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健康(その5)(楽天OBが始めた「突然死予防ビジネス」の全貌、「私は健康」3割だけ 寿命を縮める残念な職場 ストレスが心と体を蝕む、熱中症対策の水分補給 お茶やスポーツ飲料がおすすめできない理由) [社会]

健康については、6月12日に取上げた。今日は、(その5)(楽天OBが始めた「突然死予防ビジネス」の全貌、「私は健康」3割だけ 寿命を縮める残念な職場 ストレスが心と体を蝕む、熱中症対策の水分補給 お茶やスポーツ飲料がおすすめできない理由)である。

先ずは、フリージャーナリストの大西 康之氏が4月7日付け東洋経済オンラインに寄稿した「楽天OBが始めた「突然死予防ビジネス」の全貌 お手軽価格の「銀座で脳ドック」を受けてみた」を紹介しよう。
・『53歳の筆者には心配事がある。 つい先日のことである。駅から徒歩で家路につき玄関までたどり着いたところで、その日は駅まで自転車で行ったことを思い出した。調べ物をしようとしてグーグルを立ち上げ、検索窓の下のニュースに気を取られていたら、何を調べるんだったか忘れてしまった。すばらしい原稿の構成を思い付いて独りでニヤついていたのに、翌日にはきれいさっぱり忘れていた。「ひょっとして」と思うことが続いているのだ』、大西氏は日経ビジネス記者時代には、東芝など企業へのものの突撃取材で鳴らしたものだが、やはり寄る年波には勝てないのだろうか。
・『脳ドックってそんなに安いのか  そんな折、フェイスブックで友人のIT評論家、尾原和啓氏の投稿を見た。「脳動脈瘤が見つかりました」 衝撃的な書き出しで始まる投稿をドキドキしながら読み進むと、結論は「3年以内の破裂リスクは0.5%の超初期段階」とのことでまずは一安心。それにしても、今どきの脳ドックはそんなことまでわかるのか。おまけに尾原氏が受けた脳ドック・クリニック「メディカルチェックスタジオ」は銀座一丁目にあり「所要時間30分、検査費用1万7500円(税込1万8900円)」と書いてある。 脳ドックってそんなに安いのか。グーグルで「脳ドック」を検索すると、人間ドックの検索サイトに「費用の相場」という記述には「脳ドックのみ3万円~5万円」「人間ドック+脳ドックのみ10万円前後」と書いてある。1万7500円は相場のほぼ半額。価格破壊ではあるが、本当に大丈夫なのか』、このような分野にまで価格破壊が進んでいるとは、驚きだ。
・『「メディカルチェックスタジオ」のサイトを読むと、2017年12月にクリニックを開業した知久正明医師は国立循環器病センターなどを経て敬愛病院付属クリニックの院長をしていた血管のスペシャリストである。インチキではなさそうだ。 尾原氏の投稿をさらに詳しく読むと、メディカルチェックスタジオのバックヤードやシステムサポートの担当として、楽天グループのマーケティング会社、リンクシェア・ジャパンの社長だった濱野斗百礼(智章)氏と楽天トラベルの社長室長だった神山一彦氏が事務局をしているという。 濱野氏、神山氏とは楽天時代に面識がある。こうなったら取材しない手はない。しかしただ話を聞くだけではもったいない。最近の自分のモヤモヤを解決すべく、メディカルチェックスタジオが推奨する「スマート脳ドック」なるものを受診してみることにした。 予約はすべてスマホ、パソコンで完了する。 まずは日時を選ぶ。予約可能な日時がカレンダーで示され、そこから選んでいく。驚くべきことに予約は15分単位。つまり検査そのものは15分で終了するということだ。次に会員登録。IDとパスワードを打ち込むだけだが、フェイスブック、グーグル、ヤフー、楽天のIDでも登録できるので、どれかを持っていればなお簡単だ。最後に問診が始まる。症状、既往症などいくつかの質問に答えて予約完了である。私の場合、15分程度で予約が完了した。 予約当日、3月27日の15時15分の5分前、銀座一丁目のクリニックに到着すると、事務局の神山氏が出迎えてくれた。「ようこそ、お越しくださいました。ではどうぞ」』、会員登録がフェイスブック、グーグルなどのIDでも可能とは、さすが合理的だ。
