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中国情勢(軍事・外交)(その15)(なぜ中国の科学技術は飛躍的に向上したのか…中国のスパイがアメリカの研究機関から山ほど盗んだもの 留学生や研究者を脅して機密情報を盗ませる、国内13大学が「中国政府の宣伝工作拠点」に?“孔子学院”の危険な実態、アメリカ密入国めざす中国人が急増 一体なぜ?教師やエンジニアら知識人も逃亡) [世界情勢]

中国情勢(軍事・外交)については、本年2月21日に取上げた。今日は、(その15)(なぜ中国の科学技術は飛躍的に向上したのか…中国のスパイがアメリカの研究機関から山ほど盗んだもの 留学生や研究者を脅して機密情報を盗ませる、国内13大学が「中国政府の宣伝工作拠点」に?“孔子学院”の危険な実態、アメリカ密入国めざす中国人が急増 一体なぜ?教師やエンジニアら知識人も逃亡)である。

先ずは、本年3月15日付けPRESIDENT Onlineが掲載したジャーナリストの池上 彰氏による「なぜ中国の科学技術は飛躍的に向上したのか…中国のスパイがアメリカの研究機関から山ほど盗んだもの 留学生や研究者を脅して機密情報を盗ませる」を紹介しよう。
https://president.jp/articles/-/67295
・『中国は世界でどのような諜報活動を行っているのか。ジャーナリストの池上彰さんは「情報機関に属する職員だけではなく、留学生や研究者などの民間人が国から要請を受け機密情報を盗むなどのスパイ活動を行っている」という――。(第1回) ※本稿は、池上彰『世界史を変えたスパイたち』(日経BP)の一部を再編集したものです』、興味深そうだ。
・『アメリカが警戒する「孔子学院」の正体  2010年代以降、米中対立が強まる中、アメリカが「中国がアメリカ国内の対中言論をコントロールするプロパガンダの拠点になっている」として警戒しているものの一つが、各大学などに設置されていた「孔子学院」です。 表向きには「中国語や中国文化を無償で教える教育センター」だとして、中国はその地域の教育機関などと連携し、世界中にこの孔子学院を設置してきました。中でもアメリカはこの孔子学院の最大の進出国で、その数は最盛期には120校にものぼっていました。 しかしその実態は中国のインテリジェンス機関である統一戦線工作部から資金や指示の出ている、まぎれもない中国の工作機関なのではないか、との指摘が相次ぎ、2014年頃から2020年までの間にかなりの数の孔子学院が閉鎖されてきました。 こうした、一見スパイ活動や対外情報活動とは関係なさそうな組織を使うのは中国の得意技です。他にも、海外に多く居住している中国系の住民(華僑)なども含め、関係国との間に友好団体を作り、文化や芸術、交流活動などを行いながら、実際には中国・共産党の意向に沿った情報活動や、中国に友好的な外国人を獲得し、育てる役割も果たしています』、「「孔子学院」・・・表向きには「中国語や中国文化を無償で教える教育センター」だとして、中国はその地域の教育機関などと連携し、世界中にこの孔子学院を設置してきました。中でもアメリカはこの孔子学院の最大の進出国で、その数は最盛期には120校にものぼっていました。 しかしその実態は中国のインテリジェンス機関である統一戦線工作部から資金や指示の出ている、まぎれもない中国の工作機関なのではないか、との指摘が相次ぎ、2014年頃から2020年までの間にかなりの数の孔子学院が閉鎖」、「最盛期には120校・・・かなりの数の孔子学院が閉鎖」、「文化や芸術、交流活動などを行いながら、実際には中国・共産党の意向に沿った情報活動や、中国に友好的な外国人を獲得し、育てる役割も果たしています」、手の込んだ偽装工作だ。
・『中国の法律にある恐ろしい内容  さまざまな理由で海外にいる中国人を、情報機関の職員でもないのに自国の情報活動に利用する。現在も、これが中国のインテリジェンス活動の大きな特徴です。 しかも、中国では2017年に国家情報法が施行されました。この法律には「いかなる組織及び個人も、法律に従って国家の情報活動に協力し、国の情報活動の秘密を守らなければならない。国は、そのような国民、組織を保護する」(第7条)と定められています。 つまり、海外にいる中国人であっても、「国家に必要な情報を提供しなさい」と命じられれば、それに従わなければならない、ということです。 実際、日本の大学に留学していた中国人留学生が、サイバースパイの片棒を担がされていた事件が発覚しています。 中国のハッカー集団が足場として使っていたレンタルサーバーを、留学生が偽名で契約していたのです。この留学生は、中国在住の女性から「レンタルサーバーを偽名で借りてほしい」「日本のUSBメモリを購入して中国に送ってほしい」などと頼まれ、言うことを聞いてしまったのです。 しかし徐々に注文がエスカレートし、「日本企業しか買えないセキュリティーソフトを、日本企業に成りすまして購入しろ」と指示され、断ったところ「国に貢献しろ」などと協力を強要されたといいます』、「「日本企業しか買えないセキュリティーソフトを、日本企業に成りすまして購入しろ」と指示され、断ったところ「国に貢献しろ」などと協力を強要された」、酷い話だ。
