙って連邦議会の襲撃を企てた疑いがあるとして極右テロ組織と支援者計25人を拘束し、世界に衝撃を広げた。 独裁者アドルフ・ヒトラーが第二次大戦を引き起こし、ユダヤ人やマイノリティを虐殺したドイツは戦後、ナチズムや極右思想を徹底的に排除して自由と民主主義、平和主義の模範生になった。今や欧州連合(EU)の押しも押されもせぬリーダーだが、欧州債務危機や100万人を超える難民がドイツに押し寄せた欧州難民危機で極右勢力が台頭するようになった。 今回の事件について、ディトリッヒ上級研究員は「彼らはドイツ軍ともつながっている。辛い出来事だったコロナ・パンデミックによりグループがさらに過激化し、支援者も増えた。陰謀論は多くの人々にとって非常に魅力的だった」と英BBC放送に語る。陰謀論は自分の存在意義を見失った人たちに居心地のいい独自の世界観を与えている』、「欧州債務危機や100万人を超える難民がドイツに押し寄せた欧州難民危機で極右勢力が台頭するようになった。 今回の事件について、ディトリッヒ上級研究員は「彼らはドイツ軍ともつながっている」、「ドイツ軍ともつながっている」というのは衝撃的だ。
・『「民主主義は無防備だ」  「民主主義は無防備だ。今朝から大規模な対テロ作戦が行われている。ドイツ連邦検察庁は『ライヒスビュルガー(帝国市民)』系のテロリスト・ネットワークが関与していた疑いがあるとみて捜査している。憲法上の機関に対する武力攻撃が計画された疑いがある」――マルコ・ブッシュマン独法務相は7日こうツイートした。 主犯格の1人は「ハインリヒ13世」を名乗る男(71)で、貴族の家系出身。右派政党「ドイツのための選択肢(AfD)」元連邦議会(下院)議員で現職裁判官ビルギット・マルザック=ヴィンクマン容疑者や元空挺部隊員も拘束された。この組織は昨年11月末に設立され、1871年のドイツ帝国を模倣した王政を復活させることを目指し、射撃訓練も行っていた。) 拘束された支援者3人のうち1人はロシア出身。オーストリアとイタリアでも1人ずつ逮捕された。このほか27人の容疑者がいるという。容疑者が所有する国内の関係先130カ所以上に3000人超を投入して捜索に当たっている。ナンシー・フェーザー内相は声明で「摘発された組織は、暴力的な幻想と陰謀論に突き動かされている」と述べた。 拘束者の中には米国の過激な陰謀論勢力「Qアノン」の信奉者も複数含まれていた。ドイツ政府が「ディープステート(闇の政府)」に支配されているとの陰謀論を信じ、国家転覆を計画していたとみられている。ディトリッヒ上級研究員は「(陰謀論イデオロギーにおける)暴力の可能性は常にあったが、より具体的になりつつある」と前から指摘していた』、「ドイツ政府が「ディープステート(闇の政府)」に支配されているとの陰謀論を信じ、国家転覆を計画していたとみられている」、「陰謀論」も困ったものだ。
・『「ドイツのQアノン」  『ドイツのQアノン』という報告書の中で「なぜ陰謀論は今日の社会に肥沃な土壌を見つけることができたのか」という疑問に対してディトリッヒ上級研究員はこう答えている。「現代社会は分断され、伝統的な出会いの場が失われつつある。同時に人々はコミュニティに憧れ、オンラインスペースに見つける人もいる」 「多くの人が日常生活で見出せなくなった自分の人生に意味を与えてくれる物語を渇望している。右翼過激派の物語に目を向けるかもしれない。イスラムに対する戦い、移民に対する戦い、ユダヤ人に対する戦いなどの物語だ。今、私たちは陰謀論イデオロギーへの転換を目の当たりにしている」 独国営国際放送ドイチェ・ヴェレ(DW)によると、ライヒスビュルガー運動のメンバーは第二次大戦後のドイツ連邦共和国の存在を否定している。現在の国家は米英仏に占領された行政上の構築物に過ぎず、戦前の国境がまだ存在していると考えている。