中国国内政治(その16)(中国の権力闘争が止まらない…習近平が文革を想起させる地で「軍への逆襲」始める中 李強が打って出た まさかの「除習」行動、中国・習近平 いよいよ「終わりの始まり」か…軍の「個人独裁」連続批判に追い詰められた習主席が孤独な恫喝、習近平 トランプ政権が仕掛ける「対中強硬」に防戦一方…!「関税」「合成麻薬」 そして再燃する「コロナ中国流出説」で 万事休すか、中国 チベットに世界最大級の水力発電ダム建設へ) [世界情勢]
中国国内政治については、昨年10月29日に取上げた。今日は、(その16)(中国の権力闘争が止まらない…習近平が文革を想起させる地で「軍への逆襲」始める中 李強が打って出た まさかの「除習」行動、中国・習近平 いよいよ「終わりの始まり」か…軍の「個人独裁」連続批判に追い詰められた習主席が孤独な恫喝、習近平 トランプ政権が仕掛ける「対中強硬」に防戦一方…!「関税」「合成麻薬」 そして再燃する「コロナ中国流出説」で 万事休すか、中国 チベットに世界最大級の水力発電ダム建設へ)である。
先ずは、昨年11月21日付け現代ビジネスが掲載した評論家の石 平氏による「中国の権力闘争が止まらない…習近平が文革を想起させる地で「軍への逆襲」始める中、李強が打って出た、まさかの「除習」行動』
https://gendai.media/articles/-/141820
・『排除された習近平が 11月6日掲載の「中国の『独裁体制』にいったい何が…『習近平の名前』が党中央政治局と人民解放軍の重要文書から消えた!」で、中国人民解放軍が10月30日に公表の重要文書において露骨な「習近平排除」を行ったことを伝えた。それから2週間が経ったころ、習近平主席は早速、軍への逆襲を始めた模様である。 11月4日、湖北省で視察中の習主席は、湖北某所に駐屯の解放軍落下傘部隊を視察した。習主席は地方視察中に解放軍部隊を視察することは往々にあるが、今回の場合、制服組トップの張又侠・中央軍事委員会副主席が習主席を実質上軍から排除して解放軍の掌握に成功したと観察されている中で、習主席の軍視察は大変注目すべき動きである。 10月15日から2日間、習主席は福建省を視察したが、その直前の14日に解放軍がまさに福建省を最前線にして台湾を囲んで軍事演習を行った。にもかかわらず、習主席が福建省視察中に軍の視察も軍との接触もいっさいなかったことは上記記事でも伝えたが、これと比べると、11月4日の解放軍視察はわざとらしくて、何かの特別な政治的意図があることは考えられる』、「解放軍視察はわざとらしくて、何かの特別な政治的意図があることは考えられる」、その通りだ。
・『何衛東・中国共産党中央軍事委員会副主席 そこで注目されるのは、習主席の落下傘部隊視察に同伴したのが、中央軍事委員会副主席で解放軍制服組No.2の何衛東氏であることだ。10月30日掲載の「習近平はもうおしまいなのか…中国人民解放軍で『静かなクーデター』!粛清に反抗してとうとう制服組トップが軍を掌握」で伝えたように、何氏は9月13日に北京で開催された安全保障関係の国際フォーラムに参加して以来、9月、10月中には公の場から姿を消して動静はいっさい伝わっていない。) 文化大革命前夜と同じく湖北省から(特に、10月中に軍事委員会副主席の張又侠氏が主宰した二つの軍の重要会議・イベントに、同じ副主席の何氏が連続的に欠席したことはもはや異常事態である。つまり、張氏が「静かな政変」を起こして軍からの習主席排除に成功した中で、主席側近の何氏も一緒に排除されたのではないかとの観測も成り立つのである。 しかし今、約50日間にわたって姿を消して何氏が突如現れて、習主席の落下傘部隊に視察に同伴した。そのことの意味するところは、習主席が側近の何氏と共に、張又侠たちの下剋上の「静かな政変」に対し「上からの政変」を起こして、軍への掌握権を奪い返しに奇襲してきたのではないかと見ることができる。 その際、習主席の「上からの政変」は地方の解放軍部隊への視察から始まったことも興味深い。つまり、軍の中央が張氏たちによって掌握される中で、習主席側は地方からそれを打破する突破口を作り、中央への逆襲に打って出た訳である。 かつての毛沢東時代、文化大革命の前夜、毛沢東が劉少奇一派より中央での発言力を排除された時、まさに地方視察を行なって中央への反撃を開始した。そして奇しくも、当時の毛沢東は湖北省視察の直後に、北京に戻って劉少奇一派打倒の文化大革命を発動した。今、「第二の毛沢東」を目指した習近平は、湖北省視察から、軍の掌握権の奪い返しに動き出した模様であるが、それが成功できるかどうかは、まさにこれからの見どころである』、「「第二の毛沢東」を目指した習近平は、湖北省視察から、軍の掌握権の奪い返しに動き出した模様であるが、それが成功できるかどうかは、まさにこれからの見どころである」、その通りだ。
・『古い休日復活の意味 習主席と解放軍との亀裂が深まる中で、今や政府の長として習主席と対立関係にある李強首相の動向が注目されている。その李強は最近になって再び、「習近平排除」とも思われるような小さな政治行動に出た。 11月12日配信の新華社通信報道によると、李首相は近日、「全国の祭日及び記念日休暇に関する条例を改定する国務院の決定」に署名し、それを実施に移したという。それによって、来年1月1日から、全国の法定休日が2日分増やされる。その中で大変注目されているのは、「除夕」という伝統祭日を法定休日に再び定めたことである。 「除夕」とは、旧正月の元旦の前日のこと、日本の「大晦日」にあたる。それは、中国人にとっては一家団欒の大切な日であって、除夕の夜、家族が集まって「年夜飯」という宴会の食卓を囲むのは遠い昔からの習俗である。従って遠い昔から、除夕の日に(あるいはその前日から)いっさいの仕事をやめて休むのは当たり前のことで不動の習慣であった。そして2008年1月から、除夕は国務院令をもって法定休日にも定められた。 しかし、2014年1月から、除夕はどういうわけか、同じ国務院令をもって法定休日から外された。除夕が休日ではなくなるのはおそらく、中国史上初めてのことであろう。その時、国務院は徐夕の休日外しの理由をきちんと説明しなかった』、「2014年1月から、除夕はどういうわけか、同じ国務院令をもって法定休日から外された。除夕が休日ではなくなるのはおそらく、中国史上初めてのことであろう。その時、国務院は徐夕の休日外しの理由をきちんと説明しなかった」、なるほど。
・『「除夕」、その発音の意味するところ それに関する様々な推測が出ていたが、その中の有力説の一つは、2013年3月に中国の国家主席になったばかりの習近平氏が「除夕」を嫌っているからだ、というものである。 実は中国語では、「夕」という単語は習主席の名字の「習」とは全く同じ発音の「Xi」である。「除夕」は中国語で発音すればそのまま「除習=習近平を除く」となる。だから習主席がそれを忌避して除夕を休法定休日から外させた、ということが、民間での「定説」となっていた。 しかし10年後の今になって、李首相が国務院の決定として「除夕」を再び法定休日に指定して昔の伝統を回復させた。当然、李首相としては「除夕」が習近平政権の下で休日から外されたその経緯が分かっているはずだし、「習主席が除夕を嫌う」という広く流布されている民間の言い伝えを全く知らないとは思えない。 もし、李首相が全てを知った上で日この挙動に出たのであれば、これは李首相による一連の「習近平排除」の政治行動の一環として解釈することもできる。どうやら李首相は何の遠慮もなく、「除習」を着々とやって行くつもりのようだ。今後の展開は楽しみであろう』、「実は中国語では、「夕」という単語は習主席の名字の「習」とは全く同じ発音の「Xi」である。「除夕」は中国語で発音すればそのまま「除習=習近平を除く」となる。だから習主席がそれを忌避して除夕を休法定休日から外させた、ということが、民間での「定説」となっていた・・・10年後の今になって、李首相が国務院の決定として「除夕」を再び法定休日に指定して昔の伝統を回復させた。当然、李首相としては「除夕」が習近平政権の下で休日から外されたその経緯が分かっているはずだし、「習主席が除夕を嫌う」という広く流布されている民間の言い伝えを全く知らないとは思えない。 もし、李首相が全てを知った上で日この挙動に出たのであれば、これは李首相による一連の「習近平排除」の政治行動の一環として解釈することもできる。どうやら李首相は何の遠慮もなく、「除習」を着々とやって行くつもりのようだ。今後の展開は楽しみであろう」、その通りだ。
