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事業再生(東洋エンジ 150億円の増資で苦境を脱せるか インテグラルが実質大株主 三井物産は静観、「私的整理」に追い込まれた曙ブレーキ工業って どんな会社?、どん底 JR貨物を再生に導いた「運命の2日間」 海運、空運のプロは経営再建請負人だった) [企業経営]

今日は、事業再生(東洋エンジ 150億円の増資で苦境を脱せるか インテグラルが実質大株主 三井物産は静観、「私的整理」に追い込まれた曙ブレーキ工業って どんな会社?、どん底 JR貨物を再生に導いた「運命の2日間」 海運、空運のプロは経営再建請負人だった)を取上げよう。

先ずは、昨年11月30日付け東洋経済オンライン「東洋エンジ、150億円の増資で苦境を脱せるか インテグラルが実質大株主、三井物産は静観」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/252483
・『「三井物産との関係は全く変わらない」。会見で、プラントエンジニアリング大手の東洋エンジニアリングの芳澤雅之専務はそう強調した。 11月28日、東洋エンジは第三者割当増資を実施し、優先株を発行することで、約150億円を調達すると発表した。2019年2月12日に臨時株主総会を行い、優先株の発行と減資を行う決議する予定だ。 優先株を引き受けるのは筆頭株主(22.7%)の三井物産ではなく、投資ファンド・インテグラルらだ。 インテグラルは2015年1月に破綻した航空会社スカイマークへの支援でも知られている。調達した資金は東洋エンジの事業構造の変革などに活用し、再生計画を加速させる』、筆頭株主の三井物産が優先株を引き受けなかった背景は不明だが、ずいぶんドライになったものだ。
・『米国のプロジェクトで相次ぐ誤算  東洋エンジは米国の化学プラントプロジェクトでつまずき、前2018年3月期は268億円の最終赤字に転落した。2016年から建設を始めた同プロジェクトでは工事初期から地盤の問題で杭打ちが難航。2017年に現地を襲ったハリケーンの影響で工事が遅れた。 今年4月からは施工体制を大幅に見直し、新たに地元建設業者2社を加えた。東洋エンジの現場管理要員も増強し、進捗管理を徹底した。「動員力のある地場業者をサブコントラクターに起用したことが功を奏した」(芳澤専務)。約585億円にのぼる追加コストを出した北米案件は、ようやく出口が見えてきた』、プラントエンジニアリングでは想定外の出来事が相次ぐのはつきものだが、施工体制見直しが遅れたのは、致命的だ。
・『一方、再生計画を進める上で避けては通れないのが資本増強の問題だ。東洋エンジの自己資本比率は9月末時点で10.8%にまで落ちた。顧客からの信用が低下し、新たなプロジェクト受注に支障が出る可能性が高かったため、今回の増資で自己資本比率を約17%まで回復させ、再生計画を着実に進める狙いだ。 意外だったのが2006年の増資以降、筆頭株主として協力体制を強化してきた三井物産が増資に応じなかった点にある。芳澤専務は、当初から資金面での支援を相談していたものの「(三井物産は)難しいという判断」だったという。ここ10年にわたって東洋エンジの業績が「赤字を出したり、配当できなかったり三井物産に貢献できていない」(同)と説明する。 一方のインテグラルは増資を引き受けた理由を問われ、「(多額の損失を出した米国案件は)一過性のもの。東洋エンジは必要な資金があれば伸びる会社だ」(同社の山本礼二郎パートナー)と自信をみせた。 すでに東洋エンジの全プロジェクトを点検し、既存のプロジェクトで一過性の損失が出る可能性は少ないとみているという。山本氏は東洋エンジの社外取締役に就任する予定だ。 インテグラルは優先株を1株740円で引き受ける。ここ半年の終値平均の830円に対し、約11%のディスカウントだ。優先株には株主総会での議決権や優先配当がないが、取得請求を同1株に対して普通株1株に設定した。 