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ソフトバンクの経営(その9)(ソフトバンク上場 公開価格割れが示す難局 ファーウェイ問題 値下げ圧力 通信障害…、ソフトバンク孫正義氏が日本より海外で尊敬される理由、ソフトバンク「ビジョン・ファンド」 資金早くも半減、ソフトバンク物流参入へ 照準は「アマゾン」) [企業経営]

ソフトバンクの経営については、昨年11月21日に取上げた。今日は、(その9)(ソフトバンク上場 公開価格割れが示す難局 ファーウェイ問題 値下げ圧力 通信障害…、ソフトバンク孫正義氏が日本より海外で尊敬される理由、ソフトバンク「ビジョン・ファンド」 資金早くも半減、ソフトバンク物流参入へ 照準は「アマゾン」)である。

先ずは、昨年12月20日付け東洋経済オンライン「ソフトバンク上場、公開価格割れが示す難局 ファーウェイ問題、値下げ圧力、通信障害…」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/256302
・『ソフトバンクグループ(SBG)傘下の携帯電話事業会社ソフトバンクは12月19日、東京証券取引所第1部に株式を上場した。 SBGはソフトバンク株の売却で、新規上場として史上最大となる約2兆6000億円を市場から調達したが、株価は初日から公開価格の1500円を大きく割り込んだ。終値は1282円(公開価格比14.5%減)という厳しい結果で、上場の祝福ムードが吹き飛ぶ厳しい船出になった。 「個人投資家から怒りや落胆の声が出ている。なぜこうなったのか」「公開価格は適切だったのか」。同日午後、市場がクローズしてから行われた会見では、ソフトバンクの宮内謙社長に対し、いきなりの株価下落を追及する質問が相次いだ』、私は、悪材料以上に、もともとの親子上場そのものに疑問を持っているので、厳しい結果に違和感はない。
・『ソフトバンク社長、株価下落は「残念」  宮内社長は株価下落について「残念だ」としつつ、「急にドコモショック、通信障害、中国のファーウェイ(の問題)、政府のプレッシャーなど色々と起きた」と想定外の事態について言及。ただ、上場先送りはまったく頭になかったといい、「厳しい環境の中で船出することで心を引き締めていく。ITのマーケットはビジネスチャンスの山だ」と強調した。 公開価格については、「85%の配当性向、5%の配当利回りをきちっと示すことが重要じゃないかという引き受け証券会社のアドバイスを受けて、1本の1500円にした」と説明するだけだった。 実際、ネガティブな材料が山盛りの中での上場だった。8月には、菅義偉官房長官が「携帯料金は今より4割程度下げられる」と発言。業界への値下げ圧力が強まる中で、競合のNTTドコモが10月末、来年度以降の大幅値下げ方針を発表した。 ソフトバンクは現時点で、サブブランドの「ワイモバイル」における一部値下げ方針を示しているが、今後はソフトバンクブランドも含めたさらなる値下げ拡大が不安視されている。また、12月6日には、原因はスウェーデンの通信機器ベンダーであるエリクソン側にあったものの、大規模な通信障害を起こした。この障害発生後の5日間で約1万件の解約があったという。 中でも特にソフトバンク関係者が、「株価への影響が最も大きかったのではないか」とみるのが、ファーウェイ問題だ。米国政府は、中国政府が通信機器大手のファーウェイを通じて不正に情報収集するおそれを指摘して規制を強めている。 日本政府も呼応して今月、本格的に“ファーウェイ排除”に動き出した。近く、通信などの重要インフラを担う企業に対し、ファーウェイなど中国製品の除外を求めるとみられている。 12月10日には、政府が安全保障上の問題から2019年4月以降、情報流出のおそれがある機器を調達しないことを各省庁や政府系機関で申し合わせた。 さらに12月14日に行われた総務省の電波監理審議会では、次世代通信規格5Gの電波割り当て指針案の中で、通信会社に対し、この申し合わせに留意するように求めた。名指しこそしていないが、情報流出のおそれがある機器というのは、ファーウェイなどの中国製品を指しているとみられる』、ファーウェイ問題とは思わぬ余波を受けたものだ。
