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中東情勢(その10)(サウジアラビア問題:何が起こっている?、サウジは、若き皇太子の暴走で自滅へ向かう) [世界情勢]

中東情勢については、7月24日に取上げた。今日は、(その10)(サウジアラビア問題:何が起こっている?、サウジは、若き皇太子の暴走で自滅へ向かう)である。

先ずは、闇株新聞が11月7日に掲載した「サウジアラビアで何が起こっている?」を紹介しよう。
・サウジアラビア政府は昨日(11月5日)、11名の王子や現職閣僚を含む有力者を数十名も一斉に逮捕したと発表しました。その中には王位継承権は放棄しているものの、シティバンクなどの大株主で世界有数の富豪であるアルワリード・ビン・タラール王子も含まれているようです。 容疑は何と「汚職」で、サルマン国王が7月に皇太子(次の国王)に昇格させたばかりのムハンマド・ビン・サルマン王子が、新設の「反汚職委員会」のトップに就任した直後の一斉逮捕となりました。 また本件との関連は不明ですが、1人の王子を含む数名が搭乗したヘリコプターがイエメン国境近くで墜落し、王子が死亡しています。墜落原因は(攻撃されたかどうかも含めて)不明です。
・ここでサウジアラビアの国王とは、1953年に亡くなったアブドルアジズ初代国王の36名の息子から、母親が有力家の出身である王子から基本的に年長順に選ばれています。7代目となるサルマン現国王はアブドルアジズの25男で2015年1月に即位していますが、明らかに健康に問題を抱えています。
・そのためかサルマン国王は7月19日に甥のムハンマド・ビン・ナイーフ皇太子を「薬物中毒」との理由で罷免し、息子のムハンマド・ビン・サルマンを副皇太子から皇太子に昇格させ、経済・外交・国防など権限をさらに集中させています。 ソフトバンクの10兆円ファンドへの大口出資を決めたのも、6月にカタールとの国交断絶を主導したのも、アラムコに株式上場を推進しているのも、このムハンマド皇太子(当時はまだ副皇太子)となります。
・ムハンマド皇太子はまだ32歳で、このままであれば初めての第三世代(アブドルアジズの孫)の国王となりますが、第三世代の王子は罷免されたムハンマド・元皇太子など254名もいるため、すんなりと王族全体に受け入れられているわけではなさそうです。 また最近はサルマン国王がムハンマド皇太子に生前譲位する可能性も囁かれていました。そのまま32歳の国王が誕生してしまえば、ここのところ続いていた高齢で即位した国王とは違い、向こう数十年に渡って王位にあり権限を集中させることになります。
・そこで今回の一斉逮捕は、サルマン国王とムハンマド皇太子が機先を制して「反対派」を一掃したものと思われます。「汚職」というのも笑ってしまうような理由で、そもそも莫大な原油収入のかなりの部分は国王をはじめ王族が勝手に使い込んでいるため、それを「汚職」というなら王族全員が対象となってしまいます。
・まるで中国の「規律違反」とそっくりですが、「反対派」をすべて一掃することも不可能であるはずで、しばらくはサウジアラビアの王族や経済や政治が混乱すると考えておくべきです。
・米国とサウジアラビアの関係ですが、もともと米国は第二次世界大戦時に当時のルーズベルト大統領がアブドルアジズ国王に「石油を米国に安定供給する代わりにサウジアラビアの体制を守る」と約束しており、そこから米国とサウジアラビアは同盟国として親密な関係を守っていました。
・ところがオバマ政権時の2015年に、サウジアラビア最大の敵であるイランと核合意を締結しています。これは「ゆっくりだったら核開発を続けていいですよ」というもので、それでイランへの経済制裁を解いてしまいました。
