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JR一般(その2)(「とんでもない変節漢で人間のクズ」…JR東海・葛西敬之が、ここまで「誹謗中傷」された理由、東海道新幹線があるのに、本当にリニアが必要なのか? JR東海の天皇・葛西敬之なき今だからこそすべき議論、JR貨物 不正を起こした「不適切な風土」の深層 データ不正が「現場の知恵」と化していた可能性) [企業経営]

JR一般については、2022年4月24日に取上げた。今日は、(その2)(「とんでもない変節漢で人間のクズ」…JR東海・葛西敬之が、ここまで「誹謗中傷」された理由、東海道新幹線があるのに、本当にリニアが必要なのか? JR東海の天皇・葛西敬之なき今だからこそすべき議論、JR貨物 不正を起こした「不適切な風土」の深層 データ不正が「現場の知恵」と化していた可能性)である。

先ずは、昨年2月6日付け現代ビジネスが掲載したジャーナリストの森 功氏による「「とんでもない変節漢で人間のクズ」…JR東海・葛西敬之が、ここまで「誹謗中傷」された理由【牧久×森功対談】」を紹介しよう。
・『「国商」という耳慣れない言葉がいま話題になっている。ジャーナリスト森功氏の最新刊『国商 最後のフィクサー葛西敬之』に由来する言葉だ。 日本有数とはいえ、一企業のトップにすぎない葛西氏がなぜ、フィクサーとして長きにわたり安倍政権を裏で操ることができたのか。『国商』はその理由を膨大な取材とともに精緻に描き出している。同書にも出てくるが、葛西氏がJR内で大きな力を持てた源泉は、「国鉄分割民営化」を先頭に立って進めたことにある。「国鉄改革三人組」と呼ばれた男たちがいる。葛西氏、JR東日本元会長・社長の松田昌士氏、JR西日本元会長・社長の井手正敬氏の三人だ。 「国鉄改革」は、当時組合の第二勢力だった「動労」の協力なくしては果たせなかった。動労とはすなわち革マル勢力であり、そのトップが松崎明だった。 松崎と改革三人組の関係は、これまでも様々に論じられてきた。だが、本当のところはいまひとつよくわからない。 今回、森氏と、『暴君 新左翼・松崎明に支配されたJR秘史』著者の牧久氏が、松崎と三人組の「本当の関係」についてとことん語り合う。 前回記事【ばら撒かれた不倫写真…「革マル」松崎明が、自分を裏切ったJR東海・葛西敬之への復讐と、「国鉄改革三人組」との本当の関係 牧久×森功対談】』、興味深そうだ。
・『松崎は葛西をどうしても許せなかった  牧 葛西氏はね、国鉄改革の際に、あまりにもいいように松崎を使ってしまったんです。それがあったから、裏切ったあとの反動も大きかった。 森 労使共同宣言ですね。国鉄改革のときに葛西たちが松崎に協力を仰ぎ、動労が分割民営化賛成に回った。それは労働界を牛耳りたい松崎にとって最大勢力の労働組合だった国労が邪魔だったという裏返しなのでしょうね。 牧 はい。とにかく最大労組の国労を潰すためには、それ以外の労組と手を組まなければならない。そこで、国労に対する意地悪な動きを全部やるわけです。国労が分裂するように持っていくんだね。その総仕上げとも言えるのが、労使共同宣言です。 森 松崎は「膨大な余剰人員の雇用をどう確保するのか。まず労使の決意を示し、世間にお願いするほかない。雇用確保のためなら、蛇といわれ仏といわれようが、この姿勢は貫く」と声明を出し、労使共同宣言に調印します』、「最大労組の国労を潰すためには、それ以外の労組と手を組まなければならない。そこで、国労に対する意地悪な動きを全部やるわけです。国労が分裂するように持っていくんだね。その総仕上げとも言えるのが、労使共同宣言です。 森 松崎は「膨大な余剰人員の雇用をどう確保するのか。まず労使の決意を示し、世間にお願いするほかない。雇用確保のためなら、蛇といわれ仏といわれようが、この姿勢は貫く」と声明を出し、労使共同宣言に調印します」、労組としてライバルの「国労」に「対する意地悪な動きを全部やるわけです。国労が分裂するように持っていくんだね。その総仕上げとも言えるのが、労使共同宣言です」、なるほど。
