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統計不正問題(その1)(アベノミクスの土台揺るがす厚労省「勤労統計不正調査」の衝撃度、統計不正キーマン“幽閉” 安倍内閣の呆れる「隠蔽ドミノ」、統計不正問題でフタをされてはならない「霞が関の病理」という本質論) [国内政治]

今日は、統計不正問題(その1)(アベノミクスの土台揺るがす厚労省「勤労統計不正調査」の衝撃度、統計不正キーマン“幽閉” 安倍内閣の呆れる「隠蔽ドミノ」、統計不正問題でフタをされてはならない「霞が関の病理」という本質論)を取上げよう。

先ずは、1月31日付けダイヤモンド・オンライン「アベノミクスの土台揺るがす厚労省「勤労統計不正調査」の衝撃度」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/192488
・『昨年の「働き方改革国会」での労働時間のデタラメ調査に続いて、またもや厚生労働省で「毎月勤労統計調査」(毎勤)の不正が発覚した。 賃金を把握するための基本的な調査の不正は、15年間にも及んでおり、組織的隠ぺい、虚偽報告、資料廃棄と、日を追うごとに疑惑が深まっている。 22日には、外部有識者らによる特別監査委員会が中間報告を発表、それを受けた形で鈴木俊彦事務次官ら計22人の処分が発表され、「幕引き」が図られたが、混乱は収まりそうにない。 特別監査委が行ったとしていた担当職員らに対する聞き取りが、実は「身内」である厚労省職員によって行われていたり、報告書の“原案”を厚労省が書いていたりという「お手盛り」が発覚。批判を受け、根本匠厚労相は2日後、一部の調査の「やり直し」を表明した。 「賃上げ」を成果として強調してきたアベノミクスの土台を揺るがしかねない事態になりつつある』、かつての内務省の流れを汲む中央省庁でこんなことが起きたとは、信じられないようなお粗末な出来事だ。
・『予算案の閣議決定をやり直し 賃金指標など修正  深刻なのは、勤労統計を基に経済の状況を示すさまざまな指標で修正が行われ、政府の統計自体への不信感が広がっていることだ。 例えば、毎月勤労統計を再集計した結果、毎月の名目賃金を示す「現金給与総額」の伸び率は2012~17年が上方修正される一方で、2018年以降はすべて縮んで下方修正された。 国内総生産(GDP)や景気判断の根拠の1つになる「雇用者報酬」も下方修正された。この結果、日本経済の立ち位置すらもあいまいになる事態なのだ。 安倍政権が受けた衝撃も大きかった。まず迫られたのは、来年度予算案の“修正”だ。 賃金水準を基に決まっている雇用保険や労災保険、船員保険などに、合わせて795億円もの追加給付と必要経費が発生したからだ。 「長年にわたり不適切な調査が行われ、統計の信頼が失われる事態が生じたことは誠に遺憾」(安倍晋三首相) 「とにかく、極めて遺憾なことだ」(麻生太郎財務相) 「統計法の規定に則していなかったと考えられる。甚だ遺憾」(菅義偉官房長官) 1月18日に、昨年末にいったん行った来年度予算案の閣議決定をやり直した際には、安倍政権のトップ3が、立て続けに「遺憾」を表明せざるを得なかった。 そもそも不正調査はなぜ行われたのか』、安倍政権のトップ3、なかでもスネに傷をもつが麻生までも「遺憾」表明とは白々しい。
・『ルール違反の抽出調査に04年から切り替え  「不正」を、厚労省が認めたのは昨年12月13日、統計委員会長との打ち合わせの場だった。 出席した厚労省や総務省の担当者を前に、委員長の西村清彦氏(元日銀副総裁)が、「毎勤」の結果について詳細な分析の必要性を提起した。 2018年に入り、現金給与総額の伸び率が目立って高くなっていたことに、一部のエコノミストらが疑問を投げかけ、「不正確性」が指摘されていたからだ。 西村委員長が、この問題を統計委員会のテーマにする考えを示したところ、厚労省の担当者が事もなげに、こう発言した。 「従業員500人以上の事業所について東京都では、抽出調査をしている」 本来、従業員500人以上の事業所はすべて調査することになっていたのに、勝手に抽出調査に変えていた驚愕の事実を認めた。 「あぜんとした」「目が点になった」「あり得ないことが起きている」この時のことを知る関係者は、今も信じられないという驚きを隠さない。 毎月勤労統計調査とは、国が統計法で定める56の基幹統計の1つ。会社員の給料や労働時間の実態と変動を明らかにする目的で行われている。 調査項目の中で特に重視されるのが、名目賃金と実質賃金だ。 毎月初旬に公表される速報値は午前9時の公表と同時にメディアがインターネット速報で流すほどだ。毎月の物価の増減と賃金の伸び具合を時系列で比べることができるため、政府の政策決定や企業の賃金決定の際の基礎データとして用いられている。 景気の現状や先行きの判断にも欠かせず、内閣府が公表する国民経済計算(四半期GDP速報)の算出に使う「雇用者報酬」など政府内の別の指標や、雇用保険の給付額など、さまざまな公的数値の算出の基になっている。 調査対象は、従業員5人以上の事業所で全国200万以上。