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タカタのリコール問題(その4)(タカタ倒産に見る 経営者が持つべき「覚悟」、タカタ 債権届出額3.7兆円のうち2.7兆円を認めず、タカタ製エアバッグの理不尽な余波 車検パニックは誰の責任か) [企業経営]

タカタのリコール問題については、昨年7月17日に取上げたままだった。その後の展開を含め、今日は、(その4)(タカタ倒産に見る 経営者が持つべき「覚悟」、タカタ 債権届出額3.7兆円のうち2.7兆円を認めず、タカタ製エアバッグの理不尽な余波 車検パニックは誰の責任か)である。

先ずは、元銀行員で経営コンサルタントの小宮 一慶氏が昨年7月27日付け日経ビジネスオンラインに寄稿した「タカタ倒産に見る、経営者が持つべき「覚悟」 背景にある2つの「甘え」」を紹介しよう(▽は小見出し)。
・欠陥エアバッグ問題で経営が悪化していた自動車部品大手のタカタが、6月26日に民事再生法の適用を申請し、経営破綻しました。 米国でタカタ製のエアバッグが異常破裂する事故が起こってから同社は迅速な対応をすることなく、事態は悪化し続けました。最近ではオーストラリアでの死亡事故も明らかになり、タカタ製エアバッグを採用した車での死者は世界で18人と伝えられています。
・エアバッグで世界シェア2割を誇る優良企業を破綻に追い込んだのは、ダウンサイドリスク(最大限被る損失)の認識の甘さや初期対応のまずさとともに、その根底には「経営者の意識」の問題が大きかったと私は考えています。リーダーはどのような覚悟を持つべきなのか。決算の数字も含めて、一連の出来事を振り返りながらお話しします。
▽問題が拡大した米国はタカタの主戦場だった
・破綻直前のタカタの業績は、どのような状況だったのでしょうか。 2017年3月期決算内容によると、売上高は前の期より7.7%減の6625億円、営業利益は7.5%減の389億円。減収減益ではありますが、営業利益段階では売上高営業利益率6%弱のまずまずの黒字を確保しています。
・ところが、特別損失で欠陥エアバッグ問題関連の損失を差し引いた結果、最終利益は795億円の大幅赤字に陥りました。その結果、会社の中長期的な安全性を示す自己資本比率は27.5%から7.0%まで大きく低下しています。もちろん、この数字は危険ラインですが、今後の損失や資金繰りを考えると、これからさらに財務内容が悪化することから、民事再生法申請という選択肢をとったのです。また、タカタを買収する企業側から考えれば、ブランドがさらに棄損する前に破綻処理し、いったん債務をなしにして、新生タカタを早めに引き継ぎたかったという思惑もあったのでしょう。
・欠陥問題による損失がどこまで膨らむのか、正確なところはまだ分かっていません。問題のエアバッグを装着した自動車を回収して部品を交換するリコール費用は、整備費用や交換部品費用、輸送費などの費用を全て含めると1台あたり約1万円と言われています。今のところ、リコール台数は1億台超まで拡大する見通しですから、総額で1兆円を超えると考えられます。
・現時点では、リコール費用は最終製品を販売した自動車メーカーが負担しています。本来であれば自動車メーカーはタカタに費用を請求することになりますが、経営破綻により回収は難しくなりました。
・続いて、地域別の業績をまとめたセグメント情報を見てください。売上高、利益ともに大きいのが米州で、全体の営業利益の約3割を稼いでいます。米州のうち大半を占めるのは米国です。つまり、タカタの主戦場は米国だったわけです。 その米国を中心に、エアバッグの異常破裂事故が起こってしまいました。しかも、同国は訴訟社会です。不具合が発覚した時点で、もっと大変なことだと思って早急に対応していれば、ここまで問題は拡大せず、タカタの結末は違っていたかもしれません。
・残念ながら、タカタの対応はかなり遅れました。問題が深刻になった2014年の時点でも、同社は「構造的な欠陥を示す証拠はない」と主張していたのです。
▽公の場にほとんど姿を見せない高田重久社長
・6月26日の民事再生法の申請を発表する記者会見に出席したタカタの高田重久会長兼社長が、その前に公の場に姿を見せたのは、15年11月に米運輸省・高速道路交通安全局(NHTSA)から罰金を科されたことについて発表した会見以来のことです。特にここ2年ほどは、深刻な事態に陥っていましたから、高田社長は先頭に立って公の場に出てきて、ユーザーや自動車メーカー、そして株主にもっと十分な説明をするべきだったと思います。
