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原発問題(その20)(岸田政権「原発回帰」は事故教訓の破棄 専門家は「40年超え」長期間運転リスクを懸念、7年6ヶ月の懲役を終えた「原発賠償金詐欺」の“首謀者”が初告白「福島県内の会社が、違法申請に飛びついた本当の理由」、10兆円超の原発賠償金から約40億円をかすめ取った「首謀者」が初めて明かす「不正の手口」と「隠された真実」) [国内政治]

原発問題については、昨年6月19日に取上げた。今日は、(その20)(岸田政権「原発回帰」は事故教訓の破棄 専門家は「40年超え」長期間運転リスクを懸念、7年6ヶ月の懲役を終えた「原発賠償金詐欺」の“首謀者”が初告白「福島県内の会社が、違法申請に飛びついた本当の理由」、10兆円超の原発賠償金から約40億円をかすめ取った「首謀者」が初めて明かす「不正の手口」と「隠された真実」)である。

先ずは、本年2月6日付けAERAdot「岸田政権「原発回帰」は事故教訓の破棄 専門家は「40年超え」長期間運転リスクを懸念」を紹介しよう。
https://dot.asahi.com/aera/2023020300019.html?page=1
・『福島第一原発の事故から12年。廃炉作業は多くの課題を抱える中、岸田政権は「原発回帰」を打ち出した。長期間運転のリスクは何か。日本のエネルギーはどうあるべきか。AERA 2023年2月6日号の記事を紹介する。 福島の教訓を忘れたのか、岸田文雄政権は原発政策の「大転換」を正式に決めた。 昨年12月、国は脱炭素の方策を議論する「GX(グリーントランスフォーメーション)実行会議」を開き、原発を「最大限活用する」として新たな基本方針案を示した。 方針案の大きな柱は(1)次世代革新炉の開発・建設、(2)原発の運転期間の延長──の二つ。福島第一原発事故以降、原発の新増設や建て替えを「想定していない」としてきた政府方針を大きく転換した。特に議論となっているのが、運転期間の延長だ。 原発の運転期間は、福島第一原発事故前は明確な規定はなかった。 しかし、原発事故の翌年に原子炉等規制法が改正され、運転期間は原則40年とし、1回に限り最長20年の延長を認めた。「40年ルール」と呼ばれ、原発事故の教訓をもとに決めた政策的な判断だった。今回示された新方針案は、「40年ルール」の骨格を維持した上で、「一定の停止期間に限り追加の延長を認める」と盛り込んだ。原子力規制委員会による安全審査を前提に、原発事故後の審査で停止していた期間などの分を延長する。例えば、10年間停止した場合、運転開始から最大70年運転できるようになる。 経済産業省の原子力小委員会で委員を務めた、NPO法人「原子力資料情報室」の松久保肇・事務局長は、政府の決定は福島第一原発事故の教訓を放棄するものだと厳しく批判する。 「わずか3カ月で原子力推進に舵を切りましたが、重大な政策転換にもかかわらずその間、国民の意見を聞くことはありませんでした。国が定めるエネルギー基本計画にも、エネルギー政策は『国民の理解を得ながら進めていく』などと書かれていますが、きれいごととしか思えない。進め方が強引です」』、「原子力規制委員会」には金属疲労の専門家はいるのだろうか。
・『決定は「出来レース」  当初、原発の政策転換に慎重だった岸田首相が「原発回帰」にアクセルを踏んだのは、脱炭素社会の実現に加え、昨年2月のロシアのウクライナ侵攻がきっかけだ。 ロシアが天然ガスの供給を絞ったことで、世界はエネルギー争奪戦に突入した。電力が逼迫し、政府は原発の活用が不可欠と判断。昨年8月下旬、岸田首相は原発の運転期間の延長などの検討を指示していた。だが、松久保さんは政策の「時間軸」が間違っていると語る。 「再稼働できる原発はすでに再稼働していて、電力需給の逼迫の解決策ではありません。新設に関しても、建設開始は早くて30年代。運転期間延長もいま決めなければならない話ではないはずです」 エネルギー問題に詳しい国際大学の橘川武郎・副学長は、政府の決定を「官邸と電力業界の出来レース」だと批判する。 「狙いは最初から運転期間の延長にあります。次世代革新炉の建設には5千億円から1兆円規模必要ですが、運転延長にかかるコストは数億円で済みます。また政府方針では、最長で70年の運転が可能になると言われていますが、停止期間は原発事故前も適用可能になると思います。そうすると、80年以上可能になる。古い炉を延長するのは、最悪のシナリオです」 原発の長期間運転には、どんなリスクが潜んでいるのか。 日本で初めて「原子の火」が灯ったのは1957年8月、茨城県東海村の実験用原子炉だった。 原子力開発はここから加速した。現在、国内に原発は、停止中も含め33基ある。そのうち17基は稼働開始から30年を超え、4基は40年を超える。2021年6月には、稼働開始から44年(当時)が経過した美浜原発3号機が再稼働し、40年超原発では初めて運転延長した。さらに今夏以降、7基が再稼働するが、うち高浜原発1、2号機など3基が40年を超えている』、「政府の決定を「官邸と電力業界の出来レース」だと批判する。 「狙いは最初から運転期間の延長にあります。次世代革新炉の建設には5千億円から1兆円規模必要ですが、運転延長にかかるコストは数億円で済みます。また政府方針では、最長で70年の運転が可能になると言われていますが、停止期間は原発事故前も適用可能になると思います。そうすると、80年以上可能になる。古い炉を延長するのは、最悪のシナリオです」、腹立たしい限りだ。
