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統計不正問題(その2)(やはり“首相案件”「毎月勤労統計」賃金カサ上げのシナリオ、安倍政権にGDPカサ上げ疑惑 600兆円達成へ統計38件イジる、アベノミクス偽装 監察委が甘噛み調査で“幕引き”お膳立て、官庁統計の相次ぐ信頼失墜に「統計庁」の新設は有効か)  [国内政治]

統計不正問題については、2月6日に取上げた。今日は、(その2)(やはり“首相案件”「毎月勤労統計」賃金カサ上げのシナリオ、安倍政権にGDPカサ上げ疑惑 600兆円達成へ統計38件イジる、アベノミクス偽装 監察委が甘噛み調査で“幕引き”お膳立て、官庁統計の相次ぐ信頼失墜に「統計庁」の新設は有効か)である。

先ずは、 2月14日付け日刊ゲンダイ「やはり“首相案件”「毎月勤労統計」賃金カサ上げのシナリオ」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/247476
・『「毎月勤労統計」の賃金かさ上げは「首相案件」――。2018年1月に突然、調査方法が変更され、賃金がカサ上げされることになった「毎月勤労統計」。やっぱり、安倍首相周辺が関与していたことが発覚した。 13日の衆院予算委で安倍首相は、企業サンプルの入れ替えにより数値が大きく変動することについて、15年の段階で、当時の首相秘書官が厚労省の役人から説明を受けていたことを明らかにした。 質問した財務省出身の大串博志議員(立憲民主)は「秘書官の耳に入るということは、役所では“総理ご関心事項”と言うんですよ」と語った。14日の衆院予算委で、厚労省と接触したのは、中江元哉首相秘書官(現・財務省関税局長)で、15年3月末だったことが明らかになった。この後、統計の“見直し”は一気に進んだ』、官邸の関与はどうみても明らかだ。
・『核心を突かれムキになった安倍首相  15年10月の経済財政諮問会議で、麻生財務相は「サンプル事業所の入れ替え時に変動がある。改善方策を早急に検討していただきたい」と「毎勤」の調査方法にケチをつけた。その結果、毎勤統計の500人未満事業所の抽出調査は「総入れ替え方式」から「一部入れ替え方式」に変更され、18年から実施された。入れ替えは3年ごとに行われる。 “総入れ替え”すると、倒産直前の企業や生まれたての企業など低賃金の企業が多く含まれるため、賃金は低く出る。そこで、“一部入れ替え”に変更し、賃金を上振れさせたのだ。 調査方法の変更には統計委員会の委員などから異論もあったが、「首相案件」だから、ゴリ押しできたのである。 大串議員に追及された安倍首相はムキになって言い返した。「2015年は平和安全法制で1000問質問を受けた。これ以外は持ってこないでという状況だった。統計なんかに関心を示すわけないじゃないですか。根本的に知りませんから」「毎勤は毎月見ませんよ」』、安全法制を抱えているからといって、アベノミクスの成果を誇るための統計操作は、秘書官に指示さえすればいいのだからいくらでも可能な筈で、全く答弁になっていない。こんな答弁を許す野党もだらしない。
・『核心を突かれるとムキになるのが安倍首相の特徴である。 政治評論家の山口朝雄氏が言う。「統計見直しに、早い段階から首相秘書官が動いていたということは重要です。麻生財務相のみならず、安倍首相自身が大きな関心を持っていたということです。森友、加計のケースと同じで『首相案件』だったから、官僚が忖度し、普通なら無理なことでも進んでいったのでしょう」 どんな力が働いたのか――徹底解明すべきだ』、野党は安倍政権追及の絶好のチャンスを、もっと鋭い質問で追及してほしいものだ。

次に、2月19日付け日刊ゲンダイ「安倍政権にGDPカサ上げ疑惑 600兆円達成へ統計38件イジる」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/247804
