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トランプ大統領(その37)(トランプ暴走に歯止めをかけられるか 「米国の分断」「世界の分断」招いた罪、トランプよりヤバいアメリカ最高裁「保守化」 アメリカ人が本当に恐れているのはこっち、冷泉彰彦氏:中間選挙の意味と今後の政局を考える) [世界情勢]

トランプ大統領については、10月31日に取上げた。中間選挙結果を踏まえた今日は、(その37)(トランプ暴走に歯止めをかけられるか 「米国の分断」「世界の分断」招いた罪、トランプよりヤバいアメリカ最高裁「保守化」 アメリカ人が本当に恐れているのはこっち、冷泉彰彦氏:中間選挙の意味と今後の政局を考える)である。特に、3番目は必読である。

先ずは、元日経新聞論説主幹の岡部 直明氏が11月9日付け日経ビジネスオンラインに掲載した「トランプ暴走に歯止めをかけられるか 「米国の分断」「世界の分断」招いた罪」を紹介しよう。
https://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/16/071400054/110800087/?P=1
・『米国の中間選挙では、上院は共和党が多数を維持したものの、下院は民主党が8年ぶりに過半数を奪還した。予想された結果とはいえ、選挙の最前線に立ったトランプ大統領の事実上の敗北といえる。 若者や女性の多くは、トランプ大統領にはっきりノーを突きつけた。たしかに「米国の分断」と「世界の分断」を招いた罪は重大だ。トランプ政権は、上下両院の「ねじれ議会」で政権運営がむずかしくなるが、問題はそこにあるのではない。「米国第一主義」を掲げての保護主義、移民排斥など排外主義、パリ協定離脱など反環境政策、そして核開発競争と世界を「新冷戦」の混乱に陥れた「トランプ暴走」に歯止めをかけられるか。それこそがいま問われている』、「トランプ大統領の事実上の敗北」とは反トランプ派らしい筆者なりの評価だ。今日紹介する他の2人は違う評価をしている。
・『3度目のハラハラ  米中間選挙は米国政治の玄人には関心事かもしれないが、世界中がかたずをのんで見守るほどのニュース価値はなかった。事実、前回の投票率は41%と低く、米国民の関心は薄かった。たいてい現政権には厳しめの結果になると相場が決まっていた。それが今回は投票率は47%に跳ね上がり、期日前投票も大幅に増えた。投票の列が予想を超えて伸び、投票時間が延長された州もあった。議会選挙や知事選なのに、トランプ大統領本人の是非を問う審判、「国民投票」の色彩が濃かったためだ。 選挙結果について、トランプ大統領は「素晴らしい成功をおさめた」と自画自賛している。大統領そっくりの「ミニ・トランプ」と呼ばれる層が登場したのが気に入ったようだが、これは明らかにトランプ大統領の敗北である。共和党が上下両院を支配していた体制が、トランプ大統領のせいで崩れたのである。CNNは若者の3分の2は、トランプ大統領に反対し民主党を支持したと報じている。これらの若者こそ投票率向上の主役だった。急増した女性議員の大半は民主党からだった。 この米中間選挙ほど、ハラハラさせられた選挙はなかった。2016年、英国の欧州連合(EU)離脱をめぐる国民投票、そして米大統領選挙で2度も「まさか」の結果に世界中が驚愕した。米中間選挙でトランプ政権が上下両院とも勝利するという「まさか」が起きれば、2020年の米大統領選につながることになるとトランプ大統領を勢いづかせていたかもしれない。まさに「3度目のハラハラ」だった』、3度目の「まさか」が起こらなかったのは確かだろう。
・『世界を混乱に陥れた2年  トランプ大統領の2年は「米国の分断」をもたらしただけではない。それは「世界の分断」を招き、あちこちで混乱を引き起こした。だからこそ、世界中がこの米中間選挙に着目したのである。 まず「米国第一主義」を掲げた保護主義である。いきなりオバマ前大統領が主導した環太平洋経済連携協定(TPP)から離脱した。かと思うと、クリントン民主党政権下で成立した北米自由貿易協定(NAFTA)を見直し、米墨加(USMCA)協定に変更した。米国への投資、生産誘導をめざして、数量規制や為替条項を盛り込んだ。自由貿易協定が「管理貿易」協定になってしまった。 鉄鋼、アルミニウムの関税引き上げで世界中を相手に貿易戦争を仕掛けたあとは、2国間交渉に持ち込み、2国間の貿易赤字解消をめざした。2国間の貿易赤字を「損失」ととらえるトランプ大統領は典型的な経済音痴である。なかでも米中の貿易戦争は世界経済を揺るがし始めている。ハイテクの覇権争いが根幹にあり、「経済冷戦」の様相が濃いだけに、米中間選挙の結果にかかわらず、エスカレートしかねない。 移民排斥など排外主義は、「メキシコの壁」建設に表れている。そのメキシコを経由して米国をめざす中米から移民の列「キャラバン」には、メキシコとの国境に米軍を動員して排除する構えである。 オバマ前大統領が先導した地球温暖化防止のためのパリ協定から離脱するとともに、票獲得のため石炭への規制を緩和した。今そこにある「地球の危機」に、あえて反環境政策を貫いている。冷戦終結と核軍縮を導いた歴史的な中距離核戦力(INF)廃棄条約を破棄すると表明して世界を核危機の脅威にさらした。オバマ前大統領が目指した「核兵器なき世界」に逆行する。同時にイランの核合意から離脱し、経済制裁を打ち出して、原油市場を動揺させている』、トランプ大統領の2年間の罪は、その通りだ。