・また同じオバマ政権時の2016年には、2001年の同時多発テロの遺族がサウジアラビアなどテロ事件に関与した外国政府に損害賠償できる、いわゆる「サウジ法案」を成立させています。 つまり米国ではシェール石油の産出増加でサウジアラビアに依存する必要が無くなったこともありますが、オバマ政権時には明らかにサウジアラビアを軽視していました。
・トランプ政権になると、5月に最初の外交先としてサウジアラビアを訪問していますが、1100億ドル(12兆円)規模の武器輸出に合意した以外は、サウジアラビアとの関係をどうするのかが見えていません。 そして10月5日にサルマン国王は初めてロシアを訪問し、プーチン大統領との間でエネルギー政策や経済協力について話し合っています。共通の敵だったイスラム国(ISIS)は消滅しており、ロシアはシリアのアサド政権を支持しており、そのアサドはイランと近いため、どう考えてもロシアとサウジアラビアがこれ以上親しくなるとも思えません。
・つまり今回のサウジアラビア王室の混乱は、そうでなくても複雑な中東情勢に「新たな混乱」となるはずです。目が離せない国がまた1つ増えてしまいました。
http://yamikabu.blog136.fc2.com/blog-entry-2118.html

次に、フリージャーナリストの内田 通夫氏が11月28日付け東洋経済オンラインに寄稿した「サウジは、若き皇太子の暴走で自滅へ向かう 石油とマネーで翻弄してきた反動が始まる」を紹介しよう(▽は小見出し)。
・サウジアラビア王国。国名が表すように、サウド家が統治する王国だ。絶対王政を採用、世界最大の産油国であり、膨大な埋蔵量を誇る。そのサウジアラビアで異変が起きている。 サウジアラビアはイスラム教発祥の聖地マッカ(メッカ)とマディーナ(メディナ)の保護者であり、イスラム教スンニ派ハンバリー法学の原理主義ワッハーブ派を国教とする。”イスラム教の保護者”であるという自負が王家を支えてきた。これまでは初代国王イブンサウドの息子の世代が王位を継承してきたが、今、孫の世代(第3世代)が王位を継承する時期に差しかかっている。異変はすべて、次の国王と目されるムハンマド皇太子(32)の政策と性格に起因する、といっても過言ではない。
▽サルマン国王は支離滅裂な発言も
・2015年にはアブドゥラー国王が死去。アブドゥラー前国王は皇太子時代を含めて20年間、サウジアラビアを統治し、名君の誉れが高かった。その統治手法は、イスラム原理主義の1つ、ワッハーブ派を内外で宣教しながら、米国に安全保障を依存し同盟関係を維持するという、ダブルスタンダードの綱渡りを巧みに行ったことだ。その手段として、敵味方を問わず「気配り、金配り」で手なずけ、抑え込む。
・国際関係の闇の部分、たとえば過去には、アルカーイダやIS(イスラム国)を支援育成したことなどをなるべく表に出さない、という手腕に長けていた。 最大の危機は2001年9月11日に米国で起きた「米同時多発テロ事件」だ。犯行グループの主犯とされたオサマ・ビンラディンは、サウジアラビアの大富豪で、実行犯のほとんどはサウジアラビア人だった。資金もサウジアラビアの王族、富豪、慈善基金から出ていたとされる。ビンラディンらの目的は米軍のサウジアラビアからの撤退。サウジアラビアにはマッカとマディーナのイスラム教2聖都がある。自国の教育で原理主義をたたき込まれた実行犯の者たちは、イスラム教の聖地サウジアラビアに米軍が駐留することには耐えられなかったからだ。テロ事件後、米国とサウジアラビア間に緊張が生まれたが、この緊張をうやむやのうちに鎮静化(解決?)したのが、アブドゥラー前国王だった。
