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貧困問題(その1)(34歳貧困男性が「今が幸せ」と感じる深刻原因 ブラック企業で働くよりバイトのほうがいい、生活困窮者を囲い込む「大規模無低」のカラクリ 生活保護受給者の「収容」はなぜ加速するのか、東京の「生活保護」はまったく機能していない まの日本は「階層」がはっきりしている) [社会]

今日は、貧困問題(その1)(34歳貧困男性が「今が幸せ」と感じる深刻原因 ブラック企業で働くよりバイトのほうがいい、生活困窮者を囲い込む「大規模無低」のカラクリ 生活保護受給者の「収容」はなぜ加速するのか、東京の「生活保護」はまったく機能していない まの日本は「階層」がはっきりしている)を取上げよう。

先ずは、ジャーナリストの藤田 和恵 氏が昨年9月28日付け東洋経済オンラインに寄稿した「34歳貧困男性が「今が幸せ」と感じる深刻原因 ブラック企業で働くよりバイトのほうがいい」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/239250
・『現代の日本は、非正規雇用の拡大により、所得格差が急速に広がっている。そこにあるのは、いったん貧困のワナに陥ると抜け出すことが困難な「貧困強制社会」である。本連載では「ボクらの貧困」、つまり男性の貧困の個別ケースにフォーカスしてリポートしていく。 今回紹介するのは「転職を繰り返したせいで税金や国保の滞納があり、毎日の生活に不安や不満が付きまといます」と編集部にメールをくれた34歳の独身男性だ。 大学院卒業の前年、リーマンショックが起きた。就職が決まっていた会社からは内定を取り消され、なんとか入社した別の会社は半年で倒産。その後、転職を重ねた先は、異常な長時間労働やサービス残業、ノルマの強制などが横行する問題企業ばかりだった。 30歳手前からは、ファミリーレストランやパチンコ店でアルバイト。ホームレス、生活保護、“ネットカフェ難民”を経て現在は、マンションなどの清掃員として働いている。 神奈川県在住のカナメさん(34歳、仮名)の“経歴”である』、「大学院卒業前年、リーマンショックが起きた」、典型的就職氷河期の犠牲者だ。文系か、理系かは不明だが、前者では就職したくないので、取り敢えず大学院進学というモラトリアム人間までいたようだ。
・『滞納した税金が給与から差し引かれる  いま、ひとつ困っていることがある。ホームレス時代などの一時期、市県民税を滞納したため、給与の差し押さえに遭っているのだという。毎月およそ20万円の手取り額から滞納分を差し引かれ、カナメさんの手元には13万円ほどしか残らない生活が、ここ半年ほど続いている。13万円は、地域の生活保護水準とほぼ同額である。 「生活保護と同じといっても、僕は(生活保護利用者と違って)医療費はかかるし、働いているので昼食代とか出費もかさみます。(生活保護利用者よりも)確実に僕のほうが苦しい。もちろん、払わなかった自分が悪いんです。でも、布団もカーテンもない暮らしから、頑張ってやっとここまで挽回したのに……。落とし穴にでもはめられた気分です」 払わないとか、減額してほしいと言っているわけではなく、杓子定規に生活保護と同じ水準になるまで差し引くのはあんまりなのではないか――。自治体の担当者に電話をかけ、そう文句を言った。しかし、返ってきたのは「法律で決まっていること。どこで決まったか?国会です」という冷たく、短い答えだったという。 カナメさんは「貧困を知らない人が、制度や法律をつくっていると思います」と訴える』、「毎月およそ20万円の手取り額から滞納分を差し引かれ、カナメさんの手元には13万円ほどしか残らない」、というのは同情する他ないが、自治体もこの程度の事情で特例を設ける訳にはいかないだろう。
・『母親の“恐怖政治”に縛られてきた  生まれ育った家庭は「裕福なほうでした」。父親は国家公務員で、母親はフルタイムで働く派遣社員。幼い頃から、水泳教室や英語教室などに通い、大学進学では、浪人も許された。大学院卒業までの学費は、奨学金の返済も含めて親が負担したという。 しかし、カナメさんは両親のことを、特に母親のことを「毒親」だと非難する。毒親とは、虐待やネグレクト、過干渉、抑圧などによって、子どもに悪影響を与える親のことを指す。2000年以降に広まった言葉である。 「小さい頃から、母親の“恐怖政治”に縛られてきました。いつも母親の機嫌ばかりうかがっていました」とカナメさん。 殴る蹴るといった直接の暴力は受けなかったが、リモコンやラジカセ、茶わんなどのモノをよく投げつけられた。「星一徹ばりのちゃぶ台返し」も何度かあったという。 「何より嫌で、怖かったのは、でかい声で怒鳴られること。たとえば『私はお前の家政婦じゃねえんだよ』とか。後は、産みたくて産んだんじゃない、みたいなこととか。今でも、(仕事などで)大きな声で怒鳴られると体がキュッとなります」 親子関係ばかりは、他人が簡単に理解することはできない。