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日産ゴーン不正問題(その1)(ルノー・日産・三菱連合は崩壊に向かう公算大 検察を巻き込んだクーデターで日産が狙うルノー離れ、ゴーン追放も納得!謀略とリークの「日産クーデター史」、仏ルノー取締役会 日産にゴーン会長解任先送り要請、ゴーンを“追放”した西川社長の誤算 日産立件で総退陣浮上) [企業経営]

今日は、日産ゴーン不正問題(その1)(ルノー・日産・三菱連合は崩壊に向かう公算大 検察を巻き込んだクーデターで日産が狙うルノー離れ、ゴーン追放も納得!謀略とリークの「日産クーデター史」、仏ルノー取締役会 日産にゴーン会長解任先送り要請、ゴーンを“追放”した西川社長の誤算 日産立件で総退陣浮上)を取上げよう。まだ事実関係も明確でない点も多いので、もう少し待とうかと思ったが、このブログにも日産で検索する人も多いようなので、現時点で参考になるものをまとめた。なお、このブログで関連したものは、4月27日「日産・ルノーVS仏政府」である。

先ずは、ジャーナリストの須田 慎一郎氏が11月22日付けJBPressに寄稿した「ルノー・日産・三菱連合は崩壊に向かう公算大 検察を巻き込んだクーデターで日産が狙うルノー離れ」を紹介しよう。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/54749
・『11月19日の月曜日。日産のカルロス・ゴーン会長と、グレッグ・ケリー代表取締役が東京地検特捜部によって逮捕された。速報を見た瞬間、「まさか、何かの間違いでは」と思ったほど、寝耳に水の逮捕劇だった。 ただ、逮捕日直前の週末くらいから、東京地検に妙な動きがあるという情報はキャッチしていた。地方から続々と応援部隊が集結しているというのだ。こういうときにはただでさえ口の堅い検察関係者も一層堅く口を閉じ、内部から情報が漏れてくることはまずない。「近々、何か大きな案件に取り掛かろうとしているのか」と推測はしていたが、その矛先がまさか日産に向いていたとは想像していなかった』、確かに検察の情報管理はとりわけ厳格だったのだろう。
・『針の穴に糸を通すような立件手法  カルロス・ゴーンとグレッグ・ケリー。百戦錬磨の経営者と弁護士出身のビジネスエリートである2人に、一切の動きを悟られないように、東京地検特捜部は相当慎重な捜査と内部調査を重ねてきたのだろう。 逮捕のタイミングもそのことをよく表している。海外に出ていた2人が、月曜日にプライベートジェットで帰国したところを見計らって地検が接触し、事情を聞くという段取りを踏んでいる。ゴーン、ケリー両氏に悟られないようにすることを何よりも最優先させた捜査だったと言えるだろう。 ただし、立件の仕方を見ていると、針の穴に糸を通すような、かなり難しいやり方をしている。 今回、ゴーン氏らの行為で問題視されているのは所得の過少申告だ。過少申告なら本来は所得税法違反、つまり「脱税」で立件するのが一番オーソドックスなやり方だ。だが、最初の段階でそれはできなかった。というのも今回の件については、国税が先に動いて検察が受けたという案件ではない。入り口から逮捕まで特捜部主導でやっている。日産社内からの内部告発を受けて、日産サイドの全面協力を得て情報を提供してもらって特捜部が立件したわけだ。 その過程の中で司法取引が行われ、実際に「所得隠し」の実務を担当した日産社内の社員・役員に関しては、刑事的責任を問わないということを前提に情報を出してもらってきた。 その捜査の中で、最も確実に立件でき、事件の入り口として最も適当だと判断されたのが、有価証券報告書虚偽記載という「金融商品取引法違反」だったのだろう』、「金融商品取引法違反」という形式犯罪でやった意味が理解できた。
・『もちろんこれは全くの“別件逮捕”というわけではないが、あくまでも形式的な犯罪だ。 つまり、もしも「意図的に所得を隠していた」ということであれば「脱税」による所得税法違反だし、「本来受け取るべきでない報酬であるにも関わらず受け取った」ということであれば、会社に損害を与えたということで「特別背任」による商法違反も成り立つ。場合によっては「横領」という形にもなる。 いずれにしても本来なら、脱税や特別背任、横領などを問うべき案件なのだが、今回東京地検は、「まずはやり易い金商法違反でとりあえず身柄を確保し、取り調べをしかりやって解明していこう」という方針を立てて、形式犯のところから入ったのだ。 全容解明のためには、今後の捜査で「本人たちがどの程度の意識をもってやったのか」というところをどこまで詰められるかが焦点になる』、どこまで本格的な罪状で問えるか、大いに見物だ。
