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日産ゴーン不正問題(その2)(「カルロス・ゴーン氏は無実だ」ある会計人の重大指摘、ゴーン不正の実態を会計から読み解く…金商法違反 脱税 特別背任 八田進二・青山学院大学名誉教授に聞く、検察は本当にゴーン氏を起訴できるのか 「土俵際」に立たされた検察と朝日) [企業経営]

日産ゴーン不正問題については、11月23日に取上げた。流れが微妙に変わってきた今日は、(その2)(「カルロス・ゴーン氏は無実だ」ある会計人の重大指摘、ゴーン不正の実態を会計から読み解く…金商法違反 脱税 特別背任 八田進二・青山学院大学名誉教授に聞く、検察は本当にゴーン氏を起訴できるのか 「土俵際」に立たされた検察と朝日)である。

先ずは、元公認会計士の細野 祐二氏が11月25日付け現代ビジネスに寄稿した「「カルロス・ゴーン氏は無実だ」ある会計人の重大指摘 そもそもの罪が…」を紹介しよう。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/58626
・『「有価証編報告書虚偽記載罪で逮捕されたゴーン氏だが、そもそも会計人の眼から見れば、これは罪の要件を満たしていない」。『公認会計士vs特捜検察』などの著書のある会計人・細野祐二氏の特別レポート――』、細野氏はキャッツ有価証券報告書虚偽記載事件で有罪となり、公認会計士の登録を抹消された。
・『本件の罪、成立せず  2018年11月19日午後、仏ルノー・日産自動車・三菱自動車の会長を兼務していたカルロス・ゴーン氏は、自家用ジェット機で羽田空港に入国するや直ちに空港内で東京地検特捜部に任意同行を求められ、同日夕刻、そのまま逮捕された。 逮捕容疑は有価証券報告書虚偽記載罪である。日産の代表取締役であったグレッグ・ケリー氏も同日同容疑で逮捕されている。 新聞報道によれば、日産自動車の2011年3月期から2015年3月期までの5事業年度において、カルロス・ゴーン前会長の役員報酬が実際には99億9800万円であったところ、これを49億8700万円として虚偽の有価証券報告書を5回にわたり関東財務局に提出したのが金融商品取引法違反(有価証券報告書虚偽記載罪)に問われているとのことである。対象期間の日産自動車の有価証券報告書には、代表者の役職氏名として、「取締役社長 カルロス ゴーン」と記載されている。 ここで、虚偽記載容疑として盛んに報道されているのが、ゴーン前会長が海外子会社に自宅として海外の高級住宅を購入させていたというものである。 日産自動車は、2010年ごろ、オランダに資本金60億円で子会社を設立。この海外子会社の資金を使って、リオデジャネイロの5億円超のマンションとベイルートの高級住宅が相次いで購入され、いずれもゴーン前会長に無償で提供された。購入費に加え、維持費や改装費も日産自動車が負担し、その総額は20億円超になるという。 一方、パリやアムステルダムでは日産の別の子会社などが、ゴーン前会長の自宅用物件として、高級マンションを購入したり借りたりしたが、ゴーン会長が負担すべき家賃について一部が支払われていなかった疑いがあると報道されている。 このほか、ゴーン前会長が家族旅行の費用など数千万円を日産自動車に負担させていた疑いもあるという。 さらにまた、
+日産自動車は、2003年6月の株主総会で、役員報酬としてストック・アプリシエーション権(SAR)と呼ばれる株価連動型インセンティブ受領権の導入を決定し、ゴーン前会長は2011年3月期以降、合計40億円分のSARを得ながら、その報酬額が有価証券報告書に記載されていないこと
+ゴーン前会長はオランダの子会社から2017年まで年間1億円から1億5千万円程度の報酬を受け取っていたが、これが有価証券報告書に記載されていないこと なども大きく報道されている。 なるほど、ゴーン前会長は巨額の経済的便益を日産自動車から受けていたのであろう。しかし、巨額の経済的便益を受けていたことと有価証券報告書虚偽記載罪は何の関係もない。 これらの経済的便益が「有価証券報告書虚偽記載罪」の犯罪構成要件を満たすためには、①問題となる経済的便益が、会計基準上有価証券報告書に記載すべき事項(=犯罪事実)であり、かつ、②ゴーン前会長自身が、本件経済的便益は会計基準上有価証券報告書に記載すべきものと知りながら、敢えて不記載としたという認識(=故意)がなければならない。 「有価証券報告書虚偽記載」は故意犯なので、ゴーン会長に故意が認定できなければ、本件の有価証券報告書虚偽記載罪は成立しない』、確かに故意の立証は難航しそうだ。
