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バブル崩壊(その他、その2)(バブルの狂乱 いま明かされる銀行と権力の「すさまじい暗闘」の全深層、投資額は2兆7700億円 江本孟紀が初めて明かす“女帝相場師・尾上縫”の素顔、「バブル」に踊らされた経営者に共通する考え方 EIEインターナショナルとバブル紳士に学ぶ) [金融]

バブル崩壊については、2021年3月8日に取上げた。久しぶりの今日は、(その他、その2)(バブルの狂乱 いま明かされる銀行と権力の「すさまじい暗闘」の全深層、投資額は2兆7700億円 江本孟紀が初めて明かす“女帝相場師・尾上縫”の素顔、「バブル」に踊らされた経営者に共通する考え方 EIEインターナショナルとバブル紳士に学ぶ)である。

先ずは、2021年3月20日付け現代ビジネスが掲載したジャーナリストの児玉 博氏による「バブルの狂乱、いま明かされる銀行と権力の「すさまじい暗闘」の全深層」を紹介しよう。
https://gendai.media/articles/-/80850?imp=0
・『「賭け麻雀」騒動が投げかけた問い  その人事は「賭け麻雀」が発覚し、あっけなく幕引きとなったのが安倍政権下で行われようとしていた検事総長人事だった。昨年5月のことだ。 官僚人事を掌握し、その人事権で官僚を統治した安倍政権。その象徴でもあったのが東京高検検事長の黒川弘務を検事総長にするために、検事長の退官を63歳と定めた検察庁法を改め、退官年時を半年間延長した、いわゆる“定年問題”だった。この“定年問題”は、賭け麻雀で一気に終息したが、この問題は改めて政治と検察との在りようを問うこととなった。 かつて検察庁はロッキード事件(1976年)では元首相、田中角栄を逮捕した。検察庁は行政機関に組み込まれた一組織であることに変わりはない。 けれども、このロッキード事件に国民の多くが喝采を送ったのは、たとえ元首相であろうとも逮捕に踏み切った政治からの独立性だった。当時、主任検事だった吉永祐介(後の検事総長)は、“ミスター特捜”とも呼ばれ、ドラマの主人公となるほどその検察官としての高潔さを讃えられた。 しかし、検察と政治家など権力者との距離感は常に微妙な問題を孕んでいる。 筆者はかつて住友銀行(現、三井住友銀行)の伝説の“MOF(大蔵省担当)担”と呼ばれ、住友銀行を窮地に追いやったイトマン事件では、救世主となり、事件の元凶であった“住友銀行の天皇”磯田一郎(当時、会長)とその取り巻きを一掃するきっかけを作り出した国重惇史(元丸の内支店長)が、20数年間、秘匿し続けたメモを託された。 かつて、1986年に住友銀行により吸収合併された平和相互銀行という銀行が存在していた。後に金屏風事件など数々の事件を引き起こすきっかけとなったこの合併劇に深く関わっていたのが國重だった。その国重が合併劇の内幕を一部始終を書き残したのが“國重メモ”だ』、「住友銀行により吸収合併された平和相互銀行・・・この合併劇に深く関わっていたのが國重だった。その国重が合併劇の内幕を一部始終を書き残したのが“國重メモ”だ」、「伝説の“MOF担”」による「メモ」とは興味深そうだ。
・『国重メモとは何か  筆者はそのメモを元に『堕ちたバンカー 國重惇史の証言』という本を上梓した。 国重は39歳ながらこの合併劇に立役者の1人だった。大蔵省、日銀、竹下登(当時、大蔵大臣)、そし検察庁幹部などに接近しては、住友銀行に吸収合併させて行く様を克明に描いた“國重メモ”の迫力、詳細さは圧巻だった。この“國重メモ”が明らかになったことにより、長らく日本金融史史の闇とされていた、合併劇の内幕、金屏風事件の内幕などがすべて明らかとなったのである。 このメモの中で、筆者を驚愕させた1つが住友銀行と検察幹部との関係だった。 そもそも、住友銀行が、検察・国税との関係が深まるきっかけとなったのは、検事総長だった安原美穂(戦後12代目。1981〜1983)を顧問弁護士に迎えたことだった。安原を囲む現役検察幹部らの親睦の会ができ、それを住友銀行が支えた。 当初、大阪で始まり、その宴席が料亭「花月」で行われたことからその会は「花月会」と呼ばれた。料亭「花月」は後に東京にも出店し、その後は東京での会合が主になっていった。どの金融機関も検察、警察との関係を築いてはいる。けれども、住友銀行のそれは他の金融機関を圧するほどのものだったことが“国重メモ”からはうかがえる』、「住友銀行が、検察・国税との関係が深まるきっかけとなったのは、検事総長だった安原美穂・・・を顧問弁護士に迎えたことだった。安原を囲む現役検察幹部らの親睦の会ができ、それを住友銀行が支えた」、「親睦の会」の費用も「住友銀行」が負担したのだろうか、当時だったらあり得る話だ。