子どもに経済的に不自由をさせない親の中にも、毒親はいるだろうし、一方で、カナメさんの両親にも、言い分はあるだろう。 ただ、息子がホームレス状態になったとき、そのことを人づてに聞いたらしい両親は「今、お前には会いたくない」と、これもまた人づてに伝えてきたという。 カナメさんは「親子の縁は自分からぶった切ったんです。今はなんの感情も、憎しみもありません」と言う。ただ、取材中は、母親について「ウソつき」「結婚生活の不満を子どもにぶつけていた」「今度会ったら殺す、くらいの気持ち」と恨み言を繰り返した。 子どもが毒親の呪縛から逃れるのは、そう簡単なことではないのではないか。 カナメさんはこれまで10社近い会社で正社員として働いてきた。そこでは、さまざまな違法・不当な働かせ方がまかり通っていた。いわゆるブラック企業が、いかに野放しにされているかという話である。同時に、彼には実家という“一時避難先”がなく、失業しても、まともな転職先を探す余裕もなかったのだろう。 オール電化システムの購入を勧める営業の仕事では、会社が決めた出退勤時刻に従い、朝礼にも参加しなくてはならなかったが、個人事業主としての契約だった。1日200軒以上の住宅を訪問し、やり取りはボイスレコーダーで録音するよう命じられた。トラブル防止と説明されたが、「僕たちがさぼっていないかを監視することが目的だったと思います」。 毎晩の帰宅時刻は、日付が変わる頃。顧客が家にいる可能性が高い週末は、まず休むことはできなかったという。 その後、勤めたIT関係の会社では、会社で寝泊まりするのは当たり前。残業時間や深夜割増手当などという概念はないも同然だったという。 ただ、営業はむいていたのか、カナメさんの成績は悪くなかった。上司や同僚から「お前のおかげで目標達成だ!」「支店のエース」などと言われると、うれしかったという。 「洗脳されていたと思います。会社で寝泊まりしていたときも、不思議と苦痛じゃなかった。頭を空っぽにしないと、頑張るのっていいなと思わないと、やってられないというのもありました」 収入は、オール電化の訪問販売だけは歩合制だったため、月収40万円近くなることもあったが、それ以外は15万円から、多くても20万円台なかば。正社員とはいえ、ボーナスは一度ももらったことはなく、有給休暇を取ったこともないという』、親子関係は複雑だが、母親から『私はお前の家政婦じゃねえんだよ』と言われたのであれば、本人にも家事に協力しないなどの問題があった可能性もある。「これまで10社近い会社で正社員として働いてきた」というのでは、「辞めグセ」とみられて、キャリア上では完全にマイナスだ。
・『同じことの繰り返し  一方で、カナメさんが会社を辞めた理由は、「人を見下すような上司の怒鳴り方が、母親に似ていた」「異動先の支店で営業成績を上げられず、給料が下がったから」「インフルエンザになったから」「やりがいを感じない」など、必ずしもやむをない事情があったわけではないようだった。 ブラック企業など、とっとと辞めるというのはひとつの選択肢だし、メンタル不調に陥るよりはずっといい。しかし、転職先もまたブラックでは、同じことの繰り返しだ。 「不況と言われる割に、選ばなければ、仕事はあっさり見つかったんです。だから変に辞め癖が付いてしまったというか……。」 ホームレスを経験したのは、30歳を過ぎたころ。きっかけは、当時住んでいた部屋から引っ越しをするため、退去手続きを取った矢先に、勤務先の社長とトラブルになり、会社を辞めたことだった。すぐに敷金礼金を用意して新しい部屋を見つけることは難しく、宿無し、一文無しの生活は4カ月に及んだ。年齢が高くなるにつれ、特に正社員の仕事は確実に見つけづらくなっていた。 現在のマンション清掃の仕事は、アルバイトである。長時間労働も、サービス残業もない。職場には、勤続数十年の先輩アルバイトもおり、不当な雇止めの話も耳にしたことがない。皮肉なことに、非正規労働の今が、最も法律に守られた働き方をしているという。 「人間関係もすごくいいんです。正社員になることもできるそうなんですが、(基本給などが低く抑えられているので)正社員のほうが、年収が低いんです。なら、アルバイトのままでいいかなって。これ、“フリーターあるある”なんですよね」』、確かに「マンション清掃の仕事」では、正社員といっても、たかがしれているのかも知れない。
