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金融関連の詐欺的事件(その5)(被害者3万人! ケフィア事業振興会「1053億円巨額破産」の深層、足立区に「かぼちゃの馬車」120棟集中の驚愕 管理会社も敬遠する「かぼちゃ畑」化の未来、不正まみれのスルガ銀行が抱える2つの難題 悪いことをした者同士で本当に変われるのか、スルガだけじゃない 世界で金融機関が暴走 株式投資家が企業を評価する際に必要な視点) [金融]

金融関連の詐欺的事件については、9月5日に取上げた。今日は、(その5)(被害者3万人! ケフィア事業振興会「1053億円巨額破産」の深層、足立区に「かぼちゃの馬車」120棟集中の驚愕 管理会社も敬遠する「かぼちゃ畑」化の未来、不正まみれのスルガ銀行が抱える2つの難題 悪いことをした者同士で本当に変われるのか、スルガだけじゃない 世界で金融機関が暴走 株式投資家が企業を評価する際に必要な視点)である。

先ずは、ジャーナリストの伊藤 博敏氏が9月6日付け現代ビジネスに寄稿した「被害者3万人! ケフィア事業振興会「1053億円巨額破産」の深層 古典的な集客マジックで投資家から収奪」を紹介しよう。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/57388
・『半年で約10%の利回りを保証  何にでも手を出す老後資金収奪集団――。 東京地裁に9月3日、破産を申し立てたケフィア事業振興会(東京都千代田区)の運営者たちを、ひとことで評すればこんな表現になるだろうか。 負債総額は1053億円で債権者数は3万人。「オーナー制度」と称して干し柿、ぬかどこ、各種ジュースなどのオーナーになれば、半年で約10%の利回りを保証。あるいは「サポーター制度」で、太陽光やバイオマスなどの発電、あるいは電気自動車事業への投資で7~8%の金利を約束していた。 常識で考えれば、そんな利回りを投資家に支払って成り立つビジネスはなく、目新しい投資対象を見つける度に新会社を設立、「かぶちゃん農園」「かぶちゃん水産」「かぶちゃん乳業」「かぶちゃん電力」「ケフィア・サプリメント」「ケフィアカルチャー」「飯田水晶山温泉ランド」など約70社に及ぶ。 それだけ多岐にわたる事業を運営できるプロがいるわけでもなく、結局、新規で集めた資金を満期が来た商品の元利払いに充てる自転車操業に陥った』、目新しい投資対象として約70社もでっちあげたとは驚きだ。
・『破たん必至の投資マジックが、1053億円に膨らむまで“長持ち”したのは、商品の多くが農産品で「毎月お届け便」の利用者などもいて、ケフィアを身近に感じられ、安心感があったこと。 それに、マメにコミュニケーションを図り、歌舞伎公演への招待、世界的に有名なサーカス「シルク・ドゥ・ソレイユ」の貸切公演、チャーター機を手配したうえでの海外旅行とイベントを仕掛け、有力顧客を手放さなかったからである。 投資家は、おおむね小ガネを持つ老年層。オーナーとなって一口5万円の干し柿コースに入会。半年後に5万5000円で干し柿を引き取ってもらうという「買戻特約付売買契約」だが、それを繰り返すうちに完全に信用、500万円、1000万円と預けている投資家は少なくない。被害者弁護団が開いた説明会(後述)では、「同居している80代の母親が6000万円を振り込んでいた」と、嘆く50代男性の姿があった。 高利で誘い、小口で信用させ、商品を配って安心させ、コンサートや演劇でつなぎ止めるという投資詐欺は、これまでに何度も繰り返されてきた。過去の例では回収は10%に満たず、老後資金を食う悪質さで共通している』、“長持ち”した仕組みはそれなりに巧妙だ。