・『世界のどこにも存在しない  そこで、有価証券報告書における開示額の算定基準が問題とされるところ、2009年12月17日に言い渡された日債銀事件の最高栽判決における補足意見には、「有価証券報告書の一部をなす決算書類に虚偽記載があるかどうかは決算書類に用いたとする会計基準によって判断されるべき」と記載されている。 「総額1億円以上の役員ごとの連結役員報酬等の総額」は「有価証券報告書の一部をなす決算書類」そのものではないが、求められる開示額は「連結役員報酬等の総額」とされているのだから、その算定基準が会計基準にあることは自明であり、その会計基準とは連結財務諸表等規則並びに「企業内容等の開示に関する内閣府令」に他ならない。 ここで問題とされている海外の高額マンションの購入は、日産自動車が資産を買って、それをゴーン氏が専属的に使用していた、というだけのことだ。そこには損失が発生しておらず、したがってこれは会計基準上の役員報酬とはならない。 次に、オランダの海外子会社の報酬が漏れていたというような報道もあるが、日産の連結対象となるオランダの子会社は「ニッサン・インターナショナルホールディングスBV社」。その資本金は19億ユーロなので、ゴーン前会長が報酬を得ていたとされるオランダ法人なるものは、連結対象会社ではない。非連結子会社から得た役員報酬は内閣府令が定める連結役員報酬に該当しない』、検察に恨みを抱いている筈の細野氏の主張には、バイアスがあるのではと当初は懸念していたが、指摘はもっともで、さすが会計の専門家だけある。
・『次に、40億円のSRSについて検討すると、SRSはストック・オプションとは異なり、基準株価からの上昇分相当額が現金として支払われる。ならば、本件SRSは、複式簿記原理に従い、必ず費用処理されていたに違いなく、それが損益計算書に計上されていたこともまた疑いの余地がない。 問題は費用処理の勘定科目が役員報酬となっていたかどうかで、この時代のSRSは税務上損金算入が認められていなかったので、役員報酬ではなく「交際費」と処理された可能性が高く、そうであれば、交際費でも役員報酬として開示しなければならないというヤヤコシイ会計基準を、ゴーン社長が認識していたかどうかにある(ゴーン前会長が日本の連結財務諸表規則や開示内閣府令などを知っているはずがない)。 家族旅行の費用を日産に付けていたという報道は、論じることさえ馬鹿馬鹿しい。 大手企業では役員に対して様々な待遇が設けられ、家族でも使えるものもある。だからといってこれが役員報酬だと言い張る会計人は世界のどこにも存在しない。 以上、ゴーン前会長にかけられた全ての疑惑について、ゴーン氏の無実は明白にして動かない。 ゴーン前会長逮捕後のマスコミ報道により、①本件捜査が日産側の内部通報に基づくものであったこと、②ゴーン前会長の逮捕に際しては日産側執行役員らに司法取引が適用されたこと、③日産側にはルノーとの日仏連合に関する内紛があったこと、が分かっている』、会計基準をゴーン社長が認識していたという前提には、確かに無理がある。
・『これがグローバル・スタンダードと理解すれば…  結局、これは東京地検特捜部による日産自動車の内紛に対する民事介入ではないか。 特捜検察は、2010年秋の厚生労働省村木厚子元局長の無罪判決とその後の大阪地検特捜部の証拠改竄事件により国民の信頼を失って久しい。 特捜検察は、その後雌伏8年間にわたり威信回復を狙っていたところ、今回日産の内部通報と熱烈な協力により、ゴーン前会長逮捕という起死回生の一撃を食らわせることができた。 マスコミ報道は、「地に堕ちたカリスマ経営者」、「独善」、「許せない」、「私腹を肥やす」など、ゴーン会長の人格攻撃一色となっている。特捜検察による逮捕とそれを支持するマスコミ世論の背景には、ゴーン前会長が得ていた報酬の絶対額に対する下卑た妬みがある。 そもそも日産自動車は、1999年、2兆円の有利子負債を抱えて倒産寸前だったではないか。日産自動車が現在あるのは、ルノーが6430億円の救済資金を資本投下するとともに、ゴーン前会長を日産再建のために送ったからである。 現在の日産の株式時価総額は4兆2千億円であり、ゴーン前会長がいなければ、日産自動車は現在その存在そのものがない。 普通、M&Aの成功報酬は買収額の3~5%が相場となっている。ゴーン会長は日産自動車から2100億円(=4兆2千億円×5%)の報酬を貰って良いし、日本人はこれがグローバル・スタンダードであることを理解しなければならない。 それをたかが50億円とか100億円の役員報酬で大騒ぎして、挙句の果てにはゴーン前会長の逮捕までしてしまった。いつから日本人はこんな恩知らずになったのか。 今からでも遅くはない。東京地方裁判所は直ちにゴーン前会長の勾留命令を取消さなければならない』、「ゴーン会長は日産自動車から2100億円の報酬を貰って良い」という部分は乱暴な議論との印象もあるが、「東京地検特捜部による日産自動車の内紛に対する民事介入ではないか」との指摘は、頷ける部分が多い。

次に、同じく会計の立場から、11月27日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した「ゴーン不正の実態を会計から読み解く…金商法違反、脱税、特別背任 八田進二・青山学院大学名誉教授に聞く」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/186764
・『有価証券報告書への報酬未記載や、住宅などさまざまな個人的利益を日産から受けていたといった報道が連日出ているゴーン容疑者。これらは果たして、どの程度の罪になるのか。また、ゴーン容疑者以外の日産経営陣の責任はどう考えるべきなのか。会計の専門家で、青山学院大学名誉教授の八田進二氏に聞いた』、同氏は細野氏とは違って、オーソドックスな会計の専門家だ。