・『中国製設備を使うのはソフトバンクだけ  国内の通信会社のうち、既存の4Gの通信設備でファーウェイやZTEなど中国製を導入しているのは、ソフトバンクだけだ。一般的に通信の設備投資額は巨額だというイメージがある。そのため、中国製の通信設備を他国製に交換する費用などへの懸念が広がり、株価を大きく下押しする材料になった可能性がありそうだ。 通信各社は戦略上などの理由から、通信設備のベンダー別割合など、詳細は公表していない。ただ会見ではファーウェイ関連の質問が集中。「不安を払拭する必要がある」(ソフトバンク関係者)という判断もあり、ソフトバンクは導入状況を初めて明かすなどの説明に追われる形となった。その内容を額面通りに受け取れば、影響額はさほど大きくないことになる。 まず、今後の対応方針について宮内社長は「政府の本当のガイドラインを見極めたい」としつつ、「コアネットワーク(基幹回線網)の部分では欧州のベンダーに変えざるをえないと思っている」と述べた。コアネットワークは通信のネットワークで最も重要な回線であり、情報が抜き取られるリスクを避けるには交換が必須となりそうな部分である。 そもそもソフトバンクの設備投資額のうち、欧州ベンダーと中国ベンダーに分けた場合の比率は欧州が9割で、中国は1割に過ぎないという。つまり、すべての通信設備に占める中国製の割合はかなり限定的だったということになる。 CTO(最高技術責任者)を務める宮川潤一副社長は、コアネットワークにおける中国製通信設備の交換費用の見通しについて、「数億円の前半レベルだ」と述べた。 仮にコアネットワーク以外の部分まで交換の必要が生じれば、費用が多少は膨らむかもしれない。実際、交換範囲の大きさによっては、中国製の通信設備自体が帳簿上の価値を失い、固定資産除却損失が数百億円発生する可能性はあるという。ただ、これはあくまで会計処理の話で、ソフトバンクにとって新たな金銭的な負担を伴うということではない』、中国ベンダーの比率は「1割に過ぎない」というのは、本当かと驚きだが、もともと英国ボーダフォンを買収した出自が影響しているのかも知れない。
・『問題はファーウェイだけじゃない  とはいえファーウェイ問題の懸念を除いても、ドコモの携帯通信料金の大幅値下げなどの影響は、これから顕在化してくるとみられる。さらに通信障害対策への投資なども含めて、取り巻く環境が楽観できないことには変わりはない。 宮内社長は会見中、何度も「われわれは逆境に強い」という言葉を繰り返した。また、「通信会社としてのネットワークのインフラビジネスは着実に伸ばせる。その上に新規事業を追加して、これから大きく成長できる」とも述べ、シェアオフィス「ウィーワーク」の日本事業や、スマホ決済サービス「ペイペイ」などを例に挙げた。 ただこの言葉通りにならなければ、痛い目に遭うのは「配当性向85%、配当利回り5%」に惹かれて株を購入した個人投資家たちだ。いくら配当性向を高くしても、多額の含み損を抱えることになれば本末転倒。公募に応じた多くの個人投資家が求めているのは、耳障りのいい言葉ではない。波乱の上場初日を終えたソフトバンクは今後、市場の評価を覆すことはできるだろうか』、ソフトバンクの株価は15日現在で1289円と低迷したままだが、逆境を果たして跳ね返せるのだろうか。

次に、早稲田大学大学院経営管理研究科教授の長内 厚氏が12月21日付けダイヤモンド・オンラインに寄稿した「ソフトバンク孫正義氏が日本より海外で尊敬される理由」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/189254