次に、12月22日付け現代ビジネスが掲載した評論家の石 平氏による「「中国・習近平体制、いよいよ「終わりの始まり」か…軍の「個人独裁」連続批判に追い詰められた習主席が孤独な恫喝」を紹介しよう。
https://gendai.media/articles/-/143662
・『習主席、「外野」からの反撃 中国の習近平国家主席と人民解放軍との「政治闘争」が、いよいよ佳境に入ってきた。これまでに習主席の側近幹部らが腐敗摘発などでその座を追われ、軍の伝統的な主流派である陸軍が習主席の影響力を排除し、人事面で支配権を握ることに成功している。そして、12月に入ってから、両者の言論戦はますます激しくなっているのである。 優勢なのは軍の側で、習近平主席は実は追い詰められている。この抗争で軍は、単に習主席の軍への支配権の喪失だけではなく、もはや、明らかに中国共産党内での習主席の個人独裁体制の否定を目指している。 そして12月16日、習主席はとうとう自ら反撃に出た。この日、習主席は共産党長老で故人となっている喬石氏の生誕百周年を記念する座談会に出席した。じつは国家主席がわざわざ出席するほどの行事では無いのだが別な意図があったのだろう。その中で「党の全面的指導と党中央の集中統一指導を終始堅持しなければならない」という「重要講話」を発したのである。 習主席がここで強調した「党中央の集中統一指導の堅持」は明らかに、12月11日に軍の機関紙「解放軍報」が集団指導体制を意味する「民主集中制」を提唱したことに対し反撃を行ったものだ。 習主席は軍事委員会主席として解放軍の名目上の最高統帥者である。にもかかわらず「解放軍報」の展開する「習近平批判」を圧殺することも、止めることもできなかった。「喬石生誕」という軍とは関係のない「外野」から反撃を行うしか無かったということは、習主席がすでに、軍に対するコントロールを完全に失っていることを意味する。さらいえば、こうした反撃が側近や子分によってではなく、習主席自身によって行われたことは、子分たちがすでに習近平と距離をおいたことの兆候であるのかもしれない』、「習主席は軍事委員会主席として解放軍の名目上の最高統帥者である。にもかかわらず「解放軍報」の展開する「習近平批判」を圧殺することも、止めることもできなかった。「喬石生誕」という軍とは関係のない「外野」から反撃を行うしか無かったということは、習主席がすでに、軍に対するコントロールを完全に失っていることを意味する・・・子分たちがすでに習近平と距離をおいたことの兆候であるのかもしれない」、なるほど。
・『「恫喝」するまでに追い詰められたのか そして、同時に、習主席はもう一つの行動に出た。同じ16日の「人民日報」の一面トップには、習主席の文章が党機関誌の「求是」に掲載されることを予告する記事がでた。そこで紹介されている「習近平文章」の中には、「党の自己革命」の命題に関連して次のような言葉があった。 「外部環境の変化と党員集団自身の変化に伴って、党内では不可避的にさまざまな矛盾と問題が生じてくる。われわれは刃を内部に向ける勇気を持って、あらゆる消極的な影響を除去しなければならない」という。 ここでは習近平は、「党内でさまざま矛盾や問題が生じている」との表現を使って、党内で対立が生じてきていることを認めた上で、それへの対策としては「刃を内部に向ける」という殺気の立つ、際どい言葉を使って、自分への攻撃に対する恫喝を行ったのである。 習主席が、ここまでの反撃に出たのには理由がある。11月に習主席が抜擢した、党中央軍事委員会政治工作部の苗華・主任が失脚したことで、軍内部での習主席の影響力排除は完結していた。しかし、軍の習主席批判は、それで終わりにはならなかった。12月に入ってから、軍の機関紙「解放軍報」が執拗に、批判論評を掲載し続けているのである。このことは、習主席と反習派の「政治抗争」が新たな段階に入ったことを示唆している』、「軍の機関紙「解放軍報」が執拗に、批判論評を掲載し続けているのである。このことは、習主席と反習派の「政治抗争」が新たな段階に入ったことを示唆している」、なるほど。
・『鄧小平を持ち出して習近平批判の意味 12月9日、「解放軍報」は「集団的指導体制を堅持せよ」と題する論評を掲載した。「集団的指導体制」というのは、鄧小平時代の共産党指導部が、文革などの災難をもたらした毛沢東の個人独裁体制に対する反省から提唱したものであって、江沢民・胡錦濤政権時代も共産党指導体制の「基本原則」として貫徹されていた。 しかし習近平政権時代になると、習主席はそれを徐々に破壊して、一昨年の党大会では毛沢東以上の個人独裁体制を確立した。したがって今回の解放軍報論評は、タイトル一つにしても、まさに「鄧小平回帰、習近平批判」の色彩の強いものである。 そして内容を見てみると、冒頭から「我が党においては、重大な意思決定は個人によってではなく集団によって行われるのは伝統である」と鄧小平の発言を引用。 さらに「党の指導というのは党委員会による集団的指導であって、一人、二人の指導者の指導ではない。つまり、各級党組織の指導体制の中では、何人といえども、集団的指導体制を堅持なければならないし、重大問題の意思決定は集団の討議によって行うべきである。個人は組織に従い、少数は多数に従う。個人が上から指導集団を凌駕するようなことは絶対あってはならない」。 「一部の党委員会では、重要な決定は党委員会会議によってではなく、個人が決めることとなっている。党委員会は飾り物となっている。個別の主要指導者が集中を口実にして家父長的な“鶴の一声”で物事を決め、集団的指導体制を無きもの同然にしている」と続く。 ここでは名指しはされていないものの、ほぼ完全に習主席その人に矛先を向けたものであることは現在の中国政治の現状を多少とも知っている人であれば直ぐに分かる。中でも「個別の主要指導者」という表現は相当露骨なものである。要するに、読む人がすぐに分かってくれるように、批判の対象が習主席であることを強く示唆しているのである』、「ここでは名指しはされていないものの、ほぼ完全に習主席その人に矛先を向けたものであることは現在の中国政治の現状を多少とも知っている人であれば直ぐに分かる。中でも「個別の主要指導者」という表現は相当露骨なものである。要するに、読む人がすぐに分かってくれるように、批判の対象が習主席であることを強く示唆しているのである」、なるほど。
