建築(その1)(隈研吾の建築が「青カビと腐食でボロボロ」「建築家の仕事とは思えない」…!地元住民も首をかしげる名建築家の「致命的なトラブル」、木の匠?アホらしい「隈研吾さんは業界でクマちゃんとバカにされていますよ」…専門家が明かす 世界的建築家・隈研吾の「虚像」、ゼネコン界に舞い降りた天使「奥村くみ」誕生秘話 奥村組社長は「建設バカ」シリーズを推していた) [生活]
今日は、建築(その1)(隈研吾の建築が「青カビと腐食でボロボロ」「建築家の仕事とは思えない」…!地元住民も首をかしげる名建築家の「致命的なトラブル」、木の匠?アホらしい「隈研吾さんは業界でクマちゃんとバカにされていますよ」…専門家が明かす 世界的建築家・隈研吾の「虚像」、ゼネコン界に舞い降りた天使「奥村くみ」誕生秘話 奥村組社長は「建設バカ」シリーズを推していた)を取上げよう。
先ずは、本年9月30日付け現代ビジネス「隈研吾の建築が「青カビと腐食でボロボロ」「建築家の仕事とは思えない」…!地元住民も首をかしげる名建築家の「致命的なトラブル」」を紹介しよう。
https://gendai.media/articles/-/137881?imp=0
・『建築家・隈研吾は数々の名声を轟かせる一方で、その仕事に実害を受けた人や眉をひそめる専門家は多い。那須の美術館で起きたトラブルを機に、全国各地で問題が火を噴きそうな事態となっている』、初めて知ったが、大変そうだ。
・『青カビが生えてボロボロ その建物は、年季の入った牛舎かと見間違うほどだった。屋根の一部は朽ち果て、青カビも生えている。とても、世界的建築家が手がけた建物とは思えない――。 栃木県那須郡にある那珂川町馬頭広重美術館は、主に江戸時代の浮世絵師・歌川広重の作品などを展示した美術館である。'00年にオープンした当時は、細い角材が簾のごとく大量に使われた建物の庇が好評を博し、公共建築賞特別賞や日本建築学会作品選奨など数々の名誉ある賞に輝いている。 この馬頭広重美術館を設計したのは隈研吾氏(70歳)。高いデザイン性と木材などの自然素材を使う「環境に溶け込む建築」を得意とし、新国立競技場や角川武蔵野ミュージアム、高輪ゲートウェイ駅などが代表作として知られている。いまでは世界中からオファーが殺到する建築家だ。 そんな大御所の手がけた美術館が、開館から24年が経過してボロボロになっていると大きな話題を呼んでいる。特に、美術館をすっぽりと覆う庇だ。細い木材には地元産の八溝杉が使われたこともあり名物となっていたが、経年劣化が著しい。 近づいて観察すると、腐食が進んで、木材が折れて崩れているものもある。屋根の装飾に使われた部分は、青カビが生えて、表面が黒ずんでいる』、「術館をすっぽりと覆う庇だ。細い木材には地元産の八溝杉が使われたこともあり名物となっていたが、経年劣化が著しい。 近づいて観察すると、腐食が進んで、木材が折れて崩れているものもある。屋根の装飾に使われた部分は、青カビが生えて、表面が黒ずんでいる」、見るも無残な姿だ。
・『「海の家」のような代物 この惨状をどうにかするべく、町は来年の開館25周年に合わせて大規模改修を行うことを決定する。ところが—その費用になんと3億円もかかることが判明した。地元住民はこう憤る。 「5年前から見るに堪えないほどボロボロになり、いまや地元の人は寄りつきません。ここまでの状態にならないように綿密に設計し、自治体にメンテナンスを周知徹底させるのも建築家の仕事ではないのですか。こんな田舎町が3億円なんてカネを出すのは難しいと思います。そもそも私たちの税金のムダ遣いですよ!」 なぜ、開館から25年近く経って、このような事態に陥ってしまったのか。建築エコノミストの森山高至氏は、隈氏の設計についてこう断罪する。 「直接雨風にさらされるところにスギを使っている点が問題です。本来であれば油分の多く雨に強い木材を使うべきですが、おそらくコストが高いので安い木材を並べたのでしょう。 小規模な商業施設であれば、こうしたデザインはまだ理解できますが、美術館という大型の公共案件ではありえません。『海の家』をつくるような感覚で仕事をしているのではないでしょうか」 後編記事『木の匠?アホらしい…「隈研吾さんは業界でクマちゃんとバカにされていますよ」専門家が明かす、世界的建築家・隈研吾の「虚像」』へ続く』、「「直接雨風にさらされるところにスギを使っている点が問題です。本来であれば油分の多く雨に強い木材を使うべきですが、おそらくコストが高いので安い木材を並べたのでしょう。 小規模な商業施設であれば、こうしたデザインはまだ理解できますが、美術館という大型の公共案件ではありえません」』、「隈研吾ともあろう建築家がどうしたのだろう。
次に、9月30日付け現代ビジネス「木の匠?アホらしい「隈研吾さんは業界でクマちゃんとバカにされていますよ」…専門家が明かす、世界的建築家・隈研吾の「虚像」」を紹介しよう。
https://gendai.media/articles/-/137883?imp=0
・『建築家・隈研吾は数々の名声を轟かせる一方で、その仕事に実害を受けた人や眉をひそめる専門家は多い。那須の美術館で起きたトラブルを機に、全国各地で問題が火を噴きそうな事態となっている。それに対し、隈氏本人はどう弁明するのか。 前編記事『隈研吾の建築が「青カビと腐食でボロボロ」「建築家の仕事とは思えない」…!地元住民も首をかしげる名建築家の「致命的なトラブル」』より続く』、興味深そうだ。
・『隈研吾氏の回答は…… こうした専門家の指摘や馬頭広重美術館で起きている問題に、隈氏本人はどう考えているのか。本誌が質問すると、書面でこう回答した。 「欧米においても、木材の利用でメンテナンスの費用はアップするが、木材にはそれ以上の環境的、経済的効果があるとして、さらに木材振興が進んでいます。(編集部注‥開館から)20年経過した時点から、劣化にどう対応できるかを町と議論していましたが、取り換えの方針を確定するのに時間がかかり、木材の一部で劣化が進んでしまいみなさんに御心配をかけてしまいました。(スギを外部に使用したことについて)地元の林業の振興という点を考えても杉材が最も適切だと考えました」 実は馬頭広重美術館は、隈氏にとっての出世作だ。隈建築の特徴である木製ルーバー(格子)が初めて高い評価を受けたのが、この美術館だった。 '64年、横浜の“ボロい家”に育った隈氏は、10歳で建築家・丹下健三の設計した建物に目を剥き建築家を志したという。'90年代は建築家の間でも評価が低かった隈氏だが、広重の描く雨の線が細く美しいことに着想を得て、屋根まですべて細い木材で美術館をつくったところ評判を呼んだ。この成功を機に「木の匠」として持て囃されていく。その後はほとんどの代表作に、馬頭広重美術館に見られるような木製ルーバーを施している』、「'90年代は建築家の間でも評価が低かった隈氏だが、広重の描く雨の線が細く美しいことに着想を得て、屋根まですべて細い木材で美術館をつくったところ評判を呼んだ。この成功を機に「木の匠」として持て囃されていく。その後はほとんどの代表作に、馬頭広重美術館に見られるような木製ルーバーを施している」、なるほど。