・『平和相互銀行をめぐる暗闘  当時は、“住友銀行の天皇”と呼ばれていた会長、磯田一郎の号令一下始まった「平和相互銀行」の吸収合併工作が行われていた。 住友銀行の水面下での工作は、大蔵省(現財務省)、日本銀行、蔵相、竹下登(後の総理大臣)、そして検察庁と多岐に渡った。しかも、工作する相手は幹部ばかり。“国重メモ”を読めば読むほど、住友銀行という一民間金融機関に過ぎない銀行が、金融当局のみならず、政界、検察の最深部にこれほどの人脈を築きあげていることにまず驚かされる。 “国重メモ”の中身を見ていこう。 まず昭和60年11月22日の項には次のように記されている。面談をしているのは、住友銀行取締役、松下武義。国重の上司であり、当時、住友銀行の“政治部長”と言われていた人物。この松下に相対している人物の名前は、伊藤栄樹。この時、東京高等検察庁検事長だった。検察庁ナンバー2の座にあった伊藤は、誰もが認める次期検事総長候補だった。 「平和相互銀行」の吸収合併を目論む住友銀行には1つの大きな障害があった。それは、「平和相互銀行」内で合併に強行に反対している勢力の存在だった。その筆頭が元東京地検特捜部の検事で“カミソリ伊坂”とも異名をとった監査役、伊坂重昭だった。伊坂を筆頭に同銀行幹部3人は合併に反対しており、特に伊坂の存在は悩ましかった。そんな折に実現したのが、松下と伊藤との宴席だった。 松下から聞き取った“国重メモ”はこう記している。 〈伊藤 心配するな。自分が(検事)総長になるであろう。12月下旬以降、1月か2月には必ずなる。あの銀行は年々1000オク(億円)悪くなっている。今やらねばならない。MOF(大蔵省)はだらしない。自分は第一相互の時の主任検事だったが、その時もMOFをギュギュやった。MOFに再建プランを出せと言ってある〉 伊藤栄樹は“ミスター検察”と呼ばれたほど、誰もが認めるエースだった。伊藤自身が就任時の訓示で吐いた「巨悪は眠らせるな」のフレーズは余りに有名だった。 退官後、「秋霜烈日」という回想録を記した伊藤は、その中で検察と政治との微妙な距離感について触れ、検事といえども行政官であることの苦渋を遠回しな表現ながら吐露している。その“ミスター検察”が、住友銀行側に「心配するな」「大蔵省には言ってある」などと発言をしているわけだ。 同年12月19日、松下から国重への電話での会話は次のようにメモされていた。 〈検察に行って話を聞いた。「騒がしくなる」 伊坂の逮捕は間違いないだろう〉 松下は直接、東京地検に出向き、そこで東京地検幹部と面談。事件の感触を掴み、それを国重に伝えている。このように松下、つまり住友銀行の検察担当は捜査当局に入り込み、情報を入手していた。もちろん、捜査当局側とて微妙な駆け引きはしていただろうが』、「「平和相互銀行」内で合併に強行に反対している勢力の存在だった。その筆頭が元東京地検特捜部の検事で“カミソリ伊坂”とも異名をとった監査役、伊坂重昭だった。伊坂を筆頭に同銀行幹部3人は合併に反対しており、特に伊坂の存在は悩ましかった」、これに対し、「伊藤 心配するな。自分が(検事)総長になるであろう。12月下旬以降、1月か2月には必ずなる」、「「騒がしくなる」 伊坂の逮捕は間違いないだろう〉 松下は直接、東京地検に出向き、そこで東京地検幹部と面談。事件の感触を掴み、それを国重に伝えている。このように松下、つまり住友銀行の検察担当は捜査当局に入り込み、情報を入手していた。もちろん、捜査当局側とて微妙な駆け引きはしていただろうが」、反対派をそれを上回る「検察の序列」を通じて潰すとは、凄い工作だ。
・『自宅への電話  これ以前の「国重メモ」にも東京地検特捜部と住友銀行との関係が伺える部分が見られる。 たとえば昭和60年6月25日、地検内部の声を次のように記している。 〈H(平和相互銀行)の職員を呼んで事情聴取することは消極的。「やる時は一斉にバサッとやる」「そのためにOBらと極秘裏に会いたい。仲介を頼みたい」 さらにメモは続く。〈同年7月12日 今日、検察に追加資料を持っていった。地検は「何かスパッとどぎついのはないか」。 同年7月18日 地検に行く。「パンチのきいた材料が欲しい」〉 最終的に平和相互銀行は、こうした昭和61年(1986年)10月1日をもって住友銀行に吸収合併され、その名前は日本の金融史から消える。が、実質的に平和相互銀行が住友銀行の軍門に降るのは同年2月6日、合併反対を唱え続けていた伊坂ら反対派の幹部が辞任した時だったといえるだろう。 そんな折の昭和61年1月9日、松下は検事総長、伊藤と面会する。メモはこう記している。 〈伊藤栄樹に会った。「金繰りピンチ。早く動いてくれないとパンクしてしまうかも」と言ったら、「わかった」と。1月中に動くかもしれない。〉 平和相互銀行の信用不安が株式市場に流れ始め、同銀行からの預金流失が続いている状況を松下は「金繰りピンチ」と訴えたのである。 同年1月14日、松下の動きを国重はこうメモしている。 〈昨日、地検の吉永部長と会った。「総長の陣頭指揮で危なくて、情報が取れない。ただそんなに早くやれるとは思えない」〉 この吉永部長というのは、ロッキード事件で名を馳せ、“ミスター特捜”とも呼ばれたあの吉永祐介だ。吉永はこの時、最高検公判部長の職にあった。その吉永が、平和相互銀行事件は検事総長、伊藤の直轄で捜査をしていた。〈同年1月24日 今朝、吉永公判部長より自宅から(松下の)自宅に電話あり。「昨日、次席検事と会った。その話では本件大きくならない。伊坂についてのデータ、集まりが悪い。地検も急いではいないようだ。但し、地検は仲間内でもウソあり」と〉』、「松下は検事総長、伊藤と面会する。メモはこう記している。〈伊藤栄樹に会った。「金繰りピンチ。早く動いてくれないとパンクしてしまうかも」と言ったら、「わかった」・・・「平和相互銀行の信用不安が株式市場に流れ始め、同銀行からの預金流失が続いている状況を松下は「金繰りピンチ」と訴えた」、「吉永公判部長より自宅から(松下の)自宅に電話あり。「昨日、次席検事と会った。その話では本件大きくならない・・・」、「住友銀行」の情報網は、驚くほどしっかりしていたようだ。