宣伝用のTシャツや旗を作り、自分たちでパスポートや運転免許証まで発行している 独連邦憲法擁護庁(BfV)によると、メンバーは国内に約2万1000人、うち5%が極右過激派に分類される。多くは男性で、平均年齢は50歳以上。右翼ポピュリスト、反ユダヤ主義、ナチスのイデオロギーを信奉している。税金を納めることを拒否し、自分たちが保有する小さな「領土」を宣言。拘束されたグループは「疑似政府」を準備していた』、「ライヒスビュルガー運動のメンバーは第二次大戦後のドイツ連邦共和国の存在を否定している。現在の国家は米英仏に占領された行政上の構築物に過ぎず、戦前の国境がまだ存在していると考えている。宣伝用のTシャツや旗を作り、自分たちでパスポートや運転免許証まで発行している 独連邦憲法擁護庁(BfV)によると、メンバーは国内に約2万1000人、うち5%が極右過激派に分類される。多くは男性で、平均年齢は50歳以上。右翼ポピュリスト、反ユダヤ主義、ナチスのイデオロギーを信奉している。税金を納めることを拒否し、自分たちが保有する小さな「領土」を宣言。拘束されたグループは「疑似政府」を準備していた」、「税金を納めることを拒否」、これはさすがに違法だろう。
・『爆発寸前に達した社会のフラストレーション  捜査当局によると、ロシアとドイツの新しい国家秩序を交渉するため暫定政府を設立する計画があったという。グループは銃器に親しみ、一斉捜索で大量の武器や弾薬が押収された。ライヒスビュルガー運動にはドイツ軍や旧東ドイツの国家人民軍の元兵士もかなり含まれ、特殊な軍事訓練を受けた者もおり、以前から危険視されていた。) ディトリッヒ上級研究員はコロナ危機でQアノンが広がったことについて報告書の中で「歴史を見ると、危機のたびに陰謀論イデオロギーが拡大している。国民がこれまでと同じように物事をどう続けていけば良いのか分からなくなった時、秩序が失われる。こうして不安は生まれ、その対症療法として陰謀論イデオロギーへと逃避していく」と分析している。 2016年12月、ワシントンのピザ屋に男がライフル銃を持って押し入り、3発を発射した。男は民主党大統領候補だったヒラリー・クリントン氏がこのピザ屋に幼い子供たちを性奴隷として拘束しているというQアノンの陰謀論を信じていた。クリントン氏を嫌うQアノン支持者にとってドナルド・トランプ前米大統領は一種の救世主的存在になった。 昨年1月に米連邦議会を襲撃したのもトランプ氏をあがめるQアノンの信奉者だった。陰謀論イデオロギーがはびこる背景には社会の分断がある。勝者総取りのネオリベラリズム(新自由主義)が拡大させた貧富の格差、コロナ危機、ウクライナ戦争が悪化させたエネルギー危機とインフレで社会のフラストレーションは爆発寸前に達している。 民主主義はまさに危機に瀕している』、「不安は生まれ、その対症療法として陰謀論イデオロギーへと逃避していく」、「陰謀論イデオロギーがはびこる背景には社会の分断がある」、「民主主義はまさに危機に瀕している」、その通りだ。

第三に、12月12日付けBBC News「ドイツ国家の転覆を画策、どういう集団なのか」を紹介しよう。これは、より深く掘り下げた分析である。
https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-63932787
