So-net無料ブログ作成

ノーベル賞受賞(その6)(本庶氏ノーベル賞で浮き彫り 医学界の「免疫療法」への歪んだ評価、ノーベル賞で脚光 「小野薬品」の期待と現実 「オプジーボ」拡大に喜んでばかりいられない、安倍政権で研究費ジリ貧 日本からノーベル賞が出なくなる) [科学技術]

ノーベル賞受賞については、2016年10月27日に取上げた。今年の受賞を踏まえた今日は、(その6)(本庶氏ノーベル賞で浮き彫り 医学界の「免疫療法」への歪んだ評価、ノーベル賞で脚光 「小野薬品」の期待と現実 「オプジーボ」拡大に喜んでばかりいられない、安倍政権で研究費ジリ貧 日本からノーベル賞が出なくなる)である。

先ずは、ノンフィクションライターの窪田順生氏が10月4日付けダイヤモンド・オンラインに寄稿した「本庶氏ノーベル賞で浮き彫り、医学界の「免疫療法」への歪んだ評価」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/181294
・『本庶祐・京都大学特別教授のノーベル賞受賞に日本中が沸く中、にわかに免疫療法が誉め称えられるという現象が起きている。無論、インチキな免疫療法もあるが、エビデンスに固執するがあまりに、免疫療法の持つ可能性を否定してきた日本の医療界は、大きな問題を抱えているのではないか』、興味深そうだ。
・『山中教授の受賞時にもノーベル賞詐欺が流行った   「ノーベル賞詐欺」の毒牙にかかる人が現れてしまうのだろうか。 本庶佑・京都大特別教授がノーベル医学生理学賞を受賞したことで、にかわに「免疫療法」に注目が集まっているが、それに乗じて「インチキ免疫療法詐欺」が増加すると一部医療関係者から警鐘が鳴らされているのだ。 ご存じのように、ネット上には既に、怪しげな免疫療法をうたう自由診療のクリニックが溢れている。キノコを食べて免疫力アップ、水素水でがんが消えたなどなど、本庶氏が発見した免疫を抑制する効果をもつ分子・PD-1などと接点ゼロの「民間療法」だ。 そんな怪しいクリニックが「ノーベル賞で世界も注目」「あの本庶佑氏も認めた」などとブームに便乗した虚偽広告を行い、がん治療に悩む方たちを餌食にするのではないかというのである。 心配しすぎだと思うかもしれないが、実際には過去にも、ノーベル賞が詐欺の「ネタ」にされた例がいくつもある。 たとえば2012年、山中伸弥氏が、iPS細胞の作成成功によって、ノーベル医学生理学賞を受賞した時も、新しく研究施設ができるので投資をしないかと持ちかける「iPS詐欺」が急増。国民生活センターには、2014年までに400件超えの被害が寄せられた。 プロの詐欺師は、「日本人の新しもの好き」の心理を巧みに突いてくるのだ。 今回の受賞でも、本庶氏の研究を活用したがん治療薬「オプジーボ」の製造・販売元である小野薬品工業の株に買いが殺到して、年初来高値を更新している。ここまで「引きのあるネタ」を利用しない手はないのだ。 そういう意味では、一部医療関係者のご心配も当然で、警鐘を鳴らしていただくのもありがたい限りである。メディアも、本庶氏が熱心な阪神ファンだとか亭主関白だとかいう話で大騒ぎをするのではなく、今回のノーベル賞に関連する「免疫療法」は、保険適応される医療機関のみで受けるべきであり、怪しげな詐欺に引っかからないようにと呼びかけていただきたい』、「iPS詐欺」が2014年までに400件超えの被害とは驚いた。確かに「インチキ免疫療法」のPRは溢れている。