・『JR東の初代社長はこうして革マルに絡めとられた  牧 葛西氏は当時、職員局次長という立場でしたが、あれは見事でした。国労を含め動労、鉄労、全施労など主要組合の委員長を国鉄総裁室まで呼び入れて、「労使共同宣言にお前、ハンコつけ」って迫ったわけです。 森 労使共同宣言は、「これからはもうストやりません」という内容だったわけで、国労には呑めないですよね。 牧 葛西氏がうまかったのは、国労にも分裂する要素があったんです。いくつかの派閥に分かれていて、労使共同宣言に調印すべき、という穏健派もあった。しかし、共産党系や、社会党系のなかでも向坂派と呼ばれる強硬派は反対だった。 森 そういう背景をわかっていたからこそ、「ハンコをつけ」と無理やり迫ったら、国労が分裂することも読めていたんですね。当時、葛西氏は40そこそこだったことを考えると、相当の策謀家だと認めざるをえない。 牧 策謀は過激派の専売特許ですから、葛西にいいように利用され操られた挙げ句、裏切られたとなっては、松崎としても革マル内での立場を失う。そこで、「葛西はとんでもない変節漢で人間のクズのような男である」と言いふらし、嫌がらせを始めたというわけです。 森 井手さんは松崎を最初から最後まで信用していなくて、葛西はおそらく、一度は本気で手を組んだけど、手に負えなくて裏切った。これまでの話を総合するとそういうことになりますが、では、JR東日本(元会長・社長)の松田昌士さんはどうだったのでしょう。 牧 かつて週刊文春が「JR東日本に巣食う革マル」というキャンペーンをやってキオスクから排除されたり、その後もジャーナリストの西岡研介氏が『マングローブ テロリストに乗っ取られたJR東日本の真実』という本を出版し、革マルにいちばんやられたのはJR東日本、というイメージが一般的にはあります。しかし私は、改革三人組の中で松田氏こそが、松崎と本当に人間として付き合い、最後まで一定の信頼関係を築いていた人だったと思うのです。 森 ほう、それは非常に興味深い。松田さんと松崎の関係については、巷間伝えられるほど単純ではない気がしてなりません。古手のJR東日本元役員たちに取材すると、「松崎に抱き込まれたというのは東海の葛西が意図的に流しているだけだ」と口をそろえて言いました。そこは不明な点が今も多い。 牧 松田さんの話に入る前に、まずはJR東日本初代社長の住田正二氏の話をしなければなりません。) 国鉄改革を進めた中曽根康弘に非常に近く、旧運輸省の元事務次官として、JR東日本の初代社長に収まった住田氏ですね。 牧 そもそも住田氏が運輸次官として国鉄分割民営化にあそこまで協力したのは、国鉄官僚たちが嫌いだったからです。運輸省から国鉄が公共事業体として分かれた時に、優秀な官僚はみんな国鉄に行ったと言われた。そこで運輸省に残された住田氏には、国鉄官僚に対する強烈なコンプレックスがあったんです。 森 なるほど、それもあって、中曽根は住田氏を分割民営化に利用したわけですね。そしてJR東の初代社長となった住田氏は、まんまと松崎に籠絡されてしまう。最初に松崎と関係を築いたのは松田ではなく住田だったわけですね。 牧 そうです。松崎は組合大会に住田氏を呼ぶんです。そうして、これからの労使関係はどうあるべきかということを、松崎がぶつわけです。労使はある意味対等だ、「ニアリーイコールだ」とね。 森 対決ではなくニアリーイコールだ、というのは、労使関係を曖昧にする松崎のうまい戦略です。 牧 組合員の前で、「それでよろしいですね、住田さん」とまず先にやられて、住田氏は「その通りだ」と言っちゃって、後戻りができなくなるわけです・・・「運輸省から国鉄が公共事業体として分かれた時に、優秀な官僚はみんな国鉄に行ったと言われた。そこで運輸省に残された住田氏には、国鉄官僚に対する強烈なコンプレックスがあったんです・・・JR東の初代社長となった住田氏は、まんまと松崎に籠絡されてしまう。最初に松崎と関係を築いたのは松田ではなく住田だったわけですね・・・松崎は組合大会に住田氏を呼ぶんです。そうして、これからの労使関係はどうあるべきかということを、松崎がぶつわけです。労使はある意味対等だ、「ニアリーイコールだ」とね。 森 対決ではなくニアリーイコールだ、というのは、労使関係を曖昧にする松崎のうまい戦略です。 牧 組合員の前で、「それでよろしいですね、住田さん」とまず先にやられて、住田氏は「その通りだ」と言っちゃって、後戻りができなくなるわけです」、住田氏の戦術は実に巧みだ。

次に、昨年2月6日付け現代ビジネスが掲載したジャーナリストの森 功氏による「東海道新幹線があるのに、本当にリニアが必要なのか? JR東海の天皇・葛西敬之なき今だからこそすべき議論【牧久×森功対談】」を紹介しよう。