このうち約3万を抽出して調査するが、従業員500人以上の事業所に限っては、全数調査するのがルールになっている。 調査の実務は、厚労省から委託を受けた都道府県の担当者が担っている。 ところが、厚労省は東京都の従業員500人以上の事業所について、04年から、全体の約3分の1の事業所を抽出する調査に切り替えていた。 調査すべき約1400事業所のうちの3分の1の事業所だけを掲載した名簿を渡すようになったという。 なぜこの時期に抽出調査に切り替えたのか、誰が判断したのか。 23日にまとめられた特別監察委の中間報告は、「(全数調査を受ける)企業から苦情が多く、大都市圏の都道府県の担当者の負担軽減への配慮だった」と、認定。その上で、調査変更の手続きを踏まず担当課だけで判断したのは「不適切な対応」とした。 全国に5000以上ある従業員500人以上の事業所のうち、3割近くが集まる東京都の作業の負担が重くなっていたのは確かなようだ。だが、小池百合子都知事は「都から国に(調査方法を)変えてくださいといった文書などはない」と、会見で述べていた。 だが監察委は東京都側への調査はせずに、厚労省の担当者への聞き取りだけで、動機を判断した。 その一方で、担当者の中には不正と気づいた職員もいて、「変えた方がよいと思ったが、統計委員会や審議会にかけると問題がある」という認識を職員が抱いていたと認定している』、04年に勝手に抽出調査に切り替えた担当課長は、もうとっくに退職して、騒ぎをよそに優雅な天下り生活を満喫していることだろう。
・『組織的な隠ぺいの可能性 総務省にはウソの説明  担当課の単なる手続き無視だとは考えにくい厚労省の組織的な関与を疑わせるのが、調査を行う担当者向けに作成された「事務取扱要領」の改変だ。 抽出調査に切り替えた2004年から使われていた「事務取扱要領」には「規模500人以上の事業所は東京に集中しており、全数調査にしなくても精度が確保できる」と記述されていた。 ところが安倍政権になっていた15年には、「事務取扱要領」から、東京都の抽出調査を容認する内容が削除された。 削除は、統計委員会が「毎勤」の調査手法を審議することを決めた直後だったという。このタイミングで審議が決まったのは、「毎勤」の調査手法の点検が1992年以降行われていなかったことが理由だった。削除は、抽出調査がルール違反だと認識した上での、発覚を逃れるための工作だったとみられる。 翌16年には、厚労省は明確なウソをつく。10月27日付で厚労省が総務省に提出した書類には、従業員500人以上の事業所について「全数調査継続」と記載していた。 書類は、厚労省の雇用・賃金福祉統計室が作成、当時の塩崎恭久厚労相名で総務省に提出していた。統計室の当時の参事官(課長級)は統計委員会に出席し、口頭でも全数調査の継続を説明したという。明らかな虚偽説明だった。 だが、この件についての監察委の中間報告書は、「だいぶ前から抽出調査で行われており、わざわざ(事務)要領に書かなくてもよいと考えた」と、当時の担当課長がヒアリングに対して説明した内容をそのまま記述し、「抽出調査であることを隠ぺいする意図があるとまでは認められなかった」と、深く調査した様子はない。 「事務取扱要領」から抽出調査を容認する部分を削除するのは、担当者だけが知っていてできるものではない。要領は、マニュアルとして歴代の担当者に引き継がれており、削除に直接関与した職員が何人いたかは別として、ルール違反であることを知りながら「毎勤」に関わっていた職員が多数いたとみるのが自然だろう』、確かに「「事務取扱要領」から抽出調査を容認する部分を削除」というのは、担当課長だけでは無理で、もっと組織的関与があったとみるべきだろう。
・『18年から「データ補正」 賃金の大幅上昇に疑問続出  最大の疑問点は、18年1月分の「毎勤」から、不正なデータを本来の全数調査に近づける「データ補正」をひそかに始めたことだ。 抽出調査の場合、集計の際にはデータを「復元補正」し、母集団全体の調査結果に近づけるのが通常なのだが、厚労省は04年に抽出調査に変えて以降、この補正も行わず、抽出した事業所だけの調査データを使って集計を行っていた。 それ自体も問題なのだが、データ補正を18年1月に始めるに際して、そのためのシステム改修までしたのに、データ補正を公表しないまま、その後、「毎勤」数値を発表し続けていた。 しかし、「異変」は公表数値そのものに表れた。 大手企業が集まる東京都の事業所について、約3分の1の抽出調査に切り替えたことで、全体の中で大規模事業所の調査数が減ることになり、04年から2017年までは、正しく調べた場合より低い賃金の数字が出ていたのに対し、データ補正をしたことで、18年1月からは前年度同月比で賃金が高い伸び率になったからだ。 最初にこのことを指摘したのは、西日本新聞の2018年9月12日付1面、「統計所得、過大に上昇」の記事だった。 記事では、名目賃金に当たる「毎勤」の「現金給与総額」が、18年1月以降、前年同月比1%~2%以上の高い伸びを記録し、同6月には前年同月比3.3%増と、1997年1月以来21年5ヵ月ぶりの高い伸びを示したことを指摘している。 