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LIXIL問題(LIXIL創業家が2代続けて「プロ経営者」更迭 発表で株価は下落、スクープ LIXILがMBO検討 日本脱出も、「潮田はノー」 リクシルに投資家が解任要求 臨時株主総会でガバナンスをただせるか、LIXIL潮田氏 自ら辞任も広がる「院政」懸念) [企業経営]

今日は、経営迷走で大混乱に陥っている LIXIL問題(LIXIL創業家が2代続けて「プロ経営者」更迭 発表で株価は下落、スクープ LIXILがMBO検討 日本脱出も、「潮田はノー」 リクシルに投資家が解任要求 臨時株主総会でガバナンスをただせるか、LIXIL潮田氏 自ら辞任も広がる「院政」懸念)を取上げよう。

先ずは、昨年11月12日付けダイヤモンド・オンライン「LIXIL創業家が2代続けて「プロ経営者」更迭、発表で株価は下落」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/185033
・『近年のLIXILグループの動向を一口で言うと、「どこか中途半端でやり方が拙い」となるだろう。 11月1日から、創業家2代目の潮田洋一郎取締役会議長(64歳。写真)が、約7年ぶりに持ち株会社の代表取締役会長兼CEOに復帰したことで、新体制に移行した。2016年6月より“LIXILの顔”だった前任の瀬戸欣哉社長兼CEO(58歳)は、表舞台からの退場を余儀なくされる。 19年4月1日には、米経営コンサルティング会社のマッキンゼー・アンド・カンパニー出身で、16年6月からLIXILグループに関与してきた山梨広一社外取締役(64歳)が、経営の監督役から執行役へと転じて後任の社長に就任する。事業会社のLIXILでは、旧トーヨーサッシ(現LIXIL)出身の大坪一彦副社長(60歳)が社長兼COOに昇格した。 今回の社長交代劇で、潮田オーナーは、米GE(ゼネラル・エレクトリック)出身の藤森義明氏(後にLIXILグループ社長兼CEO。現日本オラクル会長)に続き、住友商事出身でMonotaROなど複数のベンチャーを立ち上げたIT起業家の瀬戸氏まで、三顧の礼で迎えた“プロ経営者”を2代続けて更迭した。 藤森氏は、米国や日本のGEで実績を積んできた経営手法の数々をLIXILグループに持ち込み、海外M&Aを駆使したグローバル化の推進によって一気呵成に会社全体を変革することを目指した。 だが、中期経営計画の目標を一度も達成できず、中国の孫会社で勃発した粉飾決算騒動で約660億円もの巨額損失を出して、辞めざるを得なくなる。藤森氏がスカウトした外部人材は、その多くが結果的に社を去ることになった。 後を受けた瀬戸氏は、それまでの海外への拡大路線を大幅に修正し、不採算事業の整理に乗り出す。また、旧来のトステムやINAXなどの製品ブランドを復活させ、「愛社精神」の醸成に取り組んでもいた。連結売上高約1.7兆円、社員数8万人以上に変貌した巨大組織の束ね直しに努めていた』、創業家2代目の潮田洋一郎取締役会議長が、「三顧の礼で迎えた“プロ経営者”を2代続けて更迭」とは、心底驚かされた。冒頭の「どこか中途半端でやり方が拙い」というのは余りに遠慮した表現だ。
・『気に入らないからクビ?  新体制の発足に先立ち、10月31日に開かれた会見では、瀬戸氏が「正直に言って残念」と無念さをにじませた一方で、潮田オーナーは「再び、積極経営に転じたい」としれっと述べていた。絶対的な権力を持つ潮田オーナーと並べば、瀬戸氏も雇われ社長にすぎない。だが、2人のプロ経営者を生かせなかった原因は、中途半端に経営を任せた潮田オーナーにある。 社長交代の発表を受けて株価は下がった。社内からは「信頼関係ができていなかったのではないか」との批判の声も漏れてくる。図らずも企業統治不全を露呈した格好だが、近年は海外から指令を出していた2代目に、経営の当事者であるという自覚はあるのか。はなはだ疑問だ』、このあとの記事で真相が明らかになる。

次に、1月21日付け日経ビジネスオンライン「スクープ LIXILがMBO検討、日本脱出も」を紹介しよう。
https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00006/011800009/?P=1