・『免疫療法は「アヤしい」のか? 標準治療に固執する医療界  ただ、その一方で、医療関係者の方たちは「あれはインチキだ」「これは怪しい」という詐欺の啓発に力を入れることよりも、もっとやらなくてはいけないことがあるのではないのかという気もしている。 それは、抗がん剤が効かない患者やその家族に対して、免疫療法という選択肢があるということを説明し、この治療をもっと多くの人が受けることができるよう啓発に務めていただくことだ。 本庶氏がノーベル賞を受賞してから、マスコミは免疫療法について「最新のがん医療」だと盛んにヨイショしているが、実はちょっと前までは「エビデンスがない治療」と、イロモノ扱いをしていた。 なぜかという日本の医療界の“メインストリーム”が、そのように触れ回っていたからだ。 例えば、本連載で少し前、東京・有明にある公益財団法人がん研究会「がんプレシジョン医療研究センター」の中村祐輔所長のことを取り上げた・・・リキッドバイオプシーと、ネオアンチゲン療法という、最新の免疫療法を引っさげて、6年ぶりにアメリカから帰国をした中村氏は、こう述べている。 「シカゴにいる間もメールなどで、多くのがん患者やその家族の方からの相談を受けましたが、気の毒になるほど救いがない。原因は国の拠点病院。標準治療のガイドラインに固執するあまり、“がん難民”をつくり出している自覚がありません。こういう人たちが医療界のど真ん中にいることが、日本のがん患者にとって最大の不幸です」(中村氏) 日本のがん医療では、外科治療(手術)、放射線治療、化学療法(抗がん剤治療)の3つが「標準治療」と定められている。免疫療法は今回、本庶氏の受賞によって掌返しで、「第4の治療」などとおだてられるようになったが、実はがん医療現場ではいまだに、「標準」から大きく外れた「怪しい治療」扱いされているのだ』、「国の拠点病院。標準治療のガイドラインに固執するあまり、“がん難民”をつくり出している自覚がありません」とは嘆かわしいことだ。
・『免疫療法が統計上の問題をクリアできない理由  中村氏のブログを読めば、その厳しい事実がわかる。先月22日のエントリーでは、山本KID徳郁さんが亡くなったことを受けて、ある事情から彼が「日本の医療に希望を見いだせず、グアムに向かった」ことを知っていたという中村氏は、こんな憤りを記している。 「そして、小さな子どもさんたちがいる40歳代の胃がん患者さんが、同じような状況で、本人や家族が望んでいた免疫療法を受けることなく、8月の終わりころ、この世を去っていった。今の日本の制度では、胃がんの場合、2種類の抗がん治療を受けた後にしか、免疫チェックポイント抗体治療を保険診療として受けることができない」 「え?ノーベル賞もとった治療法なんだし、本人が希望してるんだからすぐに最初から受けさせてやればいいじゃん」と思うかもしれないが、厚生労働省の免疫チェックポイント抗体の胃がんに対する最適使用推進ガイドライン(平成30年8月改定)に、そのように定められているのだ。 もし胃がんの方が、「オプジーボを使いたい」と強く希望をしても問答無用で、「いやいや、まずは抗がん剤から始めましょうか」となってしまう。つまり、抗がん剤の副作用に散々苦しみ、がんには効かずに進行して、患者さん自身の免疫も低下したところでようやく、免疫チェックポイント抗体にたどり着く、という焼け石に水的ながん治療となってしまうのだ。 なぜこんなことになってしまうのかというと、免疫療法は抗がん剤ほどには、「有効性が確立されていない」からだ。薬の「有効性」というのは極端な話、何万人にワッと飲ませたら、そのうち2割には効かなかったが8割くらいには効いた、といった具合にデータを取るという、「統計学」である。 世界のがん医療の現場では当たり前のように免疫療法の効果が認められ、本庶氏はノーベル賞も受賞したのだが、免疫療法はこの統計上の問題がクリアできていない。なぜかというと、今回の受賞に端を発する”免疫療法ブーム”の中で報じられているように、これは「化学薬品ががんを殺す」のではなく、「個々の人間が持つ免疫ががんを殺す」からだ。 免疫は個人によって違う。