・『ソフトバンクIPOで初値が公募価格割れ 相次ぐ向かい風と手厳しい市場の評価  ソフトバンクが歴代で最大級のIPOを行ったが、初値は公募価格割れという残念な結果に終わった。 タイミングも悪かったのであろう。このところ、ソフトバンク自身の問題だけではない事件に足をすくわれることが多く、「ついていない」としか言えない状況が続いている。 親会社であるソフトバンクグループの孫正義会長と関係が深いとされる、サウジアラビアのムハンマド皇太子のスキャンダルで、リヤドの経済フォーラムでの孫会長の講演は取り止めとなった。また、ソフトバンクが日本で唯一携帯電話網の基地局設備に採用し、5G開発でも手を組んでいるファーウェイへの風当たりが強まっている。さらには、先日のエリクソン製設備の不具合によるソフトバンク携帯電話の大規模通信障害の影響で、足もとでは契約解除件数が急増している。 今回のIPOに対するメディアの論調も、手厳しいものが多い。しかし、ここでちょっと立ち止まって考えてみてほしい。そもそもソフトバンク(ソフトバンクグループ)と孫正義会長に対して、日本人の評価は手厳しすぎるのではないだろうか。 ソフトバンクは1980年代、当時まだPCがマイコンと言われていた時代に、PCソフトの流通やパソコン雑誌の出版といった事業からスタートしている。それまで一部のマニアが自分でプログラミングするしか使いようのなかったPCを、パッケージソフトを購入して誰でも使えるものにし、第一次パソコンブームを牽引した点で、ソフトバンクの功績は大きい。 当時のソフトバンクが創刊した『Oh!PC』『Oh!MZ』などの機種別PC雑誌は、機種ごとに使い勝手の異なっていた当時のPCを使いこなすために、お世話になった入門者も多かっただろう。 その後、1990年代に入ってヤフーの日本におけるサービスを開始、2000年代にはYahoo!BBによるADSL接続を実現しインターネットプロバイダ事業にも参入し、インターネットの普及に貢献した。駅前で「Yahoo!BBでーす!」と言ってADSLモデムを配っていた販売員の姿を、覚えている人も多いだろう。「機器代金ゼロ円」のリカーリングビジネスの先駆けとも言える。 その後、ボーダフォン(Vodafone)の日本法人を買収して携帯電話事業に進出、現在に続くソフトバンクの中核事業の1つに育て上げた。日本のボーダフォンの前身はジェイフォン(J-Phone)である。ジェイフォン、ボーダフォン時代を通じて、NTTドコモとKDDIの大手携帯キャリアに押されて鳴かず飛ばずだった通信キャリアの買収は、当時「高すぎる買い物」「失敗必至」と言われた。しかし、いち早くiPhoneに目を付けて契約者数を拡大したことから、上位2社に恐れられる存在にまでなった』、孫正義会長のIT業界での貢献が大きいことは確かだ。
・『ガラパゴス市場に先んじてiPhoneを導入した先見性  ガラパゴスと言われたように、日本の携帯キャリアは日本の独自機能、独自規格を貫き、日系携帯端末メーカーはいわゆる「全部入りケータイ」を大量供給していた。こうしたビジネスモデルでないと商売にならなかった時代に、日本独自の機能は一切省き、当時の高機能携帯には当たり前だった「ワンセグ」も「おサイフケータイ」も内蔵しないiPhoneを日本に導入したのは、極めて大きなチャレンジだっただろう。 現在、日本は世界中で最もiPhoneユーザーが多い市場になっているが、これもソフトバンクの仕掛けによるものだったと言える。 こうして見ると、ソフトバンクと創業者の孫正義氏が日本のIT産業において果たした役割は極めて大きいと言える。にもかかわらず、一般の日本人の評価がそれほど高くないように思えるのは、育てた企業の規模と産業に与えた功績について論じられるときではなかろうか。 シャープの伝説のエンジニアと言われる佐々木正氏は、若き孫正義氏を見出し高く評価したと言われるが、一般の評価としては、松下電器産業(現パナソニック)の松下幸之助氏やホンダの本田宗一郎氏のように「尊敬される経営者」というより、「確かにお金は儲けているけど……」というエクスキューズをつけて語られることが多いように思える』、ガラパゴス的な「全部入りケータイ」には目もくれず、iPhoneをいち早く導入した慧眼も大したものだ。