・『LIXILグループに激震が走っている。プロ経営者の瀬戸欣哉社長からCEO(最高経営責任者)の座を取り戻した創業一族の潮田洋一郎会長が、MBO(経営陣が参加する買収)で日本の株式市場から退出し、さらにシンガポールに本社も移そうとしていることが明らかになった。年間売上高が2兆円に迫る巨大企業の日本脱出計画は、本当にこのまま進むのだろうか。 極めて異例のシナリオだが、潮田氏はどうやら本気だ。業界トップの大企業が東京証券取引所での上場を廃止し、本社をシンガポールに移転するという過去に例がない大転換を進めようとしている。潮田氏はシンガポール取引所(SGX)への新規上場も目論んでいる。 関係者によると、LIXILグループは昨年、MBO・本社移転・シンガポール上場という一連の計画を検討することを取締役の間で情報共有、すでに検討のためのアドバイザーも雇った。つまり、この計画は潮田氏が独断で進めている話とはもはや言えない。一連の計画に反対していた瀬戸氏をCEOから降ろしたことからも、潮田氏の本気度がうかがえよう。瀬戸氏を退任させるのは、この驚きの計画を前に進める布石だった。 なぜ日本の株式市場から退出したいのだろうか。根底には市場から評価されていないという不満があるだろう。株価は冴えない。トステムやINAXなど多くの企業の統合で日本最大の住宅資材・住設機器メーカーとなったLIXILだが、潮田氏は「株価はコングロマリットディスカウントに陥っている」と不満を示していた。潮田氏の見立てでは、どの機関投資家も業種を絞った専門的視点に立つようになったため、その分野以外の事業を適切に判断してもらえなくなったという』、「株価は冴えない」理由を、コングロマリットディスカウントに求めているようだが、ガバナンスの問題にある筈で、さらに本音は法人税・所得税が低いシンガポールに本社を移そうというのだろう。退任する瀬戸氏以外は賛成したというのも驚きだ。
・『こうした不満を解消するため、潮田氏は当初、会社分割による2社上場を考えたようだ。今のLIXILグループを事業ごとに2つに分割し、1つを国内で、1つを海外で上場させようと検討していたとされる。事実上のLIXIL解体だ。だがバックオフィス部門など、LIXILグループとしてすでに1つに統合されていた部分をもう一度切り分ける事務作業は非常に煩雑で、予想以上に手間取ることがわかった。そこで検討されるようになったセカンドプランが、今の案だ。 この案をもう少し整理してみよう。東証1部に上場しているLIXILをMBOにより上場廃止にする。その後、本社をシンガポールに移し、SGXに新規上場する、というのが大きな筋書きだ。LIXILの時価総額は足元で約4500億円。潮田氏がMBOをするにはプレミアム(上乗せ幅)を考慮すると最低でも5000億円以上が必要になりそうだ。 だが、このハードルは高くないのかもしれない。MBOに必要な資金をつなぎ融資でいったん調達し、その後すぐにSGXで株式を売り出して回収したお金でつなぎ融資を返す、という芸当も可能だからだ。 ただSGXに上場する新会社がどんな評価を受けるのかは読みにくい。シンガポールならコングロマリットディスカウントが起きないという保証もない。本来の企業価値は変わらないはずだが、持ち株会社なのか、事業会社なのか、どのような形で上場させるかによっても評価が変わる可能性はある。 シンガポールに本社を移転すれば、日本よりも法人税率が低いため、節税効果が得られることが想定される。潮田氏自身が現在、居を構えて生活の拠点にしているのもシンガポールだ。 地域別売上高(2018年3月期実績)をみると、圧倒的に多い日本の次がアジア、そして北米、欧州と続く。LIXILは現時点ではアジア企業であり、欧米市場への上場は考えにくいのだろう。そうなると主要な市場は香港かシンガポールかという選択肢しかない。香港市場の規制の問題などを考えると、やはりシンガポールというのは自然な選択だと考えられる』、記者は遠慮して批判めいたことを書けないのかも知れないが、売上高構成比では日本が76%と圧倒的なのにも拘らず、脱出するとは不自然過ぎ、「節税」目的が全面に出て、不届き極まる話だ。