・『「中国にいる親族がどうなってもいいのか」  留学生など、一般の中国人をこうした工作に参加させる場合、「祖国に貢献したくないのか」と迫るケースの他に、「中国にいる親族がどうなってもいいのか」と脅迫するケースもあるようです。 留学生に協力を迫ったこの女性の夫は、中国人民解放軍のサイバー攻撃部隊に所属していたこともわかっています。そして女性の夫が所属する部隊は、実際に日本のJAXA(宇宙航空研究開発機構)や航空関連企業に対してサイバー攻撃を行っていたのです。 元留学生は間接的にかかわったにすぎませんが、全体としてみれば日本に対するサイバー攻撃の一端を担ったことになってしまいました。 中国軍のサイバー攻撃のために、在外中国人、それも留学生まで使う。こうした中国のやり方に、アメリカは警戒感を強めています。 2022年7月には、ロンドンでMI5(保安部)のマッカラム長官と、FBI(アメリカ連邦捜査局)のレイ長官が合同で企業向けの講演会を行い、「中国のやり方に気をつけろ!」と警告を発しました。 それによれば、中国は欧米企業の機密情報を盗むためにさまざまな手段を講じており、サイバー攻撃はもちろん、協力者を使った情報の窃取を行っているといいます。 そして習近平が掲げた「中国製造2025」、つまり中国が2025年までに製造業で世界の頂点に立つという目標を達成するために、手段を選ばず攻撃を仕掛けてきている、と断言しました』、「「中国にいる親族がどうなってもいいのか」と脅迫するケースもある」、「ロンドンでMI5(保安部)のマッカラム長官と、FBI(アメリカ連邦捜査局)のレイ長官が合同で企業向けの講演会を行い、「中国のやり方に気をつけろ!」と警告」、「「中国製造2025」・・・目標を達成するために、手段を選ばず攻撃を仕掛けてきている、と断言」、大いに気を付けるべきだ。
・『スパイの約4割が民間人  最も気をつけるべきは「千粒の砂」という戦略で、「中国共産党は、かつてのように外交官を偽装する工作員を使わない。さまざまなチャンネルを通じて情報を集めている」と指摘したのです。 「千粒の砂」とは、いわゆる工作員や外交官を使うのではなく、世界中に散らばっている中国人をその都度、情報活動に利用する戦略のことです。 もともと中国は、特定のスパイに基づかず、多くの人手を使ってできるだけ多くの断片情報を集め、そこから使える情報を精査する手法を使っていました。これを「千粒の砂の中に一粒の砂金がある」と称したことから、中国の情報活動の姿勢や方針が「千粒の砂」戦略と呼ばれるようになりました。 実際、米シンクタンクの戦略国際問題研究所(CSIS)が、2000年から2019年初頭にかけてアメリカで起きた中国と関連したスパイ事件を確認したところ、137件の事件報告のうち、57%が「中国の軍人または政府職員」だった一方、36%が「中国の民間人」だったと指摘されています。 実にスパイ事件の4割近くが、特別な訓練を受けたわけではない「民間人」とは驚きます』、「スパイ事件の4割近くが、特別な訓練を受けたわけではない「民間人」とは驚きます」、その通りだ。
・『中国の科学技術力が上がった要因  こうした、広範囲の一般人を情報活動に使う中国の戦法を前に、防諜側は、一体誰を、どこまでの範囲の人間をスパイと考えて対処すればいいかがわからなくなります。 また、全体で見れば大きなスパイ行為であっても、多くの人間が少しずつ関係し、しかも当人はスパイ行為を行っているという自覚もないとなれば、仮に発覚しても司法で裁くことができません。 さらに留学生で言えば、先のサイバー事件のように具体的な指示を受けるだけでなく、実際に留学生として欧米の大学で見聞きした情報を、中国に持ち帰って祖国の発展に生かせ、という大きな方針も打ち出されています。 受け入れる欧米側の大学としては、優秀な中国人留学生や研究者であればあるほど、自国での研究・開発成果を中国に持ち帰られる危険性が常に存在している、ということになってしまいます。 また、実際に研究者の立場で世界中の研究機関や催しに参加し、そこで情報を得たり、意見交換したり、各国の研究者と知己を得たりすることは、当然、スパイ行為にはあたりません。そのため、中国はこうした立場の人間や、それに成りすました工作員をうまく使い、アメリカなどの科学技術情報を得ては国家の技術力向上に生かしていたようです』、「受け入れる欧米側の大学としては、優秀な中国人留学生や研究者であればあるほど、自国での研究・開発成果を中国に持ち帰られる危険性が常に存在している、ということになってしまいます」、「中国はこうした立場の人間や、それに成りすました工作員をうまく使い、アメリカなどの科学技術情報を得ては国家の技術力向上に生かしていたようです」、なるほど。
・『「豊かになれば民主化する」と思っていたが  中国は1988年に中性子爆弾の開発に成功しました。FBIはこれを「中国が独自に開発したものではなく、アメリカの国立研究所から獲得されたものだ」と分析しています。特にアメリカの軍事技術にかかわる研究や開発を行っている機関は、中国としては狙い目です。 アメリカは近年の中国の技術開発能力の飛躍は、留学生や研究者、さらにサイバー攻撃によってアメリカから盗んだ技術によって達成されたものであると考えているのです。 こうした中国式の情報収集は1970年代から行われてきたのですが、ここへきてアメリカが警戒感をあらわにしているのは、「中国は豊かになれば民主化し、共産党一党独裁体制から脱却するだろう」という見通しが間違っていたことを認識したからです。 さらに中国の科学技術力の伸びが想像以上に早く、サイバー領域での中国の活動があまりに活発なことが影響しているのでしょう。そのサイバー攻撃の足掛かりになっているのが、中国製の通信機器なのではないか』、「ここへきてアメリカが警戒感をあらわにしているのは、「中国は豊かになれば民主化し、共産党一党独裁体制から脱却するだろう」という見通しが間違っていたことを認識したからです」、甘い認識というより期待の誤りを遅まきながら、気付いたようだ。