・『「心臓部」劣化の懸念  東京大学の井野博満・名誉教授(金属材料学)はこう話す。 「金属は古くなると腐食や疲労などによって劣化し、その分リスクも高まります」 井野さんによれば、原発の「寿命」は40年を想定して設計されているという。 特に井野さんが懸念を示すのが、原発の「心臓部」に当たる、核燃料が入った圧力容器の劣化だ。) 圧力容器は原発の中心部にあり、厚さ10センチ以上の鋼鉄でできている。それが、核分裂の過程で生じる高エネルギーの「中性子線」という放射線に晒されると、圧力容器自体がもろくなる。これを「中性子照射脆化(ぜいか)」と呼ぶ。脆化によって劣化した容器が破損すれば、メルトダウンが起き、放射性物質が外部に出る可能性がある。 中性子照射脆化は基本的に防ぐ手立てがない。しかも、圧力容器内には、建設時に脆化を監視する「監視試験片」と呼ぶ圧力容器と同じ金属片を入れ、定期的に取り出し脆化の具合を調べているが、評価の仕方が30年近く前にできたルールで現実に合っていないと語る。 「監視試験片は原発の寿命の40年を前提に入れているため、数も不足しつつあります。原発の運転は、設計目安の40年を守るべきです」(井野さん) 運転開始から40年未満でも事故は起きている。 昨年10月、運転開始から25年の柏崎刈羽原発7号機のタービン関連施設の配管に直径約6センチの穴が見つかり少量の海水が漏れ出ていたことがわかった。海水による腐食などが影響した可能性が高かったという』、「圧力容器は原発の中心部にあり、厚さ10センチ以上の鋼鉄でできている。それが、核分裂の過程で生じる高エネルギーの「中性子線」という放射線に晒されると、圧力容器自体がもろくなる。これを「中性子照射脆化(ぜいか)」と呼ぶ。脆化によって劣化した容器が破損すれば、メルトダウンが起き、放射性物質が外部に出る可能性がある」、「圧力容器内には、建設時に脆化を監視する「監視試験片」と呼ぶ圧力容器と同じ金属片を入れ、定期的に取り出し脆化の具合を調べているが、評価の仕方が30年近く前にできたルールで現実に合っていないと語る。 「監視試験片は原発の寿命の40年を前提に入れているため、数も不足しつつあります。原発の運転は、設計目安の40年を守るべきです」、「監視試験片」が足りなく恐れがあるとは初めて知った。やはり「設計目安の40年を守るべき」だ。
・『100%はない  04年には、美浜原発3号機でタービン建屋の配管が破裂した。高温の蒸気が噴出し、作業員11人が死傷した。配管の厚みが減っていたのが原因だった。井野さんは言う。 「科学や技術に100%はありません。しかも日本は、地震や津波、台風などのリスクがあります。点検のルールや評価式を見直すべきです」 もう一つの方針、「次世代革新炉の開発・建設」についてはどうか。 次世代革新炉は(1)革新軽水炉、(2)小型モジュール炉(SMR)、(3)高速炉、(4)高温ガス炉、(5)核融合炉──の五つが想定されている。このうち経産省が「本命」とするのは革新軽水炉だ。発電に必要な熱を取り出す冷却材に水を使う原発が軽水炉で、日本の商用原発はいずれもこのタイプになる。この軽水炉の安全性を向上させたものを「革新軽水炉」と呼ぶ。事故時に、溶けた核燃料を受け止めて格納容器の損傷を防ぐ「コアキャッチャー」などを備えている。 だが、原子力資料情報室の松久保さんは、革新軽水炉は「脱炭素」の観点から矛盾すると話す。 「革新軽水炉は建設から運転開始まで10年近く要します。その間、火力発電に依存することになり、二酸化炭素(CO2)の排出量が増えて脱炭素は進みません」 一方、太陽光の発電設備の建設は1年もかからず、風力発電は洋上であっても数年でできる。 「電力逼迫に関してまず行うべきは、再エネと省エネの普及です。その上で足りないところはどうするかという議論が必要だと考えます」(松久保さん)』、「「革新軽水炉は建設から運転開始まで10年近く要します。その間、火力発電に依存することになり、二酸化炭素(CO2)の排出量が増えて脱炭素は進みません」、「電力逼迫に関してまず行うべきは、再エネと省エネの普及です。その上で足りないところはどうするかという議論が必要だと考えます」、なるほど。