18年からは、499人以下の対象事業所を見直したことから、入れ替え前の事業所だけを集計した「参考値」も厚労省は公表していたが、その数値では、前年同月比の伸び率が1%を超えた月は3月と6月だけ。6月も参考値では伸び率は「1.3%」しかなかった。 こうした結果に、大手証券のエコノミストが「統計の信頼性を疑わざるを得ない。報道や世論もミスリードしかねない」とコメントしている。 この問題は、その後、他のメディアでも報じられ、金融機関などのエコノミストらから「数値の不自然」に不信の声が出たため、厚労省は昨年9月28日の統計委員会で事情を説明せざるを得なくなった。 しかし、この時も厚労省は、東京都分を抽出調査にしていることを伏せたまま、「499人以下の対象事業所を見直した影響」と説明した。 しかも「500人以上の事業は全事業所が対象」と、改めてウソの報告までしている。 こうして「毎月勤労統計調査」は、昨年秋ごろからは、関係者の間では「いわくつき」の統計とみなされていたのである』、最初に問題を指摘した西日本新聞はさすがだ。統計委員会での事情説明でまで、ウソをつき続けたとは、安倍首相がアベノミクスの成果として、2018年春以降の賃金上昇率の上向き傾向を自慢したことも、背景にあるのかも知れない。
・『お家芸の「資料廃棄」で統計が空白の期間が  不正調査問題で、厚労省が対応に動いたのは、年明け後初の閣議があった1月8日だった。 昨年12月28日、朝日新聞の「毎月勤労統計 全数調査怠る」(夕刊一面)のスクープ記事が出て、その後、主要メディアが一斉に報じたことで、逃れられないと考えたようだ。 それでも8日の閣議後会見では、根本厚労相は「調査中」を連発。報道陣の追及を受けて、厚労省幹部から不正調査の報告を受けたのは、昨年12月20日だったことを明かした。 翌21日は、「毎勤」の10月分確報の公表された日だ。根本厚労相は、この時には、不正な手法で調査され集計結果が不正確である可能性が高いことを知りながら、統計の公表を認めていたことになる』、通常の神経の持ち主なら、公表を延期した筈で、それを怠った根本厚労相の罪も深い。
・『厚労省は3日後の1月11日、「毎勤」の不正調査が04年から15年間続いてきたことを認める報道資料を公表。閣議後会見で、根本厚労相は謝罪した一方で、「組織的な隠ぺいの事実は現時点ではない」と言い切った。 しかし、その後、組織的隠ぺいを疑わせる事実がまた次々と発覚する。 一連の問題を受けて1月17日に開かれた統計委員会で明らかになった「毎勤」の基になる資料の廃棄もその1つだ。 廃棄された資料の種類は複数あるが、最も深刻なのは、「事業所名簿」だ。 これがないと抽出調査をデータ補正するのに使う「抽出率逆数表」が作れない。 2010年には、産業分類の変更が行われていることもあって、統計上、過去のデータと時系列で比較可能なデータにそろえるためには、10年の産業分類変更を加味した逆数表を作って、それ以前のデータを補正する必要がある。 しかし、逆数表を作るのに必要な事業所名簿はすでに廃棄し、残っていないというのだ。 つまり、2004~2011年の「毎勤」の賃金の統計データが、空白になる可能性が高い。 08年にリーマンショックがあり、11年には東日本大震災があった歴史的な時期に、日本人の賃金はどれくらい上がったのか下がったのか、正確に把握するデータを、もう手にすることができない可能性が高いのだ。 これは、「毎勤」の統計を一部、基にして算出されるGDPなどの他の経済指標も同じことがいえる。 資料廃棄は、厚労省の「お家芸」になってしまったようだ。 「消えた年金」問題の時も、裁量労働制の労働時間の不適正調査データ問題の時も、厚労省が当初は「ない」といっていた資料が、後になって省内の地下倉庫から出てきた前歴がある。 厚労省がこれまで以上に地下倉庫を捜索し、資料の“発見”に努めることぐらいしか、「毎勤統計の空白」を回避する手段は残されていないのが、悲しい現実だ』、仮に紙ベースの資料は廃棄したとしても、コンピュータ上のものまで消去してしまったのだろうか。
・『「賃金上昇」は忖度で? “アベノミクス偽装”が焦点に  「真相」の解明は28日から始まった通常国会に舞台を移した。 問題は、当然ながら政権・与党に飛び火している。まず明らかにされなければならないのが、15年間に及ぶ不正の間の大臣たちの関与だ。 厚労省が総務省に「全数調査している」とウソの書類を送った16年当時に大臣だった塩崎恭久・衆院議員は、「報告は一切上がってこなかった」と自身の関与を否定。 監督責任については謝罪したものの、「事務的なことまで全部を大臣が見ることをみんなは期待しているのか」と、半ば開き直っている様子だ。(朝日新聞1月17日付朝刊) 昨年1月にひそかに始まったデータの「復元」の際に大臣だった加藤勝信自民党総務会長も「当時、報告を受けていたわけではない」と、都内の講演の場で述べ、関与を否定している。 ちなみに加藤氏は、統計に詳しく計算式まで細かく把握していることで、省内では有名だった。 