・『孫正義氏は「クール」なのか 日本人と外国人で割れる評価  なぜこのようなことを言うかというと、今から10年ほど前、ある台湾の財閥系企業の経営者に「ソフトバンクの孫正義さんは、今日本で一番クールな経営者ですよね」と言われたときに、筆者も「クール」という言葉に違和感を覚えたからだ。 孫正義氏は確かにすごい人だと思う。だけどそれは、クールとか尊敬という評価に値するのか。それから筆者は、自らが教える大学院で、日本人と外国人留学生(それぞれ就業経験のあるビジネススクールの社会人大学院生)に「孫正義はクールな経営者だと思うか」という問いを毎年投げかけている。 もちろん、人によって答えは多少違っているが、面白いことに、日本人と留学生とで異なる傾向が見られる。留学生の多くは「孫正義氏はクールで尊敬する経営者」と答えるのに対し、日本人学生の多くは「確かに金儲けはうまいが、クールとか尊敬とは少し違う」と答えるのだ。日本人学生の相対的な評価の低さの理由を突き詰めて問うてみると、多かった答えが「孫正義氏は買収によって現在のビジネスを手に入れたのであって、全てを自分でつくったわけではない」というものであった。 松下幸之助氏も本田宗一郎氏も、自身で技術を考案し、画期的な製品をつくり上げた。いや、孫正義氏も最初は自身が考案した自動翻訳機をシャープの佐々木正氏に売り込んで、大きな資金を獲得しているのだから、最初は一緒だったのかもしれない。 ただ、旧松下電器やホンダが自社で開発した技術を自社製品として設計し、自社ブランドで販売していたのに対して、ソフトバンクの主要事業の多くは他社から買収してそれを育てたものが多い。違いはここにあるのだろうか。 20世紀のモノづくりは内製化と垂直統合の時代であった。自社で開発したユニークな技術を自社製品に搭載することで、技術的なイノベーションを起こしていた。その成功体験が日本人には強すぎたのかもしれない』、私は、「自身で技術を考案し、画期的な製品をつくり上げ」ようが、買収によろうがどちらでも持続的なビジネスに出来ればいいと考えているので、「孫正義氏はクール」だと思う。ただ、「尊敬」には違和感がある。
・『モジュール化と国際分業の時代に昔の価値観で勝ち残るのは難しい  一方21世紀は、モジュール化と国際的な分業の時代である。聞こえの良い言い方をすれば、オープンイノベーションがもてはやされる時代である。イノベーションとは、そもそも新しい組み合わせによって経済的な利益を生み出す活動を指す言葉であり、新技術開発による技術的イノベーションは、イノベーションの一例でしかない。 他者が開発した技術であっても、その新しい組み合わせ方を考案したり、新しい組織形態によって事業を運営したり、あるいは新しい市場に製品やサービスを投入したりすることも、経済的な利益が伴えば、立派なイノベーションである。 日本人は2つの意味で、イノベーションを誤解していることが多い。1つは、自ら開発した技術だけがイノベーションの源泉だと思い込むこと。もう1つは、経済的な利益が伴わなければ、その活動はイノベーションではないということだ。 非常に優れた技術であって、それが高く評価されていても、企業に収益をもたらさなければ、それはイノベーションではない。ただの新技術である。技術成果と事業成果は異なる。技術成果が事業成果を伴って初めて技術的イノベーションと言えるし、仮に新たな要素技術が伴わなくても、新しい技術の組み合わせ方、導入の仕方によって企業に収益がもたらされれば、それこそがイノベーションと言える。 技術の変化と普及の速度が速くなった現在、内製と垂直統合だけではその変化に対応できない。世界中に散らばっている技術を集め、新たな組み合わせによって「金儲け」をすることが、オープンイノベーションの本質である。「日本独自の差別化」という大義名分のもとで排他的な垂直統合を目指しても、日本に勝ち目はないだろう。 そう考えれば、ソフトバンクグループが事業会社から投資会社に変化しつつある状況は、グローバルにオープンな環境で新たな技術の組み合わせを実現するためのプラットフォームの形成と見ることもできる。自らが要素技術開発の担い手にならなくても、技術と技術の繋ぎ合わせに必要不可欠なプラットフォームの提供者になれば、ビジネス全体のリーダーシップをとることもできるからだ』、その通りで、全面的に同意する。