第三に、3月24日付け東洋経済オンライン「「潮田はノー」、リクシルに投資家が解任要求 臨時株主総会でガバナンスをただせるか」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/272703
・『LIXILグループ(以下リクシル)の不透明なガバナンスに対し、機関投資家がついにしびれを切らした。イギリスのマラソン・アセット・マネジメントやポーラー・キャピタル・ホールディングスなど機関投資家4社は3月20日、共同で「リクシルに対し、臨時株主総会の招集請求を行った」と発表した。 同社では2018年10月31日、社外から招聘した代表執行役の瀬⼾欣哉・社長兼CEOが突然辞任。後任には創業家の潮⽥洋⼀郎氏が会長兼CEOに復帰し、社外取締役の山梨広一氏がCOOに就任した。 その理由について潮田氏は、当時の会見で持ち株会社の必要性など瀬戸氏との「認識の違いが最後まで埋まらなかった」と説明したが、メディアや機関投資家は納得をせず、いらだちを募らせていた。 こうした状況を受けてリクシルは2月25日、外部の弁護士に依頼して行った報告書の要旨を公表。潮田氏が指名委員会に対して瀬戸氏が辞任する意向があるように説明したこと、瀬戸氏に対しては指名委員会の総意なので辞任するように促した事実を認定している(ただし、人事に関する取締役会の決議は有効とした)。 不十分な説明を続けるリクシルに対して、機関投資家4社はついに潮田氏と山梨氏の解任に動き出した。しかも、この動きに社内取締役の伊奈啓⼀郎氏も賛同して共同提案者に名を連ねている。目的は何か。臨時株主総会招集を主導するマラソンの高野雅永・東京事務所日本調査担当、ポーラー・キャピタル・パートナーズの小松雅彦・調査部長に聞いた(Qは聞き手の質問)』、機関投資家が乗り出したというのは、ガバナンスが余りに酷く、ついにしびれを切らしたという異例中の異例のことだ。
・『見たこともないようなガバナンス  Q:これまでの経緯は? 高野氏:リクシルのCEOが瀬戸氏から潮田氏に交代する中で、いつくかガバナンスの問題があった。指名委員会のメンバーである潮田氏が自分自身を執行役に指名した。山梨氏は指名委員の委員長。これは見たこともないし聞いたこともないような違反だ。 (昨年の)12月17日に潮田氏と山梨氏から機関投資家向けの説明があった。CEO交代の理由として、潮田氏は「瀬戸氏のCEOとしての力量があまりにもひどかった。会社のバリューを大きく毀損するので解任に至った。(指名委員がCEOになることは)ガバナンスに問題あると思ったが、緊急性から踏み込んだ」と説明した。 本当かなと思うところがあり、取締役会と指名委員会の議事録の開示を要求したが断られた。そこで2人以外の社内外の取締役に質問状を送ったが、「1月の取締役会で返事をするかどうかを検討する」と返事があった後は、なしのつぶてだった。 その後、2月25日に外部弁護士による経緯や手続きの検証結果が出た。内容は18ページあるものをリクシルが個人情報と会社の機密を除いて8ページに縮めたものだ。この内容が事実だとすると、潮田氏が二枚舌で、誤解、ミスリードした形だ。 3月7日の機関投資家向け説明会でも、社外取締役の川口勉氏は、瀬戸氏の経営手法に疑問があったと繰り返した。だが、報告書に(深刻な意見対立があったと記載はあるが)それについては書かれていない。 本当に瀬戸氏の経営手腕に問題があるのならば、非常に重要なことなので、会社の公的なところで話しあってもらわないと困る。そうでなければ飲み屋で言うのと同じだ。 そもそもCEO交代の経緯を聞いているのに、機密情報や個人情報が18ページ中10ページもあるのか疑問がある。説明会では「本当に公平な第3者を入れて、黒塗りにするなりして全文を公開してくれ」「株主の代表である社外取締役がちゃんと対応して欲しい」と要望があがったが、川口氏は「承りました」と言った後、何もない。 (解任に至る)事実関係もひどいが、その後のコミュニケーションでも株主をないがしろにしている。今回、瀬戸氏と潮田氏のどちらがよいCEOなのか、という次元を問題にしているのではない。(潮田氏が)ガバナンスそのものに対して、株主の信頼を裏切ったという点だ。 形式上、リクシルには指名委員会がある。だが、みんな感じているようにその中身は本当に機能しているのか。(リクシル株を)3%程度しか持っていないであろう創業家の潮田氏が(リクシルの経営を)私物化してしまった。 これを突き付けられた以上、株主としては潮田氏と山梨氏に経営を託せない。また、われわれには顧客から資産を預かって運用しているという受託者責任もある。株を売って損切りするのではなく、株主責任と受託責任を果たすために臨時株主総会を招集した。これが背景だ』、「指名委員会のメンバーである潮田氏が自分自身を執行役に指名した。山梨氏は指名委員の委員長。これは見たこともないし聞いたこともないような違反だ」、その通りだ。
