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クレーマー(その1)(暴言が突出!広がる「悪質クレーム」の実態 「顧客至上主義」からどう脱却していくのか、サービス業に蔓延「悪質クレーム」の被害実態 4人に3人が遭遇!法整備に向けた動きも…、日本の過剰なおもてなしが クレーマーを生んでることに気づいてますか ドイツからみればよく分かる) [社会]

今日は、クレーマー(その1)(暴言が突出!広がる「悪質クレーム」の実態 「顧客至上主義」からどう脱却していくのか、サービス業に蔓延「悪質クレーム」の被害実態 4人に3人が遭遇!法整備に向けた動きも…、日本の過剰なおもてなしが クレーマーを生んでることに気づいてますか ドイツからみればよく分かる )を取上げよう。

先ずは、昨年12月2日付け東洋経済オンライン「暴言が突出!広がる「悪質クレーム」の実態 「顧客至上主義」からどう脱却していくのか」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/199517
・『「謝罪として土下座を強要する」「クレームの際、従業員を怒鳴りつける」「インターネット上に従業員の実名を挙げ、一方的な誹謗中傷をする」――。 百貨店やコンビニエンスストア、飲食店などの接客現場で見られる悪質クレーム。これが原因となり、一般消費者へのサービス低下や、従業員のストレスにつながるケースが散見されている。こうした状況に危機感を抱いた産業別労働組合「UAゼンセン」(以下、ゼンセン)が対応に乗り出した』、ベアなどでは力をなくした労働組合も、こうした身近で切実なテーマを取上げるのはいいことだ。
・『5万件超のアンケートが集まった  ゼンセンは繊維・衣料、食品、流通、レジャー・サービスなど多種多様な業種の企業別労働組合で構成されている、日本最大の産業別労働組合である。2017年9月中旬時点で2428組合、172万人余りで構成されている。 11月16日、ゼンセンは厚生労働相に要望書を提出。「顧客によるハラスメント」から労働者を守るために事業者が講ずべき措置を定めることや、悪質クレームに関する実態調査の実施を求めた。 ゼンセンは今回の要望書作成に先立ち、組合員にアンケートを実施。こうしたアンケートを実施するのはゼンセンとして初めてのことだ。「当初は2万件集まれば社会に対して訴えうるものになると考えていたが、職場での反響が大きく最終的には5万件余りのアンケートが集まった」(ゼンセン流通部門の西尾多聞事務局長)。 アンケート結果からは悪質クレームの実態が明らかとなった。来店客からの迷惑行為に遭遇した経験があると回答したのは全体の約74%。そのうち、遭遇した迷惑行為として最も多く挙げられたのが暴言(2万4107件)だった。そのほか、何回も同じ内容を繰り返すクレーム(1万4268件)や権威的(説教)態度(1万3317件)、威嚇・脅迫(1万2920件)が上位を占めた。 今回のアンケートではこうした迷惑行為の具体的な内容についても回答されている。たとえば、暴言については「お客様の(不満の)はけ口になっていて、『このババア』と言われた」、「商品の在庫を尋ねられ、在庫がない旨を伝えたところ、『売る気がないんか、私が店長だったらおまえなんかクビにするぞ』と延々怒られた」といったケースがあったという。 そのほか、「『レジ担当のあいさつがない』との申し出に、電話対応で謝り続けたらお客様から説教され、2時間程度の対応をした」という長時間拘束の例や、「普通に接客していたとき、お客様の機嫌が悪かったのか、かごや小銭を投げられた」といった暴力行為もあった』、回答が5万件余りも集まったということは、切実さの表れだろう。要望書を受け取った厚生労働省も前向きに対応すべきだ。
