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高齢化社会(その7)(後期高齢者が増える「重老齢社会」到来 定年の廃止が喫緊の課題だ、高齢ドライバーが原因の交通事故は本当に増えているのか、認知症に「性欲ギャップ」…高齢者の性を巡る深刻すぎる問題) [社会]

高齢化社会については、2月18日に取上げた。今日は、(その7)(後期高齢者が増える「重老齢社会」到来 定年の廃止が喫緊の課題だ、高齢ドライバーが原因の交通事故は本当に増えているのか、認知症に「性欲ギャップ」…高齢者の性を巡る深刻すぎる問題)である。

先ずは、経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員の山崎 元氏が3月21日付けダイヤモンド・オンラインに寄稿した「後期高齢者が増える「重老齢社会」到来、定年の廃止が喫緊の課題だ」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/164195
・『現在、65歳以上の国民が高齢者と呼ばれているが、65〜74歳の「前期高齢者」と、75歳以上の「後期高齢者」に分類されている・・・2月1日時点で、前期高齢者が1766万人、後期高齢者が1764万人であり、後者が前者を上回るのは3月か、あるいは4月かという“時間の問題”になっている。後期高齢者が、高齢者の多数を占める状況を「重老齢社会」と呼ぶ向きもある』、『寿命とともに、健康で他人の助けを借りずに過ごすことができる「健康寿命」も延びており、端的に言って、人が活発に活動できる時間が延びている。 しかし、高齢化が急速に進む中で、わが国の制度や慣行は、必ずしもこれに追いついていないように思われる』、なるほど。
・『国民の寿命が延びて、同時に元気で活動できる健康寿命も延びていることを思うと、第一に行うべきことは、「定年」という慣行を廃止することだろう。 もともと「定年」という決めごとは、個人の能力差を無視した、年齢による不当な「差別」の一つだ。 一方この制度には、組織にとって、人的な新陳代謝を手間を掛けずに自動的に行う効果があった。わが国の法制上、一方的な解雇が難しい正社員に対しても、社員が一定の年齢になるとこれを理由に退職させることができるので、雇い主にとって、解雇にかかわる手間が必要ない点が便利だった』、『しかし、「定年までは勤められるが、定年で解雇される」と分かっていると、定年が近い社員や公務員は、安心して勤められる一方で、生産性を上げるモチベーションが乏しくなる。 他方、相対的に高齢であっても、能力や意欲の高い組織人もいるのであり、彼らを形式的に定年で解雇したり、役職を奪って収入を大幅に下げたりすることは、彼らの能力発揮を阻害する。 ただし、定年の廃止は、正社員解雇の条件緩和をセットで進めるべきだ。解雇に関しては、金銭的な補償のルールを法律で定めて、大企業だけでなく中小企業に対しても徹底すべきだ』、定年の廃止と正社員解雇の条件緩和をセットで進めるべきだ、との提案には、解雇の条件緩和が適切な範囲で行われるのであれば、基本的には賛成だ。
・『個人型の確定拠出年金は・・・高齢者の労働参加が望まれるわが国にあって、60歳以降拠出ができないことは、重大な制度的な欠陥と言って構わないレベルの問題だ・・・確定拠出年金(DC)は、企業や国に運用のリスクを負わせることなく、個人が自分の判断で老後に向けて経済的に備えることを後押しする制度であり、「軽老齢層」が、自分の能力や意思に応じて利用することができる柔軟な仕組みだ。彼らが働きながら、「重老年」期に備えられる制度を充実させることが必要だ』、その通りだ。
・『高齢者を含む社会人への教育機会の提供は、現在の日本の大学が進むべき方向の一つだが、基本的には大学の自主性に任せるべきテーマだろう。少子化で若年層の需要が減る中で、大学経営にとって活路の一つでもある。 「重老齢社会」にとって、最大のテーマの一つが介護だ・・・大きな方向性として、在宅の介護よりも、施設における介護を重視することが望ましいのではないだろうか・・・社会全体として、介護にあって「規模の利益」を追求すべきだろう』、介護は在宅よりも施設の方が効率的であることはその通りだが、この問題は、介護を受ける側にとってどちらがよいのかなど、もっと掘り下げて考えるべきと思う。
