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ハラスメント(その10)(続・代表取締役の辞任を迫った百十四銀行のガバナンスと内部統制、「組織の病」を見過ごすトップと指導という詭弁 ガイドラインでは不十分…パワハラ防止措置の法制化を、「高3自死事件」遺族が国と面談を望んだ理由 日本バレーボール協会も異例の対応に動いた) [社会]

ハラスメントについては、昨年9月18日に取上げた。今日は、(その10)(続・代表取締役の辞任を迫った百十四銀行のガバナンスと内部統制、「組織の病」を見過ごすトップと指導という詭弁 ガイドラインでは不十分…パワハラ防止措置の法制化を、「高3自死事件」遺族が国と面談を望んだ理由 日本バレーボール協会も異例の対応に動いた)である。

先ずは、山口利昭弁護士が昨年11月2日付けビジネス法務の部屋に掲載した「続・代表取締役の辞任を迫った百十四銀行のガバナンスと内部統制」を紹介しよう。
http://yamaguchi-law-office.way-nifty.com/weblog/2018/11/post-63bb.html
・『10月30日のエントリー「代表取締役の辞任を迫った百十四銀行のガバナンスと内部統制」(以下「前回エントリー」と表記します)の続編であります。10月30日時点では、百十四銀行さんのスキャンダルがどのような経緯で表面化したのかわかりませんでした。しかし昨日(11月2日)発売のZAITEN12月号の記事を読み、ようやく納得いたしました。この百十四銀行さんの事件がZAITENで表に出る前に、同行が自社の対応を公表することにした可能性が極めて高いと思われます。 しかし地銀トップのスキャンダルを調べ上げ、(推測にすぎませんが)社内処分をリリースさせたZAITENもなかなか、ですね。本エントリーをお読みの皆様の会社で同じことが起きた場合、ZAITENさんの記事が掲載される前に動きますか?それとも様子見ですかね? 会長および執行役員とともに、取引先との宴会に同席させた「女性社員」とは、20代の入社まもない行員だったそうです。前回エントリーでは「幹部候補であれば問題ないのでは」と書きましたが、このZAITENさんの記事が真実だとすればちょっと元会長さん、執行役員さんを弁護する余地(善解の余地)はなさそうです。しかし本当に取引先の要望で新入の女性行員を同伴させたというのは・・・・・ちょっと信じられないですね(ZAITEN誌によると、現実に取引先から「セクハラの範疇を超えた不適切行為」があったということですから)』、この事件は10月30日付け日経新聞でも簡単に取上げられただけだったので、よく分からなかった。山口氏の説明でも、宴席に「取引先の要望で新入の女性行員を同伴させた」理由、など不明な点はあるが、重要な取引先であるにしても、百十四銀行のやり方は酷過ぎる。
・『また、前回エントリーでは、百十四銀行さんの内部統制やガバナンスには一定の評価が与えられるのでは・・・と述べましたが、ZAITENさんと百十四銀行さんの広報とのやりとりを読みますと、あまり社内処分や公表には熱心ではなかったことが窺えます。このようにZAITENさんのスキャンダル記事が掲載される予定を知って処分を公にした・・・・ということであれば、ちょっとガバナンスや内部統制を前向きに捉えることには躊躇いたします(つまり前記エントリーの一部を訂正したいと思います)。さらに、内部通報が同行に届いた事実は間違いないようですが、しかし通報事実がZAITENのもとに届いている事実も間違いないわけですから、同行の通報受理後の調査に問題があったことが推測され、この点からも内部統制が有効に機能していたかどうか疑問が残ります。 