・『スマホで問診を済ませてあるから、すぐに検査に  いきなり検査室に案内される。スマホで問診を済ませてあるから、いきなり検査なのだ。 「えっと、着替えとかは」「あ、上着を脱いでもらえば、そのままで大丈夫です。金属がダメなので時計とベルトは外してくださいね」と、そのまま検査室に直行。ビジネスマンならネクタイを外す必要もない。あくまでコンビニエントなのである。 検査室に備え付けられた巨大なMRI(磁気共鳴画像)装置を見て「あっ」と反応してしまった。トンネル状の検査装置上部に「TOSHIBA」の文字。拙著『東芝 原子力敗戦』では原発事業に大失敗で債務超過に陥った東芝が、破綻寸前で虎の子のメディカル事業をキヤノンに売却した経緯にも触れている。 「と、東芝ですね」と私が不安そうに聞くと、神山氏は「後でご説明します」と笑顔で答えた。 とにかく検査である。ベッドに横たわり、頭を軽く固定する。「そのまま、頭は動かさずに10分我慢してください。少しうるさいですが、眠ってもらうのがいちばんいいです」 そうか眠ってもいいのか。 MRI装置が「ゴウン、ゴウン」と不気味な音を立てる。時折「ガガーッ」という別のノイズも聞こえ、ベッドが少々振動する。最初は少し緊張するが、単調なノイズの繰り返しは確かに眠気を誘う。前日、明け方まで原稿を書いていた私は、10分の間に何度か寝落ちした。 「はい終わりました」という神山氏の声で目覚める。上着を着て、腕時計を取り出すと所要時間はきっかり10分。 「検査結果は1週間後にメールでお送りします。問題なければこれでおしまい。何かあれば、後日、精密検査。そこで異常が見つかれば日本大学病院、順天堂大学病院、聖路加国際病院などの提携先の病院で治療を受けていただく流れになっています」 こうして私の脳ドック初体験は、拍子抜けするほど簡単に終わった』、なるほど。
・『相場の半額で脳ドックが受けられる理由  検査終了後、濱野、神山の両氏に取材した。 なぜ、相場の半額で脳ドックが受けられるのか。 「効率を徹底的に高めているからです。スタジオにはMRIが2台あり、15分刻みで1時間に8件の検査が可能になります。普通の病院では脳以外にもさまざまな部位を検査するのでセッティングに時間がかかりますが、脳に特化することで稼働率が上がるわけです。われわれは『脳ドックのLCC(ロー・コスト・チェックアップ)』と呼んでいます」(神山氏) 東芝のMRIを使っていることもローコストの一因なのか。 「ちょうど、キヤノンさんが東芝メディカルを買うタイミングだったので、キヤノンさんも実績作りの狙いがあって、いい値段を出してくださいました。それでも機材を全部そろえるのに5億円以上かかりましたが」(濱野氏) この辺りは、さすが楽天出身の2人である。なかなかに抜け目がない。東芝の原発事業はダメだったが、現社長の綱川智氏が手塩にかけて育てた東芝メディカルシステムズは、キヤノンが6655億円もの値をつけた優良会社である。その最新鋭機種だから、ハードウエアの面は信頼していいだろう。問題はソフトウエアである。いくら知久先生に実績があると言っても、1人でそんなに大量の検査をさばけるものだろうか』、『脳ドックのLCC』とは上手い比喩だ。
・『「脳ドックの要はMRIなどで集めたデータの解析です。画像の場合『読影』という特殊な技能が求められます。実はその読影のスペシャリストが広島に2人いて遠隔で画像をチェックしています。知久先生とのダブルチェック体制です。さらに東大発ベンチャーの『エルピクセル』という会社とAI(人工知能)を使った画像解析の共同研究もしています。確実に、早く、安く検査できる体制を作ることが、予防医療の普及のカギだと考えています」(神山氏) メディカルチェックスタジオは大手長距離バス会社やIT企業と法人一括契約を結んでいる。特に多くの人命を預かっている長距離バスの運転手は、職務中に脳梗塞などを起こすと大惨事になるため、受診を義務付けている会社もある。 何を隠そう、神山氏が楽天トラベル社長室長時代にドライバーの脳の病気による大規模なバスの事故への対応を経験したことが、本事業を立ち上げるきっかけになっている。「職場での従業員の突然死を防ぐために、あなたの会社も契約しませんか?」という営業トークが多くの企業に受け入れられているようだ』、神山氏がドライバーの脳の病気による大規模なバスの事故への対応を経験したことが、本事業を立ち上げるきっかけになっている、というのは地に足がついた創業だ。