よって、免疫チェックポイント抗体の効き方も当然、個人差が出てくる。そうなると、膨大な数の人に化学薬品を飲ませて経過観察をする大規模治験のように、スパッとイエス・ノーが出ない。「統計上の問題」がなかなかクリアできないのである。 そういう理屈を聞けば、免疫チェックポイント抗体に「有効性が確立されていない」というのがかなり不毛な話だということがわかるが、一部の医療関係者はこの「統計上の問題」を取り上げて、「エビデンスのない怪しい治療」とディスってきた』、保険適用するからには、一定のエビデンスが必要なのだろうが、何らかの工夫はできないのだろうか。
・『免疫療法を受けたいと言うと医者から見放されてしまう  そのため、「研究室内ではネズミでそれっぽい結果が出ているけど、人間の患者に対しては眉唾だよね」と蔑む医師もいた。 製薬業界で、オプジーボの開発を続けてきた小野薬品工業が「変人」扱いされていたように、世界では競い合うように研究されている免疫療法は、日本の医療界では「エビデンスの乏しい治療」と軽んじられてきたのだ。 「本庶氏のノーベル賞でインチキ免疫療法までもが盛り上がって心配だ」と騒ぐことも重要かもしれないが、その前に「免疫療法を受けたい」というがん患者の声を握り潰してきた過去を反省して、「標準治療至上主義」ともいうべき教条主義的思想を改めることの方が先のような気がしてならない。 少し前、「原発不明がん」という治療が難しいがんで「ステージ4」と診断されて余命宣告も受けたが、免疫療法によって見事、生還を果たした60代男性から、耳を疑うような話を聞いた。 この男性が回復してほどなく、古くからの友人2人が相次いでがんだと診断されてしまった。両者とも進行が早く、医師から「もう効く抗がん剤はありません」と非情な宣告をされた。そこで、彼らは藁をも掴む思いで、免疫療法を受けさせてほしいと医師に頼んだ。何しろ、自分たちの友人が免疫療法で生還をしたのだ。そこに「俺も」という一筋の希望を持つのは当然のことだ。 だが、2人の担当医から返ってきたのは、耳を疑うような言葉だった。 「そういう治療を望まれるのなら、もうここには来ないでいただきたい」 結局、医師から見放されることを恐れたこの2人は、免疫療法を受けたいという気持ちを抱えながら、そのまま還らぬ人となった。 ノーベル賞受賞後、マスコミは「本庶氏の研究によって、多くの患者が救われた!」とお祭り騒ぎをしている。だが、実は本庶氏の研究を知り、そのような治療を自分も受けたいと強く望みながら、亡くなった患者の方が、救われた人よりもはるかに大勢いることもしっかりと報道すべきではないのか。 インチキ免疫療法に引っかかる人たちの多くは、抗がん剤が効かず、自分の医師から「免疫療法なんかエビデンスのない怪しいものです」と諭され、誰にも頼れなくなった「がん難民」である。その弱みにつけ込む詐欺師が悪いのは当然だが、ではそこまで患者や家族をまともな判断ができなくなるまで追いつめたのは、いったい誰なのかという問題もある。 あっちの免疫療法はインチキだ、本庶氏の免疫療法は本物だ、騙されないように気をつけようと触れ回るだけでは「がん難民」を救うことはできない。エビデンスに代表される、「数字で証明できる有効性」のみに固執するのではなく、今そこでがんで苦しむがん患者やその家族に、どうにか手を差し伸べる方法を考えることが、「医療」のやるべきことなのではないだろうか』、説得力のある指摘で、その通りだ。

次に、10月4日付け東洋経済オンライン「ノーベル賞で脚光、「小野薬品」の期待と現実 「オプジーボ」拡大に喜んでばかりいられない」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/241076
