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日本の政治情勢(その16)(日米安保妄信はただの屈米 亀井静香氏語る「情けない国」、安倍首相の3選戦略と「ポスト安倍」の暗闘、額賀派クーデターの波紋 “反アベ”結集なら総裁選は大波乱、本気の倒閣へ舵 安倍首相vs朝日新聞が「最終戦争」突入へ) [国内政治]

日本の政治情勢については、昨年12月9日に取上げた。森友問題で国会が空転するなかで、国税庁の佐川長官が辞任、大阪理財局の担当職員の自殺、など事態は流動的なので、この問題は後日取上げるとして、今日は、(その16)(日米安保妄信はただの屈米 亀井静香氏語る「情けない国」、安倍首相の3選戦略と「ポスト安倍」の暗闘、額賀派クーデターの波紋 “反アベ”結集なら総裁選は大波乱、本気の倒閣へ舵 安倍首相vs朝日新聞が「最終戦争」突入へ)である。

先ずは、昨年12月11日付け日刊ゲンダイ「日米安保妄信はただの屈米 亀井静香氏語る「情けない国」」を紹介しよう(▽は小見出し、Qは聞き手の質問、Aは亀井氏の回答、+は回答内の段落)。
・「今の政界は倫理も論理もない。当選しても一緒にやっていく相棒が見つからない」と言って、今年10月の衆院選に出馬せず、引退を表明した前衆議院議員の亀井静香氏。現役時代から歯に衣着せぬ物言いで、時に恐れられ、また慕われてもきた稀有な存在である。自らを「傘張り浪人」と称してきた無頼派は、波瀾万丈の政治家人生の果てに何を思うのか――。
▽ゴミを出さないようにするのが政治
Q:11月28日に開かれた「感謝の集い」は政党を超えた政治家、支援者が駆けつけ大盛況でした。挨拶に立った森喜朗元首相が「男と抱き合ったのは後にも先にも亀井さんだけだ」と。94年、自社さ政権誕生の時ですね。
A:あれで自民党が政権復帰したわけだからね。森喜朗は俺に抱きついて泣いてたよ。羽田内閣が立ち往生すると、小沢一郎が自民党に手を突っ込んできて、海部(俊樹元首相)を担いだ。一方、自民党の俺は社会党に工作を仕掛けた。仁義なき戦いだ。投票が終わるまで、どうなるか読めないんだもの。あんな面白い政局はないよ。
Q:79年の初当選以来38年、13期連続当選。引退を決めた理由は何だったのでしょう?
A:もう少し続けようかという気持ちもあったんだけど、政治家には引き時がある。「まだ、やれ」と言われているうちに退くのが花よ。小沢から電話があって、「希望の比例1位で」という話もあったんだが、81歳のジジイになって、女性のスカートに入って政治やるわけにいかねえよって、引退を決めた。
Q:尊敬する人物は大塩平八郎やチェ・ゲバラと聞きました。警察組織出身とは思えない発想です。
A:これも因縁でね。東大時代、駒場寮に住んでいた時の寮祭で、そこらでウロウロしてた野犬を串焼きにして売ったんです。翌朝、起きたら枕元で女の子たちが「デモを食った、ひどい」とシクシク泣いてる。そのひとりが樺美智子さんだった。自治会が「デモ」と名付けて飼ってた犬を焼き鳥にしちゃったんだな。その樺美智子さんが60年安保で亡くなった。こんな警察じゃいかん。俺が警察に入って叩き直してやると思って、勤めていた会社に辞表を出したんです。
Q:警察では極左対策の初代責任者になり、成田空港事件や、あさま山荘事件などの陣頭指揮を執ったのですよね。
A:家にも帰らず連合赤軍を追いかけてた。あさま山荘事件は苦い思い出です。失敗ですからね。とっ捕まえたメンバーの奥沢修一の自供で幹部の行方がつかめた。リンチ殺人も奥沢が自供したんだ。山狩りをして、妙義山のふもとで最高幹部の森恒夫と永田洋子を逮捕し、アジトに駆け上ってみたら、もぬけの殻よ。取り逃がしたのは責任者の私のミスです。その結果、あさま山荘事件が起こり、目の前で部下が撃ち殺された。悔恨の念しかないね。
+ただ、当時から俺は「彼らがやってることは悪い。だが、心情は分かる」と言っていた。社会を変えたい、日本を良くしたいという一途な思いで若い身を投げ出してるんだから。森恒夫を取り調べた時はすごい迫力だったよ。飢えたオオカミみたいな目つきは、今でも忘れられないね。こういう若い連中が、なぜ極左に走り、同じ日本人同士が敵味方で戦わなきゃならんのか。やりきれない気持ちになりますよ。
Q:それが、政治家を志したきっかけですか?