・『「今がいちばん、幸せ」  リーマンショックのあおりをもろに食らい、一方で、ここ5、6年の「アベノミクス景気」の恩恵はみじんも受けていないカナメさん。それでも選挙には必ず行く、と胸を張る。 何を基準に投票するのかと尋ねると、「勝ちそうなところに入れる」。勝利しそうな政党や、当選しそうな候補に投票するという。理由を問うと、カナメさんはこう説明した。 「自分に世の中を見る目があるかどうかを確認するためです。事前にニュースとかを見て、勝ちそうだと思うところに入れる。結果、その政党や候補が勝てば、自分には世の中の状況を見極める目があるってことになりますよね」 自分の1票を死票にしたくないということなのか。現行の制度や法律に不満を抱きながら、政治による変化は期待しないのか。見る目も何も、よほどの接戦は別にして、普通に新聞やテレビを見れば、たいていの勝敗は予想がつくのではないか。選挙での圧勝は、時に権力の暴走にもつながるのではないか。 私がさまざまな疑問をぶつけると、カナメさんは「はあ、そういう考え方もあるんですね」とあいまいな笑顔を見せた。 「今がいちばん、幸せだなって思うんです」と、カナメさんは言う。生活保護水準の暮らしは苦しいが、それもあと少しの辛抱だ。 「プロ野球の(横浜DeNA)ベイスターズのファンなんです。深夜まで働いていた頃は、野球は結果を見るだけでした。でも、今は家で野球中継を見ることができる。こんな生活、社会人になってから初めてなんです。夕食も、モヤシを(中華調味料の)ウェイパーと一緒に煮るとおいしいし、時々、それに豚バラを乗っければ十分。貧乏だし、10年後も今の仕事ができているかどうかはわからないけど、今すごく幸せだなって感じる自分がいるんです」。 今が幸せ――。社会学者・古市憲寿の著書『絶望の国の幸福な若者たち』の中には、同じような思いを抱く若者たちが登場した。古市はあるインタビューの中でこう語っている。 「人は将来に希望をなくしたときに、『今が幸せ』と感じるのではないでしょうか」』、さすが古市氏だけあって鋭い指摘だ。カナメさんも自らを慰めるためそう思い込もうとしているのだろうか。

第二に、3月1日付け東洋経済オンライン「生活困窮者を囲い込む「大規模無低」のカラクリ 生活保護受給者の「収容」はなぜ加速するのか」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/268225
・『昨年12月30日、暮れも押し詰まったこの日の夜、東京都町田市内のアパート「町田第二荘」に住む72歳の無職男性は、同居する61歳の無職男性に殺意をもち、首や胸を包丁で刺した。その後、刺された男性は搬送先の病院で死亡した。 警視庁や関係者によれば、殺害現場となった部屋では加害者、被害者を含め2DKに4人が同居。ダイニングやキッチン、トイレと風呂が共同で、2段ベッドが置かれた部屋で暮らしていたという。加害者が飲酒しているのを被害者がとがめたことで口論となり、殺害に至ったとされる。このアパートでは飲酒が禁止されていた。 その4カ月前の昨年8月、東京都江戸川区内のアパート「葛西荘」に住む46歳の無職男性が、同じ部屋に住んでいる70代男性に「生活音がうるさい」と注意されたことに腹を立て、顔を殴るなどの暴行を加えた。殴られた男性はその後死亡。暴行との因果関係は明らかになっていないが、2人は一部屋で生活していた』、中高年の男性が同室というのでは、こうしたトラブルは不可避だろう。
・『生活保護受給者が集団生活  両事件の現場となった町田第二荘と葛西荘は、一見普通のアパートのような外観だが、生活保護受給者など生活困窮者を対象とした施設、「無料低額宿泊所」(無低)だ。 無低は生活困難者が一時的に暮らすため、無料または低額な料金で利用できるとされる社会福祉法に基づく施設。厚生労働省の調査によれば2018年時点で、全国569施設に1万7000人が入所、そのうち生活保護受給者が1万5000人に及ぶ。法的位置づけのない無届け施設も加えると、入居者数は2015年時点で約3万2000人に及んでいる。 厚労省の無低に関する現行ガイドライン(2015年改定)は、居室は原則として個室とし、居室面積は7.43平方メートル(4畳半)以上、地域の事情によっては4.95平方メートル(3畳)以上と定める。ただし改定以前からの施設を中心に、ガイドラインの居室面積を満たしていない施設や、相部屋、また一部屋をベニヤ板などで区切っただけで天井部分が完全につながっている「簡易個室」も「一定数存在する」(厚労省)のが現状だ。 この無低業界の最大手で、上記の町田第二荘(定員20人)、葛西荘(同47人)を運営しているのが、NPO法人(特定非営利活動法人)の「エス・エス・エス」(SSS)(菱田貴大理事長)だ。同法人は無低を首都圏に122施設、定員数は4839人(2018年10月末時点)と大規模展開。2018年度の年間収入は51.7億円、収支は4300万円の黒字を確保している。 SSSは1998年に人権擁護などを掲げる政治団体「日本人権連合会」(NJR)(高橋信一代表)として発足。2000年に改称し、NPO法人に認証された。2012年から菱田氏が理事長に就任している。 メディアへの露出は少なく、東洋経済の取材依頼に対しても、「取材については日頃から慎重に対応しており、今回の取材対応については控えさせていただきたい」(広報担当者)としている。政治家に対しても同様の対応だ。「議論にあたってその現状を知るために、最大手のSSSに施設の視察を依頼したが、にべもなく断られた」。民主党政権時代に無低に関する議連を立ち上げるなど、同問題に詳しい初鹿明博衆議院議員はそう振り返る。複数の地方議会議員も視察依頼を門前払いされたと話すなど、SSSの施設運営の内実やその経営実態についてはベールに包まれている』、支援してくれそうな政治家に対してもベールで覆い隠すとは、後ろめたいところがある可能性を勘ぐられても覚悟の上なのだろう。