・『「経済政策を良く見せようとして統計を変えたことはない――。18日の衆院集中審議で、野党から“アベノミクス偽装”を追及され、こう強弁した安倍首相。不正統計問題の責任を官僚に押し付け、頬かむりしているが、そうはいかない。また新たな疑惑が浮上したからだ。 アベノミクス偽装を巡る大きな問題が、「GDPカサ上げ」疑惑である。立憲民主の小川淳也議員は集中審議で、この疑惑を改めて追及。安倍首相が2015年9月にブチ上げた「GDP600兆円」の達成をアシストするかのように、GDP関連の統計が見直されたことを指摘した。 小川議員の調べによると、安倍首相が政権に返り咲いた直後の13年以降、全56件の基幹統計のうち53件もの統計の取り方が見直された。うちGDP関連は38件に上り、10件は統計委員会で審議されず、勝手に見直しを決めたというから驚きだ。 これだけの数の基幹統計が見直されること自体、異常だ。民主党政権が3年間で変更したのは16件。うちGDP関連は9件しかない』、統計の見直し自体は、経済構造の変化に伴って必然的に必要になるが、基幹統計の殆どを見直した、しかも「統計委員会で審議されず、勝手に見直し」たというのはやはり異常で、作為を感じる。
・『「国際基準に合わせた」の理屈だけじゃ通らない  小川議員が「統計手法を変更して、GDPをカサ上げしたのではないか」などと迫ると、茂木経済再生相は「GDPは支出項目の積み上げによるもので、家計や賃金が変わっても影響はない」とノラリクラリ。しかし、「アベノミクスによろしく」の著者で弁護士の明石順平氏は、「消費に関する統計手法を変えると、GDPが上向く可能性があります」と言う。 実際、安倍政権下で変更された基幹統計には、全国消費実態調査や家計調査など、消費や支出に関するものが含まれている。要は、安倍政権が恣意的に統計をいじくりまくり、GDPをカサ上げした可能性はゼロじゃないのだ。改めて小川議員に聞いた。「GDP上昇の要因は、家計調査の方法が変わったことで、家計消費が6%増えたことなどが考えられます。しかし、政府は『GDPを国際基準に合わせたら数字が上がった』の一点張り。GDP統計を国際基準に合わせるという理屈は分かりますが、ならば上昇要因をきちんと国民に説明すべきです。上昇理由が、経済政策の成果なのか、計算方法が変わったからなのか、現状ではまるで分からない。GDP600兆円という結果ありきの統計手法の変更だと思われても仕方ありません」 ペテン政権下で調べた統計は、もはや誰も信じられない』、小川議員も本誌に油を売るだけでなく、追加質問で「上昇理由」の内訳を問い質すべきだ。

第三に、2月28日付け日刊ゲンダイ「アベノミクス偽装 監察委が甘噛み調査で“幕引き”お膳立て」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/248432
・『またもヒドい報告だ。厚労省「毎月勤労統計」不正問題を再調査していた特別監察委員会(委員長=樋口美雄労働政策研究・研修機構理事長)が27日、追加報告書を公表した。隠蔽は全否定し、意識や認識の甘さに矮小化。その上、「官邸の関与」など不正の背景には一歩も踏み込まなかった。 1月の監察委の調査は、厚労省の職員がヒアリングするなど「第三者性」に疑義が噴出。今回は、厚労省を遮断して行われたが、中身はお寒いものだった。 ▼担当部長(「抽出調査」を知らされた担当部長は是正を指示し、隠蔽ではない。) ▼省幹部(他の幹部は「抽出調査」すら認識せず、次官等の上層部の指示もない。省幹部は無関与と認定。) ▼担当課(室)(綿密な打ち合わせや周到な準備がないとして、課(室)としての組織的隠蔽を否定。) ▼担当者(極めつきは、担当者の隠蔽まで否定したことだ。例えば、2015年10月、厚労省の室長は、東京都の大規模事業者が抽出調査であることを知りながら、総務省に「全数調査」と報告。「これまでの不適切な取り扱いの説明にも窮することから、事実を正直に言いだせなかった」という。どう見ても隠蔽だが、監察委は「殊更に隠そうとの意図は認められない」と隠蔽を否定した。)』、そもそも委員長は、元慶應義塾大学教授で、現在は厚労省の外殻団体である労働政策研究・研修機構の理事長という「天上がり」のポストに就いていることからして、「第三者性」は全くない。2度にわたる報告書も、厚労省擁護の「お手盛り」で、およそ学者の良心とは無縁の無責任人間のようだ。「甘噛み調査」とは言い得て妙だ。