・『安易な「回帰」は誤り  日本のエネルギーのあり方について、国際大学の橘川さんも、再生可能エネルギーを主力電源に位置づけるべきだと語る。 「日本は、18年に閣議決定した第5次エネルギー基本計画で、再生可能エネルギーを主力電源にすると決めました。だとすれば、ロシアのウクライナ侵攻でエネルギー危機になったのであれば、議論しなければいけないのは原発の話ではなく、再エネをどうするかです」 再エネの主力となるのは太陽光と洋上風力だが、これらは天候による変動が大きいので、バックアップの仕組みが不可欠。そこで、原子力を選択肢の一つとして持つことが現実的だという。 ただし、あくまで「副次的」に使い0~10%程度持つのがいい。そして、より危険性が高い古い原子炉は積極的に廃炉にし、より危険性が低い新しい炉に建て替えるべきだと指摘する。 残りは、火力でカバーする。しかし、従来型の火力発電ではCO2を排出するため、燃料にアンモニアを用いCO2を排出しないカーボンフリー火力の活用がカギになる。 すでに、JERA(東京電力と中部電力が出資する電力会社)などが石炭とアンモニアの混焼に成功していて、アンモニアの安定調達などの問題をクリアすれば、40年代には実用化できると見る。 「カーボンフリー火力ができれば、原発依存度を低下させながら、かつ脱炭素の道が見えてきます」(橘川さん) 今回の方針転換の大義名分にされたロシアのウクライナ侵攻では、原発への武力攻撃の危うさが現実のものとなった。安易な「原発回帰」が誤りなのは明らかだ』、「再エネの主力となるのは太陽光と洋上風力だが、これらは天候による変動が大きいので、バックアップの仕組みが不可欠。そこで、原子力を選択肢の一つとして持つことが現実的だという。 ただし、あくまで「副次的」に使い0~10%程度持つのがいい。そして、より危険性が高い古い原子炉は積極的に廃炉にし、より危険性が低い新しい炉に建て替えるべきだと指摘する。 残りは、火力でカバーする。しかし、従来型の火力発電ではCO2を排出するため、燃料にアンモニアを用いCO2を排出しないカーボンフリー火力の活用がカギになる」、望ましいエネルギーMIXに向け、大々的に議論してゆくべきだ。

次に、3月31日付け現代ビジネスが掲載したノンフィクションライターの高木 瑞穂氏による「7年6ヶ月の懲役を終えた「原発賠償金詐欺」の“首謀者”が初告白「福島県内の会社が、違法申請に飛びついた本当の理由」」を紹介しよう。
https://gendai.media/articles/-/108189?imp=0
・『東日本大震災と福島第一原子力発電所の事故から、12年が経過した。帰還困難区域では一部の避難指示解除が実現、まだ時間はかかるものの、復興に向けて一歩ずつ進んでいる。 しかしこの12年の間には復興という「光」だけでなく、「闇」もあった。東京電力は総額10兆円を超える賠償金を払ってきたが、その一部、少なくとも数十億円が詐欺師によってかすめ取られていたのである。 僕は原発事故の賠償金をかすめ取る詐欺事件を追いかけ、’19年に『東日本大震災 東京電力「黒い賠償」の真実』(彩図社文庫)を発表した。この本では、「福島原子力補償相談室」で約3年間、賠償係として勤務していた岩崎拓真(仮名、当時42歳)という人物を取材し、賠償金詐欺の裏側に迫った。 だが、この本の執筆時に最後まで接触できなかった人物がいる──』、「東京電力は総額10兆円を超える賠償金を払ってきたが、その一部、少なくとも数十億円が詐欺師によってかすめ取られていた」、「数十億円」がかすめ取られていたとは腹立たしい限りだ。
・『「東日本大震災原子力災害等被災者支援協会」  本のあとがきで「積水ハウス地面師事件の首謀者・内田マイク似」と記したその男は昨年末、7年6ヶ月もの長きにわたる刑期を終えて僕に接触してきた。2014年8月、東京電力福島第一原子力発電所事故で風評被害を受けたと偽り、東電から多額の賠償金をだまし取ったとして逮捕された村田博志(64歳)である。 後の裁判で明らかになったことだが、村田は久間章生元防衛相が理事長(当時)を務めていた東京・中野のNPO法人「東日本大震災原子力災害等被災者支援協会」を舞台に、同じく逮捕された進藤一聡らと協力し、賠償請求の手続きを代行して東電から不正にカネを得ていた。このときに判明したのは、福島県いわき市の建築会社「誠武総業株式会社」及び下請け計8社の水増し請求だった。 さらに2019年2月にも、福島県郡山市にあった健康ランド「東洋健康センター」を舞台にした賠償詐欺に協力した容疑で村田は再逮捕されるなど、村田が関わった事件が次々に明るみに出ている。 ※「東洋健康センター」の事件については『原発賠償金で9億円を騙し取った「わるいやつら」の正体』』、「村田は久間章生元防衛相が理事長(当時)を務めていた東京・中野のNPO法人「東日本大震災原子力災害等被災者支援協会」を舞台に、同じく逮捕された進藤一聡らと協力し、賠償請求の手続きを代行して東電から不正にカネを得ていた。このときに判明したのは、福島県いわき市の建築会社「誠武総業株式会社」及び下請け計8社の水増し請求だった。 さらに2019年2月にも、福島県郡山市にあった健康ランド「東洋健康センター」を舞台にした賠償詐欺に協力した容疑で村田は再逮捕されるなど、村田が関わった事件が次々に明るみに出ている」、「村田」は相当のワルなようだ。