・『6割弱が相部屋か簡易個室  SSSによれば、2018年10月末時点で、施設のうち完全個室は4割強にとどまる。残る6割弱が町田第二荘や葛西荘のような多人数居室(相部屋)、もしくは簡易個室だ。「耐火ボードで2つに分けた部屋は3畳程度。布団を敷くと足の踏み場もない。仕切りの板は背丈より少し高い程度なので、照明や生活音が気になってゆっくり眠ることはできなかった」。生活保護を受給しSSSの簡易個室で半年ほど暮らしていた、50代の男性は話す。 「エアコンは共有でリモコンはボードの向こうの相方の部屋にあったので、自分で操作できなかった。真夏の暑いさなかに相方が不在だった折は大変だった」と振り返る。施設の入居者はみな他人同士の中高年男性ばかりのため、「人間関係のトラブルが頻繁で、暴力沙汰のけんかも何度も目にした」という。住宅費と朝夕の食費、水光熱費などとして毎月10万円近く徴収され、支給される生活保護費は手元にほとんど残らなかったと話す』、「ボッタクリ」のような印象を受ける。
・『無低の施設利用料は、本来低額のはずだが、実際は簡易個室であっても、それぞれ一部屋分の生活保護の住宅扶助基準の上限額が設定されている場合が多い。高額な食費が徴収されたり、不透明な名目の利用料が徴収されたりする場合もある。その結果、厚労省の調査によれば、86%の無低で本人の手元に残る生活保護費は3万円未満とされる。 昨年12月、無低の今後のあり方を議論する厚労省の検討会に、同省は簡易個室について「プライバシーが十分確保されているとは言いがたい」として、「段階的に解消を図っていく」「現存する簡易個室については一定の条件を付したうえで使用を認める経過措置を設けてはどうか」といった方向性を示した。 相部屋についても同様だ。一見、簡易個室の全廃に向けて舵を切ったようにも見えるが、福祉関係者からは「廃止時期の目安も示されないなど踏み込みが足りない。これではなんら具体性がない」と危惧する声が上がる。 厚労省が規制強化に強く踏み込めない背景には、生活保護などの事務を取り扱う各自治体の福祉事務所と、SSSのような大規模無低事業者との間にある依存関係がうかがえる。 「福祉事務所は多忙なため、つい手間がかからない無低事業者に頼ってしまいがちだ」。元ケースワーカーの男性はそう語る。都市部では1人のケースワーカーの担当が100世帯を超えることもザラであり、アパート探しをはじめ丁寧な対応で困窮した当事者の生活の安定を担うことは容易ではない。 他方で、「生活保護の受給さえ決まれば、大規模無低なら送迎付きで引き受け、どこかの空き施設で受け入れてくれる。その後も自治体によってはトラブルがない限り入れっぱなしにしている」(同)。 厚労省の2015年時の調査によれば、本来は一時的な居所であるはずの無低に、入所期間4年以上に及ぶ入所者が全体の3分の1を占めている。千葉県による昨年5月の調査でも、無低における1年以上の入所者率は7割に上っている。「一度入所すると、無低事業者は生活保護費から毎月取りはぐれなく利用料を得られるし、行政は事業者に丸投げすることで細かなケースワークの手間が省ける。両者はウィンウィンの関係だ」(別の元ケースワーカーの男性)。 表だって行政側は「個別の無低を斡旋・紹介することはない」としているが、例えばSSSはホームページ上で「利用のきっかけ」というデータを公表しており、そこでは入所者の96%が役所からの紹介だとアピールしている。では福祉事務所側はどうか。各福祉事務所には来所した当事者からの相談内容を記録する面接記録票が置かれているが、さいたま市の福祉事務所の一部では、「SSSへの入所契約」を前提とするような記録票を作成、設置していたことが、昨年9月に明らかとなった』、福祉事務所が事実上、「無低を斡旋・紹介」しているとは、無低にとっては「おいしいビジネス」のようだ。
・『入居者に選択の余地はほとんどない  こうした両者の「蜜月」の反面、生活保護受給者の選択権は著しく阻害されることになる。かつて大規模無低に入居していた50代男性は、福祉事務所で近隣の無低の一覧表を提示されたとき、以前と同じ団体の施設だけは避けたいと強く思っていた。 それは10年ほど前に都内のある団体の施設を利用した際、ワンフロアに二段ベッドがいくつも詰め込まれた相部屋に入れられ、プライバシーは自らのベッドの上だけという生活を余儀なくされていたためだ。 ところが、入りたいと思った施設にたまたま空きがなかったため、ケースワーカーから「ここを予約したから」と告げられて、以前と同じ団体の施設への入所を余儀なくされた。「部屋が簡易個室だということも、施設利用料がいくらかでさえも、実際に入所するまで知らなかった」 意に沿わない施設への入所を求められた結果だろうか、無低からの失踪者は少なくない。先の千葉県の現況調査によれば、無低からの退所者のうち、失踪が3割弱を占めている。 