・『ゴーン氏の刑事責任を追及せざるを得なかった事情  逮捕容疑の中身をもう少し詳しく見てみよう。 ゴーン氏の報酬として総計でおよそ50憶円、有価証券報告書で過少に記載されていた、ということであるのだが、報道を見て、もしかしたら一般の新聞読者やテレビの視聴者の中には、キャッシュ、あるいはキャッシュに近い株券や債券がゴーン氏の懐に入ったと思っている人もいるかもしれない。 そうではない。日産が、オランダに設立した子会社に投資資金として回ってきたお金を使って、事実上、ゴーン氏専用の邸宅を、レバノン、ブラジル、オランダ、フランスの4か所で購入していて、それをもっぱらゴーン会長及びそのファミリーが利用していた。日産の金でゴーン会長の邸宅を買ったわけだから、事実上、ゴーン会長に対する形を変えた報酬ということになる。 報道ベースではまだ判然としていないが、これらの物件の所有者が誰になっているのかも一つの焦点になる。日産の金で購入した邸宅をゴーン氏にあげたということになれば、その購入額が丸ごと報酬になる。あるいは物件の所有名義が日産になっていれば、利用した期間に応じ、本来払うべきだった賃料の合計が報酬となる。 いずれにしても、購入資金なのか賃料なのか、その合計がマックスで50億円ほどになるということだ。その額が有価証券報告書に記載されていなかったということであり、ゴーン氏の懐や銀行口座に50憶円ほどのキャッシュが転がり込んだ、というわけではない。 そういった意味では、日産側の「被害額」はまだ正確には確定していないと言える。脱税は金額の確定がないと立件できない。特別背任も、会社が被った損害額が確定しないと立件できない。横領も同様だ。つまりいずれにしてもそうした犯罪を立件するためには金額の確定が必要となってくる。それゆえに入り口の段階では、その種の犯罪を逮捕容疑にするのは難しかったのだろう。 ところが有価証券報告書の虚偽記載は、記載された内容に間違いがあったら立件できる。だから特捜部はここを入り口に定めたのだ。 先ほど、「針の穴に糸を通すような立件の仕方だ」と書いたのはそのためだ。ゴーン氏が会社を私物化したことはまず間違いないので「無理筋な事件だ」とは言わないが、少々危うい罪の問い方をしているのは間違いない。 そうまでしてゴーン会長の刑事責任を追及しなければならなかった理由が日産、あるいは東京地検にはあるはずだ』、なるほど「針の穴に糸を通すような立件の仕方だ」の意味が理解できた。
・『ルノー・日産・三菱連合は崩壊へ!?  恐らく日産の経営陣の多くは、ルノーによる日産統合を画策している上、会社の私物化・専横が目に余るようになったゴーン氏を何とか排除したいと考えていた。しかし、取締役会で解任動議を提案するという「クーデター」を起こしても、仮に万一それが成功しても、何らかの逆襲を食らう恐れもあった。そこで、ウルトラCを狙って、捜査当局の協力を仰いでゴーン排除に動いたというのが今回の一件の本質ではないかと筆者は睨んでいる。言うなれば、特捜部を巻き込んだクーデター劇だ。 もちろんゴーン氏側に何も問題がなければ検察が動くこともなかったろうが、「会社私物化」の明確な証拠がそこにあった。検察としても、日産側に協力する大義名分が立つという判断が下されたのだろう。 今後の捜査についても触れておこう。入り口としては金融商品取引法違反から行くにしても、いずれは脱税、あるいは特別背任、横領というところでの立件を目指していくはずだ。 これまでのセオリーを踏まえて予測するならば、金融商品取引法違反で捜査をし、次に特別背任あるいは横領について捜査し、そこで不正に得た報酬の金額が確定できれば、「それは報酬に当たるのだから本来は納税しなければならなかった。あなたは脱税しています」ということで、最後は脱税事件として立件することになるだろう。 本来の目的ではない形で子会社が使われた、会社のお金が半ば私物化された、その状況を隠蔽しようとしてグレッグ・ケリーが日産社員に強い指示を与えていた、ということがこれまで報道されている。これらが事実認定されれば、恐らく裁判官の心証は真っ黒になる。ゴーン、ケリーの両氏が刑事罰を免れることは、現時点では極めて難しいと言わざるを得ない』、なるほど。