・『「最後の手段として解任を要求する」  小松氏:確かに瀬戸氏の改革は短期的にはコストが先行して業績はよくないが、長期的には当時の執行部の戦略がうまくいき、株価は上がるとみていた。ところが突然、不可解なCEO交代が起きて、リカバリー策も中期経営計画も宙に浮いた状態になった。 私は20年以上アナリストをやっているが、中間決算の説明会で突然CEOの交代を発表、しかも中期経営計画の最初の半年での交代というのは記憶がない。 これ自体はいきなり起こった「事故」のようなもの。だがその後、事情を説明をして欲しいと、社外取締役に書簡を送ったが回答はなく、面談への回答もない。3月の(社外取締役の)川口氏の説明会が会社の回答かもしれないが、その説明も十分でなかった。 コーポレート・ガバナンス・コードには「CEO選任は会社の最重要の戦略的意思決定。十分に時間をかけて審議する」と書いてあるが、報告書を読めば、とてもそんなことが行われた形跡はないとはっきりした。 われわれは潮田氏(の戦略)がよくて投資したわけでない。株を売るのではなく、リクシルのバナンスの機能不全を正すこと。正しい状況に持って行くこと、それが受託者責任と思って立ち上がった。 会社側がコミュニケーションを取ろうとしてない以上、最後の手段として信頼の置けない2人の取締役を解任を要求する。残った人たちが自浄作用を発揮し、しっかりした後継を決めることを期待したい。 Q:臨時株主総会の招集を機関投資家が、しかも連名で行うのは極めて珍しい。 高野氏:今回はマラソン主導でやったと理解して欲しい。連名になった理由は、臨時株主総会開催の基準(6カ月以上、3%以上を保有する株主に招集権限がある)を1社では満たしていなかったことにある。 私が説明会に出たり、報道で名前が出たことで(賛同する機関投資家の議決権が)少しずつ積み重なっていった。また社内取締役会の伊奈啓⼀郎氏など、われわれの「ガバナンスをより正しい方向性に向かわせたい」という考えに共鳴してくれる方が出てきた。時間はかかったが、なんとか臨時株主総会の招集請求を出せる状況になった。 Q:通常は社内取締役を牽制するのは社外取締役の役割だ。 高野氏:これまでも社外取締役の対応をお願いしてきたが、アクションはない。せいぜいが、3月の説明会に出てきて、言い訳のような説明をしていただけ。残念だった。 本来ならば株主の立場を代表するはずなのにどこを見ているのか。われわれの提案を受けて、社外取締役の本来あるべき姿、果たすべきことを考えてもらいたい。 Q:今回、リクシルに求めたのは潮田氏と山梨氏の解任だけか。自社が推薦する取締役の選任などは求めないのか? 高野氏:求めたのは2人の解任だけだ。株主にできるのは取締役の解任だけであり、CEOやCOO(など執行役)の選任は会社が決めることだ。3月20日付で臨時株主総会招集請求書を投函した。すみやかに招集するように要求している』、機関投資家はかつては、会社側提案に賛成するだけに「睡眠株主」と揶揄されたが、「受託者責任」を自覚して、立ち上がったというのは頼もしい。
・『委任状争奪戦はやらない  Q:プロキシーファイト(委任状争奪戦)などはやらないのか? 高野氏:今回は瀬戸氏と潮田氏、どちらのCEOが優れているかという、優劣を問うのではない。ガバナンスを問うという議案だ。リクシル株主の7割は機関投資家で、投票結果は公表される。票取り合戦をやるよりも、株主にもちゃんと考えてもらいたい。 Q:これまで株主が臨時株主総会を招集するのは、経営権を取る目的が多かった印象だ。今回はリクシルのガバナンスを問うためだけに、手間とお金をかけて臨時株主総会を開く。この会社にそこまでの価値があるのか? 高野氏:(臨時株主総会の開催を要求した)4者のコンセンサスではないが、私はこうした行動を通じて、ガバナンスが正しい方向に向かうことで、日本株もよい方向に向かうと思っている。