なお、前回エントリーにおきまして、 ①けっして経営トップが不適切行為に及んだわけではないものの、取引先の行為を制止できなかった点を問題視して社内調査に持ち込んだ経緯や、②穏便にすまそうとした社内の空気を社外取締役が一切読まずに正論で押し切った経緯、③そして会食が行われた2月から通報があった5月までの間、社内で本件はどう扱われていたのかなど、もう少し詳しく知りたいところです と書きましたが、ZAITENの記事を読んでも、そのあたりは明らかにはなりませんでした。とくに社外取締役が、当初の社内処分に異を唱え、外部弁護士による調査に持ち込んだ経緯については、上記記事にも何ら掲載されていません。むしろこのZAITENさんの詳細な記事と百十四銀行さんの記者説明とのギャップから推測しますと、銀行自身が自浄作用を演出したような穿った見方も成り立ちます(おそらくそんなことはない、とは思いますが・・・)。会長さんは社外取締役も辞任されたそうなので、今後は「これで収束」ということになるのかもしれませんが、ZAITEN記事によって真相はさらに闇の中に埋まっていくような気がいたしました。百十四銀行さんの内部統制、ガバナンスが果たして評価できるものであったのか、それとも私の推測が間違っていたのか、どこかで第二報が出てくることを期待しております』、「穏便にすまそうとした社内の空気を社外取締役が一切読まずに正論で押し切った」ということであれば、社外取締役にも大いに存在意義があることを実証した形だ。

次に、健康社会学者の河合 薫氏が11月13日付け日経ビジネスオンラインに寄稿した「「組織の病」を見過ごすトップと指導という詭弁 ガイドラインでは不十分…パワハラ防止措置の法制化を」を紹介しよう。
https://business.nikkei.com/atcl/opinion/15/200475/111200190/?P=1
・『「とにかく遅刻が多い。何度注意してもいっこうに直らない。『電車が遅れた』『乗り換えを間違えた』だの言い訳を繰り返すんです。先日も顧客との打ち合わせの時間に遅れて、相手をカンカンに怒らせましてね。僕も堪忍袋の緒が切れて、かなり強めに叱ってしまったんです。 そしたらなんとパワハラだと訴えられた。これをパワハラって言われてしまったら、部下の指導なんかできないですよ」 さて、これはやっぱり「パワハラ」? あるいは「指導の範囲」? どっちでしょ? 実はこれ、厚労省の「職場のパワーハラスメント防止対策についての検討会」(パワハラ検討会)がまとめた報告書で、「パワハラに該当するか、該当しないか」を判断する具体例として示された事例を、私が口語体にしたものである。 正式な記載は以下。「遅刻や服装の乱れなど社会的ルールやマナーを欠いた言動・行動が見られ、再三注意してもそれが改善されない部下に対して上司が強く注意をする」で、報告書ではこれを、「パワハラ……じゃない」とジャッジ。上司の業務の適切な範囲であり、部下への指導としている。 その根拠としたのが、パワハラ検討会が決めた「パワハラの定義」だ。次の3つの要素をいずれも満たすものを、新たな「職場のパワーハラスメントの概念」としたのである(「新たな」とした理由についてはのちほど)。 (1)優越的な関係に基づいて(優位性を背景に)行われること (2)業務の適正な範囲を超えて行われること (3)身体的もしくは精神的な苦痛を与えること、又は就業環境を害すること 冒頭のケースでは、「部下の遅刻問題」を上司が強く叱責することは、「上司の指導」の一環であり、「精神的苦痛を与える」とは言いがたい。(1)は満たすが、(2)と(3)は該当しない。 ちなみに「業務の適正な範囲を超えて行われること」とは、「社会通念に照らし、当該行為が明らかに業務上必要ない、又はその態様が相当でないものであること」を意味する。 具体的には、次のような行為が相当する。 ・業務上明らかに必要性のない行為 ・業務の目的を大きく逸脱した行為 ・業務を遂行するための手段として不適当な行為 ・当該行為の回数、行為者の数等、その態様や手段が社会通念に照らして許容される範囲を超える行為 冒頭のケースでは、部下は再三注意されていたにもかかわらず、遅刻を繰り返した。