・『残された最大の問題は、ルノーと日産の関係がどうなって行くか、だ。ルノー、日産、三菱自動車のような企業連合の場合、普通だったら持ち株会社を設立し、その下に3社がぶら下がるという形をとることが多い。持ち株会社が、傘下企業間のアライアンスや経営資源の適正配分、事業再編のハンドリングをするほうが効率的だからだ。 ところがルノー・日産・三菱自動車の3社連合では、そういった組織的な司令塔がない。人的な司令塔としてゴーン氏が3社の会長を兼ねるという形で束ねていた。「ルノー・日産・三菱アライアンス」というパートナーシップもあるが、これとて代表はゴーン氏だ。つまり3社連合はゴーン氏が一人でまとめ上げていた連合体なのだ。 その人物が逮捕され、経営の表舞台から消えてしまった。新たに3社の会長を兼務するような人物が出てくるだろうか。その可能性は極めて低いと言わざるを得ない。 ルノーは日産の大株主であるから、「ルノーから新しい会長を派遣します」という申し出があるかもしれないが、経営規模ではルノーを上回る日産が、唯々諾々とルノーの要求に応えるとも思えない。3社連合は瓦解の方向に向かう可能性高いと思う。 果たして日産の西川廣人社長はルノーとどう渡り合うのか。クーデター劇の第二幕はもう始まっている』、第二幕の展開を注目したい。

次に、ノンフィクションライターの窪田順生氏が11月22日付けダイヤモンド・オンラインに寄稿した「ゴーン追放も納得!謀略とリークの「日産クーデター史」」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/186136
『瞬く間に世界を駆け巡った「ゴーン逮捕」の一報。記者会見で西川廣人社長はクーデターを否定したが、日産の過去の歴史をひもとけば、相次ぐクーデターはもちろん、会社から金をむしりとって豪遊し、世間を騒がせた労組会長など、ゴーン氏を彷彿とさせる人物も登場する。これが日産のカルチャーなのである』、「日産クーデター史」とはどんなものだったのだろう。
・『クーデター説から元妻刺客説まで ゴーン逮捕で情報飛び交う  こりゃどう見てもクーデターだろ、と感じている方も多いのではないか。 日本のみならず、世界的にも大きな注目を集める「ゴーン逮捕」。連日のように、逮捕前にゴーン氏がルノーとの経営統合を検討していたとか、日産幹部が捜査当局と司法取引をしていたとか報じられるなど、組織ぐるみの「ゴーン追放」を補強する材料が続々と飛び出している。 自動車業界で綿密な取材をすることで知られるジャーナリストの井上久男氏をはじめ、日産社内に多くの情報ソースを有する人々からも同様の見立てが相次いでいる。そこに加えて、ここにきて元検事の方などからは、「別れた元妻」が刺したのではという憶測も出てきている。 権力者のスキャンダルや不正行為の多くは、敵対する勢力より、「身内」からリークされる。離婚の訴訟費用が日産から出ていたという話もあるので、「ゴーン憎し」の元妻と、「ゴーン追放」を目論む幹部の利害が一致して「共闘」をしたのでは、というわけだ。 一方で、これらのストーリー自体が、ゴーンやルノー側の「スピンコントロール」(情報操作)である可能性も全くのゼロではない。 ご存じのように、不正やインチキが発覚した経営者が潔白を訴える場合、「私を貶めるためのデマだ」などと主張するのがお約束である』、多面的に検証していくスタイルは私の好みにマッチしている。
・『筆者も記者時代、そのように解任された元・経営者の方たちから、「ハメられた」「裏切られた」というような訴えをよく聞かされて辟易した思い出がある。いつの時代も「クーデター説」は権力闘争時に飛び交う定番コンテンツなのだ。 今後、もしゴーン氏が潔白を主張する場合も、日産をルノーから守るための「国策捜査」だとか、日本人経営陣らにハメられたというストーリーがもっとも適しているのは言うまでもない。つまり、「クーデター」の既成事実化は、図らずもゴーン氏へのナイスアシストとなってしまうのだ』、なるほど、深い読みだ。
・『ゴーン体制誕生のきっかけも「クーデター」だった  事実、たった1人で1時間半の会見を乗り切って男を上げたといわれる、西川廣人・日産社長も「不正が内部通報で見つかり、そこを除去するのがポイント。クーデターではない」と断言するなど、あくまでゴーン氏は不正によってパージされたというスタンスを崩さない。 だが、日産という組織のカルチャーに鑑みると、こういうことを声高に主張されてもあまり説得力がない。自動車業界の方なら周知の事実だが、この会社の歴史は、クーデターの歴史といっても過言ではないからだ。 まず、記憶に新しいところから振り返ると、昨年発覚した「完成車検査不正問題」がある。 先ほどの井上氏も指摘しているが、これはゴーン氏ら経営陣が品質検査部門をリストラしたことに対する意趣返しとして、社内の不満分子が国土交通省に通報したことが発端だといわれている。不正自体は以前から行われていたのに、西川氏の社長就任から程なくというタイミングでリークされたということは、「西川おろし」を掲げたクーデター未遂事件といってもいい』、「完成車検査不正問題」の背景が初めて理解できた。