・『イノベーションの定義を変える孫正義氏のチャレンジ  先日、あるメーカーの中堅社員の方が、「会社としてオープンイノベーションを標榜しているのですが、個別の案件になると、自社技術でないという理由で採用されないのです」と嘆いていた。日本企業はまだまだ20世紀の成功体験を引きずってはいないだろうか。 20世紀においても、自社で開発したものにこだわることでイノベーションが阻害される現象を「NIH」(Not Invented Here/ここで発明されたものではない)症候群と呼んでいた。オープンな競争環境において、迅速で柔軟な対応が求められる現在、重度のNIH症候群にかかっている日本企業がまだまだあるのかもしれない。 まずは意識を変えることだ。そして「孫正義氏がクールな経営者に見える」ようになってくると、日本のイノベーションの在り方が変わるのかもしれない。 それともう1つ。日本人は「金儲け」にもう少し貪欲になってもいいのではないだろうか。繰り返すが、イノベーションがイノベーションである要件は、経済的な利益がもたらされること。技術的な成果を実現しただけで、満足しないことが重要なのである。 少々話題が広がり過ぎたきらいはあるが、筆者は今回、ソフトバンクのIPOに鑑み、ふとこんなことを思った次第である』、伝統ある製造業では、いまだに「NIH」症候群が残っているようだが、一刻も早くオープンイノベーション推進に切り替えてほしいものだ。

第三に、2月17日付け米WSJ紙「ソフトバンク「ビジョン・ファンド」、資金早くも半減」を紹介しよう。
https://jp.wsj.com/articles/SB12633037436720523516104585108132061574868
・『世界最大のハイテク投資家であるソフトバンクグループにとって、さらなる現金を必要とする日が近づいているかもしれない。 ソフトバンクは2年前、1000億ドル近い規模を誇るハイテクファンドの「ビジョン・ファンド」を設立し、投資の世界に疾風を巻き起こした。同社が6日提出した証券当局向け資料によると、ファンドはすでに資金の半分を使っている。 それでも、ダウ・ジョーンズ・ベンチャーソースによると、残りの資金はプライベートエクイティ(PE)のアポロ・インベストメントによる世界2位の投資ファンドが運用する250億ドルの2倍に相当する。 ビジョン・ファンドにはサウジアラビアやアブダビの政府系ファンド(SWF)が出資している。米配車サービス大手ウーバー・テクノロジーズや共有オフィス賃貸を手掛ける米ウィーワークなど、世界有数規模の時価総額に達した新興企業の株式を取得し、猛烈なペースで資金を投じてきた。 これまでのところ、四半期当たり約70億ドルを投資しており、このペースで行けばあとわずか1年半で資金が尽きる計算だ。ファンド従業員への報酬支払いや、ソフトバンク本体からビジョン・ファンドへ移転するかもしれない投資事業を考慮に入れれば、それより早く資金が底をつく可能性が高い』、ビジョン・ファンドの規模は、第二位の倍とは小さな入り江での「クジラ」のような存在だ。既に500億ドルを投資したというのは、ペースが早すぎるような気もする。
・『ソフトバンクが何百億ドルもの資金を調達するのは、最近では難しくなっているかもしれない。市場の変動が大きくなっているうえ、中国などの景気に減速の兆候が見られる。また、ビジョン・ファンドの最大の支援者であるサウジのムハンマド・ビン・サルマン皇太子は、同国の著名ジャーナリスト、ジャマル・カショギ氏の殺害を指示した疑いが持たれており、一部のハイテク企業はサウジ絡みの出資受け入れをちゅうちょしている。ムハンマド皇太子は殺害への関与を否定している。 ソフトバンクの孫正義会長兼社長は6日、さらなる資金の調達時期と手法を検討中だとしつつ、「数カ月内に急ぐ」必要はないとの考えを示した。「この投資ペースを維持していく」と語っている』、孫正義会長としては、「強気」のポーズを取らざるを得ないのだろう。