https://gendai.media/articles/-/105637?imp=0
・『「国商」という耳慣れない言葉がいま話題になっている。ジャーナリスト森功氏の最新刊『国商 最後のフィクサー葛西敬之』に由来する言葉だ。 日本有数とはいえ、一企業のトップにすぎない葛西氏がなぜ、フィクサーとして長きにわたり安倍政権を裏で操ることができたのか。『国商』はその理由を膨大な取材とともに精緻に描き出している。同書にも出てくるが、葛西氏がJR内で大きな力を持てた源泉は、「国鉄分割民営化」を先頭に立って進めたことにある。「国鉄改革三人組」と呼ばれた男たちがいる。葛西氏、JR東日本元会長・社長の松田昌士氏、JR西日本元会長・社長の井手正敬氏の三人だ。 「国鉄改革」は、当時組合の第二勢力だった「動労」の協力なくしては果たせなかった。動労とはすなわち革マル勢力であり、そのトップが松崎明だった。 松崎と改革三人組の関係は、これまでも様々に論じられてきた。だが、本当のところはいまひとつよくわからない。 今回、森氏と、『暴君 新左翼・松崎明に支配されたJR秘史』著者の牧久氏が、松崎と三人組の「本当の関係」についてとことん語り合う。 『国商 最後のフィクサー葛西敬之』連載第13回(4)・・・』、「最新刊『国商 最後のフィクサー葛西敬之』に由来する言葉だ。 日本有数とはいえ、一企業のトップにすぎない葛西氏がなぜ、フィクサーとして長きにわたり安倍政権を裏で操ることができたのか。『国商』はその理由を膨大な取材とともに精緻に描き出している・・・葛西氏がJR内で大きな力を持てた源泉は、「国鉄分割民営化」を先頭に立って進めたことにある。「国鉄改革三人組」と呼ばれた男たちがいる。葛西氏、JR東日本元会長・社長の松田昌士氏、JR西日本元会長・社長の井手正敬氏の三人だ」、なるほど。
・『松田昌士が死の間際に残した証言  牧 話が少し逸れましたが、それで肝心の、松田さんの話です。僕が『暴君 新左翼・松崎明に支配されたJR秘史』を書いていたとき、松田さんはもうかなり身体を悪くしていました。だから、これが最後の取材になるかも、という思いでハッキリと聞いたんです。 「結局、松崎とあなたの関係は、いつからどうだったんですか。みんな、あなたが脅されていたと言うけれど、本当のところはどうだったんですか」と。 森 ほう、それに松田さんは答えたのでしょうか。 牧 彼は、鉄労の志摩委員長を裏切ったあとに、松崎明と二人きりで酒を酌み交わした、と明かしてから、こんな話をしました。 「松崎に革マル疑惑を単刀直入に問い質したら、『自分は今でも革マル派である』と率直に告白をした。そのうえで、『あなたは住田のあと社長になるんだ。社長になった時に、我々(革マル)はあなたに迷惑は一切かけない。ストもやらない。あなたに協力する。だからあなたも我々の言うことを聞いてくれ』と言うから、お互いに協力し合おうということで手を結んだんだ。 だから、俺が社長のときに、彼らが俺に大きな迷惑をかけるような大闘争をやったこともないし、俺が聞いてくれって言ったら聞いてくれるところもたくさんあった。だから、俺はそれから松崎を信用して、手を結んだんだ。松崎が死んだときには、俺は花束を持ってたった一人で松崎の墓参りに行ってきたんだ」)森 それはすごい証言です。牧さんの本にも、そこまでは書いてませんでしたね。 牧 あのときは松田さんは存命だったからここまで詳しくは書けなかったけれども、松崎を人間として信頼していたという肝になる部分を文章にして、松田さんに持って行って、確認までしているんです。「松田さん、こう書きますけどよろしいですか」って。そうすると松田さんは「この通りだ。これはこの通りだから。俺はあそこでお互いに信用して、手を結んだんだ」と。 森 死の間際にそこまで言うのなら、真実味があります。 牧 改革三人組の、松崎に対するスタンスの違いを見てもわかるように、葛西氏は「謀略家」の側面があり、権力欲が非常に強く、森さんの「国商」という表現はとても的を射ていると思う。彼がこれまでやってきたことは礼讃されるばかりではなく、きちんと検証されなければなりません。 森 そうですね、本人も『未完の国鉄改革』という本を書いていますが、国鉄分割民営化はあくまで「組合潰し」を目的にやったことで、経営を突き詰めて考えてやったわけじゃない。その歪が、JR本州3社以外の経営の逼迫に如実に表れています。 牧 もう一つの問題が、リニア(中央新幹線)です。