会社は誰のものか、(利益やキャッシュの)分配を株主、役職員、成長投資のどこに向けるのか考えてもらえる良い機会になるはずだ。 小松氏:スチュワードシップコード、コーポレート・ガバナンス・コードが導入されて約4年。対話をしていけば、こういうことにならないケースもある。ガバナンスの不備が是正されていけば、外国人投資家の日本に対する見方もポジティブに変わるのではないのか。 Q:瀬戸氏の執行役への復帰はありえるか? 高野氏:繰り返しになるが、株主が(執行役の)CEO、COOを任命するのはスジが違う。それは取締役、指名委員会がちゃんと株主の声を聞いて判断するべきことだ』、正論でその通りだ。

第四に、4月19日付け日経ビジネスオンライン「LIXIL潮田氏、自ら辞任も広がる「院政」懸念」を紹介しよう。
https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00002/041800276/?P=1
・『「私の記憶の限り最大の最終赤字。一義的な責任はCEO(最高経営責任者)だった瀬戸さんにある。ただ、任命したのは、当時、指名委員会のメンバーで取締役会議長だった私の責任。瀬戸さんを招いたのは、取締役を続けてきた38年間で最大の失敗だった」 LIXILグループの潮田洋一郎会長兼CEO(最高経営責任者)は4月18日、緊急記者会見でそう語り、5月20日に取締役から辞任すると表明した。同日、LIXILは2019年3月期の通期業績が530億円の最終赤字に転落すると発表。イタリアの建材子会社ペルマスティリーザが500億円を超える損失を計上するためで、潮田氏はその責任は昨年10月末にCEOから退任した瀬戸欣哉氏にあると強調した。そして、自らは瀬戸氏を任命した責任をとって辞任するという。 記者会見で潮田氏は、瀬戸氏の経営手腕をこき下ろした。 「今回の大きな赤字は前任者(瀬戸氏)の3年間の経営がもたらしたもの」「ペルマの立て直し策を瀬戸さんは講じてこなかった」「取締役会でせめて詳しい報告をしてくれるものと信じていたが、説明はなかった」「瀬戸さんはこの産業はもうからないと言うが、同業は2ケタの利益を上げている」「宝石と呼ばれた会社を石ころにしてしまった。経営の策がなかった」「(瀬戸氏は)定時株主総会で自らCEOへの復帰を目指して、株主提案をする。しかし、この赤字を招いた責任をどう思うのか、いぶかしく感じる」 これに対し、瀬戸氏は緊急で一部メディアを集めた記者会見を実施。真っ向から反論した。 「今回の損失の90%以上は、私が(LIXILに)来る前の2015年以前に無理して取ったプロジェクトがうまくいかなくなった結果」「私が来て1年目で売却の交渉が始まって、限界はあったがかなりコントロールして損害を減らした」「プロジェクトビジネスは今回のようにアルミの高騰などがあると、大きな損失を出しやすいのが問題点」「取締役会にも、(長い時間をかけて議論する)取締役討議会にも、直接、潮田さんにも何度も説明している。記憶にないというのはあり得ない」』、潮田氏と瀬戸氏の言い分は真っ向から対立しているが、潮田氏の言い分には無理も多いようだ。
・『臨時総会の“無効化”が狙い?  昨秋の瀬戸氏の解任を巡っては、英米の機関投資家などの大株主や瀬戸氏自身はこれまで、潮田氏が会社を事実上、牛耳ってきたガバナンスに問題があると主張してきた。潮田氏は、LIXILの前身会社の1社である旧トステムの創業家だが、保有しているLIXIL株は3%程度。瀬戸氏の解任を巡るプロセスでは、潮田氏はほかの指名委員に対して誤解を与える言動をしたほか、潮田氏以外の取締役による潮田氏への忖度があった。 英米の大手機関投資家らはこれらを問題視し、潮田氏、山梨広一社長兼COO(最高執行責任者)の取締役解任を議案とする臨時株主総会の招集請求を突き付けている。他の大手機関投資家からも解任要求に賛同する声が出始めている。これまで会社側は、臨時総会を5月中下旬をめどに開催するとしていた。 だが、潮田氏は、「ガバナンスについては、(瀬戸氏の退任プロセスに関する調査・検証結果の)報告書にあるように、手続きについては問題ないという弁護士のお墨付きがある」と断言。