・『今でこそ「権力の集中」と叩かれるゴーン体制だが、そもそもたどっていくと、これを生み出したのもクーデターだった。 1999年、経営難に陥った日産を立て直そうとダイムラークライスラーやフォードも巻き込んだ外資交渉を進め、最終的にはゴーン氏をはじめ、ルノーから3人の幹部を役員として迎え入れたのは当時の社長、塙義一氏なのだが、実はこのルノー傘下入りは、相談役である歴代社長らに事前の相談もなく決められた。そのため、「ある種のクーデターといってもいい」(日経産業新聞1999年6月28日)と評されたのだ』、「歴代社長らに事前の相談もなく決められた」というのは、経営難に責任がある人間に相談する必要はないとも考えられるので、これをクーデターとするのには違和感を感じる。
・『また、経営危機を招いた要因のひとつが、戦後からこじれにこじれた労使関係だといわれているが、ここでも社会主義国家を彷彿とさせるような劇的なクーデターが起きている。 日産中興の祖として知られ、1957年から16年という長期間、トップに君臨した川又克二氏の「労使協調路線」によって絶大な権力を握ったのが、日産グループ労組である「自動車労連」の塩路一郎会長である。 ゴーン氏とソックリ!強権×銭ゲバだった労組会長  塩路氏は、川又社長との蜜月関係を武器にして、人事、新車開発、国際戦略という経営にも介入し、塩路氏が首を縦に振らない限り何も進められないというほどの権力を手中に収め、社内で「塩路天皇」などと恐れられるほどになっていたのだ。 だが、そんな「労組のドン」が強烈な“紙爆弾”に見舞われる。 1984年1月に発売された写真週刊誌『フォーカス』(新潮社)の「日産労組『塩路天皇』の道楽―英国進出を脅かす『ヨットの女』」というタイトルで、その豪勢な暮らしぶりと、若い美女とヨット遊びに興じる写真が掲載されたのだ。 当時の写真週刊誌の影響力は絶大で、今とは比べ物にならないほどパンチがあった。後に高杉良氏の小説「労働貴族」でも描かれた強権と豪遊ぶりは、世間からボコボコに叩かれた。 そして1986年2月22日、塩路会長は日産労組によって退陣要求決議を突きつけられ、「労働界から引退する」と表明するように追い込まれたのである。 この事件は「2・22クーデター」(日本経済新聞1986年3月17日)と呼ばれたのだが、実はこれを背後で仕掛けたのが、川又氏の後に社長に就任し、英国進出などグローバル経営へ舵を切ったことで、塩路会長と激しく対立していた石原俊社長だといわれている。 もちろん、日産はオフィシャルには、このような黒歴史を一切認めていないが、組織内で誰もが顔色をうかがうほどの強権を握り、常軌を逸したレベルで富をむさぼった挙句、内部リークによって引退に追い込まれる、という点では、ゴーン氏の追放劇と丸かぶりなのだ』、塩路会長が失脚した経緯は忘れていたので、記憶を呼び醒まされた。
・『さらに、もっと過去へと遡っていけば、「労働貴族」を追放した石原社長も、かつてはクーデターの憂き目にあっている。 石原氏がまだ常務だった1969年、「日産エコー事故」というのが世間を騒がせた。高速道路で、エコーというマイクロバスの横転事故が立て続けに発生。それがシャフトの「欠陥」によるものだということが明らかになって、東京地検も捜査に動いたが、最終的には不起訴とされた。 組織に染み付いた「体質」は簡単には変わらない その騒動の最中、「朝日新聞」にこんなスクープが掲載された。『「日産エコー事故」社内から(秘)通報 対策決め九ヶ月放置 東京地検に“警笛”1号 上層部も追求へ』・・・実は、事故の9ヵ月前、「配布先」として石原氏ら上層部の名前が記された、エコーの欠陥の原因と対策を決定した社内資料が存在していた。それが、「日産関係者」から東京地検特捜部検事の元へ持ち込まれたというのだ。 当時はまだ、マスコミと検察がズブズブでも何の問題もない時代だったので、検事に持ち込まれたはずの内部資料は新聞の一面にドーンと大きく掲載された。誰が見ても、上層部の一掃を狙ったクーデターであることは明らかだった』、「マスコミと検察がズブズブ」というのは昔だけでなく、現在も多少残っているような気がする。
