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いじめ問題(その13)(「旭川中2女子凍死」で認定された加害生徒の陰湿手口 大人たちの許されぬ行為も、雨宮塔子が見た「フランスのいじめ対策」の本気度 学校でのいじめ撲滅に向けて「厳罰化」に動いた、文科省が犯罪と明示した「いじめ」19事例 学校の“隠蔽”看過できぬ事態に) [社会]

いじめ問題については、昨年4月5日に取上げた。今日は、(その13)(「旭川中2女子凍死」で認定された加害生徒の陰湿手口 大人たちの許されぬ行為も、雨宮塔子が見た「フランスのいじめ対策」の本気度 学校でのいじめ撲滅に向けて「厳罰化」に動いた、文科省が犯罪と明示した「いじめ」19事例 学校の“隠蔽”看過できぬ事態に)である。

先ずは、昨年4月19日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した事件ジャーナリストの戸田一法氏による「「旭川中2女子凍死」で認定された加害生徒の陰湿手口、大人たちの許されぬ行為も」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/301842
・『北海道旭川市で昨年3月、中学2年の広瀬爽彩さん(当時14)が凍り付いた遺体で見つかり、その後に上級生らによる性的行為の強要などが明らかになった問題を受け、第三者調査委員会は15日、7人が関わった6項目について「いじめ」と認定する中間報告を公表した。中学校や市教育委員会は隠蔽(いんぺい)を図ろうとしたものの「文春砲」によって暴かれた事実は、おぞましい行為の数々だった』、興味深そうだ。
・『精神的に追い詰め性的行為を強要  本稿に入る前に、広瀬さんに心からお悔やみを申し上げます。 広瀬さんは気温が氷点下17℃だった昨年2月13日に失踪し、同3月23日に雪の積もる公園で凍死しているのが見つかった。失踪当日に死亡したとみられる。文春オンラインが同4月15日、広瀬さんが性的行為を強要されていたなどと報道し、問題が表面化した。 第三者委の報告によると、7人はいずれも上級生で、同じ北星中学に通っていた男子生徒(A、B、C)と女子生徒(D)、別の中学に通っていた男子生徒(E)と女子生徒(F、G)。 6項目は下記の通りだ。 (1)A、B、Cは2019年4月、広瀬さんも含めたLINEのグループ通話で性的なやりとりを繰り返し、Aは性的な意味で広瀬さんの体を触った。 (2)3人は同4~5月、深夜や未明に公園に集まろうと連絡したが、自分たちは行くつもりがなかったのに広瀬さんには伝えなかった。 (3)Dは同5~6月、お菓子などの代金を負担させる行為を繰り返した。 (4)Eは同6月3日、性的な話題を長時間にわたって続け、性的な動画の送信を繰り返し求めた。 (5)C、D、E、F、Gは同6月15日、広瀬さんに性的行為に関する会話をした上、性的な行為をするよう要求、あるいは静観していた。いずれも広瀬さんが性的行為をする状況を見ていた。 (6)Eは同22日、広瀬さんをからかい、嫌がる反応をした後も繰り返した。広瀬さんがパニック状態になった後も、Dは突き放すような発言をした――などとしている。 全国紙社会部デスクによると、(2)では午前4時に公園に呼び出され、母親が止めても「行かなきゃ」とパニックになったこともあった。(3)では、別の友人に負担させられた具体的な金額を挙げて相談していた。 (4)では「裸の画像を送って」「(送らないと)ゴムなしでやる」などとしつこく要求され、恐怖のあまり送ってしまったらしい。 (5)では公園に居合わせた小学生らに「裸の画像を送らされたり、わいせつなやりとりをしたりしていた」と教え、さらに「いま、ここでやってよ」と強要。取り囲まれた広瀬さんは逃げることもできなかった。 (6)はウッペツ川の土手で「画像を流す」とからかい、広瀬さんは「死ぬから画像を消して」と懇願。2人は「死ぬ気もないのに死ぬとか言うな」とさらに詰め寄り、広瀬さんはパニックになって川に飛び込んだとされる。 6項目は「確認された」だけだが、ほかにも表面化していない事案があっただろうことは想像に難くない』、信じ難いような陰惨ないじめだ。