・『「個人独裁批判」 そして12月11日、「解放軍報」はまたもや、「個人独裁批判」の論評を掲載した。「先頭に立って党内民主を発揚させよう」をタイトルとするこの論評は、「民主集中制」という言葉を持ち出して次のように論じている。 「民主集中制というのは、先に民主があって後に集中がある。党の組織の中では、書記・副書記は平の委員とは平等の関係であり、問題を討議し決定するときには平等の発言権と表決権を有する。……書記は“班長”」ではあるが、“一家の主人”ではない。書記と委員との関係は上下関係ではない」と。 9日掲載の解放軍報論評は「党の指導というのは党委員会による集団的指導であって、一人、二人の指導者の指導ではない」と述べてかなり露骨な「習近平批判」を行ったが、ここで、「書記」という言葉を使ってより一層明確に、その矛先はまさに「習近平総書記」に向けていることを示唆している。そして「書記は一家の主人ではない」という言葉はまた、習近平のワンマン独裁体制に対する真正面からの否定と批判であるに他なない。 論評がここで持ち出した「民主集中制」というのは一応、中国共産党(そして、日本共産党も)の政治伝統の一つであるが、それはかなり玉虫色のものであって、同じ「民主集中制」と言っても「民主」を強調する場合と「集中」を強調するのと全然違う。しかし上述の解放軍報は明らかに「民主」の方を強調するものであって、要するに共産党の政治伝統を持ち出して今の習近平独裁政治を批判しているのである。 12月18日、「解放軍報」はさらに論評を掲載した。今回のタイトルは「先頭に立って実のあることを確実にやろう」というようなものであって一見、今までの論評とは無関係であるが、実はそうではない。中国国内では、「大言壮語ばかり吐いて実際のことは何できない」という「習近平像」が定着している中で、そのタイトル自体は習近平風刺だと理解できるし、さらにその内容はやはり、上述の「民主集中制」を持ち出してその重要性を強調しているのである。 このようにして、軍の「習近平独裁体制批判」は収束することなく、むしろバージョンを変えてエスカレートしてきている観であるが、それは、1)解放軍の「習近平批判」は発作的・偶発的なものではなく、計画的・確信犯的なものであることを示している。2)さらに、軍は全く習近平を恐れていないこと、自分たちが習近平によって何かをされるのを心配していないことを意味する。習近平の軍支配が、すでに終わったことはこれでよく分かる』、「1)解放軍の「習近平批判」は発作的・偶発的なものではなく、計画的・確信犯的なものであることを示している。2)さらに、軍は全く習近平を恐れていないこと、自分たちが習近平によって何かをされるのを心配していないことを意味する。習近平の軍支配が、すでに終わったことはこれでよく分かる」、なるほど。
・『抗争は激化する 以前、7月27日に、同じ「解放軍報」は、「党内政治生活の低俗化は戒めるべき」という論評の中で、「いま、個別なところでは党内政治生活が正常さを失い、個人は党組織の上に凌駕し、家長制的なやり方で、鶴の一声で物事を決めるようなことが起きている」と、独裁者の習近平主席を暗に批判した。今回の一連の論評はこの延長線の上でより露骨な習近平批判を展開し、さらに鄧小平時代の集団的指導体制を持ち出してそれを高く評価したところに注目のポイントがある。 習政権3期目に入り、ここまで習主席が引き上げた軍幹部の腐敗問題での粛清が続き、11月の党中央軍事委員会政治工作部の苗華・主任失脚で、制服組トップの張又侠軍事委員会副主席らの勢力が習主席の指導権を軍から排除することに成功した。 しかし、その後の12月の一連の解放軍報論評を見ていると、どうやら張副主席らは、習主席の指導権を軍から排除しただけでは満足しておらず、党の指導体制を鄧小平の集団的指導体制に戻すことによって、党全体に対する習近平個人独裁体制の終了を目指している模様である。 冒頭で紹介した、習主席の「恫喝」は、このような自分に対する攻撃への威嚇である。しかし、それに、どれほどの効果があるかは疑問である。問題は、張又侠氏らの軍の実力者たちたちはこのような恫喝を受けて、自分たちを守っていくためにはむしろより一層「反習近平」に走ってしまい、習主席と軍との対立がより深まって激化する可能性が十分にあることだ。 来年からの展開はまさに「楽しみ」である。 【さらに詳しく】中国の権力闘争が止まらない…習近平が文革を想起させる地で「軍への逆襲」始める中、李強が打って出た、まさかの「除習」行動』、「習主席の「恫喝」は、このような自分に対する攻撃への威嚇である。しかし、それに、どれほどの効果があるかは疑問である。問題は、張又侠氏らの軍の実力者たちたちはこのような恫喝を受けて、自分たちを守っていくためにはむしろより一層「反習近平」に走ってしまい、習主席と軍との対立がより深まって激化する可能性が十分にあることだ。 来年からの展開はまさに「楽しみ」である」、なるほど。
第三に、12月4日付け現代ビジネスが掲載した経済産業研究所コンサルティングフェローの藤 和彦氏による「習近平、トランプ政権が仕掛ける「対中強硬」に防戦一方…!「関税」「合成麻薬」、そして再燃する「コロナ中国流出説」で、万事休すか」を紹介しよう。
https://gendai.media/articles/-/142540?imp=0
・『再燃する「新型コロナ“中国”流出説」 トランプ次期政権の主要人事がほぼ固まりつつある。とりわけ対中国、習近平国家主席にとって厳しい人事となったのが、前国家情報長官のジョン・ラトクリフ氏が中央情報局(CIA)長官に指名されたことだろう。 なにしろ、彼は対中強硬派であり、ウイグル人の強制労働など人道的罪や武漢ウイルス研究所から新型コロナウイルスが流出したことを隠蔽していたと主張していることで知られているからだ。 折しも、中国で厳格なゼロコロナ政策に抗議する「白紙運動」が起きてから、11月27日で2年が経過した。 2年が経過した今も当局による監視が続いているが、景気低迷のせいで社会全体に不満がたまり、やり場のない怒りが無差別殺傷事件(社会報復事件)という形で、中国各地で噴出している感がある。 「社会報復事件を起こす犯罪予備軍の数は億単位に上る」との分析もあり、世界に冠たる監視システムを構築した中国政府はさらなる対策の実施を余儀なくされている。 米トランプ政権の復活で、中国の置かれる立場はますます厳しいものとなるだろう』、「世界に冠たる監視システムを構築した中国政府はさらなる対策の実施を余儀なくされている」、なるほど。
・『国防予算を上回る「治安維持費」1 1月24日付シンガポール華字メデイア「聯合早報」は「中国の司法当局はビッグデータを活用した予測により防犯能力を高めようとしている」と報じた。 それによれば、中国共産党中央政法委員会は地方当局に対し、ビッグデータの分析を通じて事件発生のリスクを予測し、正確かつ精密な防犯能力を向上させるための調査研究を要求したという。 中国政府ご自慢のハイテクを駆使した犯罪抑止策だ。これにより、一定の効果が出るかもしれないが、不満を抱える国民に対し、中国政府が真摯な態度で向き合わなければ抜本的な治安の改善は望めないのではないかとの不安が頭をよぎる。 中国政府が国内の治安維持などに使う公共安全予算は、2015年以来、国防予算を上回っている。 昨今の治安悪化を踏まえ、公共安全予算はさらに拡大し、中国政府にとって大きな圧迫要因となる可能性は十分にある』、「中国政府が国内の治安維持などに使う公共安全予算は、2015年以来、国防予算を上回っている。 昨今の治安悪化を踏まえ、公共安全予算はさらに拡大し、中国政府にとって大きな圧迫要因となる可能性は十分にある」、なるほど。
・『「チャイナ・ガール」の規制 さらに、トランプ次期政権が大きな圧迫要因となることは避けられない。 トランプ次期大統領は、11月25日「中国からのほぼ全ての輸入品に対して追加で10%の関税をかける」と自身のSNSに投稿した。中国からメキシコなどを経由し、合成麻薬「フェンタニル」が米国に流入していることがその理由だ。 トランプ氏は「中国と何度も話し合ったが無駄だった。フェンタニルはこれまでにない水準で米国に流れ込んでいる」と批判している。 米国では毎年、フェンタニルの過剰摂取で約7万人が死亡している。フェンタニルを米国に持ち込んでいるのはメキシコの麻薬組織だが、その原材料を供給しているのは中国であることから、米国では「チャイナ・ガール」と呼ばれている。 トランプ氏は選挙期間中「メキシコと中国がフェンタニルの米国の流入を阻止するまで両国からの輸入品に25%の関税をかける」と主張しており、その公約を早期に実施する構えを見せた形だ。 これに対し、中国政府は「フェンタニルの原料に対する統制を既に実施しており、バイデン政権はこれを評価している」と猛反発している。 「デイール(取引)」に応じようとしない中国に対し、トランプ氏がさらに圧力をかけてくるのは時間の問題だ』、「バイデン政権はこれを評価している」と猛反発」、「バイデン」のような甘い姿勢でなく、「トランプ」が「さらに圧力をかけてくるのは時間の問題だ」、楽しみだ。