・『<論点1>「退任後の報酬」は記載すべきか?  ――ゴーン容疑者の逮捕容疑は金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)。2010年から5年間にわたって毎年、役員報酬の約10億円、合計50億円を記載しなかったというもので、その後の3年間(30億円)分も合わせて80億円になるとの見方もあります。 高額な報酬という批判を避けるために、毎年の役員報酬20億円のうち、半分の10億円を「退任後に受け取る」という契約にし、その年の有価証券報告書には記載しなかった、ということのようですが、原則としては、これはアウトです。「退任後なら、役員退職慰労金扱いであり、今は記載する必要はないのでは」との見方もあるようですが、役員退職慰労金とは在任年数などを勘案して、退職時に決めるものです。「2010年は10億円、2011年も10億円」といった具合に毎年、金額を決めて契約していたのなら、それぞれ当該年に会計処理すべきです。 ただ、この約束が単に「それくらい払うよ」という、一種の希望的観測じみた効力しかないようなものならば記載の必要はない、という解釈もなくはない。その辺りは、会社がどういった処理をしているかを、詳しく見ていかなければ分からないでしょう。 ――さらに、株価に連動した報酬を受け取れる「SAR(ストックアプリシエーション権)」も約40億円分、開示しなかったとされています。 次々に明らかになっていることを一言でいうと、ゴーン容疑者は会社の財産をほしいままにしてきた、ということです。検察は最終的には特別背任を狙っているのではないかと思います。 ただし、特別背任は検察側が越えるべきハードルが高いのも事実。どういう意思決定プロセスを経ていたのか、本当にほかの取締役は一切知らなくてゴーン容疑者の独断なのか、などといったことをきっちり詰めて行かなければいけませんから、相当時間がかかるだろうと思います』、慎重な言い回しながら、有罪を示唆しているようだ。 
・『<論点2>「住宅の無償供与」は脱税行為にもなる  ――さらに、今回の逮捕容疑には入っていませんが、オランダの子会社を通じてレバノンやブラジルに高級住宅を購入させたり、挙げ句の果てには家族旅行の費用や、娘の大学への寄附金などを日産に出させる、姉との不正なアドバイザリー契約を結んで年10万ドルを支払うなど、明らかに私的な出費も日産に負担させていたようです。会計的には、これらはどのような問題だと捉えられるでしょうか? 会社名義で従業員が私的利用するもの、たとえば社宅などを買って提供するというのは、いわゆるフリンジベネフィット(福利厚生費など、会社規定による付加的な報酬の総称)です。しかし、ゴーン容疑者が独占的に使い、かつ家賃などを一切払っていないのなら問題です。家賃相当額は給与と見なすべきなのです。当然課税対象になりますから、ゴーン容疑者はここで脱税をしていたということになります。 家族旅行費用や姉への報酬、娘の学校の寄附金といった類いも、実質的な給与と考えるべきです。いずれも事業目的とは無縁なので、経費に認められるわけがありません。これは不当な支出であり、背任とも言える、違法性の高い話でもあります』、確かに脱税については、細野氏は言及してなかったが、ひっかかる可能性はあるのかも知れない。
・『<論点3>会社側はどの程度悪いのか?  ――独裁者として君臨するゴーン容疑者を駆逐するため、日産の役員たちが立ち上がったクーデターである、との世論醸成がされている印象もありますが、やりたい放題の独裁者をこれまで支えてきた日産経営陣にも大きな責任があるのではないかと感じます。 両罰規定が適用されるだろうと思いますが、日産の取締役会、さらに監査役会にも大きな問題があります。日産ほどの規模の会社であれば当然、経理・財務はチームで働いています。司法取引に応じた執行役員らがいたわけですが、そのほかの取締役たち、監査役たちは本当に一切、何も知らなかったのか?大いに疑問ですね。歴年にわたって随所で行われてきた不正ですから。断片的であっても、いろいろ耳に入っていたと考えるのが自然じゃないでしょうか。これは取締役会、そして監査役会の機能が果たせていないということです。 また、たとえば今年6月に提出された有価証券報告書には、西川廣人社長名で「当社の第119期(自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日)の有価証券報告書の記載内容が金融商品取引法令に基づき適正に記載されていることを確認しました」と記載されていますが、西川社長が今回の不正を知ったのは、今年3月だったと報道されています。これが事実なら、なぜ「適正に記載されていることを確認」できたのでしょう? さらに、ゴーン容疑者解任を決議した取締役会では、ルノー出身の2人の取締役がフランスからテレビ会議で参加したという点も、私に言わせれば大問題です。監視・監督は現場・現物の検査が重要です。でないと、会社業務の健全性の監査を適切に行うことなどできない。普段から、グローバル企業の名の下で、こんなやり方がまかり通っていたから、会長解任という一大事に際しても、テレビ会議での出席で済ませてもいいや、という感覚なのでしょう。