野党側がとりわけ関心を抱くのが、「データ補正」が、なぜ昨年1月に始まったのか、だ。 安倍首相が「働き方改革国会」と名付けた通常国会が始まった時期に、ぴたりと重なっているからだ。 この国会で安倍政権は、裁量労働制の対象を拡大する法案を成立させようとしていた。しかし、野党は「裁量労働制は過労死を助長する」と対象拡大に猛反対。 与野党が対立する中で出てきたのが、「裁量労働制で働く人の労働時間が、一般の労働者よりも短いというデータがある」との安倍首相の答弁だった。 裁量労働制の労働時間が短いことは、過労死助長という野党の批判を抑え込むのに、都合のいいデータだ。 しかし、このデータは、厚労省の官僚によって不適切な算出の仕方で作られ、働く人の実態を示す数字ではなかった。 このことが発覚して国会は紛糾、安倍首相は裁量労働制の対象拡大を撤回せざるを得なかった。 そんな頃、厚労省は「毎勤」のデータ復元をひそかに始めている。その数字は「賃金の大幅上昇」を示す結果となった。 2013年から日銀の異次元緩和策を柱に始まったアベノミクスだが、為替市場の潮目が直前から変わっていたこともあって、当初は円安・株高などで好況を演出したが、その後は“中だるみ”に陥った。 企業収益は急回復したものの、労働分配率は下がり続けたことや消費増税もあって消費の停滞が長引いた。 そうした中で打ち出されたのが「賃上げ促進」だった。 2014年春闘からは、政府が経済界に「賃上げ」を要請する「官製春闘」が始まった。しかし政府の笛太鼓にもかかわらず、賃金の伸びは鈍く、官製春闘の限界や批判が強まる中で、2017年秋には、安倍首相が直接、「3%」賃上げの数値に言及する力の入れようだった。 18年秋の自民党総裁選での「3選」を意識して、首相がアベノミクスの成果の打ち出し方について地ならしを進めていた時期だ。 ネックだった賃金の伸び悩みが解消され賃金も良くなった、となれば、アベノミクスの評価はさらに高まり、総裁再選の盤石度合いは高まる。 そんな「首相の意中」を、政権発足以来、首相に重用されてきた側近の加藤厚労相(当時)や厚労省官僚が、「忖度」したことはなかったのだろうか。 「加計・森友問題」で揺れた昨年の国会の「デジャブ」のように、安倍政権の土台を揺るがしかねないぐらいに火種は大きくなった』、データの「復元」の際に大臣だった加藤勝信自民党総務会長が、「統計に詳しく計算式まで細かく把握している」のであれば、犯人の1人である可能性もありそうだ。裁量労働制の労働時間分析でミソを付けた厚労省としても、失地回復のチャンスとばかりに、乗ったというシナリオもありそうだ。

次に、2月5日付け日刊ゲンダイ「統計不正キーマン“幽閉” 安倍内閣の呆れる「隠蔽ドミノ」」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/246853
・『「アベノミクス偽装」と批判が噴出する「毎月勤労統計(毎勤)」で不正に賃金がカサ上げされた問題を巡り、衆院予算委で4日から2日間の集中審議が行われている。しかし、安倍政権は疑惑のキーマンを異例の更迭人事で“口封じ”。まるでドミノ倒しのように分かりやすい隠蔽を重ねるのは、ひとつ間違えば、疑惑が官邸にまで飛び火しかねないからだ。 厚労省は局長級の大西康之政策統括官を1日付で官房付に異動。統計不正の責任を押しつけた事実上の更迭だ。 「表向きの理由は『賃金構造基本統計』で、ルール違反の『郵送調査』を昨年12月下旬に知りながら、根本大臣や、1月の総務省の一斉点検でも報告しなかったこと。大西氏は統計政策担当の統括官として、不正の実態の全てを知り得る立場にいた真相解明のキーマン。不正を組織的に隠蔽した疑いもある。ただ、更迭され、主に局長級が答弁を担う慣例により、国会に呼ばれにくくなりました」(厚労省関係者) キーマンの尻尾切りは分かりやすい口封じ。組織的隠蔽の疑いをさらに組織ぐるみで隠蔽するもので、「官邸の指示による“幽閉”」(永田町関係者)との見方もある。 大西氏は毎勤の不正についても昨年12月20日、根本大臣に不正を報告した“張本人”。翌21日、注釈ひとつ付けずに同年10月分の確報値を公表するなど、適切な対応を怠ったのはなぜか――。根本大臣は国会で、「事務方から『原因が明らかではない中、定例の業務として公表したもので思いが至らなかった』と聞いている」と言い訳。事務方に責任をなすりつけた』、真相解明のキーマンを更迭するとは、確かに「官邸の指示による“幽閉”」との見方が出てくるのも当然だ。それにしても、やることが姑息過ぎる。