・『不起訴になった「東電賠償係」  東京電力福島第一原発事故の賠償金は、総額約10兆円を超えている。村田達は天文学的な賠償金の一部、少なく見積もっても数十億円を、巧妙な詐欺によってだまし取ったのである。 都内某所のうらぶれた喫茶店で対面した村田は、この一連の“東電賠償詐欺”を考案した首謀者だった。 まずは「原発事故により風評被害を受けた」と偽ることができる福島県内の会社を募る。次に決算書を改竄して、震災前の売り上げを水増しする。こうすることで、原発事故による減少分を増やすことができる。 そのうえで東電に賠償金を請求し、得たカネから約30%を手数料として受け取り仲間と山分けする――。これが村田の手口だった。コロナ禍でも給付金の不正受給が横行しているが、まったく同じカラクリである。 東電で賠償係や賠償詐欺捜査班の実質リーダーをしていた経験から、同書のなかで賠償業務の実態と詐欺の全貌を詳らかにした岩崎は、僕の取材に対し「カネなど1円も受け取っていない」と断言していた。 岩崎と村田は震災の1年ほど前から付き合いがあり、岩崎は村田の紹介で知り合った中国人女性と結婚している。岩崎が村田から受け取ったのは、結婚の祝い品であるウォシュレット等だけだと岩崎は話していた。 僕は岩崎の証言に嘘はないと判断し、彼の発言をそのまま記して単行本にまとめた。事実、岩崎は「詐欺の加担」と「金銭の授受」の疑いで東電の賠償詐欺捜査班に属していた2016年2月27日に逮捕・書類送検されたが、後に不起訴になっている。岩崎が東電に入社して23年目のことだ。 けれど、まさか岩崎が「黒い賠償」の指南役を担っていたばかりか、「カネも受け取っていた」だなんて。村田の証言は衝撃的だった』、「村田は、この一連の“東電賠償詐欺”を考案した首謀者だった。 まずは「原発事故により風評被害を受けた」と偽ることができる福島県内の会社を募る。次に決算書を改竄して、震災前の売り上げを水増しする。こうすることで、原発事故による減少分を増やすことができる。 そのうえで東電に賠償金を請求し、得たカネから約30%を手数料として受け取り仲間と山分けする――。これが村田の手口」、「岩崎が東電に入社して23年目のことだ。 けれど、まさか岩崎が「黒い賠償」の指南役を担っていたばかりか、「カネも受け取っていた」だなんて。村田の証言は衝撃的だった」、しかし、検察は「不起訴」とは節穴か。
・『岩崎の報酬は5%だった  損害賠償不正請求に関して、岩崎自身が村田に『東京電力損害賠償審査部署』に移動したことを伝え、『誠武総業』の請求に関して賠償金が受け取れるよう、請求方法を指南した。『誠武総業の下請け会社の請求』や『東洋健康センター』にしても同様だ。そして村田は計数十社が受け取った賠償金から、報酬として5%のカネを渡した──。 これが、事件の真相だというのだ。岩崎は村田からキャッシュカードを預かっており、賠償金の分け前が村田の銀行口座に振り込まれると、そのつど岩崎自身がATMからカネを引き出していたと話す。さらに村田は賠償業務の詳細は事実としても、「自分のことを棚にあげて、本にしてまで偽善者ぶるのは、どうか」と続けた。 同書を収監先の東京拘置所で目にしたとき、村田のなかにどんな感情がわいたのか。カネを騙し取った贖罪か、それとも自分だけ刑を逃れた岩崎への私怨か。 一方、村田の証言が真実だとするならば、僕からすれば自分が書いた原稿の一部を否定されることになる。村田が僕に語った“東電賠償詐欺”の全貌を詳しくみていこう。 2012年12月初旬、中野区内の中華料理店で開かれたNPO法人「東日本大震災原子力災害等被災者支援協会」の会合で、理事長の久間はこう檄を飛ばした。 「日本にとって、今は大変な時期だ。みんなで力を合わせ、被災地のために頑張っていこう。乾杯!」 他の理事や、福島県から参加した会員ら数十人が一斉に拍手で応えた。拍手の音はしばらく鳴り止まなかったという。久間の鼓舞は、出席者たちを奮い立たせたに違いない』、「NPO法人「東日本大震災原子力災害等被災者支援協会」の会合で、理事長の久間はこう檄を飛ばした」、「檄」自体は一般的なので、「理事長」を罪に問うことは出来なかったようだ。
・『賠償請求の代行業  ちなみに同NPOは震災後の2011年8月、仮設住宅の提供や原発事故の被災地域の復旧支援活動などを目的に設立された。村田は経緯をこう語る。 「中野のNPOが入る事務所の所有者Aが、久間を担ぎ設立されたものです。事務局にはNという人物がいて、そのNと後に職員になる進藤が旧知の仲でした。そして私と進藤とが古い付き合いだったことから、進藤も私も参加するようになりました」 賠償請求の代行業を目論み、村田と進藤がその旨を記したファックスを福島県内の事業者に向けて送ったのは、この会合が開かれた後のこと。果たして賠償金代行の依頼が来るのか、来ないのか。応募の有無すら半信半疑のまま、代行業の準備はすすめられたという。 だが、久間が知ってか知らずか、ファックスによる応募が来る前に同NPOは詐欺の舞台として静かに動き始めた。 村田が考えた詐欺のスキームを進藤が同業の前出『誠武総業』のS社長に口伝えすると、S社長はすぐに飛びついたのである。ちなみに進藤は建設会社の社長でもあり、『誠武総業』のS社長と以前から付き合いがあった』、「久間」も真っ白とは言い難いようだ。