つまりインテグラルが保有する取得請求権を発動すれば、全株式を普通株式に転換し、三井物産を上回る約34%握る筆頭株主に浮上する計算になる。 山本氏は「上場会社として三井グループの一員として頑張ってもらう」と繰り返した。経営陣の交代の必要性についても否定し、現経営陣と企業価値向上に取り組む考えだ。一般的に投資ファンドは、出資して数年後には売却して利益を確定させる必要がある。こうしたエグジット(出口戦略)について「全く確定していない」(同)と明言を避けた』、2010年以降の同社業績は低迷が続いており、問題はアメリカ案件といった一過性のものではなさそうだ。これでは、三井物産が支援に消極的になったのも頷ける。ただ、インテグラルにはどんな勝算があるのだろうか。
・『強みを伸ばせるのか  同業の日揮と千代田化工建設が大型のLNG(液化天然ガス)プラント案件の受注を積み上げるのに対し、大型LNG技術を持たない東洋エンジは受注を伸ばすことが難しい。 そこで東洋エンジは得意とする肥料プラントやバイオマス発電所の受注を重ねつつ、既存プロジェクトの管理を徹底する考えだ。 また、主力である設計・調達・建設(EPC)は受注が見込み通りにいかなかったり、工事のコストが超過してしまったりするリスクがある。そこでIoTを活用したプラントの保守運転(O&M)サービスを開発するなどして、EPC一本槍から脱却する。 大規模な増資にもかかわらず、11月29日の株価の終値は852円(前日比0.83%プラス)とやや上げた。今期は3期ぶりに営業黒字に回復する見通しの東洋エンジ。増資を再建への糧にできるか否かに注目が集まっている』、「大型LNG技術を持たない」とは初めて知ったが、「肥料プラントやバイオマス発電所の受注」では余り多くを期待できまい。「EPC一本槍から脱却」というにも時間がかかりそうだ。インテグラルはどのようなエグジットを描いているのだろうか。今後の再生の行方が注目される。

次に、2月4日付けM&A Online「「私的整理」に追い込まれた曙ブレーキ工業って、どんな会社?」を紹介しよう。
https://maonline.jp/articles/whats_akebono_brake_industry_company190201
・『事業再生ADR(裁判以外の紛争解決)による私的整理を決めた曙ブレーキ工業。自動車部品大手で、大型M&Aによる事業拡大でも知られる。同社の設立は1929年1月、日本でようやく自動車が走り始めた時代だ。創業者の納三治(おさめ・さんじ)氏が個人営業の「曙石綿工業所」を立ち上げ、耐熱繊維などを多重織りしたブレーキ摩擦材の生産を始めた』、曙ブレーキ工業の私的整理には驚かされた。一体、何があったのだろう。
・『国策でブレーキ大手となった曙ブレーキ工業  納氏が郷里である岡山県裳掛村の港から対岸の小豆島を望む夜明けの美しさから、社名に「曙」を採用したという。1957年4月に従来の摩擦材に金属部品を組み合わせたブレーキシューアッセンブリーの生産を始め、素材メーカーからブレーキ機構そのものを扱う総合ブレーキメーカーへ転換した。 1958年11月には高い品質要求で知られる日本国有鉄道(現・JR各社)から特急列車「こだま」(新幹線ではなく、在来線の旧こだま)や「あさかぜ」向けのブレーキ部品の受注に成功し、一躍ブレーキ部品業界の寵児になる。 1960年3月、通商産業省(現・経済産業省)の主導により、自動車メーカー9社と部品メーカー7社から出資を受けた同社が、米ブレーキ大手のベンディックスから1社単独で特許を受ける方針が決まった。同5月には社名を現在の「曙ブレーキ工業」に変更。1961年4月にベンディックスとの技術提携が正式に決まり、国産車向けブレーキ生産の拠点となる。いわば「国策」で、成長のチャンスをつかんだ。 1985年8月に、当時世界最大の自動車メーカーだった米ゼネラル・モーターズ(GM)との折半出資の合弁ブレーキメーカーAmbrake社を米ケンタッキー州エリザベスタウンに設立。初の海外進出を果たす。