・『根本厚労相を飛び越え安倍官邸に連鎖  もし大西氏が国会に呼ばれて「大臣に公表を指示された」とでも漏らそうものなら、大臣ぐるみの隠蔽に発展しかねない。 さらに、官邸ぐるみの隠蔽に飛び火する可能性もある。 「大西氏からの報告後、根本大臣は『同月28日まで官邸に報告しなかった』と言っている。『不正の影響がどこまで広がるか分からなかった』『まずは事実関係の精査を優先した』との説明を額面通りに受け止める野党関係者は少ない。説明は官邸からの指示の受け売りで、実は20日時点で官邸にも報告があったことを伏せる隠蔽との見方が、大半です」(前出の永田町関係者) そもそもの問題は、全数調査すべき毎勤の対象事業者を長年、不正な抽出調査でゴマカしたこと。さらに、昨年1月からは抽出調査の結果を全数調査に近づける「データ補正」をこっそり始め、平均賃金の数値が不自然に上昇したことだ。野党は当時の加藤勝信厚労相、過去に毎勤の調査手法にケチをつけていた麻生太郎財務相の“介在”まで見据えている。 つまり、国会で大西氏が余計なことをしゃべると、次々と追及の的は広がり、果ては官邸にまで及びかねない。だから、幽閉したのだ。 野党の試算によると、昨年の実質賃金の伸び率は実際はマイナスなのに、統計不正により「プラス」に水増し。全ての隠蔽の目的はアベノミクスの失敗を覆い隠すことなのは、間違いない。 「今回の問題を巡って計22人の官僚が処分され、自民党厚労部会長の小泉進次郎氏も厚労省批判を強めています。まるで、厚労省だけが悪者と言わんばかりですが、そうではないでしょう。国の基幹統計を歪めることは、官僚にとって何のメリットもありません。もっと上のレベルの政治家か官邸を忖度し、アベノミクスを“粉飾”するために不正に手を染めたとみるべきだと思います」(政治ジャーナリストの角谷浩一氏) アベノミクス偽装の内閣ぐるみ隠蔽は、モリカケ問題と根っこは同じ。全てはアベ様の気分を損ねないための忖度だ。今度こそ、「自殺者」が出ないことを祈るしかない』、角谷浩一氏の見方は大いにありそうだ。「アベノミクス偽装の内閣ぐるみ隠蔽は、モリカケ問題と根っこは同じ」との日刊ゲンダイの見方も同意できる。

第三に、大蔵省出身で明治大学公共政策大学院教授の田中秀明氏が2月5日付けダイヤモンド・オンラインに寄稿した「統計不正問題でフタをされてはならない「霞が関の病理」という本質論」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/192984
・『昨年末に明るみに出た厚生労働省の毎月勤労統計の不正を巡って、2019年度政府予算の閣議決定のやり直し、厚労省に設置された特別監査委員会の調査のやり直しなど、問題が拡大している。安倍政権としては4月の統一地方選挙や夏の参議院選挙を控え、この問題に一刻も早くフタをして拡散を止めたいところだろう。しかし、これは単なる統計という技術的な問題ではなく、霞が関の深部に横たわる病理に関係している。何が問題の本質なのかを考えてみよう』、「問題の本質」とは興味深そうだ。
・『統計の信頼性が根底から崩れた 厚労省で何が起きていたのか  この問題は、昨年末に総務省の統計委員会(統計法に基づき設置された第三者機関)が、厚労省に対して調査結果が不自然だと指摘したことから、不正が世の中に明るみになった。役所は「不適切」と言っているが、法令違反なので「不正」である。 「毎月勤労統計」とは、賃金や労働時間の動向を調査する統計である。同統計では、従業員5~499人の授業者は抽出で、500人以上の大規模事業者は全数を調査することになっていたが、2004年以降、東京都内の大規模事業所については、3分の1程度を抽出して調べていた。 全数調査は民間企業や地方自治体などの負担が大きく面倒だからというのが、不正の主な理由だ。そうであれば、調査手法の在り方を議論して正々堂々と見直すべきだが、それをせずに勝手に調査手法を変えたのが問題の1つである。 さらに問題なのは、3分の1の抽出ならば、全体の数字を算出するために3倍して補正すべきところをしなかったことである。また、2018年からこっそりと補正をして、統計数字を発表したことである。 相対的に賃金の高い大規模事業所が3分の2も抜けていたため、補正しなかったときは賃金が過少評価され、補正後は数字が正しくても、その前と比べると過大評価されることになり、統計の信頼性が全く失われてしまった。 問題の大きさに鑑み、厚労省は1月16日、民間有識者で構成される特別監察委員会(座長/樋口美雄・労働政策研究・研修機構理事長)を設置し、事実関係及び責任の所在の解明を依頼した。同委員会は、わずか1週間たらず後の22日に調査結果を発表した。 同委員会は種々の問題点を指摘するものの、組織的な関与や隠ぺいがあったとは認められないと結論づけた。これを受けて厚労省は、大臣らの給与の自主返納、事務次官・政策統括官ら合計22人の職員の処分(訓告・減給など)を行った』、特別監察委員会が「わずか1週間たらず後の22日に調査結果を発表」、しかも厚労省が原案を作っていたとは、座長の樋口美雄氏は慶應義塾大学退職後の第二の職場を厚労省に世話してもらったらしいとはいえ、「御用学者」の典型で、もう良心の片鱗もないようだ。
・『政府予算や政策判断に多大な影響 「早く幕を引きたい」では済まない  調査報告では、事実関係の整理と責任の所在・評価が記載されているが、後者についてのポイントは次のとおりである。 (1) 課長級職員を含む職員・元職員は、事実を知りながら漫然と従前の取り扱いを踏襲。部局長級職員も実態の適切な把握を怠り、是正せず。適切な手続を踏まなかったこと、復元処理を行わなかったこと、調査方法を明らかにしなかったことについて、統計調査方法の開示の重要性の認識、法令遵守意識の両方が欠如していた(2017年の変更承認以降は統計法違反)。