・『真冬の森に囲まれた地面を、雪がうっすらと覆っている。 ドイツ東部チューリンゲン州のこれまた東部で、私たちは車を走らせていた。うねり続ける田舎道の急カーブを十数回も曲がると、そこにアルパカが3頭、わびしげに私たちを見つめていた。 3頭の後ろには丘。その上に、私たちはついに目当てのものを見つけた。ネオゴシック様式の狩猟用別荘、石塔がそびえるヴァルドマンスハイル城の姿を。 この城は7日まで、ドイツ連邦議会を占拠して現代ドイツ国家を破壊しようと企む、雑多な集団の本部だった。このグループは現代ドイツの代わりに王制を復古させ、そのトップに「プリンス(侯子)」を据えようとしていた。第1次世界大戦まで数百年にわたりこの地方を治めていた一族の一員のことだ。 この集団は、この国家転覆計画をクリスマスまでに完了させようとしていた。 とんでもない、ほとんど信じられないことのように思えるだろう。 その通りだ。そして今や当の「プリンス」は逮捕され、クリスマスを留置所で過ごすことになった。 しかし、このクーデター計画をドイツの治安当局は真剣に受け止めていた。そして、国内にとどまらず、オーストリアやイタリアにも及ぶ150カ所を警官3000人が家宅捜索し、25人を逮捕した。ほとんど類を見ないほど大規模な一斉摘発だった。 情報機関関係者によると、捜査が進めば今後数週間や数カ月のうちに逮捕者はさらに増えることになる。そして、国内の連邦議会や州議会の内外でいかに警備体制を強化するかの話題で、ドイツ・メディアは持ちきりだ。 ロイス侯爵家の「ハインリヒ13世」をはじめ、25人が逮捕された(7日、フランクフルト) ロイス侯爵家の「ハインリヒ13世」をはじめ、25人が逮捕された(7日、フランクフルト) そうやってドイツ・メディアはセンセーショナルに大騒ぎしているのだが、それとは実に対照的に、ハンティング・ロッジ(狩猟用別邸)の敷地にひとけはなく、ひっそりとしていた。施錠された門の外からのぞき込むと、あまりに静かで、不気味でさえあった。敷地内に建つ朽ちたような小屋の壁には、いくつものシカの頭蓋骨が所在なさそうにつるされていた。おそらく敷地内で狩られたのだろう。 マスコミをいぶかしむ近隣の人たちはいやそうに、ロッジの中で明かりがつくのは見たことはあるが、この数カ月というもの人の出入りはほとんど気づかなかったと、私に教えてくれた。来訪者は正面玄関ではなく、脇の裏口を使うのだそうだ。地元の墓地の後ろを通る森の中の裏道を経て、建物に入るのだという。 ヴァルドマンスハイル城を頻繁に訪れる人たちが、なぜ人目を避けていたのか、今ならその理由がわかる。 このグループは2021年11月に、クーデターの計画を始めた。新しいドイツ国家、新しい帝国を待ちわびるメンバーは、誰が新国家のどういう大臣になり、どういう軍隊を作って国家転覆を実現しようかと、そこまで話し合っていた』、「2021年11月に、クーデターの計画を始めた。新しいドイツ国家、新しい帝国を待ちわびるメンバーは、誰が新国家のどういう大臣になり、どういう軍隊を作って国家転覆を実現しようかと、そこまで話し合っていた」、ずいぶん「計画」は進んでいたようだ。
・『「プリンス」と呼ばれてこのグループの中心にいた人物は、世襲貴族の一族ロイス家の末裔(まつえい)だ。オーストリアに邸宅を構える一族の当主、ロイス侯爵ハインリヒ14世はズーム経由で、私の取材に応じてくれた。 「とんでもないことだと、私たちは思っている」と、ハインリヒ14世は言った。 「このつまはじき者は、荒唐無稽な陰謀論と反ユダヤ主義の考えが理由で、何年も前に一族から縁を切られている。私たち家族の代表でも何でもない」 逮捕された「ハインリヒ13世」について、ロイス侯は、「ずっとこうだったわけではない」とも言った。ちなみに、この一族では男子は全員「ハインリヒ」と名付けられる。存命の一族のハインリヒは30人いる。13世は若いころ、「レーシング・ハインリヒ」と呼ばれていた。レーシングカーと美しいモデルが好きだったからだ。 ロイス家は何百年もヴァルドマンスハイル城を所有し続けたが、第2次世界大戦後に東ドイツの共産党政権に接収された。 「レーシング・ハインリヒ」の遠縁にあたるロイス侯によると、ハインリヒ13世は次第に世間を恨むようになった。「不運続きだった」のだと、侯爵は首を振りながら言った』、「ロイス家は何百年もヴァルドマンスハイル城を所有し続けたが、第2次世界大戦後に東ドイツの共産党政権に接収された」、「東ドイツ」だったら、やむを得ないだろう。