・『メモが投げかける「大きな意味」  結局、先にも触れたように吸収合併を画策する住友銀行の最大の障害であった伊坂らは2月6日に銀行をさり、さらにおよそ5ヶ月後の7月6日、特別背任容疑で東京地検特捜部の手によって逮捕される。 “国重メモ”が明らかにされるまで、こうした事実は一切明らかにあることはなかった。 “国重メモ”は、ひとつの銀行が、大蔵省、日銀、政治家などに広く、そして深くかかわっていた時代の現実を詳らかにした。そんな“国重メモ”が投げかける意味は今も変わらない――』、住友との合併に反対していた検察OBで平和相互銀行監査役の「伊坂」を「特別背任容疑で東京地検特捜部の手によって逮捕」とは、単に反対していただけでなく、どこかから裏金でも受け取っていたのかも知れない。「検察」をここまで利用し尽くしたとは、さすが住友銀行だ。

次に、2021年11月26日付けデイリー新潮「投資額は2兆7700億円 江本孟紀が初めて明かす“女帝相場師・尾上縫”の素顔」を紹介しよう。
https://www.dailyshincho.jp/article/2021/11261057/?all=1
・『店のテーブルには金融関係者がずらりと陣取り、奥の庭からは時折、どんな銘柄が上がるのか占うご託宣が聞こえる。2700億円をだまし取ったとして浪花の料亭経営者「尾上縫」が摘発されて30年、彼女がベタ惚れしたプロ野球解説者・江本孟紀氏(74)が振り返る。 内閣府のレポートには、かつて日本中を狂奔させたバブル経済は、1991年3月をもって“崩壊”が始まったとある。ちょうど30年前のことだが、人々に宴の終りを感じさせたのは、その5カ月後の出来事だったに違いない。 同年8月13日の早朝、大阪地検特捜部は大阪・千日前の料亭「恵川」のおかみ・尾上縫(61)=当時=を有印私文書偽造などの容疑で逮捕する。東洋信用金庫に巨額の預金があるように見せかけ、それを担保に大手金融機関から2700億円もの金をだまし取っていたのだ。 詐欺そのものは複雑ではなく、端緒は日本興業銀行が発行していたワリコー(割引金融債)を大量に買ったことだった。 奈良の貧困家庭の出身だった尾上は、ミナミの料亭で仲居だった時、大手住宅メーカーの会長が“旦那”になり、恵川を開店。会長からもらった三十数億円を元手にワリコー10億円分を買い付ける。それを担保に興銀が融資し、さらにワリコーを買い増した。いつしかワリコーの額が膨れ上がると興銀の黒澤洋頭取が、夫婦連れで恵川を表敬訪問したこともあった。 一介の料亭経営者ながら天下の興銀が融資している。それを知った他の大銀行も競うように金を貸し、5年間で彼女に貸し付けられた金は延べで2兆7736億円にものぼった。これは本州と四国を結ぶ瀬戸大橋を含む本四架橋の総工費に匹敵する。さらに尾上はこの金でNTTや新日鉄の株を買い漁ったものだから、北浜の証券界では「謎の女相場師」として名を馳せたのだ。だが、所詮は借金をぐるぐる回すだけの錬金術である。怪しんだ銀行が資金を引き揚げると、彼女が手を染めたのが架空預金証書による詐欺だったというわけである』、超大企業としか取引しない「興銀」の「黒澤洋頭取が、夫婦連れで」、「料亭「恵川」のおかみ・尾上縫」、「を表敬訪問」、との事実は国会喚問で明らかにされただけに、全国に大きな衝撃を与えた。
・『江本氏が特ダネを取れた理由  尾上逮捕の一報に新聞・テレビは料亭に押しかけ、連行される姿を追いかけた。が、地検に入る彼女はただの地味な老女にしか見えない。女傑からはほど遠いイメージに誰もが首をひねった。ところが、その日のニュースで、すぐさまフジテレビだけが、彼女の生々しい“素顔”を流す。株の注文欲しさに料亭に蝟集する大手証券マンや、融資話を持ち込んでくる大銀行の幹部。そして数千万円の着物を身にまとい、満面の笑みで株券の束をわし掴みにしてみせる尾上。その様子は、歪み切った世相そのものだったといえよう。 ネタを明かせば、同局が尾上の映像を流すことができたのは、逮捕の2年前に運よく恵川や姉妹店「大黒や」の奥までカメラを入れ、彼女のインタビュー映像を撮っていたからだ。フジテレビに、この特ダネを提供したのは、株や金融の世界には門外漢のはずの、あのエモやんこと江本孟紀氏である。当時の江本氏は阪神のピッチャーを引退して、著書『プロ野球を10倍楽しく見る方法』が大ヒット。野球解説者のほか、ドラマの役者、歌手などマルチタレントとして活動していた。 その江本氏が言う。 その頃、私はフジの『なんてったって好奇心』という番組の司会を三田寛子さんと一緒にやっていたんです。当時、プロデューサーだった太田英昭さん(後のフジ・メディア・ホールディングス社長)に“大阪にすごいオバさんがいる”って教えてあげたら、ぜひ会って取材したいという。それで尾上のおばちゃんに電話で聞いてみたら“ええよ”って二つ返事でOKだったのです」 謎の女相場師を登場させた番組は、ゴールデンタイムに放送されたが、その時点で錬金術の正体を知る者は誰もいなかった。それにしても、株取引もせず、酒も飲まない江本氏と、尾上には、どんな接点があったのだろうか』、「江本氏と、尾上には、どんな接点があったのだろうか」、確かに不思議だ。
