SSブログ

ゼネコン(その1)(清水建設が「役員報酬返上」に及ぶ営業利益905億円“下方修正”の衝撃!ゼネコン決算大ピンチ ゼネコン業界決算報(2023年8~12月四半期編)、ゼネコンよりサブコンが上?建設業界の新秩序 下請けとは「殿様と家来」の関係だったが…、ゼネコン各社が軒並み増収の中 清水建設の不調が際立った理由とは?) [産業動向]

ゼネコンについては、不良債権問題ではしばしば取り上げられたが、問題の終息と共に、鎮静化し、現在は一般的な問題が出る程度である。今日は、(その1)(清水建設が「役員報酬返上」に及ぶ営業利益905億円“下方修正”の衝撃!ゼネコン決算大ピンチ ゼネコン業界決算報(2023年8~12月四半期編)、ゼネコンよりサブコンが上?建設業界の新秩序 下請けとは「殿様と家来」の関係だったが…、ゼネコン各社が軒並み増収の中 清水建設の不調が際立った理由とは?)である。

先ずは、本年3月15日付けダイヤモンド・オンライン「清水建設が「役員報酬返上」に及ぶ営業利益905億円“下方修正”の衝撃!ゼネコン決算大ピンチ ゼネコン業界決算報(2023年8~12月四半期編)」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/340477
・『2020年に始まったコロナ禍による落ち込みを脱した日本経済。ただ、元通りになったわけではない。デジタル化や脱炭素の潮流が加速し、円安や物価高の影響も続く。その結果、企業によって業績の明暗が分かれている。格差の要因を探るべく、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回は大成建設、鹿島などの「ゼネコン」業界4社について解説する』、興味深そうだ。
・『ゼネコン4社は増収も利益面は大ピンチ  企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下のゼネコン業界4社。対象期間は2023年8~12月期の四半期(4社いずれも23年10~12月期)としている。 各社の増収率は以下の通りだった。 ・大成建設 増収率:5.7%(四半期の売上高4082億円) ・鹿島 増収率:11.9%(四半期の売上高6888億円) ・大林組 増収率:20.0%(四半期の売上高6202億円) ・清水建設 増収率:3.5%(四半期の売上高5116億円) ゼネコン4社はいずれも増収となった。第3四半期累計の売上高においても、各社は前年同期の実績を上回っている。  ただし第3四半期累計の利益面に目を向けると、清水建設は520億円の営業赤字、209億円の最終赤字に転落。大成建設は営業利益が前年同期比58.2%減、純利益も同39.9%減と大きく落ち込んだ。 また、大林組は営業利益が前年同期比22.1%減、純利益が同16.0%減という結果だった。残る鹿島は営業利益が同9.5%増、純利益が同6.7%減と、営業利益のみプラスで着地した。だが純利益は減益となっており、ゼネコン4社が軒並み利益面で苦しんでいることがうかがえる。 なぜ、各社の利益面は大打撃を受けているのか。  次ページでは各社の増収率の推移を紹介するとともに、利益面についても詳しく解説する。)  ゼネコン業界4社について、対象期間における増収率(前年同期比)は以下の通りだった。 各社の状況を詳しく見ていこう』、「ゼネコン4社が軒並み利益面で苦しんでいる・・・なぜ、各社の利益面は大打撃を受けているのか」、なぜだろう。
・『大成建設  23年10~12月期における売上高は4082億円、前年同期比増収率は5.7%だった。 この3カ月は同社の24年3月期第3四半期に当たる。9カ月間の累計売上高は1兆1463億円(前年同期比3.8%増)。第2四半期までの累計売上高は7381億円(同2.7%増)だった。 四半期増収率(前年同期比)は、直前の四半期(23年7~9月期)に続いてプラスとなっている。 大成建設における第3四半期累計の利益面は、営業利益が前年同期比58.2%減の175億円、純利益が同39.9%減の198億円だった。 大幅減益の要因を探るべく、大成建設のセグメント別業績(第3四半期累計)を見てみると、次のような結果だった。 ・土木事業:売上高3102億円(前年同期比14.5%増)、営業利益307億円(同51.8%増) ・建築事業:売上高7352億円(同0.6%減)、営業損失287億円(前年同期は122億円の黒字) ・開発事業:売上高930億円(同6.5%増)、営業利益145億円(同59.6%増) 他の2事業は堅調に推移していたものの、主力の建築事業が減収と営業赤字に陥り、全社の業績を圧迫していることが分かった。建築事業では、東京都世田谷区の本庁舎整備工事で工程遅延が起き、損失を計上したことが響いた。また、建設コスト上昇に伴う「物価スライド協議」が合意に至らず、一部の国内工事で収支が悪化した。 このほか、賃上げに伴う人件費の増加や、投資計画に基づく技術開発費の増加も、全社での大幅減益につながった』、「主力の建築事業が減収と営業赤字に陥り、全社の業績を圧迫していることが分かった。建築事業では、東京都世田谷区の本庁舎整備工事で工程遅延が起き、損失を計上したことが響いた。また、建設コスト上昇に伴う「物価スライド協議」が合意に至らず、一部の国内工事で収支が悪化した。 このほか、賃上げに伴う人件費の増加や、投資計画に基づく技術開発費の増加も、全社での大幅減益につながった」、なるほど。
・『鹿島   23年10~12月期における売上高は6888億円、前年同期比増収率は11.9%だった。 この3カ月は同社の24年3月期第3四半期に当たる。9カ月間の累計売上高は1兆9946億円(前年同期比13.8%増)。第2四半期までの累計売上高は1兆3058億円(同14.8%増)だった。 四半期増収率(前年同期比)は、21年4~6月期(22年3月期第1四半期)から11四半期連続でプラスとなっている。  鹿島における第3四半期累計の利益面は、営業利益が前年同期比9.5%増の1021億円、純利益が同6.7%減の766億円。海外開発事業における営業外収益の減少が最終減益につながった』、「鹿島における第3四半期累計の利益面は・・・純利益が同6.7%減の766億円。海外開発事業における営業外収益の減少が最終減益につながった」、なるほど。
・『大林組  23年10~12月期における売上高は6202億円、前年同期比増収率は20.0%だった。  この3カ月は同社の24年3月期第3四半期に当たる。9カ月間の累計売上高は1兆7015億円(前年同期比18.1%増)。第2四半期までの累計売上高は1兆814億円(同17.0%増)だった。 四半期増収率(前年同期比)は、23年4~6月期(24年3月期第1四半期)から3四半期連続でプラスとなっている。 大林組における第3四半期累計の利益面は、営業利益が前年同期比22.1%減の512億円、純利益が同16.0%減の475億円と、いずれも2桁減益だった。 同社の決算資料によると、主な減益要因は下記の3点である。 ・前年同期に発生した大型不動産の売却に伴う反動減の影響 ・子会社の海外土木事業で貸倒引当金を計上した影響 ・販売費及び一般管理費(人件費や研究開発費など)の増加 なお大林組では23年9月、JR東京駅・八重洲口付近のビル開発現場で鉄骨が落下。作業員2人が死亡する事故が発生した。 だが同社は、24年3月期の通期連結業績予想を下方修正していない。その理由について「八重洲の事故の影響を除けば、国内土木の利益の進捗や、政策保有株式の売却益など、プラス要素の方が多いため」としている。 また、「損益や工期への影響がまだ見えていないものの、来期の業績に大きな影響があると考えて頂かなくてもよい」と、決算説明会での質疑応答で説明している』、「大林組の主な減益要因は下記の3点である。 ・前年同期に発生した大型不動産の売却に伴う反動減の影響 ・子会社の海外土木事業で貸倒引当金を計上した影響 ・販売費及び一般管理費(人件費や研究開発費など)の増加」、なるほど。
・『清水建設  23年10~12月期における売上高は5116億円、前年同期比増収率は3.5%だった。 この3カ月は同社の24年3月期第3四半期に当たる。9カ月間の累計売上高は1兆4485億円(前年同期比9.7%増)。第2四半期までの累計売上高は9369億円(前年同期比13.4%増)だった。 四半期増収率(前年同期比)は、21年10~12月期から9四半期連続でプラスとなっている。 清水建設における第3四半期累計の利益面は、営業損失が520億円(前年同期は282億円の黒字)、最終損失が209億円(前年同期は215億円の黒字)と、両指標ともに赤字に転落した。 