生活保護法では生活扶助は被保護者の居宅において行うという「居宅保護」の原則が定められている。居宅での保護ができない場合に限り施設に入所させるとされ、施設保護は例外という位置づけだ。だが実際に、多くの福祉事務所の現場では、施設入所が生活保護開始の条件かのように説明されることが少なくない。 今回の厚労省の検討会は、生活保護費を搾取する「貧困ビジネス」の排除を目的の1つに掲げている。無低をめぐる構造問題にメスを入れるべきだが、少なくともこれまでの議論は「無低の存在ありき」の施設保護を前提にした話ばかりに終始している。 簡易個室については踏み込み不足とはいえ規制の方向性が打ち出されたが、長期にわたる入所やサービス内容に見合わない高額な利用料については手付かずのままだ。無低問題に詳しく同検討会の構成員でもある、日本福祉大学の山田壮志郎准教授は、「原則3カ月以内、最大6カ月を目安に入所期間ないし契約期間を限定すべきだ」と主張する』、厚労省の検討会の「議論は「無低の存在ありき」の施設保護を前提にした話ばかりに終始している」とは、厚労省のやる気のなさを表している。
・『社会福祉士会から強い懸念  社会福祉の職能団体からも懸念の声が上がる。2月に入り、埼玉県社会福祉士会、東京社会福祉士会、千葉県社会福祉士会から、立て続けに厚労省の検討会宛の声明、意見が示された。そこでは簡易個室の廃止に向けての具体的スケジュール・段階の明示や、入所期間の短縮化、検討会に当事者の意見が反映されることなどを求めている。 実際、検討会の構成員は山田准教授のような学識者を除き、施設運営者と自治体幹部が占める。SSSの菱田理事長も構成員の1人だ。無低への入所を余儀なくされている当事者の意見は反映される仕組みとなっていない。千葉県弁護士会は昨年11月の会長声明で、「事業の運営に対する規制のあり方を検討するうえで、中立的、且つ費用面で利害相反する利用者の立場に純粋に寄り添う議論ができるのか、疑問なしとは言えない」と危惧を表明している。 検討会では施設運営者側から、金銭管理面や生活習慣面の課題を挙げ、入所者の居宅生活の難しさが主張されてきた。ただ今日では、認知症の高齢者など要介護者や重度の障害者であっても、できるだけ住み慣れた地域での生活を続けられるよう支援する地域包括ケアが社会福祉政策の根幹となっている。生活困窮者にのみ、逆行する「施設収容」を是とするならば、それは生活保護受給者への差別以外の何物でもないだろう』、厚労省は他の政策でもさんざんミソをつけてきたが、この問題での対応も実に酷いものだ。社会福祉士会からの要請にもっと真摯に答えてほしいものだ。一般のマスコミも取上げて、不当な「貧困ビジネス」に歯止めをかけるべきだろう。

第三に、3月23日付け東洋経済オンラインが掲載したNPO法人ほっとプラス代表理事の藤田 孝典氏と、ノンフィクションライターの中村 淳彦氏の対談「東京の「生活保護」はまったく機能していない いまの日本は「階層」がはっきりしている」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/271689
・『大学卒業後に重くのしかかる奨学金、いくら成果を出しても変わらない派遣の給与、収入が低くても受給できない生活保護……。貧困を救う制度は名ばかりなのか、貧困に喘ぐ女性が急増している。彼女たちを取り巻く大きな問題は、「1年後の自分が見えない」ということだ。大学生のような若者だけではない。派遣で働く独身女性、子どもを育てるシングルマザー……、あらゆる世代の女性たちから同じような嘆きの声が聞こえてくる。 明日に希望を持てない人が増える国に、明るい未来はあるのだろうか?いったい彼女たちに何が起こっているのか?貧困者の個別支援活動と貧困問題の改善に向けた提言を行っているNPO法人ほっとプラス代表理事の藤田孝典氏と、1億2000万PV超の人気連載「貧困に喘ぐ女性の現実」をもとに書き下ろした『東京貧困女子。』(4月5日発売)を執筆したノンフィクションライターの中村淳彦氏に、貧困に喘ぐ女性の現状について語ってもらった』、興味深そうだ。
・『SOSを求めてくる人は、どんどん増えている  中村:藤田さんはいま、ZOZOTOWNの労働問題やコンビニオーナー問題をやっていますが、雇用の問題は、本当に諸悪の根源。女性だったら非正規の単身やシングルマザーというだけでかなり厳しい貧困になる。貧困は生活が苦しいというだけでなく、健康を壊したり、子どもの未来を奪ったり、命を絶とうというところまでいく。 藤田:僕のところには年間300件くらいの相談があって、男性のほうが若干多い。ネットカフェで生活しているとか、友人宅を転々みたいな人が、どうにもならなくて相談にきます。生活困窮なり借金なり、精神疾患、障害を抱えながらSOSを求めてくる人は、どんどん増えていますね。 中村:追いつめられて助けを求めにきた人に対して、具体的になにをするの? 藤田:生活保護の申請に付き添うとか、精神疾患とかで病院に付き添うとか、借金の整理で弁護士さんのところに行くとか。