・『江本氏に入れ込んでいた尾上  「もともと尾上さんを私に紹介してくれたのは、日本リスクコントロールという会社を経営している寺尾文孝さんという人なのです」 と江本氏。ここで寺尾氏のことを説明しておこう。寺尾氏は、警察官出身で、警視総監、法務大臣を歴任した秦野章氏の秘書を務めたのちに日本リスクコントロールを設立。政界・警察・芸能界に顔が利くことで知られた人物だ。今年6月に寺尾氏が半生を振り返って出版した『闇の盾』(講談社)には、寺尾氏が対峙してきたバブル紳士に並んで、 〈尾上縫がベタ惚れした男〉として、江本氏が登場する。 それによると、寺尾氏から江本氏を紹介された尾上は、初対面からすっかり彼のことを気に入ってしまう。当時40歳前後の江本氏は188センチのすらりとしたスタイルに端正な甘いマスク。人当たりが良くて話も面白く、おまけに有名人である。江本氏が豪華客船でディナーショーを開くと聞けば、チケットを数十枚も買い証券会社や銀行の幹部らを引き連れて観に行くほどの入れ込みようだった。そんな江本氏の頼みだからと、テレビの取材も快諾したのだろう。 改めて江本氏が尾上との出会いを話す。 「私の父親が高知県で警察官をしていたことから、寺尾さんとは気が合って昭和51年ぐらいからの付き合いでした。年に数度食事に行くような関係だったのですが、その寺尾さんが日本ドリーム観光という会社の副社長に就いて大阪に行くことになった。私も大阪で阪神戦の野球解説があるので、向こうで会う約束をしたのです。その際、寺尾さんと待ち合わせしたのが料亭『恵川』でした」』、「尾上は、初対面からすっかり彼のことを気に入ってしまう。当時40歳前後の江本氏は188センチのすらりとしたスタイルに端正な甘いマスク。人当たりが良くて話も面白く、おまけに有名人である。江本氏が豪華客船でディナーショーを開くと聞けば、チケットを数十枚も買い証券会社や銀行の幹部らを引き連れて観に行くほどの入れ込みようだった」、大いにあり得る話だ。
・『特別な客  日本ドリーム観光とは、大阪の新歌舞伎座や横浜ドリームランドなどを経営していた老舗の興行会社。だが、当時、元暴力団組長で、株の仕手戦で巨額の金を動かした「コスモポリタン」の会長・池田保次氏に“食い物”にされており、経営陣の内紛も勃発していた。寺尾氏は立て直しのため、87年、日本ドリーム観光に乗り込む。 大阪に常駐するようになった寺尾氏は、自分の友人・知人も連れて恵川に通った。江本氏のほか、勝新太郎、当時の大阪府警本部長や刑事部長もその中にいた。上客ばかりを紹介してくれる寺尾氏は、尾上にとって特別な客だったに違いない。当時、銀行から湯水のように金を引き出していた彼女は、寺尾氏に「新歌舞伎座を600億円で私に売ってほしい」と持ち掛けたこともある。 江本氏が続ける。 「でも、実をいえば私は和食が嫌いだったんです。酒も飲まないし、寺尾さんに誘われただけなら、彼女の店に行くのは、その一回だけで終わっていたかもしれません」』、「江本氏・・・「でも、実をいえば私は和食が嫌いだったんです。酒も飲まないし、寺尾さんに誘われただけなら、彼女の店に行くのは、その一回だけで終わっていたかもしれません」、「江本氏」も無理をして付き合ったのだろうか。
・『NTT株の束  会食当日、寺尾氏から教えてもらった住所を頼りに繁華街のミナミに出かけた江本氏は、とある木造3階建ての小料理屋の前で、打ち水をしている女性従業員に「この辺で恵川って店知りません?」と尋ねる。 「すると、その人が“あんた江本さんやないの!? うちの板前が、あんたのこと懐かしがってたわ”と言うではありませんか。聞けば、私が以前、贔屓にしていた料理人が、その小料理屋にいるという。彼はもともと北新地の料亭にいて、和食嫌いの私でも美味しく食べられる料理を作ってくれた。鴨料理やカツオのたたきなどが絶品なのです。ところが、ある日突然、料亭は閉店。料理人もぷっつりと連絡がつかなくなっていました。それが、たまたま道を聞いた従業員の店にいるというではありませんか。偶然の再会とはこのこと。その小料理屋の名が『大黒や』だったのです」 前述のとおり、大黒やは恵川の姉妹店で店もすぐ裏手にあった。尾上は“旦那”の住宅メーカー会長からもらった三十数億円を、しばらく大黒やの3階にある箪笥の引き出しに現金のまま保管していたこともある。 とまれ、この日を境に江本氏は大阪に行くたび大黒やを訪れるようになる。江本氏からすれば、板前の料理が目当てだった。 「恵川はちゃんとした料亭でしたが、大黒やは小料理屋。玄関を入るとカウンターがあって、20人も入ればいっぱいになるような店だった。料金も1人7千~8千円と安めでしたが、店に顔を出すと必ずといっていいほど、尾上のおばちゃんがやってきて私のテーブルについたんです」』、「和食嫌いの私でも美味しく食べられる料理を作ってくれた。鴨料理やカツオのたたきなどが絶品なのです。ところが、ある日突然、料亭は閉店。料理人もぷっつりと連絡がつかなくなっていました。それが、たまたま道を聞いた従業員の店にいるというではありませんか。偶然の再会とはこのこと。その小料理屋の名が『大黒や』だったのです」、「この日を境に江本氏は大阪に行くたび大黒やを訪れるようになる。江本氏からすれば、板前の料理が目当てだった」、「店に顔を出すと必ずといっていいほど、尾上のおばちゃんがやってきて私のテーブルについたんです」、「「和食嫌いの私でも美味しく食べられる料理を作ってくれ」る「料理人」が「目当てだった」とは面白いものだ。
