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GAFA(プラットフォーマー)(その1)(「グローバル独占企業」がイノベーションを殺す GAFAが資本主義のルールを変えた、GAFAの躍進を支えるリバタリアン思想の正体 自由至上主義者のユートピアが現出した、グーグル炎上!従業員は何に怒っているのか 取締役陣に従業員代表を加えることを要求、世界経済をけん引してきたGAFAに退潮の兆し 米国経済への影響は大) [産業動向]

今日は、GAFA(プラットフォーマー)(その1)(「グローバル独占企業」がイノベーションを殺す GAFAが資本主義のルールを変えた、GAFAの躍進を支えるリバタリアン思想の正体 自由至上主義者のユートピアが現出した、グーグル炎上!従業員は何に怒っているのか 取締役陣に従業員代表を加えることを要求、世界経済をけん引してきたGAFAに退潮の兆し 米国経済への影響は大)を取上げよう。

先ずは、ジャーナリストの池田 信夫氏が7月27日付けJBPressに寄稿した「「グローバル独占企業」がイノベーションを殺す GAFAが資本主義のルールを変えた」を紹介しよう。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/53691
・『EU委員会は7月18日、グーグル社に43億4000万ユーロ(約5700億円)の制裁金を払うよう命じた。これはEU(ヨーロッパ連合)の制裁金としては史上最大だ。その理由は、グーグルが携帯端末用OS「アンドロイド」に自社製アプリを抱き合わせしているというものだが、これは1990年代のマイクロソフトに対する司法省の訴訟と似ている。 グーグルだけではなく、アップルもアマゾンもフェイスブックもグローバルな独占企業になり、まとめてGAFA(Google、Apple、Facebook、Amazon)と呼ぶことも多い。こうした新しい独占企業が、グローバル資本主義を変えようとしている』、EUは日本と違って、GAFAに対する取り組みでは先進的だ。
・『インターネットが生んだ独占・集中社会  90年代にインターネットが急速に普及したとき、それは従来の電話網とは違う自律・分散型のネットワークだった。それによって国家と大企業を中心とする20世紀型の社会が変わり、個人を中心とする自律・分散型の社会になると予想する人が多かった。一時はそういう兆しも見えた。電話交換機で通信を独占した電話会社が衰退し、大型コンピュータを独占したIBMが経営危機に瀕し、携帯電話で個人がいつでも世界に情報を発信できるようになった。GAFAのうちアップルを除く3社は、90年代後半以降に創業した企業である。 しかし2004年に創業したフェイスブックを最後に、既存の企業を倒す「破壊的イノベーション」は消えた。新しい成長企業が、大企業に育つ前に買収されたからだ。アンドロイドも、携帯用OSを開発していた会社をグーグルが買収したものだ。ITの世界では、ゼロから研究開発するより有望な企業を買収したほうが速い。  企業買収のもう1つの意味は、競争の芽を摘むことだ。2012年にフェイスブックが写真サイト「インスタグラム」を10億ドルで買収したとき、その売り上げはゼロだったが、ユーザーは3000万人で急成長しており、フェイスブックのライバルになる可能性があった。それを買収することで、フェイスブックは独占を守ったのだ。 皮肉なことに自律・分散型のインターネットが生んだのは、かつての電話会社やIBMより強力な独占・集中型の産業構造だった。それはインターネットという巨大なプラットフォームを独占することが、国家を超える権力になるからだ』、確かにGAFAの巨大化、独占化には目ざましいものがある。
