SSブログ

女性活躍(その11)(上野千鶴子さん「社会には、あからさまな性差別が横行している。東大もその一つ」(東大入学式の祝辞全文)、上野千鶴子「東大祝辞」でワイドショーコメントが酷い! 東国原英夫 坂上忍 玉川徹 東大卒元官僚の山口真由も、日本のジェンダーギャップ「世界第110位」のなにがヤバいか 格差が大きいと…) [社会]

昨日に続いて、女性活躍(その11)(上野千鶴子さん「社会には、あからさまな性差別が横行している。東大もその一つ」(東大入学式の祝辞全文)、上野千鶴子「東大祝辞」でワイドショーコメントが酷い! 東国原英夫 坂上忍 玉川徹 東大卒元官僚の山口真由も、日本のジェンダーギャップ「世界第110位」のなにがヤバいか 格差が大きいと…)を取上げよう。

先ずは、4月12日付けHUFFPOST「上野千鶴子さん「社会には、あからさまな性差別が横行している。東大もその一つ」(東大入学式の祝辞全文)「あなたたちのがんばりを、どうぞ自分が勝ち抜くためだけに使わないでください」」を紹介しよう。ただ、筆者が要約した部分は省略した。
https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_5cb01f5ee4b0ffefe3ae261c
・『・・・【平成31年度東京大学学部入学式 祝辞全文】ご入学おめでとうございます。あなたたちは激烈な競争を勝ち抜いてこの場に来ることができました。 その選抜試験が公正なものであることをあなたたちは疑っておられないと思います。もし不公正であれば、怒りが湧くでしょう。が、しかし、昨年、東京医科大不正入試問題が発覚し、女子学生と浪人生に差別があることが判明しました。文科省が全国81の医科大・医学部の全数調査を実施したところ、女子学生の入りにくさ、すなわち女子学生の合格率に対する男子学生の合格率は平均1.2倍と出ました。 問題の東医大は1.29、最高が順天堂大の1.67、上位には昭和大、日本大、慶応大などの私学が並んでいます。1.0よりも低い、すなわち女子学生の方が入りやすい大学には鳥取大、島根大、徳島大、弘前大などの地方国立大医学部が並んでいます。ちなみに東京大学理科3類は1.03、平均よりは低いですが1.0よりは高い、この数字をどう読み解けばよいでしょうか。統計は大事です、それをもとに考察が成り立つのですから。 女子学生が男子学生より合格しにくいのは、男子受験生の成績の方がよいからでしょうか?全国医学部調査結果を公表した文科省の担当者が、こんなコメントを述べています。 「男子優位の学部、学科は他に見当たらず、理工系も文系も女子が優位な場合が多い」 ということは、医学部を除く他学部では、女子の入りにくさは1以下であること、医学部が1を越えていることには、なんらかの説明が要ることを意味します。事実、各種のデータが、女子受験生の偏差値の方が男子受験生より高いことを証明しています。まず第1に女子学生は浪人を避けるために余裕を持って受験先を決める傾向があります。第2に東京大学入学者の女性比率は長期にわたって「2割の壁」を越えません。今年度に至っては18.1%と前年度を下回りました。 統計的には偏差値の正規分布に男女差はありませんから、男子学生以上に優秀な女子学生が東大を受験していることになります。第3に、4年制大学進学率そのものに性別によるギャップがあります。 2016年度の学校基本調査によれば4年制大学進学率は男子55.6%、女子48.2%と7ポイントもの差があります。この差は成績の差ではありません。「息子は大学まで、娘は短大まで」でよいと考える親の性差別の結果です』、入学式でこうした性差別の問題を取上げるとは、さすが女性学の第一人者らしい勇気ある発言だ。
・『最近ノーベル平和賞受賞者のマララ・ユスフザイさんが日本を訪れて「女子教育」の必要性を訴えました。 それはパキスタンにとっては重要だが、日本には無関係でしょうか。「どうせ女の子だし」「しょせん女の子だから」と水をかけ、足を引っ張ることを、aspirationのcooling downすなわち意欲の冷却効果と言います。マララさんのお父さんは、「どうやって娘を育てたか」と訊かれて、「娘の翼を折らないようにしてきた」と答えました。そのとおり、多くの娘たちは、子どもなら誰でも持っている翼を折られてきたのです。 そうやって東大に頑張って進学した男女学生を待っているのは、どんな環境でしょうか。他大学との合コン(合同コンパ)で東大の男子学生はもてます。 東大の女子学生からはこんな話を聞きました。「キミ、どこの大学?」