・『他の建物でもトラブルが…… ただ、建築関係者の間では、今回の騒動が起きる前から隈氏に対する疑念の声が出ていた。批判の的となったのが、その「木を使うデザイン」だ。実際、建築家で現代の棟梁の宇野友明氏は、こう疑問を投げかける。 「彼のやっていることは木造建築というよりも、木を表面に貼る『木のデコレーション』のような印象です。そのなかには木ですらなく、アルミに木目をプリントしたものもあります。『木の匠』と評されていることには疑問を抱いています。 また、木造建築は『手入れ』といって、維持管理を計画的に行う文化があります。クライアントに十分説明がなされていないのではないでしょうか。馬頭広重美術館の木の使い方は特に深刻な事態かと思いますが、今後も同じような問題は起きるでしょう。彼の影響力を考えると、今回の件で木造建築にネガティブな印象が広まったことは残念です」 すでに同様のトラブルは他でも噴出している。隈氏は、馬頭広重美術館の開館と同時期の'00年に那須歴史探訪館という建物も手がけている。こちらも大量の木材が施されたデザインだ。実際に本誌記者が訪れてみると、屋根に並べ敷かれた丸太にはカビが生え、部分的に朽ちていた。事務員はこう嘆く。 「落ちてくると危ないので、入り口の頭上にある丸太だけは昨年に取り替えました。ただ、他の丸太は残っていて、大雨が降ると雨漏りしてしまう。その影響で、石材の床にシミができています」』、「木造建築は『手入れ』といって、維持管理を計画的に行う文化があります。クライアントに十分説明がなされていないのではないでしょうか。馬頭広重美術館の木の使い方は特に深刻な事態かと思いますが、今後も同じような問題は起きるでしょう。彼の影響力を考えると、今回の件で木造建築にネガティブな印象が広まったことは残念です」、なるほど。
・『「クマちゃんシール」とは 隈氏が手がけた建築物は、国内だけでも200を超す。これほど彼に仕事が舞い込むようになった背景には、「デザイン性の高さ」とは別の要素があるという。自然素材を使った住宅を扱う工務店「オーガニックスタジオ新潟」の代表取締役社長・相模稔氏はこう語る。 「国が国産材料の使用を推進していて、公共施設には『地場産建材』の使用が求められています。こうした需要に応えたのが大きいでしょう。 それに、隈さんは仕事を決して断らないスタンスです。どんなに安い予算だろうが仕事を受ける。通常、建築家が個性を演出するには相当な時間や熱量が必要なので、大量の依頼は捌けません。そんな状況を打破するため、彼の編み出した策が木製ルーバー。これを建物に施すことで『隈建築』とわかるように目論んだものですが、一部では『クマちゃんシール』と揶揄されています。 隈さんの事務所は年間400件超の案件を約300人のスタッフでこなしていますが、基本的にクマちゃんシールを貼って目立つデザインにしているだけです」 さらに、隈氏が東大の内田祥哉研究室出身であるということも、彼の仕事に大きく作用していると相模氏は推測する。 「内田研は建築界の頂点と呼ばれるほど権威のある研究室。多くのゼネコンのトップが内田研の出身なので、コネや人脈がもともとあるわけです」 コネも駆使しつつ量産される作品で、将来的に人々に負担を強いるのは、世界的建築家のすることなのだろうか』、「「国が国産材料の使用を推進していて、公共施設には『地場産建材』の使用が求められています。こうした需要に応えたのが大きいでしょう。 それに、隈さんは仕事を決して断らないスタンスです。どんなに安い予算だろうが仕事を受ける。通常、建築家が個性を演出するには相当な時間や熱量が必要なので、大量の依頼は捌けません。そんな状況を打破するため、彼の編み出した策が木製ルーバー。これを建物に施すことで『隈建築』とわかるように目論んだものですが、一部では『クマちゃんシール』と揶揄されています」、『クマちゃんシール』とは言い得て妙だ。「隈氏が東大の内田祥哉研究室出身であるということも、彼の仕事に大きく作用していると相模氏は推測する。 「内田研は建築界の頂点と呼ばれるほど権威のある研究室。多くのゼネコンのトップが内田研の出身なので、コネや人脈がもともとあるわけです」 コネも駆使しつつ量産される作品で、将来的に人々に負担を強いるのは、世界的建築家のすることなのだろうか」、すっかり「隈」氏の化けの皮が剥がれたようだ。
第三に、10月5日付け東洋経済オンライン「ゼネコン界に舞い降りた天使「奥村くみ」誕生秘話 奥村組社長は「建設バカ」シリーズを推していた」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/830409
・『「7年前の最終プレゼンテーションで私が推す別のCM案が採用されていたら、今多くの方からご支持をいただいている『奥村くみ』は生まれていなかった」。中堅ゼネコン、奥村組(大阪市)の奥村太加典(たかのり)社長はそう振り返る。 奥村社長の言う奥村くみとは、2018年から放映しているテレビCM「建設LOVE!奥村くみ」シリーズのことだ。 人気俳優の森川葵さんが建築系の新入社員役を演じ、ドジを踏みながら成長していくストーリー。「本当に建設現場にいそう」――。複数のゼネコン関係者は、森川さんの熱演に親近感を抱いた。一般的にも好感され、本シリーズは若い人から年配者まで幅広い層の支持を得ている』、私は残念ながら「建設LOVE!奥村くみ」シリーズを観たことはないが、ネット検索したところ、https://www.youtube.com/watch?v=MV8jNfGKDQkで観ることができる。