アパート探しも付き添うし、やることは多岐にわたりますね。 中村:徹底して個別対応をするわけですね。藤田さんみたいな活動家がいるから、僕は取材だけに集中できる。僕はアドバイスや支援はしないけど、気づいたのは困難な現在を誰かに話すことによって、気分が楽になったり、自分がするべきことの整理がついたり、というポジティブな手応えはあった。 藤田:僕はもともと就職氷河期世代で、ホームレス状態の人とか、困窮する人たちにシンパシーがあった。「自分も将来なるんじゃないか」という恐怖感からです。路上生活者を訪問しながら味噌汁を配ったり、おにぎりを配る活動をしていると、誰もが普通に貧困になる可能性を実感する。本当に他人事ではなかった。 中村:非正規化が進んで本当に仕事が安定しなくなった。僕も含めて想像ができるのは来年くらいまでで、もうその先はわからない。女性の厳しすぎる現状を目の当たりにして、個人的には正直、近いうちに自分は死ぬかもって覚悟するようになった。最近は明るいこと、前向きなことを考えようって気持ちの方向転換をしています。現実逃避だけど』、確かに「明るいこと、前向きなことを考えようって気持ちの方向転換をしています」、そうしないとやってられないのだろう。
・『「生活保護」を嫌がる女性たち  藤田:貧困の現場からは声を上げる必要はあって、まだまだ悲惨な現実が中流以上の層には届いていない。例えば、生活保護はほとんど機能していません。 中村:かなり苦しい状態でも、女性たちは生活保護を嫌がりますね。郊外になると、特にその傾向があって、誰かに迷惑はかけたくない、みたいな言葉は何度もでてきた。 藤田:支援しながら常々思うのは生活保護なり、制度をもうちょっと使いやすくする必要性があるということ。女性は受けにくいし、高齢者も持ち家や年金があると受けにくい。ほかの国と比べると捕捉率が低いので、国民がどんどんと貧困化している。 中村:どのような制度がどのようになれば、いいのでしょう? 藤田:生活保護は、生活扶助費、住宅扶助費、医療扶助費など、8項目の扶助があるのですが、それを分解できれば圧倒的に使いやすくなります。若い女性でいえば、住宅扶助があれば助かるとか。 中村:いまの非正規の賃金水準だと、生活保護の最低生活費を割ることもある。家賃のかかる単身や、ひとり親ではとても普通の生活はできない。人によるけど、貧困のボーダーラインの人たちは家賃分程度、大雑把にいえば月5万円くらいのお金が足りていない。 藤田:生活保護の分離論というのですけど、いまの制度はもう生活に困窮したら8つの扶助をガーンと全部支給。ほかの国だと、困窮する前に予防的に分離して支給する。とことん困る前に社会保障を支給することは、世界的にみると標準的な福祉政策です。 中村:東京だと家賃がかかるだけで貧困化する。住宅扶助だけで生活が立て直せる人は、たくさん存在しますね。 藤田:日本はもうどうしてもホームレス化とか、あるいは風俗店に行っても精神疾患で働けない、みたいにならないと生活保護受給にならない。本当はその手前、家賃だけとか医療費だけでも支給してあげれば、ずいぶん変わるはずですよ。 中村:社会保障のもっといい在り方はさまざまなところで議論されているけど、国を動かす層で聞いてくれる人はいるの?女性の貧困は国や自治体の政策からはじまっている印象がある。加害者というか、貧困に誘導している張本人に相談しても、聞く耳を持たないような気がする。 藤田:そうですね。あまり、いません(笑)。基本的には生活保護はなるべく支給したくない、税金もこれ以上、上がるのは嫌という意識。社会保障を増やすのは世論の理解を得ないといけないので、地道に取り組み続けるしかない。すぐには変わらないですね。 中村:いまの自己責任の論調をみていると、中流以上のほとんどは貧困層の救済は反対でしょう。 藤田:だから、中村さんにもっと貧困の現実を可視化してもらいたい』、多少「貧困の現実を可視化」したところで、自己責任論を乗り越えるのは容易ではなかろう。
・『大学生に対する支援が「なにもない」  中村:女性の貧困はもうどの世代を眺めても、深刻な状態にあるけど、特に女子大生は大変なことになっている。大袈裟じゃなく、膨大な人数がパパ活や風俗に流れていて、正直メチャクチャなことになっている。 藤田:すごい数ですよね。 中村:これからの社会を支える若い子にそんなことさせて、なにもいいことがないどころか、とんでもない社会的損失。ほとんどの女子大生たちは風俗の仕事なんかやらないで、勉強とかサークル活動とか恋愛をしたいでしょう。 藤田:そうですね。いいことないですね。大学生に対する支援がやっぱりなにもない。高騰する学費が足りないし、なおかつ生活費も足りない。親からの仕送りも少ないし、貸与型奨学金なんてローンです。もう、どうにもならないですかね。 中村:大学生のひどい現実は、まだまだ知らない人が多い。本当のひどさは現場にいないとわからない。 藤田:本来、大学の学費は無償化、あるいは支給するのが一般的な先進諸国ですよ。OECDの加盟国でも大学の学費がこれだけ高騰、高くて、なおかつ給付型の奨学金もないなんていう国は日本くらいですから』、日本でも所得制限付きとはいえ、大学の学費は無償化されることになった筈である。