A:警察の仕事はしょせんゴミ掃除なんだ。ゴミを出さんようにするのが政治だと。女房にも親兄弟にも一言も相談しないで、勝手に警察辞めちゃった。41歳の時だ。俺はどうも単純なんだな。でも、中選挙区時代の広島3区はどえらいところでね。宮沢喜一(元首相)や佐藤守良(元農相)ら強豪ぞろい。俺なんか総スカンで、戸別訪問は10万軒くらい歩いたけど、丼いっぱいの塩を頭からかけられたり、さんざんな目に遭った。
+それを気の毒がった人たちが応援してくれるようになってね。だから、俺の支持基盤は完全な草の根だ。社会的地位のある人なんていやしない。中小・零細企業ばかり。それで、ずっとやってきたのは幸せだよ。
▽マジメぶって「政策だ」なんて笑わせる
Q:中小企業といえば、民主党政権時代に手がけたモラトリアム(返済猶予)法は、当時は批判されましたが、今では「恒久法に」という声が上がるほど浸透しています。
A:モラトリアム法は、自民党にいたら絶対にできなかった。銀行は猛反発で、そうとうやり合いました。郵政で自民党とケンカして離党したから、実現できた。これを大臣就任会見でブチ上げたものだから、鳩山総理も慌てちゃってさ。それで「ダメだというなら俺を更迭しろ」と迫ったんだよ。鳩山さんはいろいろ言われるけど、対米従属からの脱却を本気で考えてた。そこが好きだったね。
Q:現政権の対米追従は度を越しているように見えます。
A:(安倍)晋三はアメリカの尻馬に乗って、トランプ大統領と一緒になって北朝鮮をいたぶろうとしている。これは危険ですよ。やり過ぎると、金正恩は、本物の(核の)ボタンを押すかもしれん。その時、攻撃されるのはアメリカじゃなくて日本だ。だいたいミサイル迎撃なんて、できやしないのにどうするの。日本は米国とは立場が違う。拉致問題も抱えている。気の触れた犯人が人質を取って警察に抵抗している状況と同じで、なだめたり騙したり、あの手この手で交渉の場に引きずり出すしかないんですよ。最初から機動隊で正面突破じゃ、ドンパチになって犠牲者が出る。そこを晋三は分かってないんじゃないか。
Q:だから国民も不安を感じている。
A:何度も晋三と話したんだが、米国の軍事システムを妄信しているんだな。軍事力に絶大な信頼を置いている。だが、日米安保条約さえあれば大丈夫なんて本気で信じてるようではダメだ。安保は日本にとってプラスにならないこともある。守ってもらうために何でもハイハイと従っているのは、ただの屈米だ。情けない日本になってしまった。
▽今の内閣には人間的な厚みがない
Q:今後の政治に対して言いたいことは?
A:みんなおとなしすぎるよ。乱闘なんかないもんね。マジメぶって「政策だ」なんて、笑わせるなっての。政治ってのは権力を構築しなきゃダメなんだ。そこで初めて、国のため国民のための仕事ができる。政策を超えた結びつきがあるかどうかだ。野党のやつらにいつも言ってるの。ちゃぶ台返しでも屁理屈でもいいから、とにかく議事を止めろと。対等の力関係に持っていくには、委員長室を占拠するとか、物理的にも徹底抗戦するしかない。与党を本気で困らせれば、そこで初めて五分の立場で話し合いになる。マスコミは批判するかもしらんけども、国民のためという真剣さが伝われば世論もついてきますよ。
Q:自民党はどうですか。「ポスト安倍」は?