・6月の会見では、こんな発言もありました。「なぜ起きたのか非常に不可解だし、いまだに(問題の)再現性がない」「予見不可能だったとはいえ、問題の解決をしなくてはならない」。 実際に多数の事故が起き、死傷者が多く出ているわけです。自動車メーカーも多大な迷惑を被っています。この発言は、あまりに不誠実に映るのではないでしょうか。
・私は、ここに根本的な原因があると思います。経営者のリーダーシップのあり方が問題なのです。 経営コンサルタントである私は、経営者たちに向けたセミナーを定期的に開いています。そこで繰り返し申し上げているのが、「経営者が人を動かすためには、二つの覚悟が要る」ということです。
・二つの覚悟とは何か。 一つは、「先頭に立って行動する覚悟」です。戦前に海軍のエリートを養成した海軍兵学校では、「指揮官先頭」ということを徹底して教えていました。「指揮官たる者は、常に先頭に立って行動すべきだ」ということです。 二つめの覚悟は、自分の権限内で起こることについて、「責任を取る覚悟」です。特に社長は、会社や事業に係るすべてに責任を取る覚悟がなければ、社員はついてきません。
・私の経営コンサルタントの大先輩に、一倉定(いちくらさだむ)先生という方がいらっしゃいます。中小企業のオーナー経営者たちに非常に慕われた方でした。 一倉先生は、よくこんなことを仰っていました。「リーダーとして成功したければ、電信柱が高いのも、郵便ポストが赤いのも、すべて自分のせいだと思え」。まさに、「責任を取る覚悟」を表現した言葉です。
・その点、高田社長は、先頭に立つことはほとんどありませんでしたし、責任も取りませんでした。いまだに被害者に謝罪もしていません。その時点で、彼は経営者として失格だと言わざるを得ません。
▽タカタ倒産の背景には、二つの「甘え」があった
・タカタには、二つの「甘え」があったのではないかと思います。 一つは、先ほども述べたようにダウンサイドリスクを甘く見ていたことです。最終的に被害はどれほどまで拡大するのか、そして、自社にどれだけのダメージがあるのか、事故当初から甘く見ていたと感じます。
・消費者保護の意識がとても強い米国で死亡事故が発生した時も、タカタは迅速な対応を取りませんでした。原因が自社にないのであれば、主張や証明をしなければなりませんが、そういったことも十分にはしませんでした。 おそらくは、タカタに原因があるという可能性が濃厚になってきた段階でも、高田社長は、重大な問題だという認識があまりなかったのではないでしょうか。あるいは、どうしていいかが分からなかったのでしょうか。
・もう一つは、シェアの高さによる甘えです。タカタは元々、繊維会社でしたが、その技術を活かして、1960年からシートベルトの製造を始めました。その後、ホンダと協力して1987年にエアバッグを実用化。日本で初めてエアバッグを搭載したのは、ホンダの高級車「レジェンド」でした。今では、エアバッグで約2割の世界シェアをタカタは持っています。
・こうして世界有数の自動車部品メーカーへと成長していったわけですが、徐々に甘えが出てきたのではないかと感じます。 タカタが民事再生法の適用を申請すれば、自動車メーカーにとってはリコール費用の回収が事実上できなくなってしまいます。ただ、法的処理によらず自動車メーカーが中途半端に救済してしまいますと、ダウンサイドリスクやその後の訴訟リスクを引き受けることにもなりかねません。そこで、民事再生法の適用申請に踏み切ったのですが、そうであれば、自動車メーカー各社や日本企業連合が出資をして立て直す。そういった救済の道も十分考慮されたはずです。
・それでも、結局はメーカーも日本連合もタカタ救済には乗り出さなかった。それは、もちろん、この先のリスクや展開が読めないということもあるでしょうが、これまでのタカタの対応の悪さも原因の一つだったのではないでしょうか。あくまで私の推測ですが、高田社長やタカタのこれまでの対応が、自動車メーカーの強い反感を招いたのではないかと思います。
▽「経営」と「所有」を分離し、能力ある人物をトップに
・民事再生法の適用申請を受け、タカタはスポンサー企業である中国傘下の米自動車部品メーカー、キー・セーフティ・システムズ(KSS)に1750億円で事業譲渡することを発表しました。タカタの健全な事業だけを新会社に移して、旧会社はリコール費用などの債務や賠償責任に対応していくとのことです。