資材価格・エネルギー価格の高騰によって厳しい経営状況が続く中、清水建設では国内外における複数の大型建築工事で採算が悪化し、工事損失引当金を計上した。第3四半期累計の工事損失引当金の総額は1215億円に上る(前年同期は655億円)。低採算の工事が会社全体の利益を押し下げる結果となった。 対抗策として、保有株式を売却するなどして前年同期の約4倍に相当する246億円の固定資産売却益を計上したものの、採算悪化の影響をカバーするには至らず、最終利益も赤字に転落した。 また清水建設は、下記2点などを理由に、24年3月期の通期利益予想を大幅に下方修正した(いずれも決算資料より/売り上げ予想は上方修正)。 ・今後も設備工事価格、労務費などを中心にさらなる建設コストの上昇が見込まれること ・過年度に工事損失引当金を計上した海外大型建築工事で、地中障害の発生に伴う工程遅延や労務費の増加、円安の影響などにより見積総原価が増大し、さらなる工事損失の発生が見込まれること 具体的な業績予想額は次の通りだ。 ・売上高:前期比2.4%増の1兆9800億円(前回予想から350億円増) ・営業損益:330億円の赤字(前回予想から905億円減) ・純損益:100億円の黒字(前回予想から400億円減) 資材価格高騰の影響を吸収するべく、顧客との契約条件を引き上げることから売り上げ予想を上方修正したものの、利益面は苦戦が長引くもようだ。 なお、通期決算の終わりが近づいている第3四半期決算の発表というタイミングで、これほど大幅な業績の下方修正が行われるのは異例だ。 清水建設はその経営責任を重く受け止め、社長と副社長2人が月額報酬 30%の5カ月分を返上するなど、役員報酬の返上を表明。また「全社レベルでの受注前審査の一層の厳格化」をはじめとした再発防止策も併せて発表した』、「清水建設では国内外における複数の大型建築工事で採算が悪化し、工事損失引当金を計上した。第3四半期累計の工事損失引当金の総額は1215億円に上る(前年同期は655億円)。低採算の工事が会社全体の利益を押し下げる・・・過年度に工事損失引当金を計上した海外大型建築工事で、地中障害の発生に伴う工程遅延や労務費の増加、円安の影響などにより見積総原価が増大し、さらなる工事損失の発生が見込まれる」、なるほど。

次に、3月25日付け東洋経済オンライン「ゼネコンよりサブコンが上?建設業界の新秩序 下請けとは「殿様と家来」の関係だったが…」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/742587
・『変革の意識が乏しく、昔ながらの慣習が数多く残る「レガシー産業」の建設業界に、時間外労働の上限規制の適用という「2024年問題」が襲いかかる。 『週刊東洋経済』3月30日号の特集は「ゼネコン下剋上」。変革ののろしが上がる。 「今は力関係でいえばゼネコンよりサブコンのほうが上だ」。複数のゼネコン関係者はこう嘆く。 建設業界は元請けであるゼネコンを頂点に、重層構造になっている。仕事を発注するゼネコンと、受注する側であるサブコン(空調設備や電気設備などの専門工事会社)を含む下請け会社との間には、「殿様と家来の関係」(内装工事会社の社長)と言われるほど明確な上下関係があった。 しかし今、そのヒエラルキー構造が変わりつつある。 「引き受けてくれるサブコンをなかなか見つけられなかった」と肩を落とすのは上場中堅ゼネコン・大豊(だいほう)建設の幹部・A氏。2月9日、大豊建設は今2024年3月期の最終損益が16億円の赤字に転落する、と公表した。 「湯水のごとくお金がかかった」 理由は、あるホテルの建築工事で「最終段階の設備工事に入ったところで、サブコンが万歳した(工事を放棄した)」(A氏)ためだ。デザイン性の高いホテルにもかかわらず、そのサブコンは施工仕様を十分に認識していなかった。工事をこなせないと、今年1月に入って突如判断したという。 引き受けてくれる別のサブコンを何とか見つけたが、「2月の竣工に向けて超突貫工事となり、湯水のごとくお金がかかった」(A氏)。 準大手ゼネコンの社員も「最近、サブコンは工事を簡単には引き受けてくれなくなった」と話す。足元では工事発注者からの受注を決める前に、まずサブコンを確保するというゼネコンが増えている』、「建設業界は元請けであるゼネコンを頂点に、重層構造になっている。