・『母親に「頭おかしいのか」とせせら笑った教頭  前述のデスクによると、加害者側は画像や動画をSNSで拡散していた。 「自分の中学だけでなく、ほかの学校の人たちも自分の画像や動画を持っている」。その事実は思春期の女子中学生がどれほど恥ずかしく、怖かったことだろう。加害者側はそこにつけ込み、時に脅し、からかい、あざけり、精神的に追い詰めていったわけだ。 北星中学入学時から(6)までの間、広瀬さんは担任教師に相談した。 だが「相手に内緒で」と約束したのに、その日のうちに相手に話してしまい、いじめがエスカレート。母親も「ママ、死にたい」「いじめられている」と漏らすようになった娘を案じ、学校に指摘したが「遊びだった」「いたずらの度が過ぎただけ」と、まともに取り合わなかった。 対応に当たった教頭は「加害者10人と、被害者1人の未来、どっちが大切ですか。1人のために10人をつぶしていいんですか。どちらが将来、日本のためになるか冷静に考えてください」と加害者側を擁護。 さらに「これ以上、何を望むのか」と逆ギレし、母親が「できないのは分かっているが、娘の記憶を消してください」と求めると、教頭は「頭がおかしくなったんですか。病院に行ったほうがいい」とせせら笑ったという。 しかし(6)の目撃者が警察に通報し、経緯を調べた旭川中央署が一連の実態を把握することとなった。加害者側は画像を削除するなどして証拠隠滅を図ったが、同署がデータを復元し画像や動画を発見した。 母親は警察から事実関係を知らされた上、画像や動画を提示されて強いショックを受けたという。広瀬さんは(6)で病院に搬送され入院していたが、北星中学を信用できなくなっていたため退院後の8月、別の中学に転校した。 その後も広瀬さんは心的外傷後ストレス障害(PTSD)に苦しみ、過呼吸やおう吐、突然「先輩、許して」「殺してください」などと叫んだり、卒倒したりすることがあった。転校先にも通えずにいた。 そして昨年2月13日、自宅から行方不明になり、3月23日に変わり果てた姿で見つかった。葬儀には北星中学の関係者は誰も参列しなかったという』、「担任教師に相談した。 だが「相手に内緒で」と約束したのに、その日のうちに相手に話してしまい、いじめがエスカレート」、「担任教師」も無責任で頼りない限りだ。「対応に当たった教頭は「加害者10人と、被害者1人の未来、どっちが大切ですか。1人のために10人をつぶしていいんですか。どちらが将来、日本のためになるか冷静に考えてください」と加害者側を擁護。 さらに「これ以上、何を望むのか」と逆ギレし、母親が「できないのは分かっているが、娘の記憶を消してください」と求めると、教頭は「頭がおかしくなったんですか。病院に行ったほうがいい」とせせら笑ったという」、「教頭」の対応はとんでもないものだ。
・『いじめ「重大事態」の認定を市教委が避けたかった理由  一方(6)を受け、市教委は北海道教委に「いじめ」が原因で発生したのではなく、「わいせつ・自殺未遂事案」として報告。その後も道教委からの広瀬さんに対する聞き取りなどを要請されても、加害者側の主張を追認して「いじめ」の存在を否定し続けた。 前述のデスクは「いじめ防止対策推進法に基づく『重大事態』と認定したくなかった半面、わいせつ問題をすんなり認めたのは、過去に隠蔽を図り失敗したトラウマがあるのでしょう」と解説した。 推進法は、学校や市教委の隠蔽や責任逃れをしたことが原因で起きた「大津市中2いじめ自殺事件」が契機となって成立した。この重大事態に認定すると、警察を含めた関係各所との連携など、とにかく「大事」になる。学校や教委としても不名誉で、北星中学や市教委が認定を避けたかったという思惑があっただろうことは推測できる。 一方の「トラウマ」だが、旭川市では1996年、市立中学2年の男子生徒複数が特定の女子生徒にセクハラ行為を繰り返した末、エスカレートして強姦(かん)事件にまで発展。学校は女子生徒から相談を受けていたがスルーし、事件後も隠蔽を図ったことが発覚して批判を浴びた。 今回の問題は、北星中学の教諭らが広瀬さんの相談にきちんと耳を傾けて対応し、再発防止に努めて心のケアに取り組んでいれば避けられた悲劇だ。結局のところ、北星中学や市教委は大津や前回の事件から、何も学んでいなかったということだ』、「旭川市では1996年、市立中学2年の男子生徒複数が特定の女子生徒にセクハラ行為を繰り返した末、エスカレートして強姦(かん)事件にまで発展。学校は女子生徒から相談を受けていたがスルーし、事件後も隠蔽を図ったことが発覚して批判を浴びた」、こんな事件があったにも拘らず、今回またも同じような隠蔽工作をするとは、懲りない面々だ。