・『「新3K+K」の採用は社長発 シリーズ7年目となる今年5月からは、「新3K+K」篇の放映を開始した。 大学のキャンパスを歩く1組の若い男女。「私、建設業界に入ろうかな」と話す女性の言葉に、新校舎の現場監督としてその近くにいた奥村くみは微笑む。 ところが、男性は「建設業って3K(きつい、汚い、危険)じゃん」とNGを出す。これを聞いた奥村くみは、ワープするかのような勢いで2人の間に割って入り、「適正な給与、十分な休暇、未来への希望。そしてカッコいい」と建設業界の「新3K+K」を力説し、ひとり満足げにうなずく。 この新シリーズで強調されている「新3K+K」は、ゼネコンの業界団体である日本建設業連合会が業界のイメージ向上を狙って2022年ごろから提唱している標語だ。そもそも新3Kは国土交通省が2015年に発表した「新3Kを実現するための直轄工事における取組」で用いられていた。 「建設業界をあげて標榜している新3K+Kを当社のCMに使わない手はない」と奥村社長。テレビCMを管轄する秘書広報部の井戸田高明氏は、「当初は違うテーマで企画を進めていたのだが、社長から突然メールが来て、今の内容(新3K+K)に変更した」と明かす。) 建設業界におけるマーケティング戦略において、奥村くみシリーズはエポックとなった。かつて、清水建設など幾多のゼネコンがCMを展開してきたが、俳優を用いたものはほとんど例がなかった。 最近では大成建設のようにアニメーションを採用した柔らかいイメージを意識したCMがあるが、基本的にはインフラ構築の大切さや会社の経営方針を打ち出した「実直」「重厚」な内容が多い。 これに対して、奥村くみシリーズは俳優を使ったストーリー仕立てで、しかも思わずクスッとしてしまう笑いの要素も含まれている。これまでの建設業界にはなかった「軽快」な内容に、「あのCMはいいね」と多くのゼネコン関係者が賞賛する』、「思わずクスッとしてしまう笑いの要素も含まれている」、さすが大阪企業だ。
・『奥村組の奥村太加典社長 建設業界は長い間、構造的な問題に悩まされてきた。とくに最近は、2~3年前に激しい競争をして獲得した工事が進捗し、資材高も加わって低採算に苦慮している会社が多い。技術者の高齢化の進行に加えて若手の流入が少なく、慢性的な人手不足問題も横たわる。施工不良を受け、組み上がっていた鉄骨を解体して建て直す事件が発生するなど品質問題も後を絶たない。 このように暗い雲に覆われていた業界に、さわやかな新風を呼び込んだ人物こそ、人気キャラクターとして定着した奥村くみだ。奥村組のCMの成功を見たほかの大手ゼネコンが続々と追随。西松建設や戸田建設、熊谷組といった大手ゼネコンも俳優を起用したテレビCMを開始した。 こういったCMの連打は、業界のイメージ改善に一役買っている。実際、足元では建設業に就職する新卒学生の数が増えており、とくに「建設女子」と言われる女性の技術者が増加している』、「こういったCMの連打は、業界のイメージ改善に一役買っている。実際、足元では建設業に就職する新卒学生の数が増えており、とくに「建設女子」と言われる女性の技術者が増加している」、なかなかいいことだ。
・『お蔵入りした案の「建設バカ」 建設業界全体に活気をもたらしたわけだが、奥村社長によると「まったく違う別のシリーズが展開されていた可能性があった」という。 奥村組は、2017年の初めごろに大阪国際女子マラソンに協賛することを決めた。マラソンのテレビ中継番組には協賛社CM枠が設けられていた。そのため「当社として初となるCMをつくらないといけない」(奥村社長)。 2017年の半ば、制作サイドとの複数回のディスカッションを経て、広告代理店が最終プレゼンの場で提案した企画案は2つあった。1つが森川さんを起用する奥村くみシリーズ。もう1つは、奥村組の社員を主人公とする「建設バカ」シリーズというものだった。) 同僚と居酒屋にいても彼女とデートしていても、建物のことが頭から離れない。周囲が「建設バカ」だと呆れられるほど建設が大好きなゼネコン社員。ときに周りが戸惑う行動をとってしまうことがある――。 これは結局お蔵入りすることになったが、経営陣にはむしろこちらが本命だった。奥村社長は吐露する。「私はむしろ、こちらの『建設バカ』シリーズを推していた。当社の社員に建設バカがいたら嬉しいと思った」。 10名ほどの社員が集まった最終プレゼンの場では、奥村社長はあえて先に自分の意見を言わずに、みんなの意見を募った。すると、若手や女性を中心に出席者の8割ほどが「奥村くみシリーズがいい」と推したのだった。 内心がっかりした奥村社長だが、若い人の意見・感性は重要と考え、「わかった、奥村くみシリーズでいこう」と決断した』、「10名ほどの社員が集まった最終プレゼンの場では、奥村社長はあえて先に自分の意見を言わずに、みんなの意見を募った。すると、若手や女性を中心に出席者の8割ほどが「奥村くみシリーズがいい」と推したのだった。 内心がっかりした奥村社長だが、若い人の意見・感性は重要と考え、「わかった、奥村くみシリーズでいこう」と決断した」、なるほど。
・『建設業の魅力をうまく発信 知られざるエピソードはこれだけではない。 広報担当の井戸田氏によると「最初の企画段階では森川さんとは別の俳優も候補に挙がっていた」という。ただ「森川さんはヘルメットやユニフォームの着用がOKだった。彼女が名古屋市立工芸高校のインテリア科卒業であることも親和性があると思った」(井戸田氏)そうだ。 奥村組の経営陣に具体的なCM案が提示されたのは、森川さんに候補が絞られた後であり、別の俳優候補が存在していたことは、奥村社長も東洋経済の取材当日(インタビューは2024年9月25日に実施)まで知らなかった。 メジャーリーガーの吉田正尚選手をアンバサダーに起用。吉田選手が登場する新CM「想(おも)いが宿るユニフォーム」篇も放映した(撮影:今井康一) 奥村社長がテレビCM制作の際にこだわったのが、「大阪を本社とする会社のCMらしく、少し笑いの要素も加える」ことと、「建設業の魅力を発信する内容であること」だった。 大成建設で社長と副会長を歴任後、大和ハウス工業の副社長を現在務める村田誉之氏は、東洋経済のインタビューで次のように建設業の魅力を語ったことがある。 「私は建設業の魅力は大きく5つあると言っている。チームで多くの人と協力して仕事ができること。自分たちが作ったものが形として残ること。物作りのプロセスが楽しめること。お客さんの喜ぶ顔を見られること。