仕事を発注するゼネコンと、受注する側であるサブコン(空調設備や電気設備などの専門工事会社)を含む下請け会社との間には、「殿様と家来の関係」(内装工事会社の社長)と言われるほど明確な上下関係があった。 しかし今、そのヒエラルキー構造が変わりつつある。 「引き受けてくれるサブコンをなかなか見つけられなかった」と肩を落とすのは上場中堅ゼネコン・大豊(だいほう)建設の幹部・A氏。2月9日、大豊建設は今2024年3月期の最終損益が16億円の赤字に転落する、と公表した。 「湯水のごとくお金がかかった」 理由は、あるホテルの建築工事で「最終段階の設備工事に入ったところで、サブコンが万歳した(工事を放棄した)」(A氏)ためだ。デザイン性の高いホテルにもかかわらず、そのサブコンは施工仕様を十分に認識していなかった』、「工事をこなせないと、今年1月に入って突如判断したという。 引き受けてくれる別のサブコンを何とか見つけたが、「2月の竣工に向けて超突貫工事となり、湯水のごとくお金がかかった」(A氏)。 準大手ゼネコンの社員も「最近、サブコンは工事を簡単には引き受けてくれなくなった」と話す。足元では工事発注者からの受注を決める前に、まずサブコンを確保するというゼネコンが増えている」、なるほど。
・『3つの新秩序が生まれつつある  建設業界は「2024年問題」への対応に必死だ。「働き方改革関連法」に基づく規制が4月から適用され、時間外労働を月45時間・年360時間以内に収めなければならない。労使合意で36(サブロク)協定を結んでいても年720時間が上限とされる。違反した場合は刑事罰の対象になる。 長時間労働の慢性化や若者の流入不足など多くの構造問題を抱える建設業界は規制適用を変革の好機と捉える。「今年がラストチャンス。変革しなければ人が業界に入ってこない」(協同組合東京鉄筋工業協会の飛田良樹理事長)。 変革機運が高まっており、2024年問題を機に、建設業界には「下剋上」ともいえる3つの新秩序が生まれつつある。 1つ目は冒頭で述べたゼネコンとサブコンの立場の逆転だ。「かつては工事代金や工期を厳しくする『サブコンいじめ』があったが、今はとてもそんなことはできない」(準大手ゼネコン幹部)。 サブコンは、半導体工場や製薬工場など、空調や電気に高度な設備を求める工事も多く手がける。近年はこうした利益率の高い工事の選別受注を強化している。 工場の設備工事はゼネコン経由ではなく、メーカーから直接受注することも多い。「直接受注したほうが利益率は数%高い」(大手サブコンの幹部)という。 今やサブコンにそっぽを向かれると自分たちの工事が進まないこともあり、ゼネコンはサブコンなど協力会社の囲い込みを強化する。戸田建設は「協力会社に選んでいただけるゼネコンになる」(山嵜俊博副社長)と、サブコンなどとの連携を密にする。「最近はスーパーゼネコンがサブコンを接待でもてなしている」(土木工事会社の幹部)といった声も聞こえる。) 2つ目はハウスメーカーがゼネコンを凌駕しつつあることだ。 ゼネコンは長年、住宅を手がけるハウスメーカーを下に見る傾向にあった。だが大和ハウス工業が準大手ゼネコンのフジタを傘下に入れるなどゼネコン化して、業容を拡大。大和ハウスの23年3月期の売上高は5兆円に迫り、ゼネコン首位の鹿島の2倍超に膨らんだ。 「2024年問題」でも大和ハウスは先手を打つ。ゼネコンは工事現場の4週8休(週休2日制)の実現が約8割だが、大和ハウスは「かなり前から4週8休ベースの受注」(村田誉之副社長)をしており、今ではおよそ90%の工事現場で実現している。 生産性の低さが指摘されるゼネコンに対し、大和ハウスはDXでも先行する。20年に建設デジタル推進部を設置し、「相当な額をDX領域に投資してきた。2024年問題を見据えてデジタル技術を積極的に活用する」(村田氏)』、「2024年問題を機に、建設業界には「下剋上」ともいえる3つの新秩序が生まれつつある。 1つ目は冒頭で述べたゼネコンとサブコンの立場の逆転だ。「かつては工事代金や工期を厳しくする『サブコンいじめ』があったが、今はとてもそんなことはできない」(準大手ゼネコン幹部)・・・サブコンは、半導体工場や製薬工場など、空調や電気に高度な設備を求める工事も多く手がける。近年はこうした利益率の高い工事の選別受注を強化している。 工場の設備工事はゼネコン経由ではなく、メーカーから直接受注することも多い。「直接受注したほうが利益率は数%高い」(大手サブコンの幹部)という。 