・その前国王の跡を継いだのが、10歳年下の異母弟である、現在のサルマン国王(81)だ。サルマン国王は初代国王イブンサウドに寵愛されたスデイリ家出身の王妃を母に持つ。サウジアラビア王家で勢力と格式を誇る、スデイリ・セブン(母を同じくする7人兄弟)の1人。リヤド州知事や内務大臣の要職をこなした経験豊富な王族だが、80歳直前の即位で、アルツハイマー病の兆候が出ていた。長時間の会議に出ると、途中で発言ややり取りが支離滅裂になる、ともうわさされる。国王の代理としてサウジアラビアの執権となったのが、溺愛する息子ムハンマド・ビン・サルマン(MBS)だが、まだ31歳の若さだった。このため、サルマン国王即位直後は、ムハンマド・ビン・ナイーフ(MBN)を次の国王となる皇太子に指名、サルマン家で王位を継承しないことを示し、王族内で妥協を図った。
・しかし、2017年9月、宮廷クーデターが発生する。仕掛けたのは副皇太子のMBS。MBNは皇太子だけでなく内務大臣の職も解かれ、皇太子の座を引き継いだのは、ムハンマド(MBS)だった。このころからサルマン国王が生前退位し、ムハンマド皇太子に譲位する、というシナリオがささやかれるようになる。現在でも、2018年1月に予定されているサルマン国王の訪米後、生前退位をするという観測がある。
・ムハンマド皇太子が指揮するサウジアラビアの内外政策は、アブドゥラー前国王時代と正反対になっている。 いったいムハンマド皇太子とはどういう人物なのか。サウジアラビアなど湾岸情勢に詳しい村上拓哉中東調査会研究員は「改革志向が強い。サウジアラビアの人口の過半を占める30歳以下の若い世代に支持されている、リスクをいとわない大胆な性格の持ち主」と説明する。
・問題はムハンマド皇太子が何を狙っているかだ。第一はもちろん、他の王族を排除し、自分が「次期国王」になること。それもサルマン国王の死後でなく、まだにらみが利く時期に。もし成就したとすれば、これから半世紀ほど国王にとどまることも夢ではない。第二はサウジアラビアの「改革・開放」だ。石油に依存したバラマキ経済が限界に来ていることは、サウジ国民を含めて誰の目にも明らかだからである。
▽過去の仕組みに対する”清算”が必要
・過去の仕組みの清算が必要だと、ムハンマド皇太子は思っているのだろう。自ら主導した経済改革「サウジ・ビジョン2030」では、産業化やレンティア国家(国民から税金を取らずに石油収入を配る)からの脱却など、野心的な構想が盛りだくさんだ。世界最大の産油会社であるサウジアラムコの株式公開(IPO)、軍事産業の国産化、観光業の育成が目玉である。なおかつ2018年からは、低税率ながら消費税を導入する予定。ガソリン、ガス、電力など、異常に低かった公共料金も引き上げる。一方で女性の運転を認めることも、開放路線も視野に入れる。
・目下、サウジアビアを取り巻く国際情勢の悪化は、ムハンマド皇太子の危機感を募らせている。これらを列挙すると、以下のとおり。
 ① 原油価格下落による財政の悪化。
 ② 安全保障を依存してきた米国に全幅の信頼が寄せられない事態。 たとえば、2015年にオバマ前政権で結んだイランの核開発合意が守られていないことや、2013年にシリアのアサド政権が化学兵器を使用したにもかかわらず軍事介入しなかったことで政権打倒に失敗したこと、などである。ただし、ビジネス本位のトランプ現政権はサウジアラビアが大量の武器購入をするかぎり、政権を支えるだろう。
 ③ 宿敵であるイスラム教シーア派のイランによる、イラクやシリア、レバノン、イエメンへの影響力拡大。
 ④ 宗派(イスラム教スンニ派内のワッハーブ派)を同じくし、GCC(湾岸協力会議)のパートナーであるはずの、カタールの離反。
・カタールは小国ながら世界有数の天然ガス生産で潤い、衛星放送アルジャジーラを通じて、イスラム世界に影響を与えている。が、そのカタールはサウジアラビアの圧力をかわすため、なんとイラン側についた。狭いカタールにもともと駐留していた米軍に加え、サウジアラビアとの関係悪化後には首長(王家)を保護するためにイラン革命防衛隊とトルコ軍が進駐するという、かつては想像すらできないことが現実になっている。