・『怪しげな儀式を行う尾上  尾上は、隣に来ると、なぜか箸の柄にガーゼを巻いて水で濡らして眼を何度も拭いていたという。何のおまじないだったのか?と江本氏は今でも首を傾げるのだが、そこでさらに奇妙な光景を目にする。 「目立たない店でしたが、大黒やはびしっとスーツを着込んだお客さんでいつもいっぱいでした。また店の奥には坪庭があって、そこに仏像が鎮座していたのが印象的だった。スーツのお客さんたちは、店に来ると皆、おかみさんに言われて仏像を拝むんです。さらに、坪庭の奥には事務所があって、男性が2人ほど常駐していました。お客さんの中には野球ファンもいるので、プロ野球の話をしているうちに何となく彼らの職業が分かってきた。スーツ姿の客は全員が銀行員か証券マン。それも支店長とか部長といった役職者ばかりだったのです」 恵川が尾上の「表向きの顔」なら、大黒やは「本業」の投資ビジネスを行う場所だった。だが、彼女のやることはすべて神がかりである。毎週日曜日の夕刻には、坪庭に金融マンを集め、尾上は「行(ぎょう)」に入る。頃合いを見計らって証券マンが「〇×株はどうでしょうか?」と聞くと、彼女の口から「この株、上がるぞよ~」とか「売りじゃ」とご託宣が降りてくる。株をやらない江本氏にはピンとこないシーンだが、大黒やの中で行われていることは世間の常識からも大きく外れており、異様な世界だった。 「ある時などは、大黒やの事務所にNTT株が束になって積んであるのを見ました。100枚以上あったと思います。同社の株は86年に初めての売り出しがあって、翌年2月の上場後数カ月で株価が3倍近くまで上がった。当時、公募株は抽選になり、一般の人にはなかなか手に入りにくかったはず。それが事務所の机に山のように積んである。これには、さすがに驚きました」』、「毎週日曜日の夕刻には、坪庭に金融マンを集め、尾上は「行(ぎょう)」に入る。頃合いを見計らって証券マンが「〇×株はどうでしょうか?」と聞くと、彼女の口から「この株、上がるぞよ~」とか「売りじゃ」とご託宣が降りてくる」、「ご託宣」が外れる場合も多いだろうが、どうするのだろう。
・『「チケット買うたる」  銀行・証券マンたちと話していると、尾上が彼らを引き連れてパチンコに出かけることがあると聞かされた。 「私はパチンコをやらないんだけど、尾上は“ここでやりなさい”などと台を指示するそうなのです。すると、ジャンジャカ出るという。そんなことってあるのかと思いました」 当時、ワイドショーの司会を始めていた江本氏にとって、尾上は格好の取材先だったのである。 寺尾氏の著書にも出てくるように、尾上は江本氏のために大サービスもしてくれた。大阪港に寄港していた豪華客船、クイーン・エリザベス2でのショーだ。 「それはね、ある時、大阪で僕のトークショーがあると大黒やで飯を食っているとき話をしたんです。そうしたら尾上のおばちゃんが“じゃあチケット買うたるから”と言う。チケットが売れても私が儲かる仕組みではなかったのですが、彼女は店に来ている客たちを10人かそこら連れて、来てくれたんですよ」 江本氏が本拠地の東京から大阪に行くのは、年に数度。プロ野球解説の合間に大黒やを訪れていたが、91年になると、店にもバブル崩壊の足音が聞こえはじめた。 「途中から店をとりまく雰囲気が変わってきましてね。何だか事件になるような話がマスコミから流れてきたりしたのです。それで、行きにくくなり、大阪で用があっても大黒やを訪れることはなくなりました」』、「大阪港に寄港していた豪華客船、クイーン・エリザベス2でのショーだ・・・尾上のおばちゃんが“じゃあチケット買うたるから”と言う。チケットが売れても私が儲かる仕組みではなかったのですが、彼女は店に来ている客たちを10人かそこら連れて、来てくれたんですよ」、「途中から店をとりまく雰囲気が変わってきましてね。何だか事件になるような話がマスコミから流れてきたりしたのです。それで、行きにくくなり、大阪で用があっても大黒やを訪れることはなくなりました」、「江本氏」はバブル崩壊は経験せずに済んだようだ。さすがだ。
・『尾上から影響されたこと  すでに、大阪ではイトマン事件が表面化し、同社の河村良彦元社長や伊藤寿永光元常務が大阪地検特捜部に特別背任容疑で逮捕されていた。そしてマスコミ関係者の間では「イトマンの次は、尾上縫」と囁かれていたのだ。どこからか、それを聞きつけた尾上は、精神的に追い詰められるようになり、最後は自殺しかねない様子だったという。そのため大阪地検は捜査を早め、急遽、奈良地検から応援人員を頼んで、彼女の逮捕に踏み切る。 事件後、江本氏は彼女について人に話すことはほとんどなかった。一方、実刑判決を受けた尾上は出所後、2014年に亡くなり、生前に建てた高野山の墓所に葬られる。 当時、尾上との会話で印象に残っている言葉があるか、江本氏に聞いてみた。 「店の中で尾上のおばちゃんとは、世間話ぐらいしかしませんでした。でも彼女が“朝はちゃんと仏壇に線香と蝋燭を立てて、花の水も毎日替えてあげなアカンよ”とよく話していたのを覚えています。やることが神がかっていたのは確かだけど、昔の女性らしく親や先祖のことは大事にしていました。そう言われてから、私も先祖供養をきちんとやるようになった。彼女の言葉に影響されたのかもしれません」 30年という年月は長い。だが、つわものどもが徒花として散ったバブルの記憶は昨日のことのようでもある。 (江本氏の略歴はリンク先参照) 週刊新潮 2021年11月25日号掲載 特集「バブル崩壊から30年 不思議なめぐり逢いでベタ惚れされて…『江本孟紀』が初めて明かす“女帝相場師”『尾上縫』という徒花」より』、「江本氏」とのつながりは、今回の記事で初めて知った。最後は距離を置いたとは、「江本氏」はさすがだ。

第三に、本年5月27日付け東洋経済オンラインが掲載した作家・ジャーナリストの金田 信一郎氏による「「バブル」に踊らされた経営者に共通する考え方 EIEインターナショナルとバブル紳士に学ぶ」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/673654