・『「米国外交の継続性」はどこに行ったか  超大国である米国の最大の特徴は、「外交の継続性」にあったはずだ。共和党政権から民主党政権に移ろうと、民主党政権から共和党政権に変わろうと、そこに外交の継続性・一貫性というものがあった。だからこそ、超大国・米国の信認があった。 ところが、トランプ政権はそうした米国のよき伝統を根底から捨てたのである。オバマ前大統領の功績にことごとく冷水を浴びせただけではない。北大西洋条約機構(NATO)を批判して、米欧同盟を揺るがし、国際連合を軽視して国際主義に背を向けた。 トランプ大統領のディール外交には、いったん合意しても、いつ「ちゃぶ台返し」があるかもしれないという不安がつきまとう。これでは、「米国の信認」は失われるばかりである』、ここでも異論はない。
・『2大政党制の矛盾露呈  中国の共産党1党独裁による「国家資本主義」には大きな矛盾がある。その一方で、米国の2大政党制にも矛盾が潜んでいる。米中間選挙で、その矛盾が露呈された。 同じ共和党でも、トランプ大統領にすりより、選挙支援を受けた勢力とトランプ批判を続けた故マケイン議員ら穏健派との間には大きな溝があった。トランプ大統領の事実上の敗北でその溝はさらに深まる可能性がある。 民主党の「分裂」も大きい。オバマ前大統領やヒラリー・クリントン前大統領候補ら主流派と左派のサンダース上院議員の落差は大きい。「民主社会主義者」と名乗って下院選で勝った史上最年少のオカシオコルテス氏ら「プログレッシブ」(急進左派)との落差はさらに広がるだろう。背景にあるのは、世界共通の課題である格差の拡大である。 価値観が多様になるなかで、2大政党制は果たしていつまで米国民の意思を反映できるか。「米国の分断」で、米国政治は重い課題を抱え込んだ』、共和党では、ミニ・トランプが多数当選したので、トランプ大統領の党内の地位は高まったとの見方もある。
・『「ねじれ議会」でも「米国第一」変わらず  米中間選挙の結果を受けて、トランプ主義は変わるのだろうか。下院で民主党が多数派を奪還したことで、まずトランプ陣営のロシア疑惑や税申告問題などが調査の対象になるのは必至である。民主党が弾劾手続きを開始する可能性も消えない。中間選挙の翌日、トランプ大統領は突然、セッションズ司法長官を解任したのも危機感の表れだろう。 トランプ大統領は「ねじれ議会」に対応して民主党の協力を呼び掛けているが、「米国第一主義」などこれまでの路線は変更しない構えである。 予算権限を握る下院では、医療保険制度(オバマケア)の改廃やメキシコ国境の壁建設などは通りにくくなる。トランプ大統領が選挙目当てで打ち出した中間層に対する追加減税などは構想倒れに終わるだろう。その代わりに、外交や通商政策では、これまでのトランプ流を押し通す恐れがある。 大統領令が頻発される可能性もある。とくに下院で多数を占める民主党はもともと管理貿易など保護主義容認の傾向もあるだけに、情勢次第で民主党の同調も考えられる。米中摩擦では、民主党も中国の人権問題をからめて強硬姿勢を取る可能性は否定できない』、「外交や通商政策では、これまでのトランプ流を押し通す恐れがある」というのは容易に想像できることではあるが、やれやれだ。
・『トランプとどう付き合うか  米中間選挙を受けたトランプ政権とどう付き合うかは、今後の日本の国際社会での位置付けを決める。安倍晋三首相との蜜月関係に頼りすぎるのは危険である。 来年始まる物品貿易協定(TAG)では、トランプ政権は自動車に25%の高関税をかけることをちらつかせながら、米墨加協定並みに、「管理貿易」と「為替条項」を得ようとするだろう。対米投資を呼び込む戦略である。これまでの日米通商交渉の決着点だった自主規制はすでに織り込まれているようにみえる。 こうした2国間主義は日本にとって最も避けたいところだ。といって離脱したTPPに復帰するよう米国に求め続けるのは、あまりに芸がない。日本がめざすべきは、このTPPと東アジア地域包括的経済連携(RCEP)を統合することだ。日本はこの2つのメガFTA(自由貿易協定)にともに参加する唯一の先進主要国であり、扇の要の役割を果たせる。 RCEPは東南アジア諸国連合(ASEAN)10カ国に、日中韓、インド、オーストラリア、ニュージーランドの16カ国で構成する最大のメガFTAである。TPPよりは自由化度は低いが、成長基盤はずっと広範だ。今後の交渉次第で、自由化度を引き上げるのは可能である。TPPとRCEPが結合し、アジア太平洋に「スーパーFTA」ができれば、米国も参加を考えざるをえなくなるだろう。 それは、世界経済の最大の問題である米中「経済冷戦」を防ぐ道につながるはずだ』、RCEPには中国がいるので、TPPとの結合には困難も予想されるが、面白い考え方だ。