A:残念ながら、いねえんだよなぁ。小選挙区制で政治家がサラリーマン化しちゃった。今の内閣を見ても人間的な厚みがないでしょ。理屈ばかりで血が通っていない。土の匂いがしない。国会議員なんてのは犬みたいなものでね、飼い主は国民なんだ。それがボス犬の方ばかり見て、縮こまっちゃってる。これじゃあ日本が良くなるわけがない。犬は飼い主のために働かなくちゃいかんのですよ。
+俺は現政権がやろうとしている憲法改正にも反対だ。すべての国民が人間らしい生き方をできるようになり、その後で初めて憲法改正の話でしょう。ちょこっと条文を足すなんて、木を竹で接ぐようなことはしちゃいかん。憲法に手を入れたいだけの自己満足じゃないか。本気で国のことを思っているわけでもないガリガリ亡者がやってもロクな改憲にならんよ。でも、こういう簡単なことが通じない世代になってきた。
Q:まっとうな意見を言う人は必要です。今後も“亀井節”に期待している人は多いはずです。
A:年明けには韓国に行って、文在寅大統領と会います。その後で北朝鮮にも入る。最高幹部に会って話をしてきます。交渉のパイプが大事だからね。トランプ大統領とも会う約束をしてるんだ。250億円かけて、バイオマスと太陽光発電の事業も始める。この出力は原発1基の半分くらいになる。俺は脱原発だからね。それを主張するだけじゃ気が済まない。自分でやらねえと。バッジがなくても、やれることはいくらでもある。傘張り浪人が、国際放浪浪人になるだけのことです。
▽かめい・しずか 1936年、広島県庄原市生まれ。東大経済学部を卒業後、サラリーマンを経て警察庁に入庁。自民党の衆院議員として、運輸大臣、建設大臣、政調会長などを歴任。2005年に離党して国民新党を結成し、民主党と連立した鳩山政権では金融担当大臣など。13期務め、17年の衆院選に出馬せず引退した。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/219076/1

次に、政治ジャーナリストの泉 宏氏が1月18日付け東洋経済オンラインに寄稿した「安倍首相の3選戦略と「ポスト安倍」の暗闘 消化試合の裏で「次の次」をにらむ神経戦へ」を紹介しよう(▽は小見出し)。
・国政選挙が予想されない2018年政局の最大イベントは、9月に予定される自民党総裁選だ。ただ、昨年9月末解散断行、10.22衆院選という大博打が図に当たって1強を維持・強化した安倍晋三首相の「3選」は既定路線で、永田町スズメの興味は「対抗馬にどれだけの差をつけて勝つか」(細田派幹部)に集まる。
・石破茂元地方創生相、野田聖子総務相が出馬に意欲満々だが「出ても勝機はない」(自民幹部)のが大方の見立て。「最有力候補」とされながら様子見を決め込む岸田文雄政調会長に「禅譲狙いでの不出馬説」がつきまとう現状からも、6年ぶりの総裁選は首相の史上最長政権を前提とする消化試合の様相を濃くしている。
・ただ、「次の次」を視野に入れる河野太郎外相や若きスーパースターの小泉進次郎筆頭副幹事長の動きも含め、ゴールが定まらない「ポスト安倍」をめぐる熾烈な駆け引きは年明けからひそかに始まっている。
▽野田氏念頭に「われこそはと手を挙げて」と首相
・二階俊博幹事長や菅義偉官房長官が「3選支持」で石破氏をけん制する一方、野田氏に出馬を促すような首相発言の裏には、反安倍勢力の分断による石破潰しの思惑もにじむ。ここきて、岸田氏が首相の後見人を自任する麻生太郎副総理兼財務相と密談したのも「消化試合の裏側での神経戦」(自民長老)とみられている。首相の出馬表明が予定される初夏に向け、水面下での権力闘争が本格化しそうだ。
・総裁選をめぐる党内実力者の思惑を浮き上がらせたのは首相自身の発言だった。1月12日からバルト3国など東欧歴訪中の首相は15日夕(日本時間)の同行記者団との内政懇談で、総裁選を軸とする今年の政権運営にやや踏み込んで言及した。首相はまず「(総裁選への対応は)雪が解けて、木々の芽が吹き出す、そして緑が深くなってきた頃に考え始めなければいけないかと思う」と語った。
・年明けから繰り返している「セミが鳴くころ」の言い換えともみられているが、通常国会の大幅延長も予想されるだけに、国会会期と関連させず、新緑が深緑に変わる6月中下旬の出馬宣言を暗示したと受け止められている。