・『売り上げの大半は投資家からの借入金  ケフィアをリードしてきたのは、鏑木(かぶらき)秀彌(82歳)、鏑木武弥(50歳)父子。1992年、ケフィアヨーグルトのたね菌販売を目的に創業された。会員制通販サイト「ケフィアカルチャー」の運営及び、ケフィアグループの管理業務を手掛ける。その中心は、「オーナー制度」「サポーター制度」を利用した資金集めである。 12年7月期に44億円だった売上高は、65億円(13年)、228億円(14年)、461億円(15年)、722億円(16年)、1004億円(17年)と、急増した。これにともない利益も増えており、一般企業なら喜ばしい増収増益だが、ケフィアの売り上げの大半は投資家からの借入金。増収は資金繰りの苦しさの象徴で、破たんへの道をひた走ったことになる』、投資家からの借入金を売上に計上するとは、不正会計の典型だが、監査法人などによる監査も入ってないのであれば、あり得る話だ。
・『ケフィアヨーグルトの時からこの路線をリードしたのは秀彌代表だが、各種事業展開のうえで、例えば「干し柿で世界一になる」と、夢を語って通販会員や投資家をつなぎ止めてきたのは武弥氏だった。農産品生産販売の中核のかぶちゃん農園代表を務めている。 大学卒業後、農業系出版社勤務の後、青年海外協力隊員として2年間、南米パラグアイで農業指導。帰国後、秀彌氏の仕事を手伝う形でケフィアグループ入り。04年、かぶちゃん農園を設立し、代表に就任する。 「明るく陽性で弁が立つ。柿に対しては、並々ならぬ思い入れがあって、柿色のマフラーやチーフを身につけ、乗っている高級外車も柿色のカラーにしたほど。カナダとの窓口、再生エネルギー関連の担当も武弥氏。対人関係は上手く、企業家として発想はいいけど、経営者としての資質に欠けた。もっとも、すべての決定権は秀彌氏だから、責任は親父さんに着せられるけどね」(父子を知る事業家) カナダのケベック州には思い入れがあるようで、武弥氏は、メープルシロップ、蜂蜜、グランベリーなどケベックの農食料品を輸入販売しており、昨年11月には長年の貢献を認められ、ケベック州政府から勲章を授与されている。シルク・ドゥ・ソレイユの日本招致にも尽力したという』、ケベック州政府からの勲章も箔付けにはなったろう。
・『年利10%を支払って、事業拡張ができるようなビジネスなどない。一発逆転を狙ったかのように、手当たり次第に事業を展開していったが、昨年末、自転車を漕ぎ続けることができなくなり、オーナーへの買戻代金の支払いは行えなかった。 今年2月になると、「新システムに移行するから買戻代金は5月中旬以降、支払う」と、苦し紛れの通達を出したものの、時期が来ても実行はされず、投資家たちが騒ぎ出し、国民生活センターへの相談が殺到。7月10日、消費者問題に詳しい紀藤正樹弁護士を団長に「ケフィアグループ被害対策弁護団」が結成された』、なるほど。
・『警察が捜査着手へ  弁護団は、電話やメールで相談を受け付け、被害者説明会へ向けての準備を進めていたところ、8月31日、消費者庁がケフィアの実名を挙げて「消費者安全法」の規定に則って注意喚起。ケフィア商法の問題は周知徹底された。 9月2日には、弁護団の説明会が都内で開催され、全国から1500名が参加、紀藤弁護士が、「返金額は(340億円の滞納に関し)数十億円が勝負」と、答えるとともに、出資法違反や詐欺に当たる可能性があるとして、刑事告訴の可能性も示唆した。 手回しがいいというべきか、その翌日には東京地裁に駆け込み、破産手続きの開始決定を受け、早速、東京・秋葉原駅近くの本社ビルには、その経緯を「お知らせ」として張り出した。報道で知り、駆けつけた会員、投資家は、張り紙を見て呆然とするばかり。殺到するメディアのインタビューに「どうしたらいいのか…」と、力なく答えていた。 ケフィアの関連会社は約70社というだけに、取引の流れは複雑で資金移動の解明にも時間がかかる。鏑木父子や経営陣の責任追及はこれから始まり、告訴告発は避けられず、やがて警察が捜査着手することになる』、国民生活センターに相談が殺到した時点で消費者庁がもっと速やかに行動できなかったのか、さらには被害対策弁護団が直接、破産の申し立てをできなかったのか、疑問点は多い。ケフィア側からの破産申し立てでは、既に資産隠しを終え、回収可能資産は大きく圧縮されてしまったあとだ。