日本車メーカーの米国市場依存が強まるのと併せて、曙ブレーキ工業も対米投資に力を入れた。 2008年から2012年まで日本自動車部品工業会会長を務めた同社の信元久隆(のぶもと・ひさたか)会長兼社長は、実父で先代社長の掲げた「総合ブレーキメーカー」の看板を下ろし、ブレーキ用摩擦材に経営資源を集中して品質の高さを追及する「ブレーキ専業メーカー」へ転進。「世界シェア30%」を目標に摩擦材事業を強化した。 信元会長兼社長はリーマン・ショック直後の2009年9月に、独ブレーキ大手のボッシュから北米ブレーキ事業の譲渡を受ける。ボッシュの顧客であるフォード・モーターを取り込むことでシェア拡大を狙ったのだ』、「国策でブレーキ大手となった」とは初めて知った。「ボッシュから北米ブレーキ事業の譲渡を受ける」、までは順調だったようだ。
・『ボッシュからの事業買収でつまずく  この買収が裏目に出た。ボッシュから譲り受けたブレーキ事業の採算性は低く、北米に大きく依存する曙ブレーキ工業の足を引っ張った。さらにリーマン・ショックの影響で米国の自動車生産が低迷。あわてて生産能力を縮小するも、皮肉なことに米国の自動車販売が景気回復を受けて急増し、ブレーキ生産が間に合わない状況に。 度重なる残業や休日出勤による人件費増や、納期遅れ回避のための航空輸送による輸送費高騰などで生産コストは上昇。繁忙にもかかわらず、利益が出ないという異常事態に陥った。 過剰な増産により品質も劣化し、2015年6月にはGMに納入したブレーキ製品で不具合があったと発表。GMが約1万5000台のリコール(回収・無償修理)を届け出た。こうした生産の混乱が、連結売上高の28%を占めるGMからの失注を招き、1000億円を超える有利子負債返済のめどがつかなくなった。 帝国データバンクによると、曙ブレーキ工業の取引先は一次下請が282社、二次下請が2500社で合計2782社にのぼる。非正規社員を除く従業員数だけでも取引先の16万5119人が影響を受ける可能性があるという。 主力製品のブレーキパッドは、世界シェア約21%、国内シェア約46%と存在感が大きく、GMのほかトヨタ自動車や日産自動車ほか多数の自動車メーカーと取引がある。 そのため私的整理とはいえ、2017年6月に民事再生法の適用を申請したエアバック大手のタカタ同様、買収または経営支援を受けて事業継続する可能性が高い。 タカタは中国・寧波均勝電子の子会社で自動車用安全部品を手がける米キー・セイフティー・システムズ(現・ジョイソン・セイフティ・システムズ)に買収された。曙ブレーキ工業も中国をはじめとする外国資本に買収されるのか、それとも国内自動車メーカーの経営支援によって日系自動車部品メーカーとして生き残るのだろうか。少なくとも現時点で、曙ブレーキ工業支援に手を挙げている国内企業はいない』、海外投資の失敗の典型例のようだが、経産省としては、何とかして国内企業に支援させたいところだろうが、さてどうなるのだろう。

第三に、3月18日付け東洋経済オンラインが掲載したJR貨物の真貝康一社長へのインタビュー「どん底、JR貨物を再生に導いた「運命の2日間」 海運、空運のプロは経営再建請負人だった」を紹介しよう(Qは聞き手の質問、Aは真貝社長の回答)。
https://toyokeizai.net/articles/-/271327
・『JR貨物が元気だ。本業にもかかわらず長年赤字が続いていた鉄道ロジスティクス事業が2016年度に黒字化を果たし、連結経常利益を100億円台に乗せた。 2018年度は6月の大阪北部地震、7月の豪雨、9月の台風24号と度重なる自然災害に悩まされた。しかし、その後急ピッチで輸送量が回復し、2018年4月~2019年2月の輸送実績は前年同期比92.2%という水準まで持ち直した。山陽線の一部区間で工事や徐行運転が行われていることもあり、今も一部の列車が運休している。もしこれらが動いていれば、2月単月については「前年とほぼ変わらぬ水準」(真貝康一社長)という。 昨今のトラック運転手不足や環境問題の高まりなどJR貨物を取り巻く状況は明らかに追い風だ。しかし、その追い風を捉えて見事に浮上することができたのは、2013年に同社会長に就任した石田忠正氏(現相談役)の経営手腕によるところが大きい。 石田氏は日本郵船副社長、日本貨物航空社長を歴任。2011年にはまったく畑違いのがん研究会有明病院の理事長補佐に就任し、病院経営を黒字化させた実績もある。海運業と陸運業のプロはどのような経営手法でJR貨物の鉄道事業を黒字化に導いたのか。石田氏に聞いた』、再生請負人の手法とは興味深そうだ。