・その上で首相は、「自民党には人材が雲霞のごとく存在するから、閣内にあろうがなかろうが、われこそはと手を挙げていただければいい」と笑顔を浮かべた。岸田氏と共に首相と当選同期で総裁選出馬を目指す野田氏を念頭に置いた発言だ。2015年総裁選では、最後まで出馬に向けて推薦人集めに奔走した野田氏を「党内工作で出馬させなかった」(自民幹部)のとは対照的に、「今回は出てもいいよ、という意味」(細田派幹部)なのは明らかだ。もちろん、国政選挙5連勝による3選への自信の表れではあるが、首相の強かな総裁選戦略も垣間見せた発言である。
・2017年3月の党大会では、二階幹事長の主導で「総裁の連続3選」を可能にする党則改正が決議されたが、これに先立つ2014年には総裁選の仕組みも変わっている。2015年総裁選が無投票だったため、今回が初適用となる新ルールは「国会議員票と地方票の比率を1対1とする」のが最大のポイントだ。具体的には、(1)衆参自民党議員(現在405)は各1票、(2)党員・党友には議員数と同じ票数(405)を割り当て、各候補者の得票数に応じてドント方式で配分、という仕組み。
・さらに、6年前のように第1回投票で過半数を獲得した候補がいなかった場合の上位2人の決選投票も、国会議員票に加え、党員・党友票を47都道府県別に集計して、割り当てた47票を各都道府県別に得票1位の候補者に配分する。仮に、2012年総裁選がこのルールで実施されていれば「地方票で首相を圧倒した石破氏が総裁になっていた」(自民幹部)とされるだけに、各候補者の集票戦略も6年前とは微妙に変わることになる。
▽「ダブルスコア以上の圧勝」で苦い記憶を消す
・首相が現在の長期安定政権を築けたのは、2012年総裁選での上位2人に対する国会議員による決選投票で石破氏を逆転したからだ。首相にとっては「苦い記憶」(側近)で、「今回は石破氏に最低でもダブルスコア、できればトリプルスコアで圧勝したいと考えている」(同)とされる。
・現時点での票読みでは、国会議員票では首相が圧倒的に有利だ。最大派閥で首相の出身母体の細田派に麻生派や二階派、さらには額賀派の一部や無派閥の首相支持組を合わせればすでに過半数を上回り、3分の2にも手が届きそうな状況だ。一方で地方票も自民党員を対象とした調査では5割以上が首相支持とされる。仮に総裁選の時点で国会議員数が405人のままなら、首相は1回戦で500票以上を獲得して圧勝する勢いだ。
・ただ、石破氏とのマッチレースとなった場合、地方票で石破氏が善戦すれば、首相の目指すダブルスコア以上は困難となる。ところが、「第3の候補」として野田氏が参戦すると、議員票でも地方票でもいわゆる「反安倍票」が分断される可能性が高い。関係者の票読みでは「三つ巴となれば、ざっくり計算して首相500票、石破氏220票、野田氏80票という結果になる」(自民事務局)とされ、首相の圧勝戦略は「目標達成」となる。首相サイドがあえて野田氏の背中を押すのは、そうした票読みが背景にあるとみられ、党内では「今回は、野田氏の推薦人になっても人事で冷遇されることはない」(若手)との噂も飛び交う。
・当の野田氏は、一連の首相発言について「しっかりと総裁選を進めていこうという決意の表れ」としながらも、20人の推薦人確保については「今回は150%」と強い自信を示す。総裁選を仕切る立場の二階幹事長から「あえて出るだけではしょうがない」とけん制されても、野田氏は党内の一部でささやかれる石破氏との候補1本化の可能性を「ありません」と明確に否定し、自らの出馬には、(1)無投票回避、(2)多様性アピール、(3)女性活躍推進、の「3つの『義』がある」と胸を張る。
・他方、岸田氏周辺では主戦論と自重論が交錯する。年明けに掲載された大手紙の総裁選絡みのコラムで「『次の次』に『次』はない」と揶揄されて、議員を辞めてからも岸田氏の後見人とみられている古賀誠元幹事長が「総理総裁を目指すなら派閥として堂々と戦うべきだ」と派内の若手議員にハッパををかけている。
・その一方で、党・内閣の要職にある岸田派幹部は「あえて首相を敵に回す必要はない」と及び腰だ。総裁選後の人事で冷遇されるのを恐れているからだ。岸田氏自身も、いわゆる「加藤の乱」で同派が分裂した経緯を振り返り、「勝てない戦はするべきでない」と周辺に語ったとされるが、派内には「あいまい戦術は首相の思うつぼ」(若手)との不満も広がる。
▽麻生・岸田の「大宏池会構想」に首相は?