・『「プラットフォーム独占」は国境を超える  キャッシュの余った大企業が関連のない企業を買収して規模を拡大するのは、昔は「コングロマリット」と呼ばれ、ダメな企業の代名詞だった。日本の「総合電機メーカー」のようなコングロマリットの経営が悪化するのは、経営者が資本効率を考えないで多角化して雑多な企業を抱え込むからだ。 しかしGAFAのような「ITコングロマリット」は、多角化しても資本効率が落ちない。それは彼らのコア技術がソフトウェアだからだ。アマゾンやグーグルが自動運転の企業を買収しても、彼らが開発するのは自動車ではなく、それを運転するソフトウェアだから、プラットフォーム独占は共通だ。ハードウェアは中国に発注してもいい。 GAFAは、国境を超えるグローバル独占企業になった。かつて電話会社は国内市場を独占したが、インターネットのユーザーは全世界で40億人。その最適規模は国家を超える。グローバル独占が確立すると、それをくつがえす新企業が出てくることはむずかしい』、「多角化しても資本効率が落ちない。それは彼らのコア技術がソフトウェアだからだ」というのは、その通りだ。つまり巨大化にブレーキが利かないことを意味している。
・『多くの経済学者は、2010年代に成長率が低下した原因を、このようなイノベーションの衰退に求めている。ケネス・ロゴフ(ハーバード大学教授)は、それを「第二のソロー時代」と呼んでいる。  かつて経済学者ロバート・ソローが「コンピュータはどこにでも見られるが、生産性の統計の中には見られない」といったように、インターネットは人々の生活を便利にし、既存企業の独占利潤を上げる役には立ったが、生産性は上がっていないのだ』、これは興味深い指摘だ。
・『古い独占を倒すのは新しい独占  グローバル独占企業が昔の独占企業より強力なのは、その市場支配力が国家に依存しないからだ。最盛期のAT&T(アメリカ電話電信会社)の社員は100万人を超えたが、そのビジネスはアメリカを超えられなかった。1980年代の分割で国際事業が認められたが、失敗に終わった。 国境を超える独占企業になったほとんど唯一の例外がIBMだが、それは大型コンピュータというプラットフォームの独占に依存していたので、パソコンという新しいプラットフォームが出てくると没落した。 独占を守るにはライバルを買収して、新しいプラットフォームをつぶす必要があるが、司法省との独禁法訴訟を抱えていたIBMは、彼らの独占に挑戦する企業を買収できなかった。1980年代にIBMがマイクロソフトを買収していたら、われわれは今も大型コンピュータを使っているかもしれない。 電話会社は各国の規制と戦うことに多大な労力を費やしたが、GAFAには今までそういう問題は少なかった。ソフトウェアを規制する法律はほとんどなく、インターネットという巨大なプラットフォームを独占すれば、IBMよりはるかに巨大な独占企業になれた』、その通りだろう。
・『しかし今回のEU委員会の制裁にみられるように、ヨーロッパ各国政府はGAFAに警戒を強めている。それはもはやヨーロッパにはGAFAに対抗できる企業がなく、アメリカ文化がヨーロッパを支配することを恐れているからだ。 日本政府には、そういう危機感もない。それは日本企業が、とっくの昔にプラットフォーム競争に負け、競争に参加する気もないからだろう。むしろ中国の「国家資本主義」が、GAFAのライバルになる可能性がある』、中国にはその後、トランプ大統領が経済戦争を仕掛けたので、先行きは曲折があろう。
・『21世紀に生まれたグローバル独占資本主義のルールは、経済学の教科書には書かれていない。それは日本メーカーの得意とする「いいものを安くつくる」市場とは違う。問題は性能でも価格でもなく、巨額のリスクを取って独占を作り出す経営者の度胸である。 そこでは市場メカニズムはきかず、強者が徹底的に投資して弱者を蹴落とす進化論的な競争になる。こういう独占を防ぐには、一国内のシェアを基準にした独禁法は無意味である。古い独占を倒すには、新しい独占を育てるしかない。競争政策にもイノベーションが必要である』、「勝者総取り」の世界では、勝者はますます強くなっていく。11月3日の日経新聞によれば、日本政府は、GAFAなどによるデータ寡占を独禁法で規制することを検討しているようだが、果たして可能なのだろうか。相変わらず腰が引けた対応だ。