そして仕事を通じて社会貢献できることだ」) 制作サイドが村田氏の言葉を意識したわけではないが、奥村くみシリーズをくまなくみていると、村田氏が強調する建設業の5つの魅力が、ほぼ盛り込まれていることがわかる。だからこそ、ライバル会社の動きには批判的な姿勢でいることが多いゼネコンのベテラン社員も、奥村くみに親近感を持ち、抵抗感なく受け入れるのだ。 「来たー、現場」。憧れの仕事への就職を果たした奥村くみ。先輩社員に連れられて、初めて巨大な物流センターの建設現場にやってきた。むきだしの鉄骨。そびえるクレーン。思わず胸がときめく。そして絶叫してしまう。「好きだー」(奥村くみ篇第1話)。 子どものころから何かをつくるのが好きだった奥村くみ。建設中の物流センターに立ち、夕陽を見つめ、子どものころに砂の城壁や鉄骨の模型をつくったことを思い出す。現場を去る際に、鉄骨や床を見つめながらささやく。「また明日ね。また明日」(奥村くみ篇第2話)。 奥村くみは胸の内でつぶやく。「ひとりひとりの力がひとつになったとき、ヒトの力は想像をはるかに超える。どんな壁も打ち破ることができる」。そして力を込めて発する。「私たちは、チームの力を信じる」(私たちはチームだ篇)』、「制作サイドが村田氏の言葉を意識したわけではないが、奥村くみシリーズをくまなくみていると、村田氏が強調する建設業の5つの魅力が、ほぼ盛り込まれていることがわかる。だからこそ、ライバル会社の動きには批判的な姿勢でいることが多いゼネコンのベテラン社員も、奥村くみに親近感を持ち、抵抗感なく受け入れるのだ」、なるほど。
・『知名度が向上、採用面でも効果 経営面でも、奥村くみシリーズの効果は大きかった。奥村組は本社を構える関西では高い知名度だが、関東では「奥村組の名前を知らない取引先も多く、なかなか受注につながらないこともあった」(奥村社長)。 調査会社を使った同社の独自調査によると、CM開始前は関西での知名度(会社名の浸透度)は約50%だったが、現在は70%弱まで上昇している。一方、関東では2017年時点でおよそ30%でしかなかった。だが、現在では「倍ぐらいまで上昇した」(同)という。 採用面でも効果はてきめんだ。人手不足を背景に新卒の採用競争は激化する一方だが、奥村組はここ数年、年約140名の新卒採用の枠を順当に埋めている。「奥村組のブースはいつもにぎわっている」と準大手ゼネコンの採用担当者がうらやむほど、学生向けの就活ブースもつねに活気がある。 ただし、若手社員の定着率となると課題が残る。新卒社員の3年後定着率は直近で「85%程度」(井戸田氏)。60%台のゼネコンもあることと比較すると健闘しているものの、離職率が1桁台のスーパーゼネコンには見劣りする。 若手の定着率向上は、建設業界全体の課題でもある。ゼネコン各社は華やかなCMの残像が刻まれているうちに、待遇のさらなる改善や働き方改革を急ぐ必要がある』、「調査会社を使った同社の独自調査によると、CM開始前は関西での知名度(会社名の浸透度)は約50%だったが、現在は70%弱まで上昇している。一方、関東では2017年時点でおよそ30%でしかなかった。だが、現在では「倍ぐらいまで上昇した」(同)という。 採用面でも効果はてきめんだ。人手不足を背景に新卒の採用競争は激化する一方だが、奥村組はここ数年、年約140名の新卒採用の枠を順当に埋めている。「奥村組のブースはいつもにぎわっている」と準大手ゼネコンの採用担当者がうらやむほど、学生向けの就活ブースもつねに活気がある・・・若手社員の定着率となると課題が残る。新卒社員の3年後定着率は直近で「85%程度」(井戸田氏)。60%台のゼネコンもあることと比較すると健闘しているものの、離職率が1桁台のスーパーゼネコンには見劣りする。 若手の定着率向上は、建設業界全体の課題でもある。ゼネコン各社は華やかなCMの残像が刻まれているうちに、待遇のさらなる改善や働き方改革を急ぐ必要がある」、確かにその通りだ。
先ずは、本年9月30日付け現代ビジネス「隈研吾の建築が「青カビと腐食でボロボロ」「建築家の仕事とは思えない」…!地元住民も首をかしげる名建築家の「致命的なトラブル」」を紹介しよう。
https://gendai.media/articles/-/137881?imp=0
・『建築家・隈研吾は数々の名声を轟かせる一方で、その仕事に実害を受けた人や眉をひそめる専門家は多い。那須の美術館で起きたトラブルを機に、全国各地で問題が火を噴きそうな事態となっている』、初めて知ったが、大変そうだ。
・『青カビが生えてボロボロ その建物は、年季の入った牛舎かと見間違うほどだった。屋根の一部は朽ち果て、青カビも生えている。とても、世界的建築家が手がけた建物とは思えない――。 栃木県那須郡にある那珂川町馬頭広重美術館は、主に江戸時代の浮世絵師・歌川広重の作品などを展示した美術館である。'00年にオープンした当時は、細い角材が簾のごとく大量に使われた建物の庇が好評を博し、公共建築賞特別賞や日本建築学会作品選奨など数々の名誉ある賞に輝いている。 この馬頭広重美術館を設計したのは隈研吾氏(70歳)。高いデザイン性と木材などの自然素材を使う「環境に溶け込む建築」を得意とし、新国立競技場や角川武蔵野ミュージアム、高輪ゲートウェイ駅などが代表作として知られている。いまでは世界中からオファーが殺到する建築家だ。 そんな大御所の手がけた美術館が、開館から24年が経過してボロボロになっていると大きな話題を呼んでいる。特に、美術館をすっぽりと覆う庇だ。細い木材には地元産の八溝杉が使われたこともあり名物となっていたが、経年劣化が著しい。 近づいて観察すると、腐食が進んで、木材が折れて崩れているものもある。屋根の装飾に使われた部分は、青カビが生えて、表面が黒ずんでいる』、「術館をすっぽりと覆う庇だ。細い木材には地元産の八溝杉が使われたこともあり名物となっていたが、経年劣化が著しい。 近づいて観察すると、腐食が進んで、木材が折れて崩れているものもある。屋根の装飾に使われた部分は、青カビが生えて、表面が黒ずんでいる」、見るも無残な姿だ。