と訊かれたら、「東京、の、大学...」と答えるのだそうです。なぜかといえば「東大」といえば、退かれるから、だそうです。 なぜ男子学生は東大生であることに誇りが持てるのに、女子学生は答えに躊躇するのでしょうか。なぜなら、男性の価値と成績のよさは一致しているのに、女性の価値と成績のよさとのあいだには、ねじれがあるからです。 女子は子どものときから「かわいい」ことを期待されます。ところで「かわいい」とはどんな価値でしょうか?愛される、選ばれる、守ってもらえる価値には、相手を絶対におびやかさないという保証が含まれています。だから女子は、自分が成績がいいことや、東大生であることを隠そうとするのです』、「男性の価値と成績のよさは一致しているのに、女性の価値と成績のよさとのあいだには、ねじれがあるからです。 女子は子どものときから「かわいい」ことを期待されます」、なるほどその通りだろう。
・『東大工学部と大学院の男子学生5人が、私大の女子学生を集団で性的に凌辱した事件がありました。 加害者の男子学生は3人が退学、2人が停学処分を受けました。この事件をモデルにして姫野カオルコさんという作家が『彼女は頭が悪いから』という小説を書き、昨年それをテーマに学内でシンポジウムが開かれました。 「彼女は頭が悪いから」というのは、取り調べの過程で、実際に加害者の男子学生が口にしたコトバだそうです。この作品を読めば、東大の男子学生が社会からどんな目で見られているかがわかります。 東大には今でも東大女子が実質的に入れず、他大学の女子のみに参加を認める男子サークルがあると聞きました。 わたしが学生だった半世紀前にも同じようなサークルがありました。それが半世紀後の今日も続いているとは驚きです。この3月に東京大学男女共同参画担当理事・副学長名で、女子学生排除は「東大憲章」が唱える平等の理念に反すると警告を発しました』、「東大には今でも東大女子が実質的に入れず、他大学の女子のみに参加を認める男子サークルがある」、というのはありそうな話だ。
・『これまであなたたちが過ごしてきた学校は、タテマエ平等の社会でした。偏差値競争に男女別はありません。ですが、大学に入る時点ですでに隠れた性差別が始まっています。社会に出れば、もっとあからさまな性差別が横行しています。東京大学もまた、残念ながらその例のひとつです。 学部においておよそ20%の女子学生比率は、大学院になると修士課程で25%、博士課程で30.7%になります。その先、研究職となると、助教の女性比率は18.2、准教授で11.6、教授職で7.8%と低下します。これは国会議員の女性比率より低い数字です。女性学部長・研究科長は15人のうち1人、歴代総長には女性はいません。 こういうことを研究する学問が40年前に生まれました。女性学という学問です。のちにジェンダー研究と呼ばれるようになりました。私が学生だったころ、女性学という学問はこの世にありませんでした。 なかったから、作りました。 女性学は大学の外で生まれて、大学の中に参入しました。4半世紀前、私が東京大学に赴任したとき、私は文学部で3人目の女性教員でした。そして女性学を教壇で教える立場に立ちました』、研究職の女性比率は「国会議員の女性比率より低い数字」とは驚かされた。大学も想像以上に閉鎖的な男社会のようだ。
・『女性学を始めてみたら、世の中は解かれていない謎だらけでした。 どうして男は仕事で女は家事、って決まっているの?主婦ってなあに、何する人?ナプキンやタンポンがなかった時代には、月経用品は何を使っていたの?日本の歴史に同性愛者はいたの?...誰も調べたことがなかったから、先行研究というものがありません。 ですから何をやってもその分野のパイオニア、第1人者になれたのです。今日東京大学では、主婦の研究でも、少女マンガの研究でもセクシュアリティの研究でも学位がとれますが、それは私たちが新しい分野に取り組んで、闘ってきたからです。そして私を突き動かしてきたのは、あくことなき好奇心と、社会の不公正に対する怒りでした。 学問にもベンチャーがあります。衰退していく学問に対して、あたらしく勃興していく学問があります。女性学はベンチャーでした。女性学にかぎらず、環境学、情報学、障害学などさまざまな新しい分野が生まれました。時代の変化がそれを求めたからです。 言っておきますが、東京大学は変化と多様性に拓かれた大学です。 わたしのような者を採用し、この場に立たせたことがその証しです。東大には、在日韓国人教授、姜尚中さんも、高卒の教授、安藤忠雄さんもいました。また盲ろう二重の障害者である教授、福島智さんもいらっしゃいます』、「私を突き動かしてきたのは、あくことなき好奇心と、社会の不公正に対する怒りでした」、というのは分かるような気がする。
