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保険(その1)(保険会社の管理職たちが医療保険に入らない理由保険会社の管理職たちが医療保険に入らない理由、「外貨建て保険」に潜む恐ろしい"闇"と"ワナ" 思わぬ円高で巨額の含み損を抱えた人が続出)

今日は、保険(その1)(保険会社の管理職たちが医療保険に入らない理由保険会社の管理職たちが医療保険に入らない理由、「外貨建て保険」に潜む恐ろしい"闇"と"ワナ" 思わぬ円高で巨額の含み損を抱えた人が続出)を取上げよう。

先ずは、昨年11月24日付けダイヤモンド・オンライン「保険会社の管理職たちが医療保険に入らない理由」を紹介しよう(▽は小見出し)。
・青春新書プレイブックスから9月に発売された書籍、『「保険のプロ」が生命保険に入らないもっともな理由』。うかつに生命保険に加入することへの警鐘を鳴らした1冊で、発売時から高い注目を集め瞬く間に増刷された。保険の営業現場の実情や商品設計に関わる専門家たちの本音を知る著者の後田亨氏に、より詳しい“現場の声”を教えてもらった。
▽保険料の3割超が手数料!? だからあなたはソンをする
・著者の後田亨氏はこれまでも、「安心のために」という気持ちで保険に入ると、高い確率で損をすると語ってきた。 「“保険=いざというときに必要不可欠なモノ”という認識がいまだに根強いですが、誤解だと思います。“保険=お金を用意する方法の1つ”に過ぎません。しかも保険は加入者にとって、かなり不利な仕組みであることに、多くの人が気づいていないんです」
・病気やケガをした際にお金の心配をするのはもっともだが、お金の工面の方法を保険に絞る必要はない。後田氏のオススメは、ゼロコストで手に入れることができる“自分のお金”だ。 「保険でお金を用意するより、自己負担するほうが合理的というと、『貯蓄を取り崩す不安があなたにはわからないのか』と言われることがあります。ですが、たとえば、売れ筋の医療保険でも保険料の約3割が保険会社の経費に回る仕組みです。大手の死亡保険では6割超が経費と見られる商品もあります。つまり、専用ATMに1万円入金すると3000~6000円もの手数料が引かれるイメージです。お金の心配をしたくない人が、暴利が疑われるシステムに入ってしまっては本末転倒です」
▽保険会社の管理職はCMで見る保険には入らない?
・事実、保険会社の管理職や商品設計担当者など、保険をよく知る人たちは、テレビCMなどで一般の人たちにすすめられる保険に加入していないことが珍しくない。お金を用意する手段として、効率が悪いことを知っているからだ。 保険に精通している人ほど、CMなどでおなじみの保険には入らず、社内で案内される格安の団体保険に必要最小限入っています。お金は大事だから、最もコストがかからない選択をする。考えてみたら当然のことです」
・後田氏自身、元々は保険の営業マンだった。しかし、大手生保や代理店で多数の商品を取り扱ううちに、保険ビジネスそのものを疑問視するようになったという。 「営業マン時代、様々な保険会社の商品をお客様に販売していましたが、当時から“保険会社が発信していることは建て前に過ぎないのではないか”と思っていました。『お客様の立場で考えます』などと言いながら、手数料が高い商品を売らないと激しく叱責されるような職場でしたから」
・その疑問を裏付けるように、勤めていた保険会社の管理職も安価な団体保険を愛用していたという。営業マンや顧客に最大限の加入を促している一般向けの自社商品には、入りたがらないのだ。
▽「もし働けなくなったら…」 保険CMの演出力に顧客はハマる
・保険は、お金(保険料)で、お金(入院給付金など)を用意する手段だが、『お金を失いやすい手段』という面も持つ。保険会社の経費や代理店の報酬に消えるお金があるため、加入者に還元されるお金の割合は100%を大きく下回るからだ。したがって保険の利用を最小限にとどめるのは正しい判断と言える。