ペルマの巨額損失は瀬戸氏の経営手腕に問題があったと位置づけ、潮田体制におけるガバナンスに問題があるという指摘に対し、反撃に出た。 ある投資家は、「臨時総会での票読みが劣勢となり、プランBに打って出たのではないか」と見る。つまり、自ら取締役を辞任することで、機関投資家が臨時総会を開催する意味をなくしてしまおうというわけだ。潮田氏はそのような見方に対し「臨時総会の回避が目的ではない」と否定する。 ただし、今回、潮田氏とともに、山梨氏も「執行に専念したい」という理由から、6月下旬の定時株主総会で取締役を退任することを表明。両氏は機関投資家らに対して、招集請求の取り下げなどを求める意向を示している。 潮田氏が5月20日に退任すると、その後に臨時総会を開いても解任議案は山梨氏に対してしか成立しない。しかも、臨時総会を開いたとしても、山梨氏が退任する定時総会まで1カ月程度しかない。招集請求をした大株主らは、それでも臨時総会を開くのかどうか、判断を迫られることになった』、潮田氏の「プランB」は捨て身の高等戦術のようだ。
・『瀬戸氏「山梨氏がCEOに就くなら、潮田氏の傀儡(かいらい)だ」  潮田氏と山梨氏が取締役から退任しても、潮田氏が「院政」を敷く可能性もある。6月の定時総会後、潮田氏は会長、CEOからも退任し、「アドバイザーをやってくれと言われれば考える」が、経営からは身を引くと言う。一方、山梨氏は定時総会以降も、取締役を兼務しない形で執行役として経営をリードすることに意欲を見せている。 瀬戸氏は、「次期取締役が山梨さんをCEOに選ぶのであれば、それは潮田さんの傀儡(かいらい)だ。LIXILは潮田さんの影響力から離れるべき。私がCEOをやらせてもらうことで、その機会にしたい」と強調する。 瀬戸氏は同日、定時総会に向けて、自身を含む次期取締役候補8人の株主提案を、会社側に正式に送付した。4月5日に瀬戸氏が株主提案の意向を表明してからこれまでに、指名委員会のメンバーは瀬戸氏が提案した取締役候補と面談している。だが、瀬戸氏が提示した候補者を採用するかどうかについて、瀬戸氏側に返答はまだない。 次の焦点は、会社側がどのような取締役候補を示すかどうかだ。招集請求をした機関投資家の1社は、「非取締役として山梨さんがCEOに就任するというのは筋が悪い。ガバナンス不全で解任しようとしている人をCEOに選ぶような取締役の顔ぶれなら、全く信用できない」と話す』、「瀬戸氏は同日、定時総会に向けて、自身を含む次期取締役候補8人の株主提案を、会社側に正式に送付した」とは、ますます面白い展開になってきた。「非取締役として山梨さんがCEOに就任するというのは筋が悪い。ガバナンス不全で解任しようとしている人をCEOに選ぶような取締役の顔ぶれなら、全く信用できない」との機関投資家の反応は正論だ。さて、会社側はどのように出るのだろうか。
タグ:臨時総会の“無効化”が狙い? 臨時総会での票読みが劣勢となり、プランBに打って出た 自ら取締役を辞任することで、機関投資家が臨時総会を開催する意味をなくしてしまおう 非取締役として山梨さんがCEOに就任するというのは筋が悪い。ガバナンス不全で解任しようとしている人をCEOに選ぶような取締役の顔ぶれなら、全く信用できない ダイヤモンド・オンライン 「スクープ LIXILがMBO検討、日本脱出も」 (LIXIL創業家が2代続けて「プロ経営者」更迭 発表で株価は下落、スクープ LIXILがMBO検討 日本脱出も、「潮田はノー」 リクシルに投資家が解任要求 臨時株主総会でガバナンスをただせるか、LIXIL潮田氏 自ら辞任も広がる「院政」懸念) 日経ビジネスオンライン 「LIXIL創業家が2代続けて「プロ経営者」更迭、発表で株価は下落」 LIXIL問題 「LIXIL潮田氏、自ら辞任も広がる「院政」懸念」 東証1部に上場しているLIXILをMBOにより上場廃止にする。その後、本社をシンガポールに移し、SGXに新規上場する 東洋経済オンライン 「「潮田はノー」、リクシルに投資家が解任要求 臨時株主総会でガバナンスをただせるか」 山梨氏も「執行に専念したい」という理由から、6月下旬の定時株主総会で取締役を退任することを表明 山梨氏がCEOに就くなら、潮田氏の傀儡
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