・『教育委が言う「いじめ」実態は悪質な犯罪  今回の問題は「いじめかどうか」がクローズアップされたが、教育委員会などが言う場合の「いじめ」は、表現をオブラートに包むための言い回しで、実態は悪質な犯罪である。 たとえば(1)殴ったり蹴ったりすれば「暴行罪」、(2)けがをさせれば「傷害罪」、(3)金銭を脅し取れば「恐喝罪」、(4)万引などを命じれば「強要罪」、(5)私物を持ち去って隠せば「窃盗罪」、(6)「死ね」などと脅せば「脅迫罪」、(7)私物に落書きすれば「器物損壊罪」――などに該当する。) 今回はどうか。旭川中央署はEの行為について児童買春・ポルノ禁止法違反(製造、所持)に抵触すると判断したが、当時14歳未満だったため刑事責任を問えず、「触法少年」として厳重注意にとどまった。ほかの上級生らも同法違反(所持)などで調べたが、いずれも証拠不十分でおとがめなしだった。 意図していたのかどうか不明だが、ある意味で陰湿かつ巧妙だったともいえる。筆者は数年前、懇意にしていた警視庁で少年事件を長く担当してきた刑事に「昔は殴ったり蹴ったりという物理的ないじめが多かったが、最近は精神的に追い詰める陰湿な手口が多い」と聞いたことがあった。まさに今回のようなケースなのだろう。 今回、加害者側は誰一人として罪に問われなかったが、彼らが広瀬さんを死に追いやったのは誰の目にも明らかだ。 加害者側は問題が発覚しそうになったとき、証拠隠滅を図ったり、口裏合わせをしていたりしていたとされる。問題発覚後も、一部の事実関係を認めながらも反省のそぶりはなく、謝罪も口にしていないという。 加害者が心から反省し、墓前で謝罪することが広瀬さんや母親、遺族らに対するせめてもの贖(しょく)罪だと思うのだが、無理な話なのだろうか』、「今回、加害者側は誰一人として罪に問われなかったが、彼らが広瀬さんを死に追いやったのは誰の目にも明らかだ。 加害者側は問題が発覚しそうになったとき、証拠隠滅を図ったり、口裏合わせをしていたりしていたとされる。問題発覚後も、一部の事実関係を認めながらも反省のそぶりはなく、謝罪も口にしていないという」、これほど悪質な事件でも、「加害者側は誰一人として罪に問われなかった」。「未成年」とはいえ、少年院送りすら出来なかったのだろうか。

次に、6月3日付け東洋経済オンラインが掲載したフリーキャスター/エッセイストの雨宮 塔子氏による「雨宮塔子が見た「フランスのいじめ対策」の本気度 学校でのいじめ撲滅に向けて「厳罰化」に動いた」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/592743
・『私が日本での3年弱に及ぶ帯のニュース番組の仕事を終えて、再びフランスに居を戻したのは2019年の夏のことです。 雨宮塔子氏による連載第3回です。この連載の一覧はこちら その年の秋に、日本でいう中学3年生になったばかりの息子の通う公立中学校を面談で訪れて、驚いたことがありました。 玄関ホールに、学校の創設者の肖像や理念が掲げられているのはわかるのですが、その隣に少なくない数の、いじめ防止を題材にしたポスターが貼られていたのです。 実写の、かなり踏み込んだシーンを描いたポスターに、この数年の間にフランスは「いじめ」という、それまではタブー視されてきた問題に切り込もうとしていると感じました』、「中学3年生になったばかりの息子」を現地校に入れるとは大したものだ。
・『学校をあげていじめ防止の啓蒙  さらにその後、息子の高校進学を控えて、高校選びのためにサイトで情報を読みあさっていたとき、ある私立高校のウェブサイトにあった動画に心が揺さぶられました。在校生2人が、転校してきたある男子生徒がいじめを苦に自殺するまでの経緯を、2人で交互に語っていくのです。 5分ちょっとのショートムービーですが、語りと映像のリアルさに、それは2人が制作したフィクションだと気がつくまでかなりの時間を要しました。 学校をあげていじめ防止の啓蒙をしようとしている……。それは私が今まで見たことのなかったマニフェストでした。 