・以前からムハンマド皇太子は、ウマが合わなかったカタールとの関係を前国王時代のように隠すのではなく、首長を排除できないことがわかると2017年6月には国交を断絶。さらには陸路や海路、空路を閉鎖するなど強硬処置に出た。国際関係の「見える化」を進めることが、前国王時代の「見えない化」に慣れた世界の人々には、皇太子の”暴走”に映る。
・最近では、レバノンのサアド・ハリーリ首相(スンニ派でレバノンとサウジアラビアの二重国籍を持つ)がサウジアラビアに呼び出されたうえ、軟禁されるという事件も起きた。レバノンで影響力を強めるのは、イランが支援するシーア派武装政党のヒズボラー。そのレバノンがイランと協議したことに対する報復と報道されたが、プロトコルを優先する外交関係では、あってはならない誘拐行為だ。
・このほかイスラエルの参謀総長がサウジアラビアを支援するシグナルを送っている。今までサウジアラビアは、「反シオニズム、パレスチナ支援」を旗印にしながらも、米国を媒介にして、暗黙のうちにイスラエルとは協調関係にあった。その関係も「見える化」している。このことは、サウジアラビアがイスラム教の大義を損ねた、と非難されるリスクを抱える。
・そして、サウジアラビア国内におけるムハンマド皇太子の暴走は、この11月に起きた。王族を含む関係者が汚職の疑いで逮捕され、首都リヤドのリッツ・カールトンホテルなどに監禁された事件だ。
▽逮捕、虐待、自殺未遂者まで出た
・この事件は広く報道されているので触れない。が、王族内における石油利権の配分を汚職とすれば、サウジアラビアはこうしたことは日常というから、いくらでも王族を粛清することが可能だ。しかも逮捕された王族はほとんど、ムハンマド皇太子の親戚か姻戚にあたる。その王族たちを逮捕し、虐待を加え、自殺未遂者まで出たとすれば、尋常ではない。
・この事件に絡んでは見逃せない人事も行われた。アブドゥラー前国王の息子でサウジアラビア国家警備隊(兵力12万5000人)の大臣である、ムトイブが解任され、ムハンマド皇太子に忠誠を誓う大臣が就任したことだ。アブドゥラー家の国家警備隊支配に終止符が打たれた形である。この結果、ムハンマド皇太子が国軍と治安機関に加えて、国家警備隊まで掌握したことになる。「ムハンマド皇太子に不満があっても軍事力でクーデターを起こすことは困難な情勢」(村上氏)になっているという。
・体制が危機に陥った際には、従来とは反対の行動をとる指導者が登場する。たとえば、ソ連のミハイル・ゴルバチョフや中国の鄧小平だ。ゴルバチョフは失敗したが、鄧小平は毛沢東神話を毀損せず、中国共産党が統治する社会主義市場経済を構築することに成功した。今や中国は日本を抜いてGDP世界2位の経済大国であり、最近では、習近平が汚職摘発をバネにして権力基盤を盤石なものにしている。
・スケールはより小さいかもしれないが、ムハンマド皇太子もそれこそ「アッッラーの意思があれば」、中国のように、国教であるワッハーブ派の旗印を毀損せずにサウジアラビアの改革・開放に成功し、後世から「乱暴だったが、名君だった」といわれるかもしれない。ただ、欧米もイスラム世界も現在のところ、その可能性は低いとみているようだ。
・中東のエネルギー情勢に詳しい経済産業研究所・藤和彦上席研究員は、「ムハンマド皇太子は運転者にたとえると、経験のないペーパードライバー。急発進、急ブレーキ、車線変更という暴走運転をしている」としたうえで、「いずれサウジアラビア国内で反発を招き、宮廷クーデターや政変が起こり、ムハンマド皇太子が失脚する可能性が高い。政変劇の後、どういう勢力が指導権を握るかの争いが起きて、世界を不安定にすることを心配している」と指摘する。