(2) 実作業に影響ないと、課長級職員が判断し、決裁や上司への相談を経ずに対応したのは不適切。他方、供述によれば、隠蔽しようとする意図までは認められない。
(3) 統計の正確性や調査方法の開示の重要性等、担当者をはじめ厚生労働省の認識が甘く、専門的な領域として「閉じた」組織の中で、調査設計の変更や実施を担当者任せにする姿勢や安易な前例踏襲主義など、組織としてのガバナンスが欠如していた。
 1週間というのはあまりに短い期間であり、とにかく早く幕引きを図りたい政権の強い意向が働いたと考えられる。24日に閉会中審査を行った衆参の厚労委員会で、与野党から報告書や調査に対して批判が噴出し、厚労省の身内の職員がヒアリングなどを行っていたことも明らかになった。これを受けて25日、根本匠厚労相は、特別監察委員会による聞き取り調査をやり直す考えを表明するに至った。 今回の騒動は、統計という技術的な問題であり、一般の国民には関係ない話と思われるかもしれないが、そうではない。冒頭で言及したように、政府予算の数字にも関係する。毎月勤労統計は、雇用保険や労災保険などの支給額や事業主向けの助成金を算定する際の根拠となるからである。 これまでの給付が過少だったことから、追加給付が延べ約2015万人に対して、助成金が約30万件に対して必要になり、それに必要な経費は約795億円となった。給付そのものに必要なお金だけではなく、支給手続きに必要なシステムの改修費や人件費が約195億円もかかる。 これらの費用は、労使が支払った保険料などを原資とする労働保険特別会計から支給される。さらに雇用保険給付の一部は、一般会計も負担する(6億4000万円)。国家公務員が労災認定された場合に支給する補償金にも影響していたことがわかり、約200万円の追加給付費用がかかる。こうした追加費用を賄うために国債を追加発行する必要があり、その利払い費の追加も1000万円増える。要するに、こうした追加費用は国民負担なのだ。この責任は一体誰がどのように取るのだろうか』、「支給手続きに必要なシステムの改修費や人件費が約195億円もかかる。 これらの費用は、労使が支払った保険料などを原資とする労働保険特別会計から支給」とあるが、これは本来の労働保険特別会計の使途からは逸脱しており、厚労省のミスによるものであれば、一般会計の負担とすべきだろう。
・『アベノミクスへの忖度はあるか 賃金上昇率の過大評価が明るみに  それから重要なのは、毎月勤労統計はアベノミクスという経済政策にも関係することである。野党が問題にしているのが、厚労省が安倍政権を忖度して賃金上昇率を本来より高く見せたのではないかということである。 1月23日に厚労省は、再集計可能な2012年以降のデータについて、毎月勤労統計の再集計結果を公表した。従来の公表値と再集計値を比較することにより、前者の数字がどの程度バイアスがかかっていたかがわかる。 現金給与総額については、2012~18年の間、全て従来の公表値は過少評価であった。その乖離率は0.2~1.2%であり、毎月おおよそ0.5%程度乖離していた。2015年平均を100とする指数で見ると、従来の公表値はだいたい過大評価であり、その乖離率は0.7%~マイナス0.5%であった。 また、現金給与総額を前年同月比で見ると、2013~16年までは乖離率は0.1~0.2%程度であるが、足もとの2018年はマイナス0.1~マイナス0.7%であった。特に足もとの2018年は、賃金指数と前年同月比の公表値はほぼ過大評価だったことになる。 実は、新しく算出した再集計値にもバイアスがかかっている。2018年から調査対象が見直されたため、前年同月で正確には比較できない。例えば、上昇率が高かった2018年6月の賃金上昇率は、当初の公表値で3.3%増だったが、今回の再集計値では2.8%増になり、さらに、調査対象を見直さなかった場合の参考値は1.4%増になった。これらは名目値であるが、物価上昇の影響を考慮した実質賃金でみると、さらにマイナスになっている。 日本経済はほぼ完全雇用になっており、非正規を中心に人手不足になっているものの、一般国民にはそうした実感が乏しい。その1つの理由が、特に賃金が増えていないことだと言われているので、毎月勤労統計の数字は政策にも影響を与える重要なものなのだ。 毎月勤労統計の不正が発覚されたことから、総務省が他の基幹統計(特に公共政策が高く重要な統計として位置づけられている56統計)について点検したところ、4割に当たる22統計で、データ処理の誤りなどずさんな取り扱いが判明した。役所としては、総務省、財務省、文部科学省、国土交通省、農林水産省、厚生労働省(毎月勤労統計以外)、経済産業省であり、件数では国交省が一番多い(7統計)。 毎月勤労統計のような不正とまではなかったとしても、他省庁の政府統計も似たりよったりだったわけである。 今回の問題の背景として、統計職員が削減されてきたこと、職員が短い期間で異動すること、統計の重要性が軽視されてきたことなどが指摘されている。総務省によると、国の統計職員は、2009年の3916人から2018年の1940人になっているという。同じ期間で、厚労省は279人から233人に減っている。 先ほどの特別監察委員会も、「統計に携わる職員の意識改革、統計部門の組織の改革とガバナンスの強化、幹部職員を含め、組織をあげて全省的に統計に取り組むための体制の整備等に取り組むべきである。今後、引き続き具体的な再発防止策等を検討すべき」と指摘している』、統計部門もIT化の進展で、作業は効率化された筈なので、人員削減を理由にするのはどうかと思う。「職員の意識改革」も、今回は担当者レベルの問題ではないので、「組織としての意識改革」の方がふさわしい。