・『不正の背景には一歩も踏み込めず  報告書をよく読むと、組織から個人まで隠蔽は認めていない。幹部は知らず、課(室)も、担当者も隠蔽など悪意はない。「規範意識の欠如」「事の重大性に対する認識の甘さ」「幹部職員の無関心」で済ませようというトーンなのだ。 さらに、許せないのが監察委が「アベノミクス偽装疑惑」にもフタをしようとしていることだ。 18年からの統計方法の変更で賃金がカサ上げされ、国会でも問題になっている。15年には、中江首相秘書官(当時)が、厚労省に統計方法変更(ローテーション方式)の問題意識を伝え、方針が急変するなど不自然なプロセスが浮き彫りになっている。 樋口委員長は「統計法上、手続きは問題ない。それ以上(行政のプロセス)は、我々のミッションではない。(中江氏の件などは)調査していない」と逃げた。 さらに、賃金カサ上げにつながった疑いのある変更(ベンチマーク更新)も、監察委は「専門的な視点から合理的な判断」とアッサリOKと判断。涼しい顔で次々とお墨付きを与えたのである。 これを、安倍首相が鬼の首を取ったように、利用するのは目に見えている。  経済評論家の斎藤満氏が言う。「安倍首相は『第三者委』であることを強調して、今回の報告で区切りがついたと幕引きを図るでしょう。しかし、監察委の調査からは、何も分かっていません。個々の意識の問題に矮小化し“背景に何があったのか”にまでは突っ込んでいないからです。官邸の関与も調べていない。野党やメディアは、監察委の報告に惑わされず、真相解明を続けるべきです」 このまま不問にさせてはならない』、調査範囲をことさら狭くした点や、ベンチマーク更新が「専門的な視点から合理的な判断」という論拠、などツッコミどころ満載だ。野党にはよく勉強して厳しい質問をしてもらいたいものだ。

第四に、総務省出身で室伏政策研究室代表・政策コンサルタントの室伏謙一氏が2月27日付けダイヤモンド・オンラインに寄稿した「官庁統計の相次ぐ信頼失墜に「統計庁」の新設は有効か」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/195239
・『官庁の統計データの不正や問題が相次いだことで、信頼が失墜しつつある。その背景にあるものは何か。有効策は何か。かつて総務省で政府の統計制度の所管部局にも在籍していた元官僚の筆者が解説する』、この問題を解明するには適任のようだ。
・『「お手盛り」と評されても仕方がない調査結果  厚生労働省の毎月勤労統計に関する不正問題を受け、56の政府の基幹統計について、総務省による点検が行われた。1月24日には、その結果が公表され、22の基幹統計について何らかの問題が見つかった。 具体的には、事業者の誤記載により一部誤った結果数値を公表しており訂正が必要なものが1統計、計画上の集計事項の中に集計、公表されていない事項があったものが9統計、都道府県の抽出方法が細部において国が示したものと相違していたものが1統計、調査計画の変更に関わる総務大臣への承認申請が行われていなかった等の手続等に関する問題があったものが16統計であった。 問題が見つかった統計を所管しているのは、基幹統計を所管している府省のうち、当の総務省も含め、財務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省および国土交通省であった。 もっとも「点検」といっても全て総務省が行ったわけではない。昨年の統計法改正により各府省に置かれることとなった統計幹事を中心に行われた“自主点検”を、単に総務省がとりまとめたにすぎない。 つまり、世間で考えられているような“第三者の立場から行われた点検や検証”とは程遠いものであり、毎月勤労統計に関する特別監察委員会による調査と同様、「お手盛り」と評されても仕方がないものだ。 こうなると、今回の点検によって把握されたものは“氷山の一角”であって、「基幹統計に関わる不正や不適切な処理が行われた事案はまだまだあるのではないか」という疑念が生まれる。 これでは、官庁統計への信頼回復どころか、かえって不信を強める結果になりかねない』、総務省による点検調査結果は、確かに「お手盛り」と評されても仕方がないようだ。