・「複数の保険会社で商品設計に関わった専門家は、『保険は演出の力で売られている』とハッキリ言っていました。例えば、広告などでは“医療費は賄えても生活費はどうする?”、“まさか自分がガンに罹るとは思ってもみなかった”など、歓迎したくない事態が語られます。これが演出の力です。自分や家族が窮地に陥る場面を想像すると、お金に関する冷静な判断が難しくなるからです」 言い方を変えれば、『よく考えない人が、よくわからないまま入っている』のが保険なのだ。
・また、保険会社の営業教育に詳しいある人物は、『営業部門のビジネスモデルは、ほとんど宗教に近い』とも語ったという。 「営業マンに、保険は素晴らしいものだと信じこませることが売り上げアップにつながります。営業部門では、保険契約にかかるコストは金融商品の中でも破格であることなどは教えられていません。その分、セールストークにも迷いがなくなるからです」
・実際、営業マンの中には、自社の保険にたくさん加入していることを公言する者もいる。自分が入りたくて入った保険をお客さまにも勧めている、という論法だ。しかし、彼らはデメリット情報を知らないだけという可能性もある。
・「様々な不安から、保険に頼りたくなったら、自動車保険の入り方を手本にすべきです。賠償責任のように億単位のお金がかかるケースには、しっかり保険で備える。そのかわり、数十万円で買い替えられる中古車両には保険をかけない。自己負担できない金額かどうかによって保険加入の是非を決めるべきです」
・今まさに保険の加入を検討しているという人は、保険をよく知る人たちの本音を参考にしてほしい。必要な保険は、実はそれほど多くはないのかもしれない。不安感に振り回されることなく、冷静にソロバンを弾くことが、有意義な備えにつながるのだ。
http://diamond.jp/articles/-/150623

次に、ファイナンシャルプランナーの岩城 みずほ氏が3月24日付け東洋経済オンラインに寄稿した「「外貨建て保険」に潜む恐ろしい"闇"と"ワナ" 思わぬ円高で巨額の含み損を抱えた人が続出」を紹介しよう(▽は小見出し)。
・「保険を解約したいが、現在の含み損が大きすぎて、とてもできない」――。今、外貨建て保険の加入者からのこんな相談が相次いでいます。 なぜこうした「事件」が頻発しているのでしょうか。話を聞いてみると、多くの相談者が外貨建て保険の内容を正確に理解できていないことに、主な原因があるようです。それもそのはずです。商品の仕組みは複雑で、パンフレットや提案書を一度読んだだけでは、まず理解できません。
・注意する点について一応記載はされているのですが、文字が小さかったり、言い回しが難しかったり、その保険会社独自の用語であったりと、とにかく難解です。わざと消費者にわかりにくくして、思考停止に陥らせるのが目的なのではと、勘ぐってしまいたくなるほどです。今回は、外貨建て保険に入ってしまった人の問題点と、その解決策について考えます。
▽「払った金額の1.2倍もらえそう」という「見せ方」
・相川沙希さん(56歳・会社員、仮名)は、2014年に「米ドル建ての保険料一時払いの定額年金保険」に加入しました。どんな商品かというと、「据え置き期間なしで、37年間年金を受け取れる」というものです。「据え置き期間なし」とは、一時払い保険料を一括で払い込んだ翌年から、年金を受け取れるという仕組みです。
・相川さんは、「私はお給料があまり高くありません。この商品ならお小遣いの足しになりますよ、と勧められました」と言います。勧めたのは大手証券会社の営業マンです。「あまりリスクを取りたくない」という彼女に、ならば、「投資信託より保険のほうがいいですね」と、この商品を勧めたのです。 「米ドル建てだと、増えそう」「毎年決まった額のおカネがもらえる」というイメージがありますが、何が問題なのでしょうか。早速、商品を詳しく見て、それをあぶりだしていきましょう。
・この商品は、一時払い保険料に対して「満期まで持てば米ドルで120%の年金額保証」とされていました。これをそのまま信じれば1.2倍もらえるように見えるわけですが、これはあくまで米ドルベースであるということです。しかも、問題はそれだけではなかったのです。
・まずは為替です。受け取り時の為替を、たとえば1ドル=116円など、あらかじめ自分で想定し、それよりも円高の場合は米ドルで据え置かれ、円安の場合は円に換算して年金として受け取れるという仕組みでできています(この仕組みを利用するためには、特約を付加する必要があります)。