なので、どんなに部下が「あれはパワハラです!」と訴えてもパワハラにならないのである。 では、次の場合はどうだろうか? 「強く叱る」だけではなく蹴りを入れたり、「親の顔が見てみたいよ!」とか、「どんな育てられ方したんだ!」とか、「だから〇〇大学のやつはダメなんだよ!」といった言葉が加わったら? ……はい、アウト!です。れっきとした「パワハラ」である。 暴力は「業務上明らかに必要性のない行為」で、「身体的苦痛」をもたらす。「生まれや育ち」に触れたり、容姿、あるいはプライベートなど、人格に関わる言葉は、「業務の目的を大きく逸脱した行為」で、「精神的苦痛」。(1)、(2)、(3)のすべてに該当し、3つの要素すべてを満たすため「パワハラ」なのだ』、きちんとした「パワハラ定義」が出来たことは、管理者にとっては朗報だ。
・『検討され尽くした「パワハラ定義」  では、もしみんなの前で叱責されたらどうだろうか? (3)の「精神的苦痛」や「就業環境を害する」には該当するが、(2)には必ずしも該当しないので、パワハラとは言いがたい。しかし、もし、わざわざみんなの前で立たせて、見せしめのように叱責した場合は、「業務を遂行するための手段としては不適当な行為」なので「パワハラ」。 じゃあ、冒頭の上司が、連日連夜、部下に深夜残業を課し、部下の睡眠時間が著しく取れない状況での遅刻だったら? 「パワハラじゃないよ。遅刻したヤツが悪いんだよ!」 いやいや、そんなことはない。連日連夜の残業の強制は、パワハラ6類型の「業務上の過大な要求」(のちほど説明)にあたり、結果として(1)(2)(3)のすべてに該当するのでアウト。部下は泣き寝入りしなくてすむ。堂々と「パワハラです!」と談判して大丈夫だ。 ……ふむ、実によく検討され尽くした「パワハラ定義」だ。 もちろん、すべてのケースで100%白黒つけられるわけではない。しかしながら、境界線のグレー部分がかなり薄められ、会社側、働く人側、それぞれの立場に立ち、さまざまな角度から検討した末にたどり着いた「3つの要素」であることは容易に想像できる。 一年ちょっと前の17年7月。これまでのパワハラ対策の問題点と、件の検討会発足を受け、こちらのコラムに私なりの意見を書いた(上司の虐待を擁護するニッポンの闇 指導とパワハラの境界線はどこだ)。 「セクハラは“受け手主観”で決めるべきだが、パワハラには、もっときちんとした線引きが必要なんじゃないか」と。「“虐待”と“パワハラ”を分け、“継続的”という文言も重要視してほしい」と訴えた。むろん検討委員会が私のコラムごときを参考にしたとは思えないが、当時「指導とパワハラの境界線」で派生していた問題は大かた解決できると考えている。 報告書では、冒頭の事例とは別に、典型的なパワハラ6類型を次のようにまとめている(報告書より河合作成)。検討グループでは、11年度に設置されたワーキンググループが示した「パワハラ定義と6つの行為類型」を踏まえ、先の3つの要素(1)(2)(3)を加えたのだ。(表はリンク先参照) いかがでしょうか。 完全ではないかもしれない。 しかしながら、「だって、ちょっと叱っただけで、パワハラと言って、翌日から来ないんですよ」「だって、社会人としてのレベルに達してない輩が多いのに、どこまで手取り足取り育てなきゃいけないんですか?」「上司が萎縮して指導ができないですよ」「中小企業の中には、強めの指導ができないと営業成績が落ちるところもあるでしょ」……etc etc. といった、上司たちの懸念をかなり払拭できる内容である』、表は確かによく出来ているようだ。