・『中村:給付があれば、女子大生たちが夜系の仕事に割いている時間は減る。その金額分だけ、あるべき姿に正常化します。数ある女性の貧困問題の中で、最も優先したほうがいいことだと思いますね。 藤田:いまの日本は、とにかく階級がはっきりしている。夜系には中間層よりも下の出身家庭が多い。上もいるけど、少数。出身家庭によって人生が左右されるのは痛々しいし、もう少し減らしていけるといいなと思います。 中村:貧困は自己責任と言うアッパーミドルの人たちも、いまの若い学生たちの現状を知れば危機感を覚えるでしょう。 藤田:基本的にはその層がやっぱり政治力も発言力も持っているし、力もある。この社会をどうしていくかを一緒に考えてもらう人を増やさないといけないですね。 中村:あと、これまでの取材で憤りを感じたのは「官製貧困」ですね。自治体の臨時職員とか、介護も保育もそう。今回の取材では、非正規の図書館司書に話を聞いたんだけど、彼女の痛々しい言葉はいまでも忘れられない。 『その日暮らしは十分できます。もっと経済的に厳しい人がいるのも十分承知はしています。けど、ずっとギリギリの生活で、なんの贅沢もしていないのに貯金すらできない。嘱託は1年契約、更新は最長5年と決まっていて、いまは4年目です。来年はすごく頑張っても、仕事で成果を出しても確実にクビになります。低賃金なので蓄えはないし、年齢ばかり重ねて、私はいったいどうなってしまうのだろう』って。 国や自治体が関わる非正規雇用は、最低賃金や最低生活費に合わせて制度設計している。国や自治体が積極的に国民や市民を貧困化させているので、もう救いがない。 藤田:自治体の窓口に行くと、だいたい生活保護基準ぐらいの手取り給料で働いていますからね。昨日まで困窮者の相談を窓口で受けていたけど、その2カ月後には自分が生活保護とか。平気でそういうケースがある。どこの自治体も非正規雇用は多いし、部署によっては過半数以上が非正規。低賃金の人は激増していますね。 中村:自治体が市民を貧困に追い込んでいるんだから、もう仕方ないのかなと思う部分がある。公的機関の男性正規職の女性非正規に対するパワハラもすごいみたいだし、もう日本はダメなんだなって感じる』、「官製貧困」は確かに酷い話だが、是正すれば税負担が重くなることを覚悟する必要がある。
・『「ちゃんと賃金上げろ」という労働運動が必要  藤田:だから労働運動が必要なの。「ちゃんと正社員として雇え」とか「ちゃんと賃金上げろ」とか「職場改善しろ」と要求していかないと変わらない。抵抗をしないとそのままです。先ほどの大学の学費も同じで、貧困に慣れてしまって、このままでいいやって意識がずっと続いているんですよね。 中村:やっぱりそこしかないんですね。 藤田:希望はそこしかないですね。だから中村さんが可視化した後は、僕らがそれを引き取って、当事者に立ち上がってもらう。当事者が「ちょっとこれはおかしいよ」っていうことを言って権利を要求していかないと、ひどくなるばかりですね。 中村:まあ、そうでしょうね。消費税増税は貧困層に直撃だし、認知症老人は数年以内に700万人を超える。危機的状況なのに、どこをみても社会保障の削減の議論ばかり。 藤田:社会保障費はずっと上がり続ける中で税収は増えない。でも、生活保護がどんどん増えているから、社会保障費を削りながら、年金医療も削減という流れは2021年以降はとくに顕著でしょうね。近い将来は「少ない金額でもよければ、どうぞ」ってなっていくかな。 中村:いままで3食食べていたのに1食に減らして、みんななんとか生き延びろってこと?路上で野垂れ死にする人を見ることが日常になるのも、もう秒読みじゃないかって覚悟しています。 藤田:いま、階層が二極化していて、株などの金融資産を持っている富裕層とか超富裕層が増えている。でも、いちばん増えているのは「第1・十分位」って言うんですけど、所得を10階層に分けたいちばん下の層(下位10%)です。 中村:それはアンダークラスと言われる生活保護基準程度で暮らす人たちですね。 藤田:働いていても、年金も受けていても、生活保護水準以下の人が増えている。今後、その人たちは高齢者になる。相当、層が分厚くなります。特に2021年以降、日本は破滅的な状況になってくるんじゃないですか。いまはまだ貧困化の過度期、僕はまだまだ底に落ちていくというイメージをもっています。 中村:所得だけでなく、男女、世代とさまざまなところが分断されていますよね。人は貧しいといがみあう。女性の貧困も原因をたどれば、すべて国の政策だし、公的機関が貧困や分断を助長している現実がある。 藤田:世代間のギャップは激しい。いまはもう10歳ぐらいの差で、かなり分断があります。たぶん、中高年はいまの若い人の状況を理解できない。所得が低い人は、低い人同士だけのつながりが深い。非常に不健全な状況はありますね』、「いまはまだ貧困化の過度期、僕はまだまだ底に落ちていくというイメージをもっています」との不吉な予言は確かにありそうなシナリオだ。