葛西氏がいなくなった今、リニア本当にやるんですかって話にまでいくんじゃないかと思ってますけどね。 森 そうですね、これから人口も減って、リモートワークも当たり前になる中で、東海道新幹線のほかにリニアが必要ですか、という声が上がるのは当然です。葛西さんはリニアのような国家プロジェクトは俺がやらなければ他にできない、とまで言ってきた自信家でした。 その葛西氏が「国商」として最後に見ていた夢が、リニアでした。彼が天皇として君臨していた間にはできなかった本質的な議論を、いまこそすべきでしょうし、今年はリニアの検証元年になる気がします。 連載第1回【安倍晋三を裏で操った「最後のフィクサー」JR東海・葛西敬之の知られざる正体…安倍が「国士」と称えた男が最期に抱えていた“爆弾”】から読む 発売即重版の問題作! 『国商 最後のフィクサー葛西敬之』 講談社より絶賛発売中! 国鉄分割民営化で革マルと手を組み、右派・日本会議の黒幕として安倍晋三を裏で操ったJR東海「総帥」の実像…巨大広告主ゆえに週刊誌ですら触れられなかった「タブー」が開く――。購入はこちら  『暴君 新左翼・松崎明に支配されたJR秘史』 小学館より発売中!   国鉄民営化に「コペルニクス的転換」といわれる方針転換により全面的に協力し、JR発足後は組合にシンパを浸透させて巨大な影響力を持った男・松崎明の評伝 。購入はこちら』、「牧 彼(松田)は、鉄労の志摩委員長を裏切ったあとに、松崎明と二人きりで酒を酌み交わした、と明かしてから、こんな話をしました。 「松崎に革マル疑惑を単刀直入に問い質したら、『自分は今でも革マル派である』と率直に告白をした。そのうえで、『あなたは住田のあと社長になるんだ。社長になった時に、我々(革マル)はあなたに迷惑は一切かけない。ストもやらない。あなたに協力する。だからあなたも我々の言うことを聞いてくれ』と言うから、お互いに協力し合おうということで手を結んだんだ。 だから、俺が社長のときに、彼らが俺に大きな迷惑をかけるような大闘争をやったこともないし、俺が聞いてくれって言ったら聞いてくれるところもたくさんあった。だから、俺はそれから松崎を信用して、手を結んだんだ。松崎が死んだときには、俺は花束を持ってたった一人で松崎の墓参りに行ってきたんだ」」、「松田」と「松崎」の結び付きは本当に強かったようだ。「もう一つの問題が、リニア(中央新幹線)です。葛西氏がいなくなった今、リニア本当にやるんですかって話にまでいくんじゃないかと思ってますけどね。 森 そうですね、これから人口も減って、リモートワークも当たり前になる中で、東海道新幹線のほかにリニアが必要ですか、という声が上がるのは当然です。葛西さんはリニアのような国家プロジェクトは俺がやらなければ他にできない、とまで言ってきた自信家でした。 その葛西氏が「国商」として最後に見ていた夢が、リニアでした。彼が天皇として君臨していた間にはできなかった本質的な議論を、いまこそすべきでしょうし、今年はリニアの検証元年になる気がします」、これでは「リニア」に強く反対してきた鈴岡県の川勝知事も辞任し、後任知事は容認姿勢だ。

第三に、本年9月20日付け東洋経済オンライン「JR貨物、不正を起こした「不適切な風土」の深層 データ不正が「現場の知恵」と化していた可能性」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/828517
・『輪軸データの不正問題は、東京メトロ(東京地下鉄)や京王電鉄でも発覚するなど鉄道業界全体へと飛び火した。国土交通省は全鉄道事業者に対して緊急点検を指示、9月30日までに結果の報告を求めている。さらなる広がりを見せそうなこの問題の端緒となったのがJR貨物だった。 「コンプライアンスへの意識、教育が不十分だった。社員がコスト削減のために今回の行為に至ったとすれば、それを是正する教育をしっかり進めなければならない」 9月11日にJR貨物が開いた会見。犬飼新社長は深々と頭を下げた。 機関車や貨車の車輪や歯車を車軸にはめ込む際、圧入力値が基準の上限値を超えていたにもかかわらず、データを書き換えるなどして検査記録を作成していた。基準値の上限値超えは最大10%だった。 不正行為には広島、川崎、北海道の3つの車両所で計11人が関与し、機関車4両、貨車627両で検査データに問題があることがわかった。不正は2014年頃から行われていたという』、最近の報道では、問題はJR貨物から、JR全般、さらには「東京メトロ(東京地下鉄)や京王電鉄でも発覚するなど鉄道業界全体へと飛び火」。