・『アヘン戦争から「コロナ戦争」へ トランプ氏は「関税」を武器としているが、大統領に自由裁量が与えられているわけではなく、法的な根拠が必要だ。 トランプ氏が拠り所にしているのは、通商法232条だとされている。国家安全保障のために関税を利用する権限を大統領に与えた条項で、トランプ氏は1期目にこれを根拠に鉄鋼やアルミニウムの輸入関税を引き上げた。フェンタニルについては、「21世紀版アヘン戦争を仕掛ける中国に対する対抗措置だ」という正当な理由があるというわけだ。 これに加えて、筆者は「『2匹目のドジョウ』がいる」と考えている。それが、もちろん冒頭に紹介した「新型コロナウイルス」の流出隠蔽への追及が高まることだ。 後編『アメリカ諜報機関が狙う「新型コロナ起源説」で習近平、万事休すか…!中国を丸裸にする次期CIA長官の「ヤバすぎる履歴書」』でじっくりとお伝えしていこう』、「「新型コロナウイルス」の流出隠蔽への追及が高まる」を『2匹目のドジョウ』として活用するのであれば、成果が楽しみだ。
第四に、9月6日付け現代ビジネスが掲載した経済産業研究所コンサルティングフェローの藤 和彦氏による「習近平の大誤算…!現実味を帯びはじめた「新型コロナ“武漢研究所“流出説」で、トランプが公言する中国への「巨額賠償」、その悲惨な中身」を紹介しよう。
https://gendai.media/articles/-/115662
・『中国系企業から「ヤバいウイルス」が見つかった! 新型コロナウイルスの起源が、中国の「武漢ウイルス研究所」であるとの認識がアメリカの政府系機関の間で広がっている。 前編『習近平は何を隠したのか…?新型コロナの“起源”がアメリカで次々と明らかとなる「ヤバすぎる事情」』でお伝えしたとおり、今年に入ってからも米ウオール・ストリート・ジャーナルや、英「サンデータイムズ」(イギリスの日刊紙「タイムズ」の週末版)などで次々に報じられた。 サンデータイムズによれば、遅くとも2017年から中国軍事医学科学院と共同で秘密裡にコロナウイルス研究を実施していた武漢ウイルス研究所は、アメリカの非営利団体「エコヘルス・アライアンス」を介して65万ドルもの米連邦資金を得ていたという(なお、米国政府は7月17日、武漢ウイルス研究所の米連邦資金へのアクセスを停止する決定を行った)。 しかし、この8月、さらに衝撃的な事実が明らかになった。 カリフォルニア州フレズノ郡リードレー市にある中国系企業プレステージ・バイオテック社が運営する研究施設から、新型コロナウイルスを含む20種類以上の病原体が見つかったのだ』、「武漢ウイルス研究所は、アメリカの非営利団体「エコヘルス・アライアンス」を介して65万ドルもの米連邦資金を得ていたという」、「カリフォルニア州フレズノ郡リードレー市にある中国系企業プレステージ・バイオテック社が運営する研究施設から、新型コロナウイルスを含む20種類以上の病原体が見つかったのだ」、後者に至ってはとんでもないことだ。
・『なんと「流出説」は中国体制派からも飛び出した! 新型コロナ以外の病原体では、HIV、マラリア、風疹、ヘルペス、デングなどのウイルスが検出されている。 研究施設からは、新型コロナに感染するよう遺伝子操作された約1000匹のネズミや800に及ぶ化学物資、血液などの体液、大量の医療廃棄物なども発見されている。プレステージ・バイオテック社は、新型コロナなどの迅速検査法を開発していたようだが、リードリー市から正式なライセンスを取得していなかったため、同市は今年3月に同施設に立ち入り調査を実施するまでその活動を全く把握していなかった。 中国系企業が新型コロナを使った実験を秘密裡に実施していたことが明るみになったことで、米国では「武漢ウイルス研究所説」への関心が再び高まっている。 中国側からも驚くべき発言が飛び出している。 英BBCは5月30日「中国の疾病管理センター(CDC)の責任者を辞任した高福氏が、『新型コロナが研究施設から流出した可能性を排除すべきではない』と述べた」と報じた。 中国政府は、これまで武漢ウイルス研究所流出説に声高に反論してきたが、高福氏の発言は明らかに毛色が異なる。 さらに、高氏は「武漢ウイルス研究所に対して何らかの正式調査が行われた」と指摘しており、中国政府は公式発表以上に研究所流出説を深刻に受け止めていることがうかがえる』、これらの事実関係をもっと明確に調べるべきだ。
・『習近平の見る「悪夢」 足元の状況は習近平国家主席にとって悪夢だと言っても過言ではない。 トランプ前大統領は、今年3月「中国にパンデミックの責任をとらせる」という2020年の大統領選の公約を再び持ち出している。補償金の総額は60兆ドル、中国の国内総生産(GDP)の4倍近くに相当する。 ポピュリストのトランプ氏は、新型コロナに関する中国への懲罰は米国を始め国際社会の支持を得やすいと考えているようだ。) 2020年半ばに国際社会から中国に賠償を求める声が出始めたとき、中国メデイアは「八カ国連合軍の再現だ」と猛反発した。1900年、義和団の暴徒に包囲された北京の公使館の解放を理由に、日本を始め列強8ヵ国は中国に軍隊を派遣した。 その後、清朝は巨額の賠償金を課され、1912年に滅亡した。 新型コロナに関する「不都合な真実」が白日の下にさらされるような事態になれば、中国共産党政府も清朝の二の舞を踏むことになってしまうのだろうか。 さらに関連記事『中国「最新官製地図」がヤバすぎる…! 南シナ海とインド国境地帯を勝手に自国領表記のやりたい放題を看過すべきか』では、いま起きている“もうひとつの異変”について詳しくお伝えしている』、中国政府の主張は必ずしも筋が通ったものばかりではないので、「中国共産党政府も清朝の二の舞を踏むことになってしまう」可能性も否定できない。
第五に、12月27日付けNewsweek日本版「中国、チベットに世界最大級の水力発電ダム建設へ」を紹介しよう。
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2024/12/530826.php
・『中国はチベット自治区を流れるヤルンツァンポ川の下流に世界最大級の水力発電ダムを建設する計画を承認した。 中国の二酸化炭素(CO2)排出量削減目標の達成において大きな役割を果たし、関連産業を刺激し、チベットでの雇用を創出すると期待されている。新華社通信が25日に報じた。 ダム建設費用は、2542億元(348億3000万ドル)を要した三峡ダムを上回ると予想されている。 ダム建設費用は、2542億元(348億3000万ドル)を要した三峡ダムを上回ると予想されている。 当局はこのプロジェクトがどれだけの人々を移住させ、地域の多様な生態系にどのような影響を与えるかを明らかにしていない。 ただ、当局によれば、チベットでの水力発電プロジェクトは、中国の水力発電能力の3分の1以上を保持しており、環境や下流の水供給に大きな影響を与えることはないという。 それにもかかわらず、インドとバングラデシュはダムに対する懸念を表明している。このプロジェクトは、地元の生態系だけでなく、下流の川の流れや流路をも変える可能性があるとみられているためだ。 ヤルンツァンポ川はチベットを離れるとブラマプトラ川となり、南下してインドのアルナーチャル・プラデーシュ州とアッサム州に流れ込み、最終的にバングラデシュに流れる』、中国政府は三峡ダムを例にみても、環境問題に正しく取り組むインセンティブを欠いているだけに、問題が多い。「インド」と「バングラデシュ」など利害が絡む国も交えた国際的な解決も、リダーダーシップを取る中立的な国がないだけに難しいだろう。