・『経営側の主張にあきれている  「これやっちゃダメ」「あれ言っちゃダメ」とダメ、ダメ、ダメだらけにするより、「〇〇はパワハラにはならない」という指標があれば、「指導とは何か」が考えられる。上司を悩ます「受け手にすべて決定権がある」という暗黙の了解に、くさびを打ち込んでくれたのだ。 が、経営側はこれでも物足りないらしい。何が何でもNO!「指導との境界線が~」とのたまい続けているのである。 11月6日に行われた労働政策審議会(厚労相の諮問機関)の分科会で、職場のパワハラの対策として、企業に「防止措置を義務付ける法整備」が提案された。ところが、経営側はこれまでどおり、「パワハラと業務上の指導の線引きが困難だ。いきなり法による措置義務を課すことは慎重であるべきだ」と繰り返したのである ……私は、パワハラがこれだけ社会問題化する中で、社員を守るための法的義務を回避しようとする経営側の姿勢に正直なところ、あきれている。申し訳ないけど、それ以上でもそれ以下でもない。ただただあきれているのだ。 あの時もそうだった。もう10年以上前になるが、過労死ラインとなる残業時間を議論する検討会で研究者側が「60時間」を主張するも、最後の最後まで経営側は受け入れず、「100時間」を訴え続けた。結果的に、苦肉の策として、「発症前2か月間ないし6か月間にわたって、1か月当たりおおむね80時間を超える」、あるいは「発症前1か月間におおむね100時間」という基準が定められた。当時、大学院生だった私は、傍聴席でこの議論を聞きながら、本当に残念に思った。 働き方改革関連法の議論の時も、まったく一緒だった。罰則付きの残業時間規制は、結局、経団連が主張する「繁忙期月100時間案」を連合が認める形となった。政府は「労働基準法の制定以来、70年ぶりの大改革」と胸を張るが、「100時間未満」とわざわざ「未満」にするという姑息な手段で、「100時間」とされる過労死ラインを“クリア”した。 これだけパワハラが社会問題になり、働く人の心身をむしばみ、最悪の場合、死に至る人まで出ているというのに。いったいどこまで、経営側は「きちんと経営すること」から逃げようとするのか。経営者は「最後は人。人材じゃなく、人財」と豪語するくせに、「働く人」への責任を負うのをとことん嫌う。 今回も、「義務化は中小企業の足かせとなる。ガイドラインで周知することが現実的だ」と、なんら強制力のない“ガイドライン信仰”を繰り返した。いったいこの国の経営者は、どれだけガイドラインが好きなのだろうか? そして、できあがったガイドラインに、本当にきちんと対応しているのだろうか? しかも、何かというと「中小企業が~」と、中小企業のせいにするのはいかがなものか。 私の知る限り、中企業だろうと小企業だろうと、働く人たちが生き生きと働く“健全な”経営をしている会社はたくさんある。そういった会社には、パワハラは存在しない。 パワハラは個人の問題ではなく、組織の問題である。数字だけを追いかけ、高すぎるノルマや過剰なプレッシャーを働く人にかけ、長時間労働、不公平感だらけの雇用形態といった「組織の病巣」を抱える企業で、パワハラは横行する。 風通しのいい職場を目指すこと、職場風土をよくすること、すべての社員が生き生きと働ける元気な職場づくりをすることが、パワハラ対策になる。 パワハラをなくせば組織が元気になるのではなく、元気な組織にはパワハラは起きないのだ。 パワハラは「組織の病」だ。経営側はその病を個人の問題とし、「指導」という体のいい言葉で組織の病巣を隠し、法的義務化反対の言い訳に、「中小企業」を持ち出し、責任逃れをする。 確かに、従業員1000人以上の大企業の88%がパワハラ対策を講じているのに対し、99人以下の中小企業は26%にとどまる(詳しくはこちら)。 だが、対策のほとんどが「従業員向け相談窓口」で、なんでもかんでも相談窓口を作れば、それで「オッケー!」? そんなわけはない』、経営側の責任逃れは、いつものこととはいえ、酷いものだ。