・そうした中、岸田氏は首相発言に合わせたように麻生氏と二人だけで会談した。持ち掛けたのは岸田氏とされ、どちらも会談内容には口を閉ざしているが、互いに総裁選への対応を探ったのは間違いない。もともとは宏池会(現岸田派)所属だった麻生氏は、谷垣禎一元総裁が率いた谷垣グループも含めた「大宏池会構想」をぶち上げたこともあり、首相サイドも「キングメーカー狙いの麻生氏のかく乱戦術では」(側近)と疑心暗鬼だ。
・首相は内政懇談で「自民党には老壮青それぞれの世代に有力な人材がいる。若い人たちもその時期に備え、経験、実績、見識を培ってもらいたい」とも語った。河野氏や小泉氏を念頭に置いた発言とされ、「3選後は大胆な世代交代を進める意向を示唆した」(自民幹部)と受け止める向きも多い。
・無派閥ながら内閣の大番頭として首相を支える菅官房長官は一連の首相発言を受けて出演した民放テレビ番組で、改めて首相の3選支持を明言するとともに、河野氏についても「外相に専念したいのでは」と解説した。昨年8月の内閣改造で首相に河野氏の起用を強く進言した菅氏は、ここにきて周辺に「ポスト安倍は河野」と漏らしたとされる。河野氏は、父親の河野洋平元衆院議長の側近だった麻生氏が率いる麻生派の一員だが、同時進行となった菅発言と麻生・岸田会談は「最近折り合いが悪い麻生、菅両氏のポスト安倍をめぐる主導権争い」(自民長老)との見方も広がる。
・その河野氏がライバル視するのが小泉氏だ。衆院選での自民圧勝の「最高殊勲選手」となった同氏だが、総裁選が話題となる年明け以降も沈黙を守っている。「東京五輪が終わる2020年9月から日本は大きく変わる。それからが若い世代の出番だ」と繰り返す小泉氏は、党内でも「9月総裁選のキーパーソンの1人」(若手)とみられている。同氏は2012年総裁選では石破氏を支持しただけに、首相サイドも「今回も石破氏を支持されると、圧勝の流れが変わりかねない」と気をもむ。
・河野氏は自らの後援会幹部に「小泉氏は近い将来の総理総裁就任は間違いないが、その前に私が…」と訴えたとされるが、今後の展開次第では「次の次」の総裁選が石破、岸田両氏らを飛び越えて「河野、小泉のKK対決になる」(若手)との見方も出始めている。
・ただ、河野氏の父・洋平氏は安倍政治に批判的で、小泉氏の父・純一郎元首相は「原発即時ゼロ」を掲げて、共産党も含む野党に法案提出を呼びかけている。「親子は政治家として別人格」(河野外相)とはいえ、「ポスト安倍がKK対決ともなれば退陣後の首相の影響力を奪う」(自民幹部)ことも想定されるだけに党内の反応は複雑だ。
▽「解散しない」なら「東京五輪花道」説も
・そうした中、昨年末に永田町で流布されたのが「首相の東京五輪花道」説。総裁3選を果たした首相が、2020年夏の五輪開催を成功させた上で、後進に道を譲るため任期途中で退陣する、とのシナリオだ。首相が順当に総裁3選を果たせば次の任期は2021年9月末で、現在の衆院議員の任期満了もその直後の10月下旬だ。仮に安倍政権が任期切れまで続けば首相にはもう一度、衆院解散の選択肢が残る。にもかかわらず首相は昨年の衆院選後、周辺に「もう解散はしない」とつぶやいたとされる。
・解散は後継首相に委ねるという意味なら、「政治的に見て東京五輪直後の2020年秋が勇退のタイミング」(首相経験者)となる。その時点では衆院任期満了まで1年の時間的余裕もあり、次期首相の解散時期の選択肢も広がるからだ。併せて、任期途中の退陣となれば話し合い選出も含めた両院議員総会での後継選びとなる可能性が大きい。そうなれば、首相による後継指名も可能となり、首相周辺が出元とされる「岸田氏への禅譲」説も現実味を帯びる。