・KSSにとっては、これ以上うまい話はありません。新会社は訴訟の対象にはならない上、世界有数の技術力を持つ会社を非常に安く買えたわけです。このスキームなら日本企業(連合)でもタカタを買収できたはずです。
・一方、日本にとっては大きな損失です。営業利益段階で数百億円を稼ぐ会社を失っただけでなく、技術の流出も避けられないでしょう。 エアバッグは、必ずしもハイテク製品とは言えませんが、長年の蓄積が生きるノウハウが要りますから、なかなか競合他社が追随できないのです。だから高いシェアを維持できたのです。日本の利益を考えれば、日本企業がタカタを買収するべきだったのではないでしょうか。
・2014年に米議会で開かれた、エアバッグ欠陥問題に関する公聴会にも、高田社長は出席しませんでした。タカタの品質管理を担当する清水博シニア・バイス・プレジデントが出席しましたが、米国内からは「なぜ高田社長が姿を見せないのか」といった批判の声が挙がりました。 先にも触れましたが、米国はタカタの主戦場です。経営者であれば、ここで信用を失えば、自社が大きなダメージを受けることくらい推測できたはずです。
・経営能力のない人物は社長に就任するべきではありません。タカタは元々優良企業だったわけですから、オーナーに十分な能力がないのなら、「所有」と「経営」を分離すべきだったのではないでしょうか。優秀な経営者は、世界中にたくさんいます。高い報酬を払えば、優秀な社長を据えることもできたはずです。
・一倉先生が、いつも繰り返し仰っていたことがあります。「会社には、良い会社、悪い会社はない。あるのは良い社長、悪い社長だけだ」。タカタのみならず、ダメな会社の本質を突く言葉ではないでしょうか。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/16/011000037/072600017/?P=1

次に、昨年11月9日付けロイター「タカタ、債権届出額3.7兆円のうち2.7兆円を認めず=地裁提出資料」を紹介しよう。
・欠陥エアバッグ問題で経営破綻したタカタの民事再生手続きで、自動車メーカーが負担したリコール(回収・無償修理)費用など、債権者側が東京地裁に届け出た債権総額は約3兆7700億円に上ったことが、ロイターが入手した地裁提出資料で明らかになった。タカタ側はこのうち約2兆7000億円を受け入れておらず、地裁が認可すれば同社の負債総額は約1兆0500億円で確定する見通しだ。
・関係者によると、タカタが認めなかった届け出債権2兆7000億円のほとんどは、自動車メーカーによるリコール費用の求償分。負債総額約1兆0500億円の中にはリコール債権が6000億円程度含まれているものの、約1億個超に達している欠陥エアバッグ部品のリコールは、その費用の大半を自動車メーカー各社が負担することになる。
・タカタ側の債権認否状況について、タカタ製エアバッグの異常破裂で死亡事故が発生し、リコール台数の多いホンダは「法的にできる対応を引き続き検討中だ」(広報担当者)としている。
・タカタは6月26日に民事再生法の適用を申請。その際に同社が公表した負債総額は約3800億円(1ドル=111円で換算)だったが、これには自動車各社が肩代りしていたリコール費用は含まれていなかった。各社との補償合意ができていなかったためで、金額の確定は再生手続きに委ねられることになっていた。
・タカタの再建は中国の寧波均勝電子傘下の米自動車部品メーカー、キー・セーフティ・システムズ(KSS)がスポンサーとして支援する。タカタは問題となったエアバッグ部品のインフレーターなど一部の事業を除き、実質的にすべての事業と資産を1750億円でKSSに譲渡する。関係者によると、まもなく最終合意する見込みだ。
・タカタは11月27日までに再生計画案を東京地裁に提出、その中で債権の弁済率を示す見通し。弁済に充てる原資はKSSへの事業譲渡で得た資金などに限られる一方、米国司法省による罰金や仕入れ先への約300億円の支払いが優先されるため、社債、銀行借入金、リコール求償権などの一般債権の弁済率は1割未満になる可能性が高い。
https://jp.reuters.com/article/takata-idJPKBN1D8241

第三に、百年コンサルティング代表の鈴木貴博氏が4月20日付けダイヤモンド・オンラインに寄稿した「タカタ製エアバッグの理不尽な余波、車検パニックは誰の責任か」を紹介しよう(▽は小見出し)。