・『NPOが悪事を働くはずがない…  同社が福島県内の娯楽施設『日本芸能文化村』から受注していた仕事は、『日本芸能文化村』側の資金難で震災前に頓挫しており、本来は賠償請求に該当しない。 それでも進藤が賠償金を不正に搾取する話をふると、『日本芸能文化村』から受注した仕事の一部を震災前から開始していていたという経緯を明かしたうえでS社長は、「原発で頓挫したことにできないか」と言い出した。渡りに船とはことのことだ。計画段階ではなく実際に工事を始めていたのなら、震災による原発事故を頓挫した理由にすることなど、わけはない。両者の利害は一致したのだ。 さて、こうして東電で賠償係をしていた岩崎を指南役とした決算書の改ざんによる「不正請求」は始まった。手口は「震災により工事がストップしたため、予定していた売り上げが見込めなかった」とするものだった。 村田は長年、銀行からの融資をメインとした企業コンサルティングを生業としてきた。賠償請求の申請方法を熟知していた東電賠償係の岩崎の協力があれば、決算書の水増しなどお手のものだったわけだ。 賠償請求手続きは、NPOを舞台とする詐欺のスキームが整った2回目の請求からは、「誠武総業」がNPO法人「東日本大震災原子力災害等被災者支援協会」に委任する形を取った。そこには「NPOが悪事を働くわけがなく、ひいては東電が疑うはずがない」という目算もあったという。 後編『10兆円超の原発賠償金から約40億円をかすめ取った「首謀者」が初めて明かす「不正の手口」と「隠された真実」』に続く…』、「賠償請求の申請方法を熟知していた東電賠償係の岩崎の協力があれば、決算書の水増しなどお手のものだったわけだ」、「2回目の請求からは、「誠武総業」がNPO法人「東日本大震災原子力災害等被災者支援協会」に委任する形を取った。そこには「NPOが悪事を働くわけがなく、ひいては東電が疑うはずがない」という目算もあった」、「NPOが悪事を働くわけがなく、ひいては東電が疑うはずがない」とタカを括っていたのであれば、誠に悪質だ。

第三に、3月31日付け現代ビジネスが掲載したノンフィクションライターの高木 瑞穂氏による「10兆円超の原発賠償金から約40億円をかすめ取った「首謀者」が初めて明かす「不正の手口」と「隠された真実」」を紹介しよう。
https://gendai.media/articles/-/108190?imp=0
・『福島第一原子力発電所の事故から12年、東京電力は10兆円を超える賠償金を支払ってきた。しかし、それらがすべて被災者の元に届いたわけではない。賠償金を狙う詐欺師たちが暗躍し、少なく見積もっても数十億円が彼らにかすめ取られている。 ’19年、僕は東電賠償係だった岩崎拓真(仮名、当時42歳)を取材し、『東日本大震災 東京電力「黒い賠償」の真実』(彩図社文庫)を発表した。岩崎は詐欺への加担と金銭授受の疑いをかけられていたが、不起訴となっている。僕の取材に対しても「カネなど1円も受け取っていない」と断言していた。 僕は原発賠償金詐欺の裏側に迫った……はずだった。ところが、’22年の年末に、ある男から連絡が届いた。 村田博志(65歳)、“東電賠償詐欺”を考案した首謀者である。村田は「東電社員だった岩崎が賠償金詐欺の指南役であり、報酬も渡していた」と暴露した。 村田が語る賠償金詐欺の真実とは──。 前編『7年6ヶ月の懲役を終えた「原発賠償金詐欺」の“首謀者”が初告白「福島県内の会社が、違法申請に飛びついた本当の理由」』はこちら』、「東電賠償係だった岩崎拓真(仮名、当時42歳)を取材し、『東日本大震災 東京電力「黒い賠償」の真実』(彩図社文庫)を発表した。岩崎は詐欺への加担と金銭授受の疑いをかけられていたが、不起訴となっている」、しかし、「村田博志(65歳)、“東電賠償詐欺”を考案した首謀者である。村田は「東電社員だった岩崎が賠償金詐欺の指南役であり、報酬も渡していた」と暴露した」、「「東電社員だった岩崎が賠償金詐欺の指南役であり、報酬も渡していた」とは実に悪質だ。
・『東電「素人集団」の緩すぎる審査  売り上げを水増しするために、一部は確定申告書に押される税務署の印鑑を偽造するなどして、書類を揃えた。この工作を担ったのは、東京在住だが福島に事業所を置くコンパニオン派遣業の浅野博由だ。浅野も後に、村田を軸とした詐欺で逮捕されることになる。 こうした申請に対し、当然ながら東京電力は厳正な審査をする、はずだった。 ところが当時の東電の「賠償審査部門」は、電気料金の徴収係から昨日今日に異動になった素人の集まりで、不正を見抜ける状況にまったくない。 会社は「迅速なお支払い」を標榜している。それに請求者たちは、原発事故による「被害者」だ。多少怪しくとも審査を通してしまおう。しかも、賠償金の原資は国民が払ってきた税金だ──こうした心理が働いた結果、賠償金の審査は厳正とはほど遠いものになってしまったのだ』、「「賠償審査部門」は、電気料金の徴収係から昨日今日に異動になった素人の集まりで、不正を見抜ける状況にまったくない。 会社は「迅速なお支払い」を標榜している。それに請求者たちは、原発事故による「被害者」だ。多少怪しくとも審査を通してしまおう。しかも、賠償金の原資は国民が払ってきた税金だ──こうした心理が働いた結果、賠償金の審査は厳正とはほど遠いものになってしまった」、不正請求は起こるべくして起こったようだ。