・『「海の家」のような代物 この惨状をどうにかするべく、町は来年の開館25周年に合わせて大規模改修を行うことを決定する。ところが—その費用になんと3億円もかかることが判明した。地元住民はこう憤る。 「5年前から見るに堪えないほどボロボロになり、いまや地元の人は寄りつきません。ここまでの状態にならないように綿密に設計し、自治体にメンテナンスを周知徹底させるのも建築家の仕事ではないのですか。こんな田舎町が3億円なんてカネを出すのは難しいと思います。そもそも私たちの税金のムダ遣いですよ!」 なぜ、開館から25年近く経って、このような事態に陥ってしまったのか。建築エコノミストの森山高至氏は、隈氏の設計についてこう断罪する。 「直接雨風にさらされるところにスギを使っている点が問題です。本来であれば油分の多く雨に強い木材を使うべきですが、おそらくコストが高いので安い木材を並べたのでしょう。 小規模な商業施設であれば、こうしたデザインはまだ理解できますが、美術館という大型の公共案件ではありえません。『海の家』をつくるような感覚で仕事をしているのではないでしょうか」 後編記事『木の匠?アホらしい…「隈研吾さんは業界でクマちゃんとバカにされていますよ」専門家が明かす、世界的建築家・隈研吾の「虚像」』へ続く』、「「直接雨風にさらされるところにスギを使っている点が問題です。本来であれば油分の多く雨に強い木材を使うべきですが、おそらくコストが高いので安い木材を並べたのでしょう。 小規模な商業施設であれば、こうしたデザインはまだ理解できますが、美術館という大型の公共案件ではありえません」』、「隈研吾ともあろう建築家がどうしたのだろう。
次に、9月30日付け現代ビジネス「木の匠?アホらしい「隈研吾さんは業界でクマちゃんとバカにされていますよ」…専門家が明かす、世界的建築家・隈研吾の「虚像」」を紹介しよう。
https://gendai.media/articles/-/137883?imp=0
・『建築家・隈研吾は数々の名声を轟かせる一方で、その仕事に実害を受けた人や眉をひそめる専門家は多い。那須の美術館で起きたトラブルを機に、全国各地で問題が火を噴きそうな事態となっている。それに対し、隈氏本人はどう弁明するのか。 前編記事『隈研吾の建築が「青カビと腐食でボロボロ」「建築家の仕事とは思えない」…!地元住民も首をかしげる名建築家の「致命的なトラブル」』より続く』、興味深そうだ。
・『隈研吾氏の回答は…… こうした専門家の指摘や馬頭広重美術館で起きている問題に、隈氏本人はどう考えているのか。本誌が質問すると、書面でこう回答した。 「欧米においても、木材の利用でメンテナンスの費用はアップするが、木材にはそれ以上の環境的、経済的効果があるとして、さらに木材振興が進んでいます。(編集部注‥開館から)20年経過した時点から、劣化にどう対応できるかを町と議論していましたが、取り換えの方針を確定するのに時間がかかり、木材の一部で劣化が進んでしまいみなさんに御心配をかけてしまいました。(スギを外部に使用したことについて)地元の林業の振興という点を考えても杉材が最も適切だと考えました」 実は馬頭広重美術館は、隈氏にとっての出世作だ。隈建築の特徴である木製ルーバー(格子)が初めて高い評価を受けたのが、この美術館だった。 '64年、横浜の“ボロい家”に育った隈氏は、10歳で建築家・丹下健三の設計した建物に目を剥き建築家を志したという。'90年代は建築家の間でも評価が低かった隈氏だが、広重の描く雨の線が細く美しいことに着想を得て、屋根まですべて細い木材で美術館をつくったところ評判を呼んだ。この成功を機に「木の匠」として持て囃されていく。その後はほとんどの代表作に、馬頭広重美術館に見られるような木製ルーバーを施している』、「'90年代は建築家の間でも評価が低かった隈氏だが、広重の描く雨の線が細く美しいことに着想を得て、屋根まですべて細い木材で美術館をつくったところ評判を呼んだ。この成功を機に「木の匠」として持て囃されていく。その後はほとんどの代表作に、馬頭広重美術館に見られるような木製ルーバーを施している」、なるほど。
・『他の建物でもトラブルが…… ただ、建築関係者の間では、今回の騒動が起きる前から隈氏に対する疑念の声が出ていた。批判の的となったのが、その「木を使うデザイン」だ。実際、建築家で現代の棟梁の宇野友明氏は、こう疑問を投げかける。 「彼のやっていることは木造建築というよりも、木を表面に貼る『木のデコレーション』のような印象です。そのなかには木ですらなく、アルミに木目をプリントしたものもあります。『木の匠』と評されていることには疑問を抱いています。 また、木造建築は『手入れ』といって、維持管理を計画的に行う文化があります。クライアントに十分説明がなされていないのではないでしょうか。馬頭広重美術館の木の使い方は特に深刻な事態かと思いますが、今後も同じような問題は起きるでしょう。彼の影響力を考えると、今回の件で木造建築にネガティブな印象が広まったことは残念です」 すでに同様のトラブルは他でも噴出している。隈氏は、馬頭広重美術館の開館と同時期の'00年に那須歴史探訪館という建物も手がけている。こちらも大量の木材が施されたデザインだ。実際に本誌記者が訪れてみると、屋根に並べ敷かれた丸太にはカビが生え、部分的に朽ちていた。事務員はこう嘆く。 「落ちてくると危ないので、入り口の頭上にある丸太だけは昨年に取り替えました。ただ、他の丸太は残っていて、大雨が降ると雨漏りしてしまう。その影響で、石材の床にシミができています」』、「木造建築は『手入れ』といって、維持管理を計画的に行う文化があります。クライアントに十分説明がなされていないのではないでしょうか。馬頭広重美術館の木の使い方は特に深刻な事態かと思いますが、今後も同じような問題は起きるでしょう。彼の影響力を考えると、今回の件で木造建築にネガティブな印象が広まったことは残念です」、なるほど。