・『精神疾患になった事例も  アンケートでは、迷惑行為を経験した組合員のうちストレスを感じた人は9割に上り、1%に当たる359人が精神疾患になったと回答している。 「今回、5万人もの組合員が回答してくれたが、あくまで今働いている方を対象にしたものにすぎない。これまでに悪質クレームが原因でストレスを感じて仕事を辞めていった方もたくさんいるはずだ」(ゼンセン流通部門の安藤賢太執行委員) 今後、悪質クレームにどう対応していくのか。ゼンセンがまず取り組むのが、悪質クレームの呼称を確定することだ。実は、ゼンセンは「悪質クレーム」という名称について、現時点で仮称としている。悪質クレームと呼称した際に、クレームを発する消費者そのものを問題としていると誤解されかねないからだ。 もちろん、ゼンセンとしてはクレームそのものを否定しているわけではない。「クレームは消費者の意見がわかるアンテナでもあり、サービスを向上させるための有益な情報」というのが基本姿勢だ。「問題なのはあくまで悪質だという点。広く社会に受け入れられる名称を考えていきたい」(ゼンセン常任中央執行委員の森田了介氏)。 もう1つの課題が、悪質クレームの基準を明確化することだ。今回、ゼンセンは悪質クレームを「商品やサービスに関する要求内容または要求態度が社会通念に照らして著しく不相当な苦情のこと」、または「一般常識に照らして明らかに不当である要求や異常な態様の要求行為」と定義した』、精神疾患になったのが1%もいるというのは深刻だ。悪質クレームの定義も妥当なようだ。
・『「顧客至上主義」の呪縛  ただ、その判断基準が企業、もしくは対応した従業員によって異なる場合があり、実際には厳格な対応が難しい。店頭などの迷惑行為については、刑法の適用された判例が少なく、適用されるにもハードルが高くなっているという。 ゼンセンは早期に業界全体としての基準作りをし、悪質クレームの現状や対応策を周知していく構えだ。 現場で働く従業員が「顧客至上主義」の呪縛にとらわれている点も見逃せない。11月20日にゼンセン主催の悪質クレーム対策セミナーで講演した深澤直之弁護士は「(現場の従業員が)お客様だから仕方ないと思い込んで、我慢しすぎている」と指摘。さらに「(過度な要求については)断ることや無視することも立派なクレーム処理の1つ」と強調した。 今後、ゼンセンとしては悪質クレームの取り締まりを目的とした法整備を訴えていく方針だ。ルールを確立して対策を講じると同時に、消費者1人ひとりが自らの行いを見つめ直す必要もありそうだ』、「お客様は神様です」に代表される「顧客至上主義」は確かに問題だ。事業者が講ずべき措置を要求するのは当然だが、法整備となるとハードルは高そうだ。

次に、9月13日付け東洋経済オンライン「サービス業に蔓延「悪質クレーム」の被害実態 4人に3人が遭遇!法整備に向けた動きも…」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/237424
・『「レジ打ちを間違えたら、15分くらい暴言を言われた」「『殺すぞ、子どもが泣いているのに景品をくれないのか』とクレームを受けた」「『介助したら蹴るぞ』と言われた」――。 飲食店やレジャー施設、介護施設などで見られる悪質クレーム。9月11日、産業別労働組合「UAゼンセン」(以下、ゼンセン)が、今年2~5月に実施した悪質クレーム(迷惑行為)に関するアンケート調査の結果を発表した。調査は外食、タクシー、ホテル、病院・介護などサービス業の現場で働く組合員を対象に行われた』、第一の記事は広範な業種が対象だったが、今回のはサービス業に限定した第二弾だ。