これは、監査役会の問題です。取締役会の執行がきちんと行われているかどうか、見極めるのは彼らの役割ですから。 もちろん、最大の権限を持つトップ自らが不正を働いた、というのは、非常に食い止めるのが難しい話ではある。日産の不幸だったと言えます。しかし、ガバナンスが緩かったからこそ、ゴーン容疑者は独裁者としてやりたい放題できたのでしょう。私は、取締役たち全員が、ゴーン容疑者とほぼ同罪であると言いたいですね。今年6月に就任した取締役2人は、さすがに責任がなかったかもしれませんが、その他の役員は全員責任がある。特に、西川社長と軽部博CFOの責任は重いのです』、確かに責任はあるにしても、司法取引で免責になるのではなかろうか。
・『<論点4>監査法人の責任は?  ――日産の監査法人はEY新日本。あの東芝やオリンパスも担当した大手監査法人です。売上高11兆円の大企業ですから、数億円の住宅やゴーン容疑者の姉への年10万ドルのアドバイザリー契約などという少額の不正は、なかなか見抜けなかったのでしょうか? もちろん、売上高の9割に貢献している事業を重点的に見る、という重要性の基準はあります。ただし、たとえ小さな規模のものであっても、定性的に見て、コンプライアンス違反が潜んでいるんじゃないかと疑わしい、つまり信用できないものがあれば、規模の大小に関わらず、きちんとチェックすべきだというルールになっています。 ―― 一部報道によれば、ゴーン容疑者の住宅購入に使われたオランダの子会社「ジーア」は資本金60億円の小さな会社ですが、監査法人は「会社の実態が不透明だ」と指摘したものの、日産側からかわされたようです。 企業の連結ベースでの不正はたいてい、子会社や関連会社、外国事業拠点を通じて行われるものです。そして、この手の不正は、監査法人が疑念を感じたのにもう一歩、きっちり踏み込めていないというケースが多い。新日本は指摘するだけでは役割を果たしたとは言えないのです。2011年に起こったオリンパスの不正事件を受けて、金融庁は2013年に監査基準の改正を行い、疑問を持った際には職業的懐疑心を発揮して徹底的に深掘りすべしという旨を盛り込みました。 今回のケースであれば、疑問を投げかけるだけでなく、実際にオランダに行って調査をすべきです。 確かに手間ひまがかかる話ではありますが、EY(アーンスト・アンド・ヤング)のネットワークを活用したっていいわけで、とにかく疑念がある場合にはしっかり調査すべき。会社側のお茶を濁すような釈明に言いくるめられるようではダメなのです』、細野氏によれば、オランダ子会社が非連結なので、訪問調査するほどでもないと判断したとしても、無理からぬところだ。
・『<論点5>金額は決して大きくないけれど…  ――東芝の不正会計事件は、経営危機に陥るほどのインパクトがありました。日産の一件は、驚くような話ではあるものの、業績に大打撃を与えるような規模の金額ではありません。 会計監査の世界では、「ある情報が間違っていた場合、正しい情報を知っていたとしたら、情報の利用者(投資家など)は違う意思決定をしただろうか?」という点が重要視されます。その意味から言うと、確かに数字的インパクトは小さい。しかし、投資家は数字のみならず、ガバナンスの状況など非財務情報も重要視しているはずです。 ゴーン容疑者がこだわったであろう役員報酬の開示も、投資家は関心を持っています。だから、株主総会では「前期より利益が下がっているのに、なぜ役員報酬は上がっているのか」といった質問が出たりするわけです。つまり、報酬が納得の行く金額であって、かつ正しく開示されているかどうか、ということは、投資家からすればその企業や経営者を信頼できるかどうかという大切なポイントなのです。 2001年に破綻した米エンロンは、巨額の簿外債務があるなどの不正が起きていた一方、経営者は高額な報酬をもらっていました。米国ではエンロン事件後、監査強化やディスクロージャー強化などを盛り込んだSOX法が制定され、経営者の不正は厳罰化。虚偽記載は罰金も強化された上に、経営者は最長20年の懲役が科され、二度と上場企業の役員にはなれません。 日本では2007年に金融商品取引法ができたときに経営者の責任が重くされましたが、それでも最大で懲役10年。これは「軽すぎる」という議論もあります。 過去には長銀や日債銀の経営者がさんざん争った挙げ句に無罪となった事例もあり、東芝の歴代社長の立件に検察が及び腰になった原因だと言われています。検察は日産で失地回復を狙っているのではないでしょうか。しかし、ゴーン容疑者のケースでも、脱税や横領はまだしも、特別背任まで視野に入れるとすると、簡単な戦いではないはずです』、その通りだろう。

第三に、元東京地検特捜部検事で弁護士の郷原 信郎氏が11月29日付けJBPressに寄稿した「検察は本当にゴーン氏を起訴できるのか 「土俵際」に立たされた検察と朝日」を紹介しよう。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/54804