・『あまりに緊張感のない厚生労働省側の対応  総務省では、統計委員会に新たに点検検証部会が設置され、基幹統計のみならず一般統計調査も対象として、「問題事案の再発防止及び統計の品質向上を目指して」、2月19日から点検検証が進められている。 しかし、毎月勤労統計の不正事案に係る特別監察委員会が、第三者委員会の体裁を整えながら、実は調査の一部が厚生労働省の職員により行われていたことが、衆議院厚生労働委員会の閉会中審査で明らかになった。 その結果、再調査を余儀なくされ、「信頼はほとんどなくなった」と言っていい状況にある。 なんと緊張感のないことか。 統計法の罰則(第60条第2号)の適用について、特別監察委員会は、「『基幹統計をして真実に反するものたらしめる行為』をしたとまでは認められないものと考えられる」等と結論づけて、罰則の適用に否定的な見解を示している。 第三者委員会として見解を示すこと自体特段問題はないが、衆議院厚生労働委員会の審議において、根本厚生労働大臣は、特別監察委員会の報告書に基づきつつも、罰則の適用について否定的な見解を示している。 統計法の解釈権は所管府省にあり、同法については総務省である。 所管府省ではない厚生労働省の大臣が、大臣としての見解を述べたのだとしたら、解釈権のない者が自らにとって有利となるような恣意的な解釈をしたのと同じであり、これは大いなる問題である。 渦中の人が緊張感のかけらもないというのと同じである。しかし、残念ながらこのことを指摘する議員はいなかった』、さすが総務省で統計制度を担当していただけある鋭い指摘だが、野党の不勉強ぶりも酷いものだ。
・『問題がある統計担当職員の育成  ではなぜ、これだけ世間を騒がせ、与野党問わず厳しい姿勢を見せているというのに、このような緊張感のない対応しかできないのだろうか。 その背景には、統計法に係る総務大臣の権限の限界と、各府省の統計担当部門の組織や定員の在り方の問題、そして統計担当職員の育成の在り方の問題があると考えられる。 まず、統計法に関する総務大臣の権限の限界については、拙稿『勤労統計不正問題はなぜ起きた?組織と人材の厄介な「病巣」』において記載しているのでここで改めて詳しく触れることはしないが、今回の基幹統計を対象とした点検がお手盛りで中途半端なものになったのも、この権限の限界が影響していることは、論をまたないだろう。 協力依頼しかできない総務大臣、そして統計委員会には自ら各府省の統計担当部門を調査することができない。 たとえ提出された調査結果、点検結果が「不十分である」と判断しても、追加で関係資料等の提出を“依頼”することはできても、「提出しろ」とは言えない。ましてや統計担当部門の事務室に立ち入って調査を行うこともできないのである。 次に、各府省の統計担当部門の在り方について。わが国の統計機構は、統計庁や中央統計局のような1つの機関が一元的に官庁統計を担うのではなく、各府省に統計担当部門が設けられている分散型統計機構が採られている。 これは、総務省の説明によれば、行政ニーズに的確、迅速に対応することが可能、所管行政に関する知識と経験を統計調査の企画・実施に活用できる、といったメリットがある。 その一方で、統計の相互比較性が軽視されやすい、統計調査の重複や統計体系上の欠落を招きやすいといったデメリットがあるとされている。統計法や総務省の統計基準担当政策統括官はこのデメリットを補うために設けられているものであると言ってもいいだろう。 もっとも、これは同時に各府省の統計担当部門の独立性が高いことを意味し、統計法の統一的な運用や統計基準担当政策統括官の総合調整業務を難しくする。 従って、それにふさわしい組織の在り方や権限の在り方を検討する必要が出てくる。前者については、中央省庁等改革に際して、新たに「統計庁」を設けてそこに官庁統計の管理や実施を一元的に担わせようという案が検討されたことがある。 こうした統計組織の在り方は集中型統計機構と呼ばれるが、総務省の説明によれば、統計の専門性をより発揮しやすい、統計の整合的な体系化が図りやすいといったメリットがある。 一方、行政ニーズを的確、迅速に反映した統計調査が行われにくい、所管行政に関する知識と経験を統計調査の企画・実施に活用しにくいといったデメリットがあるとされる。 「統計庁」設置構想は、結局、後者のデメリットを主な理由として“お蔵入り”となったが、官庁統計の専門性の確保や整合的な体系の構築といったことを考えれば、再び検討の俎上(そじょう)に載せられる余地は十分あるのではないだろうか(もっとも、「庁」である以上、府なりどこかの省なりの外局としてぶら下げる必要があるので、各府省間で綱引きが起こるだろう)』、統計機構を分散型にするか、集中型にするかは確かに簡単には答えが出ない問題のようだが、分散型でもデメリットを小さくする方法もある筈だ。