・『・・・一度は開発を断念  がん細胞は免疫の働きにブレーキをかける。本庶教授が解明したのは、免疫細胞の表面に「PD-1」というタンパク質があり、がん細胞がPD-1と結び付くことで免疫機能を抑制しているメカニズムだ。逆にPD-1と結合する抗体を開発し、がん細胞と結び付きができないようにすれば、免疫細胞ががん細胞を攻撃できるようになる。 小野薬品は、本庶教授の師匠である早石修教授の代から京大と関係があった。この縁から本庶教授と共同で免疫抑制作用に関する特許を出願し、実用化のために臨床開発(治験)と販売のパートナー探しに奔走した。 国内製薬大手など10社以上に声をかけたが、1年余りは成果も皆無。すべての企業に断られてしまった。小野薬品も1度は本庶教授の開発要請に対し、ノーと言った経緯がある。 しかし救世主が現れる。別のがん免疫治療薬の研究開発に乗り出していたアメリカの医療ベンチャーのメダレックス社が興味を示し、開発パートナーに名乗りを上げたのだ。これを機に、小野薬品も前言を翻し「オプジーボ」の治験に踏み切った。2006年ころのことだ。 膨大な開発費は、中堅の小野薬品には大きなリスクとなる。開発にゴーを出すには、リスクを軽減するためのパートナーの確保が不可欠だった。その後、メダリックスは2009年にアメリカの製薬大手ブリストルマイヤーズ・スクイーブ(BMS)が買収。小野薬品は結果的に、強力な開発パートナーを得ることになった。 こうした紆余曲折を経て、オプジーボが世に出たのが2014年。PD-1の発見から22年の歳月が経っていた』、発見からスポンサー企業が見つかるまでに10年も要したというのは、いくら画期的な治療法とはいえ、日本の製薬業界の保守性を表しているのだろう。
・『小野薬品の収益は急拡大  上市後、小野薬品の収益は大きく飛躍した。2015年3月期から2017年3月期までに売上高は1357億円から2448億円に、営業利益は147億円から722億円に急拡大した。 最初に皮膚がんの1つである悪性黒色腫(メラノーマ)の治療薬として承認され、100ミリグラム瓶1本の価格が約73万円だった。当初は高額薬価の批判が強く、2017年2月に50%、さらに2018年4月には約24%もの大幅な価格の引き下げに見舞われた(今年11月も引き下げの予定)。 それでも同薬が小野薬品の最大の牽引役であることに変わりはない。適用のがん種が増えているからだ。現在ではメラノーマ、腎がん、頭頸部がん、胃がん、肺がんなど7種類のがんや、療法も含めると9つの適用で承認済み。医者から処方される患者数、使用量が急拡大し、強烈な単価下落を補っている。 オプジーボの売り上げは2019年3月期に900億円に上る見通し。それとは別にBMSによるオプジーボの海外販売額に応じたロイヤルティ収入があり、その額は推計で500億~550億円に上る。 未承認の肝がん、食道がん、大腸がんなどへの適応拡大に向けての国内治験も、30件前後が進行中。国内での販売拡大はまだ続きそうだ。 それでも今の小野薬品には、オプジーボがもたらす栄華に酔いしれる暇はない。なぜか。第1にはオプジーボが切り開いた成長市場、がん免疫治療薬の間の競争が激化していることだ。 現在では小野薬品―米BMS連合のほかに、米メルク、英アストラゼネカ(AZ)、スイス・ロッシュ―中外製薬連合、米ファイザー―独メルク連合と、グローバル市場で5陣営がこの成長市場でしのぎを削っている。 中でも強力なライバルが、米メルクだ。オプジーボと同じ受容体を標的にした「キイトルーダ」とは世界販売首位の座を激しく競い合っている』、競争激化は当然だろうが、ライバルに日本の大手製薬会社が1社しか入ってない、というのは情けない。