・1973年の第1次石油危機以降、世界は、石油とマネーを行使するサウジアラビアに振り回されてきた。まだその時代は終わっていない。
http://toyokeizai.net/articles/-/198565

第一の記事で、 『今回の一斉逮捕は、サルマン国王とムハンマド皇太子が機先を制して「反対派」を一掃したものと思われます。「汚職」というのも笑ってしまうような理由で、そもそも莫大な原油収入のかなりの部分は国王をはじめ王族が勝手に使い込んでいるため、それを「汚職」というなら王族全員が対象となってしまいます。 まるで中国の「規律違反」とそっくりですが、「反対派」をすべて一掃することも不可能であるはずで、しばらくはサウジアラビアの王族や経済や政治が混乱すると考えておくべきです』、『今回のサウジアラビア王室の混乱は、そうでなくても複雑な中東情勢に「新たな混乱」となるはずです』、などの指摘は説得力がある。
第二の記事で、『「米同時多発テロ事件」・・・テロ事件後、米国とサウジアラビア間に緊張が生まれたが、この緊張をうやむやのうちに鎮静化(解決?)したのが、アブドゥラー前国王だった』、あれだけの大事件をどうやってうやむやのうちに鎮静化したのかは不明だが、前国王の政治力は相当なものだったのに違いない。ひるがえって、現在のムハンマド皇太子の暴走は、外交面のみならず、内政面では王族を 『逮捕、虐待、自殺未遂者まで出た』と、止まることがなさそうな勢いだ。 『経済産業研究所・藤和彦上席研究員は、「ムハンマド皇太子は運転者にたとえると、経験のないペーパードライバー。急発進、急ブレーキ、車線変更という暴走運転をしている」としたうえで、「いずれサウジアラビア国内で反発を招き、宮廷クーデターや政変が起こり、ムハンマド皇太子が失脚する可能性が高い。政変劇の後、どういう勢力が指導権を握るかの争いが起きて、世界を不安定にすることを心配している」と指摘』、確かに「ペーパードライバーの暴走運転」とはズバリ特徴を捉えているようだ。
明日は、中東情勢をさらに複雑化させる「トランプ大統領のエルサレム首都移転宣言」を取上げる予定である。
タグ:「ムハンマド皇太子は運転者にたとえると、経験のないペーパードライバー。急発進、急ブレーキ、車線変更という暴走運転をしている」としたうえで、「いずれサウジアラビア国内で反発を招き、宮廷クーデターや政変が起こり、ムハンマド皇太子が失脚する可能性が高い。政変劇の後、どういう勢力が指導権を握るかの争いが起きて、世界を不安定にすることを心配している」 (その10)(サウジアラビア問題:何が起こっている?、サウジは、若き皇太子の暴走で自滅へ向かう) 経済産業研究所・藤和彦上席研究員 中東情勢 闇株新聞 米国は第二次世界大戦時 サウジアビアを取り巻く国際情勢の悪化 敵味方を問わず「気配り、金配り」で手なずけ 「米同時多発テロ事件」 サウジアラビア政府 「サウジアラビアで何が起こっている?」 ムハンマド・ビン・サルマン王子が、新設の「反汚職委員会」のトップに就任した直後の一斉逮捕 容疑は何と「汚職」 11名の王子や現職閣僚を含む有力者を数十名も一斉に逮捕 ゆっくりだったら核開発を続けていいですよ イランへの経済制裁を解いてしまいました 初めての第三世代(アブドルアジズの孫)の国王となりますが、第三世代の王子は罷免されたムハンマド・元皇太子など254名もいるため、すんなりと王族全体に受け入れられているわけではなさそうです 明らかに健康に問題を抱えています ムハンマド・ビン・ナイーフ皇太子を「薬物中毒」との理由で罷免し、息子のムハンマド・ビン・サルマンを副皇太子から皇太子に昇格させ るサルマン現国王 32歳 今回の一斉逮捕は、サルマン国王とムハンマド皇太子が機先を制して「反対派」を一掃したものと思われます 「汚職」というのも笑ってしまうような理由 