・『統計担当部門は軽んじられている  各府省の統計担当部門を定員で見てみると、府省によって大きく異なる。平成30年4月1日現在で最大の定員を抱えているのは、農林水産省の613人、次いで総務省の584人、もっとも少ないのは警察庁及び法務省の8人、次いで人事院の12人である。 渦中の厚生労働省は233人。これは旧厚生省系と旧労働省系を合計したものである。こうした数字を多いと見るか少ないと見るかは、どのような統計を所管しているかによる。人数が多いということはそれだけ多くの統計や規模の大きな統計を所管しているということだ。 ちなみに「統計なんかにそんな人数を」と考えるのであれば、それは大きな間違いである。 今の時代「オンライン調査にすれば人を削減できる」と考えるかもしれないが、削減できるのは統計調査員という、統計調査を実施する際に総務大臣等または都道府県知事から任命される「非常勤の国家公務員または地方公務員」にすぎない。彼らは定員には含まれていないし、そもそもその確保が困難で総務省が予算を措置して確保対策事業が行われているぐらいである。 統計担当部門の定員数の推移は、こちらも各府省によりまちまちであるので一律には言えないが、全体としては微減の傾向にあると言っていいだろう。 例えば厚生労働省の場合、平成21年4月1日の段階で279人だったが、30年4月1日の段階では233人へと、46人削減されている。 ここで、各府省の定員の増減は、内閣人事局の査定を経て行われるが、新しい部局の設置や特定の部局の所掌事務の追加等により定員を増やす場合は、他の部局の廃止や定員を減らしてこれを行うというのが基本的なやり方である。また、国全体として、国の行政機関の定員の削減や総人件費改革が進められてきている。 おそらくこの46人の定員削減は、そうした動きのあおりを食ったのであろう。 要するに、厚生労働省を例にとれば、「統計担当部門は軽んじられている」ということなのであろう。 加えて、定員の少ない府省であれば、統計分野を専門とする職員は育ちにくいといえる。これは単に統計担当部門の人数だけではなく、各府省の統計部門の位置付け(課レベルなのか部なのか等)や、各府省自体の大きさや所掌事務の範囲の広さ等も加味して考える必要がある。 そうすると人事ローテーションの在り方や範囲もなんとなく見えてくるので、「育ちにくさ」はよりはっきりしてくる。これにキャリアの数学職、すなわち統計分野を中心に担当する幹部候補の採用人数も加味すれば、育ちにくさに加えて、「育てる意識」の有無や高低も見えてくるだろう』、統計部門が「国の行政機関の定員の削減」の「あおりを食った」というのでは、モチベーションは期待すべくもないだろう。
・『「統計庁」のような集中型統計機構を検討すべき  概して、統計専担の局がある総務省を除き、そもそも「専門の職員を育てよう」という意識はほとんどなかったのではないか。たとえ「あった」としても「低い」と言わざるをえないように思われる。 各府省勝手バラバラで、場合によっては軽んじられる。「専門の職員を育てる」という意識も低く、人も減らされてでは、モチベーションは上がらないだろう。 これほど官庁統計を巡る不祥事が永田町で大問題になっていても、緊張感も生まれず、基幹統計の点検など“その場しのぎ”で、なあなあになってしまうのもうなずける。 突き詰めれば、モチベーションを高く保ち、責任と誇りを持って職務に当たることができるようにすることが重要ということである。 そのためには、やはり、「分散型統計機構」から「集中型統計機構」への移行を本気で検討する必要があるのではなかろうか。 