今やサブコンにそっぽを向かれると自分たちの工事が進まないこともあり、ゼネコンはサブコンなど協力会社の囲い込みを強化する。戸田建設は「協力会社に選んでいただけるゼネコンになる」・・・2つ目はハウスメーカーがゼネコンを凌駕しつつあることだ。 ゼネコンは長年、住宅を手がけるハウスメーカーを下に見る傾向にあった。だが大和ハウス工業が準大手ゼネコンのフジタを傘下に入れるなどゼネコン化して、業容を拡大。大和ハウスの23年3月期の売上高は5兆円に迫り、ゼネコン首位の鹿島の2倍超に膨らんだ。 「2024年問題」でも大和ハウスは先手を打つ。ゼネコンは工事現場の4週8休(週休2日制)の実現が約8割だが、大和ハウスは「かなり前から4週8休ベースの受注」(村田誉之副社長)をしており、今ではおよそ90%の工事現場で実現している。 生産性の低さが指摘されるゼネコンに対し、大和ハウスはDXでも先行する」、なるほど。
・『デベロッパーとの力関係  新秩序の3つ目はゼネコンがデベロッパーへの発言を強めていることだ。 再開発工事を発注するデベロッパーの立場は圧倒的に強い。最近は大型再開発が多く、工事代金が巨額化し、失注したときの痛手が大きいため受注競争が激化。大手ゼネコンは、工事代金のダンピング(不当な安値受注)だけでなく、工期のダンピング(短工期の受注)にも手を染めた。 しかし足元ではゼネコンもデベロッパーに対する発言を強め、工期の適正化に動いている。鹿島の天野裕正社長は「われわれの工期の提案を理解していただけなければ、受注できなくてもやむなしとする事例も出てきている」と語る。 ゼネコンの業界団体である日建連も後押しする。23年7月、「適正工期確保宣言」を掲げ、会員企業に徹底するように呼びかけた。「建設業の働き方として土曜日に仕事をするのは当たり前という常識を変えなければならない」と日建連の山本徳治事務総長は話す。 3月8日には政府が、工期のダンピングを禁止する建設業法改正案を閣議決定した。 いびつだった業界構造が2024年問題をきっかけに改善され、労働環境の向上につながれば理想的だ。だが、対応に手をこまねいている中堅・中小ゼネコンは多い。 労働環境が変わらず、若者の就労が減り続ければ「将来的にインフラ構築を手がける人材が極端に不足する」(準大手ゼネコン社員)。社会問題に発展する懸念があるだけに、建設業界は本気の意識改革が求められる』、「新秩序の3つ目はゼネコンがデベロッパーへの発言を強めていることだ。 再開発工事を発注するデベロッパーの立場は圧倒的に強い。最近は大型再開発が多く、工事代金が巨額化し、失注したときの痛手が大きいため受注競争が激化。大手ゼネコンは、工事代金のダンピング(不当な安値受注)だけでなく、工期のダンピング(短工期の受注)にも手を染めた。 しかし足元ではゼネコンもデベロッパーに対する発言を強め、工期の適正化に動いている・・・3月8日には政府が、工期のダンピングを禁止する建設業法改正案を閣議決定した。 いびつだった業界構造が2024年問題をきっかけに改善され、労働環境の向上につながれば理想的だ。だが、対応に手をこまねいている中堅・中小ゼネコンは多い。 労働環境が変わらず、若者の就労が減り続ければ「将来的にインフラ構築を手がける人材が極端に不足する」・・・社会問題に発展する懸念があるだけに、建設業界は本気の意識改革が求められる」、その通りだ。

第三に、9月10日付けダイヤモンド・オンライン「ゼネコン各社が軒並み増収の中、清水建設の不調が際立った理由とは?」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/350104
・『2020年に始まったコロナ禍による落ち込みを脱した日本経済。ただ、元通りになったわけではない。デジタル化や脱炭素の潮流が加速し、物価高の影響も続く。その結果、企業によって業績の明暗が分かれている。格差の要因を探るべく、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回は大成建設、鹿島など「ゼネコン」業界4社について解説する』、興味深そうだ。