・『日本ばかりか世界中に衝撃を与えた「カルロス・ゴーン会長の逮捕」。報道で先行していた朝日新聞は、ゴーン氏の”疑惑”について続報を流すことに余念がないが、報じられる事実を見ていくと、ゴーン氏の起訴は容易ではなさそうだ。「企業のカネで私腹を肥やした強欲経営者」を排除したとして喝采を浴びたかに見える東京地検と朝日新聞だが、実はいま、ジリジリと土俵際まで追い詰められだした。元検事の郷原信郎弁護士が事件を分析する』、郷原氏は私が信頼する論者の1人なので、大いに注目される。
・『何が逮捕の容疑事実なのか  11月19日夕刻、東京地検特捜部は、日産自動車のカルロス・ゴーン会長とグレッグ・ケリー代表取締役を金融商品取引法違反の容疑で逮捕した。東京地検の発表によると、容疑事実は、「2015年3月期までの5年間で、実際にはゴーン会長の報酬が計約99億9800万円だったのに、有価証券報告書には合計約49億8700万円だったとの虚偽の記載をして提出した、役員報酬額の虚偽記載」ということだったが、一般的には虚偽記載罪は粉飾決算に適用されることが多く、役員報酬の虚偽記載というのは、これまで聞いたこともなかった。 検察当局が「ゴーン会長に対する報酬額を実際の額よりも少なく有価証券報告書に記載した」ということ以外、「役員報酬」の具体的な中身を全く明らかにしなかったため、肝心の、逮捕の容疑事実が判然としないまま、ゴーン氏の様々な「悪事」が暴き立てられ、ゴーン氏逮捕は「司法取引」を活用した検察の大戦果であったような「大本営発表的報道」が行われてきた』、「大本営発表的報道」とは言い得て妙だ。
・『逮捕の容疑事実については、断片的な情報や憶測が錯綜し、報道は迷走を続けてきたが、11月24日の朝日新聞と読売新聞の朝刊一面で、「虚偽記載」とされたのは、ゴーン氏が日産から「実際に受領した報酬」ではなく、「退任後にコンサルタント料等の別の名目で支払うことを約束した金額」だったことが報じられ、その後、ケリー氏側が、容疑事実について、「将来の報酬として確定していなかった」と主張して否認していることも報じられたことで、容疑事実が、退任後に支払予定の役員報酬だったことは、ほぼ間違いないと思える状況になっている』、なるほど。
・『退任後の「支払の約束」について記載義務はあるのか  実際に支払われていない、退任後に「支払の約束」をした金額について、有価証券報告書の「役員報酬」の欄に記載する義務があるかどうかについては、重大な疑問がある。 過去に現実に受領した役員報酬は、その手続きに重大な瑕疵があったということでもない限り、返還ということは考えられない。一方、退任後の「支払の約束」の方は、退任後に顧問料などの「別の名目」で支払うためには、日産側での改めて社内手続を経ることが必要となる。不透明な支払は、内部監査、会計監査等で問題を指摘される可能性もある。 仮に、今後、日産の経営が悪化し、大幅な赤字になってゴーン氏が引責辞任することになった場合、過去に支払う契約をしていたからといって、引責辞任した後の経営トップに「報酬」を支払うことは、株主に対して説明がつかない。結局、「支払の約束」の契約をしていても、事実上履行が困難になる可能性もある。 そういう意味では、退任後の「支払の約束」は、無事に日産トップの職を終えた場合に、支払いを受ける「期待権」に過ぎないと見るべきであろう。多くの日本企業で行われている「役員退職慰労金」と類似している。むしろ、慰労金こそ、社内規程で役員退職慰労金の算定式などが具体的に定められ、在職時点で退職後の役員退職慰労金の受領権が確定している典型的な例だが、実際に、有価証券報告書に慰労金の予定額を役員報酬額として記載した例は見たことがない。退職慰労金についてすら、役員報酬として記載されていないのが実情だ。 有価証券報告書の虚偽記載罪というのは、有価証券報告書の「重要な事項」に虚偽の記載をした場合に成立する犯罪だ。役員退職慰労金ですら、実際に記載されていない実情なのに、退任後に支払う約束をしただけの役員報酬が「重要な事項」に該当し、それを記載しないことで犯罪が成立するなどと言えないことは明らかだ』、説得力のある指摘だ。
・『「退任後の報酬」についての対応が分かれた読売・朝日  ゴーン氏の逮捕事実が「支払の約束」の虚偽記載に過ぎないとの11月24日の朝日新聞と読売新聞の報道を受け、翌25日に、私は【ゴーン氏事件についての“衝撃の事実” ~“隠蔽役員報酬”は支払われていなかった】と題する記事(ヤフーニュース)などで、上記の指摘を行った。それに対する11月27日朝刊での朝日と読売の報道は全く対照的なものだった。 読売は、1面トップで、【退任後報酬認めたゴーン容疑者「違法ではない」】という見出しで、ゴーン氏が、報酬の一部を役員退任後に受け取ることにしたことを認めた上で、「退任後の支払いが確定していたわけではなく、報告書への記載義務はなかった」と逮捕容疑を否認していると報じている。 その上で、3面で、【退任後報酬に焦点 報告書記載義務で対立】との見出しで、ゴーン氏の「退任後報酬」について、ある検察幹部は、「未払い額を確認した覚書」を作り、報酬の開示義務がなくなる退任後に受け取ることにした時点で、過少記載を立証できる」と強調する。との検察側の主張を紹介した上、「実際、後払い分は日産社内で積み立てられておらず、ゴーン容疑者の退任後、日産に蓄積された利益の中から支払われる予定だった。