・『「相談窓口」の存在を知っているのか  そもそも「相談窓口」の存在を、働く人たちは知っているのか? 知っている人たちは、「相談窓口」に救われているのか? 実態調査の結果によれば、「相談窓口の設置」については、企業が実施していると回答した割合は、82.9%であるにもかかわらず、従業員が把握していると回答した割合は45.5%。勤務先がパワハラ予防・解決に「積極的に取り組んでいる・取り組んでいる」という回答者で過去3年以内のパワハラ経験者であっても、「相談窓口」の利用者は8.6%で、「何もしなかった」が41.8%と圧倒的多数だ。 「相談しても解決にならない」「相談することにより職務上不利益が生じる」 と考え、踏みとどまる。 相談窓口を作るなら、そこで働くすべての人が「最後はあそこに相談にいけばいいんだ」という意識を持たせることが必要不可欠。 そういった手間がかかる作業をせずに、ただ単に「窓口作った。はい、オッケー!」という茶番が、境界線をますます曖昧にさせるのだ。 「何? 相談がない? そっか、うちの会社にはパワハラはないんだな」「え? 相談のほとんどが『客観的にみたら、それパワハラじゃない』というものばかりだって? 本人のストレス耐性の問題だな」 ……といった具合に。 だが、もし「防止措置を義務付ける法整備」が創設されれば、経営側も働く側も意識が高まり、今ある「窓口」がもっと有効に使われることも期待できるし、職場風土の改善も含めて、「パワハラをなくすために必要なことは何か?」という問いを、企業が自ら問いかけるきっかけにもなる』、説得力溢れる主張だ。
・『企業とそのトップが取り組むことが絶対条件  それでももし「中小企業は……」というのであれば、長時間労働と同じように猶予期間を設ければいい。厚労省委託事業として、無料のパワハラセミナーや、無料のコンサルなども行われているので、そういったものを中小企業が優先的に利用できるようにするとか、いくらでも対策は取れるはずだ。 「指導」という言葉でパワハラがまかり通っていた昭和の時代にも、理不尽な扱いに悩んだ人はいたはずだし、恐らくそういう人は誰に話すこともできず、ひたすら耐えた。中には、耐えきれずに会社をひっそりと辞めていった人だっているかもしれない。 「時代が変わったから」かつては許された行為が許されなくなったわけじゃない。元々、許されない行為なのだ。 時代に関係なく、理不尽な言動は人を傷つける。 もうやめませんか。家に帰れば、自慢の娘や息子、尊敬されるお父さんやお母さんを苦しめることを。職場のハラスメントなんかで、人をうつや自殺に追い込んでいいわけないでしょ』、「「時代が変わったから」かつては許された行為が許されなくなったわけじゃない。元々、許されない行為なのだ」というのは、パワハラ問題の本質を再認識させられた。

第三に、フリーライターの島沢 優子氏が12月8日付け東洋経済オンラインに寄稿した「「高3自死事件」遺族が国と面談を望んだ理由 日本バレーボール協会も異例の対応に動いた」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/253662
・『「自分の関わった競技で子どもが自分で命を絶つなんて……。本当に申し訳ない……」 岩手県立不来方高校(紫波郡矢巾町)男子バレーボール部3年の新谷翼さん(当時17)が7月に自死した問題。遺族に文書で面会を求められた日本バレーボール協会専務理事の八田茂さん(61)は、筆者の取材で涙をにじませた。 サッカーJリーグのキャリアサポートセンター長や日本オリンピック委員会(JOC)のキャリアアカデミー責任者を歴任。昨年8月に協会外部から初めて専務理事に登用された。サッカーをはじめスポーツの強化育成に関わってきただけに、無念さが込み上げたのだろう』、八田茂専務理事のような立派な指導者が、スポーツ界にいたとは嬉しい驚きだ。