・『「意識改革」にはこう取り組んだ  Q:JR貨物に来て、まず改善しなくてはいけないと思ったことは? A:外部の人間がいきなりやってきて「こんな問題がある」「解決するためにはここを直さないといけない」と言ってもうまくいかない。もちろん表面上は変わるだろうが不十分。たとえ私が100点満点の提案をしても、人から言われてやるのでは意味がない。社員一人ひとりが「これは私の仕事だ」という気づきを得て、本気で取り組むという意識改革が必要だ。 一人だけが気づいても、回りにも同じ考えの人がたくさんいないと、組織としての行動にはならない。どの企業にも目に見えない不文律があって、社員自らを縛っている。それを解き放してあげないと「変わらなきゃ」という行動は起きない。これはどこの組織でも同じ。病院でもそうだった。JR貨物が国鉄の体質を引きずっているのは承知していたので、意識改革を本格的にやらないと経営改革はできないと強く意識していた。 その意味で、JR貨物に来て最初にやったことは2日間の役員合宿。社長以下、役員全員、部長、支社長も集まった。私は「ああしろ、こうしろ」とはいっさい言わなかった。「自由闊達」「役職は無関係」「何を言ってもよい」といったルールだけ決め、参加者の間でガンガン議論を行い、JR貨物の現状と問題点を洗い出し、解決策を考えてもらった。 JR貨物をどういう会社にしたいのか、そのためには何をすべきかを1つの表にまとめたら、ちゃんと形になって、全員が「できる」と思った。翌週の経営会議からガラリと変わりましたよ。また、各支社長は支社ごとに合宿をやって、現場長たちも職場で部下たちと議論をした。こうなると本物だ』、「社員一人ひとりが「これは私の仕事だ」という気づきを得て、本気で取り組むという意識改革が必要だ」、「どの企業にも目に見えない不文律があって、社員自らを縛っている。それを解き放してあげないと「変わらなきゃ」という行動は起きない」、などはさすが再生請負人の面目躍如だ。
・『減らしていた営業マンを増員  Q:JR貨物が変わったのは、2日間の合宿だったということですね。では、鉄道黒字化に向け、どんな行動をしたのですか? A:例を一つあげると、今までは赤字を減らすために営業部の人員を減らしてきたが、そうすると売り上げがさらに減るという悪循環になる。そこで、最初にやったのが営業マンを増やすこと。今まではお客様(荷主)への営業はトラック会社(通運事業者)に丸投げして、自分たちではほとんどしていなかった。これを改めて、自らお客様の所に営業をしに行くようにした』、きっと昔の国鉄時代の名残で日通に「丸投げして」いたのだろう。
・『Q:集荷して配達する両端の部分はトラックですが、間に鉄道を入れてくださいと荷主にお願いするのですか? A:そう。われわれが新たな顧客を見つけてくると、両端の通運業者も喜んでくれる。ただし、単にコンテナを積めばいいというものでもない。列車の収支は「往復」で見る。片道のコンテナの稼働率が100%でも、逆方向がカラだったら稼働率は50%にしかならない。その空コンテナにも運転士の費用、電力費、線路使用料などのコストがかかるので、稼働率50%では食べていけない。 だから、今は「ラウンド収支」をどうやって改善できるかを考えるようにしている。空コンテナの回送率は、毎年ものすごい勢いで下がっていますよ。 提案営業も積極的に行うようになり、2017年1月にはアサヒビールとキリンビールが組んで関西の工場から北陸エリアへ鉄道コンテナによる共同輸送を開始した。