・自民党総裁選の歴史は「権謀術数が渦巻く権力闘争」(首相経験者)ばかりだ。首相の父・晋太郎元外相は総理・総裁を目前にして病に倒れた。首相の政界の師でもある小泉純一郎元首相は、長年の盟友だった加藤紘一元幹事長(故人)を追い落として総裁選を制した。そして河野氏の父・洋平氏は党内抗争のはざまで、自民党で初めて総理になれなかった総裁となった。
・ポスト安倍を窺う候補者達はいずれも世襲議員だ。当然「それぞれが先代の歓喜や挫折を背負っての総裁選挑戦」(自民長老)となる。連綿として続く政権党の権力闘争で1強首相の次に勝ち名乗りを上げるのはいったい誰か。「因果はめぐり、歴史は繰り返すのが常」とされる永田町の暗闘は、17日夕の首相帰国を受け、初夏に向けて「深く静かに潜航する」ことになりそうだ。
http://toyokeizai.net/articles/-/205084

第三に、1月29日付け日刊ゲンダイ「額賀派クーデターの波紋 “反アベ”結集なら総裁選は大波乱」を紹介しよう(▽は小見出し)。
・突然、勃発した自民党の第3派閥「額賀派」のクーデター劇。参院議員21人全員が、派閥領袖の額賀福志郎氏に退任を求めている。 この時期にクーデターが起きたのは、9月に行われる総裁選に備えるためだともっぱらだ。衆参54人の額賀派は、“反アベ”で動くつもりだとみられている。もともと、闘う集団だった額賀派が“反アベ”に回ったら、“安倍3選”に黄色信号がともる。
・「クーデターの裏に、かつて参院ドンと呼ばれた青木幹雄さんがいるのは間違いないでしょう。額賀派に所属していた青木さんは、いまだに参院額賀派に絶大な影響力がある。青木さんが“右”と決めれば、21人全員が“右”に動く。派閥領袖の額賀さんは“安倍支持”ですが、どうやら青木さんは、総裁選では石破茂を担ぎたいようです。“安倍支持”の額賀さんをクビにして、派内を“石破支持”でまとめるつもりでしょう」(自民党関係者) もともと、青木幹雄氏と石破茂氏の関係は最悪だったが、2016年の参院選の時、石破氏が青木幹雄氏の長男・一彦氏の選挙を全面支援したことで関係が修復したという。
▽「3人」の共通点は“安倍嫌い”
・自民党内は「額賀派」のクーデターを固唾をのんで見ている。第3派閥の「額賀派」が“反アベ”で腹を固めたら、第4派閥の「岸田派」(45人)と第5派閥の「二階派」(44人)も追随する可能性があるからだ。 3つの派閥が“反アベ”で固まったら、安倍首相は敗北する可能性がある。
・「3つの派閥が手を組む可能性はゼロではないでしょう。まず、岸田派の実質的なオーナーである古賀誠氏と青木幹雄氏は親しい関係です。同じビルに事務所を構えている。さらに、二階派の領袖・二階俊博氏も、2人とはツーカーの仲。青木―古賀―二階は、いつでも話ができる。3人の共通点は内心、安倍首相を嫌っていることです。
・3人ともいわゆる“保守本流”です。保守本流は、GHQと一緒に憲法を制定し、日本の繁栄を支えてきた。ところが、安倍首相が敬愛する祖父の岸信介氏は“保守傍流”です。戦犯だったため憲法制定に加われなかった。だから、安倍首相は“押しつけ憲法だ”と批判し、“戦後レジームからの脱却だ”と戦後の日本を否定している。そもそも、保守本流と保守傍流は考え方がまったく違うのです。もちろん、青木―古賀―二階の3人は、勝ち目のないケンカはしないでしょうが、勝てるチャンスがあれば、一気に勝負にでてくるはず。場合によっては、岸田文雄氏を担いでもいいと考えているはずです」(政界関係者)
・NNNの調査では「次の自民党総裁に誰がふさわしいか」は、石破21%、安倍19%だった。国民も“安倍3選”にはウンザリしている。今頃、安倍首相は悲鳴を上げているのではないか。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/222142/1