・『日本はどうするのか  機器にバックドア(外部からシステムにアクセスできるような経路=ドアのこと。中国の場合は海外に販売する際に前もってこのドアを作っておき、外部からの情報窃取やサイバー攻撃の経路としている)が仕掛けられていて、米国内の通信情報がすべて中国に筒抜けになっているのではないかと危惧しているのです。 特に中国の通信大手企業であるファーウェイに対する警戒感が強まっていますが、そこにはバックドアの問題に加え、国家情報法の規定に基づき、「ファーウェイが業務上、アメリカで知り得た情報を、中国当局からの要請があれば政府に提供するのではないか」と考えられていることも含まれています。 これが、米中対立の中でも「経済安全保障」と言われる分野で、アメリカから中国製品の排除が進められている一番の理由です。 中国製品を排除し、中国系企業を減益させることで、次世代製品の開発や、戦略物資と言われる半導体製造技術を磨くための資金を絶ちたい。 アメリカの研究を中国人留学生や研究者が持ち帰るのを阻止し、中国の科学技術力の成長を鈍化させようという狙いがあるのです。 米中の間に挟まれた日本も、当然無関係ではいられません』、「日本」でも「経済安全保障」の視点で「中国製品」への警戒が高まっており、警戒心を一層高めて臨むべきだろう。

次に、5月18日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した日本カウンターインテリジェンス協会代表理事の稲村 悠氏による「国内13大学が「中国政府の宣伝工作拠点」に?“孔子学院”の危険な実態」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/323000
・『米国で閉鎖が相次ぐ孔子学院 国内13大学で設置が確認  政府は5月12日に閣議決定した答弁書において、国内の少なくとも13大学に、中国政府による教育機関「孔子学院」が設置されていると明らかにした。 日本で設置が確認されたのは、早稲田大、立命館大、桜美林大、武蔵野大、愛知大、関西外国語大、大阪産業大、岡山商科大、北陸大、福山大、山梨学院大、立命館アジア太平洋大、札幌大の13大学である。 この孔子学院は、中国政府が世界各国の大学などに非営利教育機構として設置を進めていたが、中国共産党のスパイ・プロパガンダ(政治宣伝)機関との指摘が相次ぎ、文部科学省は運営の透明化を大学側に求めていた。 米国においても2000年代後半~2010年代前半までに米国大学100校超のキャンパスにおいて開講されていたが、学問・表現の自由の侵害およびスパイ活動・知的財産窃盗などの可能性について連邦議会が懸念を表明、米国内では同学院の閉鎖が相次いでいる。だが、世界全体で見てみると、今も160以上の国や地域に550を超える孔子学院が存在するといわれる』、「日本で設置が確認されたのは・・・の13大学である」、「米国大学100校超のキャンパスにおいて開講されていたが・・・米国内では同学院の閉鎖が相次いでいる」、なるほど。
・『孔子学院の実態と要注意の国内大学とは  孔子学院は、2004年に「外国における中国語・中国文化の普及」を目的として韓国に初めて設立された。 その形態は、非政府組織(NGO)であるが、その実態は中国教育部(文部科学省に相当)傘下の国家漢語国際推進指導小組弁公室(漢語事務局)が運営機関であり、背後で中国共産党指導部が意思決定をしている国家プロジェクトである。 ちなみに、孔子学院には儒学の始祖「孔子」の名を冠しているが、儒学に関する教育機関では一切ない。 日本で孔子学院を開校する際には、大学と漢語事務局との間で契約を結ぶ。法令による設置認可や届け出が必要ないため、文部科学省などの認可は不要である。 そのため、孔子学院の運営に関しては、中国政府が設置先の大学に資金提供をし、教職員の採用方法などについても契約で自由に取り決めることができる。 日本の大学からすれば、孔子学院設置費用や運営費は、中国政府が援助するため、大学側はほとんど負担することなく、中国語教育を安価で学生に提供でき、学生も併せて募集できるため、メリットが多い。 日本における孔子学院設置の流れは以下の通りである。 (図表:日本における孔子学院設置の流れ はリンク先参照) 上記孔子学院設置校のうち、★印を付けた3大学における孔子学院は要注意である(その1つである工学院大学孔子学院は21年3月末閉鎖)。 まず、工学院大学と提携していた北京航空航天大学は、中国の軍需企業を管理する国家国防科学技術工業局に直属する国防七校の1つであり、同大は、大量破壊兵器であるミサイル開発の疑いがあるとして、貨物や技術の輸出時には経済産業省の許可が必要な「外国ユーザーリスト」に記載されている。 また、立命館大学、早稲田大学と提携している北京大学は、準国防大学といわれ、国家国防科学技術工業局が管理している大学である』、「日本の大学からすれば、孔子学院設置費用や運営費は、中国政府が援助するため、大学側はほとんど負担することなく、中国語教育を安価で学生に提供でき、学生も併せて募集できるため、メリットが多い」、ただ、「北京航空航天大学は・・・大量破壊兵器であるミサイル開発の疑いがあるとして、貨物や技術の輸出時には経済産業省の許可が必要な「外国ユーザーリスト」に記載」、「北京大学は、準国防大学といわれ、国家国防科学技術工業局が管理している大学」、など問題も抱えている。