次に、翻訳家の脇坂 あゆみ氏が8月27日付け東洋経済オンラインに寄稿した「GAFAの躍進を支えるリバタリアン思想の正体 自由至上主義者のユートピアが現出した」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/234258
・『・・・「少数の支配者と多数の農奴が生きる世界」  アメリカの四大テクノロジー企業の光と影を、ニューヨーク大学のビジネススクール教授が書いた『the four GAFA - 四騎士が創り変えた世界』・・・が話題を呼んでいる。そのタイトルどおり、本書では、これら四強の本質と、彼らがどのようにビジネスや暮らしを一変させてきたかが解き明かされている。 いまやグーグルで検索するとき、「この答えは誰がどうやって決めているの?」とか、「自分の本性がバレないだろうか?」など立ち止まることはほぼない。どこかの天才が、客観的なアルゴリズムによって最も正しい答えに導いてくれると信じて疑うことはない。 アマゾンのレビューで数百人ものレビューアーが良いと言うならきっと良い商品だろうし、アップルの最新端末は、他社製品は言うにおよばず、1年前の機種よりいいに決まっており、フェイスブック・メッセンジャーのない日々の通信も考えられない。 典型的とは言えなくても、ある程度、現代都市でスマホを持っている読者なら心あたりがあるのではないだろうか』、確かに我々の生活にGAFAは深く入り込んでいる。
・『だが、ギャロウェイ教授は、彼らに痛めつけられた自らの経験も踏まえてこの四大企業の本性と怖さを教え、そのサービスを無批判に享受し続ける信者たちに警鐘を鳴らす。四騎士とは、聖書のヨハネの黙示録に登場し、地上の四分の一を支配する強大な力を与えられて平和を脅かし、殺戮や飢饉など厄災をもたらす恐ろしい存在だ。 教授は、四騎士が指し示すのは「少数の支配者と多数の農奴が生きる世界」だと言う。そこはごく限られた強者がゲームのルールを決め、富を独占しながらも税から逃れ社会的責任も果たさない非民主的な世界であり、卓越した能力を持たない凡人がわずかな残り物を争う殺伐とした世界だ。アマゾンの正体は、既存ビジネスと雇用の「破壊者」である。 教授によれば、GAFAは「盗みと保護」によって躍進し、その支配は消費者の本能、主に下半身に訴えるブランド戦略によって盤石なものとなっている。絶対的な力を手にしたGAFA企業は絶対的に腐敗するリスクをはらんでおり、集中しすぎた権力は規制し、解体すべきというのがその主張の一部だ』、随分、過激な主張のようだが、もう少し主張の詳細をみてみよう。
・『次の時代を生き抜くにために、教授が若者たちに提案するのは、まずはこの四騎士の本質を理解すること。そして、次なるスティーブ・ジョブズを夢見るのではなく、「大学にいく」こと、「友人を大切にする」こと、「資格をとる」ことなど。教授が起業したのも、大企業で働くスキルが欠落していたためだという。 本書によって読者は、彼ら四騎士がどのようにビジネスと消費の常識を変えてきたかを知ると同時に、GAFAが君臨する新世界での自分自身の信条と立ち位置について、改めて確認できる。そこにはGAFAを誕生させ、躍進させた文化と、それが目指すユートピアの本質が示されているからだ』、なるほど。