・『2020年は左右ポピュリスト対決か  2020年大統領選に、トランプ大統領は出馬意欲を捨てていないが、米中間選挙結果をみるかぎり、そこには不透明感が漂う。はっきりしているのは、これまでのような共和・民主の中道政治の対決にはならず、左右両極の対決になる可能性が強いという点だ。 中道派の退潮はいまや世界の潮流である。ドイツなど欧州政治ではすでに深刻な問題になっている。2020年の左右対決がポピュリズム(大衆迎合主義)どうしの対決になるなら、超大国・米国の信認は地に落ちることになりかねない』、世界的なポピュリズムの高まりは嘆かわしいが、この流れは当面続くと覚悟せざるを得ないようだ。

次に、在米映像コーディネーターAgentic LLC(米国)代表のジュンコ・グッドイヤー氏が 11月12日付け東洋経済オンラインに寄稿した「トランプよりヤバいアメリカ最高裁「保守化」 アメリカ人が本当に恐れているのはこっち」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/248457
・『トランプ政権発足後、その政権の真価が問われると言われた中間選挙が終わった。結果は周知のとおり、上院は共和党勝利、下院は民主党が多数派を奪還し勝利した。 リベラル派は当然、今回の選挙結果に好意的だ。アメリカの主要メディアのほとんどは、リベラル寄りと言われているが、当然今回も「リベラルの正義が圧勝をもたらした」とか、「トランプ大統領にNOという審判が下った」というような言葉を並べている。彼らが重要性を重んじる多様性を軸に、ミネソタ州、そしてミシガン州で女性のムスリム教徒として初の議会当選を果たしたオマール、タライブ両氏などを取り上げて、「歴史的勝利」に対してお祝いムードだ』、なるほど。
・『報道されるアメリカとその実態は違う  今回の結果により、これから共和党はさまざまな困難を経験していくだろう。来年からの議会には「ねじれ」が生じるし、民主党が下院を支配する流れの中、法案や予算が通りにくくなることは明らかだ。また、民主党は大統領に対し、弾劾を発議する流れが出てくる可能性もある。しかし、だからと言ってトランプ大統領自身が完全に苦境に立ってしまったとは一概には言いにくい。 そもそも下院は奪回したかもしれないが、上院は共和党優位のままだ。また、歴史的にみると中間選挙では例年、現役大統領の政党が議席を減らすことも多いので、この結果だけを見て、トランプ政権にNOが突き付けられたという判断はすべきではないだろう。大統領への弾劾についても、上院を共和党が支配している以上、そこで3分の2の賛成を得ることなど考えにくいため、しょせんそれは実現できないと考えるほうが妥当だ。 その証拠に、トランプ大統領にとっては、この結果は想定内であったとも感じる。現に選挙結果がわかってすぐに「今夜は大成功だった」とツイッターでつぶやいており、今後どんな反撃に出るのかは見ものといった感もある。しかも彼は大統領だ。いざとなれば議会の承認や立法を経ず、直接連邦政府や軍に発令可能な「大統領令」という切り札もある』、トランプ大統領のツイートはまんざら負け惜しみでもなさそうだ。
・『メディアが今回の勝利でリベラル派の正当性と政権への不信報道を展開すればするほど、いつものごとく「リベラルのメディアはフェイクである」と応戦するだけだ。 トランプ大統領の支持率が就任以来、ずっと安定していることも忘れてはいけない。ピューリサーチ研究所の調べによると、トランプ大統領は就任後から支持率40%前後を確実に維持していることがわかる。歴代のほかの大統領のそれに比べると、極端に支持率にアップダウンが少ないのも特徴だ。これは、大統領の支持基盤が、就任時から揺らいでいないことの証明とも言える。 また、共和党内に限っていうと、8月の時点での大統領支持率は84%とかなり高い。トランプ大統領への支持は、票を実際に彼に投じた保守派の間では意外と高いままなのだ』、トランプの不思議な強味を冷静に指摘している。