・『30分1万7500円で手に入る安心感  4月2日月曜日、「診断結果のお知らせ」というメールが届いた。 恐る恐る、パスワードを打ち込んで結果を見る。  脳萎縮なし  脳梗塞なし  脳腫瘍なし  動脈瘤なし  血管閉塞なし  総合判定異常所見は認めませんでした  よかったぁ~。 あれもこれもそれも、忘れまくるのは「正常な老化」ということですね。この安心が30分1万7500円で手に入るなら「安いもの」というのが今回の所感である。しかし尾原氏のケースにもあるように動脈瘤などはある日突然できるものではなく、自覚症状のまったくないところから少しずつ大きくなっていくらしい。 定期的にチェックしておけば、大事になる前に処置できる。30分1万7500円を高いと思うか安いと思うかは人ぞれぞれだろう。しかし血管のスペシャリストである知久先生はこう言っている。「とにかく医療の現場にいると、直しても直しても患者さんが来るんです。本当にキリがない」 高齢者が要介護になる大きな原因の1つが脳の病気である。発病すれば一命を取り留めても、後には長い闘病が待っており、医療コストを肥大化させる原因にもなっている。しかし、現代のテクノロジーを使って定期的に検査をすれば、脳の病気のかなりの部分は大事になる前に治療できる。それが、知久先生が予防医療に転じた理由だという。 3万~5万円で半日以上かかる従来の脳ドックは確かにハードルが高かった。「人間ドックのついでに」といっても10万円コースである。それが銀座のど真ん中で「30分1万7500円」。脳ドックのコンビニ化は日本の予防医療に新たな風を吹き込みそうだ』、確かに上手い仕組みでコンビニ化したものだ。私も受けてみようかな。

次に、健康社会学者の河合 薫氏が7月24日付け日経ビジネスオンラインに寄稿した「「私は健康」3割だけ 寿命を縮める残念な職場 ストレスが心と体を蝕む」を紹介しよう。
https://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/200475/072300173/?P=1
・『なぜか最近、新聞やテレビを見ながら「なんでやねん」と、“一人ツッコミ”を入れることが増えた。 これまでも「へ~」だの、「アハハ」だのと、“一人驚き” や “一人笑い” をし、「何?」「どうした?」と周りに聞かれ、「あ、いや、ごめん」とお茶を濁していた。が、最近の一人ツッコミは、報じられている問題に「もっとその先まで踏み込んで!」という、いわば消化不良によるものだ。 先週、木曜日(7月19日付)の日本経済新聞の記事も、まさにその類だった。「なぜか少ない『私は健康』」――との見出しで紹介された「OECD保健統計2018」に関する内容である。記事は韓国・毎日経済新聞によるものなので韓国が主語。だが、日本のことも書かれていた。なんでも、保健福祉省が「OECD保健統計2018」の結果を発表し、韓国人は肥満の割合が低く、平均寿命も長いが、「自分は健康だ」と考えている国民の割合がOECDで最低水準であることがわかったそうだ。その割合は韓国32.5%で、日本も35.5%と最低レベル。ニュージーランド、アメリカ、カナダなどの比率は80~90%で、OECD平均は約70%なので、いかに低いかがわかる。 また、患者一人当たりの平均入院日数は18.1日で、 日本(28.5日)の次に多い反面、韓日両国をのぞくすべてのOECD加盟国は「10日未満」だったという。 ……ふむ。 これは韓国語で書かれたものを、日本語に訳したものなのか? それとも韓国・毎日経済新聞に書かれていた記事を日本で紹介するために、記者さんが「日本」の情報を追加したものなのだろうか? いずれにせよ、「自分は健康だ」とする人が3割程度しかない→「なぜ」という方程式が真っ先に浮かぶのは結構、幸せなことだと思う』、私もツッコミ不足の記事に対し不満を持つことが多い。
・『日本と韓国に共通しているのは労働環境の過酷さである。 言わずもがな、どちらも世界有数の「長時間労働大国」で、有給休暇の取得率、女性活躍、最低賃金……などの世界ランキングで、日本と韓国は最下位常連国だ。 ストレス。そうストレス。ストレスの多い日々を送っているビジネスマンが、「私の健康状態は良好です!」と、胸を張るのは難しい。少なくとも私は「私は健康です!」とキッパリ言い切る自信はない。 はい、そうです。私の脳内ツッコミ隊は「なぜか少ない」という、まるで他人事の言葉に敏感に反応し、おそらくストレスを一切感じていない幸せな記者さんに、「なぜか? って、なんでやねん! もうちょっと考えてみ!!」と、大暴れした、というわけ。 そこで今回は「私は健康か?」について、アレコレ考えてみようと思う』、なるほど。