・『ライバルがアメリカで先行  市場の注目は、患者数の多い肺がん分野に集まる。キイトルーダは世界最大の市場であるアメリカで、肺がんの約8割を占める非小細胞肺がん(NSLC)の1次治療の販売承認を得ている。 1次治療薬であれば、治療の当初から薬を投与でき、販売拡大効果が格段に大きい。一方、オプジーボは2016年の単剤治験で主要項目を達成出来ず、アメリカでのNSLCの1次治療の承認取得に失敗している(ただし今年6月にBMSのがん免疫治療薬「ヤーボイ」との併用療法でNSLCの1次治療の適応承認を申請)。 直近の2018年4~6月期の米BMSの「オプジーボ」の世界売り上げは16.27億ドル。対する米メルクの「キイトルーダ」は、同16.67億ドルとなった。鼻の差ではあるが、四半期ベースで初めてキイトルーダの売り上げがオプジーボを上回った。 米BMSの売り上げには小野薬品の日本と韓国・台湾での販売額228億円は含まれていない。これを含めれば、全体ではまだオプジーボのほうが上回っている。ただ、勢いがあるのはキイトルーダで、市場では2018年通期では首位逆転の見方が強まっている。 もう1つのポイントが、単剤ではなく、ほかのがん治療薬との併用療法の拡大に治験競争の舞台が移りつつあることだ。 確かに、オプジーボなどのがん免疫治療薬はがん治療に革命をもたらした。一般的にはほかの抗がん剤と比べて投薬効果のある患者の比率(奏効率=がん細胞が一定以上縮小する患者数の比率)は高いと言われる。だが、それでも奏効率は現状で2~3割にとどまっている。 そうした弱点をカバーするのが、併用療法だ。働きの違うほかの治療薬と併用することで、奏効率や生存率などの効能を高める療法だ。 米メルクはここ1年強の間に、英AZとの間で最大約9000億円、エーザイとの間では最大6100億円の大型業務提携を結んだ。英AZの抗がん剤「リムパーザ」、エーザイの同「レンビマ」との併用療法で、グローバルでの共同治験や販売提携を進める構えだ。 実際、レンビマとの併用療法の治験では、子宮内膜がんなどで効果が現れる患者の比率が増えた。被験者のがんが悪化しない期間の平均値も7.4カ月となるなど、単剤の効果を上回る数値が出ている。 併用療法の拡大には資本力、規模の大きさが物を言う可能性がある。米メルクの戦略にもその狙いがある。その点で、米メルクの動きに小野薬品―BMS連合がやや遅れを取っていることは否定できない。さらに牙城だった国内市場には、ロシュ―中外製薬が新薬を投入、米メルク(国内はMSD)も攻勢を強めている。 小野薬品にとって悩ましいのは、国内や韓国・台湾の治験・販売は小野薬品が主導できても、アメリカや欧州など海外市場の大半ではBMSに頼らざるを得ない点だ』、「BMSに頼らざるを得ない」のが果たして「悩ましい」のだろうか。中堅の小野薬品にとっては任せる方が賢明なのではなかろうか。
・『この3年でMRを5割増員  もちろん、小野薬品とて手をこまぬいてはいない。米BMSのがん免疫治療薬・ヤーボイとの併用療法の治験では、8月下旬に国内で「腎細胞がん」の1次治療で承認を取得した。エーザイ、武田薬品工業、第一三共とも併用治験を進めつつある。 小野薬品は過去3年間でMR(医薬情報担当者)を5割増員、今期中に280人にまで増やす。適応拡大に合わせ、専門性の強いがん専門病院・医師への営業を強化するためだ。 小野薬品の今期の研究開発費は700億円。対売上比率で25%を計画する。2割が標準とされるメガファーマに比べても、研究開発志向は高い。それでも絶対額ではメガはおろか国内製薬大手にも劣る。しかもその多くが、次々と続くオプジーボの治験に費やされる。 「オプジーボに代わるような商品ができればいいけど、そういうことは難しい」。関係者のつぶやきは、そのまま小野薬品の置かれた苦悩を表す。「オプジーボ」頼みはいつか脱却しなければいけないが、当面は「オプジーボ」強化に頼らざるをえない。小野薬品はそんなジレンマにいる』、中堅製薬会社の宿命だろう。