・『「景気が良くなんねえなあ」 そう嘆く社長は多い。いや、社長だけではない。大企業から中小企業まで、50代後半以上のオヤジ(私も含む)は、高い確率で「経済状態が悪い」と思っている。 昔はタクシーがつかまらなくて、1万円札をヒラヒラさせて止めたよなあ」 彼らの頭に焼き付いているのは、1980年代のバブル景気である。 だが、残念ながら、いくら待っても、そんな大波はやってこない。バブル景気とは、一般の景気循環とまったく違う。実質価値より価格が大きく超えて上昇している状態を指すものであり、そうなると皆が「われ先に」と買いに走るので、さらに価格が高騰する。そして、いつか夢がはじけ、経済が壊滅的な打撃を受ける。バブルは順ぐりに巡ってくるものではないし、そもそも巡らせてはならない』、興味深そうだ。
・『「バブル四天王」の多くの逸話  私はかつて『真説 バブル』(共著)を書くため、1年半にわたってバブル経済について調査・取材をした。バブル経済はカオスであり、集団的陶酔状態でもある。人々は正常な判断ができない。そして、そこには必ず、異常な状態に導いている人物がいる。 経済学者のガルブレイスもバブルを検証し、先導者の存在を指摘した。カネ集めに長けた「悪魔の錬金術師」が登場するというのだ。 80年代の日本のバブル経済にも、そんな男たちがいた。 「バブル四天王」。そう呼ばれたのは、麻布自動車の渡辺喜太郎氏、第一不動産の佐藤行雄氏、秀和の小林茂氏、そしてEIEインターナショナルの高橋治則氏だ。 彼らはそれぞれ数千億円から兆円単位のカネを動かしていた。不動産を転がし、銀行を手玉に取った彼らは多くの逸話を残している。 「社員旅行先はサイパン。専用ジェットを飛ばし、日本から花火師まで連れていった」「銀座のクラブを200万円で貸し切りにして、ママと風呂に入っていた」 中でも伝説的な男は高橋氏だろう。長銀などの金融機関から2兆円ものカネを借りて、世界の高級リゾートや一流ホテル、大学、ゴルフ場などを買いあさった。 慶応大学卒で、日本航空に入社、血縁に元長銀頭取がいたこともあって、バブル紳士の中では毛並みが良い人物とみられた。 だから、80年代後半、高橋氏が株式上場を目指すと、銀行がこぞってメインバンクの座を狙った。結果は、慶大出身の長銀マンが高橋氏に食い込んで勝利する。その頃、栃木に高橋氏のゴルフ場が完成、会員権は450万円から3000万円に跳ね上がった。その後、国内に次々とゴルフ場を造り、そのたびに会員権が数千万円で売れていった。 「日銀は1万円札しか刷れない。でも、私は1億円札が刷れるんですよ」。高橋氏はそう豪語した。 その1億円札こそが「環太平洋リゾート会員権」だった。EIEのリゾートを使える会員権を、億単位の価格で売り出す計画だった。そのため3機の自家用ジェットを購入。豪華な内装の中、シャンパンを飲みながら南の島に飛ぶ。このホテル買い占めツアーに、金融関係者や政治家が同行した。そして、即決に近い形で100億円単位の買い物に融資をしていった。 サイパンの最高級ホテル、ハイアット・リージェンシー・サイパンを皮切りに、「南太平洋最高のリゾート」と称された豪サンクチュアリー・コーブ、ハワイ高級リゾートなどを手にしていく。80年代後半だけで長銀は約5000億円を高橋氏のグループに注ぎ込む。 要するに、カネは膨らませたもの勝ちなのだ。リゾート構想なる大風呂敷を広げて、金額を膨らませていく。倍々ゲームである。どこの銀行も、貸し出し競争に負けじとマネーを注ぎ込んでいった。 だが中身は空っぽだった。高橋氏の部下にこっそり資産一覧を見せてもらったことがある。そこには物件名と買収額こそ記載されていたが、売上高や利益の数字が見当たらない。部下はこう解説した。 「それは、はっきり言って売上高がほとんどないからです。あれば書きますよ」 え、売り上げがない……。2兆円を使って買いあさった施設が、最盛期でも売上高は数十億円……。ということは、巨額の借金の利払いすらできないのでは』、「「日銀は1万円札しか刷れない。でも、私は1億円札が刷れるんですよ」。高橋氏はそう豪語」、「その1億円札こそが「環太平洋リゾート会員権」だった。EIEのリゾートを使える会員権を、億単位の価格で売り出す計画だった。そのため3機の自家用ジェットを購入。豪華な内装の中、シャンパンを飲みながら南の島に飛ぶ。このホテル買い占めツアーに、金融関係者や政治家が同行した。そして、即決に近い形で100億円単位の買い物に融資をしていった」、「2兆円を使って買いあさった施設が、最盛期でも売上高は数十億円……。ということは、巨額の借金の利払いすらできないのでは」、返済のことを考えずに借金するムードも確かにあった。