・『リバタリアンのユートピア  GAFAを生み、育て、その独裁を許し、アメリカ議会までもがひれ伏す神聖な帝国を築かせたのは、卓越した商品やサービスを生み出す起業家こそが大きな価値を生み出し、応分の見返りを得るに値するという信条、シリコンバレーなどアメリカの西海岸に巣食うリバタリアンのDNAだ。 GAFAが体現するリバタリアンのDNAとは、次の3点に要約される。第1に、権威ではなく個人がそれぞれの目標と幸福を定義できるとする「個人主義思想」、第2に、少数の天才が社会を前進させる原動力になるという「英雄礼賛文化」、第3に、最小限の国家の介入を理想とする「自由市場経済」である。地上の四分の一を支配し、旧世界に侵食しつつある無慈悲な新世界は、自由至上主義者のユートピアなのだ。 まず、第1が「個人主義思想」だ。GAFAが君臨する世界では、正しいことやいいことは個人によって違っており、それぞれが自分にとっていいこと、時間の使い方をより高い自由度を持って決めることができる。そこでは知りたいことを知りたいときに調べ、買いたいものを買いたいときに買い、遠い国の戦争ではなく、昔の友人や同僚の近況を自分の指先で探し、楽しめる。 「グーグルの登場で、私たちはそれぞれ違う問題、目標、欲望を持つ個人とみなされるようになった。私たちはそれぞれ違う質問をする」と教授は分析する。 本書の読みどころの1つは、教授が取締役を務めたニューヨーク・タイムズとグーグルとの戦いだ。戦いというよりは自然な成り行きとも言えるが、旧世界のタイムズの経営陣は、自社サイトで稼ぐのでなく、無邪気にもグーグルからの無制限のアクセスを許した。その結果、タイムズは、インターネットという広大な土地の領主であるグーグルの小作人になり下がってしまったという。 タイムズはもはや、たとえばアメリカ大統領選に大きな影響力を持つことはできなくなってしまった。アメリカの多数の有権者が彼らの社説は読まず、タイムズが嫌うトランプのツイッターをフォローする。かつて、重要なことは新聞が決めていた。買うべきものは雑誌が決めていた。だが最後に新聞の社説を読んだのはいつだったろう……? ギャロウェイ教授は、グーグルとフェイスブックは既存のメディアをも大きく上回る発信力と広告収入を持ちながら、メディアではなくプラットフォームだと主張し、「真実を追求するジャーナリズム精神など持ち合わせず」無責任にフェイクニュースを垂れ流すという。リバタリアンの新世界では、個人がそれぞれに真実を追求する責任を負う。グーグルは、タイムズのご高説はもうたくさんだというユーザーの本音に忠実に従う。 今日私たちが日々頭を垂れるのは祈るときではなく、スマホに向かってグーグルで検索するときだと、教授は指摘する。リバタリアンのユートピアで、人は信じることではなく、知ることで神に近づけると気づくからだ』、リバタリアンとは自由至上主義信奉者のことで、政治的には右派とみられているが、GAFAはどちらかといえば、リベラル色が濃いと思っていたが、彼らもリバタリアンとは認識を新たにした。
・『弱肉強食の冷酷な世界  第2に「英雄礼賛文化」である。リバタリアンの世界では、卓越したアイデアと才能・実行力を持つ個人は英雄として崇められる一方で、中途半端なサービス、二流の商品が生きながらえることはない。そこで勝つとは、誰よりも早く、未開発の市場を思いつき、独占すること。安定ではなくディスラプション、統制のとれた集団ではなく才能のある個人が絶え間ないイノベーションによって理想世界を実現する。それは結果がすべての弱肉強食の冷酷な世界でもある。 思えば「世界最大のお店」とか「世界中の人をつなげるアプリ」とか「全知全能の検索エンジン」など、GAFAの発想は荒唐無稽だった。だがスーパーヒーローたる起業家たちは、ビジョンの大きさにひるむことがない。ギャロウェイ教授によれば、大抵の経営者は最小の資本で最大のリターンを目指す。だがアマゾンの発想は違う。「莫大な資金がかかるために他社にはできないことで、われわれが他者を出し抜けることは何だろうか?」そして、その荒唐無稽なビジョンに賭ける投資家たちがいる。フェイスブックは、誰もが気づいていない真実を探し続けた逆張りの投資家ピーター・ティールによって最初の資金を得ることができた。「私たちの文化の中で、起業家はスポーツのヒーローや芸能界のスターと同じような、アイコン的な地位に持ち上げられている。