・『1万9000件の具体的な事例  調査結果によると、回答した組合員3万人余りのうち約75%に当たる2万2440人が、「業務中に悪質クレーム(迷惑行為)に遭遇したことがある」と回答。そのうち9割以上が「ストレスを感じた」と答えた・・・昨年、ゼンセンは百貨店やスーパーなどで働く組合員を対象に同様のアンケート調査を実施。5万件を超える回答を得た前回の調査でも、今回と同じく暴言や何度も同じ内容を繰り返すクレームを受けたといった回答が数多く見られた。 今回の調査についてゼンセン総合サービス部門の北山淳政策委員長は「関心を持って応じてもらえ、非常に多くの回答が集まった」と振り返る。実際、3万件余りの回答のうち1万9000件については具体的な事例の報告もあった。 たとえば、「『今日は予約が入っていない』旨を伝えると、受付2人に向かって『馬鹿面さげて何やってんだ』と暴言を吐かれた」、「『俺は○○(親会社)の社長と知り合いでおまえなんかすぐクビにできる』と言われた」といった、暴言や権威的(説教)態度による脅迫などがあったという』、9割以上が「ストレスを感じた」とは、深刻だ。個別事例もいかにも日常的にありそうな話だ。
・『法整備の必要性を強調  調査では「性的な内容の話を我慢して聞いていたらエスカレートして尻や胸などを触られたり抱きつかれたりした」などセクハラ行為も3000件以上報告されている。 こうしたセクハラ行為は医療・介護・福祉に多く、悪質クレーム(迷惑行為)を受けたことがある医療・介護・福祉従事者のうち、17.1%がセクハラ行為を受けたことがあると回答している。 また、威嚇・脅迫行為も、医療・介護・福祉従事者だけで4042件を占めるなど、ほかの業種に比べて多いことがわかった。  このような事態を受けゼンセンは、法整備も含め社会全体で対策を推進していく必要性を強調する。事業主には従業員を守る「安全配慮義務」があるものの、「アンケートを見ると、最前線の人間に全部押し付けられて、会社は現場に対応を任せきりにしているというケースもある。そこを何とかしていきたい」(ゼンセンの高松和夫副書記長)』、「会社は現場に対応を任せきりにしているというケースもある」とあるが、そうした無責任な企業はもっと多いのではなかろうか。
・『また、セクハラについて高松副書記長は「会社の内部でのハラスメントだけでなく、顧客や第三者のハラスメントに対応できるものを法制化できないか」と話す。 対策は法整備にとどまらない。ゼンセンは厚生労働省に対して悪質クレームの実態調査や、倫理的な消費行動の啓蒙や教育も求めている。8月10日には賛同する176万人余りの署名を集め、加藤勝信厚労相に提出した』、医療・介護・福祉などの現場でのハラスメントに、いきなり警察沙汰にするよりは、先ずは「倫理的な消費行動の啓蒙や教育」が必要なのは確かだ。
・『深刻な人手不足問題  実際、アンケート中の「迷惑行為が発生している原因をどう考えるか」という質問(複数回答可、以下同)に対し1万6333人が「顧客のモラル低下」と回答。「迷惑行為からあなたを守るためにどのような措置が必要か」との質問には1万0215人が「顧客への啓発活動」と答えている。 厚労省の統計によると、2018年7月時点で「サービスの職業」の有効求人倍率は3.45倍で、求職者1人に対して3~4件の求人がある状況。中でも「接客・給仕の職業」は3.93倍、「介護サービスの職業」は4.03倍と、より深刻だ。悪質クレーム(迷惑行為)問題の解決は、人手不足の解消を考えるうえでも重要となる。 従業員の定着率が上がればスキルが蓄積し、生産性が向上して従業員の処遇改善にもつながる。サービス業の現場では外国人労働者の受け入れ拡大に向けた議論や、機械化・省人化の動きも進められているが、悪質クレーム対策を含む根本的な職場環境の改善も欠かすことはできない』、その通りだ。先ずは、厚労省は早期に実態調査すべきだろう。

第三に、ドイツ在住フリーライターの雨宮 紫苑氏が9月29日付け現代ビジネスに寄稿した「日本の過剰なおもてなしが、クレーマーを生んでることに気づいてますか ドイツからみればよく分かる 」を紹介しよう。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/57672