・『7月の脱線事故を機に表面化  問題発覚のきっかけは、今年7月に起きた山陽線新山口駅での脱線事故だ。事故をめぐる社内調査で広島車両所の社員がデータ改ざんを告白した。 車輪や歯車を無理に押し込むと、車軸に「かじり」と言われる傷ができ、それが広がって車軸が折れてしまう危険があるという。7月の脱線事故では機関車の車軸が折れていた。折損との因果関係はまだ不明だが、当該車両ではデータの改ざんが行われていた。 9月10日に問題を発表した後、同日深夜になって未確認データがあったことが判明。確認作業のため11日午前中から全国で運行していた248本すべての列車を順次停止させた。この影響で、物流網は大混乱となった。) 宅配便各社は代替トラックの手配に追われ、ヤマト運輸は成田空港から北九州に臨時の貨物便を出した。それでも荷物の到着が遅れ、引っ越しの日程に影響が出た。北海道からの農産物も道内各地でトラックへの積み替えを余儀なくされ、フェリーで本州に向かうことになった。 「天候不順でしょっちゅう貨物列車は止まる。今回も粛々と代替輸送に切り替えて影響はほとんどなかった」。あるメーカーの担当者は皮肉交じりにそう話したが、利用者からは不満の声が噴出している。 代替輸送の手配に追われた運送事業者は「発生した費用は今後JR貨物と協議する」と憤る。貨物鉄道を利用しているというメーカーの担当者は、「安定輸送はメーカーにとっていちばん大事。JR貨物にはこうしたことが二度と起きないよう早急に対策を講じてほしい」と注文をつける』、「代替輸送の手配に追われた運送事業者は「発生した費用は今後JR貨物と協議する」と憤る。貨物鉄道を利用しているというメーカーの担当者は、「安定輸送はメーカーにとっていちばん大事。JR貨物にはこうしたことが二度と起きないよう早急に対策を講じてほしい」と注文をつける」、なるほど。
・『3つの車両所での「不正」  先述したように問題が起きていたのは3つの車両所だ。ただそれぞれで「不正」の実態が異なる。 検査記録がデジタル化されていた広島車両所では、基準値内の圧入力値を入力しなければシステム上、検査表が作成できなかった。そのため、過去の正常値を入力し、データを改ざんしていた。 川崎車両所では上限値を超えた際、機械的に上限値を入力していた。北海道の輪西車両所に至っては、上限値を超えた波形データを無邪気にそのまま検査表に添付していた。 車両所の助役や主任もこうしたデータを目にしていたが、「不正」は黙殺されていた。それも無理はない。圧入力値の上限を超えた際の扱いをどうするか、社内にルールがなかったのだ。作業員らには不正を働いている認識すらなかった可能性が高い。 車軸は、それを通す車輪の穴よりわずかに太くつくられている。圧力をかけて車輪を車軸に通すことで車輪が固定される仕組みだ。 「不正」に関与した社員は、圧入力値の下限を下回ると固定に不具合が起きると認識していた一方、「上限を少し超えても問題はないと思っていた」などと話しているという。こうした認識はJR貨物特有のものではなかった。) 国交省が全鉄道事業者に車輪の緊急点検を指示した後、早速、JR北海道の旭川運転所所属の普通列車2両で圧入力値の「目安」超えのデータが見つかった。 JR東海でも在来線の11の車軸で最大圧入力値を超えていた。JR貨物と同様、超過した際の扱いについてルールがなかったことが目安超過の原因だった。 これらの2社は、圧入力値の波形データや「締め代」(車軸の太さと車輪の穴の寸法差。車輪の穴より車軸がわずかに太い)を管理しており、安全は確保されているとする。 波形データがなだらかであれば「かじり」のような傷は生じていないと判断され、締め代が管理されていれば「車輪はしっかり固定されている」ことになるのだという』、「圧入力値の上限を超えた際の扱いをどうするか、社内にルールがなかったのだ。作業員らには不正を働いている認識すらなかった可能性が高い」、「社内にルールがなかった」とは驚くべきことだ。