・『「クマちゃんシール」とは 隈氏が手がけた建築物は、国内だけでも200を超す。これほど彼に仕事が舞い込むようになった背景には、「デザイン性の高さ」とは別の要素があるという。自然素材を使った住宅を扱う工務店「オーガニックスタジオ新潟」の代表取締役社長・相模稔氏はこう語る。 「国が国産材料の使用を推進していて、公共施設には『地場産建材』の使用が求められています。こうした需要に応えたのが大きいでしょう。 それに、隈さんは仕事を決して断らないスタンスです。どんなに安い予算だろうが仕事を受ける。通常、建築家が個性を演出するには相当な時間や熱量が必要なので、大量の依頼は捌けません。そんな状況を打破するため、彼の編み出した策が木製ルーバー。これを建物に施すことで『隈建築』とわかるように目論んだものですが、一部では『クマちゃんシール』と揶揄されています。 隈さんの事務所は年間400件超の案件を約300人のスタッフでこなしていますが、基本的にクマちゃんシールを貼って目立つデザインにしているだけです」 さらに、隈氏が東大の内田祥哉研究室出身であるということも、彼の仕事に大きく作用していると相模氏は推測する。 「内田研は建築界の頂点と呼ばれるほど権威のある研究室。多くのゼネコンのトップが内田研の出身なので、コネや人脈がもともとあるわけです」 コネも駆使しつつ量産される作品で、将来的に人々に負担を強いるのは、世界的建築家のすることなのだろうか』、「「国が国産材料の使用を推進していて、公共施設には『地場産建材』の使用が求められています。こうした需要に応えたのが大きいでしょう。 それに、隈さんは仕事を決して断らないスタンスです。どんなに安い予算だろうが仕事を受ける。通常、建築家が個性を演出するには相当な時間や熱量が必要なので、大量の依頼は捌けません。そんな状況を打破するため、彼の編み出した策が木製ルーバー。これを建物に施すことで『隈建築』とわかるように目論んだものですが、一部では『クマちゃんシール』と揶揄されています」、『クマちゃんシール』とは言い得て妙だ。「隈氏が東大の内田祥哉研究室出身であるということも、彼の仕事に大きく作用していると相模氏は推測する。 「内田研は建築界の頂点と呼ばれるほど権威のある研究室。多くのゼネコンのトップが内田研の出身なので、コネや人脈がもともとあるわけです」 コネも駆使しつつ量産される作品で、将来的に人々に負担を強いるのは、世界的建築家のすることなのだろうか」、すっかり「隈」氏の化けの皮が剥がれたようだ。
第三に、10月5日付け東洋経済オンライン「ゼネコン界に舞い降りた天使「奥村くみ」誕生秘話 奥村組社長は「建設バカ」シリーズを推していた」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/830409
・『「7年前の最終プレゼンテーションで私が推す別のCM案が採用されていたら、今多くの方からご支持をいただいている『奥村くみ』は生まれていなかった」。中堅ゼネコン、奥村組(大阪市)の奥村太加典(たかのり)社長はそう振り返る。 奥村社長の言う奥村くみとは、2018年から放映しているテレビCM「建設LOVE!奥村くみ」シリーズのことだ。 人気俳優の森川葵さんが建築系の新入社員役を演じ、ドジを踏みながら成長していくストーリー。「本当に建設現場にいそう」――。複数のゼネコン関係者は、森川さんの熱演に親近感を抱いた。一般的にも好感され、本シリーズは若い人から年配者まで幅広い層の支持を得ている』、私は残念ながら「建設LOVE!奥村くみ」シリーズを観たことはないが、ネット検索したところ、https://www.youtube.com/watch?v=MV8jNfGKDQkで観ることができる。
・『「新3K+K」の採用は社長発 シリーズ7年目となる今年5月からは、「新3K+K」篇の放映を開始した。 大学のキャンパスを歩く1組の若い男女。「私、建設業界に入ろうかな」と話す女性の言葉に、新校舎の現場監督としてその近くにいた奥村くみは微笑む。 ところが、男性は「建設業って3K(きつい、汚い、危険)じゃん」とNGを出す。これを聞いた奥村くみは、ワープするかのような勢いで2人の間に割って入り、「適正な給与、十分な休暇、未来への希望。そしてカッコいい」と建設業界の「新3K+K」を力説し、ひとり満足げにうなずく。 この新シリーズで強調されている「新3K+K」は、ゼネコンの業界団体である日本建設業連合会が業界のイメージ向上を狙って2022年ごろから提唱している標語だ。そもそも新3Kは国土交通省が2015年に発表した「新3Kを実現するための直轄工事における取組」で用いられていた。 「建設業界をあげて標榜している新3K+Kを当社のCMに使わない手はない」と奥村社長。テレビCMを管轄する秘書広報部の井戸田高明氏は、「当初は違うテーマで企画を進めていたのだが、社長から突然メールが来て、今の内容(新3K+K)に変更した」と明かす。) 建設業界におけるマーケティング戦略において、奥村くみシリーズはエポックとなった。かつて、清水建設など幾多のゼネコンがCMを展開してきたが、俳優を用いたものはほとんど例がなかった。 最近では大成建設のようにアニメーションを採用した柔らかいイメージを意識したCMがあるが、基本的にはインフラ構築の大切さや会社の経営方針を打ち出した「実直」「重厚」な内容が多い。 これに対して、奥村くみシリーズは俳優を使ったストーリー仕立てで、しかも思わずクスッとしてしまう笑いの要素も含まれている。これまでの建設業界にはなかった「軽快」な内容に、「あのCMはいいね」と多くのゼネコン関係者が賞賛する』、「思わずクスッとしてしまう笑いの要素も含まれている」、さすが大阪企業だ。
・『奥村組の奥村太加典社長 建設業界は長い間、構造的な問題に悩まされてきた。とくに最近は、2~3年前に激しい競争をして獲得した工事が進捗し、資材高も加わって低採算に苦慮している会社が多い。技術者の高齢化の進行に加えて若手の流入が少なく、慢性的な人手不足問題も横たわる。施工不良を受け、組み上がっていた鉄骨を解体して建て直す事件が発生するなど品質問題も後を絶たない。 このように暗い雲に覆われていた業界に、さわやかな新風を呼び込んだ人物こそ、人気キャラクターとして定着した奥村くみだ。奥村組のCMの成功を見たほかの大手ゼネコンが続々と追随。西松建設や戸田建設、熊谷組といった大手ゼネコンも俳優を起用したテレビCMを開始した。 こういったCMの連打は、業界のイメージ改善に一役買っている。実際、足元では建設業に就職する新卒学生の数が増えており、とくに「建設女子」と言われる女性の技術者が増加している』、「こういったCMの連打は、業界のイメージ改善に一役買っている。実際、足元では建設業に就職する新卒学生の数が増えており、とくに「建設女子」と言われる女性の技術者が増加している」、なかなかいいことだ。