フランスの教育省付調査局「DEPP」は2015年に、学校環境といじめ被害者の調査を行いました。それによると、児童生徒全体の10%近く、つまり70万人もの生徒が学校教育期間にいじめの被害に遭っているそうです。この数値はこの10年間でほとんど変動していないという調査結果に、当時衝撃を受けたことを覚えています。) これだけの被害者を毎年出し続けているから、フランスはいじめ問題を無視していると当時は糾弾されたのでしょうか。 例えばスカンディナビア諸国は10年以上にわたっていじめ問題への社会の意識を高め、いじめ予防のプログラムが作られてきたことによって、いじめを事実上根絶してきたと言われているのに対し、フランスはいじめ問題への対策に、それらの国々やカナダ、イギリスなどに比べてかなり遅れをとっていたのです。 というのはフランスの学校教育は学生たちの学校生活における幸福度より、知識の伝達をつねに優先してきました。また、前述したようにいじめ問題はタブーとされてきた風潮があり、実際に先生方がいじめに気がついても見て見ぬふりをするといった教職員や学校関係者の関与の欠如が、被害者の証言から明らかになっていたのです。 多民族国家ゆえ、いじめが人種や宗教的相違からくることもあり、ある意味日本よりも原因の根が深いこともあるかもしれません。ですが、それでもかつてある被害者の両親が学校に相談した際、学校側の及び腰の姿勢に、告訴もやむをえないと言うと、主任教諭からそのいじめ問題が学校名と関連付かないようにしてほしいと頼まれたという証言に愕然としました。こういった問題を隠蔽したがる風潮、体質の深刻さには言葉がありませんでした』、「フランスの学校教育は学生たちの学校生活における幸福度より、知識の伝達をつねに優先してきました。また、前述したようにいじめ問題はタブーとされてきた風潮があり、実際に先生方がいじめに気がついても見て見ぬふりをするといった教職員や学校関係者の関与の欠如が、被害者の証言から明らかになっていた」、「日本」と似た状況にあるようだ。
・『手をこまねいていたわけではない  もちろん、フランス政府はいじめ問題に何の手だても講じてこなかったわけではないのです。2011年の実態調査でいじめによる被害が明らかになったことで、2013年には学校での対処の仕方が国家の対策として規定されました。 その文書にはいじめが疑われる状況を6種類に想定し、それぞれの場合での初動対応の仕方や被害者、加害者の保護者との面談要領(被害者の保護者には学校の対応と児童保護の具対策を伝え、加害者の保護者には状況と懲罰内容を伝え、問題を修復する方法をともに考える)、また目撃者の保護者とも場合によっては面談することなどが明示してあります。 また、加害の危険度が高い場合には地方評議会や裁判所へ連絡することや、事後フォローの仕方も5項目にわたって述べられています。 確かに、この10年の間に学校でのいじめ撲滅の措置が取られていることを実感することがありました。 知人の話ですが、彼女の娘さんが中学生の頃、3人の女友達から急に意地悪をされたり、無視されることが続いたことがありました。娘さんからその事を聞いた彼女は、事情を説明するためすぐに担任の先生と面談の約束をとりつけたそうです。 彼女が面談で学校を訪れたとき、偶然にもくだんの生徒3人とすれ違ったのですが、彼女はいつもと変わらぬ態度でその生徒たちとあいさつを交わして、担任の先生との面談に臨みました。驚いたことに、その面談の数時間後には彼女の娘さんとくだんの生徒3人、担任の先生と生活指導の先生とを交えた面談の場が設けられたのだそう。 エスカレーター式のその学校でいじめ加害者のレッテルを貼られることがどういうことになるのか、3人のうちの1人はすぐに気がついたようで、彼女の娘さんにその場で謝りました。ほかの2人は、娘さんの態度に不満があったといった旨を口にしながらも、最終的にはもういじめをしないと約束したそうです』、「エスカレーター式のその学校でいじめ加害者のレッテルを貼られることがどういうことになるのか、3人のうちの1人はすぐに気がついたようで、彼女の娘さんにその場で謝りました」、ラッキーだ。