▽当分、車に乗ることができない?タカタ製エアバッグの意外な余波
・タカタ製エアバッグ不祥事の意外な余波が、今ごろ起きることになった。国土交通省は、タカタ製の欠陥エアバッグを搭載しているリコール対象車両のうち、年式が古いものを中心に約94万台の車検を未改修のままでは通さないことを決定した。
・タカタ製エアバッグのリコールは国内最大規模で、範囲はトヨタ、日産、ホンダなど大半の自動車メーカーに及び、届け出台数は過去最多の1981万台。わが国の乗用車保有台数が約6000万台だから、リコール対象はおおよそ3台に1台であった。 それでもすでに1700万台超の車については改修が終わり、残る246万台のうち、年式が古い94万台を5月以降このままでは車検に通さないと、国土交通省が決めたというのが今回のニュースである。
・このことで、一部の車の所有者に「車検パニック」が起きることが予想されている。おおむね次のような事態だ。 中古車の持ち主が5月に入って、整備工場などに車検を依頼する。すると、そこで自分の車がリコールの対象になっていて、このままでは車検に通らないと知らされる。
・本来であれば、無償回収修理が行なわれるリコールだが、古い車種の対応部品がメーカー欠品で手に入らない。だから最悪の場合、オーナーが「当分の間、車に乗ることができない」と突然知らされることになる。車がないと通勤ができない環境の持ち主であれば、生活が成り立たずパニックに陥る可能性もあるというわけだ。
・そもそも、メーカー系のディーラーや中古車販売会社から車を購入した人たち、つまりメーカーから連絡が届く人たちは、その大半がすでに改修を終えている。これが「1700万人が対応済み」という数字の意味だ。  逆に言えば、今回の車検にひっかかるであろう、まだ修理に応じていない車のオーナーは、(メーカー系列ではない)独立系の中古車屋さんで古い年式の車を購入したり、個人間売買で中古車を購入したり、ないしは引っ越して販売当初のディーラーがその行方を把握できていなかったりする人たち、ということになる。
・前回の車検もガソリンスタンドや近所の整備会社に頼んだという場合は、自動車の持ち主本人も、場合によっては車検を通したサービスマンも、そのリスクに気づいていないわけだ。そして車検パニックに直面するのは、最終的に情報弱者という構図になる。これがこの問題の深刻なところだ。
・思えば家電製品でも、似た構図の問題は起きてきた。老朽化すると一酸化炭素中毒を引き起こしたり、発火したりする恐れがあることがわかった暖房器具などが、全面回収となった事例がある。それでも100%の回収は無理である。 そして、そのリコール問題も世間が忘れた頃になって、老人たちが住むグループホームが火災事故を起こす。原因がその暖房器具であり、そんなものがまだ残っていたということを、事件が起きて関係者が初めて気づくことになる。
▽タカタ、国交省、オーナー… 「車検パニック」は誰の責任か
・自動車の場合は、車検というルールがあるがゆえに、こうした不幸を事前に防ぐことができる可能性がある一方で、強制的に車検で発見された未修理車が、一時的に使えなくなる危惧はある。ではいったいこの問題、誰の責任なのだろうか。
・そう、大問題を提起しておいて申し訳ないのだが、今回、もし車検パニックが起きるとすれば、それは残念ながら「自己責任」ということになる。それで仕事に出勤できなくなる、買い物に行けなくなり不便な状況になる、病院に通えなくなり病状が悪化する、といった状況になっても、それは自己責任だ。
・メーカーは販売した自動車に対して、製品面での責任を持つ。しかしその責任は、あくまで製品の不具合を無償で回収して修理するところまでだ。結果的に起きる二次的な経済損失まで負担するような責任はない。
・エアバッグをつくったタカタには本来、大いに責任があるのだが、すでに戦後最大と言われる倒産劇を起こしたことから、関係者にこれ以上の法的責任を問うことは難しい。 また国の責任は、安全が保証できる車だけを街中で走らせることにある。むしろ今回のように強権を発動しながら強制的に未修理の車を炙り出すことで、中古車市場の安全が保証できるようになることはいいことだ。全ての車が車検を通過するにはそれでも2年かかるが、中古車を買うとロシアンルーレットのように不具合を持つ車が混ざっていて、消費者がそれを知らずに買っているという今のような状況は、いずれ消える。