先ずは、昨年11月21日付け現代ビジネスが掲載した評論家の石 平氏による「中国の権力闘争が止まらない…習近平が文革を想起させる地で「軍への逆襲」始める中、李強が打って出た、まさかの「除習」行動』
https://gendai.media/articles/-/141820
・『排除された習近平が 11月6日掲載の「中国の『独裁体制』にいったい何が…『習近平の名前』が党中央政治局と人民解放軍の重要文書から消えた!」で、中国人民解放軍が10月30日に公表の重要文書において露骨な「習近平排除」を行ったことを伝えた。それから2週間が経ったころ、習近平主席は早速、軍への逆襲を始めた模様である。 11月4日、湖北省で視察中の習主席は、湖北某所に駐屯の解放軍落下傘部隊を視察した。習主席は地方視察中に解放軍部隊を視察することは往々にあるが、今回の場合、制服組トップの張又侠・中央軍事委員会副主席が習主席を実質上軍から排除して解放軍の掌握に成功したと観察されている中で、習主席の軍視察は大変注目すべき動きである。 10月15日から2日間、習主席は福建省を視察したが、その直前の14日に解放軍がまさに福建省を最前線にして台湾を囲んで軍事演習を行った。にもかかわらず、習主席が福建省視察中に軍の視察も軍との接触もいっさいなかったことは上記記事でも伝えたが、これと比べると、11月4日の解放軍視察はわざとらしくて、何かの特別な政治的意図があることは考えられる』、「解放軍視察はわざとらしくて、何かの特別な政治的意図があることは考えられる」、その通りだ。
・『何衛東・中国共産党中央軍事委員会副主席 そこで注目されるのは、習主席の落下傘部隊視察に同伴したのが、中央軍事委員会副主席で解放軍制服組No.2の何衛東氏であることだ。10月30日掲載の「習近平はもうおしまいなのか…中国人民解放軍で『静かなクーデター』!粛清に反抗してとうとう制服組トップが軍を掌握」で伝えたように、何氏は9月13日に北京で開催された安全保障関係の国際フォーラムに参加して以来、9月、10月中には公の場から姿を消して動静はいっさい伝わっていない。) 文化大革命前夜と同じく湖北省から(特に、10月中に軍事委員会副主席の張又侠氏が主宰した二つの軍の重要会議・イベントに、同じ副主席の何氏が連続的に欠席したことはもはや異常事態である。つまり、張氏が「静かな政変」を起こして軍からの習主席排除に成功した中で、主席側近の何氏も一緒に排除されたのではないかとの観測も成り立つのである。 しかし今、約50日間にわたって姿を消して何氏が突如現れて、習主席の落下傘部隊に視察に同伴した。そのことの意味するところは、習主席が側近の何氏と共に、張又侠たちの下剋上の「静かな政変」に対し「上からの政変」を起こして、軍への掌握権を奪い返しに奇襲してきたのではないかと見ることができる。 その際、習主席の「上からの政変」は地方の解放軍部隊への視察から始まったことも興味深い。つまり、軍の中央が張氏たちによって掌握される中で、習主席側は地方からそれを打破する突破口を作り、中央への逆襲に打って出た訳である。 かつての毛沢東時代、文化大革命の前夜、毛沢東が劉少奇一派より中央での発言力を排除された時、まさに地方視察を行なって中央への反撃を開始した。そして奇しくも、当時の毛沢東は湖北省視察の直後に、北京に戻って劉少奇一派打倒の文化大革命を発動した。今、「第二の毛沢東」を目指した習近平は、湖北省視察から、軍の掌握権の奪い返しに動き出した模様であるが、それが成功できるかどうかは、まさにこれからの見どころである』、「「第二の毛沢東」を目指した習近平は、湖北省視察から、軍の掌握権の奪い返しに動き出した模様であるが、それが成功できるかどうかは、まさにこれからの見どころである」、その通りだ。
・『古い休日復活の意味 習主席と解放軍との亀裂が深まる中で、今や政府の長として習主席と対立関係にある李強首相の動向が注目されている。その李強は最近になって再び、「習近平排除」とも思われるような小さな政治行動に出た。 11月12日配信の新華社通信報道によると、李首相は近日、「全国の祭日及び記念日休暇に関する条例を改定する国務院の決定」に署名し、それを実施に移したという。それによって、来年1月1日から、全国の法定休日が2日分増やされる。その中で大変注目されているのは、「除夕」という伝統祭日を法定休日に再び定めたことである。 「除夕」とは、旧正月の元旦の前日のこと、日本の「大晦日」にあたる。それは、中国人にとっては一家団欒の大切な日であって、除夕の夜、家族が集まって「年夜飯」という宴会の食卓を囲むのは遠い昔からの習俗である。従って遠い昔から、除夕の日に(あるいはその前日から)いっさいの仕事をやめて休むのは当たり前のことで不動の習慣であった。そして2008年1月から、除夕は国務院令をもって法定休日にも定められた。 しかし、2014年1月から、除夕はどういうわけか、同じ国務院令をもって法定休日から外された。除夕が休日ではなくなるのはおそらく、中国史上初めてのことであろう。その時、国務院は徐夕の休日外しの理由をきちんと説明しなかった』、「2014年1月から、除夕はどういうわけか、同じ国務院令をもって法定休日から外された。除夕が休日ではなくなるのはおそらく、中国史上初めてのことであろう。その時、国務院は徐夕の休日外しの理由をきちんと説明しなかった」、なるほど。
・『「除夕」、その発音の意味するところ それに関する様々な推測が出ていたが、その中の有力説の一つは、2013年3月に中国の国家主席になったばかりの習近平氏が「除夕」を嫌っているからだ、というものである。 実は中国語では、「夕」という単語は習主席の名字の「習」とは全く同じ発音の「Xi」である。「除夕」は中国語で発音すればそのまま「除習=習近平を除く」となる。だから習主席がそれを忌避して除夕を休法定休日から外させた、ということが、民間での「定説」となっていた。 しかし10年後の今になって、李首相が国務院の決定として「除夕」を再び法定休日に指定して昔の伝統を回復させた。当然、李首相としては「除夕」が習近平政権の下で休日から外されたその経緯が分かっているはずだし、「習主席が除夕を嫌う」という広く流布されている民間の言い伝えを全く知らないとは思えない。 もし、李首相が全てを知った上で日この挙動に出たのであれば、これは李首相による一連の「習近平排除」の政治行動の一環として解釈することもできる。どうやら李首相は何の遠慮もなく、「除習」を着々とやって行くつもりのようだ。今後の展開は楽しみであろう』、「実は中国語では、「夕」という単語は習主席の名字の「習」とは全く同じ発音の「Xi」である。「除夕」は中国語で発音すればそのまま「除習=習近平を除く」となる。だから習主席がそれを忌避して除夕を休法定休日から外させた、ということが、民間での「定説」となっていた・・・10年後の今になって、李首相が国務院の決定として「除夕」を再び法定休日に指定して昔の伝統を回復させた。当然、李首相としては「除夕」が習近平政権の下で休日から外されたその経緯が分かっているはずだし、「習主席が除夕を嫌う」という広く流布されている民間の言い伝えを全く知らないとは思えない。 もし、李首相が全てを知った上で日この挙動に出たのであれば、これは李首相による一連の「習近平排除」の政治行動の一環として解釈することもできる。どうやら李首相は何の遠慮もなく、「除習」を着々とやって行くつもりのようだ。今後の展開は楽しみであろう」、その通りだ。