・『日本で凝り固まった就活や就職をしたくない! と22歳でドイツに向かったフリーライター・雨宮紫苑さんは、鼻息荒く移住したものの、就職はおろかアルバイトもまともにできないという悔しい体験をした。 26歳となった今はドイツに住みながら、日本に年に1度は帰国する生活を送っており、『日本人とドイツ人 比べてみたらどっちもどっち』という著書も刊行している。他国から日本と比べてみることで、より日本の良い点とおかしい点が浮かび上がって見えてくるのだ。 東京五輪まで泣いても笑ってもあと2年を切った。五輪の成功に、滝川クリステルがプレゼンで主張した「お・も・て・な・し」をいかにできるかどうかは重要な鍵となる。しかし雨宮さんは日本での「おもてなし」に対し、違和感をぬぐえないというのだ』、なるほど。
・『「へりくだりすぎる」店員  先日都内の病院で、父親の定期健康診断があった。定期健診のあとはちょっとおしゃれなランチをするのが両親の恒例行事らしく、一時帰国中のわたしはご相伴にあずかるため、いそいそと都内へと向かった。 しかし一時帰国中で予定を詰め込んでいたから、それなりに仕事が溜まっている。そこで、両親が病院に行っているあいだ、病院のそばのコーヒーチェーン店で仕事をしていることにした。 頼んだのは、ホットカフェモカのスモール。対応してくれたのは、大学生バイトと思われる背が高い男の子だった。 彼が「ホットカフェモカのラージをおひとつですね」と言うから、「スモールで」と訂正。彼は「すみません」と言いつつレジを打ち、うしろを振り返って「アイスカフェモカのスモールをお願いします」と言った。そこでわたしは「ホットでお願いします」と再び訂正。 なんだかおかしくなって、わたしは「ありますよね、そういうとき!」と言いながら笑った。 しかし彼はそこで、「大変申し訳ありませんでした」と深々と頭を下げてきたのである。しかも、お金を払った後も、「申し訳ありませんでした」と再度お辞儀。その様子に、むしろわたしが戸惑ってしまった。アイスカフェモカのラージでも飲みますよ!? 怒ってないですよ!? 日本に一時帰国してから、このようなお客様扱いにドギマギしてしまう場面がたくさんあった。 安いことがウリの居酒屋で、店員がひざまずいて注文を聞く。靴屋でサイズを言ったら、店員は小走りでバックヤードに消える。2000円のスカートを買っただけで、店の外までお見送りをされる。 気持ちはうれしいけれども、正直「そんなにへりくだらなくてもいいのに……」と思うことも多い。ドイツの接客は(良くも悪くも)人間と人間のコミュニケーションだから、客と店員の関係がもっと近い。「おつりがないんだけど、1ユーロある?」と聞かれ、「ないなぁ。じゃあチップであげるよ」「ありがとう」なんて会話をする。それに一度慣れてしまうと、日本の客と店員とのあいだにある、不自然なほどに遠い距離といびつな上下関係に戸惑ってしまうのだ』、確かに日本の接客サービスは過剰だ。
・『今の「おもてなし」は圧力では?  滝川クリステルさんのスピーチにより、ふたたび注目されることとなった日本の『おもてなし』。最近はその熱も冷めてはきたが、それでも「日本のおもてなしは世界一」と自負している人は多いだろう。 事実、世界経済フォーラム(WEF)による2017年の観光競争ランキングの『Degree of customer orientation(顧客満足度を重視する度合い)』で、日本は1位に輝いている。たしかに、日本の強みのひとつではあるようだ。 しかしわたしは、過剰にもてはやされた『おもてなし』に疑問をもっている。 本来『おもてなし』というのは、対価を求めない心配りを意味する。絶対にやらなくてはいけないものではないが、相手をより喜ばせるためにわざわざ行う創意工夫のことだ。そこには上下関係はなく、思いやりによって成り立っている。 一方『サービス』というのは、ご主人様にご奉仕して対価をもらうことである。