起業家の象徴たるハンク・リアーデンから、死によって神格化されたスティーブ・ジョブズまで」と教授は指摘する。 ジョブズの物語は、いまなおアップルユーザーの心をざわつかせ、時価総額1兆ドルを超えるメガ企業になっても魔法が解けることはない。ジョブズは死んで神様となったのだから。喫茶店でMacに向かうクリエイターやビジネスマンの多くはいまも、ジョブズと同じ反逆のスピリットを持っているか、持ちたいと思っているのではないか。 ハンク・リアーデンとは、アイン・ランドの長編小説『肩をすくめるアトラス』で、あらゆる既存勢力や国家の妨害と戦いながらまったく新しい合金を開発した鉄鋼王だが、いまも全米のビジネスマンを刺激し続けるこの物語で最も偉大なのは実業家たち、それも裸一貫であらゆる逆境を乗り越えてまったく新しい事業を築き上げる起業家たちだ』、なるほど。
・『プライバシーほど神聖なものはない  第3に、「自由市場経済」である。リバタリアンの理想郷では、国家や政府の干渉が最小限に抑えられている。インターネットの黎明期、サイバー空間は国家権力が介入しないユートピアとしてリバタリアンたちを熱狂させたが、そのユートピアの規範がいまやリアルな世界に侵入しつつある。 アップルがFBIへの協力を拒み、個人情報を守るとき、信者たちは喝采を送る。教授は、それはアップルがイケてるからだ、という。それもあるかもしれないが、リバタリアンの世界では、プライバシーほど神聖なものはない。税金についても、同じキャッシュなら、国家に収めるより稼ぐ力がある人間が有意義に使ったほうが世の中のためになるという考え方だ。 GAFAが君臨するのは「少数の支配者と多数の農奴が生きる世界」かもしれないが、その新世界を支えるのは、多数の幸福な農奴たちでもある。アマゾンやグーグル、フェイスブックによって壊滅的な打撃を受けた小売やメディアの関係者にとって、本書で描かれている悪夢は現実だろう』、確かにGAFAの考え方はリバタリアンそのものだ。
・『一方で、GAFAのシンプルで、使いやすく、すべての個人に開かれたプラットフォームによって、知り、創造し、発信し、起業した人は少なくないはずだ。 たとえばアマゾンは、e託サービスによって、マスマーケットへのアクセスなど望むべくもなかった個人が、ニッチな小ロットの商品を販売することを可能にした。フェイスブックなどのSNSは、大組織の支援のない名もなきクリエイターが本当に面白いコンテンツをコンテンツそのものの力で拡散させることを可能にしている。300万円の予算で制作された映画『カメラを止めるな!』がヒットしたのは、SNSを通じた口コミの力も大きい。 20億人のSNSのプラットフォームは、ほかの同様のプラットフォームの追随を許さない悪徳のモノポリかもしれないが、それによって地球上のあらゆる弱小クリエイターたちは、ごく少ない資本で、本当に刺激的で面白いコンテンツを世界に発信し、評価されることが可能になったのである。 ユーザーとしても、自分の嗜好がどんどんコンテンツに反映されていくのだとすれば、しなければならないのは、好きなものを探し、楽しみ、周囲の一握りの人たちに共有することだけだ。 だが彼らユーザーはいまGAFAの信者であったとしても狂信者ではない。タイムラインのニュースが胡散臭いと思えばいつでも、別のメディアをみることができるし、アマゾンがダメなら楽天がある。そうしないとすれば、それはGAFAのサービスは便利さとともに、より多くの真実をもたらしてくれるからだ。アマゾンはおおむね、私たちを売る側の論理と都合やマスマーケティングの押し売りから解放してくれている。四強が競合を破壊し尽くして、戻る場所はなくなるという考え方もあろうが、私はそうは思わない』、これはギャロウェイ教授の考えではなく、筆者の考えだろうが、確かにプラス面も考慮する必要がある。