・『「責任」を負わない高橋兄弟  そして90年代、バブル経済が崩壊する。慌てた長銀はEIEグループに役員を送り込み、資産売却を進めるが、価格暴落でほとんど回収できなかった。結果、名門バンクの長銀は、98年にあえなく破綻し、高橋氏の会社も破産宣告を受け、自身も背任の罪に問われることになる。 だが当時、高橋氏を訪ねて元赤坂のオフィスに行くと、彼は悠然とデスクにふんぞり返っていた。 「あれは、銀行が勝手に貸し付けてきたものですからね」 はあ。でも、借りたのは高橋さんですよね? 当時、兄の高橋治之氏にも会いに行った。場所は築地の旧電通本社ビル。そう。五輪汚職事件で受託収賄罪に問われている電通元専務が実兄である。 治之氏はこう弟をかばった。 「周囲にはめられただけだ」 え、はめられた? だって、銀行から借りたのは事実であり、その経営トップは治則氏では? だが、この兄弟に「責任」という文字はない。今回の五輪の贈収賄事件もそうだ。公職の立場にありながらスポンサー選定で便宜を図り、見返りにカネを受け取っていた。なのに「関わっていない」「公職とは知らなかった」という。 おそらく、スポーツの世界大会を日本に引っ張ってきてやったんだ、という思いが強いのだろう。 スポーツにカネを出せ、と。 誰が払うって、スポンサーになりたい大企業だよ、大企業! テレビ局も、もっと放映権料を出せよ。じゃないと、ほかの局に持ってくぞ。今はアマゾンやネット放送だってあるんだからな! この豪腕によって、五輪やワールドカップなどの国際スポーツ大会は費用が吊り上げられている。つまり、バブル状態なのだ。 これからも、巨額の放映権料をテレビ局が払えず、視聴者である我々は、その都度、アマゾンプライムやらWOWOWやらに加入するかどうか、迷うことになる。 「地上波で流せるように、テレビ局が払えよ」という声もある。だが、問題はそう単純ではない。テレビ局が放映権を買うということは、広告を出している大企業が払っている構図なのだ。だから、商品価格が上がるなどして、結局は国民が「高すぎるスポーツ放映権料」を払うことになる。 その上、高橋氏は各企業にコンサルティング料を5000万円とか7000万円とか払わせている。やはり、バブルってやつが巡ってきてはいけないのである。 【情報提供をお願いします】東洋経済ではあなたの周りの「ヤバい会社」「ヤバい仕事」の情報を募っています。ご協力いただける方はこちらへ』、「兄の高橋治之氏にも会いに行った・・・五輪汚職事件で受託収賄罪に問われている電通元専務が実兄である。 治之氏はこう弟をかばった。 「周囲にはめられただけだ」 え、はめられた? だって、銀行から借りたのは事実であり、その経営トップは治則氏では? だが、この兄弟に「責任」という文字はない。今回の五輪の贈収賄事件もそうだ。公職の立場にありながらスポンサー選定で便宜を図り、見返りにカネを受け取っていた。なのに「関わっていない」「公職とは知らなかった」という。 おそらく、スポーツの世界大会を日本に引っ張ってきてやったんだ、という思いが強いのだろう」、それにしても、兄弟揃って、無責任なのには呆れる。「スポーツにカネを出せ、と。 誰が払うって、スポンサーになりたい大企業だよ、大企業! テレビ局も、もっと放映権料を出せよ。じゃないと、ほかの局に持ってくぞ。今はアマゾンやネット放送だってあるんだからな! この豪腕によって、五輪やワールドカップなどの国際スポーツ大会は費用が吊り上げられている。つまり、バブル状態なのだ。 これからも、巨額の放映権料をテレビ局が払えず、視聴者である我々は、その都度、アマゾンプライムやらWOWOWやらに加入するかどうか、迷うことになる」、「国際スポーツ大会」では「バブル状態なのだ」、とはやれやれだ。
タグ:「和食嫌いの私でも美味しく食べられる料理を作ってくれた。鴨料理やカツオのたたきなどが絶品なのです。ところが、ある日突然、料亭は閉店。料理人もぷっつりと連絡がつかなくなっていました。それが、たまたま道を聞いた従業員の店にいるというではありませんか。偶然の再会とはこのこと。その小料理屋の名が『大黒や』だったのです」、「この日を境に江本氏は大阪に行くたび大黒やを訪れるようになる。江本氏からすれば、板前の料理が目当てだった」、 「江本氏」とのつながりは、今回の記事で初めて知った。最後は距離を置いたとは、「江本氏」はさすがだ。 「住友銀行が、検察・国税との関係が深まるきっかけとなったのは、検事総長だった安原美穂・・・を顧問弁護士に迎えたことだった。安原を囲む現役検察幹部らの親睦の会ができ、それを住友銀行が支えた」、「親睦の会」の費用も「住友銀行」が負担したのだろうか、当時だったらあり得る話だ。 「大阪港に寄港していた豪華客船、クイーン・エリザベス2でのショーだ・・・尾上のおばちゃんが“じゃあチケット買うたるから”と言う。チケットが売れても私が儲かる仕組みではなかったのですが、彼女は店に来ている客たちを10人かそこら連れて、来てくれたんですよ」、「途中から店をとりまく雰囲気が変わってきましてね。何だか事件になるような話がマスコミから流れてきたりしたのです。それで、行きにくくなり、大阪で用があっても大黒やを訪れることはなくなりました」、「江本氏」はバブル崩壊は経験せずに済んだようだ。さすがだ。 「住友銀行により吸収合併された平和相互銀行・・・この合併劇に深く関わっていたのが國重だった。その国重が合併劇の内幕を一部始終を書き残したのが“國重メモ”だ」、「伝説の“MOF担”」による「メモ」とは興味深そうだ。 児玉 博氏による「バブルの狂乱、いま明かされる銀行と権力の「すさまじい暗闘」の全深層」 「大阪港に寄港していた豪華客船、クイーン・エリザベス2でのショーだ・・・尾上のおばちゃんが“じゃあチケット買うたるから”と言う。チケットが売れても私が儲かる仕組みではなかったのですが、彼女は店に来ている客たちを10人かそこら連れて、来てくれたんですよ」、 「毎週日曜日の夕刻には、坪庭に金融マンを集め、尾上は「行(ぎょう)」に入る。頃合いを見計らって証券マンが「〇×株はどうでしょうか?」と聞くと、彼女の口から「この株、上がるぞよ~」とか「売りじゃ」とご託宣が降りてくる」、「ご託宣」が外れる場合も多いだろうが、どうするのだろう。 「江本氏・・・「でも、実をいえば私は和食が嫌いだったんです。