ラテン語の「奴隷」が語源で、そこには明確な上下関係があるが、そのぶん対価が発生する。 では日本の現在の『おもてなし』はどうか? 本来は上下関係がないはずの『おもてなし』だが、実際には従属的な『サービス(奉仕)』になっている。しかし精神的には『おもてなし』しているつもりでいるから、対価をもらえず現場は疲弊する。そして客は自分をご主人様だと錯覚していて、サービス業従事者に感謝しない。 現在の日本の『おもてなし』は、サービスとおもてなしを客に都合がいいようにごちゃまぜにしている、『一種の圧力』ではないだろうか。 「ふつう」に考えれば、店員が客に土下座したり、クライアントの無茶な納期短縮のせいで徹夜するなんて、おかしいと思うだろう。それでもなぜか、「やらなければならない」と思い込んでしまう。そこにあるのは思いやりなどといううるわしき美徳ではなく、「客の言うことは聞かねばならない」というプレッシャーだ』、その通りだ。
・『「おもてなし」の本質とは  日本では店員に「いらっしゃいませ」と言われても、客は無視するのが当然とされている。しかしドイツではそれはマナー違反になるから、一時帰国中も店に入るときは店員に対して会釈で応えるようにしていた。 そこで驚いたのは、「いらっしゃいませ」と言いながら、客の方をまったく見ていない店員が多いことだ。「ありがとうございました~」なんて言いつつ、服を整理している人もいる。 接客の質が高いことを自負している国なのに、接客の多くは極めて形式的で作業的。これがもう、不思議でしょうがない。 わたしは飲食店や結婚式場、家具店など、サービス業のアルバイトを多く経験した。そこにはたいていマニュアルがあって、採用されたらまずそのマニュアルを覚えるように言われる。たとえば、注文の取り方やタブレット(おぼん)の持ち方だとかだ。会計時のポイントカードの有無の聞き方やおすすめの商品をアピールするときの文言まで、きっちりと指定された。 そのときはなんとも思わなかったが、よく考えれば妙だ。 客にはそれぞれちがう需要がある。その差異を無視して画一的な供給をするのは、相手を喜ばせるための創意工夫である『おもてなし』から、一番離れた行為ではないか。 もちろん、最低限の立ち居振る舞いを学ぶ研修や、トラブル対処の指針は必要だろう。しかし客をなだめすかすためのマニュアル接客は、創意工夫もなければ思いやりも感じられない、ただの作業だ。 これが、日本が自慢する『おもてなし』なんだろうか?』、強く同意する。
・『大量のクレーマーが発生  このいびつな『おもてなし』がもたらしたのは、大量のクレーマーである。 たとえば、忘年会シーズンである年末の居酒屋でアルバイトをしていたときのこと。お客さんには申し訳ないが、とにかく人手が足りず、まともに店が回っていなかった。 それでも店員がすぐに来なければ客は何度も何度もベルを鳴らすし、飲み物が5分来ないと文句を言う。「こんなに待ったんだから値引きしろ」、イライラして「店長を出せ」と言う客もいた。店長、いま必死であなたのために焼き鳥焼いてるんですけど……。 それでもサービス業で働いているわたしたちは、笑顔でご主人様を満足させなくてはいけない。何度もベルを鳴らすテーブルに優先的に行き、文句を言う客の注文には『特急』マークを付けて伝票を送り、レジでは値引きをして頭を下げる。そうやって、文句を言われないようにペコペコ頭を下げて対応する。 思いやりや気遣いどころか、「お客様を怒らせてしまう」というプレッシャーのせいでてんてこまいだ。これが『圧力』でなくしてなんだろう。しかも客は良い客でいればいるほど『お客様特権』を享受できないのだから、だれも幸せになっていない。得をするのは、ゴネる客だけである』、まさに正論である。