・『栄光は永遠ではない  私たちがグーグルやフェイスブックを認知し始めてから、まだ20年も経っていない。20年前、本書にも登場する当時時価総額上位のGEは、次の100年も安泰と思われていたが、つい先日ひっそりと、ダウ平均銘柄のリストから姿を消した。iPhoneXで多くの通信や雑務をこなしてしまう私たちがブラックベリーに張り付いていたのは10年も昔ではない。栄光はかくも儚いものだとGAFA以前の世界を眺めてきた私たちユーザーは知っている。四騎士の覇権もいつかは崩れ、新しい騎士たちが世界を席巻するだろう。  Google 、Apple、Facebook、Amazon――彼ら四騎士は確かに地球の四分の一以上を支配しつつあるが、彼らの栄光は永遠ではない。ただ、この本を読み終わってもなお、四騎士の台頭を厄災ではなく福音と想い続けることができるならば、あなたはもしかすると、天才起業家が神々となるユートピアを信じるリバタリアンの一人かもしれない』、GAFAが「新しい騎士たちが世界を席巻する」ことのないような、圧倒的な独占的地位を築いたとすれば、この部分にはいささか違和感を感じる。

第三に、11月3日付け東洋経済オンラインが転載したロイター「グーグル炎上!従業員は何に怒っているのか 取締役陣に従業員代表を加えることを要求」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/247052
・『カリフォルニア・マウンテンビュー/ニューヨーク (ロイター) - アジア、欧州、北アメリカのグーグルのオフィスに勤務する数千人の従業員と契約社員は11月1日、性差別、人種差別そして職場で黙認されるパワハラに対する抗議活動を行った。 カルフォルニア州マウンテンビューのグーグル・グローバル本社の中庭には、何百人もの社員が集まった。うち何人かは同社の音声認識アシスタント「OK Google」にちなんだ「Not OK Google」という大きなサインを掲げた』、私もニュースに驚かされた。詳細を知りたいところだ。
・『ニューヨークやサンフランシスコでも(ニューヨークのグーグルのオフィスビル周辺では、男女が周辺ブロックをおよそ10分間にわたって静かに歩き回った。そのうち何人かは「女性に敬意を」といった内容のサインを掲げていた。 「これがグーグルです。これまで多くの難題を乗り越えてきました。現況は受け入れがたいものですが、もし解決できる企業があるとすれば、それはグーグルだと思います」と、同社に勤務して3年になるソフトウェアエンジニアであるトマス・ニーランドは話す。 2ブロック離れた小さな公園にはグーグルの社員を含めた、およそ1000人のニューヨーカーが集まった。うち数名はオフィスビル周辺で見られたよりも大きなプラカードに「Time's up Tech (いい加減にしろ)」というサインを掲げていた。 今回の抗議行動について、グーグルの従業員たちはマネジャーや同僚から参加を促すメールを多数受けとった、とニーランド氏は言う』、マネジャーからも参加を促すメールを受けとったとは、驚かされたが、いかにもグーグルらしい。
・『午前11時頃、社員は集まって本社を離れる準備を開始。「待機中のチームエンジニアもページャーを持って参加しました。それほどこの抗議行動が重要だと考えたのです」。 サンフランシスコのフェリービルディング近くの通りには数百人が集まり、同僚がほかのグーグルオフィスに抗議活動への参加を呼びかける声に静かに聞き入っていた。 主催者は、この抗議行動は世界中のグーグルのオフィスに広がったと発表。この行動は、社内セクハラ問題で2014年に退職した当時の幹部、アンディ・ルービン氏に対してグーグルが9000万ドル相当の退職金パッケージを提供した、という米ニューヨーク・タイムズ紙の報道をうけて勃発した。 ルービン氏はこの報道を否定し、退職金の額については「大きく誇張されている」と述べている。 グーグルはこの記事に抗議していない』、社内セクハラ問題で退職しても、9000万ドル相当の退職金パッケージを受け取れるとは優雅な身分だ。