・『周りに同じような所得階級の人しかいない  中村:上層は上層だけの環境なので、どんどんおかしな政策が進んでいく。もうすでに統治ができているとは思えない。 藤田:昔だったら地域にごちゃまぜにいろいろな人たちがいたけど、いまはもうゲーテッドコミュニティという、要はマンションだったらマンションで同じような所得階級の人しかいない。ほかの人の暮らしとか、ほかの家の子どもの姿とか、見えなくなっている。 中村:心がどんよりしてきます。 藤田:僕もなにか気分が落ち込んできました(笑)』、ゲーテッドコミュニティとは、ゲート(門)を設け周囲を塀で囲むなどして、住民以外の敷地内への出入りを制限することで通過交通の流入を防ぎ、防犯性を向上させたまちづくりの手法(Wikipedia)。東南アジアなど貧富の差が大きい国で富裕層が安心して暮らせるようにしたものだ。
・『中村:なにか予防策はあるの? 藤田:個人がそれぞれ自分を防御するしかないでしょう。そのためには、まず可視化が必要。本当に大事なこと。僕も相談の許される範囲での可視化と、その次の段階である政策提言につなげています。やはり現実の悲惨な状況を1人でも多くの人に知ってもらいたい。 中村:藤田さんの話を聞いて、僕の役割は貧困の現実の可視化に力を入れることなんだと改めて思いました。今日は、どうもありがとうございました』、しっかりした「可視化」と、「政策提言」に大いに期待したい。
タグ:「今がいちばん、幸せ」 変に辞め癖が付いてしまった ガイドラインの居室面積を満たしていない施設や、相部屋、また一部屋をベニヤ板などで区切っただけで天井部分が完全につながっている「簡易個室」も「一定数存在する」 原則として個室 母親の“恐怖政治”に縛られてきた 今回の取材対応については控えさせていただきたい 同じことの繰り返し これまで10社近い会社で正社員として働いてきた。そこでは、さまざまな違法・不当な働かせ方がまかり通っていた。いわゆるブラック企業 政策提言 ゲーテッドコミュニティ 無届け施設も加えると、入居者数は2015年時点で約3万2000人 厚労省の無低に関する現行ガイドライン 生活保護受給者が集団生活 「無料低額宿泊所」(無低) 2018年時点で、全国569施設に1万7000人が入所、そのうち生活保護受給者が1万5000人 6割弱が相部屋か簡易個室 藤田 孝典 古市憲寿の著書『絶望の国の幸福な若者たち』 「人は将来に希望をなくしたときに、『今が幸せ』と感じるのではないでしょうか」 エス・エス・エス 無低を首都圏に122施設、定員数は4839人(2018年10月末時点)と大規模展開。2018年度の年間収入は51.7億円、収支は4300万円の黒字 メディアへの露出は少なく 大学生に対する支援が「なにもない」 「生活困窮者を囲い込む「大規模無低」のカラクリ 生活保護受給者の「収容」はなぜ加速するのか」 議論は「無低の存在ありき」の施設保護を前提にした話ばかりに終始している 社会福祉士会から強い懸念 可視化 いまはまだ貧困化の過度期、僕はまだまだ底に落ちていくというイメージをもっています 周りに同じような所得階級の人しかいない 「ちゃんと賃金上げろ」という労働運動が必要 福祉事務所と、SSSのような大規模無低事業者との間にある依存関係がうかがえる 一度入所すると、無低事業者は生活保護費から毎月取りはぐれなく利用料を得られるし、行政は事業者に丸投げすることで細かなケースワークの手間が省ける。両者はウィンウィンの関係だ 入居者に選択の余地はほとんどない SOSを求めてくる人は、どんどん増えている 中村 淳彦 対談「東京の「生活保護」はまったく機能していない いまの日本は「階層」がはっきりしている」 厚労省の検討会 「生活保護」を嫌がる女性たち 一部屋分の生活保護の住宅扶助基準の上限額が設定されている場合が多い。高額な食費が徴収されたり、不透明な名目の利用料が徴収されたりする場合もある 複数の地方議会議員も視察依頼を門前払いされた 「34歳貧困男性が「今が幸せ」と感じる深刻原因 ブラック企業で働くよりバイトのほうがいい」 藤田 和恵 貧困問題 いったん貧困のワナに陥ると抜け出すことが困難な「貧困強制社会」 (その1)(34歳貧困男性が「今が幸せ」と感じる深刻原因 ブラック企業で働くよりバイトのほうがいい、生活困窮者を囲い込む「大規模無低」のカラクリ 生活保護受給者の「収容」はなぜ加速するのか、東京の「生活保護」はまったく機能していない まの日本は「階層」がはっきりしている) 大学院卒業の前年、リーマンショック 滞納した税金が給与から差し引かれる 就職が決まっていた会社からは内定を取り消され、なんとか入社した別の会社は半年で倒産。その後、転職を重ねた先は、異常な長時間労働やサービス残業、ノルマの強制などが横行する問題企業ばかり 東洋経済オンライン
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