・『WHOの定義から派生  まず最初に、主観的健康について、少々専門的になるけどとっても大切なことなので説明します。 「自分は健康だ」という主観的健康は、1946年にWHO(世界保健機関)定義が健康を以下のように定義したことから派生した指標である・・・健康とは、病気ではないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあること。 精神的・社会的とは具体的には…… 孤立や対立がない 居場所がある サポートが得られる 役割がある ことで、これらに満足している状態を「健康」とした。 この定義が発表された当初、あまりに理想的すぎるという批判もあったが、「健康は個人の問題じゃなく、社会の問題。人権であり、個人を尊重すること。それを追求する義務がアナタたちにあるんですよ」と戦争でたくさんの人たちの命が失われた反省を世界各国に持ってもらいたいと、WHOは「精神的・社会的」という文言を加えたのだ。 そこで「ならば医学的視点だけではなく、社会学的視点からも、心理学的視点からも健康を捉えなくては!」と気運が高まったものの、「病気ではない、弱っていないのに、肉体的に~とか、精神的に~とか、社会的に~とか、どうやって測ればいいんだ?」との議論を呼んだ。 この疑問に答えようと、世界中の研究者たちがあれやこれやと考え、たどり着いたのが Well-being や QOL(quality of life)などの概念で、それを測定する尺度も開発された。 一方、「もっとシンプルに考えていいんじゃね?」という流れの中で生まれたのが、「私は健康である」と主観的に捉える主観的健康である。米国では1972年以降の、National Health Interview Surveyに、日本でも86年の国民生活基礎調査から導入されている』、定義を広くするか、シンプルにするかは、利用目的にもよるのだろう。
・『さて、主観的健康という言葉は日本では広く使われているが、欧米ではsubjective health、perceived health、self-rated health、self-assessed healthなど呼称は統一されていない。 また、尺度もいくつか存在し、複数項目で加算し得点化するものもあれば、単項目もある。 ここ数年は単項目で測定するものが国内外を含め多数を占める。 私がこれまで行った調査でも、よほどの理由がない単項目を使っている。 具体的には「私は健康である」に対して、「全くその通りだ」~「全く違う」の4~5段階で回答したり、「あなたは健康ですか?」との問いに、「とても健康」~「健康でない」と4~5段階で答えるのが一般的だ。 単項目が多用される理由は「感度の良さ」にあるといっても過言ではない。「測りたいものが測れる」感度の良さと(信頼性と妥当性)、「その他の要因との関連」を分析する際の感度の良さが単項目のウリ。 例えば単項目を使った調査で、国内外の多くの先行研究から「主観的健康度が高い人ほど疾患の有無にかかわらず生存率が高い」ことや、「病気の予後や平均余命にも強く影響を与える」ことがわかっている。私が関わった調査研究でも、主観的健康度の高い人は術後の経過が良く、リハビリの効果も出やすいことに加え、人生満足度や職業満足度が高かった。 医療技術は日進月歩で、多くの病が「死の病」から「共に生きる病」となった。現代社会では、「いかに自分の健康状態を認識するか」が重要となる。 つまり、「うん。私は大丈夫だ!」という前向きな気持ちに加え、「生きてるっていいね!」と思える社会作りも大切なのだ』、その通りだろう。
・『それだけではない。ここからが働く人にとって、極めて重要な知見である。 なんと「主観的健康」が、心疾患やがんといったストレスとの関連の高い病気の単独の予測因子にもなることが追跡研究でわかってきているのだ。 それは「主観的健康」が、ストレス状態に強く影響を受けていることを意味する。 ただし、ストレスといっても、「仕事で失敗をする」とか、「上司から怒鳴られた」というような一時的なものではなく、 長時間労働が常態化し、家庭で過ごす時間が取れない 常に仕事の納期に追われている 常に要求の高い仕事を求められる 裁量権を与えられていない 上司や同僚から支援を得られない 雇用形態が不安定 といった慢性的なストレスである。 今年1月。国立がん研究センターが、全国の40~69歳の男女約10万人を20年近く追跡し、長期間ストレスを感じている人は発がんのリスクが高くなることがわかったという調査結果を公表した。 この調査は90年(または93年)の調査開始時に「あなたは普段の生活で、どの程度ストレスを感じていますか?(自覚的ストレス)」との問いに、「少しだけ」「平均的(人並み)」「たくさん」の三択に答えてもらい、その後のがんの罹患率との関連を分析した(追跡調査中に約1万7200人ががんに罹患)』、「長期間ストレスを感じている人は発がんのリスクが高くなることがわかった」というのは、感覚的にも理解できる。