・『「報復のようなことにはならなかった?」  私の問いに彼女は首を振り、いじめ加害者の生徒たちが彼女の姿を校内でみとめて、その数時間後に面談に召集されたことで、いじめ問題には親や学校がすぐに立ち上がることを痛感したのだろうと言っていました。国が学校に課した規定にあるように、事後フォローが厚いことも、再発予防に貢献しているのかもしれません。 こうして国が対応策を定め、学校や地方教育委員会の専門官と連携してきたのにもかかわらず、実はいじめ被害者数が減ることはありません。フェイスブックやスナップチャットといったSNSで、当事者以外に気づきようのないいじめが急増していることが主な要因です。その被害は2015年には4.1%だったのが、2018年には倍以上の9%に増加しているのです。 また、学校でいじめに遭っている生徒の22%が誰にも打ち明けられないという調査結果も出ています。学校にいじめの事例を通告するのを躊躇する場合や、通告しても学校の対応が不十分な場合には、通常のいじめとネットいじめ、それぞれ無料電話相談窓口にかければ、いじめ専門官による助言を受けられます。 具体的な対策が必要と判断されれば、相談者の通う学校にはもちろん、全国31の地方教育委員会に報告されます』、「国が対応策を定め、学校や地方教育委員会の専門官と連携してきたのにもかかわらず、実はいじめ被害者数が減ることはありません。フェイスブックやスナップチャットといったSNSで、当事者以外に気づきようのないいじめが急増していることが主な要因です。その被害は2015年には4.1%だったのが、2018年には倍以上の9%に増加」、なるほど。
・『いじめ被害者対象の保険も  2021年には3歳から23歳までのいじめ被害者を対象とした保険も売り出されました。3歳からという低年齢に驚かされますが、月額1,50ユーロ、年額18ユーロという低価格で法的保護や治療的サポート、いじめによる学校中退者には個人授業への財政的サポートなどが提供されています。ネット上に書かれた悪い噂や評判をも一掃することが可能とのこと。 同じくネットいじめが加速する日本でも適用できるのではと思いました。 こうした、いじめ問題に対するフランスの本気の姿勢を最終的に明示したのが、学校でのいじめの“厳罰化”です。 例えば、いじめ被害者を自殺、または自殺未遂に追い込んだ場合には、最高で懲役10年と15万ユーロ(約2085万円)の罰金が科されるといった容赦のない罰則は、日本のメディアでも驚きをもって報じられていました。 この罰則にはフランス国内でも厳罰化の効果を疑問視する声があがっていますが、フランスが世界で最も厳しいいじめの罰則を敷いた事を、ブランケール教育相は「共和国の価値観を徹底させるための手段」と言っています。 厳罰化がいじめ防止につながるかは注視が必要ですが、“共和国の価値観” をここまで鮮明にする姿勢には、「いじめ防止対策推進法」の法令の遵守ですらあやふやな日本の国籍を持つ者として、胸がすく思いがするのです』、「学校でのいじめの“厳罰化”です。 例えば、いじめ被害者を自殺、または自殺未遂に追い込んだ場合には、最高で懲役10年と15万ユーロ(約2085万円)の罰金が科されるといった容赦のない罰則は、日本のメディアでも驚きをもって報じられていました」、「ブランケール教育相は「共和国の価値観を徹底させるための手段」と言っています。 厳罰化がいじめ防止につながるかは注視が必要ですが、“共和国の価値観” をここまで鮮明にする姿勢には、「いじめ防止対策推進法」の法令の遵守ですらあやふやな日本の国籍を持つ者として、胸がすく思いがするのです」、「厳罰化」はいかにもフランスらしい。

第三に、本年2月23日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した事件ジャーナリストの戸田一法氏による「文科省が犯罪と明示した「いじめ」19事例、学校の“隠蔽”看過できぬ事態に」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/318221
・『文部科学省は全国の教育委員会に対し、悪質な「いじめ」と称される行為について、速やかに警察と連携して対応するよう求める通知を出した。警察に相談や通報をするべき事案として具体的に19事例を挙げ、どの罪名に該当する可能性があるか明示した。実は「大津いじめ自殺事件」をきっかけとして2013年に制定された「いじめ防止対策推進法」は、犯罪が疑われる場合は警察に通報するよう求めている。だが、学校の不適切な対応で児童や生徒が自殺に追い込まれたケースもあり、看過できないと判断したようだ』、「警察に相談や通報をするべき事案として具体的に19事例を挙げ、どの罪名に該当する可能性があるか明示した」、なかなかいい取り組みだ。