・『表沙汰になっているだけでも、これだけのクーデターや、クーデター未遂がある。誰かが権力を握ると、誰かが背中を刺し、誰かに権力が集中すると、その人間の悪い話を捜査機関やメディアに持ち込むということが、この40年間、延々と繰り返されているのだ。 確かに、不祥事が起きたらそれをネタに経営陣を引きずりおろすとか、暴君をみんなで協力して追放するなどということは、どこの会社でも起きることだが、日産がかなりレアなのは、会社の進むべき道が大きく変わるような重要なタイミングで、必ずといっていいほど「クーデター」が起きているということだ。 先ほど述べた、日産の歴史はクーデターの歴史というのが決して大袈裟な話ではないことが、わかっていただけたのではないだろうか。 そう聞いても、「過去にクーデターが多いからといって、今回のゴーンもそうとは限らないだろ」という反論もあるかもしれないが、長く不祥事企業のアドバイスをしてきた立場から言わせていただくと、組織内で一度染み付いた「クーデター体質」というものは、なかなか変えることができない。 同じような隠蔽を繰り返した三菱自動車、データ改ざんが何十年も現場で脈々と受け継がれていた神戸製鋼を例に出すまでもなく、「組織カルチャー」というものは、ちょっとやそっとでは変わらない』、その通りだと思う。
・『容疑段階で「ゴーン批判」全開 西川社長会見の異常さ  パワハラ上司に鍛えられた新人が、上司になると自然と部下にパワハラをしてしまうように、大企業という巨大コミュニティ内のカルチャーや価値観というのは、世代を超えて受け継がれるものなのだ。 例えば今から10年くらい前、ちょっとした不祥事に見舞われた、ある企業から相談を受けたことがある。その時、社員の皆さんが社長に言いたいことを言えない、どこか恐れているような印象を受けた。実際、不祥事というのも、社内の風通しの悪さが招いたものだった。 その会社を最近、久しぶりに訪れた。社長も代替わりしていて、すごくフランクな人になっていたにもかかわらず、その社長さんは「うちの社員は大人しくて、なかなか意見を言わない」などと愚痴っていた。 社会の荒波に揉まれている大人の皆さんならば身に染みていると思うが、人間の性格というのはなかなか変わらない。頑固な人はどこまで行っても頑固だし、いい加減な人は「心を改めました」と宣言しても、やっぱりいい加減だったりする。 そんな人間の集合体である「法人」の性格というのも、なかなか変わらないのである。 過去にこれだけ血みどろのクーデターを繰り広げて、ここまで成長した日産という法人が、外国人経営者が入ったくらいで、ガラリと性格が変わる、と考える方がおかしいのだ。 今回の会見で、まだ容疑段階であるにもかかわらず、激しい「ゴーン批判」を繰り広げた西川社長を、ネットでは「男らしい」ともてはやしている。確かに、もの言いがはっきりしているのは悪いことではないが、企業の危機管理的にはかなり型破りだ。いや、「異常」といっていい。 「逮捕=有罪」ではない。いくら不正をしていた証拠を掴んだにしても、司法の判断はこれからなのに、企業が元経営者をここまで激しく批判するのはかなり珍しい。 東京地検特捜部は極めて国策色の強い捜査機関である、ということを踏まえれば、グローバル企業である日産からすれば、もっと慎重なもの言いもできたはずだ。しかも、攻撃相手は一役員ではなく、かつてこの企業の全権を握っていた人物で、西川氏は長く側近として仕えた。自分たちにも延焼しかねない話であるにも関わらず、自信たっぷりに悪者をゴーンだけに限定できるのは、よほど何か大きな「保険」があるとしか思えない』、特捜部との司法取引以外でも「保険」があるのだろうか。
・『西川社長の上司はクーデターを生き抜いた人物  では、そんなダイナミックな危機管理をした西川社長とはどんな人物か。 日産のホームページにある略歴は、1977年に入社の次は、1998年に欧州日産会社となっている。入社後21年間、40代前半までのキャリアの詳細はわからない。ビジネス誌のインタビューでは長く購買畑を歩んできたと記されているが、実は秘書の経験もあることはあまり知られていない。 1992年に社長に就任した辻義文氏の社長・会長時代に秘書を務めたとして、「日本経済新聞」(2007年3月9日)で、在りし日の辻氏の思い出を語っていらっしゃる。 辻氏といえば、「労働貴族」へのクーデターを仕掛けた石原氏の拡大路線を引き継いだ久米豊社長からバトンを受け継ぎ、日本の製造業の縮小均衡の先鞭をつけたといわれる「座間工場閉鎖」を断行したことでも知られている。 また、辻氏が4年の社長在任を経て後を託した塙社長は、先ほども触れたように、ルノー傘下入りというクーデターを仕掛けている。 秘書として、クーデターを生き抜いてきた日産経営陣を間近に見てきた西川氏が、社長になって程なくして、「ゴーン追放」という新たなクーデターで渦中の人となる、というのも何かの巡り合わせのような気がしてならない。 「まわる、まわるよ、時代はまわる」という歌があったが、これまで見てきたように、日産のクーデターもぐるぐると因果がまわっている。 過去に学べば、ゴーン追放は次なるクーデターの号砲になる可能性は高い。日産の内部には、こうしている今も、「次に刺されるのは俺かも」と震えている人がいるのではないか』、クーデター体質でまとめたこの記事は、なかなか面白かった。