・『孔子学院が危険な3つの理由  孔子学院の危険性は3点ある。 一点目は、孔子学院と受け入れ大学側との契約内容が不透明であることだ。 米国上院国土安全保障・政府問題委員会の報告によれば、 ●中国政府が孔子学院に関連し、米国教育機関に1億5000万ドル(約200億円)以上の資金を提供 ●中国政府が孔子学院の予算・教育内容・人事の全てを管理 ●孔子学院の教職員が中国の国益擁護を誓約 ●孔子学院と大学との契約内容を非公開 としており、極めて問題のある契約を孔子学院と受け入れ大学側とで締結している可能性があると指摘。日本においても契約内容は文部科学省などが審査する構造になっていない状況となっている。 二点目は、文部科学省をはじめ日本政府機関の審査などを経ずに、日本の大学内に中国政府の統制下にある機関(孔子学院)が設置されるため、大学および日本の自治に極めて重大な懸念があることである。 中国共産党のスパイ機関・プロパガンダ工作を行うと世界から指摘を受けている孔子学院に対し、日本はその設置を許容したままとなっている。 なお、一部メディアによれば、2010年に大阪産業大学の理事が孔子学院を運営する漢語事務局をスパイ機関と呼んだことで、キャンパス内の中国人留学生などから大きな反発を受けて謝罪して辞任し、この話が中国共産党機関紙の人民日報に掲載されたという。 いずれにせよ、中国政府の統制の下、教育内容が管理され、教育の自由を侵害している。これが、後述のプロパガンダ工作につながる。) 三点目は、プロパガンダ工作・スパイ活動の危険性である。 それは具体的にどのようなものなのか、以下解説したい』、「孔子学院と受け入れ大学側との契約内容が不透明」、「文部科学省をはじめ日本政府機関の審査などを経ずに、日本の大学内に中国政府の統制下にある機関(孔子学院)が設置されるため、大学および日本の自治に極めて重大な懸念がある」、「プロパガンダ工作・スパイ活動の危険性」、やはり大きな問題がありそうだ。
・『孔子学院を使った中国政府のプロパガンダ工作とは  孔子学院によるプロパガンダ工作は「シャープパワー」と位置付けられている。 シャープパワーとは、軍事力などの「ハードパワー」と、文化・教育・価値観といった「ソフトパワー」との中間に位置付けられている。 一般的に、ソフトパワーによって相手国の世論に対し、自国に対する親近感や好感を醸成し、対象国の世論を味方につけて自国の利益に資するようにする手法をパブリック・ディプロマシーという。 孔子学院はその手法の代表例であったが、中国のような権威主義国家ならではの強引・横暴な要素が大きいことから、シャープパワーとして批判されている。 その手法はこうだ。 まず、孔子学院において、友好的な文化・教育交流として、中国の文化や言語に多く触れてもらう。そして、学生に中国の文化に親しみを持たせた上で、中国への留学や招待を実施し、親中派として育て上げる。注意すべきは、このプロセスにおいてウイグル人権問題や香港弾圧について触れず、台湾問題や尖閣問題などについては中国の主張をソフトに教育・浸透させていくのだ。 中国に長く留学した私の知人(日本人)と会話した際、彼にウイグル人権問題の話題を投げかけてもけげんそうな顔を浮かべ、「留学して思ったが、そもそも証拠がないだろう。中国の現地では誰も問題にしていない」などとけむに巻こうとする。 尖閣問題についても、「中国の主張も聞かなければならない。日本の主張ばかり聞いても仕方ない」と中国目線で答えるのだ。さらに、「中国に来ればわかる」とまで言われてしまった(私が中国に行ったら、おそらく反スパイ法で拘束されるだろう)。 また、孔子学院の社会人学生として、例えばメディア関係の人間を中国旅行などに誘い、現地の“良い部分”の情報に多く触れ、親中派として育て上げる。同様の手法は企業幹部や政治家にも及ぶだろう。 要は、孔子学院を経て中国に“都合の良い情報”のみを与え、可能であれば感化させ、親中派を孔子学院の設置国で拡大させていくプロパガンダ工作である。そして、こうした取り組みが、日本の有力な大学において、日本政府(文部科学省)が関知することなく行われているのだ。 ちなみに、中国による工作はこれだけではない。 例えば、日本国際問題研究所の桒原響子氏によれば、台湾有事における一つの想定として、中国は、日本と米国の分断を目指し、「台湾有事における在日米軍や自衛隊の活動により、日本は戦争に巻き込まれる」と訴えることで、日本の軍事アレルギーを刺激し、批判的なデモや抗議活動を活発化させようとしていると述べている。 台湾有事に限らず、これに似た状況は、既に日本国内でも散見されているが、その背景に中国の思惑が働いていることは明白であろう』、「一般的に、ソフトパワーによって相手国の世論に対し、自国に対する親近感や好感を醸成し、対象国の世論を味方につけて自国の利益に資するようにする手法をパブリック・ディプロマシーという。 孔子学院はその手法の代表例であったが、中国のような権威主義国家ならではの強引・横暴な要素が大きいことから、シャープパワーとして批判されている」、「孔子学院を経て中国に“都合の良い情報”のみを与え、可能であれば感化させ、親中派を孔子学院の設置国で拡大させていくプロパガンダ工作である。そして、こうした取り組みが、日本の有力な大学において、日本政府(文部科学省)が関知することなく行われているのだ」、恐ろしい主権の侵害だ。