・『負債総額は、連鎖倒産によって1053億円からさらに数百億円は積み上がり、それは大半、投資家のカネで老後の資金である。 なぜ、ここまで被害は広がったのか。それを未然に防ぐ報道、関係機関からの警告はできなかったのか。被害の弁済、経営責任の追及とともに、「繰り返さない対策」が求められている』、前述のように国民生活センターや消費者庁の不作為の罪は大きいといえよう。

次に、9月23日付け東洋経済オンライン「足立区に「かぼちゃの馬車」120棟集中の驚愕 管理会社も敬遠する「かぼちゃ畑」化の未来」を紹介しよう。
・『「かぼちゃ畑」化する足立区  東京都足立区。かつてスマートデイズが展開していた女性専用シェアハウス「かぼちゃの馬車」が、区全域にわたって林立する。記者の取材によれば、足立区内にはかぼちゃの馬車が少なくとも83棟存在し、さながら「かぼちゃ畑」の様相を呈する。同社の別ブランドのシェアハウス「STEP CLOUD」(ステップクラウド)も含めれば、その数は120棟にまで増える』、地価が安いとはいえ、スマートデイズのシェアハウスが、足立区に120棟もあるという集中ぶりには、驚かされた。
・『700人以上のオーナーや融資元のスルガ銀行をも巻き込み、社会問題へと発展したかぼちゃの馬車。スマートデイズは5月に破産手続き開始が決定し、スルガ銀行もオーナーや被害弁護団との間で、元本減額や金利引き下げについて交渉が続いている。 これで一件落着、とは到底いかない。会社が潰れ、銀行が経営陣の辞任に追い込まれようと、建物自体は依然として残るからだ。残されたオーナーは、ローンを返済すべく物件を稼働させ続ける必要があるが、道のりは険しい。シェアハウスが大量に供給されたことで、市場に歪みが生じているのだ。 東京メトロ千代田線北綾瀬駅から少し歩いた場所に、かぼちゃの馬車が建っている。個室は約8平方メートルと決して広くはないものの、築3年で家賃は月1万3000円。一方、周辺の木造アパートの家賃相場はおおむね月5万円。シェアハウスとはいえあまりに安い。 家賃の暴落はこの物件に限らない。足立区内に建つ別のシェアハウスの家賃は月2万円。幸いにも満室だが、男性オーナーは浮かぬ顔。もともとスマートデイズからは月6万円の家賃保証を受けていたからだ。 「満室ならば多少、家賃を上げてもよいのではないか」と聞くと、男性は「周辺にはシェアハウスがたくさん建っている。家賃を上げた途端に入居者が出ていってしまいそうで、怖くて上げられない」と打ち明ける。 このシェアハウスを建てたのは、スマートデイズ同様にシェアハウスのサブリースを手掛け、今年5月に破産開始決定を受けたゴールデンゲイン。同じように、足立区内に数多くのシェアハウスを置き土産としていった』、月6万円の家賃保証で実際の家賃は月2万円とは、これではやっていける筈のないビジネスモデルだ。
・『スマートデイズやゴールデンゲインが展開していたビジネスモデルは、オーナーに土地を斡旋し、シェアハウスを建てさせ、それを一括で借り受け、入居者募集や管理を請け負う、サブリースだ。本来は入居者からの手数料や家賃の一部、管理料で収益を上げるのがスジだ。 だが実態は、土地の売却価格や建物の建築費を不当に水増ししてオーナーに請求し、差額を土地の販売会社や建設会社からキックバックさせることで会社を支えていた。 本業であるはずのアパートは稼働率が十分に高まらず、オーナーに家賃を支払うために新たなアパート建設を繰り返す自転車操業に陥った。その結果、市況を度外視したアパートが乱立し、需給バランスは崩壊した。今、ツケはすべてオーナーに向かっている』、乱立は転車操業に陥っていたためとは、なるほどである。