・『「超過」への意識は希薄  ただ、国交省は2社に対して「なぜ、締め代の管理ができていることなどで安全が確保されると言えるのか、さらに詳細を報告するよう求めている」(鉄道局技術企画課)。 JR貨物も「締め代」の管理は行っていた。同社は「締め代の管理だけで安全が確保できているとは考えていない」(広報部)とする。しかし、「車輪がきっちり締まって取り付けられてさえいれば問題ない」という認識が現場で共通していたようだ。 圧入力値の「超過」の危険性はあまり意識されていなかったことがうかがえる。 JR貨物において「不正」はむしろ「現場の知恵」であり、ゆがんだ技術継承が行われていたのではないか。こうした運用に疑問をもった社員はいなかったのか。また、疑問をもった社員が声をあげることができていたか。こうした点は今後の原因究明の中で重要なポイントになるだろう。) 犬飼社長は会見翌日の9月12日、社員向けに文書を発出した。その中で、「今回の不正行為は、これまでの不適切な風土が顕在化したコンプライアンス違反であり、貨物鉄道事業者への信頼を揺るがす事態となっている」と断罪している。 しかし、現場の問題以上に経営の責任は重い。看過できないのは、不正に関与した作業員が「作業工程(が遅れること)を気にしていた」「部品が廃棄になることを恐れていた」などと社内調査に答えていることだ。 直近3期は最終赤字が続いているJR貨物では、「トライ・コスト削減運動」を打ち出し、犬飼社長が現場を巡回して徹底的なコスト削減を説いている。コスト削減の「ターゲット費用科目」には車両修繕費などもあげられ、本社の現業部門には「トライ・コスト削減担当」も置かれている』、「看過できないのは、不正に関与した作業員が「作業工程(が遅れること)を気にしていた」「部品が廃棄になることを恐れていた」などと社内調査に答えていることだ。 直近3期は最終赤字が続いているJR貨物では、「トライ・コスト削減運動」を打ち出し、犬飼社長が現場を巡回して徹底的なコスト削減を説いている。コスト削減の「ターゲット費用科目」には車両修繕費などもあげられ、本社の現業部門には「トライ・コスト削減担当」も置かれている」、これは確かに深刻な問題だ。
・『企業風土を改められるか  行き過ぎたコスト削減はなかったか。会見でそう問われた犬飼社長は、「無理なコスト削減は決してやっておらず、安全への投資は計画的に進めている」と答えた。 そのうえで経営責任について「社長として重い責任を感じている。原因究明や対策を早急に進めることに注力したい」と述べた。 今回の不正発覚でコスト削減のあり方は見直しが必要になるだろう。そしてコスト削減以前に、社員が疑問に思ったことを気軽に声に出せる企業風土づくりが急務だ。犬飼社長の言う「不適切な風土」は経営のあり方によって醸成されたものであり、それを改めるのも経営者の責任となる』、「コスト削減以前に、社員が疑問に思ったことを気軽に声に出せる企業風土づくりが急務だ。犬飼社長の言う「不適切な風土」は経営のあり方によって醸成されたものであり、それを改めるのも経営者の責任となる」、その通りだ。
タグ:森 そうですね、これから人口も減って、リモートワークも当たり前になる中で、東海道新幹線のほかにリニアが必要ですか、という声が上がるのは当然です。葛西さんはリニアのような国家プロジェクトは俺がやらなければ他にできない、とまで言ってきた自信家でした。 その葛西氏が「国商」として最後に見ていた夢が、リニアでした。彼が天皇として君臨していた間にはできなかった本質的な議論を、いまこそすべきでしょうし、今年はリニアの検証元年になる気がします」、これでは「リニア」に強く反対してきた鈴岡県の川勝知事も辞任し、後任知事は容 だから、俺が社長のときに、彼らが俺に大きな迷惑をかけるような大闘争をやったこともないし、俺が聞いてくれって言ったら聞いてくれるところもたくさんあった。だから、俺はそれから松崎を信用して、手を結んだんだ。松崎が死んだときには、俺は花束を持ってたった一人で松崎の墓参りに行ってきたんだ」」、「松田」と「松崎」の結び付きは本当に強かったようだ。「もう一つの問題が、リニア(中央新幹線)です。葛西氏がいなくなった今、リニア本当にやるんですかって話にまでいくんじゃないかと思ってますけどね。 「牧 彼(松田)は、鉄労の志摩委員長を裏切ったあとに、松崎明と二人きりで酒を酌み交わした、と明かしてから、こんな話をしました。 「松崎に革マル疑惑を単刀直入に問い質したら、『自分は今でも革マル派である』と率直に告白をした。そのうえで、『あなたは住田のあと社長になるんだ。社長になった時に、我々(革マル)はあなたに迷惑は一切かけない。ストもやらない。あなたに協力する。