・『警察に相談・通報すべき具体的な19事例とは  冒頭「いじめと称される行為」と紹介したのは、筆者は過去に何度か「“いじめ”は犯罪」と指摘してきたからだ。「いじめ」という言葉は陰湿かつ悪質な犯罪行為を、学校や教育委がオブラートに包むための「保身の呪文」でしかないのだ。 かつて筆者が全国紙のデスクだった時代に、「いじめ」と書いた原稿を送ってきた記者に対し、「同級生を殴って重傷を負わせた暴行問題で~」と差し替えを指示したこともある。 以下、これまでダイヤモンド・オンラインで紹介してきた記事を参考にしていただきたい。 「旭川中2女子凍死」で認定された加害生徒の陰湿手口、大人たちの許されぬ行為も 神戸の中3女子いじめ自殺、市教委「証拠」隠蔽工作はあまりにも情けない 「大津いじめ自殺」が世に問うた、隠蔽する大人たちの「振る舞い」 鹿児島男子高校生「いじめ」自殺、県と県教委で判断が分かれた理由 警察に相談や通報をするべき19事例とは次の通りだ(一部は筆者が加筆修正)。 (1)殴ったり蹴ったりする=暴行罪 (2)ズボンを脱がす=暴行罪 (3)刃物で切りつけてけがをさせる=傷害罪 (4)断れば危害を加えると脅し性器や胸、お尻を触る=強制わいせつ罪 (5)断れば危害を与えると脅し現金を巻き上げる=恐喝罪 (6)同様にオンラインゲームのアイテムを購入させる=恐喝罪 (7)靴や体操服、教科書などを盗む(隠す)=窃盗罪 (8)現金を盗む=窃盗罪 (9)自転車を壊す=器物損壊罪 (10)制服を切り裂く=器物損壊罪 (11)無理やり危険な行為をさせる=強要罪 (12)裸の写真や動画を拡散すると脅す=脅迫罪 (13)ネットに個人を誹謗中傷する悪口を投稿する=名誉毀損(きそん)罪か侮辱罪 (14)「死ね」などと言って自殺に追い込む=自殺関与罪 (15)性的な写真や動画を撮影してスマホなどに送らせる=児童買春・ポルノ禁止法違反罪 (16)友人に転送する=児童買春・ポルノ禁止法違反罪 (17)SNSのグループに拡散する=児童買春・ポルノ禁止法違反罪 (18)スマホに保存する=児童買春・ポルノ禁止法違反罪 (19)元交際相手と別れた腹いせに性的な写真や動画をネットに投稿する=私事性的画像記録提供罪(いわゆるリベンジポルノ防止法違反罪)、どれもありそうな悪質な犯罪だ。
・『学校の「見て見ぬふり」や「隠蔽工作」に生徒は絶望  こうして文字にしてみると、いずれも学校ではありがちな事例ではあるが「~罪」と言われれば「なるほど。いじめなんて言葉では片付けられない明らかな犯罪だな」とご理解していただけると思う。 いじめ防止対策推進法23条6項は「学校は、いじめが犯罪行為として取り扱われるべきものであると認めるとき(中略)在籍する児童等の生命、身体又は財産に重大な被害が生じるおそれがあるときは直ちに所轄警察署に通報し、適切に、援助を求めなければならない」と定めている。 しかし同法制定後も、こうした被害に苦しんだ児童生徒の自殺は後を絶たなかった。 なぜか。 学校がSOSのサインをキャッチしても、見て見ぬふりをしてきたからだ。 それどころか、自殺で事案が発覚した後も、学校や教育委は口裏合わせなど隠蔽(いんぺい)工作に走った。児童生徒やご遺族の絶望感はいかばかりだっただろう。 それでは前述した、筆者が記事にした4つのケースは、具体的にどのような犯罪行為と言えるだろうか。 旭川のケースは市の調査委員会の報告によると(1)性的な意味で被害生徒の体を触った、(2)お菓子などの代金を負担させた、(3)性的な動画の送信を繰り返し求めた、(4)脅して性的な行為を要求した――などが認定された。 このうち、(1)は強制わいせつ罪、(2)は恐喝罪、(3)は児童ポルノ禁止法違反罪、(4)は同法違反罪か強要罪のいずれかに該当する可能性がある。実際に旭川中央署が(3)と(4)について同法違反罪に抵触すると判断したが、主犯は当時14歳で刑事責任を問えず「触法少年」として厳重注意にとどまった。ほかも証拠不十分で罪には問えなかった。 神戸のケースは市の調査委員会の報告によると(1)悪口や無視、からかい、(2)廊下で足を引っかける――などが認定された。