・『お蔵入りした案の「建設バカ」 建設業界全体に活気をもたらしたわけだが、奥村社長によると「まったく違う別のシリーズが展開されていた可能性があった」という。 奥村組は、2017年の初めごろに大阪国際女子マラソンに協賛することを決めた。マラソンのテレビ中継番組には協賛社CM枠が設けられていた。そのため「当社として初となるCMをつくらないといけない」(奥村社長)。 2017年の半ば、制作サイドとの複数回のディスカッションを経て、広告代理店が最終プレゼンの場で提案した企画案は2つあった。1つが森川さんを起用する奥村くみシリーズ。もう1つは、奥村組の社員を主人公とする「建設バカ」シリーズというものだった。) 同僚と居酒屋にいても彼女とデートしていても、建物のことが頭から離れない。周囲が「建設バカ」だと呆れられるほど建設が大好きなゼネコン社員。ときに周りが戸惑う行動をとってしまうことがある――。 これは結局お蔵入りすることになったが、経営陣にはむしろこちらが本命だった。奥村社長は吐露する。「私はむしろ、こちらの『建設バカ』シリーズを推していた。当社の社員に建設バカがいたら嬉しいと思った」。 10名ほどの社員が集まった最終プレゼンの場では、奥村社長はあえて先に自分の意見を言わずに、みんなの意見を募った。すると、若手や女性を中心に出席者の8割ほどが「奥村くみシリーズがいい」と推したのだった。 内心がっかりした奥村社長だが、若い人の意見・感性は重要と考え、「わかった、奥村くみシリーズでいこう」と決断した』、「10名ほどの社員が集まった最終プレゼンの場では、奥村社長はあえて先に自分の意見を言わずに、みんなの意見を募った。すると、若手や女性を中心に出席者の8割ほどが「奥村くみシリーズがいい」と推したのだった。 内心がっかりした奥村社長だが、若い人の意見・感性は重要と考え、「わかった、奥村くみシリーズでいこう」と決断した」、なるほど。
・『建設業の魅力をうまく発信 知られざるエピソードはこれだけではない。 広報担当の井戸田氏によると「最初の企画段階では森川さんとは別の俳優も候補に挙がっていた」という。ただ「森川さんはヘルメットやユニフォームの着用がOKだった。彼女が名古屋市立工芸高校のインテリア科卒業であることも親和性があると思った」(井戸田氏)そうだ。 奥村組の経営陣に具体的なCM案が提示されたのは、森川さんに候補が絞られた後であり、別の俳優候補が存在していたことは、奥村社長も東洋経済の取材当日(インタビューは2024年9月25日に実施)まで知らなかった。 メジャーリーガーの吉田正尚選手をアンバサダーに起用。吉田選手が登場する新CM「想(おも)いが宿るユニフォーム」篇も放映した(撮影:今井康一) 奥村社長がテレビCM制作の際にこだわったのが、「大阪を本社とする会社のCMらしく、少し笑いの要素も加える」ことと、「建設業の魅力を発信する内容であること」だった。 大成建設で社長と副会長を歴任後、大和ハウス工業の副社長を現在務める村田誉之氏は、東洋経済のインタビューで次のように建設業の魅力を語ったことがある。 「私は建設業の魅力は大きく5つあると言っている。チームで多くの人と協力して仕事ができること。自分たちが作ったものが形として残ること。物作りのプロセスが楽しめること。お客さんの喜ぶ顔を見られること。そして仕事を通じて社会貢献できることだ」) 制作サイドが村田氏の言葉を意識したわけではないが、奥村くみシリーズをくまなくみていると、村田氏が強調する建設業の5つの魅力が、ほぼ盛り込まれていることがわかる。だからこそ、ライバル会社の動きには批判的な姿勢でいることが多いゼネコンのベテラン社員も、奥村くみに親近感を持ち、抵抗感なく受け入れるのだ。 「来たー、現場」。憧れの仕事への就職を果たした奥村くみ。先輩社員に連れられて、初めて巨大な物流センターの建設現場にやってきた。むきだしの鉄骨。そびえるクレーン。思わず胸がときめく。そして絶叫してしまう。「好きだー」(奥村くみ篇第1話)。 子どものころから何かをつくるのが好きだった奥村くみ。建設中の物流センターに立ち、夕陽を見つめ、子どものころに砂の城壁や鉄骨の模型をつくったことを思い出す。現場を去る際に、鉄骨や床を見つめながらささやく。「また明日ね。また明日」(奥村くみ篇第2話)。 奥村くみは胸の内でつぶやく。「ひとりひとりの力がひとつになったとき、ヒトの力は想像をはるかに超える。どんな壁も打ち破ることができる」。そして力を込めて発する。「私たちは、チームの力を信じる」(私たちはチームだ篇)』、「制作サイドが村田氏の言葉を意識したわけではないが、奥村くみシリーズをくまなくみていると、村田氏が強調する建設業の5つの魅力が、ほぼ盛り込まれていることがわかる。だからこそ、ライバル会社の動きには批判的な姿勢でいることが多いゼネコンのベテラン社員も、奥村くみに親近感を持ち、抵抗感なく受け入れるのだ」、なるほど。
・『知名度が向上、採用面でも効果 経営面でも、奥村くみシリーズの効果は大きかった。奥村組は本社を構える関西では高い知名度だが、関東では「奥村組の名前を知らない取引先も多く、なかなか受注につながらないこともあった」(奥村社長)。 調査会社を使った同社の独自調査によると、CM開始前は関西での知名度(会社名の浸透度)は約50%だったが、現在は70%弱まで上昇している。一方、関東では2017年時点でおよそ30%でしかなかった。だが、現在では「倍ぐらいまで上昇した」(同)という。 採用面でも効果はてきめんだ。人手不足を背景に新卒の採用競争は激化する一方だが、奥村組はここ数年、年約140名の新卒採用の枠を順当に埋めている。「奥村組のブースはいつもにぎわっている」と準大手ゼネコンの採用担当者がうらやむほど、学生向けの就活ブースもつねに活気がある。 ただし、若手社員の定着率となると課題が残る。新卒社員の3年後定着率は直近で「85%程度」(井戸田氏)。60%台のゼネコンもあることと比較すると健闘しているものの、離職率が1桁台のスーパーゼネコンには見劣りする。 若手の定着率向上は、建設業界全体の課題でもある。ゼネコン各社は華やかなCMの残像が刻まれているうちに、待遇のさらなる改善や働き方改革を急ぐ必要がある』、「調査会社を使った同社の独自調査によると、CM開始前は関西での知名度(会社名の浸透度)は約50%だったが、現在は70%弱まで上昇している。一方、関東では2017年時点でおよそ30%でしかなかった。だが、現在では「倍ぐらいまで上昇した」(同)という。 採用面でも効果はてきめんだ。人手不足を背景に新卒の採用競争は激化する一方だが、奥村組はここ数年、年約140名の新卒採用の枠を順当に埋めている。「奥村組のブースはいつもにぎわっている」と準大手ゼネコンの採用担当者がうらやむほど、学生向けの就活ブースもつねに活気がある・・・若手社員の定着率となると課題が残る。新卒社員の3年後定着率は直近で「85%程度」(井戸田氏)。60%台のゼネコンもあることと比較すると健闘しているものの、離職率が1桁台のスーパーゼネコンには見劣りする。 若手の定着率向上は、建設業界全体の課題でもある。ゼネコン各社は華やかなCMの残像が刻まれているうちに、待遇のさらなる改善や働き方改革を急ぐ必要がある」、確かにその通りだ。