・『グーグルは社会経済的地位の手本になるべき  この報道は、グーグル社内で長年続いてきた多様性の推進や女性、マイノリティの待遇改善を求める活動に火をつけた。 これらの課題は2016年、共和党のドナルド・トランプ氏が出馬したアメリカ大統領選以降、民主党支持者が多いシリコンバレーの住民の重要案件となっている。 従業員たちは、大統領とグーグルによる移民、防衛、差別に対するスタンスについて、はっきりと意見するようになった。最先端技術の先駆者だからこそ、自分たちの雇用主は社会経済的地位の手本になるという意識を持つべきだと、従業員たちは訴えている。 10月31日の午後、抗議の主催者はグーグルの親会社であるアルファベットに対して取締役に従業員代表を加えること、また報酬の平等性に関するデータの社内共有を求めた。同時に、嫌がらせが起きているとの訴えがあったとき、公正に審査する人事制度も要求している。 グーグルのサンダー・ピチャイ最高経営責任者(CEO)は「従業員が建設的なアイデアを提案した」とし、「こうしたアイデアを実行に移していけるよう、従業員のフィードバックをすべて把握する」と表明した』、「取締役に従業員代表を加える」との要求は、仮に受け入れられれば、米国では革命的なことになる。ピチャイCEOの反応も、具体性にはまだ欠けるとはいえ、大したものだ。「自分たちの雇用主は社会経済的地位の手本になるという意識を持つべきだ」との従業員の訴えも、素晴らしい。
・『現地時間の11月1日11時、ダブリンにあるヨーロッパ本社は何百もの人に埋め尽くされた。主催者がSNSに投稿した写真にはロンドン、チューリッヒ、ベルリン、東京そしてシンガポールの従業員たちがグーグルのオフィスを離れる姿が写されている。 アイルランド地元メディアRTEによると、ある従業員は机の上に 「不品行、不当、不透明、不健康な職場環境に抗議するための活動に参加中のため不在です」と書かれたメモを置いている。 グーグルのダブリンオフィスはアメリカ国外としては最大規模で、およそ7000人の従業員が働いている』、さすがグローバル企業らしい。
・『セクハラ撲滅の対策が遅れている  アルファベットが抱える9万4000人の従業員と、何万人もの契約社員の不満は、同社の株価に影響を及ぼしている。しかしアルファベットの経営陣がこの問題を解決しない限り、同社は人材確保とその維持に苦労するだろうと、同社の従業員は予想する。 今年前半、団体の活動の多くは署名活動や労働者の権利を守る団体Coworker.orgとのブレインストーミングセッションといった、内向的な活動が多かった。 20年前に設立されて以降、グーグルは社内規範として「Don't Be Evil(邪悪になるな)」を掲げて社内における従業員と企業活動の透明性を訴えてきた。しかし主催者によれば、グーグル上層部は、「#Metoo」活動によって影響を受けたほかの企業のリーダーたちと同様、この問題に焦点をあてるのに時間がかかりすぎている。 「多様性と包括性を誇ってきたグーグルにもかかわらず、人種主義に対する具体的な行動や公平性の向上、セクハラの撲滅といった対策が遅すぎる」と主催者は語る。 グーグルはセクハラに関する統計報告を公表し、嫌がらせの問題を内々で強引に処理する体質を改善しなければならない、と主催団体は言う。 また、チーフ・ダイバーシティ・オフィサー(最高多様性責任者)が直接上層部に意見できる環境を要求している』、今後、グーグルがこれらの要求に如何に答えていくのか、大いに注目したい。

第四に、信州大学経済学部教授の真壁 昭夫氏が11月5日付け現代ビジネスに寄稿した「世界経済をけん引してきたGAFAに退潮の兆し 米国経済への影響は大」を紹介しよう。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/58303