▽問題は「円高」だけではなかった
・単に為替換算の話だけなら、さほど複雑ではありませんね。証券マンに「保険だから、リスクが小さいから」と勧められ、相川さんが加入時に払ったおカネ(一時払い保険料)は、15万米ドル分でした。後述しますが、相当な額です。しかし、実はこの商品は、そこから契約の初期費用(契約時にかかる費用)7%が引かれていました。それだけではありません。さらに円をドルに換算するための手数料のほか、保障のための費用、運用のための費用、その他付加した特約保険料などが、保険期間中ずっとかかるのです。
・その結果、相川さんの年金原資(今後運用に回るおカネ)は当初から13万9500米ドルまで減ってしまいました。当時の為替レートが1ドル=116.15円でしたので、日本円換算すると加入時に払ったおカネ(一時払い保険料)は、1742万2500円でした。しかし、実際に運用に回ったのは、1620万2925円だったのです。契約時の初期費用が7%、121万9575円分引かれたからです。かなり高いですね。「損が出ているから、解約できない」の大きな原因は、まずこの初期費用にありました。
・相川さんがこれまで受け取った年金は、3年間で計109万8109円。たくさんもらっているように見えますが、もし今、解約すると「返戻金は11万7687米ドル」と契約先の大手証券会社に言われました。1ドル=106円(3月下旬現在)で換算すると、約1247万円です。一時払い保険料が約1742万円ですから、約495万円のマイナス。受け取り年金額約109万円をプラスしても、実質386万円の損です。
・今、解約したら、386万円の損……。ものすごい金額です。しかし、初期費用は120万円強だったはずで、その費用があったとしても、まだおカネがどこかに「消えて」います。せっかく50代の後半から「37年間、払った額の1.2倍をもらう」はずが、これはつらい話です。どうして、こんな途中経過になってしまっているのでしょうか。「想定よりもドル安円高になってしまった」のだから、仕方ないのでしょうか?
・この原因は、確かにドル安円高もあります。しかし、それに加え「解約控除費用」のせいでもあったのです。 解約控除費用とは、「契約後、一定期間内の解約時に積立金から控除される費用」のことを言います。この保険商品の場合、「積立金に対し市場金利の変動を考慮した、独自の計算方法で導き出した金額」となっていました。証券会社が「独自の計算方法で導き出した金額」が費用として差し引かれるというわけです。
・しかも、相川さんは、やはりもう1つ「思い違い」をしていました。「87歳の満期まで持ち続けると支払った額の1.2倍になる」と思っていたのですが、受け取り時の為替レートにより、円換算額が一時払い保険料を下回る場合もあります。もちろんかなりの円安になれば、受け取り保障金額は増えますが、円高になると少なくなります。また約款には、前述したように、年金受け取り時にはドルを円に交換するための手数料が、さらに年金管理費(毎年の受取年金額の1.4%、円で受け取る場合はさらに0.35%追加)も差し引かれると書かれていました。恐るべき高コスト商品です。
▽そもそも買った商品が「悪い商品」だった
・「解約したいけれど、損になってしまうから」と迷っていた相川さんですが、私が以下の「解約すべき2つの理由」を説明、腑に落ちたこともあり、解約することに決めました。
・2つの理由とは、1つは、大きく損をしているのは運用上の損ではなく、商品の損であることです。運用していれば市場環境によって損が出ることもあるでしょう。しかし、この商品のように、加入した途端にまず1割近く資産を減らしてしまうような「損をする商品」は持つべきではありません。
・2つ目は、この商品の内容が正確に理解できないことです。私も、この複雑な商品を理解するために、オンライン上の「特に重要なお知らせ(契約概要/注意喚起情報)」や「パンフレット」を隅から隅まで読み、あれこれ計算をして、理解するのに2時間かかりました。複雑すぎるのです。