・『孔子学院によるスパイ活動とは  まず、孔子学院が設置されている大学が保有する研究情報などの知的財産に加え、中国人留学生のコミュニティー情報、有力人物の人脈等について極めて近くで触れられる環境にある。 また、中国の「千粒の砂戦略」のように、中国はビジネスマンや留学生などのさまざまなチャネルを利用して技術情報の窃取を試みる。事実、中国人留学生による諜報事件は近年、日本国内でも幾度か検挙されている。 特に悪質なのは、中国政府機関系の人間が善意の留学生に接触し、スパイ活動に加担させる点だ。 2008年夏、北京五輪の聖火リレーが開かれた際、中国大使館などの指示を受け、中国人留学生学友会を主とした中国人留学生が全国から動員されたが(当時の報道によると、3000~5000人が集まったとされる)、善意の留学生であれ、中国政府の意向には従順である。したがって、中国政府が孔子学院を通じ、情報収集や工作活動を指示すること、または同活動にリクルートすることは当然想定される。 さらに、3月初旬に、日本に留学していた女子留学生が香港に一時帰国した際、SNSで香港独立に関する情報を流したとして国家安全維持法違反の容疑で逮捕された件や、中国非公式警察による在日中国人コミュニティに入り込んだ監視活動を鑑みても、孔子学院がプロパガンダ工作を行うだけではなく、これら反体制動向の監視活動に関与、情報提供などの支援を行っていると推察することもできる』、「中国政府が孔子学院を通じ、情報収集や工作活動を指示すること、または同活動にリクルートすることは当然想定される・・・孔子学院がプロパガンダ工作を行うだけではなく、これら反体制動向の監視活動に関与、情報提供などの支援を行っていると推察することもできる」、なるほど。
・『孔子学院に対して政府は対応策を示すべき  今回、参政党の神谷宗幣参院議員の質問主意書に答えた形で、報道において孔子学院がクローズアップされた。 2021年には、参議院文教科学委員会質問において、自由民主党の有村治子参議院議員が孔子学院について取り上げ、萩生田光一文部科学相(当時)が初めて孔子学院への対応を明言した。また、過去には自由民主党の杉田水脈衆院議員が予算委員会(第四分科会)において、孔子学院について取り上げている。 これまで、孔子学院について、各国が閉鎖などの措置を進める中で、日本においてはその対応が明確になされることはなく、前述の議員たちの行動によってクローズアップされては世間からの関心が薄れ…ということを繰り返している。この状況は、現在の厳しい国際情勢の中で日本の立場として懸念すべきではないだろうか。 日本として明確な対応策を示す必要がある。 そして、社会もこの問題について関心を高めるべきだろう。 最後に断っておくが、中国の文化に触れ、中国の言語を学び、互いの理解を深めるのは素晴らしいことであり、筆者にも素晴らしい中国人の友人がいる。 一方で、本稿において、それとは区別して孔子学院への懸念に対し、社会において改めて認識され、日本の対策がわずかでも進むことを期待したい』、「孔子学院に対して政府は」、大学任せにせず、「対応策を示すべき」、その通りだ。

第三に、5月19日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した作家・ジャーナリストの莫 邦富氏による「アメリカ密入国めざす中国人が急増、一体なぜ?教師やエンジニアら知識人も逃亡」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/323114
・『米国に密入国した密航者の中に現れた中国人  深夜、メキシコと米国との国境地帯。地続きの国境線の向こう側に立っている米国の警察官が、懐中電灯で国境線に沿って作られた鉄条網のメキシコ側の河畔を照らしている。なぜか。 群衆がその河畔を移動しているのだ。中には乳飲み子を抱えている男性もいる。米国に密入国しようとする者を取り締まる米国の警察官が、照明の便宜を与えているこの滑稽な光景に、今日の米国密入国における現状の一つの側面を見いだすことができる。 メキシコと米国との国境を突破して米国に密入国した人たちの群れに、最近、新しい顔が増えた。中国人だ。 中南米ルートを使って米国とメキシコの国境にたどり着いた中国国民の数は最近急増しており、米国国土安全保障省の統計によると、昨年10月以降、中国人密入国者が6500人を超え、前年同期の15倍に跳ね上がり、歴史的なピークに達したという。 私は、1990年代初頭、中国人密航者の非合法旅行を操る業者「蛇頭」と密航者たちを追跡して取材したことがあるだけに、このニュースを知り、大きな驚きを覚えた。中国社会も大きく変化し、中国人の密航者はいなくなったと思っていたからだ』、「昨年10月以降、中国人密入国者が6500人を超え、前年同期の15倍に跳ね上がり、歴史的なピークに達した」、「米国」への「密入国者」で「中国人」が急増しているとの報には驚かされた。