支払方法も顧問料への上乗せなどが検討されたが、決まっていなかった」などとして、記載義務があるとの主張を否定する方向の事実を指摘している。 それに加え、専門家見解として、金商法に詳しい石田眞得・関西学院大教授の「将来に改めて会社の意思決定が必要となるなど、受け取りの確実性に曖昧さが残る場合、罪に問えるかどうかは議論の余地がある」とのコメントを紹介し、「虚偽記載を立証できたとしてもハードルは残る。今回は、役員報酬の過少記載が同法違反に問われた初のケースだ。罪に問うほど悪質だと言うには、特捜部は、役員報酬の虚偽記載が投資家の判断を左右する“重要な事項”であることも立証しなければならない」との指摘も行っている。 この記事で読売新聞の論調は、私の上記記事とほとんど同趣旨であり、「退任後報酬」の有価証券報告書虚偽記載について疑問視し、検察を見放しつつあるように思えるが、朝日は、それとは全く対照的だった』、読売がスタンスを切り替えたのは大したものだ。
・『11月26日の朝刊の1面トップで、【私的損失 日産に転嫁か ゴーン前会長、17億円】と大きな見出しで、ゴーン前会長は日産社長だった06年ごろ、自分の資産管理会社と銀行の間で、通貨のデリバティブ(金融派生商品)取引を契約した。ところが08年秋のリーマン・ショックによる急激な円高で多額の損失が発生。担保として銀行に入れていた債券の時価も下落し、担保不足となったという。 銀行側はゴーン前会長に担保を追加するよう求めたが、ゴーン前会長は担保を追加しない代わりに、損失を含む全ての権利を日産に移すことを提案。銀行側が了承し、約17億円の損失を事実上、日産に肩代わりさせた。という事実を報じ、監視委は同年に実施した銀行への定期検査でこの取引を把握。ゴーン前会長の行為が、自分の利益を図るために会社に損害を与えた特別背任などにあたる可能性があり、銀行も加担した状況になる恐れがあると、銀行に指摘したという。特捜部は、ゴーン前会長による会社の「私物化」を示す悪質な行為とみている模様だ。などと、あたかも、特捜部が、この17億円の損失の「付け替え」の事実をゴーン氏の余罪として立件することを検討しているかのような書き方をしている。 朝日は、特捜部がゴーン氏が専用ジェット機で羽田空港に帰国するのを待ち構えて逮捕した時点から、「同行取材」し、直後に「ゴーン会長逮捕へ」と速報するなど、今回の事件の報道では「独走状態」だった。ゴーン氏の逮捕容疑が、「退任後の報酬」であることが明らかになり、果たして記載義務があるのか、それを有価証券報告書に記載しなかったことで犯罪が成立するのかについて重大な疑問が生じても、それを無視し、なおも、ゴーン氏を突然逮捕し、世の中に衝撃を与えた特捜部の捜査を正当化しようとする「従軍記者的報道」を続けているようだ』、「従軍記者的報道」とは朝日に対する痛烈な批判だ。羽田に「同行取材」するようでは、癒着も極まれりだ
・『今後の捜査・処分のポイント  そこで、今回のゴーン氏の事件に関して、今後ポイントとなるのは次の2点だ。 第1に、50億円の有価証券報告書の虚偽記載の容疑事実とされた「退任後の報酬」について、有価証券報告書への記載義務があるのか、仮にあるとしても、それを記載しないことが「重要な事項」の虚偽記載に当たるのかという点である。 この点については、読売新聞が、「後払い分は日産社内で積み立てられておらず、ゴーン容疑者の退任後、日産に蓄積された利益の中から支払われる予定だった」と報じていることに加え、日経新聞も、退任後の役員報酬についての引当金が計上されていないと見られることを指摘している。少なくとも、ゴーン氏の退任後に自動的に支払ができるものではなく、日産社内での手続や監査法人の対応等を経た上でなければ支払うことができないものであり、「支払が確定していた」と言えないことは明らかなので、この虚偽記載の事実での起訴が極めて困難であることは、もはや否定できない状況となっている』、検察はさぞかし焦っていることだろう。
・『そこで第2の問題は、逮捕容疑となっていることがほぼ確実な「退任後の役員報酬」についての有価証券報告書虚偽記載でゴーン氏の刑事責任を問えないとすると、ゴーン氏の刑事責任を問えるような事実が、他にあるのか、という点である。 逮捕直後の記者会見で西川社長が、「内部通報を受けての社内調査の結果、逮捕容疑の役員報酬額の虚偽記載のほか、『私的な目的での投資資金の支出』、『私的な目的で経費の支出』が確認されたので、検察に情報を提供し全面協力した」と説明したので、これらが、特別背任罪として立件されるのではないかとの観測もあった。 しかし、背任罪(特別背任罪も同じ)は、「自己又は第三者の利益を図る目的、本人に損害を与える目的」で、「任務に違反し」、「本人に財産上の損害を与えること」によって成立する。投資資金で海外の不動産購入を購入し、それをゴーン氏が自宅として使用していたとしても、自宅に使う目的で投資資金を用いて不動産を購入する行為は、「自己の利益を図る目的」で行われたと言う余地はあっても、果たして、「損害の発生」の事実があると言えるのか。不動産は会社の所有になっているのだから、購入価格が特に不利なものでなければ、「財産上の損害」は考えにくい。 「私的な目的で経費の支出」も含め、海外で行われた事実だとすると、それについて、海外で捜査を行うことができない(その国に「捜査共助」を求めるしかない)日本の検察当局が、そのような事実について刑事事件としての証拠を得ることは極めて困難だ。だからこそ、日産の社内調査で判明した事実の中から、ゴーン氏の逮捕事実として選定したのが、役員報酬についての有価証券報告書の虚偽記載だったということだろう』、「海外で行われた事実」には捜査の壁が高いという指摘は、さすが元検事だ。