・『管理会社もシェアハウスには難色  スマートデイズ破綻の余波は、家賃だけではない。 今年初め、足立区を中心にアパート管理を行う会社の元に、若い夫婦が相談にやって来た。話を聞くとシェアハウスを2棟保有しているが、管理会社からの送金が止まってしまったため、会社を変えたいとのこと。彼らが保有するシェアハウスとは、もちろん「かぼちゃの馬車」だ。 だが、この会社は管理を断った。理由について担当者は「シェアハウスは家賃設定が難しく、外国人労働者の宿舎にするなどの対応を取らないと、稼働率は高まらない。今後依頼があっても、引き受けないようにしている」と打ち明ける。 かぼちゃの馬車を管理していたスマートデイズが破綻したため、オーナーは新たな管理会社探しを余儀なくされた。冒頭のように看板が掛け替えられた物件は、管理会社が変わった証しだ。だがシェアハウスの管理には及び腰の会社も多い。 練馬区で「かぼちゃの馬車」を運営する男性はスマートデイズの破綻を受けて、シェアハウスの運営実績がある大手ハウスメーカーの子会社に管理を依頼したが、物件を見た後に断られてしまった。 「(開閉速度を調整する)ドアクローザーがなく、防火設備が不十分だと判断されたのではないか」とオーナーの男性は推測する』、一目見て、管理を断られるような物件に投資した投資家は、物件
実物を確かめなかったのだろうか。
・『オーナーの受難は終わらない  現在、こうした「管理会社難民」の受け皿となっているのは、シェアハウスの管理を専門とする会社だ。渋谷区に本社を置くイエノルールは、現在約30棟のスマートデイズ物件を管理している。 ただ、幸運にして管理を請け負ってもらえても、家賃が減額になる場合がほとんどだという。「管理を引き受けるまで、物件の瑕疵がわからないリスクがある。シェアハウス自体の数も多く、数日おきに価格競争になる場合もある」(イエノルールの岩田昌之・代表取締役)。 足立区でかぼちゃの馬車を保有し、イエノルールが管理しているという男性オーナーは、「スマートデイズ時代は共益費含め6万4000円だったが、周辺の家賃相場を考慮した結果、現在は4万円に下がってしまった」と嘆く。 管理会社難民の中には、スマートデイズの旧経営陣が関与していたり、ゴールデンゲインの子会社だった管理会社に漂着する者も少なくない。こうした会社に管理を依頼しているオーナーの多くは「入居率には満足している」と話すが、無理なスキームで破綻した会社の息がかかっている点で一抹の不安がよぎる。 建設会社や銀行がやり玉に挙がる一方、真にオーナーを苦しめるのは、自らの資産であるはずの物件という事実。足立区にあふれるかぼちゃの、あまりにも皮肉な実態だ』、「管理会社難民の中には、スマートデイズの旧経営陣が関与していたり、ゴールデンゲインの子会社だった管理会社に漂着する者も少なくない」というのは、二次被害が出ないか気になるところだ。

第三に、9月25日付け東洋経済オンライン「不正まみれのスルガ銀行が抱える2つの難題 悪いことをした者同士で本当に変われるのか」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/238716
・『第三者委員会(以下、委員会)の調査報告書と創業家出身の岡野光喜会長(1985年~2016年まで頭取、社長)を含む5人の取締役辞任が発表される前日の9月6日、それまでスルガ銀行のホームページにあった「会長メッセージ」がなくなっていた。 そこにはこんなくだりがあった。「スルガがリテールバンキングに特化しはじめた当時は、『銀行界の異端児』と呼ばれました。(中略)『今日の常識は、明日の非常識』『変化が常態』であるこの時代、スルガは『破境者』としてイノベーションを起こしてまいります」。 年明け以降、シェアハウス運営会社の経営行き詰まりで発覚したスルガ銀行の不正融資問題。今年5月の決算発表会見で米山明広社長(当時)は、「連続増収増益がプレッシャーに変わり、営業部門において力が入ってしまった」と説明し、「限られた支店だけがやっており、組織的ではない」と強調していた。しかし、今回、第三者委員会がまとめた調査結果によると、ノルマ達成のために書類改ざんなどの偽装はシェアハウス以外の収益不動産ローンにも蔓延していた』、イノベーションの中身が、こんな不正融資の組織的推進だったとは・・・。