・『「心配り」と「一方的な奉仕」の違い  わたしは『おもてなし』というものを、一方的な奉仕ではなく、心配りの連鎖だと思っている。「お客様のために」というサービス提供者からの気配りを受け、客はそれに感謝し、提供者を思いやって良い客であろうとする。 たとえば、ディズニーランドとリッツカールトンホテルでの体験は、まさに『おもてなし』だった。 ディズニーランドのスタッフに写真をお願いすると、ポジションやポーズのおすすめを教えてくれるうえ、びっくりするくらい良い写真を撮ってくれる。そこには、ただシャッターを切るだけでなく「最高のかたちでフレームに収めよう」という心配りがある。 また、リッツカールトンに泊まって食事をしたとき、ホテル業界志望であることを何気なく言ったことがある。そうしたら、帰りがけに「一緒に働けるのを楽しみにしています」と書かれたカードをいただいた。結果的にホテル業界へは進まなかったが、そう言ってもらえる価値がある良い客でいようと思ったものである。 相手をより満足させる+αの気配りこそ、『対価を求めない創意工夫』であり、『おもてなし』だ。そして客がそれに感謝するからこそ、『おもてなし』は美しいのだ。 ディズニーやリッツカールトンといった「レベルが高いところ」でなくとも、たとえば夫婦がやってる小さな小料理屋で「この前ナスが苦手と言っていたからニンジンにしておきましたよ」と言われ、「ありがとう。また来るよ」なんていうやり取りも、立派な『おもてなし』だと思う。 それなのに、多くのサービスの現場では、接客をマニュアル化して客との距離をとっている。過剰に下手に出る接客でないと納得しないオキャクサマが多いからだろうか。 これではまったく美しくないし、他国に自慢できるようなものではないんじゃないか、と思ってしまう』、説得力がある。
・『「おもてなし」は細やかなもの  『おもてなし』はもっとクリエイティブで、相手の要求を汲み取る細やかさがあるものだったはずだ。相手の心にそっと寄り添うよう慎ましやかな気配りが、なぜこうも荒々しく自分勝手な要求になってしまったんだろう。それが残念でならない。 『おもてなし』を日本の魅力としてアピールする前に、『おもてなし』の本質と現状のズレをもっと自覚すべきじゃないだろうか。 そうしなければ、客は当然のように対価のない奉仕を求め続け、現場は『おもてなし』の圧力に疲弊して擦り切れてしまう。 『おもてなし』の本質を見つめなおし、サービス提供者と客の双方が「相手のために」と思うことではじめて、日本は胸を張って『美しきおもてなしの国』と言えるはずだ』、これぞ本物の『おもてなし』論で、クレーマー対策の本筋だろう。
タグ:(その1)(暴言が突出!広がる「悪質クレーム」の実態 「顧客至上主義」からどう脱却していくのか、サービス業に蔓延「悪質クレーム」の被害実態 4人に3人が遭遇!法整備に向けた動きも…、日本の過剰なおもてなしが クレーマーを生んでることに気づいてますか ドイツからみればよく分かる) クレーマー 東洋経済オンライン 「暴言が突出!広がる「悪質クレーム」の実態 「顧客至上主義」からどう脱却していくのか」 産業別労働組合「UAゼンセン」(以下、ゼンセン) 接客現場で見られる悪質クレーム 5万件超のアンケートが集まった 厚生労働相に要望書を提出。「顧客によるハラスメント」から労働者を守るために事業者が講ずべき措置を定めることや、悪質クレームに関する実態調査の実施を求めた 。来店客からの迷惑行為に遭遇した経験があると回答したのは全体の約74% 暴言 何回も同じ内容を繰り返すクレーム 権威的(説教)態度 威嚇・脅迫 長時間拘束 かごや小銭を投げられた」といった暴力行為も ストレスを感じた人は9割に上り、1%に当たる359人が精神疾患になったと回答 「クレームは消費者の意見がわかるアンテナでもあり、サービスを向上させるための有益な情報」というのが基本姿勢だ 「問題なのはあくまで悪質だという点 悪質クレームの基準を明確化 「顧客至上主義」の呪縛 「サービス業に蔓延「悪質クレーム」の被害実態 4人に3人が遭遇!