・『自覚的ストレスと主観的健康  最初の分析では、「調査開始時の自覚的ストレス」とがんの罹患率との関連を調べた。その結果、統計的に有意な関連は認められなかった。 そこで、「調査開始時の自覚的ストレス」と「5年後調査時の自覚的ストレス」の両方を用いて分析したところ、「両方でストレスの高かったグループ」は、「両方とも低かったグループ」に比べ、全てのがんに罹患するリスクが11%上昇していたのだ。 開始と5年後の両方とも「ストレスが高い」と感じていることは、慢性的なストレスにさらされていることを意味する。 しかも、この傾向は特に男性で顕著で、臓器別では、肝がん、前立腺がんでリスクが高まることもわかった。 もちろん「ストレスへの自己認識」と「主観的健康」は、100%イコールではない。 だが、主観的健康に関する数多くの調査結果でストレスとがんや心疾患との関連を報告されている限り、「私は健康です!」と胸を張って言える社会や職場を作ることがWHOの「健康の定義」の真意だと思うわけです。 慢性的なストレス地獄で働いてる人たちは、ストレスの雨に鈍感になりがちである。 だが、そのシトシトと降り続く雨が確実に心身を蝕んでいる』、「シトシトと降り続く雨が・・・」は心にグサリと刺さる表現だ。
・『たかが「働き方改革」。されど「働き方改革」。 少なくとも1日の三分の一を職場で過ごすビジネスパーソンにとって、職場環境は「その人の寿命までをも左右する極めて大きな役割を担っている」といっても過言ではない。 ただ、残念なのは職場環境をよくしようとどんなに現場が頑張ったところで限界があるってことだ。「鶴の一声」。そうなのだ。トップがいかに真剣に職場環境の改善に努めるかどうかで、そこで働く人の寿命や病気にかかるリスクまで変わってきてしまうということを、もっともっと経営者には認識していただきたいのです』、その通りだろう。
・『実は、韓国と日本の主観的健康の圧倒的な低さは、2016年のOECDの報告書でも指摘されていて、それについて韓国の保健福祉省は次のような見解を示した。「『社会文化的要素に起因すると見られる』と評価。つまり韓国人は自分の健康状態について、実際より過度に否定的に感じる傾向、いわゆる『健康心配症』が多い」と。 なるほど。健康心配症ね。 日本でも同じことが言える? 確かに、本屋には健康本が山積みされ、テレビや雑誌でも健康情報が溢れている日本人の健康への意識は相当に高い。 だが、他の国では9割近くの人が「私は健康だ!」としているのに対し、たったの3割しかいない状態を「心配症」だけで説明するのは相当に無理があるように思う。 それに「寿命は長いのだから、主観的健康の低さは説明がつかない」という意見もあるけど、そもそも寿命って何なのだろう? 健康って何なのだろう? ただ長生きするだけが健康じゃないし、がんや心疾患を発症して延命治療で長く生きながらえることだけが健康でもないと思うのだ。 1つだけ確かなのは「私は健康です!」と胸をはれる毎日が過ごせればいいな、ってこと。慢性的なストレスを減らし、「私は健康です!」と言える人が増えれば、それがまた「健康な社会作り」を加速させる。 ……「なんかみんな怒ってて怖っ……」なんてことを最近思う機会が増えていたので、余計に考えてしまったのです』、「働き方改革」のような抽象的なキャッチフレーズを振り回すのではなく、地道に慢性的なストレスを減らし、「健康な社会作り」をしていきたいものだ。

第三に、7月24日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した「男の健康:熱中症対策の水分補給、お茶やスポーツ飲料がおすすめできない理由――赤坂パークビル脳神経外科・福永篤志医師に聞く」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/175461