次に、12月22日付け現代ビジネスが掲載した評論家の石 平氏による「「中国・習近平体制、いよいよ「終わりの始まり」か…軍の「個人独裁」連続批判に追い詰められた習主席が孤独な恫喝」を紹介しよう。
https://gendai.media/articles/-/143662
・『習主席、「外野」からの反撃 中国の習近平国家主席と人民解放軍との「政治闘争」が、いよいよ佳境に入ってきた。これまでに習主席の側近幹部らが腐敗摘発などでその座を追われ、軍の伝統的な主流派である陸軍が習主席の影響力を排除し、人事面で支配権を握ることに成功している。そして、12月に入ってから、両者の言論戦はますます激しくなっているのである。 優勢なのは軍の側で、習近平主席は実は追い詰められている。この抗争で軍は、単に習主席の軍への支配権の喪失だけではなく、もはや、明らかに中国共産党内での習主席の個人独裁体制の否定を目指している。 そして12月16日、習主席はとうとう自ら反撃に出た。この日、習主席は共産党長老で故人となっている喬石氏の生誕百周年を記念する座談会に出席した。じつは国家主席がわざわざ出席するほどの行事では無いのだが別な意図があったのだろう。その中で「党の全面的指導と党中央の集中統一指導を終始堅持しなければならない」という「重要講話」を発したのである。 習主席がここで強調した「党中央の集中統一指導の堅持」は明らかに、12月11日に軍の機関紙「解放軍報」が集団指導体制を意味する「民主集中制」を提唱したことに対し反撃を行ったものだ。 習主席は軍事委員会主席として解放軍の名目上の最高統帥者である。にもかかわらず「解放軍報」の展開する「習近平批判」を圧殺することも、止めることもできなかった。「喬石生誕」という軍とは関係のない「外野」から反撃を行うしか無かったということは、習主席がすでに、軍に対するコントロールを完全に失っていることを意味する。さらいえば、こうした反撃が側近や子分によってではなく、習主席自身によって行われたことは、子分たちがすでに習近平と距離をおいたことの兆候であるのかもしれない』、「習主席は軍事委員会主席として解放軍の名目上の最高統帥者である。にもかかわらず「解放軍報」の展開する「習近平批判」を圧殺することも、止めることもできなかった。「喬石生誕」という軍とは関係のない「外野」から反撃を行うしか無かったということは、習主席がすでに、軍に対するコントロールを完全に失っていることを意味する・・・子分たちがすでに習近平と距離をおいたことの兆候であるのかもしれない」、なるほど。
・『「恫喝」するまでに追い詰められたのか そして、同時に、習主席はもう一つの行動に出た。同じ16日の「人民日報」の一面トップには、習主席の文章が党機関誌の「求是」に掲載されることを予告する記事がでた。そこで紹介されている「習近平文章」の中には、「党の自己革命」の命題に関連して次のような言葉があった。 「外部環境の変化と党員集団自身の変化に伴って、党内では不可避的にさまざまな矛盾と問題が生じてくる。われわれは刃を内部に向ける勇気を持って、あらゆる消極的な影響を除去しなければならない」という。 ここでは習近平は、「党内でさまざま矛盾や問題が生じている」との表現を使って、党内で対立が生じてきていることを認めた上で、それへの対策としては「刃を内部に向ける」という殺気の立つ、際どい言葉を使って、自分への攻撃に対する恫喝を行ったのである。 習主席が、ここまでの反撃に出たのには理由がある。11月に習主席が抜擢した、党中央軍事委員会政治工作部の苗華・主任が失脚したことで、軍内部での習主席の影響力排除は完結していた。しかし、軍の習主席批判は、それで終わりにはならなかった。12月に入ってから、軍の機関紙「解放軍報」が執拗に、批判論評を掲載し続けているのである。このことは、習主席と反習派の「政治抗争」が新たな段階に入ったことを示唆している』、「軍の機関紙「解放軍報」が執拗に、批判論評を掲載し続けているのである。このことは、習主席と反習派の「政治抗争」が新たな段階に入ったことを示唆している」、なるほど。
・『鄧小平を持ち出して習近平批判の意味 12月9日、「解放軍報」は「集団的指導体制を堅持せよ」と題する論評を掲載した。「集団的指導体制」というのは、鄧小平時代の共産党指導部が、文革などの災難をもたらした毛沢東の個人独裁体制に対する反省から提唱したものであって、江沢民・胡錦濤政権時代も共産党指導体制の「基本原則」として貫徹されていた。 しかし習近平政権時代になると、習主席はそれを徐々に破壊して、一昨年の党大会では毛沢東以上の個人独裁体制を確立した。したがって今回の解放軍報論評は、タイトル一つにしても、まさに「鄧小平回帰、習近平批判」の色彩の強いものである。 そして内容を見てみると、冒頭から「我が党においては、重大な意思決定は個人によってではなく集団によって行われるのは伝統である」と鄧小平の発言を引用。 さらに「党の指導というのは党委員会による集団的指導であって、一人、二人の指導者の指導ではない。つまり、各級党組織の指導体制の中では、何人といえども、集団的指導体制を堅持なければならないし、重大問題の意思決定は集団の討議によって行うべきである。個人は組織に従い、少数は多数に従う。個人が上から指導集団を凌駕するようなことは絶対あってはならない」。 「一部の党委員会では、重要な決定は党委員会会議によってではなく、個人が決めることとなっている。党委員会は飾り物となっている。個別の主要指導者が集中を口実にして家父長的な“鶴の一声”で物事を決め、集団的指導体制を無きもの同然にしている」と続く。 ここでは名指しはされていないものの、ほぼ完全に習主席その人に矛先を向けたものであることは現在の中国政治の現状を多少とも知っている人であれば直ぐに分かる。中でも「個別の主要指導者」という表現は相当露骨なものである。要するに、読む人がすぐに分かってくれるように、批判の対象が習主席であることを強く示唆しているのである』、「ここでは名指しはされていないものの、ほぼ完全に習主席その人に矛先を向けたものであることは現在の中国政治の現状を多少とも知っている人であれば直ぐに分かる。中でも「個別の主要指導者」という表現は相当露骨なものである。要するに、読む人がすぐに分かってくれるように、批判の対象が習主席であることを強く示唆しているのである」、なるほど。
・『「個人独裁批判」 そして12月11日、「解放軍報」はまたもや、「個人独裁批判」の論評を掲載した。「先頭に立って党内民主を発揚させよう」をタイトルとするこの論評は、「民主集中制」という言葉を持ち出して次のように論じている。 「民主集中制というのは、先に民主があって後に集中がある。党の組織の中では、書記・副書記は平の委員とは平等の関係であり、問題を討議し決定するときには平等の発言権と表決権を有する。……書記は“班長”」ではあるが、“一家の主人”ではない。書記と委員との関係は上下関係ではない」と。 9日掲載の解放軍報論評は「党の指導というのは党委員会による集団的指導であって、一人、二人の指導者の指導ではない」と述べてかなり露骨な「習近平批判」を行ったが、ここで、「書記」という言葉を使ってより一層明確に、その矛先はまさに「習近平総書記」に向けていることを示唆している。そして「書記は一家の主人ではない」という言葉はまた、習近平のワンマン独裁体制に対する真正面からの否定と批判であるに他なない。 