第四に、2月15日付けダイヤモンド・オンライン「ソフトバンク物流参入へ、照準は「アマゾン」」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/194129
・『デジタル革命の到来で、高度なIT人材は引く手あまた。メルカリに代表される新興IT企業や、その他多くの事業会社は、成長の鍵をにぎる高度IT人材を血眼になって求めている。週刊ダイヤモンド2月23日号では「IT人材の採り方・育て方」を特集。IT人材獲得合戦の最前線を追った。 ソフトバンクが、今秋をめどに物流事業への参入を検討していることが本誌の調べで分かった。 その陣頭指揮を執るのは、「Pepper(ペッパー)」などロボットの開発・販売事業を展開しているソフトバンクロボティクスの顧問兼ロジスティクス本部長である松浦学氏だ。あるソフトバンク関係者によれば、「今夏までに、物流とITの知見を併せ持つような高度人材を約80人採用する計画で動いている」と打ち明ける。 日本の物流業界は、ネット通販市場の成長で物量が急増しているが、慢性的な人手不足とピンハネが横行する多層下請け構造に苛まれている。物流クライシスの深刻さは尋常ではない。 にもかかわらず、ソフトバンクが勝算ありと踏むのは、得意とするロボティクス技術を使えば、日本の物流のボトルネックを解消できると考えたからだろう。  何を隠そう、松浦氏は、家具大手ニトリホールディングスの物流子会社、ホームロジスティクス社長を務めていた人物。ニトリの物流施設へロボット技術の導入を決めた推進役である。例えば、川崎市内にあるニトリのネット通販向け倉庫を「ロボット倉庫」に切り替えたり、自動搬送ロボット「バトラー」を導入して物流倉庫の入出庫業務を自動化したりした。 ソフトバンクは松浦氏を招聘したのに続いて、テック人材を大量に採用し物流サービスの開始に備えようとしているわけだ』、松浦学氏だけでなく、「物流とITの知見を併せ持つような高度人材を約80人採用する計画」とは本腰が入っているようだ。
・『ソフトバンクが仮想敵国として照準を定めるのは、間違いなくアマゾンであろう。2000年にネット書店として日本に上陸して以降、アマゾンは日本各地に物流拠点を着々と建設しており、デリバリープロバイダー(地域配送会社)の組織化も進んでいる。 ソフトバンクは、千葉県など関東近郊エリアの物流倉庫の自動化を手始めに、拠点を拡大していく方針。現時点では、物流倉庫の自動化に専念し、アマゾンも苦戦している「ラストワンマイル」の配送は手掛けないもようだ。 それでも、ソフトバンクはグループ系列のヤフーやアスクルはネット販売チャネルを持っており、トヨタ自動車とは自動運転技術など次世代モビリティーで提携している。 満を持して、ソフトバンクが物流へ参入するからには、倉庫業務の自動化が物流事業のビジョンの最終形だとは考えにくい。 長期的には、自動運転車や次世代モビリティーが配送業務を担うなど、もっと壮大な構想を描いているに違いない』、「「ラストワンマイル」の配送は手掛けない」で、アマゾンにどのように対抗してゆくのだろうか。正式発表が楽しみだ。
・『アマゾンと重複する物流テック人材の獲得バトル  そして、ソフトバンクの物流参入の成否は、「物流×IT」に造詣が深いIT人材を確保できるかどうかにも懸かっている。 もともと、ソフトバンクはIT人材の獲得に熱心な会社だ。ペッパーでロボット事業に参入するときも、キャッシュレス決済アプリ「ペイペイ」をローンチするときもIT人材を大量に採用した実績がある。 歴史的に見ても、多くの日本企業とは異なり、顧客管理などの基幹システムをSIベンダーに丸投げすることなく、重要なシステムについては内製化してきた。その背景について、「内製化には時間も労力もかかる。経営者(である孫正義代表)の覚悟があったのだと思う」(渡辺真生・ソフトバンクIT本部長)と話す。 ソフトバンクに限らず今、世界的なデジタル革命を受けて、あらゆる業種の企業が、専門領域とITを組み合わせて新規領域へ参入している。企業の規模の大小を問わず、IT人材を内部に抱え込むのが必須の戦略となっているのだ。 日本の高度なIT人材は“超枯渇”状況。ソフトバンクとアマゾンとの間でも「物流×IT人材」の獲得合戦が始まっているように、こうした人材の年収は高騰しており、簡単には採用できなくなっている。企業がビジネス戦略に沿ったIT人材を獲得できるかどうか。その「採用力」が、企業の存亡を分けることになりそうだ』、両社の「採用力」がどうなるのかも見物のようだ。