・『「早く対応します」  杜撰と言わざるをえないが、確かに「誠武総業」は計4回請求し、約5000万円のカネを手にした。さらに賠償金を不正に搾取したという噂を聞きつけた、計7社が加わった。 違法な手段でカネを手にしたのは、むろん8社だけではない。受け取った賠償金から進藤20%、村田5〜15%、岩崎5%と手数料を取っていき、残り60〜65%が誠武総業以下の取り分となった。 誠武総業の不正請求については不明だが、後に不起訴になったT社の不正請求時には中野の事務所の所有者Aも一部を手にしたと村田は言う。こうして詐欺の歯車はうまく転がりはじめた。 その土壌になったのは「よもや元防衛相の久間章生が理事長を務めるNPOが詐欺を働くわけがない」という、信頼だった。村田はこう証言した。 「異例な対応だったと思います。なにせNPO専属の東電の担当者がつき、その担当者が中野の事務所にまで出向いて書類を確認するんですから。その際、『早く対応します』と、審査前から賠償金が支払われるお墨付きのような言葉をかけられたことをよく覚えています」 むろん、応募が来るのをただ待っていただけではない。進藤らの声かけにより、中華料理店で開かれたNPOの会合に「(正規の)代行申請をする」という謳い文句で集まった事業者に下心がなかったと言えば嘘になる。風評被害という曖昧な枠組みのなかで、結果からすれば「震災が原因」とまでは言えないのに、「あわよくば受給をしたい」とたくらむグレーな事業者も少なくなかったのである』、「異例な対応だったと思います。なにせNPO専属の東電の担当者がつき、その担当者が中野の事務所にまで出向いて書類を確認するんですから。その際、『早く対応します』と、審査前から賠償金が支払われるお墨付きのような言葉をかけられたことをよく覚えています」、なんで「東電」が「NPO」にここまで特別なサービスをするのだろう。「元防衛相の久間章生が理事長」への忖度なのだろうか。
・『「東電賠償係」には約2億円が渡った  乾杯の音頭が終わり、グラスに注がれたビールを飲み干したNPO職員の進藤は、福島県内でコンパニオンの派遣業を営んでいた根本重子(当時52歳)にこう耳打ちした。 「風評被害にかこつけて、賠償金を騙し取らないか」 根本は進藤と旧知の仲だったが、詐欺の誘いにはさすがに驚いたに違いない。しかし根本も根っからの悪だったのだろう。同席していた村田が、「原子力災害賠償金支払い推進委員会評議員」という架空の肩書が書かれた真新しい名刺を差し出して、「東電の賠償制度には抜け道があるんですよ」と二の矢三の矢を放つと、迷いはなかったようだ。 進藤と村田にすれば、福島県内でコンパニオンの派遣業を営んでいた根元は格好の的だったのだ。原発事故の影響でキャンセルが相次ぎ、経営が悪化したという筋書きなら、東電から簡単に賠償金をふんだくれる――。 こうして一連の詐欺事件は、村田を軸として連鎖したのである。 進藤は申請書を2012年4月に東電に提出した。すると、約1ヵ月後には約1200万円が振り込まれた。そのうち4割の約500万円が根本に渡り、残りの700万円は先に記した配分にそって進藤らで山分けされた。 前出の「東洋健康センター」を舞台にした詐欺などへと、事件は続いていく。 ※「東洋健康センター」の事件については『原発賠償金で9億円を騙し取った「わるいやつら」の正体』 ちなみに進藤が絡んだのはNPOが代行した分だけで、全ての詐欺に関わったのは村田と岩崎だった。村田と岩崎は「数十社」の申請を行い、東電賠償係だった岩崎には「2億円強」が渡ったと村田は証言する。 これが正しいなら、岩崎の取り分は5%だったので、40億円規模の賠償金を違法に引き出したことになる。ちなみに村田は、自分が首謀者であること、また仲間が有頂天になっていたことからして、「もうやめよう」とは言い出せなかったという。 こんな単純な詐欺をいつまでも続けられるはずがない――。そう危機感を覚えていたのは、おそらく村田だけだったのかもしれない』、「村田と岩崎は「数十社」の申請を行い、東電賠償係だった岩崎には「2億円強」が渡ったと村田は証言する。 これが正しいなら、岩崎の取り分は5%だったので、40億円規模の賠償金を違法に引き出したことになる」、「40億円規模の賠償金を違法に引き出した」とは敵ながらあっぱれだ。
・『村田と岩崎の「話し合い」  2014年8月、村田はついに逮捕される。そして2016年5月、東京地裁において村田と進藤の判決が言い渡された。いずれも懲役9年の実刑判決だった。 裁判官は量刑の理由について、こう述べた。 「書面審査にとどまることに乗じ、会社の代表者らと意を通じたり、その名義を借りたりするなどして、体裁のみを取り繕った内容虚偽の書類多数を提出して架空請求を行うもので、原発事故の被害と無関係な地域にある被告人や共犯者の関係する会社まで被災した工事の下請けの名目で請求名義人に取り込むなどしており、手の込んだ狡知に長けた手口と言える。(一部略)」 犯行全体に関わり、搾取金額も合計8555万円余りと非常に多く、詐欺事犯のなかでも特に重いと裁判官は判断した。村田にとっては、これから長いムショ暮らしが始まる瞬間であった。 出所してから、村田は進藤と連絡を取っていない。だが、僕が場を設ける形で2022年12月末、村田は岩崎は二人だけで、話し合いを持った。村田はその時のやり取りをこう振り返る。 「私は自分の主張を紙にしたため、岩崎にサインするように迫りました。いまさら事件を蒸し返すのではなく、一連の事件に加担していたことを、岩崎だけには認めてほしかったからです。 でも、結果は決裂でした。簡単にいえば保身に走ったんだと思います。運よく不起訴になった岩崎からすれば、“5%の報酬”を受け取っていたことだけはどうしても認めたくないでしょうからね」』、「運よく不起訴になった岩崎からすれば、“5%の報酬”を受け取っていたことだけはどうしても認めたくないでしょうからね」、検察は何をしているのだろう。まるで節穴だ。