・『連日の猛暑で危惧される「熱中症」。消防庁の発表では、7月9日~15日までの全国の熱中症による救急搬送者は9956人。最高気温が40度を上回る地域も登場し、今後さらなる患者の増加が見込まれる。「熱中症の恐ろしさを十分に認識していない人が多いのではないか」と指摘する赤坂パークビル脳神経外科の福永篤志医師(脳神経外科医・気象予報士)に恐ろしい熱中症の症状や適切な予防策について話を聞いた』、だいぶ涼しくなってきたが、来年に備えておこう。
・『夏のめまい、頭痛、筋肉痛は熱中症を疑え 深部体温が42度超なら生命の危機に  ・・・熱中症とは、「暑熱(夏の暑さ)」による身体の障害の総称です。人間は外気温に関係なくほぼ一定の体温を維持できる恒温動物で、いかに高温あるいは低温の環境であっても、身体から熱を逃す働き(放熱)と熱を産生する働き(産熱)のバランスで、体内を36~37度に維持します。ところが暑熱を受け続けると、産熱が放熱を上回って体温が著しく上昇し、熱中症の症状が現れます。 体温が上昇すると、体内酵素の働きが低下し、たんぱく質を分解できなくなって不具合が生じます。細胞レベルでは、深部体温(体の内部の温度)が41.5度を超えた時点で身体のミトコンドリアに機能障害が起こり、身体の様々なエネルギーを作り出せなくなります。さらに42度を超えれば不可逆的な障害が起こり、生命の危機状態に陥ります』、小中学校時代に朝礼などでよく倒れる生徒がいて、保健室などで休めばケロリと治っていたので、軽く考えていたが、「42度を超えれば不可逆的な障害が起こり」とは本当に恐ろしいことだ。
・『熱中症は重症度に応じて3段階に分類されます。軽度である「I度」はかつての分類である熱失神、日射病、熱けいれんに相当し、症状としては、めまい、頭痛、筋肉痛、ふくらはぎなどのけいれん、あくびなどがあります。 中等度の「II度」は熱疲労に相当し、疲労感、倦怠感、手足に力が入らない、不快感、I度よりひどい頭痛、吐き気・嘔吐、判断力や集中力の低下、意識がもうろうとする、などの症状があります。 熱射病に相当する「III度」は重症度では最も重く、意識障害やフラフラして歩けない、けいれん発作などの症状を呈します。また、血液検査をすると、肝臓や腎臓に障害が起こっていたり、血液凝固異常といって血栓(血の塊)ができやすい状態が認められたりします』、III度が前期の不可逆的な障害なのだろうか。
・『――応急処置として、どのような対策が有効でしょうか? めまい、頭痛、筋肉痛、ふくらはぎなどのけいれん、ごく軽度の疲労感や倦怠感などが診られれば、すぐに涼しい場所へ移し、衣服をゆるめて両側の首筋、わきの下、足の付け根を冷やします。氷や保冷剤があればそれで、なければ冷たいペットボトルなどでも構いません。タオルやうちわなどで仰ぎ、風を送って身体を冷やしてください。 水を十分に摂取することも忘れてはいけません。塩分と水分が適度に配合された経口補水液であれば、より理想的です。ただし、嘔吐していたり意識がなかったりした時は、水分が気道に入る可能性があるため、無理に飲ませるのはやめてください。 これらの処置をしても回復が見られない場合、あるいは最初から意識障害を起こしている場合は、すぐに医療機関を受診してください。命にかかわる可能性があります・・・軽度の熱中症で生じるめまい、頭痛、筋肉痛などは、様々な病気で見られる症状です。「いつもの」だと思い、放置しているとだんだん悪化してきた……というケースも珍しくありません。この暑い季節、特に屋外で活動していたり水分補給が十分でなかったりした時にめまいや頭痛などが生じたら、熱中症を疑い、前項で紹介した対策を講じるべきです。』、なるほど。
・『お酒やコーヒー、緑茶での水分補給はNG 「牛乳」が熱中症予防に良いという説も  ――熱中症の正しい予防策を教えてください。 基本は、水分補給です。水分というとアルコールや、カフェインを含むコーヒー、緑茶などを水代わりに飲んでしまう人が多いですが、利尿効果によりかえって脱水症状を引き起こし、熱中症のリスクを高めるおそれがあります。だから私は必ず「“水を”飲んでください」と伝えるようにしています。ただし、心臓病や腎臓病を患っている方は水分摂取量に制限が設けられているため、主治医に相談してください』、コーヒー、緑茶は「利尿効果によりかえって脱水症状を引き起こし、熱中症のリスクを高めるおそれがあります」というのは知らなかった。きちんとした知識を得て良かった。