・『大成建設は約4割の大幅増収 清水建設は4社で唯一、減収  企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下のゼネコン業界4社。対象期間は2024年4~6月期の四半期としている。 各社の増収率は以下の通りだった。 ・大成建設 増収率:39.0%(四半期の売上高4571億円) ・鹿島 増収率:5.1%(四半期の売上高6132億円) ・大林組 増収率:17.9%(四半期の売上高5747億円) ・清水建設  増収率:マイナス9.1%(四半期の売上高4010億円) ゼネコン業界の主要4社では、大成建設、鹿島、大林組が前年同期比で増収、清水建設が減収となった。 大成建設は前年同期比で4割近い大幅増収となった一方で、清水建設は4社で唯一、減収に陥り、増収率には大きな差が付いている。それぞれの増収、減収の要因は何だったのか。 次ページでは各社の増収率の推移を紹介するとともに、2社の業績について解説する』、「大成建設」と「清水建設」の業績を詳しく、合わせて「鹿島建設」「大林組」の業績もみよう。
・『大成建設  24年4~6月期における売上高は4571億円、前年同期比増収率は39.0%だった。この3カ月は同社の25年3月期第1四半期に当たる。 四半期増収率(前年同期比)は、24年3月期第2四半期から4四半期連続でプラスとなっている。 25年3月期第1四半期は前年同期比で4割近い大幅増収となった大成建設。その要因は何だったのか。 25年3月期第1四半期の売上高をセグメント別に見ると、土木事業が売上高1280億円(前年同期比36.1%増)、建築事業が売上高3009億円(同41.5%増)、開発事業が売上高262億円(同33.8%増)といずれも前年同期比で3~4割の増収だった。 土木事業では、手持工事高が増加した。建築事業では、首都圏大型工事の施工が最盛期を迎えており、増収につながった。また、土木、建築いずれの事業においても、前期に建設大手のピーエス三菱(24年7月にピーエス・コンストラクションに社名変更)を連結子会社化したことによる増収効果があった。 利益面では、営業利益188億円、純利益234億円となった。前年同期に当たる24年3月期第1四半期は80億円の営業赤字、23億円の純損失となっていた。 営業利益が黒字化した主な要因としては、建築事業が先述の通り大きく増収したこと、また同事業の利益率が改善したことがある。本連載でも取り上げた通り、前年同期に当たる24年3月期第1四半期には、首都圏の大型案件などで工事損失引当金を計上したことが営業赤字につながっていた(2023年10月11日配信『大成建設がゼネコン4社で「独り負け」最終赤字、施工不良問題の他にもトラブル多発』参照)。25年3月期第1四半期は、こうした損失計上からの反動もあり、一転、黒字化したというわけだ。 25年3月期通期では、売上高1兆9900億円(前期比12.7%増)、営業利益870億円(同228.5%増)、純利益650億円(同61.4%増)と増収、そして大幅増益を見込む』、「大成建設・・・前年同期に当たる24年3月期第1四半期には、首都圏の大型案件などで工事損失引当金を計上したことが営業赤字につながっていた・・・25年3月期第1四半期は、こうした損失計上からの反動もあり、一転、黒字化したというわけだ」、なるほど。
・『鹿島  24年4~6月期における売上高は6132億円、前年同期比増収率は5.1%だった。この3カ月は同社の25年3月期第1四半期に当たる。 四半期増収率(前年同期比)は、22年3月期第1四半期から13四半期連続でプラスとなっている』、略。
・『大林組  24年4~6月期における売上高は5747億円、前年同期比増収率は17.9%だった。この3カ月は同社の25年3月期第1四半期に当たる。 四半期増収率(前年同期比)は、24年3月期第1四半期から5四半期連続でプラスとなっている』、略。
・『清水建設  24年4~6月期における売上高は4010億円、前年同期比増収率はマイナス9.1%だった。この3カ月は同社の25年3月期第1四半期に当たる。 四半期増収率(前年同期比)は、24年3月期第4四半期から2四半期連続でマイナスに陥っている。 25年3月期第1四半期では、ゼネコン主要4社で唯一前年同期比減収となった清水建設。その要因は何だったのか。 25年3月期第1四半期のセグメント別売上高は、以下の通りだった。 建設事業:売上高2832億円(前年同期比18.1%減) 投資開発事業:売上高89億円(同21.5%増) 道路舗装事業:売上高311億円(同2.6%増) 投資開発事業や道路舗装事業は前年同期比で増収だったが、主力の建設事業が2桁減収に陥った。 