論評がここで持ち出した「民主集中制」というのは一応、中国共産党(そして、日本共産党も)の政治伝統の一つであるが、それはかなり玉虫色のものであって、同じ「民主集中制」と言っても「民主」を強調する場合と「集中」を強調するのと全然違う。しかし上述の解放軍報は明らかに「民主」の方を強調するものであって、要するに共産党の政治伝統を持ち出して今の習近平独裁政治を批判しているのである。 12月18日、「解放軍報」はさらに論評を掲載した。今回のタイトルは「先頭に立って実のあることを確実にやろう」というようなものであって一見、今までの論評とは無関係であるが、実はそうではない。中国国内では、「大言壮語ばかり吐いて実際のことは何できない」という「習近平像」が定着している中で、そのタイトル自体は習近平風刺だと理解できるし、さらにその内容はやはり、上述の「民主集中制」を持ち出してその重要性を強調しているのである。 このようにして、軍の「習近平独裁体制批判」は収束することなく、むしろバージョンを変えてエスカレートしてきている観であるが、それは、1)解放軍の「習近平批判」は発作的・偶発的なものではなく、計画的・確信犯的なものであることを示している。2)さらに、軍は全く習近平を恐れていないこと、自分たちが習近平によって何かをされるのを心配していないことを意味する。習近平の軍支配が、すでに終わったことはこれでよく分かる』、「1)解放軍の「習近平批判」は発作的・偶発的なものではなく、計画的・確信犯的なものであることを示している。2)さらに、軍は全く習近平を恐れていないこと、自分たちが習近平によって何かをされるのを心配していないことを意味する。習近平の軍支配が、すでに終わったことはこれでよく分かる」、なるほど。
・『抗争は激化する 以前、7月27日に、同じ「解放軍報」は、「党内政治生活の低俗化は戒めるべき」という論評の中で、「いま、個別なところでは党内政治生活が正常さを失い、個人は党組織の上に凌駕し、家長制的なやり方で、鶴の一声で物事を決めるようなことが起きている」と、独裁者の習近平主席を暗に批判した。今回の一連の論評はこの延長線の上でより露骨な習近平批判を展開し、さらに鄧小平時代の集団的指導体制を持ち出してそれを高く評価したところに注目のポイントがある。 習政権3期目に入り、ここまで習主席が引き上げた軍幹部の腐敗問題での粛清が続き、11月の党中央軍事委員会政治工作部の苗華・主任失脚で、制服組トップの張又侠軍事委員会副主席らの勢力が習主席の指導権を軍から排除することに成功した。 しかし、その後の12月の一連の解放軍報論評を見ていると、どうやら張副主席らは、習主席の指導権を軍から排除しただけでは満足しておらず、党の指導体制を鄧小平の集団的指導体制に戻すことによって、党全体に対する習近平個人独裁体制の終了を目指している模様である。 冒頭で紹介した、習主席の「恫喝」は、このような自分に対する攻撃への威嚇である。しかし、それに、どれほどの効果があるかは疑問である。問題は、張又侠氏らの軍の実力者たちたちはこのような恫喝を受けて、自分たちを守っていくためにはむしろより一層「反習近平」に走ってしまい、習主席と軍との対立がより深まって激化する可能性が十分にあることだ。 来年からの展開はまさに「楽しみ」である。 【さらに詳しく】中国の権力闘争が止まらない…習近平が文革を想起させる地で「軍への逆襲」始める中、李強が打って出た、まさかの「除習」行動』、「習主席の「恫喝」は、このような自分に対する攻撃への威嚇である。しかし、それに、どれほどの効果があるかは疑問である。問題は、張又侠氏らの軍の実力者たちたちはこのような恫喝を受けて、自分たちを守っていくためにはむしろより一層「反習近平」に走ってしまい、習主席と軍との対立がより深まって激化する可能性が十分にあることだ。 来年からの展開はまさに「楽しみ」である」、なるほど。
第三に、12月4日付け現代ビジネスが掲載した経済産業研究所コンサルティングフェローの藤 和彦氏による「習近平、トランプ政権が仕掛ける「対中強硬」に防戦一方…!「関税」「合成麻薬」、そして再燃する「コロナ中国流出説」で、万事休すか」を紹介しよう。
https://gendai.media/articles/-/142540?imp=0
・『再燃する「新型コロナ“中国”流出説」 トランプ次期政権の主要人事がほぼ固まりつつある。とりわけ対中国、習近平国家主席にとって厳しい人事となったのが、前国家情報長官のジョン・ラトクリフ氏が中央情報局(CIA)長官に指名されたことだろう。 なにしろ、彼は対中強硬派であり、ウイグル人の強制労働など人道的罪や武漢ウイルス研究所から新型コロナウイルスが流出したことを隠蔽していたと主張していることで知られているからだ。 折しも、中国で厳格なゼロコロナ政策に抗議する「白紙運動」が起きてから、11月27日で2年が経過した。 2年が経過した今も当局による監視が続いているが、景気低迷のせいで社会全体に不満がたまり、やり場のない怒りが無差別殺傷事件(社会報復事件)という形で、中国各地で噴出している感がある。 「社会報復事件を起こす犯罪予備軍の数は億単位に上る」との分析もあり、世界に冠たる監視システムを構築した中国政府はさらなる対策の実施を余儀なくされている。 米トランプ政権の復活で、中国の置かれる立場はますます厳しいものとなるだろう』、「世界に冠たる監視システムを構築した中国政府はさらなる対策の実施を余儀なくされている」、なるほど。
・『国防予算を上回る「治安維持費」1 1月24日付シンガポール華字メデイア「聯合早報」は「中国の司法当局はビッグデータを活用した予測により防犯能力を高めようとしている」と報じた。 それによれば、中国共産党中央政法委員会は地方当局に対し、ビッグデータの分析を通じて事件発生のリスクを予測し、正確かつ精密な防犯能力を向上させるための調査研究を要求したという。 中国政府ご自慢のハイテクを駆使した犯罪抑止策だ。これにより、一定の効果が出るかもしれないが、不満を抱える国民に対し、中国政府が真摯な態度で向き合わなければ抜本的な治安の改善は望めないのではないかとの不安が頭をよぎる。 中国政府が国内の治安維持などに使う公共安全予算は、2015年以来、国防予算を上回っている。 昨今の治安悪化を踏まえ、公共安全予算はさらに拡大し、中国政府にとって大きな圧迫要因となる可能性は十分にある』、「中国政府が国内の治安維持などに使う公共安全予算は、2015年以来、国防予算を上回っている。 昨今の治安悪化を踏まえ、公共安全予算はさらに拡大し、中国政府にとって大きな圧迫要因となる可能性は十分にある」、なるほど。
・『「チャイナ・ガール」の規制 さらに、トランプ次期政権が大きな圧迫要因となることは避けられない。 トランプ次期大統領は、11月25日「中国からのほぼ全ての輸入品に対して追加で10%の関税をかける」と自身のSNSに投稿した。中国からメキシコなどを経由し、合成麻薬「フェンタニル」が米国に流入していることがその理由だ。 トランプ氏は「中国と何度も話し合ったが無駄だった。フェンタニルはこれまでにない水準で米国に流れ込んでいる」と批判している。 米国では毎年、フェンタニルの過剰摂取で約7万人が死亡している。フェンタニルを米国に持ち込んでいるのはメキシコの麻薬組織だが、その原材料を供給しているのは中国であることから、米国では「チャイナ・ガール」と呼ばれている。 トランプ氏は選挙期間中「メキシコと中国がフェンタニルの米国の流入を阻止するまで両国からの輸入品に25%の関税をかける」と主張しており、その公約を早期に実施する構えを見せた形だ。 これに対し、中国政府は「フェンタニルの原料に対する統制を既に実施しており、バイデン政権はこれを評価している」と猛反発している。 「デイール(取引)」に応じようとしない中国に対し、トランプ氏がさらに圧力をかけてくるのは時間の問題だ』、「バイデン政権はこれを評価している」と猛反発」、「バイデン」のような甘い姿勢でなく、「トランプ」が「さらに圧力をかけてくるのは時間の問題だ」、楽しみだ。