第三に、11月23日付けロイター「仏ルノー取締役会、日産にゴーン会長解任先送り要請=関係筋」を紹介しよう。
https://jp.reuters.com/article/nissan-ghosn-renault-idJPKCN1NR27K?feedType=RSS&feedName=topNews&utm_source=Sailthru&utm_medium=email&utm_campaign=Weekday%20Newsletter%20%282018%29%202018-11-23&utm_term=NEW:%20JP%20Daily%20Mail
・『日産自動車、ルノー、三菱自動車3社の会長を兼務してきたカルロス・ゴーン容疑者が22日の日産の臨時取締役会で、同社の会長職と取締役の代表権を解かれた。ルノーは解任決議の延期を求めていたとされ、早くも日産とルノーの間に溝が生じている。 かじ取り役を失った3社の連合(アライアンス)のあり方がどのように変化するのか。その前途には不透明な霧が立ち込めている』、ルノーが解任決議の延期を求めていたとは初耳だが、それを押し切ったとは日産の決意には並々ならぬものがあったのだろう。
・『ルノーの解任決議の延期要請を無視  金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)の疑いで逮捕されたゴーン容疑者の会長と取締役の代表権はく奪が提案された臨時取締役会は、横浜市の日産本社で22日午後4時半から始まった。この日の議論は、午後8時半まで約4時間に及んだ。 関係者によると、臨時取締役会前にルノーは、日産に解任決議の延期を強く求めていた。しかし、日産は全会一致による解任に持ち込んだ。4時間のうち、「相当な時間を割き、(ゴーン容疑者逮捕に至った)内部調査の結果が丁寧に説明された」(別の関係者)といい、ルノー出身の2人も賛成せざるを得なかったもようだ。 後任の会長は今回決めず、暫定的な会長も置かなかった。選出の透明性や独立性を保つため、社外取締役3人からなる委員会(委員長:豊田正和氏)が新たに設けられ、現取締役の中から候補を提案することにした。  投資資金や経費の私的流用も発覚し、会社を私物化していた実態が明らかになったゴーン容疑者。日産幹部の1人は「日産のステークホルダー全員に対する裏切り行為。絶対に許されない。解任は妥当」と話す。ただ、これまでの3社連合は、ゴーン容疑者の「鶴の一声」で意思決定されてきただけに、今後は意見がまとまらず、「時間がかかるのでは」と懸念する。  三菱自関係者は「ゴーン氏は経営者としては非常に優れているし、日産と三菱自が対立した時も、三菱自の意見を尊重してくれた」と、その存在感の大きさに言及している』、「ルノー出身の2人も賛成せざるを得なかったもようだ」というのでは、2人はルノー本社からさぞや油を搾られることだろう。
・『日産とルノー、深まる溝  日産の親会社であるルノーは、20日の臨時取締役会で、ティエリー・ボロレ最高執行責任者(COO)を暫定トップとし、ゴーン容疑者の会長兼最高経営責任者(CEO)の解任は見送った。「解任するのに十分な情報や証拠がない」。ルノーの筆頭株主で15%を出資するフランス政府のこうした意向をくみ、疑惑の詳細が判明するまで先送りした。  フランス政府はもともと、ルノーの日産に対する影響力を強めたい意向があり、近年はゴーン会長の退任後を見据え、連合が解体しないよう不可逆的な関係構築を目指していた。一方、日産は対等な関係や経営の独立性維持を求め続けており、真っ向から異なる。 ゴーン容疑者の処遇も、ルノーは「見送り」。一方、同社が決議延期を求めたにもかかわらず、日産はこれを受け入れず「解任」。日産とルノー、フランス政府の溝はさらに深まる恐れがある』、今日のNHKニュースでは、万博の開催地を決める会合に出席するためにパリを訪れている世耕経産相は、フランスのルメール経済相と会談し、ルノー・日産提携関係を強力に支援することを再確認したようだ。