連結決算における建設事業の売上高の内訳については開示されていないが、清水建設単体の建設事業については、建築と土木で売上高がそれぞれ発表されているので見てみると、建築事業が売上高2203億円(前年同期比24.4%減)、土木事業が売上高656億円(同17.3%増)となっている(いずれも25年3月期第1四半期)。 建築事業については、国内が売上高2089億円(同26.6%減)、海外が売上高114億円(同63.6%増)となっており、国内における売上高が減少していることが分かる。さらに内訳を見てみると、官公庁が売上高198億円(同8.1%減)、民間が1891億円(同28.1%減)となっていて、民間向けの売上高が大きく減少している。 連結決算に話を戻そう。25年3月期第1四半期では、営業利益18億円(前年同期比70.2%減)、純利益24億円(同87.1%減)と大幅減益となった。完成工事高の減少により完成工事総利益が減少したことや、販売費及び一般管理費が増加したことが減益につながった。 25年3月期通期では、売上高1兆8000億円(前期比10.2%減)、営業利益410億円(前期は247億円の営業赤字)、純利益400億円(前期比133.0%増)を見込む。売上高は減収となるが、黒字転換を目指す』、「清水建設・・・道路舗装事業:売上高311億円(同2.6%増) 投資開発事業や道路舗装事業は前年同期比で増収だったが、主力の建設事業が2桁減収に陥った・・・25年3月期通期では、売上高1兆8000億円(前期比10.2%減)、営業利益410億円(前期は247億円の営業赤字)、純利益400億円(前期比133.0%増)を見込む。売上高は減収となるが、黒字転換を目指す」、やはり「清水建設」は「25年3月期通期」でも苦しいようだ。  
タグ:「清水建設・・・道路舗装事業:売上高311億円(同2.6%増) 投資開発事業や道路舗装事業は前年同期比で増収だったが、主力の建設事業が2桁減収に陥った・・・25年3月期通期では、売上高1兆8000億円(前期比10.2%減)、営業利益410億円(前期は247億円の営業赤字)、純利益400億円(前期比133.0%増)を見込む。売上高は減収となるが、黒字転換を目指す」、やはり「清水建設」は「25年3月期通期」でも苦しいようだ。 「大成建設・・・前年同期に当たる24年3月期第1四半期には、首都圏の大型案件などで工事損失引当金を計上したことが営業赤字につながっていた・・・25年3月期第1四半期は、こうした損失計上からの反動もあり、一転、黒字化したというわけだ」、なるほど。 「工事をこなせないと、今年1月に入って突如判断したという。 引き受けてくれる別のサブコンを何とか見つけたが、「2月の竣工に向けて超突貫工事となり、湯水のごとくお金がかかった」(A氏)。 準大手ゼネコンの社員も「最近、サブコンは工事を簡単には引き受けてくれなくなった」と話す。足元では工事発注者からの受注を決める前に、まずサブコンを確保するというゼネコンが増えている」、なるほど。 「大成建設」と「清水建設」の業績を詳しく、合わせて「鹿島建設」「大林組」の業績もみよう。 「建設業界は元請けであるゼネコンを頂点に、重層構造になっている。仕事を発注するゼネコンと、受注する側であるサブコン(空調設備や電気設備などの専門工事会社)を含む下請け会社との間には、「殿様と家来の関係」(内装工事会社の社長)と言われるほど明確な上下関係があった。 しかし今、そのヒエラルキー構造が変わりつつある。 「引き受けてくれるサブコンをなかなか見つけられなかった」と肩を落とすのは上場中堅ゼネコン・大豊(だいほう)建設の幹部・A氏。2月9日、大豊建設は今2024年3月期の最終損益が16億円の赤字に転落す 東洋経済オンライン「ゼネコンよりサブコンが上?建設業界の新秩序 下請けとは「殿様と家来」の関係だったが…」 ダイヤモンド・オンライン「ゼネコン各社が軒並み増収の中、清水建設の不調が際立った理由とは?」 いびつだった業界構造が2024年問題をきっかけに改善され、労働環境の向上につながれば理想的だ。だが、対応に手をこまねいている中堅・中小ゼネコンは多い。 労働環境が変わらず、若者の就労が減り続ければ「将来的にインフラ構築を手がける人材が極端に不足する」・・・社会問題に発展する懸念があるだけに、建設業界は本気の意識改革が求められる」、その通りだ。 