だからあなたも我々の言うことを聞いてくれ』と言うから、お互いに協力し合おうということで手を結んだんだ。 国鉄民営化に「コペルニクス的転換」といわれる方針転換により全面的に協力し、JR発足後は組合にシンパを浸透させて巨大な影響力を持った男・松崎明の評伝 。購入はこちら 元年になる気がします。 連載第1回【安倍晋三を裏で操った「最後のフィクサー」JR東海・葛西敬之の知られざる正体…安倍が「国士」と称えた男が最期に抱えていた“爆弾”】から読む 発売即重版の問題作! 『国商 最後のフィクサー葛西敬之』 講談社より絶賛発売中! 国鉄分割民営化で革マルと手を組み、右派・日本会議の黒幕として安倍晋三を裏で操ったJR東海「総帥」の実像…巨大広告主ゆえに週刊誌ですら触れられなかった「タブー」が開く――。購入はこちら  『暴君 新左翼・松崎明に支配されたJR秘史』 小学館より発売中! 葛西氏がいなくなった今、リニア本当にやるんですかって話にまでいくんじゃないかと思ってますけどね。 森 そうですね、これから人口も減って、リモートワークも当たり前になる中で、東海道新幹線のほかにリニアが必要ですか、という声が上がるのは当然です。葛西さんはリニアのような国家プロジェクトは俺がやらなければ他にできない、とまで言ってきた自信家でした。 その葛西氏が「国商」として最後に見ていた夢が、リニアでした。彼が天皇として君臨していた間にはできなかった本質的な議論を、いまこそすべきでしょうし、今年はリニアの検証 森 功氏による「「とんでもない変節漢で人間のクズ」…JR東海・葛西敬之が、ここまで「誹謗中傷」された理由【牧久×森功対談】」 現代ビジネス 「結局、松崎とあなたの関係は、いつからどうだったんですか。みんな、あなたが脅されていたと言うけれど、本当のところはどうだったんですか」と。 森 ほう、それに松田さんは答えたのでしょうか。 牧 彼は、鉄労の志摩委員長を裏切ったあとに、松崎明と二人きりで酒を酌み交わした、と明かしてから、こんな話をしました。 「松崎に革マル疑惑を単刀直入に問い質したら、『自分は今でも革マル派である』と率直に告白をした。そのうえで、『あなたは住田のあと社長になるんだ。社長になった時に、我々(革マル)はあなたに迷惑は一切かけない。 「国鉄改革三人組」と呼ばれた男たちがいる。葛西氏、JR東日本元会長・社長の松田昌士氏、JR西日本元会長・社長の井手正敬氏の三人だ」、なるほど。 ・『松田昌士が死の間際に残した証言  牧 話が少し逸れましたが、それで肝心の、松田さんの話です。僕が『暴君 新左翼・松崎明に支配されたJR秘史』を書いていたとき、松田さんはもうかなり身体を悪くしていました。だから、これが最後の取材になるかも、という思いでハッキリと聞いたんです。 「最新刊『国商 最後のフィクサー葛西敬之』に由来する言葉だ。 日本有数とはいえ、一企業のトップにすぎない葛西氏がなぜ、フィクサーとして長きにわたり安倍政権を裏で操ることができたのか。『国商』はその理由を膨大な取材とともに精緻に描き出している・・・葛西氏がJR内で大きな力を持てた源泉は、「国鉄分割民営化」を先頭に立って進めたことにある。 森 功氏による「東海道新幹線があるのに、本当にリニアが必要なのか? JR東海の天皇・葛西敬之なき今だからこそすべき議論【牧久×森功対談】」 松崎は組合大会に住田氏を呼ぶんです。そうして、これからの労使関係はどうあるべきかということを、松崎がぶつわけです。労使はある意味対等だ、「ニアリーイコールだ」とね。 森 対決ではなくニアリーイコールだ、というのは、労使関係を曖昧にする松崎のうまい戦略です。 牧 組合員の前で、「それでよろしいですね、住田さん」とまず先にやられて、住田氏は「その通りだ」と言っちゃって、後戻りができなくなるわけです」、住田氏の戦術は実に巧みだ。 牧 組合員の前で、「それでよろしいですね、住田さん」とまず先にやられて、住田氏は「その通りだ」と言っちゃって、後戻りができなくなるわけです・・・「運輸省から国鉄が公共事業体として分かれた時に、優秀な官僚はみんな国鉄に行ったと言われた。そこで運輸省に残された住田氏には、国鉄官僚に対する強烈なコンプレックスがあったんです・・・JR東の初代社長となった住田氏は、まんまと松崎に籠絡されてしまう。最初に松崎と関係を築いたのは松田ではなく住田だったわけですね・・・ 森 松崎は「膨大な余剰人員の雇用をどう確保するのか。