・『保守派の人たちは偏向報道に憤っている  こうした背景には、日本に住む多くの人が想像つかないほど、アメリカが「キリスト教を中心に動いている」という事情もある。アメリカでは日曜日になると、全人口の40%以上が教会に祈りを捧げに行くということを、どれだけの日本人が知っているだろうか。 あらゆる点で時代の先ゆく先進国の代表のような印象でアメリカを見る人も多いが、実際のアメリカは、驚くほど「オールドファッション」という言葉が似合う国でもある。都市部から30分も車で走ったら、いまだに「古き良きアメリカの伝統」を重んじ、家族単位でせっせと教会に通う人ばかりだ。 そして彼らのほとんどは、保守、あるいは完全に保守でなくとも中道的だ。グローバル企業が多数存在する都会ならまだしも、「リベラルを100%信じる」という人は、郊外に行くほど薄れる。シアトル郊外に暮らす筆者の周囲を見渡しても、リベラルな都会の企業に勤めていても住んでいるのは郊外で、公言はしていないものの、自身は実は保守という人もかなりいる。 彼らは偏向報道のために誤解されていることを、快く思っていないことも多い。「保守は差別主義者で多様性を歓迎しない人たち。田舎者で学がない」とレッテルを張られる不快感から、報道を信じないという人も大勢いる。キリスト教の基本が「汝、隣人を愛せ」なので、社会における弱者支援や、社会還元活動や慈善活動に対して非常に熱心というのが現実だし、リベラルよりも学歴がないわけでもない。メディアが生み出した誤解は本当に多いのだ』、確かに「隠れトランプ派」もかなりいそうだ。
・『しかし、保守への根深い誤解もある中で、確実にメディアの報道が正しい点があるとするなら、保守派の多くが「人工中絶」と「銃規制」には、徹底的に反対しているという点だ。特にキリスト教の教えを大切にしたい人の多くは、人工中絶反対という立場をとる。 人工中絶をめぐっては、1973年にその権利を保証し、中絶を規制する法律を違憲とする「ロー対ウェイド判決」というものが最高裁によって確定されているが、熱心な保守派やキリスト教信者とっては、この最高裁の決定こそ、現状何よりも覆したい最高裁決議のひとつであると言えるのだ』、なるほど。
・『あっという間に保守派だらけの最高裁に  そんな彼らにとって、トランプ大統領は願ってもない存在だったに違いない。なぜなら、就任わずか2年の間に、2人の保守寄り判事を最高裁判所に送り込んだからである。 最高裁判事の存在というのは、アメリカにおいてはある意味、大統領以上に重要なポストだ。最高裁には定年制がなく、大統領を指名できるほか、かつ政治においても重要な役割を担っているからだ。アメリカはそもそも移民で成り立っている多様な国なので、1つの事柄にもさまざまな見解があり、議会で決定することが困難な争点も多数ある。こうした中、三権分立の一角として重要な決定権を持つのが最高裁なわけである。 アメリカの最高裁判事は9人が定員だが、2016年にスカリア判事が亡くなった後は、リベラル4人、保守3人に加え、保守派と言われながらも案件によってどちらにも転ぶケネディ判事の8人で構成されていた。スカリア判事の欠員を埋めるためにトランプ大統領が指名したゴーサッチ氏は敬虔なクリスチャンであり、人工中絶反対派。彼は49歳という若さで、今年4月に最高判事に就任した。 これで、リベラル4人、保守4人、ケネディ判事という構成になったが、7月9日に今度はそのケネディ判事が引退を表明。その後任にトランプ大統領から指名されたのが、レイプ疑惑を報道されたブレット・カバノー氏だったため、アメリカ中は大騒ぎになった。 結局、カバノー氏が判事に就任し、リベラル4人、保守5人となったわけだが、リベラルが頭を抱えるのは、カバノー氏も53歳と若く、ゴーサッチ氏同様、今後20年以上、実質的にアメリカ政治に影響を及ぼす立場に就いたということだ。 ちなみにリベラル判事が多い時代には、リベラル優位な政策が多数認められた。2016年5月に最高裁が合憲とした「同性婚」などは、特にその象徴だろう。しかし、現在の最高判事比率は保守派が一人多い。保守派がこの機に、悲願ともいうべき人工中絶を違憲にする動きに出ることは予測しやすいと言える』、その通りなのかも知れないが、他方で、司法には安定性が求められ、余りに党派色が出ると、国民の信認を失うことにもなりかねない。多数派になった保守派が、この点をどう考えるかも注目点だろう。
・『トランプ大統領の暴走を止められるのは最高裁だけ  トランプ大統領にしても、前回の大統領選挙中から保守へのアピールとして「自分が大統領になったら人工中絶を取り下げる判事を任命する」と公言していたこともあり、2年後の再選への切り札として、彼自身が積極的に中絶合憲を取り下げる動きに出るのではとも見られている。 この動きへの懸念の声が大きい理由は、民主主義が根本から崩れるからだ。そもそもトランプ大統領は大統領令を出しまくり、大事な政策であっても議会との事前打ち合わせや、内容調整をしないことで有名だ。こうした暴走を最終的に止められるのは、最高裁判事だけである。それを止める人がいなくなったら、この国はどうなってしまうのだろう。 