・『国家転覆計画容疑での一斉摘発で25人が逮捕された  逮捕されたハインリヒ13世には、重病の娘がいる。フランクフルトを拠点にした不動産業は、あまり成功していない。そして、一族の所領を取り戻そうと膨大な数の訴訟を起こしてきたものの、そのほとんどで敗訴している。 東独の共産党政権は、ヴァルドマンスハイル城をユースホステルとして使った。ドイツ・メディアに「Prinz Putsch(反乱侯子)」と呼ばれるようになったハインリヒ13世は、ベルリンの壁とソヴィエト連邦が崩壊したのち、1990年代前半に自らヴァルドマンスハイル城を買い戻す羽目になった。 「悪い仲間と付き合うようになった」のだと、ロイス侯は言った。 「今となっては、それは誰が見てもわかる」 ハインリヒ13世が計画した反乱の一味の顔触れは、まるでスパイ・スリラーか、あるいはそのパロディーの登場人物一覧だ。 さまざまな陰謀論を信じる71歳のドイツ貴族。はるかに年下のロシア人の恋人(彼女はロシア政府に、ドイツ国家転覆を支援してもらおうとしていた)。腕利きの料理人。ドイツの精鋭特殊部隊の現役関係者。元警察幹部。ベルリンの裁判官。そして、極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」の元連邦議会議員。 今もAfDに所属するビルギット・マルザック=ヴィンケマン元議員は、新国家の法相になる予定だった。連邦議会の内部の様子を知る元議員の知識が、武装蜂起の立案に不可欠だった。クリスマス前に予定されていた連邦議会襲撃は、暴力的なものになるはずだった。 グループの通話を傍聴していた捜査員たちは、人が死ぬのは「避けがたい」と一味が話し合うのを聞いていた。マルザック=ヴィンケマン元議員は、神秘主義に情熱をそそいでいたとされており、捜査関係者によると、議会襲決行の日にちを決めるために、占星術のホロスコープ(天体配置図)を参考にしていたという。 連行される逮捕者(7日、カールスルーエ) しかし、この計画にドイツの治安当局が本気で対応したのは、複数の元軍関係者が集まり、軍事組織を立ち上げようとしていたからだ。捜査当局が「リュディガー・フォン・P」と名前を公表した人物が、この軍部のトップで、連邦議会襲撃の責任者だった。議事堂を襲撃し、議員たちの両手を縛って人質にとり、警察の動きを封じる計画だった。 「リュディガー・フォン・P」は元陸軍中佐で、精鋭空挺(くうてい)部隊の指揮官だった。ドイツ・メディアによると、現役軍人だったころから兵器を集めて隠し持っていたという。 その直属には、現役の特殊部隊将校「アンドレアス・M」と、元陸軍中佐の「マクシミリアン・エデル」がいた。エデル容疑者はソーシャルメディア「テレグラム」で活発に活動しており、最近では友人たちに、クリスマス前に社会が激しく揺れる動乱があると、動画メッセージで警告していた。 そのほかには、解職された元警官で陰謀論者を公言している「ミヒェル・F」や、ネオ・ナチスにつながりのあるサバイバルのエキスパート「ペーター・W」などがいる。「ペーター・W」について捜査当局は、今年4月に家宅捜索した際に自宅に武器や銃弾を発見したことから、捜査線上に浮上したとしている。 7日の一斉摘発では、捜索した50カ所から武器が見つかった。これにはドイツ南部の陸軍兵舎も含まれる。報道によると、ヴァルドマンスハイル城を捜索した警官の1人は近隣住民に、弾薬や爆発物を探しているのだと話したという。 ドイツの軍や治安機関にいったいどれだけ、極端なイデオロギーが浸透しているのか、その実態は把握されていない。これは非常に心配なことだと、極右人種差別や反ユダヤ主義に詳しい研究者のニコラス・ポッター氏は言う。 