・『米国の先端IT企業であるGAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)の今年7-9月期の決算が出そろった。各社の決算内容を見ると、今後、GAFA株に対する期待の盛り上がりがやや後退することが考えられる。それは、米国だけではなく世界経済にとって無視できないリスク要因になるかもしれない。 最も重要なポイントは、これまでのようなイノベーションが見られないことだ。人々が欲しいと思わずにはいられない、ヒット商品や新しいサービスが見当たらなくなっている。スマートフォン売り上げの伸び悩みはその一例だ。また、SNS関連企業に関しては個人情報保護にどう対応するか、先行きが見通しづらくなっている』、GAFAが曲がり角に来ているのは確かなようだ。
・『先端IT企業GAFAのイノベーション  近年、GAFA4社を米国のIT先端企業の代名詞として扱う専門家が増えている。その背景には、この4企業がイノベーションを発揮して、従来にはないサービスやモノ(最終製品)を生み出してきたことがある。GAFAのイノベーションは、米国経済が好調さを維持する大きな要因だ。それが、足許の世界経済を支えている。 イノベーションとは、端的に、わたしたちが「ほしい!」、「使いたい!」と思わずにはいられない、新しいモノやサービスを生み出すことだ。世界の若者のミュージックライフを一変させたといわれるソニーの“ウォークマン”はそのよい例だ。アップルのiPhoneにも同じことが言える。イノベーションを通してヒット商品を創造できれば成長は可能だ  2007年に発表されたiPhoneは、事実上、スマートフォンという小型コンピューターのコンセプトを世界に示したといえる。それには従来の携帯電話にはない新しい機能が搭載されていた。それが多くの人のほしいという気持ち=需要を取り込んだ結果、アップルの売り上げが増え、米国企業で初めて時価総額は1兆ドル(約112兆円)を突破した。 スマートフォンの普及とともに、他の新しいモノやサービスも創造された。フェイスブックに代表されるSNS、アマゾンやグーグルのクラウドコンピューティングサービスはその例だ。また、アマゾンはネットワークテクノロジーを駆使して世界の物流に革命を起こしたといえる。その結果、ネット経由での消費が増加している』、これまでの成長ぶりは、目を見張るものがあった。
・『米国経済のダイナミズム停滞懸念  GAFAの業績は世界経済を左右するといって過言ではない。過去3年間、ナスダック総合指数を中心に米国の株価が上昇した理由は、GAFAが高成長を遂げるとの期待があったからだ。しかし、その期待は抱きづらくなっている。GAFA各社の7~9月期の業績や今後の売上高予想などに関して、アナリストの予想を下回る内容が目立つ。 それは、GAFA各社のイノベーションが停滞しつつあることの表れだ。フェイスブックやグーグルに関しては、個人情報をどう保護するか、具体的かつ抜本的な解決策が見出しづらい。SNS企業などは人海戦術でフェイクニュースなどを摘発し、規制への対応を進めている。そのための支出が増える一方、データ不正流出への不安からユーザーは減少傾向だ。 アップルに関しては、新型機種の売れ行きが同社の想定を下回っているとの見方が多い。11月1日、ニューヨーク株式市場の時間外取引では、成長鈍化への懸念から同社株価は7%下落し、時価総額は1兆ドルを下回った。アマゾンに関しても、海外でのネット事業は伸び悩んでいる。アマゾンは株価も割高だ。 どのようにGAFAを中心に米国のIT先端企業がイノベーションを発揮するか、現時点で先行きは見通しづらい。中国経済の減速、トランプ政権の政策リスクなど、IT先端企業の経営に関するリスク要因も増えている。追加的にGAFAの成長期待が低下する場合、世界経済の中で独り勝ちの状況にある米国経済の下振れリスクは高まるだろう』、ますますGAFAの今後に注目する必要がありそうだ。
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