・部品が手に入らない車のオーナーのための車検時の救済措置は、本当は考えたほうがいいのだが、むしろ国土交通省がこれまで踏み込まなかった、4月以前に車検を通してしまった車の安全性についての方が、その責任が問われるはずだ。
・とはいえ、日本を代表する大手自動車メーカーの、誰もが知っている有名車種の車を購入したにもかかわらず、それが車検に通らない上に自己責任を問われるという事態は、一般消費者にとってどのように割り切るべき問題なのだろうか。
▽「喫煙の是非」と似ている車に乗ることの社会的責任
・この一件は、「自動車は便利だが、それを使うには社会責任が伴う」ということを、世の中が再認識するための教訓ではないかと私は思っている。
・経済学の逸話にこんな話がある。たばこをなくすべきかどうかという議論のときに使われる話だ。禁煙論者に対して、経済学者が次のような質問をするとしよう。 「ある商品が存在する。この商品は使っている本人にとってはいいのだが、統計的に見れば、実は本人の寿命を短くしている。それだけでなく、家族の寿命や見ず知らずの人の寿命にもマイナスの影響を与えている。そういった商品は禁止すべきか?」 たいていの禁煙論者は、この経済学者の質問に「即座に禁止すべきだ」と答えるだろう。そこで経済学者は「実はこの商品は自動車なのだが、それでも禁止すべきか?」と念のために確認する。それがこの話のオチになる。
・欠陥車が2000万台近く売られてしまったというのも不幸な話だが、その87%まで改修が済んでいることは、関係者の努力の成果とも言える。一方、まだ残っている246万台については、オーナーは万一の事故の際、本人だけではなく家族や知人などの周囲を巻き込む可能性がある。
・こうした状況を考えれば、今回の問題で起きる損失に対して責任を持つのは本人であると、言わざるを得ないのではないか。「割り切れない」と感じる人もいるかもしれないが、車の使用には社会責任が伴うのだから――。
http://diamond.jp/articles/-/167971

第一の記事で、 『公の場にほとんど姿を見せない高田重久社長』、という対応のお粗末さには、確かに驚かされた。 『経営者のリーダーシップのあり方が問題なのです・・・「経営者が人を動かすためには、二つの覚悟が要る」・・・一つは、「先頭に立って行動する覚悟」です・・・二つめの覚悟は、自分の権限内で起こることについて、「責任を取る覚悟」です』、というのはその通りだ。 『タカタには、二つの「甘え」があったのではないかと思います。 一つは、先ほども述べたようにダウンサイドリスクを甘く見ていたことです・・・・もう一つは、シェアの高さによる甘えです』、としているが、私はもっと重要な「甘え」を見逃しているように思う。それは、消費者との直接の接点を持たない、「部品メーカー(下請)としての甘え」があったように思う。 『日本の利益を考えれば、日本企業がタカタを買収するべきだったのではないでしょうか』、と指摘しているが違和感がある。 『日本連合もタカタ救済には乗り出さなかった』、のは、 『この先のリスクや展開が読めないということもあるでしょうが、これまでのタカタの対応の悪さも原因の一つだったのではないでしょうか』、というのは、日本連合でも救済ではなく、破綻後のスポンサーになることならできた筈で、それをしなかったのは、タカタの対応の悪さなどよりも、タカタに企業価値がないと、日本連合が判断したと見るべきなのではなかろうか。
第二の記事で、 『社債、銀行借入金、リコール求償権などの一般債権の弁済率は1割未満になる可能性が高い』、とやはりかなり低い弁済率になりそうだ。
第三の記事で、 『届け出台数は過去最多の1981万台・・・すでに1700万台超の車については改修が終わり、残る246万台のうち、年式が古い94万台を5月以降このままでは車検に通さないと、国土交通省が決めた』、とあるが、152=(246-94)万台はどうなるのだろう? 『古い車種の対応部品がメーカー欠品で手に入らない。だから最悪の場合、オーナーが「当分の間、車に乗ることができない」と突然知らされることになる』、というのは、メーカーの部品保存年数が書かれてないが、メーカー欠品を起こすというのは、保存年数が短か過ぎるのではないだろうか、記事では、オーナーの「自己責任」としているが、メーカーにも責任の一端があるように思う。
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