・『「老年学」に期待すること』、はその通りだ。

次に、7月24日付けダイヤモンド・オンライン「高齢ドライバーが原因の交通事故は本当に増えているのか」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/175460
・『「65歳以上の高齢者による事故件数は、その年によって大きく減るときもありますが、ほぼ横ばい。しかし、その他の若い世代による事故件数は減少しているため、全体として高齢者による事故の割合が増加傾向にあるのです。それに加えて、メディアで大きく報じられることで、高齢ドライバーの事故が最近特に目立つようになっているというわけです」・・・警察庁の統計によると、75歳以上の運転免許保有者数は、2016年末時点で513万人と、10年前から比べると倍増している。また、ここ10年以上、75歳以上の高齢者による死亡事故は年間400件超で推移しており、これは決して見過ごせる問題ではない』、高齢の免許保有者数が倍増したのに、高齢者による死亡事故は年間400件超で推移しいるということは、1人あたり事故率では低下している筈なので、「これは決して見過ごせる問題ではない」というのは言い過ぎなのではなかろうか。
・『認知症にかかると、色彩の見分けがつかなくなったり、集中力も散漫になるという。「認知症の人はいつも何らかの症状が出ているそうです。たとえば、たった今確認した信号の色を忘れていたり、そもそも信号があることさえも記憶から抜け落ちたりすることもあります。そうなると、一時停止でも止まらずに直進してしまうなどの恐れがあるため、大変危険なのです」』、確かに認知症は問題だ。
・『免許の自主返納を促すのが一番効果的な対策法』、だが、『「高齢ドライバーの方は経験もあるためか、運転に自信を持っている人が多く、自己評価が高いのです。そのため家族が説得しても免許の自主返納に応じないケースも多いようです」 そのような場合は、高齢ドライバーの家族が地域包括支援センターのマネジャーなどに相談して、免許の自主返納を促してもらうことなどが効果的な手段ではあるようだ・・・少しでも自分の運転に不安がある高齢者に対しては、身近な人が自主返納を促していくことが重要なようだ』、その通りだろう。

第三に、5月19日付け現代ビジネスで政治評論家の田原総一朗氏が性科学者の宋美玄氏と対談した「認知症に「性欲ギャップ」…高齢者の性を巡る深刻すぎる問題」を紹介しよう。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/55607
・『一年前の5月19日に放送されたNHK『クローズアップ現代』が、ネット上を中心にとんでもない反響を起こしたことをご存じだろうか。テーマは「高齢者の性の悩み」、ゲストはジャーナリストの田原総一朗氏と、産婦人科医で性科学者の宋美玄さん。 NHKが高齢者の性について真っ正面から取り上げたことも注目を集めたが、それ以上に、高齢男性で風俗店を利用している人が増えているという話題の中で、田原氏が「風俗店に行って、彼らは本番以外に何をやるの?」と尋ねたり、番組アナウンサーに「あなた、奥さんとセックスについて話すの?」と質問したり、と性についての直球質問を行ったことが、視聴者の驚きを買ったのだ。田原氏の質問にひとつひとつ丁寧に回答する宋さんの姿も話題になった・・・「高齢者の性」については、日本社会がほとんど真剣に向き合ってこなかったテーマだけあって、田原氏の問題意識も強い』、なるほど、興味深かそうだ。
・『「2012年 人口動態統計」によると、この年に50歳以上で離婚した人は、男性3万5866人、女性2万2747人で、1970年からの40年間で10倍以上に増加しているのである・・・日本性科学会セクシュアリティ研究会編の「セックスレス時代の中高年『性』白書」(2016年刊)によれば、配偶者のいない60~70代男性の78%、女性の32%が性交への願望を抱いているということだ。高齢になっても性交への願望は枯れていないのである。 ところが、この白書で、60~70代男性の約4割が、「妻」の欲求が自分より乏しすぎると答え、女性の約3割が、「夫」の欲求が自分より強すぎる、と回答している。つまり夫と妻の間に、確かな性欲ギャップがあるわけだ。このギャップが、さまざまな問題、ときには深刻な事件を生じさせていることになるわけだ』、確かにギャップは大きそうだ。