第三に、10月4日付け日刊ゲンダイ「安倍政権で研究費ジリ貧 日本からノーベル賞が出なくなる」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/238713/1
・『「基礎研究をシステマチックかつ長期的な展望でサポートして、若い人が人生を懸けてよかったと思えるような国になることが重要だ」――。ノーベル医学生理学賞の受賞から一夜明けた2日、京大の本庶佑特別教授はそう語った。 現状はどうなのか。研究開発費の推移を調べると、お寒い状況が浮き上がった。 経産省が今年2月にまとめた調査によると、日本の官民合わせた研究開発費総額は、2007年度以降、17兆~19兆円で推移している。つまり、10年以上横ばいで増えていないのだ。企業の儲けは内部留保に向かい、研究開発に投じられていないことがよく分かる。 さらに驚くのが、研究開発費の政府負担割合だ。日本はわずか15.41%で、主要国から大きく引き離されて最下位(別表)。しかも、安倍政権発足前は16%超だったのに、発足後の2013年から右肩下がりなのだ』、
・『「目先のことしか頭にない安倍政権は、研究開発とりわけ、基礎研究の重要性をまったく理解していません。一方で、軍事強化につながる基礎研究には力を入れています」(経済評論家・斎藤満氏) 安倍政権は2015年度から「安全保障技術研究推進制度」を導入。国の防衛分野の研究開発に役立つ基礎研究を民間企業や大学に委託、カネを出す制度で、“研究者版経済的徴兵制”といわれている。軍事目的のための科学研究を行わない方針の日本学術会議は反発しているが、16年度予算6億円に対し、17年度は110億円に急増している。 「本庶さんは今年、ノーベル賞を受賞しましたが、何十年か前に、基礎研究にしっかり取り組めた環境があったからです。現在の安倍政権のような基礎研究に対するスタンスでは将来、ノーベル賞受賞者が出なくなるだけでなく、もはや日本は技術立国とは言えなくなってしまいます」(斎藤満氏) 技術立国から軍事大国へ――早く、安倍首相を引きずり降ろさないとそんな国になってしまう』、「技術立国から軍事大国へ」というのはうすら寒い悪夢だ。日本の将来のノーベル賞受賞が厳しいことは、このブログの2015年10月18日でも取上げたので、参考にしてほしい。
タグ:東洋経済オンライン 日刊ゲンダイ 免疫療法 ノーベル賞受賞 ダイヤモンド・オンライン 窪田順生 (その6)(本庶氏ノーベル賞で浮き彫り 医学界の「免疫療法」への歪んだ評価、ノーベル賞で脚光 「小野薬品」の期待と現実 「オプジーボ」拡大に喜んでばかりいられない、安倍政権で研究費ジリ貧 日本からノーベル賞が出なくなる) 「本庶氏ノーベル賞で浮き彫り、医学界の「免疫療法」への歪んだ評価」 本庶祐 インチキな免疫療法 エビデンスに固執するがあまりに、免疫療法の持つ可能性を否定してきた日本の医療界は、大きな問題を抱えているのではないか 山中教授の受賞時にもノーベル賞詐欺が流行った ブームに便乗した虚偽広告を行い、がん治療に悩む方たちを餌食にするのではないか プロの詐欺師は、「日本人の新しもの好き」の心理を巧みに突いてくるのだ 免疫療法は「アヤしい」のか? 標準治療に固執する医療界 はちょっと前までは「エビデンスがない治療」と、イロモノ扱いをしていた 国の拠点病院。標準治療のガイドラインに固執するあまり、“がん難民”をつくり出している自覚がありません 日本の医療界の“メインストリーム”が、そのように触れ回っていたからだ 日本のがん医療では、外科治療(手術)、放射線治療、化学療法(抗がん剤治療)の3つが「標準治療」と定められている はがん医療現場ではいまだに、「標準」から大きく外れた「怪しい治療」扱いされているのだ 免疫療法が統計上の問題をクリアできない理由 免疫は個人によって違う。