第四に、3月6日付け日刊ゲンダイ「本気の倒閣へ舵 安倍首相vs朝日新聞が「最終戦争」突入へ」を紹介しよう(▽は小見出し)。
・「朝日新聞が政権転覆に舵を切った」――。 森友学園関連の決裁文書を財務省が改ざんした疑いについて朝日が1面トップで伝えた先週金曜(2日)、永田町では自民党議員からも冒頭のような声が上がった。  朝日の報道の通りなら、麻生財務相のクビどころか、内閣が吹っ飛ぶような国家犯罪だが、朝日は本気で安倍政権を倒しにいくつもりなのか。
・「朝日の幹部が国会議員OBに会った際、こう言っていたそうです。『自分たちはそれなりにやってきたつもりだが、国会の委員会での安倍首相の名指し攻撃は度を越している。そこまでやるなら、こっちも腹を決めて勝負に出る。森友学園問題に関して隠し玉がある』と」(永田町関係者) どうやら朝日は材料を集めていたようで、それはこの財務省の一件だけではないらしい。
・「平昌五輪期間中を避けて、一番効果的な記事化のタイミングを見極めていたところ、不適切データの問題で裁量労働制拡大の法案提出が断念に追い込まれた。そこで、弱り目にたたり目のこのタイミングで勝負を懸けたということでしょう。スクープは1発だけではなく、第4弾、第5弾まで用意しているそうです」(前出の永田町関係者)
▽自らの説明責任は棚に上げて朝日攻撃
・もともと朝日嫌いの安倍首相だが、年明け以降の朝日攻撃は確かに異様だ。 昨年5月、森友学園の籠池前理事長が小学校の設立趣意書に「安倍晋三記念小学校と書いたと証言した」と朝日が報じたが、設立趣意書の文言は「開成小学校」だった。安倍首相はこれに噛みつき、朝日攻撃を繰り返している。1月28日の衆院予算委で「(朝日は)籠池被告が言ったことをうのみにした」、31日の参院予算委でも「安倍政権を攻撃するためだったのか、朝日新聞は裏を取らずに事実かのように報道した」と猛批判。
・それだけじゃない。自民党議員のフェイスブックに「哀れですね。朝日らしい惨めな言い訳」とコメントを書き込み、2月13日の衆院予算委では、30年前の朝日新聞カメラマンのサンゴ落書きや、13年前のNHK番組への自らの政治介入報道まで持ち出して口汚くケナした。
・設立趣意書の件に関していえば、籠池前理事長は当初、小学校への寄付金の「払込取扱票」に「安倍晋三記念小学校」と書いていたし、財務省が開示した設立趣意書は校名の部分が黒塗りされていたのだから、朝日の記事は決して誤報とはいえない。それなのに、自らの説明責任は棚に上げて朝日攻撃。政治評論家の本澤二郎氏が「最高権力者が国会で特定メディアを激しく批判するのは、言論弾圧にも等しい破廉恥な行為」と言っていたが、まさに常軌を逸している。
・朝日は4日の朝刊1面で、裁量労働制の違法適用で当局から指導された野村不動産の社員が過労自殺していたことをスッパ抜いた。これも“倒閣”の一環なのだろう。働き方改革への野党の批判が勢いづき、「スーパー裁量労働制」と呼ばれる「高度プロフェッショナル制度」の創設も怪しくなってきた。
・焦点は、決算文書改ざん疑惑について財務省がどう説明するのかだ。 自民党内では「朝日は過去に、福島原発事故の吉田調書の件などでチョンボをしている」と誤報に期待をかける向きもあるが、もし誤報なら、逆に朝日の社長のクビが飛ぶ。安倍首相か朝日か、どちらが倒れるか――。いよいよ最終戦争に突入した。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/224459/3