(1)は名誉毀損罪、(2)は暴行罪に該当する可能性がある。 大津のケースは損害賠償請求訴訟の大津地裁判決によると(1)殴ったり蹴ったりした、(2)ハチの死骸を食べさせようと口の上に乗せた、(3)財布や時計を盗んだ――などが認定された。いわずもがなだが(1)(2)は暴行罪、(3)は窃盗罪が成立するだろう。実際に遺族は大津署に暴行、恐喝、強要、窃盗、脅迫、器物損壊の6つの罪で告訴状を提出、受理されている。 鹿児島のケースは県の調査委員会の報告によると、履物を隠す(窃盗罪)などの行為もあったが、主に心理的苦痛を与える「分かりにくいいじめ」があったと指摘した。 いずれも「犯罪行為」であり、それ以外にもいわゆる陰湿な「いじめ」と呼ぶ行為は、多数確認されている』、「いじめ防止対策推進法」「制定後も、こうした被害に苦しんだ児童生徒の自殺は後を絶たなかった。 なぜか。 学校がSOSのサインをキャッチしても、見て見ぬふりをしてきたからだ。 それどころか、自殺で事案が発覚した後も、学校や教育委は口裏合わせなど隠蔽・・・工作に走った」、なるほど。
・『教職員には否認の生徒も警察官には完オチ  4つの記事には共通点があることに気付いた読者もいると思う。そう、前述の通り「見て見ぬふり」「隠蔽工作」だ。大人たちのひきょうな振る舞いは、子どもたちにとって「反面教師」という皮肉な現実といえる。こんな大人たちの裏側を、子どもたちはしたたかに見抜いている。だから、高をくくって「あいつら、怖くない」となめてかかるというわけだ。 一方、教職員が情況を察知して加害児童生徒から聞き取り調査をしても「知らぬ存ぜぬ」「ダンマリ」を決め込んでいたのに、警察が介入した途端、全面的に認めることも多いらしい。やはり悪いことをしているという後ろめたさと、普段から犯罪行為と向き合っている警察官の迫力は教職員のそれとは別次元だろう。 昭和の時代は鉄拳制裁も辞さない怖い教職員もおり、一定の抑止力になっていた。また「学校内部のことは学校で解決すべき。警察に頼るなどもってのほか」という風潮があり、学校は「聖域」のような感じだった。 しかし鉄拳制裁は、令和の今なら一発でレッドカードだ。学校内部で解決すべきという風潮についても、教職員すべてが無責任で保身を優先する人物ばかりではないだろうが、やはり警察の力を借りるのが現実的だろう。 筆者は現役の記者時代、中学生の自殺とみられる事案について取材したことがある。自殺した生徒のご両親が「気付いてやれなかった私たちが悪い」と、加害生徒らではなく自らを責める姿に、心が引き裂かれる思いだった。 テレビのワイドショーなどでこうした事案が表面化する度に「自分の子どもがいじめられていないか、家庭で注意・観察してほしい」というコメンテーターの発言を耳にするが、逆もしかり。「自分の子どもが陰湿かつ悪質な犯罪行為に手を染めていないか」も注意・観察してほしいものだ』、「教職員が情況を察知して加害児童生徒から聞き取り調査をしても「知らぬ存ぜぬ」「ダンマリ」を決め込んでいたのに、警察が介入した途端、全面的に認めることも多いらしい。やはり悪いことをしているという後ろめたさと、普段から犯罪行為と向き合っている警察官の迫力は教職員のそれとは別次元だろう」、「鉄拳制裁は、令和の今なら一発でレッドカードだ。学校内部で解決すべきという風潮についても、教職員すべてが無責任で保身を優先する人物ばかりではないだろうが、やはり警察の力を借りるのが現実的だろう」、「「自分の子どもが陰湿かつ悪質な犯罪行為に手を染めていないか」も注意・観察してほしいものだ」、その通りだ。
タグ:いじめ問題 (その13)(「旭川中2女子凍死」で認定された加害生徒の陰湿手口 大人たちの許されぬ行為も、雨宮塔子が見た「フランスのいじめ対策」の本気度 学校でのいじめ撲滅に向けて「厳罰化」に動いた、文科省が犯罪と明示した「いじめ」19事例 学校の“隠蔽”看過できぬ事態に) ダイヤモンド・オンライン 戸田一法氏による「「旭川中2女子凍死」で認定された加害生徒の陰湿手口、大人たちの許されぬ行為も」 信じ難いような陰惨ないじめだ。 「担任教師に相談した。 だが「相手に内緒で」と約束したのに、その日のうちに相手に話してしまい、いじめがエスカレート」、 「担任教師」も無責任で頼りない限りだ。