・『17億円の損失の「付け替え」の報道  そして、前記の朝日の1面トップ記事で「退任後の役員報酬」だったことが明らかになった後に、ゴーン氏の個人的取引での17億円の損失の日産への「付け替え」が特別背任罪等に該当する可能性があるのではないか、という話が出てきた。しかし、この事実も、刑事事件としての立件がほとんど考えられないことは常識で考えれば明らかだ。 朝日の報道によると、銀行側がゴーン氏に担保を追加するよう求め、ゴーン氏は担保を追加しない代わりに損失を含む全ての権利を日産に移すことを提案し、銀行側が了承したというのであり、もし、この事実が特別背任罪に当たるとすると、銀行に対しても「特別背任の共犯」としての刑事責任を問わざるを得ない。 一方で、ケリー氏が関わった話は全く出ておらず、結局、この事実を刑事事件で立件しようとしても、現在逮捕されているゴーン氏、ケリー氏の「余罪」ではなく、当事者が全く異なる事件となる。 もし、この事実を刑事事件として立件するとすれば、検察は、「銀行側」の関与者の刑事責任をどう処理するのか、という点が重大な問題になる。 しかも、担保不足になった権利を日産に移した後、デリバティブ取引の最終的な損益がどうなったのかは、何も書かれていない。2008年から2010年までは、急激に円高が進み、100円前後から一時1ドル80円を割ったこともあり、上記の日産への権利移転はその時期に行われたと思われるが、2010年からドルは反転し、2011年には100円を突破している。結局、日産に移転されたデリバティブは、最終的に殆ど損失を生じなかった可能性が高い。「結果的に損失が発生しなかっただけ」と理屈を述べたところで、やはり、会社に損害を与えたことが背任罪の処罰の根拠となるのは当然であり、結果的に本人に与えた損害が大きくないのに、特別背任罪で立件されることは考えられない。 また、損失の「付け替え」が行われたのは2008年で、10年前のことであり、仮に犯罪が成立するとしても既に公訴時効が完成している(犯人が海外にいる期間は時効が停止するので、ゴーン氏が、その後10年間で3年以上海外にいた場合には、公訴時効が完成していないことも全くないとは言えないが、その可能性がどれだけあるのか)。このように考えると、朝日が大々的に報じ、他のメディアも追従した17億円の「損失付け替え」も刑事事件化される可能性は限りなくゼロに近いと言わざるを得ない』、「日産に移転されたデリバティブは、最終的に殆ど損失を生じなかった可能性が高い」、「公訴時効が完成している」などの指摘も鮮やかだ。
・『日本社会のみならず、国際社会にも衝撃を与えたゴーン氏逮捕は、西川社長ら日産経営陣が、本来、日産社内のガバナンスで解決すべき問題を、検察に情報提供し、検察官の権限という「武器」を恃んでクーデターを起こした事件であることは、当初から明らかだった。ゴーン氏の逮捕が正当なものであれば、そのような「武器」を用いたことも、社会的に是認される余地もあっただろう。しかし、これまでに明らかになった事実からすると、日産経営陣と検察の「暴走」であった可能性が高くなっていると言わざるを得ない。 今回の日産とカルロス・ゴーン氏をめぐる事件は、日本の経済界にとっても、検察の歴史にとっても「前代未聞」の事件であることは間違いない。それが今後どのように展開していくのか、日本社会も、マスコミも、事態を客観的に冷静に見守っていく必要がある』、「日産経営陣と検察の「暴走」」だったとすれば、国際的な「大恥」だ。どういう形で収束させるのだろう。

・ロイターが夕方発表したところによれば、「ルノー、日産、三菱自動車の3社は引き続きアライアンスについて完全にコミットするとの共同メッセージを発表。今後はゴーン容疑者が務めている開発や調達など共通の戦略を策定する統括会社「ルノー・日産BV」のトップ人選が、まず話し合いのテーマになるとみられている」、とのことである。実は、この発表を待って、このブログでは明日取上げようかとも思ったのだが、どうせ今日のところは形式的な話し合いだろうとして、今日取上げた次第である。いずれにしろ、ルノー・日産の綱引きがどうなるかも注目点だ。
https://jp.reuters.com/article/renault-nissan-mitsubishi-idJPKCN1NY117