・『中国人密航者を操る『蛇頭』、やがて下火になったが…  1994年に、私が日本語で書いたノンフィクション書籍『蛇頭』は日本でベストセラーとなった。ベトナム難民を装った福建省出身の密航者が多かった時期にも一致したため、同書に対する日本社会の関心度が高く、日本メディアでの露出も多かった。 故・立花隆さんは『週刊文春』の連載で『蛇頭』を取り上げ、絶賛してくれた。テレビ局をはじめ、1日で7、8社のメディアの取材を受けたこともある。日・米・英・仏・独・露・伊などの国々の多くのメディアに取り上げられ、中国でも話題になり、世界知識出版社が『点撃蛇頭』という書名で中国語版を出版してくれた。 出版後の波及効果も大きかった。『蛇頭』を読んだ映画評論家の馳星周さんが同書にインスピレーションを得て冒険小説『不夜城』を書いた。本が出版された時、馳星周さんは『蛇頭』を参考にして書いたことをわざわざ本の中に明記していた。 『蛇頭』は、福建省出身の密航者問題で頭を痛めた日本の警察当局からも注目された。ある地方自治体の警察本部が一度で500部を購入した。警察学校では『蛇頭』が警察研修用の副読本にもなり、おかげで私の名前を覚えた警察官も相当いた。 香港の映画監督・映画プロデューサーのイー・トンシン(爾冬陞、Derek Yee)さんは『蛇頭』を読んで、新宿を舞台にした映画『新宿インシデント』(中国語は「新宿事件」)を作った。2009年に公開されたこの映画の主演はジャッキー・チェンさんで、日本人の映画俳優陣には、竹中直人さん、長門裕之さんらがいた。映画のエンディングに、私の名前も入っている。 中国経済の急速な発展で、08年北京オリンピック以降、多くの中国人が自由に海外旅行へ出られるようになり、いまや多くの国々の観光事業を支える重要な顧客にもなった。こうした社会事情の変化もあり、『蛇頭』もやがて絶版となった。 ベストセラーの作品が絶版となったことに対し、私はむしろ中国社会の進歩を表した一つの現象だと受け止め、中国はもう密航者を作りださないだろうと信じた。 こう信じていただけに、米国とメキシコとの国境を目指す中国人密入国者が大勢いるという最新の報道を読んだ私は絶句したのだ』、「中国経済の急速な発展で、08年北京オリンピック以降、多くの中国人が自由に海外旅行へ出られるようになり、いまや多くの国々の観光事業を支える重要な顧客にもなった。こうした社会事情の変化もあり、『蛇頭』もやがて絶版となった・・・もう密航者を作りださないだろうと信じた。 こう信じていただけに、米国とメキシコとの国境を目指す中国人密入国者が大勢いるという最新の報道を読んだ私は絶句した」、なるほど。
・『南米まで行けば…米国への密航に希望を持つ中国人  15年に米国の国境警備隊は、米国国境を密航という手段で突き破ろうとした中国出身の密航者を48人取り押さえた。しかし、14年まで米国当局には記録がないとし、「(同国境で)中国国民を捕まえたことは一度もない」と述べた。 しかし、22年末から情勢は急転した。米国への密入国を狙う群れの中にいる中国人は、日を追うごとに増加しているのだ。ある米国在住の中国人関係者はSNSを通しての私の取材に、次のように述べた。 「今年3月までにパナマにある難民キャンプはほとんど中国人に占領されている。ある現地の撮影者から、1日に車十数台分の密航者が運び込まれていて、ほとんどの乗客は中国人だったと証言があった。パナマ政府の発表によると、今年1月から3月の間に3855人の中国人密航者がコロンビアとパナマの国境地帯にあるダリエン地峡を通過した。目的地はアメリカだ」 太平洋の端にある中国から遠く離れた米国までの道のりは遠い。中国のパスポート所持者に対してビザ免除措置を与える南米の国が増えたことで、米国に近い南米のいくつかの国までは飛行機で移動することができるようになった。米国への密入国を希望する人にとっては、好都合だ。 エクアドルは、現在多くの中国人が選んだ重要な着地点である。そこからは「蛇頭」が引率する隊列について徒歩で行進する。最後は米国とメキシコとの国境を突破すれば、米国入国が実現できる。 拙著『蛇頭』を取材していた頃、蛇頭は比較的貧しい暮らしをしていた福建省出身者がほとんどを占める密航者を「鴨子(カモ)」と呼んでいた。しかし、いまは、知識人が多く、密航者は自らのことを「走線人(ルート走破者)」と呼ぶ。密航者の構成内容の変化に、中国の社会事情が色濃く影を落としている』、「「今年3月までにパナマにある難民キャンプはほとんど中国人に占領されている。ある現地の撮影者から、1日に車十数台分の密航者が運び込まれていて、ほとんどの乗客は中国人だったと証言があった。パナマ政府の発表によると、今年1月から3月の間に3855人の中国人密航者がコロンビアとパナマの国境地帯にあるダリエン地峡を通過した。目的地はアメリカだ」、「中国のパスポート所持者に対してビザ免除措置を与える南米の国が増えたことで、米国に近い南米のいくつかの国までは飛行機で移動することができるようになった。米国への密入国を希望する人にとっては、好都合だ」、「ビザ免除措置を与える南米の国が増えた」ことが引き金になっていたとは皮肉だ。