従来は名古屋の工場からトラックでビールを運んでいたが、鉄道に切り替えた。 われわれにとっては鉄道貨物の利用率が低い下り路線(関西→北陸方面)の有効活用にもなる。現在はサントリー、サッポロも加わり、4社の共同輸送をそのほかの路線で行っている。とにかく提案営業を続けることで、お客様に直接提案できる会社に変わった。 黒字になったことによって、新しい投資に資金を回せるようになった。また、社員の意識改革の結果として黒字化できたわけだから、意識改革の根源である人事制度を4月から全面的に変える。今以上に働きやすくやりがいがある職場になる。 Q:日本の物流の主役はトラック輸送ですが、トラック輸送から鉄道コンテナ輸送に切り替えると、荷主にとってコストは安くなるのですか? A:長距離輸送なら鉄道コンテナ輸送のコストは安い。鉄道輸送の強みは大量輸送。1本の貨物列車で大型の10トントラック65台分を一度に運べる。CO2排出量もトラックの11分の1で環境にもやさしい。しかも鉄道輸送は運行頻度も多い。定時運行率も94%と非常に高く、運行頻度も船と比べると高い』、「今は「ラウンド収支」をどうやって改善できるかを考えるようにしている」とはさすが物流のプロだ。「お客様に直接提案できる会社に変わった」とは見事なものだ。
・『トラック運転手不足が追い風に  Q:鉄道貨物のメリットがそれほどたくさんあるなら、もっと使われてもよいのでは? A:われわれの営業努力が足りなかった。でも現在はトラックの運転手不足という問題があるので、長距離輸送の部分を鉄道に置き換えられないかという要請をトラック会社からいただいている。 Q:首都圏では貨物列車は深夜に出発することが多いですが、首都圏を昼間にあまり走れないことはネックになりませんか。 A:そういう部分はある。ただ、どのメーカーでも昼間作って夕方から夜にかけて出荷することが多い。夜中に鉄道で運んで朝到着するのでムダがない。宅配便などで昼間に運ぶ需要もあるが、圧倒的に多いのは夜間の需要だ。 Q:欧米では物流に占める鉄道貨物の比率が10~30%ありますが、日本は5%程度にすぎません。営業が頑張れば、日本の鉄道貨物の比率は欧米並みになりますか。 A:いやいや。われわれにそこまでの輸送能力はありませんよ。 Q:でも、引き合いは多いのですよね? A:需要が欧米並みに増える可能性はある。イギリスさえもサウザンプトン港では鉄道輸送の比率は二十数%ある。あの小さい国ですら、鉄道輸送の比率は高い。 Q:需要がぐんぐん増えれば、車両を増やして対応するとか…… A:もちろんそうなるのだが、問題が1つある。昼間は旅客列車がたくさん走っているので、貨物列車をいくらでも増やせるというわけにはいかない。もちろん路線によってはもっと増やせる余地があるし、土日はかなり余裕がある。でも東海道線などすでに過密状態の路線もあるので、現在の5%という比率をすぐに10%、20%に高めることは残念ながら難しい』、「昼間は旅客列車がたくさん走っている」というのは、確かに大きな制約だろう。
・『Q:鉄道貨物以外の事業では、東京貨物ターミナル駅に大型の物流倉庫「東京レールゲート」を建設していますね。 A:2棟から構成され、2020年、2022年に完成予定。東京ベイエリアで最大級の物流拠点になる。すでに鴻池運輸と賃貸借予約契約を結んでおり、メーカー、小売業、倉庫業者など引き合いは多い。 これと同じようなものを札幌、仙台、名古屋、大阪、福岡にも展開する。東京レールゲートのすぐそばに東京湾も羽田空港もある。今はレールの上だけだが、今後は船と結んでシー・アンド・レール、飛行機とも結んでレール・アンド・エアといった陸海空の総合物流業に展開していきたい』、「陸海空の総合物流業」とは確かに将来性がありそうだ。