極右の軍関係者が大量の武器や銃弾を入手していたことを、ポッター氏は懸念している ベルリンのアメデオ・アントニオ基金で上級研究員を務めるポッター氏は、ドイツ軍でこのところスキャンダルが相次いでいることを、BBCの取材で指摘した。中でも、精鋭部隊の陸軍特殊戦団(KSK)で、極右思想があまりに蔓延(まんえん)しているという理由で中隊が解体されていることも、ポッター氏は取り上げた。 「とんでもないほど大量の弾薬や武器が基地から消えて、極右の兵士の手に渡っている。(今回のクーデター計画で)明らかになったのは、氷山の一角に過ぎない。実態の規模はもっと大きくて深いのだと思う。これは非常に心配な事態だ。高度に訓練されて、強い目的意識を持った兵士が数人いれば、民主主義にとっては深刻な危機となることを、忘れてはならない」 クーデターを計画したグループの中には、いわゆる「ライヒスビュルガー」と呼ばれる人が大勢いた。その名の通り「帝国の住民」を自認する総数2万1000人超のこの人々は、現代ドイツの連邦共和国を認めていない。そのため、納税を拒否し、ドイツの判事による判決を受け入れず、連邦共和国のナンバープレートも使わない。「ライヒスビュルガー」たちは、第1次世界大戦の敗戦をもってドイツ帝国が崩壊して以来、正統で合法的なドイツ国家は存在しなくなったと考えている。 2016年にそうした「ライヒスビュルガー」の自宅を警察が強襲し、違法に所持する銃器を押収しようとした際には、家の所有者が応戦し、警官1人を殺害している。情報機関の関係者は私たちの取材に対して、近年「ライヒスビュルガー」は過激性を増していると話した。ただし、実際に暴力行為に自ら及ぶ用意のある「ライヒスビュルガー」は、ごく少数だとみられている。 今年の夏、ハインリヒ13世は、連邦共和国発行の身分証を持つ者はれっきとしたドイツ人ではないという内容のチラシを用意し、保養地バート・ドビンゲン一帯の民家の郵便箱に投函して回った。侯子のヴァルドマンスハイル城は、このバート・ドビンゲンにある。 「頭がおかしいんだと思った」。年金暮らしのイザベルさんはこう言ってから、古い石畳の町の中心部でATMに入っていった。 「帝国のパスポートや運転免許証を申請できるとかいうウエブサイトのリンクが、チラシに書いてあった。今のドイツの国旗ではなくて、赤と黒と白の古い帝国の旗がついた免許証。それから、ここでミニ王国を作るための選挙に参加しませんかという呼びかけもあった。そのミニ王国とやらのトップに、本人がなるつもりだったんでしょう。私はすぐにくしゃっとチラシを丸めて、ごみ箱に捨てました」 しかし、私たちがバート・ドビンゲンで会ったすべての人が、このイザベルさんほどきっぱり否定的だったわけではない。 ごみ回収業のセバスティアンさんは、家族や友人の中にはハインリヒ13世に同情的な人もいると話した。 「こんなことは言いたくないが、残念ながらそうなんです。この国の現状に不満を抱く人は大勢いる。ドイツ政府に不信感を抱いていて、今とは違うドイツになってもらいたいと思っている」 ベルリンにある非営利団体「監視・分析・戦略センター(CEMAS)」の偽情報研究者、ヨゼフ・ホルンブルガー氏によると、実に20%ものドイツ人が陰謀論を信じがちだという調査結果がある。そうした陰謀論の中には、オンラインで拡散されるロシアのプロパガンダも含まれる。 今のドイツ人は特に陰謀論に取り込まれやすくなっていると、ホルンブルガー氏は言う。新型コロナウイルスのパンデミックを経た今、経済が下落を続け、ウクライナでの戦争の影響でエネルギー価格に対する懸念が高まっている状態なだけに。現状は政府当局のせいだと、大勢が思っているのだという。 ハインリヒ13世のヴァルドマンスハイル城があるドイツ東部チューリンゲン州の情報機関トップ、ステファン・クラマー氏は、ドイツだけでなく欧州の大部分にとって、パンデミックが分岐点だったと話す。