・『「スポーツ飲料の方がいいのでは?」という質問もよく受けます。確かに体内への吸収率はいいものの、糖分が比較的多く含まれているのが問題。スポーツ飲料の飲み過ぎで糖尿病を発症した事例もあります。日常生活では水で十分。喉の渇きを自覚する前に、こまめに水を飲んでください。 一方、スポーツをしたり、汗をかいたりしたような時は、経口補水液を取るようにしましょう。最近の論文では、「スポーツ後には牛乳がいい」という説も発表されています。ミネラルのほかタンパク質の補給にもなり、熱中症になりにくい体を作るからです。 「クーラーが体によくない」という意見を高齢者を中心によく耳にしますが、近年の気温上昇を見ると、特に都心ではクーラーなしで夏を乗り切るのは難しいように感じます。健康のために、熱中症予防のために、28度くらいを目安に、適度にクーラーを用いて、暑熱を和らげるようにしてください』、スポーツ飲料は糖尿病のリスクがあるというのは、確かにその通りだろう。
・『――熱中症を起こしやすい季節、天気、時間帯はありますか? 熱中症は気温25度、湿度40%を超えた辺りから増え始めます。患者数は原則的に気温の上昇に比例して増加するため、ピークは7~8月。ただし、人間の身体は暑熱に慣れていくので、高温が続くと患者数は減ってきます。むしろ暑さに慣れていない梅雨明けでは、真夏よりも低い気温で熱中症が発生しやすくなります。 実のところ熱中症は、気温より湿度の影響の方が遥かに大きく、カラッと晴れた日よりも、晴れて蒸し蒸しした天気の方が熱中症のリスクが高くなります。時間帯では、13時ころがピークで、16~20時もそれなりに多い一方で、21時から翌8時までは比較的少なくなります(平成27年東京都消防庁データ参照)。 環境省の熱中症予防情報サイトでは、熱中症を予防することを目的に作られた「暑さ指数(WBGT)」 の予測値と現在の推計値を掲載しています。外出する際などはこちらも参考にして、指数に応じて外出や運動を控えるなど生活活動の目安にしてみてください』、「熱中症は、気温より湿度の影響の方が遥かに大きく、カラッと晴れた日よりも、晴れて蒸し蒸しした天気の方が熱中症のリスクが高くなります」というのは初めて知った。
・『高齢者や子どもはより危険だが、若くても元気満々でも発症のリスクあり  ――体力がある人であれば、熱中症にかかりにくいのでしょうか? 皆さんに声を大にして申し上げたいのは、熱中症のリスクはだれにでもあるということです。暑熱を受け続け、水分補給を怠れば、体力があっても、年齢が若くても、そして前日まで元気満々であっても、熱中症を発症する恐れがあります。十分に予防策を講じるべきです。 ただし、「熱中症になりやすい人」がいることは確か。まずは高齢者です。そもそも体内の水分含有量が低い上に、身体に備わる放熱の機能が低下しています。「人間の身体は暑熱に慣れていく」と述べましたが、高齢者の場合は例外で、高温が続くと比例して高齢患者の割合が増えていきます。 次に、子どもです。体温調節機能や発汗機能が成人よりも未成熟であり、身体が小さいために暑熱の影響を受けやすい。熱中症の症状を口に出して訴えられないケースもあるため、保護者がしっかり注意して見ていることが必要です。 そのほかでは、仕事やスポーツなどで屋外での活動時間が長い人。昨今のジョギングブームで、真夏の日中でもジョギングをしている人を見かけますが、できれば避けていただきたい行為です。 熱中症は、死に至ることもある怖い病気。予防が最大の治療です。「自分は大丈夫」だと根拠なき自信を持たず、これまでに挙げた予防策を実行してください』、確かに「根拠なき自信』には大いに気をつけたい。
タグ:熱中症は、気温より湿度の影響の方が遥かに大きく、カラッと晴れた日よりも、晴れて蒸し蒸しした天気の方が熱中症のリスクが高くなります 脳に特化することで稼働率が上がる 東大発ベンチャーの『エルピクセル』という会社とAI(人工知能)を使った画像解析の共同研究もしています 知久先生とのダブルチェック体制 検査結果は1週間後にメールでお送りします スポーツ飲料の飲み過ぎで糖尿病を発症した事例も 「私は健康である」と主観的に捉える主観的健康 「男の健康:熱中症対策の水分補給、お茶やスポーツ飲料がおすすめできない理由――赤坂パークビル脳神経外科・福永篤志医師に聞く」 トップがいかに真剣に職場環境の改善に努めるかどうかで、そこで働く人の寿命や病気にかかるリスクまで変わってきてしまうということを、もっともっと経営者には認識していただきたいのです 他の国では9割近くの人が「私は健康だ!」