・『賠償金=税金と電気料金  「原子力損害賠償支援機構法」が2011年8月に成立したことを受け、東電は同年9月から本格的な賠償を始めた。これまで支払われた賠償金は、総額10兆円を超える。賠償は、この原賠償機構からの支援金をあてている。 その支援金は、もとを辿れば公金や電気料金である。うち大半は電気料金に転換されており、間接的に我々一般国民が負担していることになる。 村田はこう持論を述べた。 「私が搾取したのは公金です。振り込め詐欺のように高齢者をだますものではないから、罪の意識は低かった。でも、多くの方に迷惑をかけたことに対して申し訳ない気持ちはあり、約8000万円の被害者弁済をしました」 詐欺にかかわったことを後悔していますか、と尋ねると……。 「後悔? 自分の性格からして、過ぎてしまったことは、もうしょうがないじゃないか、という心境です」と答えた。 そして──。改めて僕が村田の主張を岩崎に問うと、カネの授受については明言を避け、「間違っている部分があると言われれば、そうかもしれません」とだけ話したことを最後に記しておこう』、「これまで支払われた賠償金は、総額10兆円を超える。賠償は、この原賠償機構からの支援金をあてている。 その支援金は、もとを辿れば公金や電気料金である。うち大半は電気料金に転換されており、間接的に我々一般国民が負担していることになる」、「村田はこう持論を述べた。 「私が搾取したのは公金です。振り込め詐欺のように高齢者をだますものではないから、罪の意識は低かった。でも、多くの方に迷惑をかけたことに対して申し訳ない気持ちはあり、約8000万円の被害者弁済をしました」、それにしても、東京電力の支払い時の審査の甘さは腹立たしい。 
タグ:原発問題 (その20)(岸田政権「原発回帰」は事故教訓の破棄 専門家は「40年超え」長期間運転リスクを懸念、7年6ヶ月の懲役を終えた「原発賠償金詐欺」の“首謀者”が初告白「福島県内の会社が、違法申請に飛びついた本当の理由」、10兆円超の原発賠償金から約40億円をかすめ取った「首謀者」が初めて明かす「不正の手口」と「隠された真実」) AERAdot「岸田政権「原発回帰」は事故教訓の破棄 専門家は「40年超え」長期間運転リスクを懸念」 「原子力規制委員会」には金属疲労の専門家はいるのだろうか。 「政府の決定を「官邸と電力業界の出来レース」だと批判する。 「狙いは最初から運転期間の延長にあります。次世代革新炉の建設には5千億円から1兆円規模必要ですが、運転延長にかかるコストは数億円で済みます。また政府方針では、最長で70年の運転が可能になると言われていますが、停止期間は原発事故前も適用可能になると思います。そうすると、80年以上可能になる。古い炉を延長するのは、最悪のシナリオです」、腹立たしい限りだ。 「圧力容器は原発の中心部にあり、厚さ10センチ以上の鋼鉄でできている。それが、核分裂の過程で生じる高エネルギーの「中性子線」という放射線に晒されると、圧力容器自体がもろくなる。これを「中性子照射脆化(ぜいか)」と呼ぶ。脆化によって劣化した容器が破損すれば、メルトダウンが起き、放射性物質が外部に出る可能性がある」、 「圧力容器内には、建設時に脆化を監視する「監視試験片」と呼ぶ圧力容器と同じ金属片を入れ、定期的に取り出し脆化の具合を調べているが、評価の仕方が30年近く前にできたルールで現実に合っていないと語る。 「監視試験片は原発の寿命の40年を前提に入れているため、数も不足しつつあります。原発の運転は、設計目安の40年を守るべきです」、「監視試験片」が足りなく恐れがあるとは初めて知った。やはり「設計目安の40年を守るべき」だ。 「「革新軽水炉は建設から運転開始まで10年近く要します。その間、火力発電に依存することになり、二酸化炭素(CO2)の排出量が増えて脱炭素は進みません」、「電力逼迫に関してまず行うべきは、再エネと省エネの普及です。その上で足りないところはどうするかという議論が必要だと考えます」、なるほど。 「再エネの主力となるのは太陽光と洋上風力だが、これらは天候による変動が大きいので、バックアップの仕組みが不可欠。そこで、原子力を選択肢の一つとして持つことが現実的だという。 ただし、あくまで「副次的」に使い0~10%程度持つのがいい。そして、より危険性が高い古い原子炉は積極的に廃炉にし、より危険性が低い新しい炉に建て替えるべきだと指摘する。 残りは、火力でカバーする。しかし、従来型の火力発電ではCO2を排出するため、燃料にアンモニアを用いCO2を排出しないカーボンフリー火力の活用がカギになる」、望ましいエネルギーMIXに向け、大々的に議論してゆくべきだ。 