過激派勢力とはこういう危機の時代に乗じて、自分たちのいいように現状を利用しようと乗り込んでくるものだと語った。 ステファン・クラマー氏は、パンデミックが分岐点だったと話す 「ドイツの新しい右派やネオナチは、ふだんなら絶対にライヒスビュルガーに近づいたりしない。ライヒスビュルガーは頭がおかしい、あるいはエキセントリックな連中だとみられがちだったので。しかし今のこの国では、実に大勢がコロナ対策のロックダウンに反対しているため、手を組むのが得策だと判断したようだ」と、クラマー氏はBBCに話した。 「ドイツ連邦共和国を倒すという共通の目的があるので、彼らは今や協力しあっている。一方(ライヒスビュルガー)はそもそも連邦共和国など本当は存在しないと言う。もう一方(ナショナリストな極右)は、連邦は存在するが、それを滅ぼして代わりに新しい(独裁)政権を作りたいと言う。双方は思想的な結びつきはないが、この共通の目的でつながっている。一緒になってデモに参加して、新しいメンバーを勧誘している」 こうしたデモの一つがパンデミックの最中にベルリンで行われ、約4万人が参加した。そしてその渦中で、デモに加わっていた少数のグループが、連邦議会襲撃のまねをしてみせたのだ』、「実に20%ものドイツ人が陰謀論を信じがちだという調査結果がある。そうした陰謀論の中には、オンラインで拡散されるロシアのプロパガンダも含まれる」、「20%ものドイツ人が陰謀論を信じがち」、意外に多いようだ。「「ドイツの新しい右派やネオナチは、ふだんなら絶対にライヒスビュルガーに近づいたりしない。ライヒスビュルガーは頭がおかしい、あるいはエキセントリックな連中だとみられがちだったので。しかし今のこの国では、実に大勢がコロナ対策のロックダウンに反対しているため、手を組むのが得策だと判断したようだ」」、パンデミックが「手を組む」きっかけだったとは、あり得る話だ。
・『カルトはなぜ危険なのか、なぜ人はカルトに入るのか 心理的トリックを知る重要性 これはその5カ月後に米ワシントンでドナルド・トランプ前大統領の支持者と陰謀論者が起こした、連邦議会襲撃事件の前触れでもあった。トランプ氏はかつてベルリンでのデモについて、自分はデモ参加者の間で人気だったようだと言及したことがある。 確かにその通りだ。ドイツ連邦政府に抗議していた人の多くは、トランプ氏や、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領を支持していた。彼らにしてみればトランプ氏やプーチン氏は、「より良い」、そして「より白い」、より保守的でキリスト教的な社会の強力な守護者ということになる。 アメリカで生まれ、そしてトランプ氏を称揚する陰謀論「Qアノン」の支持者が最も多いのは、英語圏以外ではドイツだ。Qアノン信奉者は世界的な権力者の闇のネットワーク「ディープステート」の存在を主張し、その「ディープステート」を憎悪する。世界を支配しているのは、権力志向で腐敗した、幼い子供を虐待しては殺しまくるエリートたちだと、Qアノン信奉者は言い張る。そういうQアノン信奉者の敵は、リベラルで、グローバルで、そして多くの場合はユダヤ人だ。 陰謀論を広める「Qアノン」とは何か? 止める方法は? ドイツのQアノン信奉者は、声高なワクチン否定派やネオナチやライヒスビュルガーと手を組み、2020年8月末にベルリンのドイツ連邦議会議事堂に向かった。彼らが中に押し入る前に、警察が制止したものの、ドイツの反主流派勢力にとっては象徴的な大成功だと受け止められた。 黒・赤・白の帝国旗に身を包んだ抗議者の映像が、世界中で放送されたからなおさらだった。ここドイツでは、ナチスのカギ十字は完全に違法で使うことができない。そのためネオナチが特に好んで使うのが、この帝国旗なのだ。 ドイツ連邦議会を襲撃しようとしたデモ隊(2020年8月、ベルリン) 一方で、今後のドイツの治安体制をどう改善するかと言うと、この記事のため取材した実に大勢が、日常的に殺害予告を受けていることを知って、私は驚いてしまった。