よって、免疫チェックポイント抗体の効き方も当然、個人差が出てくる。そうなると、膨大な数の人に化学薬品を飲ませて経過観察をする大規模治験のように、スパッとイエス・ノーが出ない 免疫療法を受けたいと言うと医者から見放されてしまう 、「数字で証明できる有効性」のみに固執するのではなく、今そこでがんで苦しむがん患者やその家族に、どうにか手を差し伸べる方法を考えることが、「医療」のやるべきことなのではないだろうか 「ノーベル賞で脚光、「小野薬品」の期待と現実 「オプジーボ」拡大に喜んでばかりいられない」 免疫細胞の表面に「PD-1」というタンパク質があり、がん細胞がPD-1と結び付くことで免疫機能を抑制しているメカニズム PD-1と結合する抗体を開発し、がん細胞と結び付きができないようにすれば、免疫細胞ががん細胞を攻撃できるようになる 国内製薬大手など10社以上に声をかけたが、1年余りは成果も皆無。すべての企業に断られてしまった。小野薬品も1度は本庶教授の開発要請に対し、ノーと言った経緯がある アメリカの医療ベンチャーのメダレックス社が興味を示し、開発パートナーに名乗りを上げたのだ これを機に、小野薬品も前言を翻し「オプジーボ」の治験に踏み切った。2006年ころのことだ メダリックスは2009年にアメリカの製薬大手ブリストルマイヤーズ・スクイーブ(BMS)が買収 小野薬品は結果的に、強力な開発パートナーを得ることになった オプジーボが世に出たのが2014年。PD-1の発見から22年の歳月が経っていた 小野薬品の収益は急拡大 がん免疫治療薬の間の競争が激化 小野薬品―米BMS連合のほかに、米メルク、英アストラゼネカ(AZ)、スイス・ロッシュ―中外製薬連合、米ファイザー―独メルク連合と、グローバル市場で5陣営がこの成長市場でしのぎを削っている 米メルクだ。オプジーボと同じ受容体を標的にした「キイトルーダ」とは世界販売首位の座を激しく競い合っている ライバルがアメリカで先行 オプジーボは2016年の単剤治験で主要項目を達成出来ず、アメリカでのNSLCの1次治療の承認取得に失敗 のがん免疫治療薬「ヤーボイ」との併用療法でNSLCの1次治療の適応承認を申請 単剤ではなく、ほかのがん治療薬との併用療法の拡大に治験競争の舞台が移りつつあることだ 奏効率は現状で2~3割にとどまっている。 そうした弱点をカバーするのが、併用療法だ 併用療法の拡大には資本力、規模の大きさが物を言う可能性 アメリカや欧州など海外市場の大半ではBMSに頼らざるを得ない この3年でMRを5割増員 。「オプジーボ」頼みはいつか脱却しなければいけないが、当面は「オプジーボ」強化に頼らざるをえない 「安倍政権で研究費ジリ貧 日本からノーベル賞が出なくなる」 日本の官民合わせた研究開発費総額は、2007年度以降、17兆~19兆円で推移 企業の儲けは内部留保に向かい、研究開発に投じられていない 研究開発費の政府負担割合 日本はわずか15.41%で、主要国から大きく引き離されて最下位(別表)。しかも、安倍政権発足前は16%超だったのに、発足後の2013年から右肩下がりなのだ 安倍政権は、研究開発とりわけ、基礎研究の重要性をまったく理解していません 一方で、軍事強化につながる基礎研究には力を入れています 安全保障技術研究推進制度 研究者版経済的徴兵制 本庶さんは今年、ノーベル賞を受賞しましたが、何十年か前に、基礎研究にしっかり取り組めた環境があったからです 現在の安倍政権のような基礎研究に対するスタンスでは将来、ノーベル賞受賞者が出なくなるだけでなく、もはや日本は技術立国とは言えなくなってしまいます 技術立国から軍事大国へ
nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感