集中型統計機構ということになれば、途中関係府省へ出向する場合等を除き、統計専門の職員を採用し、育成できる。そうすれば、「専門家」としての誇りを持って仕事をしてもらうこともできるだろう。 仮に「統計庁」ということになれば、長官ポストまで置かれることになるので、モチベーションは従前と比較にならないほど向上するだろう。 集中型統計機構ということになれば、調整部門、統計基準部門も当該機構内に置かれることになるので、現在のように管理監督に難儀することもなくなる。そうなれば不正や不適切行為の防止や、仮にそうしたことがあった場合の早期発見も可能になるだろう。 もっとも、こうしたことは、官庁統計に関わる「膿」を完全に出し切ってから検討が可能になる話である。 まずは統計法に基づく総務大臣の権限強化で大ナタを振るうところから始まる』、私は統計は利用目的があってのものと考えるので、「集中型」には必ずしも賛成ではない。「分散型」を基本としつつも、総務省の各省庁への指導・監督権限を強める方が現実的なのではなかろうか。モチベーションは運用のなかで向上を図ることも可能だろう。
タグ:日刊ゲンダイ 毎月勤労統計 ダイヤモンド・オンライン GDP600兆円 室伏謙一 統計不正問題 特別監察委員会 (その2)(やはり“首相案件”「毎月勤労統計」賃金カサ上げのシナリオ、安倍政権にGDPカサ上げ疑惑 600兆円達成へ統計38件イジる、アベノミクス偽装 監察委が甘噛み調査で“幕引き”お膳立て、官庁統計の相次ぐ信頼失墜に「統計庁」の新設は有効か) 「やはり“首相案件”「毎月勤労統計」賃金カサ上げのシナリオ」 賃金かさ上げ 「首相案件」 首相秘書官が厚労省の役人から説明を受けていた 秘書官の耳に入るということは、役所では“総理ご関心事項”と言うんですよ 核心を突かれムキになった安倍首相 “総入れ替え”すると、倒産直前の企業や生まれたての企業など低賃金の企業が多く含まれるため、賃金は低く出る。そこで、“一部入れ替え”に変更し、賃金を上振れさせた 森友、加計のケースと同じで『首相案件』だったから、官僚が忖度し、普通なら無理なことでも進んでいったのでしょう 「安倍政権にGDPカサ上げ疑惑 600兆円達成へ統計38件イジる」 達成をアシストするかのように、GDP関連の統計が見直された 全56件の基幹統計のうち53件もの統計の取り方が見直された 10件は統計委員会で審議されず、勝手に見直しを決めた 「国際基準に合わせた」の理屈だけじゃ通らない GDP上昇の要因は、家計調査の方法が変わったことで、家計消費が6%増えたことなどが考えられます 上昇理由が、経済政策の成果なのか、計算方法が変わったからなのか、現状ではまるで分からない 「アベノミクス偽装 監察委が甘噛み調査で“幕引き”お膳立て」 委員長=樋口美雄労働政策研究・研修機構理事長 不正の背景には一歩も踏み込めず 樋口委員長は「統計法上、手続きは問題ない。それ以上(行政のプロセス)は、我々のミッションではない。(中江氏の件などは)調査していない」 『第三者委』 ベンチマーク更新 監察委は「専門的な視点から合理的な判断」とアッサリOKと判断 「官庁統計の相次ぐ信頼失墜に「統計庁」の新設は有効か」 「お手盛り」と評されても仕方がない調査結果 56の政府の基幹統計について、総務省による点検 各府省に置かれることとなった統計幹事を中心に行われた“自主点検”を、単に総務省がとりまとめたにすぎない 今回の点検によって把握されたものは“氷山の一角” 「基幹統計に関わる不正や不適切な処理が行われた事案はまだまだあるのではないか」 罰則の適用に否定的な見解 根本厚生労働大臣は、特別監察委員会の報告書に基づきつつも、罰則の適用について否定的な見解を示している 所管府省ではない厚生労働省の大臣が、大臣としての見解を述べたのだとしたら、解釈権のない者が自らにとって有利となるような恣意的な解釈をしたのと同じであり、これは大いなる問題 問題がある統計担当職員の育成 分散型統計機構 集中型統計機構 統計庁 統計担当部門は軽んじられている 「統計庁」のような集中型統計機構を検討すべき
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