・結局相川さんは、思い切って、この複雑な外貨建て保険を解約。「400万円弱の高い授業料」を払う形にはなりましたが、解約返戻金を、一般NISA(少額投資非課税制度)を使い、国内外のインデックス投信で限度額上限の毎年120万円ずつ、運用していくことにしました。
・相川さんは、そろそろ60歳。そこで、老後にいくら取り崩すことができるのか、「老後設計の基本公式」で、60歳時点を想定して計算をしました。これは、いつもの「人生設計の基本公式」とは違い、積み上げた貯蓄について、「老後、毎年取り崩せるおカネはいくらなのか」、すぐに計算できる式です。
・大体の老後生活費の目安がつけば、いたずらに不安を持つこともなくなりますし、対策も講じられます。50代未満の読者の皆さんもぜひ、計算してみてください。相川さんは60歳で定年を迎えることもあり、保有資産がそれなりの額になります。95歳まで生きると仮定します。
・相川沙希さん(56歳・会社員)60歳時点で計算  A:「保有資産額」5000万円  p:「年金額」(年額)84万円  a:「未年金年数」(年)5年(65歳受給開始)  w:「働く収入」(万円)280万円  b:「働く年数」(年)2年(62歳まで延長雇用)  H:「最終資産額」(万円)2000万円(介護施設入居費1000万円、遺産及び予備費合計1000万円)  n:「想定余命年数」(年)35年(95歳までの35年間)  「老後設計の基本公式」で計算してみましょう。
・人生の最晩年に残す「最終資産額」(介護費用や、遺産向けなどのおカネ)を2000万円とすると、毎月の生活費は、年金と合わせて約14万5000円です。「保有資産額」は、たとえば、今後運用が上手く行って資産額が増えれば、その分をプラスとして反映させます。しかし、介護などのおカネをどの程度見込むかにもよりますが、5000万円あっても2000万円を引いた「実質3000万円+年金」では、少々厳しい老後が想定されます。
・幸い、相川さんの場合は、もう少し長く働ける環境だということですので、働く期間をもう少し伸ばして、年金受給を70歳まで繰り下げることを検討すると良いともお伝えしました。繰り下げ請求は、月単位で行うことができ、1カ月繰り下げると0.7%増加します。 もし70歳まで繰り下げると、42%増えて119万2800円になり、これが一生涯受け取れます。「早く死亡してしまったら、年金を受け取れないからと損」と考える人もいますが、年金は損得ではなく、長生きをした時の大きな助けになるのだと考えるべきです。
・相川さんの場合、老齢年金受給を5年繰り下げると、その間合計420万円の年金は受け取れません。しかし、70歳以降の増加額は年35万2800円にもなり、受給開始から12年弱、ざっくり言えば82歳以上に長生きすれば、65歳で年金をもらうよりも多くなります。その意味でも、民間の保険加入については、慎重に検討すべきです。
http://toyokeizai.net/articles/-/213725

第一の記事で、 『売れ筋の医療保険でも保険料の約3割が保険会社の経費に回る仕組みです。大手の死亡保険では6割超が経費と見られる商品もあります』、 『保険会社の管理職はCMで見る保険には入らない?』、などの指摘は、改めて保険に入る馬鹿馬鹿しさを示している。私の場合、自動車保険では車両保険は入らずに済ませている。 『自己負担できない金額かどうかによって保険加入の是非を決めるべきです』、というのはその通りだ。
第二の記事にある 『外貨建て保険』、は証券会社、銀行なども販売に注力している主力商品だ。ファイナンシャルプランナーでも 『理解するのに2時間かかりました』、というほどの複雑な商品で、一般の人々がとうてい理解できるような代物ではない。 『結局相川さんは、思い切って、この複雑な外貨建て保険を解約』、というのは不幸中の幸いだ。金融商品を販売する際には、顧客の知識、経験、財産の状況、金融商品取引契約を締結する目的に照らして、不適当な勧誘を行ってはならないという適合性の原則があるが、どうも空文化しているようだ。
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