・『「より対等な関係」を模索したい日産  検討を続けてきた日産とルノーの資本関係見直しも、さらに混迷を極めそうだ。現在の資本構成は、ルノーが日産に43.4%、日産はルノーに15%を出資する。ただ、ルノーは日産に対し議決権を持つが、日産はルノーに対して議決権を行使できないといういびつなものだ。  両社の資本関係は、1999年に経営危機に陥った日産をルノーが救済したことに始まるが、現在は立場が逆転し、ルノーを日産が支えている。ルノーの2017年度の純利益の約半分は、日産の業績が寄与する持分法投資利益からきている。  約20年もトップに君臨しながら、ゴーン容疑者は長年続いていた一連の完成検査不正で批判の矢面に立たず、役員報酬も自ら決めていた。3社間のあらゆる機能の共通化でも、ゴーン容疑者の息のかかったルノー出身者が責任者を務めるなど「役員選出も彼の思い通りだった」と三菱自関係者は振り返る。  別の日産幹部は「それぞれがより独立した形で、ウィン・ウィンの関係という原点に戻るべきでは」と指摘。ルノーが日産に対する出資比率を下げるなど「より対等な関係」を模索していくことを示唆した。  日産は15年、経営の独立性を担保する合意をルノーからとりつけているが、日産が15%から25%までルノーへの出資比率を高めれば、日本の会社法によりルノーが持つ日産株の議決権は消える』、「より対等な関係」は望ましいとしても、支配力を強めたいフランスはおいそれと同意しないだろう。
・『切っても切れない関係  日産とルノーの両社はこれまで車種ごとの設計・部品の共通化、14年4月からは研究・開発、生産・物流、購買、人事の4機能の統合を進めてきた。100年に1度といわれる変革期を乗り越えるため、電気自動車や自動運転などの次世代技術でも共通化を進めており、3社は今や切っても切れない関係にある。  日産は22日、ルノーとのパートナーシップは不変であることも確認したと表明した。自動車調査会社カノラマの宮尾健アナリストは、日産が単独で生きていくのは厳しいとしつつ、連合の運営や資本関係の見直しなどで「相当もめるのでは」とみている。また、フランス政府の思惑から日産が離れていく場合、フランス政府が「何かしら手を打ってくるのでは」と予測する。 ゴーン容疑者は自らの晩節を汚しただけでなく、3社連合の未来にも大きな影を落とした。同業他社の幹部は、3社連合に漂う緊張関係を他山の石とし、こう指摘している。「資本を出し合うことが連合ではない。気持ちが一致していなければ何をやってもダメだ」――』、その通りだろう。

第四に、11月23日付け日刊ゲンダイ「ゴーンを“追放”した西川社長の誤算 日産立件で総退陣浮上」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/242205/1
・『「ゴーン・ショック」は当分、収束しそうにない。日産自動車のカルロス・ゴーン容疑者が逮捕された19日の会見で、「執行部体制に影響はない」と断言した西川広人社長。今後、第三者委員会を立ち上げ、日産の新体制を発足させると口にしていたが、新たな問題が浮上。東京地検特捜部が法人としての日産を立件するというのだ。 ゴーンは、金融商品取引法違反(有価証券報告書への虚偽記載)容疑でパクられた。当初、「司法取引」が行われ、日産本体は「お咎めなし」とみられたが、特捜部は、虚偽記載が長年にわたって行われてきた背景として、法人の責任を重視。法人も罰する「両罰規定」を適用する方針だ。元特捜部検事の若狭勝弁護士がこう言う。「金融商品取引法の両罰規定によって、法人は7億円以下の罰金が科されます。社員が不正を犯した場合、法人も処罰されるのは自然なことなので、別に驚く話ではありません。ただ、日産側は、特捜部の捜査に協力してきたため、罰金額はある程度、減額されると考えられます」 日産本体が立件されれば、当然、現執行部も無傷では済まない。ゴーンの“独裁”を許してきた西川社長の進退が問われるのは間違いない』、今回は日産側が司法取引を条件に持ち込んだ事件だ。「両罰規定」があるからといっても、「法人も処罰される」、「現執行部も無傷では済まない」というのは本当だろうか。いささか違和感がある。
・『西川社長は会見で、「1人に権限が集中しすぎた」「長年における(ゴーンの)統治の負の側面と言わざるを得ない」などと、全責任をゴーンにおっかぶせるような発言を連発。社長としての責任については「私がどういう立ち位置で何ができたか考えないといけない」とお茶を濁した。 「西川社長は、会見でゴーン氏の逮捕について『クーデターではない』と言っていましたが、果たしてどうでしょうか。特捜部は社内の状況や資金について、西川社長から任意で聴取していたといいます。西川社長は、法人として捜査に全面的に協力していた。恐らく本人は、独裁者のゴーンを追放し、自分たちは『司法取引』によって『お咎めなし』になると計算していたはず。それが、法人も立件となりそうで、慌てているはずです」(経済担当記者) ルノー本社があるフランスでは、西川社長らによる“クーデター説”がもっぱらだ。実際、仏ルモンド紙(電子版)は、<ルノー経営陣から日本側の「クーデター」だという声が出ている>と解説。地元経済紙「レゼコー」は、西川社長が<目をかけてくれたゴーン氏を公共の場で引きずり降ろした>として、古代ローマのカエサルを殺害した「ブルータス」になぞらえて報じた。 