タグ:ソフトバンク 東洋経済オンライン オープンイノベーション ダイヤモンド・オンライン WSJ紙 松浦氏 長内 厚 ソフトバンクの経営 ファーウェイ問題 (その9)(ソフトバンク上場 公開価格割れが示す難局 ファーウェイ問題 値下げ圧力 通信障害…、ソフトバンク孫正義氏が日本より海外で尊敬される理由、ソフトバンク「ビジョン・ファンド」 資金早くも半減、ソフトバンク物流参入へ 照準は「アマゾン」) 「ソフトバンク上場、公開価格割れが示す難局 ファーウェイ問題、値下げ圧力、通信障害…」 新規上場として史上最大となる約2兆6000億円を市場から調達 株価は初日から公開価格の1500円を大きく割り込んだ ソフトバンク社長、株価下落は「残念」 菅義偉官房長官が「携帯料金は今より4割程度下げられる」と発言 大規模な通信障害 5日間で約1万件の解約 中国製設備を使うのはソフトバンクだけ 欧州ベンダーと中国ベンダーに分けた場合の比率は欧州が9割で、中国は1割に過ぎない コアネットワークにおける中国製通信設備の交換費用の見通しについて、「数億円の前半レベルだ」 固定資産除却損失が数百億円発生する可能性 問題はファーウェイだけじゃない 「ソフトバンク孫正義氏が日本より海外で尊敬される理由」 ソフトバンク(ソフトバンクグループ)と孫正義会長に対して、日本人の評価は手厳しすぎるのではないだろうか ガラパゴス市場に先んじてiPhoneを導入した先見性 松下幸之助氏やホンダの本田宗一郎氏のように「尊敬される経営者」というより 「確かにお金は儲けているけど……」というエクスキューズをつけて語られることが多い 孫正義氏は「クール」なのか 日本人と外国人で割れる評価 ソフトバンクの主要事業の多くは他社から買収してそれを育てたものが多い 20世紀のモノづくりは内製化と垂直統合の時代であった。自社で開発したユニークな技術を自社製品に搭載することで、技術的なイノベーションを起こしていた その成功体験が日本人には強すぎたのかもしれない モジュール化と国際分業の時代に昔の価値観で勝ち残るのは難しい 新技術開発による技術的イノベーションは、イノベーションの一例でしかない 他者が開発した技術であっても、その新しい組み合わせ方を考案したり、新しい組織形態によって事業を運営したり、あるいは新しい市場に製品やサービスを投入したりすることも、経済的な利益が伴えば、立派なイノベーションである 日本人は2つの意味で、イノベーションを誤解 1つは、自ら開発した技術だけがイノベーションの源泉だと思い込むこと もう1つは、経済的な利益が伴わなければ、その活動はイノベーションではないということだ イノベーションの定義を変える孫正義氏のチャレンジ 「NIH」(Not Invented Here 「ソフトバンク「ビジョン・ファンド」、資金早くも半減」 「ソフトバンク物流参入へ、照準は「アマゾン」」 ソフトバンクが、今秋をめどに物流事業への参入を検討 物流とITの知見を併せ持つような高度人材を約80人採用する計画 ソフトバンクが仮想敵国として照準を定めるのは、間違いなくアマゾン 「ラストワンマイル」の配送は手掛けないもようだ 長期的には、自動運転車や次世代モビリティーが配送業務を担うなど、もっと壮大な構想を描いているに違いない アマゾンと重複する物流テック人材の獲得バトル
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