法整備に向けた動きも…」 外食、タクシー、ホテル、病院・介護などサービス業の現場で働く組合員を対象 回答した組合員3万人余りのうち約75%に当たる2万2440人が、「業務中に悪質クレーム(迷惑行為)に遭遇したことがある」と回答 そのうち9割以上が「ストレスを感じた」と答えた 「性的な内容の話を我慢して聞いていたらエスカレートして尻や胸などを触られたり抱きつかれたりした」などセクハラ行為も3000件以上報告 セクハラ行為は医療・介護・福祉に多く、悪質クレーム(迷惑行為)を受けたことがある医療・介護・福祉従事者のうち、17.1%がセクハラ行為を受けたことがあると回答 威嚇・脅迫行為も、医療・介護・福祉従事者だけで4042件を占めるなど、ほかの業種に比べて多い 法整備も含め社会全体で対策を推進していく必要性 事業主には従業員を守る「安全配慮義務」がある 「アンケートを見ると、最前線の人間に全部押し付けられて、会社は現場に対応を任せきりにしているというケースもある。そこを何とかしていきたい」 ゼンセンは厚生労働省に対して悪質クレームの実態調査や、倫理的な消費行動の啓蒙や教育も求めている 深刻な人手不足問題 雨宮 紫苑 現代ビジネス 「日本の過剰なおもてなしが、クレーマーを生んでることに気づいてますか ドイツからみればよく分かる 」 『日本人とドイツ人 比べてみたらどっちもどっち』 日本での「おもてなし」に対し、違和感をぬぐえない 「へりくだりすぎる」店員 日本の客と店員とのあいだにある、不自然なほどに遠い距離といびつな上下関係に戸惑ってしまう 今の「おもてなし」は圧力では? 本来『おもてなし』というのは、対価を求めない心配りを意味する。絶対にやらなくてはいけないものではないが、相手をより喜ばせるためにわざわざ行う創意工夫のことだ。そこには上下関係はなく、思いやりによって成り立っている 『サービス』というのは、ご主人様にご奉仕して対価をもらうことである。ラテン語の「奴隷」が語源で、そこには明確な上下関係があるが、そのぶん対価が発生する 日本の現在の『おもてなし』はどうか? 本来は上下関係がないはずの『おもてなし』だが、実際には従属的な『サービス(奉仕)』になっている 精神的には『おもてなし』しているつもりでいるから、対価をもらえず現場は疲弊する。そして客は自分をご主人様だと錯覚していて、サービス業従事者に感謝しない。 現在の日本の『おもてなし』は、サービスとおもてなしを客に都合がいいようにごちゃまぜにしている、『一種の圧力』ではないだろうか 「客の言うことは聞かねばならない」というプレッシャーだ 「おもてなし」の本質とは 客をなだめすかすためのマニュアル接客は、創意工夫もなければ思いやりも感じられない、ただの作業だ。 これが、日本が自慢する『おもてなし』なんだろうか? このいびつな『おもてなし』がもたらしたのは、大量のクレーマーである 客は良い客でいればいるほど『お客様特権』を享受できないのだから、だれも幸せになっていない。得をするのは、ゴネる客だけである 「心配り」と「一方的な奉仕」の違い わたしは『おもてなし』というものを、一方的な奉仕ではなく、心配りの連鎖だと思っている。「お客様のために」というサービス提供者からの気配りを受け、客はそれに感謝し、提供者を思いやって良い客であろうとする 多くのサービスの現場では、接客をマニュアル化して客との距離をとっている れではまったく美しくないし、他国に自慢できるようなものではないんじゃないか 『おもてなし』はもっとクリエイティブで、相手の要求を汲み取る細やかさがあるものだったはずだ おもてなし』の本質と現状のズレをもっと自覚すべきじゃないだろうか。 そうしなければ、客は当然のように対価のない奉仕を求め続け、現場は『おもてなし』の圧力に疲弊して擦り切れてしまう
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