その多くが、いわゆるドイツの主流派のために働いているとみなされる人たちだ。 たとえば前出のホルンブルガー氏は安全対策として、CEMASのオフィスではない場所で取材を受けたいと希望した。チューリンゲン州の情報機関幹部のクラマー氏は、自分が常に標的にされていることを自覚している。 ドイツの極右をウォッチする前出のポッター氏と同僚の研究者たちは、しばしば脅迫を受ける。反ファシズム運動を展開する左翼党選出のマルティナ・レナー連邦議会議員も同様だ。 私たちの取材にレナー議員は、ドイツでは過激な陰謀論や新しい極右運動が台頭するだけでなく、それに伴う実際の暴力行為や攻撃が増加していると、懸念を示した。殺人事件も起きている。 ネオナチから反ファシスト活動家に転じたインゴ・ハッセルバッハ氏に会いたいと持ちかけると、「表では」会えないと言われた。 「よそ者」に対する治安対策をどれだけ強化したところで、最近では、脅威というのは国内からやってくるものでもある。 情報機関幹部のクラマー氏は、これこそ近年で最も懸念される変化の一つだという。 「最近の過激主義者は、表でパッと見てすぐそれと分かる格好をしていない。ネオナチでもスキンヘッドではないし、むしろピンストライプのスーツを着ていたりする。あるいは、コーデュロイのボトムをはいた中年男性だったりする。極右過激派とは一見思わないような見た目をしている。過激アナキストに見えない極左どころの話ではない。この国の政府転覆を図る人間の数と、その生き方は、社会の中心にがんのように広まっている。まだ少数派だが、一部はこの国の主流派の間でも増えつつある」 今週のドイツでは、クラマー氏も、あらゆる治安当局関係者も口をそろえて強調する。クーデターを計画したグループが逮捕され、捜査が続いているといっても、ドイツ政府や連邦議会の存続そのものが本格的に危険にさらされていたわけではないと。ただし、暴力事件が実際に起きる危険は本物だった。 「私は……最悪に備えて、最善を期待するようにしている」と、苦々しい表情でクラマー氏は言った。 ドイツについてこの国の外で思われているイメージと、私が受ける印象は大きく異なる。外国にいる人たちはドイツを、ルールを守りハイテクで地味でリスクを嫌い中庸で安全で中道的な社会だと思っているかもしれない。だが、もしかするとそれは、アンゲラ・メルケル前首相が体現したステレオタイプなのかもしれない。 そのステレオタイプのせいで、ドイツで起きる極右や極左の攻撃は、「単独犯」の犯行だと軽視されすぎてきたと、前出のポッター氏は言う。たとえば2019年に起きた保守派政治家、ヴァルター・リュブケ氏の暗殺がそのひとつだ。リュブケ氏は難民や移民の権利を声高に擁護していた。そして彼を殺害した男は、極右「ドイツ国家民主党(NPD)」やイギリスの極右団体「コンバット18」とつながりがあった。 「もちろん、公共交通機関がきちんと動くとか、効率的だとかとか、ドイツ社会のそういう部分に注目したってかまわないが、この(組織的暴力も)現代ドイツにおける現実の一部だ。これまで十分真剣に検討されていたとは言いがたい。それがこの、ライヒスビュルガーのネットワークによって、可視化された」のだと、ポッター氏は強調する』、「この(組織的暴力も)現代ドイツにおける現実の一部だ。これまで十分真剣に検討されていたとは言いがたい。それがこの、ライヒスビュルガーのネットワークによって、可視化された」のだ、闇に埋もれたままよりは、望ましい。