・『真の問題は統計職員の減少ではなく 統計が政策形成で重視されないこと  ただ、統計の職員や組織の問題はその通りだと思うが、それらは根本的な問題ではない。統計職員の数が減っているのは、裏返せばその必要性が相対的に低下していることを意味している。 安倍政権では、政府全体でいわゆるEBPM(Evidenced-based policy making/証拠に基づく政策形成)を推進することを掲げているが、それは見せかけであり、実態は異なるのだ。最近の端的な例を挙げれば、育児・教育の無償化である。 無償化の発端は、2017年5月3日の読売新聞に掲載されたインタビューで、安倍総理が幼児から高等教育までの教育無償化を憲法改正の優先項目にする考えを示したことに遡る。その後わずか半年あまりで内容が決まり、12月8日に無償化の具体的な内容を盛り込んだ「新しい経済政策パッケージ」が閣議決定されている。 教育無償化に関する政策形成過程の問題は、現在の教育や保育において何が問題なのか、そうした問題を解決するに当たって無償化政策がどのように有効なのか、といった分析がほとんどなかったことである。 低所得の家庭の子どもの保育はすでに無料あるいは低い負担となっており、一律な無償化は所得の高い世帯の負担をもゼロとする。高等教育の無償化については、当初は低所得世帯の学生に限定されるが、それを将来拡大することは問題が多い。大学には所得の高い世帯の子弟ほど進学するので、高等教育への公的補助は逆進的になるからである。 なぜ分析がなかったのか。それは、無償化政策が2017年10月に行われた第48回衆議院選挙の選挙公約として必要だったからである。要するに、選挙対策だったのだ。 安倍政権は、官邸主導で政策の内容が先に決まることが多いので、分析などは必要がなく、むしろ官邸主導の決定に合わせて都合が良いように数字が後から整理されるのだ。アベノミクスの重要な柱である成長戦略についても、日本経済が低迷している問題の分析がなく、「あれやります、これやります」とプランばかりが書かれている。 こうした状況では、いくら公務員に統計の重要性を訴えても意味がない。今回の厚労省の統計職員をかばうつもりはないが、彼らを責めても事態は改善しない』、その通りだ。「官邸主導」の暴走の弊害、ここに極まれりだ。
・『「政治化」する官僚たち 霞が関の不祥事と病理  2012年12月に誕生した安倍政権は6年が経過し、異例の安定政権となっている。外交面を中心に政治主導を発揮していると言われている。しかしこれとは裏腹に、加計学園の獣医学部新設、裁量労働規制に関する労働時間調査、森友学園への国有地売却、陸上自衛隊の日報問題、文部科学省の違法天下りや、大学に便宜を図る見返りに息子を不正入学させる幹部まで現れるなど、行政レベルで問題事案が頻発している。 それらに加えて、今回の毎月勤労統計である。それぞれの問題には個別の理由や事情はあるとしても、根っこは共通している。霞が関の官僚は、政治家との緊密な関係や、自ら利害や省益を追求するという意味で「政治化」し、本来発揮すべき「専門性」が疎かになっているのだ。特別監察委員会の調査報告でも統計職員の問題を指摘しているが、彼ら自身が自分たちの組織や利害を守ろうとしており、政治化していると言える。 官僚の政治化は今に始まったことではないが、安倍政権による公務員人事が拍車をかけている。2014年に国家公務員法などが改正され、幹部公務員の人事制度と内閣人事局が設置された。審議官以上の幹部公務員の任免は、総理大臣・官房長官・大臣の協議により決定することになった。新聞報道によれば、官邸の意に沿わない幹部は更迭されている。たとえば2015年、総務省の自治税務局長が第1次安倍政権でふるさと納税の導入に反対した経緯があったため、更迭された(「朝日新聞」2017年7月19日)。 官僚たちは官邸に人事を握られているので、官邸の顔色をうかがっており、しばしば総理らを忖度しているのではないかと指摘されるようになったのである。極論すれば、霞が関の幹部は、今や官邸のイエスマンになっている(詳細は、ダイヤモンド・オンライン「安倍政権の公務員制度改革を斬る」(前後編)、2014年4月16日及び18日」を参照)。 筆者は、今般の毎月勤労統計問題の本質は、厚労省の統計職員による単なる不正や技術的な問題ではないと考えている。霞が関全体に共通する問題であり、さらに政と官の関係なのだ』、官僚が「政治化して」、統計データやエビデンスを踏まえた政策提案がおろそかになるというのは、ある意味では官僚の「無駄遣い」だろう。