タグ:朝日 ロイター 郷原 信郎 ダイヤモンド・オンライン JBPRESS 現代ビジネス 日産ゴーン不正問題 (その2)(「カルロス・ゴーン氏は無実だ」ある会計人の重大指摘、ゴーン不正の実態を会計から読み解く…金商法違反 脱税 特別背任 八田進二・青山学院大学名誉教授に聞く、検察は本当にゴーン氏を起訴できるのか 「土俵際」に立たされた検察と朝日) 細野 祐二 「「カルロス・ゴーン氏は無実だ」ある会計人の重大指摘 そもそもの罪が…」 『公認会計士vs特捜検察』 本件の罪、成立せず 巨額の経済的便益を受けていたことと有価証券報告書虚偽記載罪は何の関係もない これらの経済的便益が「有価証券報告書虚偽記載罪」の犯罪構成要件を満たすためには、①問題となる経済的便益が、会計基準上有価証券報告書に記載すべき事項(=犯罪事実)であり、かつ、②ゴーン前会長自身が、本件経済的便益は会計基準上有価証券報告書に記載すべきものと知りながら、敢えて不記載としたという認識(=故意)がなければならない 「有価証券報告書虚偽記載」は故意犯なので、ゴーン会長に故意が認定できなければ、本件の有価証券報告書虚偽記載罪は成立しない 海外の高額マンションの購入は、日産自動車が資産を買って、それをゴーン氏が専属的に使用していた、というだけのことだ。そこには損失が発生しておらず、したがってこれは会計基準上の役員報酬とはならない ゴーン前会長が報酬を得ていたとされるオランダ法人なるものは、連結対象会社ではない。非連結子会社から得た役員報酬は内閣府令が定める連結役員報酬に該当しない 40億円のSRS 費用処理の勘定科目が役員報酬となっていたかどうかで、この時代のSRSは税務上損金算入が認められていなかったので、役員報酬ではなく「交際費」と処理された可能性が高く、そうであれば、交際費でも役員報酬として開示しなければならないというヤヤコシイ会計基準を、ゴーン社長が認識していたかどうかにあ これは東京地検特捜部による日産自動車の内紛に対する民事介入ではないか 「ゴーン不正の実態を会計から読み解く…金商法違反、脱税、特別背任 八田進二・青山学院大学名誉教授に聞く」 <論点1>「退任後の報酬」は記載すべきか? 会社がどういった処理をしているかを、詳しく見ていかなければ分からないでしょう <論点2>「住宅の無償供与」は脱税行為にもなる <論点3>会社側はどの程度悪いのか? 取締役たち全員が、ゴーン容疑者とほぼ同罪である <論点4>監査法人の責任は? <論点5>金額は決して大きくないけれど… 脱税や横領はまだしも、特別背任まで視野に入れるとすると、簡単な戦いではないはずです 「検察は本当にゴーン氏を起訴できるのか 「土俵際」に立たされた検察と朝日」 何が逮捕の容疑事実なのか 「大本営発表的報道」 退任後の「支払の約束」について記載義務はあるのか 退任後の「支払の約束」の方は、退任後に顧問料などの「別の名目」で支払うためには、日産側での改めて社内手続を経ることが必要となる 退任後の「支払の約束」は、無事に日産トップの職を終えた場合に、支払いを受ける「期待権」に過ぎないと見るべきであろう 有価証券報告書の虚偽記載罪というのは、有価証券報告書の「重要な事項」に虚偽の記載をした場合に成立する犯罪だ。役員退職慰労金ですら、実際に記載されていない実情なのに、退任後に支払う約束をしただけの役員報酬が「重要な事項」に該当し、それを記載しないことで犯罪が成立するなどと言えないことは明らかだ 「退任後の報酬」についての対応が分かれた読売・朝日 罪に問うほど悪質だと言うには、特捜部は、役員報酬の虚偽記載が投資家の判断を左右する“重要な事項”であることも立証しなければならない 通貨のデリバティブ ゴーン前会長は担保を追加しない代わりに、損失を含む全ての権利を日産に移すことを提案。銀行側が了承し、約17億円の損失を事実上、日産に肩代わりさせた 羽田空港に帰国 「同行取材」 「従軍記者的報道」 今後の捜査・処分のポイント 、日産社内での手続や監査法人の対応等を経た上でなければ支払うことができないものであり、「支払が確定していた」と言えないことは明らかなので、この虚偽記載の事実での起訴が極めて困難 ゴーン氏の刑事責任を問えるような事実が、他にあるのか 自宅に使う目的で投資資金を用いて不動産を購入する行為は、「自己の利益を図る目的」で行われたと言う余地はあっても、果たして、「損害の発生」の事実があると言えるのか。不動産は会社の所有になっているのだから、購入価格が特に不利なものでなければ、「財産上の損害」は考えにくい 海外で行われた事実だとすると、それについて、海外で捜査を行うことができない 17億円の損失の「付け替え」の報道 ゴーン氏は担保を追加しない代わりに損失を含む全ての権利を日産に移すことを提案し、銀行側が了承したというのであり、もし、この事実が特別背任罪に当たるとすると、銀行に対しても「特別背任の共犯」としての刑事責任を問わざるを得ない 日産に移転されたデリバティブは、最終的に殆ど損失を生じなかった可能性が高い 損失の「付け替え」が行われたのは2008年で、10年前のことであり、仮に犯罪が成立するとしても既に公訴時効が完成している 日産社内のガバナンスで解決すべき問題を、検察に情報提供し、検察官の権限という「武器」を恃んでクーデターを起こした事件 日産経営陣と検察の「暴走」であった可能性が高くなっている ルノー、日産、三菱自動車の3社は引き続きアライアンスについて完全にコミットするとの共同メッセージを発表
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