・『中国人密航者は本国で「いい職業」についていた人も多い  米国に密入国できた中国人を助けるために、米国の中国系住民は生活品や食品などを寄付する支援活動を開始した。 ロサンゼルスにほど近い郊外都市・モントレーパークで行われた寄付活動に参加した友人は現場の光景に驚いた。 「寄付品を受け取りに来る人が非常に多い。ホテルの周りに長い列ができている。男も女もいて、年長者は50歳前後、幼い者は10代前半。彼らは一人一人身なりが清潔で、顔つきや行動が落ち着いている。想像していた密航者のような苦労を重ね、ろうばいしている姿は見られない」 友人が寄付活動を呼びかけたリーダーに確認したら、以下のような情報を得た。 「密航者たちは山東、江蘇、浙江、湖北、陝西など多くの省から来ている。中国ではいい職業を持っていた。その多くが中国の自動車免許証を持っていることから、中国では車を所有していたことがわかる。職業もさまざまだ。以前の密航者のほとんどは福建省の農村出身だったが、いまは中学校の教師やエンジニア、保険外交員、金融業従事者、さらには自分で会社を作ったことがある人も多い」 彼らは皆共通語で交流している。多くの人がパソコンを使い、英語ができる人も結構いる。インターネットを利用して、自分の子どものために米国の学校に入学手続きを申請することもできる。寄付された書籍を選ぶ人もいた。 しかし、厳しい密航移動や海外の移民生活に耐えられない人も多い。せっかくメキシコに着いたものの、密航ルートの厳しさを実感して、米国への密入国をあきらめ、所持している中国パスポートを使って、そのまま中国に戻った人もいれば、米国に運よく密入国できたが、非合法移民の日常に動揺を覚え、住み慣れた中国に帰る選択をした人もいたという。 『蛇頭』絶版後、その続編を書く必然性はもうないと思っていたが、ひょっとしたら、続編を読みたいという市場ニーズがまた出てきそうな気がした。本棚に飾っている『蛇頭』を見つめながら、ぼうぜん自失になった』、「「密航者たちは山東、江蘇、浙江、湖北、陝西など多くの省から来ている。中国ではいい職業を持っていた。その多くが中国の自動車免許証を持っていることから、中国では車を所有していたことがわかる。職業もさまざまだ。以前の密航者のほとんどは福建省の農村出身だったが、いまは中学校の教師やエンジニア、保険外交員、金融業従事者、さらには自分で会社を作ったことがある人も多い」 彼らは皆共通語で交流している。多くの人がパソコンを使い、英語ができる人も結構いる」、「せっかくメキシコに着いたものの、密航ルートの厳しさを実感して、米国への密入国をあきらめ、所持している中国パスポートを使って、そのまま中国に戻った人もいれば、米国に運よく密入国できたが、非合法移民の日常に動揺を覚え、住み慣れた中国に帰る選択をした人もいたという」、中流階級らしい行動だ。今後、中南米経由の「米国」「密入国」がどうなるのか、注目したい。
タグ:中国情勢(軍事・外交) (その15)(なぜ中国の科学技術は飛躍的に向上したのか…中国のスパイがアメリカの研究機関から山ほど盗んだもの 留学生や研究者を脅して機密情報を盗ませる、国内13大学が「中国政府の宣伝工作拠点」に?“孔子学院”の危険な実態、アメリカ密入国めざす中国人が急増 一体なぜ?教師やエンジニアら知識人も逃亡) PRESIDENT ONLINE 池上 彰氏による「なぜ中国の科学技術は飛躍的に向上したのか…中国のスパイがアメリカの研究機関から山ほど盗んだもの 留学生や研究者を脅して機密情報を盗ませる」 池上彰『世界史を変えたスパイたち』(日経BP) 「「孔子学院」・・・表向きには「中国語や中国文化を無償で教える教育センター」だとして、中国はその地域の教育機関などと連携し、世界中にこの孔子学院を設置してきました。中でもアメリカはこの孔子学院の最大の進出国で、その数は最盛期には120校にものぼっていました。 しかしその実態は中国のインテリジェンス機関である統一戦線工作部から資金や指示の出ている、まぎれもない中国の工作機関なのではないか、との指摘が相次ぎ、2014年頃から2020年までの間にかなりの数の孔子学院が閉鎖」、 「最盛期には120校・・・かなりの数の孔子学院が閉鎖」、「文化や芸術、交流活動などを行いながら、実際には中国・共産党の意向に沿った情報活動や、中国に友好的な外国人を獲得し、育てる役割も果たしています」、手の込んだ偽装工作だ。 「「日本企業しか買えないセキュリティーソフトを、日本企業に成りすまして購入しろ」と指示され、断ったところ「国に貢献しろ」などと協力を強要された」、酷い話だ。 「「中国にいる親族がどうなってもいいのか」と脅迫するケースもある」、「ロンドンでMI5(保安部)のマッカラム長官と、FBI(アメリカ連邦捜査局)のレイ長官が合同で企業向けの講演会を行い、「中国のやり方に気をつけろ!」と警告」、「「中国製造2025」・・・目標を達成するために、手段を選ばず攻撃を仕掛けてきている、と断言」、大いに気を付けるべきだ。 「スパイ事件の4割近くが、特別な訓練を受けたわけではない「民間人」とは驚きます」、その通りだ。 「受け入れる欧米側の大学としては、優秀な中国人留学生や研究者であればあるほど、自国での研究・開発成果を中国に持ち帰られる危険性が常に存在している、ということになってしまいます」、「中国はこうした立場の人間や、それに成りすました工作員をうまく使い、アメリカなどの科学技術情報を得ては国家の技術力向上に生かしていたようです」、なるほど。 