現在、リベラル派判事のルース・ギンズバーグ氏が85歳という高齢で、いつ引退してもおかしくないと言われている状況にある。しかもなんとその彼女が、中間選挙後に助骨を3本折るケガをしてしまった。 万一、同氏がこのケガが引き金となりトランプ政権下で引退すれば、次期判事を指名するのはトランプ大統領となる。彼は保守派判事を指名するだろうし、大統領が指名した判事を承認するのは、上院だ。その上院は今回の選挙でも共和党が勝利しており、過半数を占めている(ちなみに最高裁判事承認は、その過半数が必要なだけだ)。ギンズバーク氏の後釜が保守派になった途端、最高裁の判事構成はかつてないほど、保守優位になってしまうのだ。 そんなわけで、ギンズバーグ氏が元気で健康のまま判事を続け、トランプ政権下では引退してほしくないと口にする人は、リベラル派はもとより、中道派の人々の間では非常に多い。冗談のように聞こえるかもしれないが、彼女のケガのニュースが飛び込んだ途端、ソーシャルメディアは、彼女の回復を祈るような投稿があふれかえっていた。政権が変わるよりも怖いのは、民主主義が成り立たなくなることだと、みな、口々に話している。 こうした材料を踏まえて考えると、リベラル派がいくら努力しても、トランプ大統領にとって有利な札が多いのではと思えてしまう。メディアは2年後の大統領選に焦点を切り替えてトランプ大統領の再選を防ごうと躍起になるのだろうが、果たしてそれはうまくいくだろうか。何となく、まだトランプ大統領には追い風が吹いているように思えてならない。個人的にはトランプ氏が次期も大統領に再選するのではと睨んでいる』、さすが米国で生活しているだけあって、深い読みだ。個人的には外れて欲しい予言だが、客観的には当たってしまいそうだ。

第三に、在米作家の冷泉彰彦氏が11月10日付けメールマガジンJMMに掲載した「「中間選挙の意味と今後の政局を考える」 from911/USAレポート」を紹介しよう。
・『11月6日に行われたアメリカの中間選挙は、僅差の選挙区が多く、まだ議席数が確定していませんが、大勢としては、 上院・・・定数100、共和党52議席、民主党46議席、残り2議席 下院・・・定数435、民主党225議席、共和党198議席、残り12議席 ということで大方の予想通りの結果に終わりました。但し、上院での共和党は意外に強かったという印象がある一方で、下院の民主党は予想通り勝ちましたが圧倒的ではありませんでした。 その分析を行う前に、選挙終了後に立て続けに3つの大きな事件が発生しており、選挙結果を合わせて考えると、これからのアメリカの政治や社会については、多難な感じが強まっている、そんな雰囲気を感じます。 まず、その3つの事件ですが、1つ目は、ジェフ・セッションズ司法長官の更迭という事件です。このニュース、セッションズ氏の解雇というのは、それほど大きな問題ではありません。セッションズ氏については、かねてから大統領との確執があり、大統領としては解雇のタイミングを計算していたのは事実のようだからです。今回の中間選挙で上院の過半数を抑えたことで、民主党に閣僚人事を妨害される可能性は少なくなった、そこで堂々と司法長官をクビにした・・・これが表面に浮かんで来るストーリーです。 ところが、その奥にはもう一つ仕掛けがありました。それは、当面職務を行う司法長官代行にセッションズ氏の補佐官であったマシュー・ウィテイカー氏という人物を指名したという点です。このウィテイカー氏というのは、米司法界の中でも極端な「トランプ派」であることで著名な人物です。 何しろ、「ロシア疑惑全体が魔女狩り」「大統領に対する特別検察官の捜査は中止すべき」「国務長官時代に個人アドレスを使用した問題でヒラリーを逮捕すべき」などという放言を繰り返してきた人物だからです。 では、どうして「代行」なのでしょうか? まず、このウィテイカー氏という人物は、余りにも極端な存在です。ですから正式な司法長官に任命しても、上院の承認は難しいと言われています。にも関わらず、「代行」に指名したというのは、まず「民意を得た新議会は、2019年1月3日まで発足しない」中では、「約2ヶ月間は代行を続けることができそう」という「時間稼ぎ」の意味合いがあります。 また、とにかく下院はともかく上院では議席の上積みができた「勝利ムード」の中では、ウィテイカー代行が「相当に一方的な司法行政」を行っても、勢いで押し切れる、そんな計算もあるのでしょう。何よりも、2019年1月3日が来るまでは、下院は共和党多数ですから、民主党の計画している「国政調査権でトランプを追い詰める」ということはできません。その間に、司法省としてどんどん「捜査の手仕舞い」を進めようということも、考えているでしょう。 つまり、この人事は「2019年1月以降の下院民主党への宣戦布告であり、同時に先制攻撃」だということです。下院民主党は、まだ次期議会における人事や方針を固めていませんが、いくら過半数を獲得して弾劾発議が可能になったからといって「トランプ弾劾」にいきなり突き進むことは控える模様です。その代わりに、国政調査権を使い、複数の委員会によって「大統領のロシア疑惑」「過去の確定申告書」「女性問題などのカネの流れ」を暴くとしています。その構えに対する、大統領サイドの回答が「これ」だということです。それにしても、選挙の翌日から「これ」では、何とも先が思いやられます』、ウィテイカー氏を司法長官代行に指名した背景の説明についての深い読みは、さすがと感心した。