・『「目標の明確化」で業績を伸ばす  Q:日本郵船や日本貨物航空時代の経験についても教えてください。 日本郵船では、アジア代表としてシンガポールに駐在していた時、二十数カ国に及ぶアジア各国の現地法人社長とすべて交渉した。それをまとめるとアジア全体の目標値が決まる。現地法人の社長は自分の国に帰って、部長や課長と相談して部門ごとの利益目標を決めていく。課長は課員一人ひとりの目標を決めていく。アジア全体の目標が一人ひとりの目標に落ちていくのです。外国人の社員は目標を明確化すると、競い合うように頑張って成果を出してくれる。 その後ロンドンに転勤して、今度はヨーロッパを統括したが、欧州の人たちはアジアの人たちよりもドライ。「頑張って働くからきちんとペイをくれ」ということで、ものすごく働いてくれて、業績も伸びた。本社に戻って、今度は全社の収支管理を北米、南米、オセアニアなど世界6極に移管した。世界中が一つになって頑張ってくれた。 日本貨物航空でも同じように各極に分けて収支管理をやったが、アジアとヨーロッパを結ぶ便のように日本発着ではない国際線もある。そうなると日本からあれこれ言ってもどうにもならず、現地同士で頑張るしかない。でも、その結果、現地同士の絆はものすごく強くなった。また、当時は古い機材ばかりだったので燃費が悪かった。新しい機材に切り替えることで投資効果が出てきた。こうしたことを通じて万年赤字から黒字に転換できた。 Q:病院経営でも収支を改善しました。 A:私が勤務した病院には日本トップレベルの医師や研究者が500人もいた。看護士やそのほかの職員も献身的に働く。患者さんは列を成していた。 Q:それなのに赤字。これもマネジメントの問題ですね。どのように黒字化したのですか。 A:私は、医療はずぶの素人だから「ああしろ、こうしろ」とは言わなかった。やったことは先生方や看護士さんたちに収支を見せたことだけ。でも、みんなおそらく初めて見たのだと思う。収支を見て目の色が変わった。先生方、看護士さん、事務職、みんなを集めて合宿した。そうするとみんないろいろなことを言い出した。先生方も気づくことがたくさんあった。それが改善活動に変わり、収支が改善された。先生や看護士さんの給料は上がり、最新の医療機器もどんどん導入した』、医療関係者は私の目には、各自の蛸壺に籠っているように見えるが、それが「収支を見て目の色が変わった」とは驚かされた。
・『官民協力で鉄道インフラ強化を  Q:日本郵船、日本貨物航空、がん研、どの経験もJR貨物につながる話ですね。ところで、石田さんをJR貨物に招いたのは誰ですか? A:それはちょっと言えませんが、国の要請です。 Q:国側も社員自らに気づいてもらうような経営改革を期待していたのですか? A:どうでしょうね。私は今お話ししたようなことはご存じないと思う。 Q:では、海運や空運での経験をJR貨物で活かしてほしいという前提だった? A:そういうことです。でも、私が「ああしろ、こうしろ」と言っても意味がない。社員自身に気づいてもらうから価値がある。 Q:最後に、JR貨物が抱えている課題について教えてください。 A:JR貨物は鉄道輸送の業績が改善し、不動産事業も堂々たるものだから、100億円を超える経常利益をこれから出していけると思うが、1つだけ前提条件がある。それは、鉄道輸送はレールというインフラがあってこそということだ。昨年の豪雨で山陽線が長期にわたって止まってしまった。レールがないとわれわれは働きようがない。 道路や空港、河川は何かあると国や自治体がすぐに直してくれるし、トラブルを未然に防ぐような整備もしてくれる。それと同じように鉄道のインフラ整備も必要だ。問題が起きそうな危険箇所はわかっているのだから、優先順位を付けてできるところからぜひ整備をお願いしたい。われわれも努力をするからぜひ官民協力で。3~5年続ければ日本のインフラ基盤が本当に強化される』、省エネ、省人化に寄与する貨物鉄道のインフラ基盤は、リニアや高速道路よりはるかに優先順位が高いと思う。ただ、政治の後押しは強くはなさそうだ。まずは、マスコミを通じて世論を盛り上げてゆく必要がありそうだ。
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