・『統計不正は公務員制度や政官関係の問題に直結する  当面の日本の課題は、急速に進む少子高齢化を乗り越えることである。資源は限られており、医療・福祉・教育・規制・税制などあらゆる分野で、問題の原因、政策や選択肢の費用対効果などについて分析が必要になっている。そのためには、公務員がその専門性に基づき分析や政策を検討することが必要である。 新しい幹部公務員の人事について、菅義偉官房長官は「適材適所」の当たり前の人事をやっていると述べているが(「朝日新聞」2017年2月27日)、その基準が明確ではないので、官僚たちは疑心暗鬼になり、政治家の顔色をうかがい、忖度に走っているのだ。 幹部公務員の人事を政府全体で横断的に行うことは正しいが、それは政治家への忖度や猟官ではなく、能力と業績で公務員を選抜する仕組みが前提となる。公務員制度についての具体的な改革案については、拙著『官僚たちの冬』(小学館新書)をご笑覧いただきたい。 今般の毎月勤労統計の問題は不正であり、まずは正すべきであるが、統計職員や組織のガバナンスにとどめる話ではない。問題を究明せずにたった1週間の調査と関係者の処分で幕引きを図ろうとした政府の姿勢、統計データやエビデンスを重視しない政策立案過程、専門性に基づく分析ではなく政治家への忖度に走る官僚たち、そうした真の問題に我々は目を向けなければならない』、説得力溢れる主張で、大賛成だ。
統計不正問題に関する国会での議論が深まることを期待したい。
タグ:日刊ゲンダイ ダイヤモンド・オンライン 毎月勤労統計調査 田中秀明 統計不正問題 (その1)(アベノミクスの土台揺るがす厚労省「勤労統計不正調査」の衝撃度、統計不正キーマン“幽閉” 安倍内閣の呆れる「隠蔽ドミノ」、統計不正問題でフタをされてはならない「霞が関の病理」という本質論) 「アベノミクスの土台揺るがす厚労省「勤労統計不正調査」の衝撃度」 調査の不正は、15年間にも及んでおり、組織的隠ぺい、虚偽報告、資料廃棄と、日を追うごとに疑惑が深まっている 特別監査委員会 予算案の閣議決定をやり直し 賃金指標など修正 ルール違反の抽出調査に04年から切り替え 組織的な隠ぺいの可能性 総務省にはウソの説明 18年から「データ補正」 賃金の大幅上昇に疑問続出 お家芸の「資料廃棄」で統計が空白の期間が 事業所名簿 これがないと抽出調査をデータ補正するのに使う「抽出率逆数表」が作れない 「賃金上昇」は忖度で? “アベノミクス偽装”が焦点に 首相がアベノミクスの成果の打ち出し方について地ならしを進めていた時期だ。 ネックだった賃金の伸び悩みが解消され賃金も良くなった、となれば、アベノミクスの評価はさらに高まり、総裁再選の盤石度合いは高まる 首相の意中 加藤厚労相(当時)や厚労省官僚が、「忖度」したことはなかったのだろうか 「統計不正キーマン“幽閉” 安倍内閣の呆れる「隠蔽ドミノ」」 大西康之政策統括官を1日付で官房付に異動。統計不正の責任を押しつけた事実上の更迭だ キーマンの尻尾切りは分かりやすい口封じ。組織的隠蔽の疑いをさらに組織ぐるみで隠蔽するもので、「官邸の指示による“幽閉”」(永田町関係者)との見方も 根本厚労相を飛び越え安倍官邸に連鎖 過去に毎勤の調査手法にケチをつけていた麻生太郎財務相の“介在” 統計不正により「プラス」に水増し。全ての隠蔽の目的はアベノミクスの失敗を覆い隠すことなのは、間違いない アベノミクス偽装の内閣ぐるみ隠蔽は、モリカケ問題と根っこは同じ 「統計不正問題でフタをされてはならない「霞が関の病理」という本質論」 統計の信頼性が根底から崩れた 厚労省で何が起きていたのか 相対的に賃金の高い大規模事業所が3分の2も抜けていたため、補正しなかったときは賃金が過少評価され、補正後は数字が正しくても、その前と比べると過大評価 政府予算や政策判断に多大な影響 「早く幕を引きたい」では済まない 特別監察委員会 わずか1週間たらず後の22日に調査結果を発表 厚労省の身内の職員がヒアリングなどを行っていた 追加給付が延べ約2015万人 必要な経費は約795億円 支給手続きに必要なシステムの改修費や人件費が約195億円もかかる 労働保険特別会計から支給 アベノミクスへの忖度はあるか 賃金上昇率の過大評価が明るみに 真の問題は統計職員の減少ではなく 統計が政策形成で重視されないこと 「政治化」する官僚たち 霞が関の不祥事と病理 官僚たちは官邸に人事を握られているので、官邸の顔色をうかがっており、しばしば総理らを忖度 霞が関の幹部は、今や官邸のイエスマンになっている 統計不正は公務員制度や政官関係の問題に直結する 問題を究明せずにたった1週間の調査と関係者の処分で幕引きを図ろうとした政府の姿勢、統計データやエビデンスを重視しない政策立案過程、専門性に基づく分析ではなく政治家への忖度に走る官僚たち、そうした真の問題に我々は目を向けなければならない
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