・『「会社の職務として行われた不正」  9月25日発売の『週刊東洋経済』は、「銀行 破壊と再生」を特集。超低金利で多くの地方銀行は業績が低迷しており、ビジネスモデルの変革を迫られている。そうした中、スルガ銀行は個人ローンに特化したビジネスモデルで成長を続け、地銀の中では別格とされてきた。 だが、拡大の裏では社内で不正がはびこっていた。書類の偽装は、債務者関係、物件関係、売買関連と多岐にわたり、不正行為が疑われる資料の数は第三者委員会が調査したもので約800件、会社が調査したもので1000件を超す。 多くの行員が不正に手を染めそれを黙認した背景にあったのが、過大な営業目標と過度なプレッシャーだった。第三者委員会の調査報告書には「実行残高額、前年比利益等だけをみて数字を設定してしまっていたことに問題がある」「何を基にノルマの数字が決められているのかが分からない。問題は、単に数字だけ押しつけられるところ。例えれば、釣り堀に魚が10匹いないのに、10匹とってこいと言われる状況」といった営業を経験した行員の声がある。 調査の結果、第三者委員会は「偽装への関与は、まさに各行員によって会社の職務として行われた不正であって、会社の指揮命令系統を通じた不正であったと考えられる」と結論付けた。今回の問題を受けて検査に入った金融庁からは、厳しい行政処分が下るだろう。 委員会の調査報告書が発表される前、地元、静岡県沼津市のスルガ銀行本店に訪れた顧客に話を聞くと、「(不動産ローンで)損をしたのは東京の人。対岸の火事だ」など事件を気にしないという声が少なくなかったが、中には、「岡野会長が辞めたら、銀行はどうなるのか」と先行きを心配する高齢者もいた』、被害者は地元の住民ではなく、東京の人というのは、言われてみればその通りなのかも知れないが、スルガ銀行の経営が揺らぐ影響は避けられないだろう。
・『新社長も「一定の経営責任は免れない」  結局、この問題が表面化してから、岡野会長は一度も会見に姿を現すことなく、経営から退いた。9月7日の会見は、主要役員の一斉辞任を受けて新社長に就いた有國三知男取締役(52)が行った。有國氏は米山氏と同期の1989年入社で、コンプライアンスや人事の部長を歴任。16年に取締役就任後は監査やシステム管理などを担当した。 有國氏は不正の中心となった営業部門の管掌ではないが、人事部門の部長時代には、審査部の人事に営業サイドの意向が色濃く反省されていることを認識していた。第三者委員会は、少なくとも取締役の就任後にこの問題を役員会に報告し、審査部の人事の正常化に務めるべきだったとして、「一定の経営責任は免れない」としている。 同日の会見で有國氏は、「抜本的な職場環境の正常化から初めていきたい」と語ったが、スルガ銀行は事業と企業風土の改革という2つの難題を抱えている。 事業面では、収益不動産ローンについて4月以降に審査基準を厳格化したところ案件が激減。第1四半期の個人ローン実行額は住宅ローンなどすべてを合わせて162億円にとどまった。2016年度は収益用不動産の融資額が年間3878億円あったが、偽装を重ねて積み上げた融資を排除した裸の実力だと、貸出残高の急速な減少から収益が大きく低下しかねない。 第三者委員会の調査報告書はスルガ銀行の企業風土の転換について、「みんな昔一緒に悪いことをした者同士では、改善せよと言っても言い訳しか出てこないし、どうすれば新しい体制になるのかも分からない」としている』、第三者委員会の指摘の通りだろう。
・『第三者委員会は「自力では変われない」  そして、こうも記している。「本来ここまで(企業風土が)劣化した場合、それを劇的に改善するには、他の企業と統合するとか、経営層の総退陣等、根本的な経営基盤の変更が必要ではないかと思われる。新しい人材が新しい風・価値観を持ち込んでくれない限り、自力では変われない」。 シェアハウスの問題が年明けに表面化してから、株価は9月中旬に500円を割り込むなど5分の1の水準まで低下し、時価総額で5000億円近くが消失した。銀行として最も重要な信用が失墜した今、誰が、「新しい風・価値観」を持ち込むのか。スルガ銀行は大きな岐路に立たされている』、問題貸出では銀行側に瑕疵があった以上、被害額の一部を銀行が負担せざるを得なくなるだろう。とすれば、まさに存立の危機に直面しており、有力地銀からの支援も必要になるのではなかろうか。