タグ:ドイツ (その5)(ドイツでクーデター未遂を起こした極右テロ組織に 「ロシア関与」の疑いが、ドイツの極右テロ組織「帝国市民」クーデター計画が浮き彫りにする民主主義の危機、ドイツ国家の転覆を画策 どういう集団なのか) Newsweek日本版「ドイツでクーデター未遂を起こした極右テロ組織に、「ロシア関与」の疑いが」 「ドイツ」でこんな「極右」「クーデター計画」が発覚、「25人を逮捕」、とは、衝撃だ。 「新国家秩序について交渉するために暫定的な軍事政権を形成することも計画し、「交渉の主な窓口は現在、ロシアである」、しかし、「ビタリア・B」が「テロ組織とロシア政府高官との接触を仲介した疑いで拘束されたが、接触が成功した「兆候」はなかった」、なるほど。 「ロシアのドミトリー・ペスコフ大統領報道官は」、「今回の逮捕は「ドイツ国内の問題」であるとし、「ロシアの介入についてはいかなる議論もあり得ない」と述べた」、「ロシア」との関係はいまのところないようだ。 Newsweek日本版 木村正人氏による「ドイツの極右テロ組織「帝国市民」クーデター計画が浮き彫りにする民主主義の危機」 「欧州債務危機や100万人を超える難民がドイツに押し寄せた欧州難民危機で極右勢力が台頭するようになった。 今回の事件について、ディトリッヒ上級研究員は「彼らはドイツ軍ともつながっている」、「ドイツ軍ともつながっている」というのは衝撃的だ。 「ドイツ政府が「ディープステート(闇の政府)」に支配されているとの陰謀論を信じ、国家転覆を計画していたとみられている」、「陰謀論」も困ったものだ。 「ライヒスビュルガー運動のメンバーは第二次大戦後のドイツ連邦共和国の存在を否定している。現在の国家は米英仏に占領された行政上の構築物に過ぎず、戦前の国境がまだ存在していると考えている。宣伝用のTシャツや旗を作り、自分たちでパスポートや運転免許証まで発行している 独連邦憲法擁護庁(BfV)によると、メンバーは国内に約2万1000人、うち5%が極右過激派に分類される。多くは男性で、平均年齢は50歳以上。右翼ポピュリスト、反ユダヤ主義、ナチスのイデオロギーを信奉している。税金を納めることを拒否し、自分たちが保有する小さな「領土」を宣言。拘束されたグループは「疑似政府」を準備していた」、「税金を納めることを拒否」、これはさすがに違法だろう。 「不安は生まれ、その対症療法として陰謀論イデオロギーへと逃避していく」、「陰謀論イデオロギーがはびこる背景には社会の分断がある」、「民主主義はまさに危機に瀕している」、その通りだ。 BBC News「ドイツ国家の転覆を画策、どういう集団なのか」 「2021年11月に、クーデターの計画を始めた。新しいドイツ国家、新しい帝国を待ちわびるメンバーは、誰が新国家のどういう大臣になり、どういう軍隊を作って国家転覆を実現しようかと、そこまで話し合っていた」、ずいぶん「計画」は進んでいたようだ。 「ロイス家は何百年もヴァルドマンスハイル城を所有し続けたが、第2次世界大戦後に東ドイツの共産党政権に接収された」、「東ドイツ」だったら、やむを得ないだろう。 「実に20%ものドイツ人が陰謀論を信じがちだという調査結果がある。そうした陰謀論の中には、オンラインで拡散されるロシアのプロパガンダも含まれる」、「20%ものドイツ人が陰謀論を信じがち」、意外に多いようだ。 「「ドイツの新しい右派やネオナチは、ふだんなら絶対にライヒスビュルガーに近づいたりしない。ライヒスビュルガーは頭がおかしい、あるいはエキセントリックな連中だとみられがちだったので。しかし今のこの国では、実に大勢がコロナ対策のロックダウンに反対しているため、手を組むのが得策だと判断したようだ」」、パンデミックが「手を組む」きっかけだったとは、あり得る話だ。 「この(組織的暴力も)現代ドイツにおける現実の一部だ。これまで十分真剣に検討されていたとは言いがたい。それがこの、ライヒスビュルガーのネットワークによって、可視化された」のだ、闇に埋もれたままよりは、望ましい。
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