「ここへきてアメリカが警戒感をあらわにしているのは、「中国は豊かになれば民主化し、共産党一党独裁体制から脱却するだろう」という見通しが間違っていたことを認識したからです」、甘い認識というより期待の誤りを遅まきながら、気付いたようだ。 「日本」でも「経済安全保障」の視点で「中国製品」への警戒が高まっており、警戒心を一層高めて臨むべきだろう。 ダイヤモンド・オンライン 稲村 悠氏による「国内13大学が「中国政府の宣伝工作拠点」に?“孔子学院”の危険な実態」 「日本で設置が確認されたのは・・・の13大学である」、「米国大学100校超のキャンパスにおいて開講されていたが・・・米国内では同学院の閉鎖が相次いでいる」、なるほど。 「日本の大学からすれば、孔子学院設置費用や運営費は、中国政府が援助するため、大学側はほとんど負担することなく、中国語教育を安価で学生に提供でき、学生も併せて募集できるため、メリットが多い」、 ただ、「北京航空航天大学は・・・大量破壊兵器であるミサイル開発の疑いがあるとして、貨物や技術の輸出時には経済産業省の許可が必要な「外国ユーザーリスト」に記載」、「北京大学は、準国防大学といわれ、国家国防科学技術工業局が管理している大学」、など問題も抱えている。 「孔子学院と受け入れ大学側との契約内容が不透明」、「文部科学省をはじめ日本政府機関の審査などを経ずに、日本の大学内に中国政府の統制下にある機関(孔子学院)が設置されるため、大学および日本の自治に極めて重大な懸念がある」、「プロパガンダ工作・スパイ活動の危険性」、やはり大きな問題がありそうだ。 「一般的に、ソフトパワーによって相手国の世論に対し、自国に対する親近感や好感を醸成し、対象国の世論を味方につけて自国の利益に資するようにする手法をパブリック・ディプロマシーという。 孔子学院はその手法の代表例であったが、中国のような権威主義国家ならではの強引・横暴な要素が大きいことから、シャープパワーとして批判されている」、 「孔子学院を経て中国に“都合の良い情報”のみを与え、可能であれば感化させ、親中派を孔子学院の設置国で拡大させていくプロパガンダ工作である。そして、こうした取り組みが、日本の有力な大学において、日本政府(文部科学省)が関知することなく行われているのだ」、恐ろしい主権の侵害だ。 「中国政府が孔子学院を通じ、情報収集や工作活動を指示すること、または同活動にリクルートすることは当然想定される・・・孔子学院がプロパガンダ工作を行うだけではなく、これら反体制動向の監視活動に関与、情報提供などの支援を行っていると推察することもできる」、なるほど。 「孔子学院に対して政府は」、大学任せにせず、「対応策を示すべき」、その通りだ。 莫 邦富氏による「アメリカ密入国めざす中国人が急増、一体なぜ?教師やエンジニアら知識人も逃亡」 「昨年10月以降、中国人密入国者が6500人を超え、前年同期の15倍に跳ね上がり、歴史的なピークに達した」、「米国」への「密入国者」で「中国人」が急増しているとの報には驚かされた。 「中国経済の急速な発展で、08年北京オリンピック以降、多くの中国人が自由に海外旅行へ出られるようになり、いまや多くの国々の観光事業を支える重要な顧客にもなった。こうした社会事情の変化もあり、『蛇頭』もやがて絶版となった・・・もう密航者を作りださないだろうと信じた。 こう信じていただけに、米国とメキシコとの国境を目指す中国人密入国者が大勢いるという最新の報道を読んだ私は絶句した」、なるほど。 「「今年3月までにパナマにある難民キャンプはほとんど中国人に占領されている。ある現地の撮影者から、1日に車十数台分の密航者が運び込まれていて、ほとんどの乗客は中国人だったと証言があった。パナマ政府の発表によると、今年1月から3月の間に3855人の中国人密航者がコロンビアとパナマの国境地帯にあるダリエン地峡を通過した。目的地はアメリカだ」、 「中国のパスポート所持者に対してビザ免除措置を与える南米の国が増えたことで、米国に近い南米のいくつかの国までは飛行機で移動することができるようになった。米国への密入国を希望する人にとっては、好都合だ」、「ビザ免除措置を与える南米の国が増えた」ことが引き金になっていたとは皮肉だ。 「「密航者たちは山東、江蘇、浙江、湖北、陝西など多くの省から来ている。中国ではいい職業を持っていた。その多くが中国の自動車免許証を持っていることから、中国では車を所有していたことがわかる。職業もさまざまだ。以前の密航者のほとんどは福建省の農村出身だったが、いまは中学校の教師やエンジニア、保険外交員、金融業従事者、さらには自分で会社を作ったことがある人も多い」 彼らは皆共通語で交流している。多くの人がパソコンを使い、英語ができる人も結構いる」、 「せっかくメキシコに着いたものの、密航ルートの厳しさを実感して、米国への密入国をあきらめ、所持している中国パスポートを使って、そのまま中国に戻った人もいれば、米国に運よく密入国できたが、非合法移民の日常に動揺を覚え、住み慣れた中国に帰る選択をした人もいたという」、中流階級らしい行動だ。今後、中南米経由の「米国」「密入国」がどうなるのか、注目したい。
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