現代ビジネス 高木 瑞穂氏による「7年6ヶ月の懲役を終えた「原発賠償金詐欺」の“首謀者”が初告白「福島県内の会社が、違法申請に飛びついた本当の理由」」 「東京電力は総額10兆円を超える賠償金を払ってきたが、その一部、少なくとも数十億円が詐欺師によってかすめ取られていた」、「数十億円」がかすめ取られていたとは腹立たしい限りだ。 「村田は久間章生元防衛相が理事長(当時)を務めていた東京・中野のNPO法人「東日本大震災原子力災害等被災者支援協会」を舞台に、同じく逮捕された進藤一聡らと協力し、賠償請求の手続きを代行して東電から不正にカネを得ていた。このときに判明したのは、福島県いわき市の建築会社「誠武総業株式会社」及び下請け計8社の水増し請求だった。 さらに2019年2月にも、福島県郡山市にあった健康ランド「東洋健康センター」を舞台にした賠償詐欺に協力した容疑で村田は再逮捕されるなど、村田が関わった事件が次々に明るみに出ている」、「村 「村田は、この一連の“東電賠償詐欺”を考案した首謀者だった。 まずは「原発事故により風評被害を受けた」と偽ることができる福島県内の会社を募る。次に決算書を改竄して、震災前の売り上げを水増しする。こうすることで、原発事故による減少分を増やすことができる。 そのうえで東電に賠償金を請求し、得たカネから約30%を手数料として受け取り仲間と山分けする――。これが村田の手口」、 「岩崎が東電に入社して23年目のことだ。 けれど、まさか岩崎が「黒い賠償」の指南役を担っていたばかりか、「カネも受け取っていた」だなんて。村田の証言は衝撃的だった」、しかし、検察は「不起訴」とは節穴か。 「NPO法人「東日本大震災原子力災害等被災者支援協会」の会合で、理事長の久間はこう檄を飛ばした」、「檄」自体は一般的なので、「理事長」を罪に問うことは出来なかったようだ。 「久間」も真っ白とは言い難いようだ。 「賠償請求の申請方法を熟知していた東電賠償係の岩崎の協力があれば、決算書の水増しなどお手のものだったわけだ」、「2回目の請求からは、「誠武総業」がNPO法人「東日本大震災原子力災害等被災者支援協会」に委任する形を取った。そこには「NPOが悪事を働くわけがなく、ひいては東電が疑うはずがない」という目算もあった」、「NPOが悪事を働くわけがなく、ひいては東電が疑うはずがない」とタカを括っていたのであれば、誠に悪質だ。 高木 瑞穂氏による「10兆円超の原発賠償金から約40億円をかすめ取った「首謀者」が初めて明かす「不正の手口」と「隠された真実」」 「東電賠償係だった岩崎拓真(仮名、当時42歳)を取材し、『東日本大震災 東京電力「黒い賠償」の真実』(彩図社文庫)を発表した。岩崎は詐欺への加担と金銭授受の疑いをかけられていたが、不起訴となっている」、しかし、「村田博志(65歳)、“東電賠償詐欺”を考案した首謀者である。 村田は「東電社員だった岩崎が賠償金詐欺の指南役であり、報酬も渡していた」と暴露した」、「「東電社員だった岩崎が賠償金詐欺の指南役であり、報酬も渡していた」とは実に悪質だ。 「「賠償審査部門」は、電気料金の徴収係から昨日今日に異動になった素人の集まりで、不正を見抜ける状況にまったくない。 会社は「迅速なお支払い」を標榜している。それに請求者たちは、原発事故による「被害者」だ。多少怪しくとも審査を通してしまおう。しかも、賠償金の原資は国民が払ってきた税金だ──こうした心理が働いた結果、賠償金の審査は厳正とはほど遠いものになってしまった」、不正請求は起こるべくして起こったようだ。 「異例な対応だったと思います。なにせNPO専属の東電の担当者がつき、その担当者が中野の事務所にまで出向いて書類を確認するんですから。その際、『早く対応します』と、審査前から賠償金が支払われるお墨付きのような言葉をかけられたことをよく覚えています」、なんで「東電」が「NPO」にここまで特別なサービスをするのだろう。「元防衛相の久間章生が理事長」への忖度なのだろうか。 「村田と岩崎は「数十社」の申請を行い、東電賠償係だった岩崎には「2億円強」が渡ったと村田は証言する。 これが正しいなら、岩崎の取り分は5%だったので、40億円規模の賠償金を違法に引き出したことになる」、「40億円規模の賠償金を違法に引き出した」とは敵ながらあっぱれだ。 「運よく不起訴になった岩崎からすれば、“5%の報酬”を受け取っていたことだけはどうしても認めたくないでしょうからね」、検察は何をしているのだろう。まるで節穴だ。 「これまで支払われた賠償金は、総額10兆円を超える。賠償は、この原賠償機構からの支援金をあてている。 その支援金は、もとを辿れば公金や電気料金である。うち大半は電気料金に転換されており、間接的に我々一般国民が負担していることになる」、「村田はこう持論を述べた。 「私が搾取したのは公金です。振り込め詐欺のように高齢者をだますものではないから、罪の意識は低かった。 でも、多くの方に迷惑をかけたことに対して申し訳ない気持ちはあり、約8000万円の被害者弁済をしました」、それにしても、東京電力の支払い時の審査の甘さは腹立たしい。
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