まず労使の決意を示し、世間にお願いするほかない。雇用確保のためなら、蛇といわれ仏といわれようが、この姿勢は貫く」と声明を出し、労使共同宣言に調印します」、労組としてライバルの「国労」に「対する意地悪な動きを全部やるわけです。国労が分裂するように持っていくんだね。その総仕上げとも言えるのが、労使共同宣言です」、なるほど。 「最大労組の国労を潰すためには、それ以外の労組と手を組まなければならない。そこで、国労に対する意地悪な動きを全部やるわけです。国労が分裂するように持っていくんだね。その総仕上げとも言えるのが、労使共同宣言です。 く、森さんの「国商」という表現はとても的を射ていると思う。彼がこれまでやってきたことは礼讃されるばかりではなく、きちんと検証されなければなりません。 森 そうですね、本人も『未完の国鉄改革』という本を書いていますが、国鉄分割民営化はあくまで「組合潰し」を目的にやったことで、経営を突き詰めて考えてやったわけじゃない。その歪が、JR本州3社以外の経営の逼迫に如実に表れています。 牧 もう一つの問題が、リニア(中央新幹線)です。 牧 あのときは松田さんは存命だったからここまで詳しくは書けなかったけれども、松崎を人間として信頼していたという肝になる部分を文章にして、松田さんに持って行って、確認までしているんです。「松田さん、こう書きますけどよろしいですか」って。そうすると松田さんは「この通りだ。これはこの通りだから。俺はあそこでお互いに信用して、手を結んだんだ」と。 森 死の間際にそこまで言うのなら、真実味があります。 牧 改革三人組の、松崎に対するスタンスの違いを見てもわかるように、葛西氏は「謀略家」の側面があり、権力欲が非常に強 ストもやらない。あなたに協力する。だからあなたも我々の言うことを聞いてくれ』と言うから、お互いに協力し合おうということで手を結んだんだ。 だから、俺が社長のときに、彼らが俺に大きな迷惑をかけるような大闘争をやったこともないし、俺が聞いてくれって言ったら聞いてくれるところもたくさんあった。だから、俺はそれから松崎を信用して、手を結んだんだ。松崎が死んだときには、俺は花束を持ってたった一人で松崎の墓参りに行ってきたんだ」)森 それはすごい証言です。牧さんの本にも、そこまでは書いてませんでしたね。 「コスト削減以前に、社員が疑問に思ったことを気軽に声に出せる企業風土づくりが急務だ。犬飼社長の言う「不適切な風土」は経営のあり方によって醸成されたものであり、それを改めるのも経営者の責任となる」、その通りだ。 「看過できないのは、不正に関与した作業員が「作業工程(が遅れること)を気にしていた」「部品が廃棄になることを恐れていた」などと社内調査に答えていることだ。 直近3期は最終赤字が続いているJR貨物では、「トライ・コスト削減運動」を打ち出し、犬飼社長が現場を巡回して徹底的なコスト削減を説いている。コスト削減の「ターゲット費用科目」には車両修繕費などもあげられ、本社の現業部門には「トライ・コスト削減担当」も置かれている」、これは確かに深刻な問題だ。 「圧入力値の上限を超えた際の扱いをどうするか、社内にルールがなかったのだ。作業員らには不正を働いている認識すらなかった可能性が高い」、「社内にルールがなかった」とは驚くべきことだ。 「代替輸送の手配に追われた運送事業者は「発生した費用は今後JR貨物と協議する」と憤る。貨物鉄道を利用しているというメーカーの担当者は、「安定輸送はメーカーにとっていちばん大事。JR貨物にはこうしたことが二度と起きないよう早急に対策を講じてほしい」と注文をつける」、なるほど。 最近の報道では、問題はJR貨物から、JR全般、さらには「東京メトロ(東京地下鉄)や京王電鉄でも発覚するなど鉄道業界全体へと飛び火」。 東洋経済オンライン「JR貨物、不正を起こした「不適切な風土」の深層 データ不正が「現場の知恵」と化していた可能性」 認姿勢だ。 JR一般 (その2)(「とんでもない変節漢で人間のクズ」…JR東海・葛西敬之が、ここまで「誹謗中傷」された理由、東海道新幹線があるのに、本当にリニアが必要なのか? JR東海の天皇・葛西敬之なき今だからこそすべき議論、JR貨物 不正を起こした「不適切な風土」の深層 データ不正が「現場の知恵」と化していた可能性)
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