・『アヘン戦争から「コロナ戦争」へ トランプ氏は「関税」を武器としているが、大統領に自由裁量が与えられているわけではなく、法的な根拠が必要だ。 トランプ氏が拠り所にしているのは、通商法232条だとされている。国家安全保障のために関税を利用する権限を大統領に与えた条項で、トランプ氏は1期目にこれを根拠に鉄鋼やアルミニウムの輸入関税を引き上げた。フェンタニルについては、「21世紀版アヘン戦争を仕掛ける中国に対する対抗措置だ」という正当な理由があるというわけだ。 これに加えて、筆者は「『2匹目のドジョウ』がいる」と考えている。それが、もちろん冒頭に紹介した「新型コロナウイルス」の流出隠蔽への追及が高まることだ。 後編『アメリカ諜報機関が狙う「新型コロナ起源説」で習近平、万事休すか…!中国を丸裸にする次期CIA長官の「ヤバすぎる履歴書」』でじっくりとお伝えしていこう』、「「新型コロナウイルス」の流出隠蔽への追及が高まる」を『2匹目のドジョウ』として活用するのであれば、成果が楽しみだ。
第四に、9月6日付け現代ビジネスが掲載した経済産業研究所コンサルティングフェローの藤 和彦氏による「習近平の大誤算…!現実味を帯びはじめた「新型コロナ“武漢研究所“流出説」で、トランプが公言する中国への「巨額賠償」、その悲惨な中身」を紹介しよう。
https://gendai.media/articles/-/115662
・『中国系企業から「ヤバいウイルス」が見つかった! 新型コロナウイルスの起源が、中国の「武漢ウイルス研究所」であるとの認識がアメリカの政府系機関の間で広がっている。 前編『習近平は何を隠したのか…?新型コロナの“起源”がアメリカで次々と明らかとなる「ヤバすぎる事情」』でお伝えしたとおり、今年に入ってからも米ウオール・ストリート・ジャーナルや、英「サンデータイムズ」(イギリスの日刊紙「タイムズ」の週末版)などで次々に報じられた。 サンデータイムズによれば、遅くとも2017年から中国軍事医学科学院と共同で秘密裡にコロナウイルス研究を実施していた武漢ウイルス研究所は、アメリカの非営利団体「エコヘルス・アライアンス」を介して65万ドルもの米連邦資金を得ていたという(なお、米国政府は7月17日、武漢ウイルス研究所の米連邦資金へのアクセスを停止する決定を行った)。 しかし、この8月、さらに衝撃的な事実が明らかになった。 カリフォルニア州フレズノ郡リードレー市にある中国系企業プレステージ・バイオテック社が運営する研究施設から、新型コロナウイルスを含む20種類以上の病原体が見つかったのだ』、「武漢ウイルス研究所は、アメリカの非営利団体「エコヘルス・アライアンス」を介して65万ドルもの米連邦資金を得ていたという」、「カリフォルニア州フレズノ郡リードレー市にある中国系企業プレステージ・バイオテック社が運営する研究施設から、新型コロナウイルスを含む20種類以上の病原体が見つかったのだ」、後者に至ってはとんでもないことだ。
・『なんと「流出説」は中国体制派からも飛び出した! 新型コロナ以外の病原体では、HIV、マラリア、風疹、ヘルペス、デングなどのウイルスが検出されている。 研究施設からは、新型コロナに感染するよう遺伝子操作された約1000匹のネズミや800に及ぶ化学物資、血液などの体液、大量の医療廃棄物なども発見されている。プレステージ・バイオテック社は、新型コロナなどの迅速検査法を開発していたようだが、リードリー市から正式なライセンスを取得していなかったため、同市は今年3月に同施設に立ち入り調査を実施するまでその活動を全く把握していなかった。 中国系企業が新型コロナを使った実験を秘密裡に実施していたことが明るみになったことで、米国では「武漢ウイルス研究所説」への関心が再び高まっている。 中国側からも驚くべき発言が飛び出している。 英BBCは5月30日「中国の疾病管理センター(CDC)の責任者を辞任した高福氏が、『新型コロナが研究施設から流出した可能性を排除すべきではない』と述べた」と報じた。 中国政府は、これまで武漢ウイルス研究所流出説に声高に反論してきたが、高福氏の発言は明らかに毛色が異なる。 さらに、高氏は「武漢ウイルス研究所に対して何らかの正式調査が行われた」と指摘しており、中国政府は公式発表以上に研究所流出説を深刻に受け止めていることがうかがえる』、これらの事実関係をもっと明確に調べるべきだ。
・『習近平の見る「悪夢」 足元の状況は習近平国家主席にとって悪夢だと言っても過言ではない。 トランプ前大統領は、今年3月「中国にパンデミックの責任をとらせる」という2020年の大統領選の公約を再び持ち出している。補償金の総額は60兆ドル、中国の国内総生産(GDP)の4倍近くに相当する。 ポピュリストのトランプ氏は、新型コロナに関する中国への懲罰は米国を始め国際社会の支持を得やすいと考えているようだ。) 2020年半ばに国際社会から中国に賠償を求める声が出始めたとき、中国メデイアは「八カ国連合軍の再現だ」と猛反発した。1900年、義和団の暴徒に包囲された北京の公使館の解放を理由に、日本を始め列強8ヵ国は中国に軍隊を派遣した。 その後、清朝は巨額の賠償金を課され、1912年に滅亡した。 新型コロナに関する「不都合な真実」が白日の下にさらされるような事態になれば、中国共産党政府も清朝の二の舞を踏むことになってしまうのだろうか。 さらに関連記事『中国「最新官製地図」がヤバすぎる…! 南シナ海とインド国境地帯を勝手に自国領表記のやりたい放題を看過すべきか』では、いま起きている“もうひとつの異変”について詳しくお伝えしている』、中国政府の主張は必ずしも筋が通ったものばかりではないので、「中国共産党政府も清朝の二の舞を踏むことになってしまう」可能性も否定できない。
第五に、12月27日付けNewsweek日本版「中国、チベットに世界最大級の水力発電ダム建設へ」を紹介しよう。
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2024/12/530826.php
・『中国はチベット自治区を流れるヤルンツァンポ川の下流に世界最大級の水力発電ダムを建設する計画を承認した。 中国の二酸化炭素(CO2)排出量削減目標の達成において大きな役割を果たし、関連産業を刺激し、チベットでの雇用を創出すると期待されている。新華社通信が25日に報じた。 ダム建設費用は、2542億元(348億3000万ドル)を要した三峡ダムを上回ると予想されている。 ダム建設費用は、2542億元(348億3000万ドル)を要した三峡ダムを上回ると予想されている。 当局はこのプロジェクトがどれだけの人々を移住させ、地域の多様な生態系にどのような影響を与えるかを明らかにしていない。 ただ、当局によれば、チベットでの水力発電プロジェクトは、中国の水力発電能力の3分の1以上を保持しており、環境や下流の水供給に大きな影響を与えることはないという。 それにもかかわらず、インドとバングラデシュはダムに対する懸念を表明している。このプロジェクトは、地元の生態系だけでなく、下流の川の流れや流路をも変える可能性があるとみられているためだ。 ヤルンツァンポ川はチベットを離れるとブラマプトラ川となり、南下してインドのアルナーチャル・プラデーシュ州とアッサム州に流れ込み、最終的にバングラデシュに流れる』、中国政府は三峡ダムを例にみても、環境問題に正しく取り組むインセンティブを欠いているだけに、問題が多い。「インド」と「バングラデシュ」など利害が絡む国も交えた国際的な解決も、リダーダーシップを取る中立的な国がないだけに難しいだろう。
コメント 0