・『2つ目はカリフォルニア州ベンチュラ郡で起きた、ダンス・バーでの乱射事件です。 この事件では、強力なアサルトライフルではなく、連写可能な45口径のハンドガン(ピストル)で12名が殺害されるという惨事となりました。事件が起きたのは、LA西部の内陸ですが、丘を越えた南には風光明媚な海岸の街マリブがあり、そのマリブにあるペパーダイン大学の学生の中から多くの犠牲者が出てしまいました。 現場で自殺したと発表されている28歳の乱射犯は、海兵隊の退役軍人で、PTSDに苦しんでいたという報道もありますが、本稿の時点では詳細は不明です。この事件も、このように中間選挙がアメリカの分断を露骨に示した中では、即座に「銃規制への運動」には発展させにくいムードがあります。 3つ目の事件は、RBGことルース・ギンスバーグ最高裁判事が、病院に搬送されたというニュースです。転倒して肋骨を折り、既に治療が済んで退院したということですが、このニュースは、民主党系の人々には「一瞬キモを冷やす」ような事件でした。何しろ、10月にブレット・カバナーという保守派判事が送り込まれている中で、最高裁は5対4で保守派が多数になっています。 これに加えて、RBG女史が辞任ということになれば、後任としてトランプ大統領は更に保守派を送り込むことになり、そうなると最高裁は6対3という極めてアンバランスな状態になります。そうした状態になれば、保守陣営としては「悲願」である「妊娠中絶の違憲化」と「同性婚の違憲化」を進めるでしょう。 ロバーツ長官などは、本人としては保守派でもさすがに長期的な歴史の審判を意識して調整を図るでしょうが、6対3という票差の中では、保守派としては「悲願の実現」を熱望するようになり、そこに大統領の再選への戦略が絡むようですと、それこそ国家分裂のような状態にもなりかねません。 いずれにしても、今回の選挙は改めて国の分裂ということを露呈した結果に終わりました。ここで、改めて、選挙結果について私なりの分析をしてみたいと思います』、最高裁のロバーツ長官などが慎重に構えても、「6対3という票差の中では、保守派としては「悲願の実現」を熱望するようになり・・・国家分裂のような状態にもなりかねません」というのは、興味深い展開になりそうだ。
・『重要なのは、2016年の選挙との相違点です。トランプと民主党が世界観のレベルでの激しい対立を演じたということでは、今回の2018年と2016年は似ています。真正面からの衝突ということでは、変わりません。ですが、共和党の側も、民主党の側も大きな違いがあります。 まず共和党の場合ですが、2016年の場合は「完全な団結」は達成できていませんでした。共和党の本流に連なる3つの軸、すなわち東北部などを中心とした「経済合理性からの支持」、中西部を中心とした「宗教保守派の支持」、そしてこれに重なるような形で乗っかっている「軍事タカ派」、2016年の時点でこの3つは「ドナルド・トランプ」という存在には懐疑的でした。 財界的な視点からは「保護貿易や年金保証など、トランプの経済政策は左派というよりクラシックなリベラル」という反発がありましたし、宗教保守派にすれば「何回も結婚と離婚を繰り返した、浮ついたイメージの芸能人」への不信がありました。何よりも、軍事タカ派にしてみれば「自由と民主主義という旗をバカにしつつ、紛争地域への介入を拒否するという究極の孤立主義」は同調不能だったのです。 ですが、今回の選挙はその共和党を団結させました。契機となったのは、2017年末に実現した究極と言っていいような減税です。法人税も個人所得税も大きく下げられたことで、これは共和党の小さな政府論に加えて、税への忌避感の強い共和党支持者の共感を得たわけです。その上に、ダラダラと続く株価の上昇もありました。 更に大きく保守層の団結を実現したのは、カバナー判事指名という問題です。この問題では、図らずも「METOO 運動」とシンクロしかねないようなスキャンダルが出て、民主党が勢いづくという局面もあったのですが、判事自身も含めた正面突破作戦という「実戦に打って出る」ことで、上院承認を勝ち取ったのでした。その達成感は大きく、また念願の「同性婚禁止・中絶禁止」への「希望」が生まれた宗教保守派は「トランプは使える」という意味での忠誠を誓うに至ったのです。 その意味で、2016年の大統領選と比較すると、共和党の団結は強固となり、集票能力は向上したし、士気も高かったということは言えるでしょう。そうしたベースの上に、大統領自身は「移民キャラバンには軍を出動させる」式の一種ヘイトとしかいいようのないポピュリズム作戦で、そもそもは無関心そうともなりかねない「現状不満層」を投票所に向かわせたのでした』、共和党の3派が団結したとの分析は、さすが鋭く、大いに参考になった。