「汚職」というなら王族全員が対象となってしまいます サウジアラビア最大の敵であるイランと核合意を締結 オバマ政権時 ルーズベルト大統領がアブドルアジズ国王に「石油を米国に安定供給する代わりにサウジアラビアの体制を守る」と約束 同時多発テロの遺族がサウジアラビアなどテロ事件に関与した外国政府に損害賠償できる、いわゆる「サウジ法案」を成立 オバマ政権時には明らかにサウジアラビアを軽視 トランプ政権 サルマン国王は初めてロシアを訪問し、プーチン大統領との間でエネルギー政策や経済協力について話し合っています サウジアラビア王室の混乱は、そうでなくても複雑な中東情勢に「新たな混乱」となるはずです 最初の外交先としてサウジアラビアを訪問していますが、1100億ドル(12兆円)規模の武器輸出に合意した以外は、サウジアラビアとの関係をどうするのかが見えていません 「サウジは、若き皇太子の暴走で自滅へ向かう 石油とマネーで翻弄してきた反動が始まる」 東洋経済オンライン 内田 通夫 ”イスラム教の保護者”であるという自負 イスラム教スンニ派ハンバリー法学の原理主義ワッハーブ派を国教 アブドゥラー前国王 サルマン国王は支離滅裂な発言も ワッハーブ派を内外で宣教しながら、米国に安全保障を依存し同盟関係を維持するという、ダブルスタンダードの綱渡りを巧みに行ったことだ アルカーイダやIS(イスラム国)を支援育成したことなどをなるべく表に出さない、という手腕に長けていた テロ事件後、米国とサウジアラビア間に緊張が生まれたが、この緊張をうやむやのうちに鎮静化(解決?)したのが、アブドゥラー前国王 自国の教育で原理主義をたたき込まれた実行犯の者たちは、イスラム教の聖地サウジアラビアに米軍が駐留することには耐えられなかったからだ 80歳直前の即位で、アルツハイマー病の兆候が出ていた サルマン国王 宮廷クーデター 仕掛けたのは副皇太子のMBS。MBNは皇太子だけでなく内務大臣の職も解かれ、皇太子の座を引き継いだのは、ムハンマド(MBS)だった 2018年1月に予定されているサルマン国王の訪米後、生前退位をするという観測 第一はもちろん、他の王族を排除し、自分が「次期国王」になること ムハンマド皇太子が指揮するサウジアラビアの内外政策は、アブドゥラー前国王時代と正反対 改革志向が強い。サウジアラビアの人口の過半を占める30歳以下の若い世代に支持されている、リスクをいとわない大胆な性格の持ち主 サウジ・ビジョン2030 第二はサウジアラビアの「改革・開放」 ガソリン、ガス、電力など、異常に低かった公共料金も引き上げる。 産業化やレンティア国家(国民から税金を取らずに石油収入を配る)からの脱却など、野心的な構想が盛りだくさんだ 女性の運転を認めることも、開放路線も視野に入れる 首長(王家)を保護するためにイラン革命防衛隊とトルコ軍が進駐するという、かつては想像すらできないことが現実になっている カタールはサウジアラビアの圧力をかわすため、なんとイラン側についた カタールの離反 レバノンのサアド・ハリーリ首相 2017年6月には国交を断絶。さらには陸路や海路、空路を閉鎖するなど強硬処置に出た サウジアラビアに呼び出されたうえ、軟禁されるという事件 サウジアラビアがイスラム教の大義を損ねた、と非難されるリスクを抱える プロトコルを優先する外交関係では、あってはならない誘拐行為 イスラエルの参謀総長がサウジアラビアを支援するシグナルを送っている 逮捕、虐待、自殺未遂者まで出た 王族を含む関係者が汚職の疑いで逮捕 アブドゥラー前国王の息子でサウジアラビア国家警備隊(兵力12万5000人)の大臣である、ムトイブが解任され、ムハンマド皇太子に忠誠を誓う大臣が就任したことだ
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