・『バレーボール協会専務理事が異例の面会  「第三者委員会の結果は出ていないからといって当該競技に関係する私たちが知らん顔はできない。まずは遺族の気持ちを考えるのが人間としての筋だと思う。こちらに来ていただくのでは申し訳ない。こちらからご焼香に伺いたい」と面会の意思を示した。 過去記事でも報じたとおり、翼さんは「ミスをしたらいちばん怒られ、必要ない、使えないと言われました」などと、顧問から受けた暴言の詳細を記した遺書を残していた。さらに岩手県教育委員会が実施した調査でも、「おまえのせいで負けた」などと顧問からなじられていたことを一部生徒が証言している。 これらの事実から、父親である聡(さとる)さん(51)は、顧問の男性教師(41)による間違った指導が自死の原因だと主張しているが、学校や顧問は認めていない。 また、前任の盛岡一高での暴力を元生徒に訴えられ係争中だったこの教師を顧問に置いた学校や県教育委員会の責任も問うているが、今もって第三者委員会の立ち上げさえメドが立たない。当時を知る翼さんの同級生たちが来春卒業してしまえば、調査は難航しかねない。このため遺族は11月16日付で、教師に対し刑事告訴を行った。 部活の現場における生徒へのパワハラは、この岩手の案件だけではない。10月には松本国際高校(長野県松本市)の男子バレー部監督(62)が、部員への暴力を含めたパワハラを認め辞任した。前任の岡谷工業高校で全国制覇の実績を持つ指導者だったが、暴力に頼る指導を継続させていたのだ。亡くなった翼さんは18歳以下のバレー日本代表候補だったが、松本国際にも日の丸をつける選手がいる。 八田専務理事は「どちらも決して起きてはいけないこと。体罰根絶の取り組みの整備、運用はそれなりに行ってきたが、それが決定打になっていないのかもしれない」と残念そうに話す。 ふたつの案件を踏まえ、同協会では来年2月、「暴力の撲滅に向けた強化策の提案・実施を行う」(八田専務理事)緊急プロジェクトを立ち上げる予定だ。 ひとつの案としては、協会オリジナルの指導者ライセンスを整備し、暴力やパワハラに頼らない指導について、再教育の機会を作ることだ。選手のすべての年代において競技団体独自の指導者資格が存在するのは目下のところ日本サッカー協会のみで、これにバスケットボール協会が続く。 さらに、2月に開催される全国春の高校バレーボール選手権大会(春高バレー)の際に、改めて日本バレーボール協会として、暴力とパワーハラスメントの根絶を宣言。啓もうのための策を考えていくという。 バレーボールの暴力案件が連続したとはいえ、当該の協会および連盟の実務的なトップポジションにあたる専務理事が被害に遭った選手の家族と面会するケースは異例のことだ』、岩手県教育委員会のお粗末な対応には、開いた口が塞がらないが、「教師に対し刑事告訴」は当然のことだ。さらに、損害賠償の民事訴訟も起こすべきだろう。バレーボール協会が「協会オリジナルの指導者ライセンスを整備」するのは、望ましい責任ある対応だ。
・『桜宮事件では協会は動かなかった  2012年12月に大阪の市立桜宮高校のバスケットボール部員(当時2年)が顧問による暴力やパワハラを苦に自殺。それを機にスポーツ界と全国高等学校体育連盟および日本中学校体育連盟は2013年に暴力行為根絶宣言をした。バレーボール協会も当時、会長名で「暴力行為には体罰のような肉体的な暴力だけではなく、暴言・脅迫・威圧・侮辱といった相手を精神的に傷つける行為も含まれる」とメッセージを発表している。 部員の自死はそのくらい重大な事件だったが、亡くなった部員の遺族が協会に面会を求めても当時の日本バスケットボール協会は応じていない。国際バスケットボール連盟(FIBA)から2リーグ制や組織の改変を求められ混乱の真っただ中にあったためともいえるが、そもそも責任の所在があいまいだった。 中高の運動部に所属する生徒は、当該競技の協会・連盟に登録しながら、中体連や高体連にも所属する。学校内の活動なので、教育委員会も関わってくる。