・『一方の民主党はどうかというと、こちらも大いに士気は上がっていました。まず、2016年の段階では、ヒラリーとサンダースの熾烈な予備選の「怨念」が残っていました。特に、ミレニアル世代には「どう考えてもヒラリーはタカ派で財界フレンドリーの過去世代」というイメージから結果的に大量の棄権を出していたと考えられます。結果的に、ヒラリーは民主党の基礎票を完全に投票所に送り込むことができず敗北したとも言えます。 その2016年と比較すると、民主党もまた団結を誇っていました。確かに、サンダース派の中からは、多くの予備選を取って本選に進み、最終的に議席を得た候補も多いですし、その中にはサンダース同様に「民主的な社会主義者」であることを自他ともに認める政治家も増えました。その意味で、党内の分裂は相変わらずですし、全体の平均値はやや過剰なほどに左シフトしているのも事実です。そうではあるのですが、少なくとも2016年と比較すると、圧倒的な団結と組織力を誇る選挙が、民主党の場合は出来たと言えます』、民主党は、「党内の分裂は相変わらず」だが、「圧倒的な団結と組織力を誇る選挙が」できたのは、トランプ憎しだったのだろうか。
・『では、当面の政局はどのように推移するのでしょうか? とりあえず「選挙という勝ち負けの世界」は終わりました。ですから、選挙に勝つため、あるいは負けないために「世論の感情面」に瞬間的に刺激を与える政治は、不要なはずです。ということは、感情論前提の政治から、少しは常識的な政治に戻るのでしょうか? 仮にそうであれば、少なくとも次の選挙までの2年間は「落ち着いて成果を出すようにする」スタイルに変わるはずです。ですが、例えば中間選挙の翌日に、セッションズ更迭、トランプ派を司法長官代行にという無理筋を通してきた、これはどういうことなのでしょう? 恐らく、トランプ大統領の念頭には「日々が斬るか斬られるかの戦い」という感覚があるのだと思います。戦っている敵は、民主党であり、今は静かになった共和党の本流かもしれませんが、敵が誰かという以前に、「2つのもの」と戦っているのだと思われます。1つは、一連のスキャンダルです。ロシアとの癒着、女性たちへの説明のつかない口止め料支払いの数々、そして父親以来の脱税疑惑・・・そうした疑惑について、全く潔白であれば何も恐れる必要はないはずですが、何かを抱えていて摘発を恐れているのかもしれません。強引な司法長官代行人事には、単なる政治的な力比べ以上の何かが感じられるからです』、「一連のスキャンダル」との戦いは、トランプにとっては確かに大問題だろう。
・『もう1つ大統領が戦っているのは経済、とりわけ株価と景気だと思います。今回の選挙では経済問題は前面に出ませんでした。感情論に任せた移民ヘイトなどに集中できたのは、景気が好調だからです。ですが、仮にこのあと、深刻な株価の調整があり、バブルの崩壊のような流れになって景気や雇用まで低迷するようでは、2020年の再選は遠のきます。そのことは大統領はよく分かっていると思います』、こちらはさらに手強そうだ。
・『ということは、今後の「トランプ政治の方向性」ということでは、一連の疑惑に関しては手段を選ばない方法で、摘発や弾劾を潰すということになると思います。もしも、少しでも危険を感じたら、感情論政治をエスカレートさせて、自分の支持者をカッカさせるでしょう。そうなれば、摘発や弾劾の動きは党利党略だということになり、互角の戦いが可能だからです。その限りにおいて、ヘイトなどを含む感情論政治は今後も激しい形で続いて行くのだと思います』、そういう逃げ道があったとは、初めて知った。
・『一方で、株価と景気には今後非常に敏感になることが予想されます。すでに、市場は乱高下の気配が続いていますし、原油も下がってきました。景気の腰折れという可能性は、具体的に意識されるようになっています。ということは、恐らくは中国との通商交渉は進むのではないかと思います。 いずれにしても、「分断を煽る感情論の政治」は今後も激しさを増す一方で、景気には敏感にならざるを得ない、そのようなマトリックスの中で、今後のトランプ政権は推移して行くように思われます』、なるほど大いに参考になる見方だ。