第四に、マネックス証券 執行役員の大槻 奈那氏が9月27日付け東洋経済オンラインに寄稿した「スルガだけじゃない、世界で金融機関が暴走 株式投資家が企業を評価する際に必要な視点」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/239307
・『338ページにわたるスルガ銀行の第三者委員会報告書は、業界関係者を震撼させた。「恫喝」という言葉が20回も登場し、「家族皆殺し」など信じがたい証言が並ぶ、異例の内容だった。 スルガ銀行は不動産業界では知らない人はいない存在である。収益物件にかかわる融資が柔軟であるとされ、不動産の転売業者、いわゆる“三為(さんため)業者”も頼りにしていた。 不動産業界だけではない。アナリスト業界でも、突出した存在だった。決算説明会でも、さまざまな識者が動画で未来の金融を語り独特の雰囲気を醸し出していた。高成長を背景に、トップのプレゼンテーションも、自信に満ち溢れたものだった。しかし、説明資料には、他行のような詳細な収益内容の説明はなかった』、開示内容は他行に劣っていたとは初耳だ。
・『外部の高評価がスルガ銀行を特別な存在にした  スルガは、株式投資家にとっても特別な存在だった。 スルガの株価が上昇したきっかけは、株式アナリストの評価だ。ある日本人アナリストは、1999年に、知名度もまだ低く中堅地銀にすぎないスルガを買い推奨したことで高い評価を得た。 先駆的なモデル融資やITの活用など、確かに当時のスルガの企画力は優れていた。地銀で唯一、ゆうちょ銀行と住宅ローンで提携したのもスルガだ。ハーバード大学教授で競争戦略の権威であるマイケル・ポーター教授は、スルガ銀行のイノベーションや収益性を買って、2003年に「ポーター賞」を与えた。 こうした評判を反映して、株価純資産倍率(PBR)がピークでは3倍に近づくなど、長らく地銀の中でトップを独走していた。ところが、不正が報じられた昨年後半以降、株価はつるべ落としとなり、足元では邦銀平均を下回る0.3倍となっている』、1999年にスルガを買い推奨した株式アナリストは大したものだ。「ポーター賞」を受賞した2003頃も、きっとまともだったのだろう。
・『しかし、最近の金融機関の不祥事はスルガにとどまらない・・・。
 <最近の金融機関の不祥事>
商工中金:2016年11月:不適切な融資。顧客データ改ざん
スルガ銀行:2017年1月:不適切な融資
スルガ銀行:2018年3月:顧客データ改ざん
三菱UFJモルガン・スタンレー証券:18 年6月:国債先物市場の相場操縦
東日本銀行:2018年7月:算定根拠が不明瞭な手数料。歩積み両建て
また、不適切とはいかないまでも、近年にはなかったような激しい営業姿勢も垣間見える。ある銀行では、零細企業に融資する際、事業主が死亡したときに備えて、個人保証のみならず遺言信託まで依頼する。その信託報酬は借入額によっては数十ベーシスポイントにも上る。貸出金の一部を預金に置いておいてほしいと借り手に要望する銀行もある。一時的に余剰となる資金については、系列グループでの証券運用を勧められるのも一般的だ。いずれも、銀行から強制されているわけではない。しかし、お金を融通してもらう立場で断固として拒絶できるのかどうかは、微妙なところだろう』、遺言信託まで依頼するとは、悪どいが、銀行も形振り構わず収益追求せざるを得ないところに追い込まれているようだ。