「対応に当たった教頭は「加害者10人と、被害者1人の未来、どっちが大切ですか。1人のために10人をつぶしていいんですか。どちらが将来、日本のためになるか冷静に考えてください」と加害者側を擁護。 さらに「これ以上、何を望むのか」と逆ギレし、母親が「できないのは分かっているが、娘の記憶を消してください」と求めると、教頭は「頭がおかしくなったんですか。病院に行ったほうがいい」とせせら笑ったという」、「教頭」の対応はとんでもないものだ。 「旭川市では1996年、市立中学2年の男子生徒複数が特定の女子生徒にセクハラ行為を繰り返した末、エスカレートして強姦(かん)事件にまで発展。学校は女子生徒から相談を受けていたがスルーし、事件後も隠蔽を図ったことが発覚して批判を浴びた」、こんな事件があったにも拘らず、今回またも同じような隠蔽工作をするとは、懲りない面々だ。 「今回、加害者側は誰一人として罪に問われなかったが、彼らが広瀬さんを死に追いやったのは誰の目にも明らかだ。 加害者側は問題が発覚しそうになったとき、証拠隠滅を図ったり、口裏合わせをしていたりしていたとされる。問題発覚後も、一部の事実関係を認めながらも反省のそぶりはなく、謝罪も口にしていないという」、これほど悪質な事件でも、「加害者側は誰一人として罪に問われなかった」。「未成年」とはいえ、少年院送りすら出来なかったのだろうか。 東洋経済オンライン 雨宮 塔子氏による「雨宮塔子が見た「フランスのいじめ対策」の本気度 学校でのいじめ撲滅に向けて「厳罰化」に動いた」 「中学3年生になったばかりの息子」を現地校に入れるとは大したものだ。 「フランスの学校教育は学生たちの学校生活における幸福度より、知識の伝達をつねに優先してきました。また、前述したようにいじめ問題はタブーとされてきた風潮があり、実際に先生方がいじめに気がついても見て見ぬふりをするといった教職員や学校関係者の関与の欠如が、被害者の証言から明らかになっていた」、「日本」と似た状況にあるようだ。 「エスカレーター式のその学校でいじめ加害者のレッテルを貼られることがどういうことになるのか、3人のうちの1人はすぐに気がついたようで、彼女の娘さんにその場で謝りました」、ラッキーだ。 「学校でのいじめの“厳罰化”です。 例えば、いじめ被害者を自殺、または自殺未遂に追い込んだ場合には、最高で懲役10年と15万ユーロ(約2085万円)の罰金が科されるといった容赦のない罰則は、日本のメディアでも驚きをもって報じられていました」、「ブランケール教育相は「共和国の価値観を徹底させるための手段」と言っています。 厳罰化がいじめ防止につながるかは注視が必要ですが、“共和国の価値観” をここまで鮮明にする姿勢には、「いじめ防止対策推進法」の法令の遵守ですらあやふやな日本の国籍を持つ者として、胸がすく思 いがするのです」、「厳罰化」はいかにもフランスらしい。 戸田一法氏による「文科省が犯罪と明示した「いじめ」19事例、学校の“隠蔽”看過できぬ事態に」 「警察に相談や通報をするべき事案として具体的に19事例を挙げ、どの罪名に該当する可能性があるか明示した」、なかなかいい取り組みだ。 どれもありそうな悪質な犯罪だ。 「いじめ防止対策推進法」「制定後も、こうした被害に苦しんだ児童生徒の自殺は後を絶たなかった。 なぜか。 学校がSOSのサインをキャッチしても、見て見ぬふりをしてきたからだ。 それどころか、自殺で事案が発覚した後も、学校や教育委は口裏合わせなど隠蔽・・・工作に走った」、なるほど。 「教職員が情況を察知して加害児童生徒から聞き取り調査をしても「知らぬ存ぜぬ」「ダンマリ」を決め込んでいたのに、警察が介入した途端、全面的に認めることも多いらしい。やはり悪いことをしているという後ろめたさと、普段から犯罪行為と向き合っている警察官の迫力は教職員のそれとは別次元だろう」、「鉄拳制裁は、令和の今なら一発でレッドカードだ。学校内部で解決すべきという風潮についても、教職員すべてが無責任で保身を優先する人物ばかりではないだろうが、やはり警察の力を借りるのが現実的だろう」、 「「自分の子どもが陰湿かつ悪質な犯罪行為に手を染めていないか」も注意・観察してほしいものだ」、その通りだ。
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