タグ:建築 (その1)(隈研吾の建築が「青カビと腐食でボロボロ」「建築家の仕事とは思えない」…!地元住民も首をかしげる名建築家の「致命的なトラブル」、木の匠?アホらしい「隈研吾さんは業界でクマちゃんとバカにされていますよ」…専門家が明かす 世界的建築家・隈研吾の「虚像」、ゼネコン界に舞い降りた天使「奥村くみ」誕生秘話 奥村組社長は「建設バカ」シリーズを推していた) 現代ビジネス「隈研吾の建築が「青カビと腐食でボロボロ」「建築家の仕事とは思えない」…!地元住民も首をかしげる名建築家の「致命的なトラブル」」 「術館をすっぽりと覆う庇だ。細い木材には地元産の八溝杉が使われたこともあり名物となっていたが、経年劣化が著しい。 近づいて観察すると、腐食が進んで、木材が折れて崩れているものもある。屋根の装飾に使われた部分は、青カビが生えて、表面が黒ずんでいる」、見るも無残な姿だ。 「「直接雨風にさらされるところにスギを使っている点が問題です。本来であれば油分の多く雨に強い木材を使うべきですが、おそらくコストが高いので安い木材を並べたのでしょう。 小規模な商業施設であれば、こうしたデザインはまだ理解できますが、美術館という大型の公共案件ではありえません」』、「隈研吾ともあろう建築家がどうしたのだろう。 現代ビジネス「木の匠?アホらしい「隈研吾さんは業界でクマちゃんとバカにされていますよ」…専門家が明かす、世界的建築家・隈研吾の「虚像」」 「'90年代は建築家の間でも評価が低かった隈氏だが、広重の描く雨の線が細く美しいことに着想を得て、屋根まですべて細い木材で美術館をつくったところ評判を呼んだ。この成功を機に「木の匠」として持て囃されていく。その後はほとんどの代表作に、馬頭広重美術館に見られるような木製ルーバーを施している」、なるほど。 「木造建築は『手入れ』といって、維持管理を計画的に行う文化があります。クライアントに十分説明がなされていないのではないでしょうか。馬頭広重美術館の木の使い方は特に深刻な事態かと思いますが、今後も同じような問題は起きるでしょう。彼の影響力を考えると、今回の件で木造建築にネガティブな印象が広まったことは残念です」、なるほど。 「「国が国産材料の使用を推進していて、公共施設には『地場産建材』の使用が求められています。こうした需要に応えたのが大きいでしょう。 それに、隈さんは仕事を決して断らないスタンスです。どんなに安い予算だろうが仕事を受ける。通常、建築家が個性を演出するには相当な時間や熱量が必要なので、大量の依頼は捌けません。そんな状況を打破するため、彼の編み出した策が木製ルーバー。これを建物に施すことで『隈建築』とわかるように目論んだものですが、一部では『クマちゃんシール』と揶揄されています」、 『クマちゃんシール』とは言い得て妙だ。「隈氏が東大の内田祥哉研究室出身であるということも、彼の仕事に大きく作用していると相模氏は推測する。 「内田研は建築界の頂点と呼ばれるほど権威のある研究室。多くのゼネコンのトップが内田研の出身なので、コネや人脈がもともとあるわけです」 コネも駆使しつつ量産される作品で、将来的に人々に負担を強いるのは、世界的建築家のすることなのだろうか」、すっかり「隈」氏の化けの皮が剥がれたようだ。 東洋経済オンライン「ゼネコン界に舞い降りた天使「奥村くみ」誕生秘話 奥村組社長は「建設バカ」シリーズを推していた」 私は残念ながら「建設LOVE!奥村くみ」シリーズを観たことはないが、ネット検索したところ、https://www.youtube.com/watch?v=MV8jNfGKDQkで観ることができる。 「思わずクスッとしてしまう笑いの要素も含まれている」、さすが大阪企業だ。 「こういったCMの連打は、業界のイメージ改善に一役買っている。実際、足元では建設業に就職する新卒学生の数が増えており、とくに「建設女子」と言われる女性の技術者が増加している」、なかなかいいことだ。 「10名ほどの社員が集まった最終プレゼンの場では、奥村社長はあえて先に自分の意見を言わずに、みんなの意見を募った。すると、若手や女性を中心に出席者の8割ほどが「奥村くみシリーズがいい」と推したのだった。 内心がっかりした奥村社長だが、若い人の意見・感性は重要と考え、「わかった、奥村くみシリーズでいこう」と決断した」、なるほど。 「制作サイドが村田氏の言葉を意識したわけではないが、奥村くみシリーズをくまなくみていると、村田氏が強調する建設業の5つの魅力が、ほぼ盛り込まれていることがわかる。だからこそ、ライバル会社の動きには批判的な姿勢でいることが多いゼネコンのベテラン社員も、奥村くみに親近感を持ち、抵抗感なく受け入れるのだ」、なるほど。 「調査会社を使った同社の独自調査によると、CM開始前は関西での知名度(会社名の浸透度)は約50%だったが、現在は70%弱まで上昇している。一方、関東では2017年時点でおよそ30%でしかなかった。だが、現在では「倍ぐらいまで上昇した」(同)という。 採用面でも効果はてきめんだ。人手不足を背景に新卒の採用競争は激化する一方だが、奥村組はここ数年、年約140名の新卒採用の枠を順当に埋めている。 「奥村組のブースはいつもにぎわっている」と準大手ゼネコンの採用担当者がうらやむほど、学生向けの就活ブースもつねに活気がある・・・若手社員の定着率となると課題が残る。新卒社員の3年後定着率は直近で「85%程度」(井戸田氏)。60%台のゼネコンもあることと比較すると健闘しているものの、離職率が1桁台のスーパーゼネコンには見劣りする。 若手の定着率向上は、建設業界全体の課題でもある。ゼネコン各社は華やかなCMの残像が刻まれているうちに、待遇のさらなる改善や働き方改革を急ぐ必要がある」、確かにその通りだ。
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