「新秩序の3つ目はゼネコンがデベロッパーへの発言を強めていることだ。 再開発工事を発注するデベロッパーの立場は圧倒的に強い。最近は大型再開発が多く、工事代金が巨額化し、失注したときの痛手が大きいため受注競争が激化。大手ゼネコンは、工事代金のダンピング(不当な安値受注)だけでなく、工期のダンピング(短工期の受注)にも手を染めた。 しかし足元ではゼネコンもデベロッパーに対する発言を強め、工期の適正化に動いている・・・3月8日には政府が、工期のダンピングを禁止する建設業法改正案を閣議決定した。 2倍超に膨らんだ。 「2024年問題」でも大和ハウスは先手を打つ。ゼネコンは工事現場の4週8休(週休2日制)の実現が約8割だが、大和ハウスは「かなり前から4週8休ベースの受注」(村田誉之副社長)をしており、今ではおよそ90%の工事現場で実現している。 生産性の低さが指摘されるゼネコンに対し、大和ハウスはDXでも先行する」、なるほど。 益率は数%高い」(大手サブコンの幹部)という。 今やサブコンにそっぽを向かれると自分たちの工事が進まないこともあり、ゼネコンはサブコンなど協力会社の囲い込みを強化する。戸田建設は「協力会社に選んでいただけるゼネコンになる」・・・2つ目はハウスメーカーがゼネコンを凌駕しつつあることだ。 ゼネコンは長年、住宅を手がけるハウスメーカーを下に見る傾向にあった。だが大和ハウス工業が準大手ゼネコンのフジタを傘下に入れるなどゼネコン化して、業容を拡大。大和ハウスの23年3月期の売上高は5兆円に迫り、ゼネコン首位の鹿島の 「2024年問題を機に、建設業界には「下剋上」ともいえる3つの新秩序が生まれつつある。 1つ目は冒頭で述べたゼネコンとサブコンの立場の逆転だ。「かつては工事代金や工期を厳しくする『サブコンいじめ』があったが、今はとてもそんなことはできない」(準大手ゼネコン幹部)・・・サブコンは、半導体工場や製薬工場など、空調や電気に高度な設備を求める工事も多く手がける。近年はこうした利益率の高い工事の選別受注を強化している。 工場の設備工事はゼネコン経由ではなく、メーカーから直接受注することも多い。「直接受注したほうが利 「清水建設では国内外における複数の大型建築工事で採算が悪化し、工事損失引当金を計上した。第3四半期累計の工事損失引当金の総額は1215億円に上る(前年同期は655億円)。低採算の工事が会社全体の利益を押し下げる・・・過年度に工事損失引当金を計上した海外大型建築工事で、地中障害の発生に伴う工程遅延や労務費の増加、円安の影響などにより見積総原価が増大し、さらなる工事損失の発生が見込まれる」、なるほど。 「大林組の主な減益要因は下記の3点である。 ・前年同期に発生した大型不動産の売却に伴う反動減の影響 ・子会社の海外土木事業で貸倒引当金を計上した影響 ・販売費及び一般管理費(人件費や研究開発費など)の増加」、なるほど。 「鹿島における第3四半期累計の利益面は・・・純利益が同6.7%減の766億円。海外開発事業における営業外収益の減少が最終減益につながった」、なるほど。 鹿島 「主力の建築事業が減収と営業赤字に陥り、全社の業績を圧迫していることが分かった。建築事業では、東京都世田谷区の本庁舎整備工事で工程遅延が起き、損失を計上したことが響いた。また、建設コスト上昇に伴う「物価スライド協議」が合意に至らず、一部の国内工事で収支が悪化した。 このほか、賃上げに伴う人件費の増加や、投資計画に基づく技術開発費の増加も、全社での大幅減益につながった」、なるほど。 大成建設 「ゼネコン4社が軒並み利益面で苦しんでいる・・・なぜ、各社の利益面は大打撃を受けているのか」、なぜだろう。 ダイヤモンド・オンライン「清水建設が「役員報酬返上」に及ぶ営業利益905億円“下方修正”の衝撃!ゼネコン決算大ピンチ ゼネコン業界決算報(2023年8~12月四半期編)」 (その1)(清水建設が「役員報酬返上」に及ぶ営業利益905億円“下方修正”の衝撃!ゼネコン決算大ピンチ ゼネコン業界決算報(2023年8~12月四半期編)、ゼネコンよりサブコンが上?建設業界の新秩序 下請けとは「殿様と家来」の関係だったが…、ゼネコン各社が軒並み増収の中 清水建設の不調が際立った理由とは?) ゼネコン
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。