・『具体的には、下院民主党では、弾劾発議は当面見送る動きとなっています。但し、監査委員会をフル稼働させて、政権への捜査を行う可能性が示されています。ここでの力比べは相当なエネルギーを双方が使うことになると思います。 その一方で、インフラ整備計画を前面に出して、議会民主党との協調を図るという観測もあります。景気が政治の生命線ということがあり、仮に公約通りインフラ整備をやるのであれば、民主党の政策と重なる部分があるからです。 もう一つ、トランプ大統領が抱える「恐怖」のことを指摘しなくてはなりません。 それは、今回の選挙で「米国の政治を根本から覆しかねない変化」が見られたということです。それはテキサス州における民主党票の躍進です。最終的には共和党現職のテッド・クルーズ議員に僅かに及ばなかったものの、ビト・オルーケ候補の善戦は、全国に鮮烈な印象を与えました。同候補は、まるで「敢闘賞」扱いで、依然として「2020年の民主党大統領候補として有力」といわれています。 では、どうしてオルーケ氏はそこまで評価されているのでしょうか? イケメンで、起業家、政策はサンダース派に近い左派で、ミレニアル世代の共感を獲得・・・更にはオルーケ効果で、テキサスの下院選挙区では3議席ぐらい取った・・・そんなことが言われていますが、それだけではありません。テキサス全州の選挙で、単純票数で共和党に肉薄した、そのことが非常に重たい意味を持つからです。 今回の上下両院選挙ですが、上院は一州2議席(改選は普通その中の1議席)で人口比も、一票の格差も関係ありません。一方の下院は、完全に小選挙区制です。ところが、2020年の大統領選挙というのは、「選挙人数」の獲得ゲームとなっています。その選挙人というのは、国勢調査の人口比で決められ、人口の多い州は選挙人も多い制度となっています。ただし、その選挙人数は「その州で勝った候補が基本的には総取り」というルールです。 現代のアメリカ大統領選では、保守州は数は多いのですが人口が少ないので選挙人も少ない一方で、リベラル州はカリフォルニア、ニューヨークなど人口が多く選挙人が多いのですが、州の数としては比較的少ないわけです。そこで、両党の基盤は拮抗しています。 ですから、各回の大統領選の結果を左右するのは「スイング・ステート」つまり右に行ったり左に行ったりする州を「どっちが取るのか?」という戦いになります。要するに、フロリダとペンシルベニア、オハイオを取れば勝てるというわけです。2016年はその典型的なパターンでした。 問題はテキサスです。テキサスは大州で、選挙人数は538中の38もあります。 そして、テキサスは保守州ですから基本的に共和党が取ってきました。ですが、この38が民主党に行ってしまうということになれば、これは大変です。共和党の勝ち目は薄くなってきます。選挙人の38というのは、ペンシルベニアとオハイオを足した数、要するに途方もない数です。 オルーケ候補は、そのテキサスで左派でありながら、全州で50.9%対48.3%という善戦を見せたというのは、これは2020年の大統領選を考えると極めて重たいというわけです。ですから、多くの評論家が「オルーケ善戦」とか「依然として有力な大統領候補」と言い続けているわけです。 勿論、依然としてテキサスには岩盤のような保守票があります。郡によっては、共和党95%で民主党5%というような地域もありました。ですが、2020年のこの州の戦いは恐らく大統領選の全体を左右するに違いありません。 ちなみにテキサスの票ですが、2014(中間選挙、上院選)総数464万、共和286万(当)、民主160万  2016(大統領選)総数897万、共和469万(当)、民主388万 2018(中間選挙、上院選)総数833万、共和424万(当)、民主402万 となっています。今後も、ダラス=ヒューストン回廊を中心に、どんどんニューエコノミーが拡大して行くテキサスでは、全国から民主党支持者が流入してくるでしょうし、経済が強くなれば「トランプ流の感情論」は通用しなくなります。これからの2年間、テキサスの社会動向には注目していかなくてはならないでしょう。いずれにしても、今回の中間選挙はアメリカの歴史にとって大きな意味を持ちそうです』、大きなカギになるテキサスの社会動向は大いに注目したい。
・『最後に通商や安全保障における日米関係ですが、以上申し述べたように、大統領の政治姿勢が「日々が感情論を煽る戦い」であると同時に「株価と景気には神経質」になるということを念頭に入れて行くべきと思います。ということは、過去2年間と全く同様に「緊張感」を持ちつつ、時にはG7諸国と、時には中国、時には欧州などと連携しながら、時には、対イラン政策などでアメリカとの距離を厳密に調整しながら進む、ということでは良くもならないし、悪くもならない、そう考えておく必要があると思われます』、「アメリカとの距離を厳密に調整しながら進む」道を採らざるを得ないというのは、うんざりだが、しょうがないのだろう。それにしても、極めて参考になる分析だった。
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