・『田原:いろんな調査によりますと、女性の方が、早くセックスが億劫になるようですね。局部が痛くなったり……。 宋:「性欲って、男性ホルモンによって生じるものだから、加齢とともに減っていくんですよ。痛くなるのはいくらでも改善のしようがあるんです。性欲も、ホルモンを補充したり、いろいろと戻す方法はある。でも、そこまでしてしたくないという人が多いんですよ」  田原:女性は、早いと60代初めで、億劫になるのではないですか。 宋:「更年期ぐらいで、もう、嫌だという人がいます」 田原:高齢の人が相談に来ると、どういうお話をされるのですか。 宋:「まず、基本的にセックスって、したくない人はしなければいいし、したい人はすればいいと。そういうものなんですが、問題になるのは、パートナーと温度差が出ることです。パートナーとしておつきあいをするんだったら、どちらかが一方的に100%我慢するというのはいかがなものか、という話をします。 痛くなくする方法は、ホルモン療法とか、ローションを使うとかいろいろあるので、女性には、夫が求めてきたら、痛くても何回かに一度くらいは応えてあげてもいいのじゃないですか、と話をするのですが、最終的にかみ合わないことがよくあります」「セックスを、片方はしたい、そして片方はしたくない。かみ合わないのは当然です」』、「かみ合わないのは当然」とは困ったことだ。
・『宋:「認知症みたいな感じになっている人もけっこういるんです。認知症のような症状が進んで、それで奥さんが嫌がっているのも分からず求めてしまう」 田原:認知症みたいな……。認知症みたいになると、性欲はどうなるのですか。 宋:「それが、性欲がむき出しになって、遠慮というか、羞恥心が薄れて、奥さんに強引にセックスを求めて、無理矢理に脱がしたり……。奥さんの方は耐えきれなくなって……」「そういうの、あるんです。どうすればいいんかと。家族でもて余して、施設で隔離みたいなことにもなります」』、これは悲惨なケースだが、認知症であればやむを得ないのだろう。
・『宋:「実は、私がよくやっているセックスレスのカウンセリングには2パターンありまして、セックスはしないけれど、パートナーシップはうまくっている場合。この場合は、うまいセックスの方法を取り戻せば、2人はやり直せます。だけど、パートナーシップが崩壊している場合は、相手の顔を見るのも嫌なわけだから修復のしようがありません」「ただ、セックスレスになった原因は、実はもっと根が深いのが少なくないのです。たとえば、子どもが生まれて、身体が大変なときに、セックスを求めて来た、とか。舅がセクハラしてくるのを止めてくれなかったとか、いろいろあるんですよ。そういうのが奥さんのなかには地層のように積みあがっていたりして、短期的な解決はそもそもが難しかったりするんです」「でも、最終的な結論を言うと、ライフパートナー、つまり人生の伴侶とセックスパートナーというのが、ずっと一致するというのは、私は難しいのではないか、と思います・・・本当にセックスについて真剣に悩んでいる人たちの話を聞くと、そのパートナー同志では解なしというのが多いのです。 もう、この2人では、どうとも解決のしようがないことがあある。かといって、2人は別に離婚などを望んでいるわけではない、そんなとき・・・不倫を容認するケースもあるのではないですか。不倫まで行かなくとも、性産業を利用することを認める、とか」』、性産業の利用は既に密かに広がっている。
・田原:ところで、奥さんはいない、しかし風俗店に行くような金もない。こういう高齢者を「下流老人」と言うようですが、そういう「下流老人」はどうすればよいのですかね。 宋:「最終的に自家発電、マスターベーション……。・・・これではわびしさが拭い去れないという人もいるでしょうね。男女の性欲に歴然とした差がある以上、性欲全てを生身の人間に受け止めてもらうというのは無理なので、高齢者の性欲というのは本当に難しい問題です。 財務省事務次官の女性記者に対するセクハラ発言が大きな問題になっていますね。あれも一種、高齢男性が自分の性的欲求をうまく昇華できないために起こったのではないかと捉えることもできるんじゃないでしょうか。セクハラについての問題意識を社会全体で高めると同時に、高齢者の性についてにも向き合っていかないと、いろいろと深刻な問題が出てくるだろうな、とは危惧しています」』、高齢者の性欲というのは本当に難しい問題で、財務省事務次官のセクハラ事件もこの問題につながっているとは、確かにその通りなのかも知れない。