としているのに対し、たったの3割しかいない状態を「心配症」だけで説明するのは相当に無理がある 軽度である「I度」はかつての分類である熱失神、日射病、熱けいれんに相当 細胞レベルでは、深部体温(体の内部の温度)が41.5度を超えた時点で身体のミトコンドリアに機能障害が起こり、身体の様々なエネルギーを作り出せなくなります。さらに42度を超えれば不可逆的な障害が起こり、生命の危機状態に陥ります 体温が上昇すると、体内酵素の働きが低下し、たんぱく質を分解できなくなって不具合が生じます ところが暑熱を受け続けると、産熱が放熱を上回って体温が著しく上昇し、熱中症の症状が現れます 身体から熱を逃す働き(放熱)と熱を産生する働き(産熱)のバランスで、体内を36~37度に維持します 読影のスペシャリストが広島に2人いて遠隔で画像をチェック 慢性的なストレス地獄で働いてる人たちは、ストレスの雨に鈍感になりがちである。 だが、そのシトシトと降り続く雨が確実に心身を蝕んでいる 脳ドックのコンビニ化 大手長距離バス会社やIT企業と法人一括契約 ダイヤモンド・オンライン 神山氏が楽天トラベル社長室長時代にドライバーの脳の病気による大規模なバスの事故への対応を経験したことが、本事業を立ち上げるきっかけになっている 開始と5年後の両方とも「ストレスが高い」と感じていることは、慢性的なストレスにさらされていることを意味 お酒やコーヒー、緑茶での水分補給はNG 30分1万7500円で手に入る安心感 高齢者や子どもはより危険だが、若くても元気満々でも発症のリスクあり フェイスブック、グーグル、ヤフー、楽天のIDでも登録できる 所要時間はきっかり10分 長期間ストレスを感じている人は発がんのリスクが高くなることがわかった 心疾患やがんといったストレスとの関連の高い病気の単独の予測因子にもなる 「うん。私は大丈夫だ!」という前向きな気持ちに加え、「生きてるっていいね!」と思える社会作りも大切なのだ 韓国の保健福祉省 『健康心配症』が多い 脳ドック・クリニック「メディカルチェックスタジオ」 「スマート脳ドック」 予約はすべてスマホ、パソコンで完了 1万7500円は相場のほぼ半額 会員登録 検査そのものは15分で終了 何かあれば、後日、精密検査。そこで異常が見つかれば日本大学病院、順天堂大学病院、聖路加国際病院などの提携先の病院で治療を受けていただく流れに 熱射病に相当する「III度」は重症度では最も重く、意識障害やフラフラして歩けない、けいれん発作などの症状を呈します すぐに涼しい場所へ移し、衣服をゆるめて両側の首筋、わきの下、足の付け根を冷やします。氷や保冷剤があればそれで、なければ冷たいペットボトルなどでも構いません 中等度の「II度」は熱疲労に相当し、疲労感、倦怠感、手足に力が入らない、不快感 「OECD保健統計2018」 患者一人当たりの平均入院日数は18.1日で、 日本(28.5日)の次に多い反面、韓日両国をのぞくすべてのOECD加盟国は「10日未満」だったという 日本と韓国に共通しているのは労働環境の過酷さ どちらも世界有数の「長時間労働大国」で、有給休暇の取得率、女性活躍、最低賃金……などの世界ランキングで、日本と韓国は最下位常連国だ WHO(世界保健機関)定義が健康を以下のように定義したことから派生した指標 「「私は健康」3割だけ 寿命を縮める残念な職場 ストレスが心と体を蝕む」 韓国人は肥満の割合が低く、平均寿命も長いが、「自分は健康だ」と考えている国民の割合がOECDで最低水準であることがわかったそうだ。その割合は韓国32.5%で、日本も35.5%と最低レベル 日経ビジネスオンライン 河合 薫 WHOは「精神的・社会的」という文言を加えた ストレスの多い日々を送っているビジネスマンが、「私の健康状態は良好です!」と、胸を張るのは難しい 主観的健康度の高い人は術後の経過が良く、リハビリの効果も出やすいことに加え、人生満足度や職業満足度が高かった 主観的健康 健康 大西 康之 (その5)(楽天OBが始めた「突然死予防ビジネス」の全貌、「私は健康」3割だけ 寿命を縮める残念な職場 ストレスが心と体を蝕む、熱中症対策の水分補給 お茶やスポーツ飲料がおすすめできない理由) 脳ドック 「楽天OBが始めた「突然死予防ビジネス」の全貌 お手軽価格の「銀座で脳ドック」を受けてみた」 東洋経済オンライン
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