酒も飲まないし、寺尾さんに誘われただけなら、彼女の店に行くのは、その一回だけで終わっていたかもしれません」、「江本氏」も無理をして付き合ったのだろうか。 「尾上は、初対面からすっかり彼のことを気に入ってしまう。当時40歳前後の江本氏は188センチのすらりとしたスタイルに端正な甘いマスク。人当たりが良くて話も面白く、おまけに有名人である。江本氏が豪華客船でディナーショーを開くと聞けば、チケットを数十枚も買い証券会社や銀行の幹部らを引き連れて観に行くほどの入れ込みようだった」、大いにあり得る話だ。 「兄の高橋治之氏にも会いに行った・・・五輪汚職事件で受託収賄罪に問われている電通元専務が実兄である。 治之氏はこう弟をかばった。 「周囲にはめられただけだ」 え、はめられた? だって、銀行から借りたのは事実であり、その経営トップは治則氏では? だが、この兄弟に「責任」という文字はない。 そのため3機の自家用ジェットを購入。豪華な内装の中、シャンパンを飲みながら南の島に飛ぶ。このホテル買い占めツアーに、金融関係者や政治家が同行した。そして、即決に近い形で100億円単位の買い物に融資をしていった」、「2兆円を使って買いあさった施設が、最盛期でも売上高は数十億円……。ということは、巨額の借金の利払いすらできないのでは」、返済のことを考えずに借金するムードも確かにあった。 「「日銀は1万円札しか刷れない。でも、私は1億円札が刷れるんですよ」。高橋氏はそう豪語」、「その1億円札こそが「環太平洋リゾート会員権」だった。EIEのリゾートを使える会員権を、億単位の価格で売り出す計画だった。 金田 信一郎氏による「「バブル」に踊らされた経営者に共通する考え方 EIEインターナショナルとバブル紳士に学ぶ」 「店に顔を出すと必ずといっていいほど、尾上のおばちゃんがやってきて私のテーブルについたんです」、「「和食嫌いの私でも美味しく食べられる料理を作ってくれ」る「料理人」が「目当てだった」とは面白いものだ。 「江本氏と、尾上には、どんな接点があったのだろうか」、確かに不思議だ。 超大企業としか取引しない「興銀」の「黒澤洋頭取が、夫婦連れで」、「料亭「恵川」のおかみ・尾上縫」、「を表敬訪問」、との事実は国会喚問で明らかにされただけに、全国に大きな衝撃を与えた。 デイリー新潮「投資額は2兆7700億円 江本孟紀が初めて明かす“女帝相場師・尾上縫”の素顔」 住友との合併に反対していた検察OBで平和相互銀行監査役の「伊坂」を「特別背任容疑で東京地検特捜部の手によって逮捕」とは、単に反対していただけでなく、どこかから裏金でも受け取っていたのかも知れない。「検察」をここまで利用し尽くしたとは、さすが住友銀行だ。 「松下は検事総長、伊藤と面会する。メモはこう記している。〈伊藤栄樹に会った。「金繰りピンチ。早く動いてくれないとパンクしてしまうかも」と言ったら、「わかった」・・・「平和相互銀行の信用不安が株式市場に流れ始め、同銀行からの預金流失が続いている状況を松下は「金繰りピンチ」と訴えた」、「吉永公判部長より自宅から(松下の)自宅に電話あり。「昨日、次席検事と会った。その話では本件大きくならない・・・」、「住友銀行」の情報網は、驚くほどしっかりしていたようだ。 「「騒がしくなる」 伊坂の逮捕は間違いないだろう〉 松下は直接、東京地検に出向き、そこで東京地検幹部と面談。事件の感触を掴み、それを国重に伝えている。このように松下、つまり住友銀行の検察担当は捜査当局に入り込み、情報を入手していた。もちろん、捜査当局側とて微妙な駆け引きはしていただろうが」、反対派をそれを上回る「検察の序列」を通じて潰すとは、凄い工作だ。 「「平和相互銀行」内で合併に強行に反対している勢力の存在だった。その筆頭が元東京地検特捜部の検事で“カミソリ伊坂”とも異名をとった監査役、伊坂重昭だった。伊坂を筆頭に同銀行幹部3人は合併に反対しており、特に伊坂の存在は悩ましかった」、これに対し、「伊藤 心配するな。自分が(検事)総長になるであろう。12月下旬以降、1月か2月には必ずなる」、 東洋経済オンライン これからも、巨額の放映権料をテレビ局が払えず、視聴者である我々は、その都度、アマゾンプライムやらWOWOWやらに加入するかどうか、迷うことになる」、「国際スポーツ大会」では「バブル状態なのだ」、とはやれやれだ。 「スポーツにカネを出せ、と。 誰が払うって、スポンサーになりたい大企業だよ、大企業! テレビ局も、もっと放映権料を出せよ。じゃないと、ほかの局に持ってくぞ。今はアマゾンやネット放送だってあるんだからな! この豪腕によって、五輪やワールドカップなどの国際スポーツ大会は費用が吊り上げられている。つまり、バブル状態なのだ。 今回の五輪の贈収賄事件もそうだ。公職の立場にありながらスポンサー選定で便宜を図り、見返りにカネを受け取っていた。なのに「関わっていない」「公職とは知らなかった」という。 おそらく、スポーツの世界大会を日本に引っ張ってきてやったんだ、という思いが強いのだろう」、それにしても、兄弟揃って、無責任なのには呆れる。 現代ビジネス (その他、その2)(バブルの狂乱 いま明かされる銀行と権力の「すさまじい暗闘」の全深層、投資額は2兆7700億円 江本孟紀が初めて明かす“女帝相場師・尾上縫”の素顔、「バブル」に踊らされた経営者に共通する考え方 EIEインターナショナルとバブル紳士に学ぶ) バブル崩壊
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