タグ:ダイヤモンド・オンライン 山崎 元 その他の若い世代による事故件数は減少しているため、全体として高齢者による事故の割合が増加傾向にあるのです。それに加えて、メディアで大きく報じられることで、高齢ドライバーの事故が最近特に目立つようになっているというわけです 「後期高齢者が増える「重老齢社会」到来、定年の廃止が喫緊の課題だ」 もともと「定年」という決めごとは、個人の能力差を無視した、年齢による不当な「差別」の一つだ 「重老年」期に備えられる制度を充実させることが必要だ 個人型の確定拠出年金 組織にとって、人的な新陳代謝を手間を掛けずに自動的に行う効果があった 65歳以上の高齢者による事故件数は、その年によって大きく減るときもありますが、ほぼ横ばい 60歳以降拠出ができないことは、重大な制度的な欠陥と言って構わないレベルの問題 財務省事務次官の女性記者に対するセクハラ発言が大きな問題になっていますね。あれも一種、高齢男性が自分の性的欲求をうまく昇華できないために起こったのではないかと捉えることもできるんじゃないでしょうか 「高齢ドライバーが原因の交通事故は本当に増えているのか」 これではわびしさが拭い去れないという人もいるでしょうね マスターベーション 下流老人 定年の廃止は、正社員解雇の条件緩和をセットで進めるべきだ 国民の寿命が延びて、同時に元気で活動できる健康寿命も延びていることを思うと、第一に行うべきことは、「定年」という慣行を廃止することだろう 不倫まで行かなくとも、性産業を利用することを認める セックスレスのカウンセリングには2パターンありまして、セックスはしないけれど、パートナーシップはうまくっている場合。この場合は、うまいセックスの方法を取り戻せば、2人はやり直せます。だけど、パートナーシップが崩壊している場合は、相手の顔を見るのも嫌なわけだから修復のしようがありません 性欲がむき出しになって、遠慮というか、羞恥心が薄れて、奥さんに強引にセックスを求めて、無理矢理に脱がしたり……。奥さんの方は耐えきれなくなって… 認知症 セックスを、片方はしたい、そして片方はしたくない。かみ合わないのは当然です 更年期ぐらいで、もう、嫌だという人がいます 性欲って、男性ホルモンによって生じるものだから、加齢とともに減っていくんですよ。痛くなるのはいくらでも改善のしようがあるんです。性欲も、ホルモンを補充したり、いろいろと戻す方法はある。でも、そこまでしてしたくないという人が多いんですよ 60~70代男性の約4割が、「妻」の欲求が自分より乏しすぎると答え、女性の約3割が、「夫」の欲求が自分より強すぎる、と回答している。つまり夫と妻の間に、確かな性欲ギャップがあるわけだ 配偶者のいない60~70代男性の78%、女性の32%が性交への願望を抱いている 「高齢者の性の悩み」 NHK『クローズアップ現代』 「認知症に「性欲ギャップ」…高齢者の性を巡る深刻すぎる問題」 宋美玄 田原総一朗 現代ビジネス 少しでも自分の運転に不安がある高齢者に対しては、身近な人が自主返納を促していくことが重要なようだ (その7)(後期高齢者が増える「重老齢社会」到来 定年の廃止が喫緊の課題だ、高齢ドライバーが原因の交通事故は本当に増えているのか、認知症に「性欲ギャップ」…高齢者の性を巡る深刻すぎる問題) 免許の自主返納を促すのが一番効果的な対策法 認知症にかかると、色彩の見分けがつかなくなったり、集中力も散漫になるという。「認知症の人はいつも何らかの症状が出ているそうです。たとえば、たった今確認した信号の色を忘れていたり、そもそも信号があることさえも記憶から抜け落ちたりすることもあります。そうなると、一時停止でも止まらずに直進してしまうなどの恐れがあるため、大変危険なのです 高齢化社会
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