一見、多くの機関に守られているように映るが、実は顧問の指導や運営の問題の有無をチェックできるのは学校のみだ。 匿名を条件に取材に応じてくれた岩手県のバレーボール指導者の男性は、翼さんの死を知ったとき、別の指導者らと「やっぱり、また、やらかしたか」と話したそうだ。顧問が、盛岡一高で暴力事件を起こし裁判中であることを知っていたからだ。 「不来方の監督はチームを指導するような資質のある人間ではなかった。負けると、生徒を体育館の隅に集合させ、ずっとミスした子を罵倒していた。常に怖い顔をして、ただ、ただ、生徒を責めるだけ。そんなところを見ても学校は見て見ぬふりをしていたのか。そういう態度を間違っていると感じなかったのか」と男性指導者は疑問を呈する。 だが、過去に取材した学校の管理職は「好成績を上げる運動部の顧問には、なかなか対等に話ができない」と漏らしていた。成績のいい部活動は学校にとっての名誉でもあり、それは地域や保護者をも巻き込む。「目指せ!全国大会!」と熱くなる保護者を前に「指導を見直せ」とは言えない。「このくらいは、まあいいか」と甘くなるのではないか。 松本国際に続き、熊本県九州学院高校ラグビー部、全国大会常連の山梨県富士学苑高校女子バスケットボール部と、強豪チームでの監督による暴力事件が続いている。 名古屋経済大学高蔵高校(愛知県名古屋市)の野球部では、元プロ野球選手だった監督(47)が部員に暴力を振るう動画が流出。学校側は「暴力は初めて」と説明したが、テレビの取材で生徒は「ここまで激しいのはなかった」と過去にもあったことを認めるような発言をしている。 殴った、殴らないの話ではなく、怒鳴り続けるなどパワハラ的指導が常態化していなかったか、生徒が自由に主体的に取り組める部活マネジメントができていたのかといった観点で話す学校のトップを筆者は聞いたことがない』、こんなにも問題が頻発しているのであれば、部活マネジメントについて、全国的に文科省が取り組むべき喫緊の課題だろう。
・『オリンピックを機に暴力の徹底廃止を  多くの学校において、暴力に対する感度は決して高くない。ただ相次ぐ暴力事件を契機に、「ノーモア暴力・パワハラ」の気運が高まりつつある。このところの暴力事件をめぐる報道は、内部通報がきっかけのものが多いが、それが増えているのは、部活における暴力への疑念が増しているからだろう。春から続いたスポーツ界の不祥事によって、スポーツ現場での暴力やパワハラに関する意識が向上した背景がある。 暴力に頼らない指導や運営に精通した競技団体は、今後現れるかどうか。 「競技団体が指導者教育をしっかりやってくれと、スポーツ庁やJOCからも言われている。バレー界は2020を境に、暴力やパワハラと完全に決別する。それを東京五輪のレガシーにできればと思っている」とバレーボール協会の八田専務理事は決意をのぞかせた。 本格的な根絶を打ち出そうとしている同協会が、ひとつの手本になるかもしれない。 聡さんは11月12日、スポーツ庁の鈴木大地長官と面会をした。居住地の仙台にスポーツシンポジウム出席のため訪れることを新聞報道で知り、スポーツ庁へ直接連絡し、面談を取りつけたのだった。 シンポジウム前の短い時間ではあったが、長官に遺書を見せ「息子のような若者を二度と出さないためにも」と、暴力根絶へいっそう尽力することを約束してもらった。 「暴力やパワハラを減らしていくため、あらためてスポーツ界全体でしっかり取り組まなければならないと思っている。周知徹底を図ります」。鈴木長官は筆者ら報道陣の前で、そう決意を示した』、鈴木長官の決意が、口先だけに終わることのないよう見守っていきたい。

なお、明日から23日まで海外に行く予定である。パソコンも持って行くつもりだが、このブログの更新は不定期にならざるを得ないことを、予めお知らせしておきます。
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