第一の記事の亀井氏は、警察官僚出身ながらハト派で骨のある保守政治家だった。樺美智子さんとの出会いのエピッソードには笑ってしまった。あさま山荘事件でも、 『当時から俺は「彼らがやってることは悪い。だが、心情は分かる」と言っていた』、という内面の暖かさが漢字られる人物だった。 『晋三はアメリカの尻馬に乗って、トランプ大統領と一緒になって北朝鮮をいたぶろうとしている。これは危険ですよ。やり過ぎると、金正恩は、本物の(核の)ボタンを押すかもしれん。その時、攻撃されるのはアメリカじゃなくて日本だ。だいたいミサイル迎撃なんて、できやしないのにどうするの』、というのは正論だ。
第二の記事で、 『「ダブルスコア以上の圧勝」で苦い記憶を消す』、という安部首相の目論みは、第三の記事の 『額賀派クーデター』、により足元がぐらついているようだ。 『自民党総裁選の歴史は「権謀術数が渦巻く権力闘争」ばかりだ』、にも拘らず、このところ安部一強で無風状態だったが、久しぶりに本来の姿に戻ることを期待したい。
第三の記事で、 (“保守本流の)『3つの派閥が手を組む可能性はゼロではないでしょう』、と岸田派までが反安部に回るとすれば、面白くなるが、岸田氏にはそこまでの決断力はなさそうだ。
第四の記事で、朝日新聞は、 『スクープは1発だけではなく、第4弾、第5弾まで用意しているそうです』、というのが事実であれば、そろそろ出してもいい頃合いなので、何が出てくるか楽しみだ。
タグ:日本の政治情勢 (その16)(日米安保妄信はただの屈米 亀井静香氏語る「情けない国」、安倍首相の3選戦略と「ポスト安倍」の暗闘、額賀派クーデターの波紋 “反アベ”結集なら総裁選は大波乱、本気の倒閣へ舵 安倍首相vs朝日新聞が「最終戦争」突入へ) 森友問題 国税庁の佐川長官が辞任 大阪理財局の担当職員の自殺 日刊ゲンダイ イ「日米安保妄信はただの屈米 亀井静香氏語る「情けない国」」 樺美智子 こんな警察じゃいかん。俺が警察に入って叩き直してやると思って、勤めていた会社に辞表を出したんです 当時から俺は「彼らがやってることは悪い。だが、心情は分かる」と言っていた 警察の仕事はしょせんゴミ掃除なんだ 晋三はアメリカの尻馬に乗って、トランプ大統領と一緒になって北朝鮮をいたぶろうとしている これは危険ですよ。やり過ぎると、金正恩は、本物の(核の)ボタンを押すかもしれん。その時、攻撃されるのはアメリカじゃなくて日本だ。だいたいミサイル迎撃なんて、できやしないのにどうするの 泉 宏 東洋経済オンライン 「安倍首相の3選戦略と「ポスト安倍」の暗闘 消化試合の裏で「次の次」をにらむ神経戦へ」 「ダブルスコア以上の圧勝」で苦い記憶を消す 、「第3の候補」として野田氏が参戦すると、議員票でも地方票でもいわゆる「反安倍票」が分断される可能性が高い 麻生・岸田の「大宏池会構想」に首相は? 「東京五輪花道」説 自民党総裁選の歴史は「権謀術数が渦巻く権力闘争」 「額賀派クーデターの波紋 “反アベ”結集なら総裁選は大波乱」 衆参54人の額賀派は、“反アベ”で動くつもりだとみられている。もともと、闘う集団だった額賀派が“反アベ”に回ったら、“安倍3選”に黄色信号がともる 青木幹雄 「3人」の共通点は“安倍嫌い” 保守本流 保守傍流 「本気の倒閣へ舵 安倍首相vs朝日新聞が「最終戦争」突入へ」 朝日新聞が政権転覆に舵を切った 森友学園関連の決裁文書を財務省が改ざんした疑いについて朝日が1面トップで伝えた スクープは1発だけではなく、第4弾、第5弾まで用意しているそうです 自らの説明責任は棚に上げて朝日攻撃
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