西川社長からすれば、法人が立件されるのは大誤算だろう。 「証券取引等監視委員会は数年前から、ゴーン氏の不正な投資について、日産側に是正するよう伝えていた。日産はゴーン氏に何度も是正を促したが突っぱねられたといいます。いずれにしろ、日産が不正の事実を前々から知っていたということには変わりありません。ある意味、長年にわたってゴーン氏の不正を“見過ごし”てきたことになるわけです。それに加え、法人も立件されるとなると、西川社長ら現執行部は責任を取らざるを得なくなるでしょう」(経済ジャーナリストの松崎隆司氏) 日産は、ゴーンらを取締役から外すため、来年6月の株主総会を前倒しし、臨時招集することを検討しているという。今度は、西川社長が“カエサル”になるかもしれない』、この記事は違和感を感じたが、こうした見方もあることをあえて紹介したものである。
タグ:ロイター 東京地検特捜部 日刊ゲンダイ カルロス・ゴーン 司法取引 ダイヤモンド・オンライン JBPRESS 窪田順生 日産ゴーン不正問題 (その1)(ルノー・日産・三菱連合は崩壊に向かう公算大 検察を巻き込んだクーデターで日産が狙うルノー離れ、ゴーン追放も納得!謀略とリークの「日産クーデター史」、仏ルノー取締役会 日産にゴーン会長解任先送り要請、ゴーンを“追放”した西川社長の誤算 日産立件で総退陣浮上) 日産・ルノーVS仏政府 須田 慎一郎 「ルノー・日産・三菱連合は崩壊に向かう公算大 検察を巻き込んだクーデターで日産が狙うルノー離れ」 グレッグ・ケリー 針の穴に糸を通すような立件手法 日産サイドの全面協力を得て情報を提供してもらって特捜部が立件 「金融商品取引法違反」 最も確実に立件でき、事件の入り口として最も適当だと判断 「脱税」による所得税法違反 「特別背任」による商法違反 「横領」 ゴーン氏の報酬として総計でおよそ50憶円、有価証券報告書で過少に記載 購入資金なのか賃料なのか、その合計がマックスで50億円ほどになる 少々危うい罪の問い方をしているのは間違いない ルノー・日産・三菱連合は崩壊へ!? 捜査当局の協力を仰いでゴーン排除に動いたというのが今回の一件の本質ではないか 残された最大の問題は、ルノーと日産の関係がどうなって行くか 組織的な司令塔がない。人的な司令塔としてゴーン氏が3社の会長を兼ねるという形で束ねていた 経営規模ではルノーを上回る日産が、唯々諾々とルノーの要求に応えるとも思えない 「ゴーン追放も納得!謀略とリークの「日産クーデター史」」 逮捕前にゴーン氏がルノーとの経営統合を検討 日産幹部が捜査当局と司法取引をしていた 組織ぐるみの「ゴーン追放」を補強する材料 これらのストーリー自体が、ゴーンやルノー側の「スピンコントロール」(情報操作)である可能性も全くのゼロではない いつの時代も「クーデター説」は権力闘争時に飛び交う定番コンテンツ 「クーデター」の既成事実化は、図らずもゴーン氏へのナイスアシストとなってしまうのだ ゴーン体制誕生のきっかけも「クーデター」だった 「完成車検査不正問題」 ゴーン氏ら経営陣が品質検査部門をリストラしたことに対する意趣返しとして、社内の不満分子が国土交通省に通報 塙義一 ルノー傘下入りは、相談役である歴代社長らに事前の相談もなく決められた 川又克二氏の「労使協調路線」によって絶大な権力を握ったのが、日産グループ労組である「自動車労連」の塩路一郎会長 塩路氏は、川又社長との蜜月関係を武器にして、人事、新車開発、国際戦略という経営にも介入し、塩路氏が首を縦に振らない限り何も進められないというほどの権力を手中に収め、社内で「塩路天皇」などと恐れられるほどになっていた 塩路会長は日産労組によって退陣要求決議を突きつけられ、「労働界から引退する」と表明 日産エコー事故 マスコミと検察がズブズブ 日産の歴史はクーデターの歴史 組織内で一度染み付いた「クーデター体質」というものは、なかなか変えることができない 容疑段階で「ゴーン批判」全開 西川社長会見の異常さ よほど何か大きな「保険」があるとしか思えない 西川社長の上司はクーデターを生き抜いた人物 「仏ルノー取締役会、日産にゴーン会長解任先送り要請=関係筋」 ルノーの解任決議の延期要請を無視 ルノー出身の2人も賛成せざるを得なかったもようだ 日産とルノー、深まる溝 世耕経産相はパリでフランスのルメール経済相と会談し、ルノー・日産提携関係を強力に支援することを再確認 「より対等な関係」を模索したい日産 切っても切れない関係 「ゴーンを“追放”した西川社長の誤算 日産立件で総退陣浮上」
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