・『共通点のあるウェルズ・ファーゴの不正事件  2016年、アメリカのリテール銀行大手で名門のウェルズ・ファーゴが不正営業を働いたとして米当局から処分を受けた。顧客に無断で開いた口座は200万口座にも上り、無断で作成したクレジットカードは56万枚、二重に加入させた自動車保険は57万件とされる。 ウェルズ・ファーゴといえば、多くの邦銀がロールモデルと仰いだ、リテール銀行の優等生だった。株価純資産倍率は2000年代初頭の最高値で3.2倍と、スルガ同様、アメリカの大手行の中で断トツだった。市場の尊敬を集めるウォーレン・バフェットの投資会社バークシャー・ハサウェイのコア銘柄でもあった。 リテール金融は、ロットが小さく手間がそこそこかかる。低金利環境下では、貸し出しだけをやっていても儲からない。このため、ウェルズ・ファーゴでは、1人の顧客にいくつもの金融商品やサービスを販売する「クロスセル数」を経営目標とし、最低8つの商品を販売するという支店目標も設定されていた。邦銀でも、これに倣い、同様の目標を設定する銀行も現れた』、多くの邦銀がロールモデルと仰いだウェルズでの不祥事には、確かに驚かされた。
・『ところが相次ぐ不祥事で、名声は失墜した。当局と和解し復調した後も、株価はピークから2割下落し、株価純資産倍率も他行より低いレベルにとどまっている。 近年、リテール分野を中心に大きな不祥事が発生しているのは偶然なのだろうか。 両行にはいくつか共通点も見える。まず、いずれも収益環境が厳しいときに発生している。米国は利上げが始まったものの、歴史的に見ると低金利であり、競争も激化している。 日本の地銀の窮状は言うまでもないだろう。地銀の平均貸出金利は今年2月にとうとう1%を切った。都銀の金利はそれ以下だ。地銀の1拠点当たりの平均貸出額は285億円程度であるから、1支店当たりの年間の貸出金利収益は3億円以下となる。小規模企業向けが1件貸倒れただけで、その店の貸出業務は赤字になりかねない水準だ。 低収益にあえいでいるのは地銀だけではない。地方には、地銀に加えて、信金・信組、農林系金融機関などがひしめく。 このような貸出業務の厳しさから、数年前、ある弁護士は、「最近、銀行から、こういう手数料は徴収しても問題ないか、といった相談が増えている」と漏らしていた。こうした必死の収益確保策が、一連の金融機関の不祥事の火種になったことは否定できないだろう。 また、スルガもウェルズ・ファーゴも、株式市場での評価が高かったことで共通している。高い市場の評価が経営陣の高揚感を生み、ひいては部下への過度な期待と指示を誘発したのかもしれない』、高い市場の評価はより高い利益成長を求めるので、不祥事に走ってしまった事情はそれなりに理解できるが、あくまで資本主義社会のルールを守ることが前提になる。
・『株式投資の判断基準も見直しが必要  このように考えると、今回のスルガの件は、株式市場にも責任の一端があるという見方もできる。高い株価が経営陣に収益拡大のプレッシャーを与えた。あるいは、株式市場にこうしたガバナンスの視点が不足していたのかもしれない。FTSEのESG(環境・社会・ガバナンス)指数では、2017年春の時点からすでにスルガは低スコア金融機関の1つとなっていた。にもかかわらず、株価の評価はその時点でもトップクラスだった。 不祥事が明らかになった銀行だけが特別だったとは限らない。すべての銀行が極めて厳しい環境に置かれており、それは不正を誘発しやすい環境でもある。市場も、もっと企業統治の仕組みや、収益構造、ノルマの設定方法などの非財務情報を重視するべきだ。そうすることが、ひいては経営陣がガバナンスを強化するインセンティブを高めることになる。 2001年に破綻し、ITバブル崩壊の発端となったエンロンのケースでも、株価の上昇が収益至上主義を生んだ。昨今の金融機関の不祥事はそのような大きな混乱は招いていないが、今後もし、より深刻な不祥事が発生した場合、金融市場全体に影響を与える可能性も否定できない。金融機関はもとより、市場参加者サイドも、長期的なガバナンスの重要性をあらためて肝に銘じるべきだろう』、株式アナリストらしい説得力のある主張で、全面的に同意できる。
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