・『あなたたちは選抜されてここに来ました。東大生ひとりあたりにかかる国費負担は年間500万円と言われています。これから4年間すばらしい教育学習環境があなたたちを待っています。そのすばらしさは、ここで教えた経験のある私が請け合います。 あなたたちはがんばれば報われる、と思ってここまで来たはずです。ですが、冒頭で不正入試に触れたとおり、がんばってもそれが公正に報われない社会があなたたちを待っています。 そしてがんばったら報われるとあなたがたが思えることそのものが、あなたがたの努力の成果ではなく、環境のおかげだったこと忘れないようにしてください。あなたたちが今日「がんばったら報われる」思えるのは、これまであなたたちの周囲の環境が、あなたたちを励まし、背を押し、手を持ってひきあげ、やりとげたことを評価してほめてくれたからこそです』、人間はどうしても自分の「努力の成果」と考えがちだが、「周囲の環境」への感謝の念を持てというのはさすがだ。
・『世の中には、がんばっても報われないひと、がんばろうにもがんばれないひと、がんばりすぎて心と体をこわしたひと...たちがいます。がんばる前から、「しょせんおまえなんか」「どうせわたしなんて」とがんばる意欲をくじかれるひとたちもいます。 あなたたちのがんばりを、どうぞ自分が勝ち抜くためだけに使わないでください。恵まれた環境と恵まれた能力とを、恵まれないひとびとを貶めるためにではなく、そういうひとびとを助けるために使ってください。 そして強がらず、自分の弱さを認め、支え合って生きてください』、「あなたたちのがんばりを、どうぞ自分が勝ち抜くためだけに使わないでください。恵まれた環境と恵まれた能力とを、恵まれないひとびとを貶めるためにではなく、そういうひとびとを助けるために使ってください」、というのも誠に素晴らしい言葉だ。
・『女性学を生んだのはフェミニズムという女性運動ですが、フェミニズムはけっして女も男のようにふるまいたいとか、弱者が強者になりたいという思想ではありません。フェミニズムは弱者が弱者のままで尊重されることを求める思想です。 あなた方を待ち受けているのは、これまでのセオリーが当てはまらない、予測不可能な未知の世界です。 これまであなた方は正解のある知を求めてきました。これからあなた方を待っているのは、正解のない問いに満ちた世界です。 学内に多様性がなぜ必要かと言えば、新しい価値とはシステムとシステムのあいだ、異文化が摩擦するところに生まれるからです。学内にとどまる必要はありません。東大には海外留学や国際交流、国内の地域課題の解決に関わる活動をサポートする仕組みもあります。 未知を求めて、よその世界にも飛び出してください。 異文化を怖れる必要はありません。人間が生きているところでなら、どこでも生きていけます。あなた方には、東大ブランドがまったく通用しない世界でも、どんな環境でも、どんな世界でも、たとえ難民になってでも、生きていける知を身につけてもらいたい。 大学で学ぶ価値とは、すでにある知を身につけることではなく、これまで誰も見たことのない知を生み出すための知を身に付けることだと、わたしは確信しています。知を生み出す知を、メタ知識といいます。そのメタ知識を学生に身につけてもらうことこそが、大学の使命です。 ようこそ、東京大学へ』、「知を生み出す知を、メタ知識といいます。そのメタ知識を学生に身につけてもらうことこそが、大学の使命です」、うん蓄のある言葉だが、惜しむらくは私が大学で教えていた時に聞きたかった。それにしても、男子学生の受け止めも知りたいところだ。

次に、4月16日付けLITERA「上野千鶴子「東大祝辞」でワイドショーコメントが酷い! 東国原英夫、坂上忍、玉川徹、東大卒元官僚の山口真由も」を紹介しよう。
https://lite-ra.com/2019/04/post-4662.html
・『東京大学入学式で社会学者の上野千鶴子がおこなった祝辞が、大きな話題を呼んでいる。 上野はまず女子や浪人の受験生を差別していた東京医科大学の不正入試問題にふれた上で、東大における入学者の女子比率がわずか2割であるという事実、女性差別が東大に蔓延る現実を紹介。そして、「がんばってもそれが公正に報われない社会」のなかで「がんばったら報われる」と思えること自体が本人の努力の成果ではなく環境のおかげであるということを突きつけ、「恵まれた環境と恵まれた能力とを、恵まれないひとびとを貶めるためにではなく、そういうひとびとを助けるために使ってください」と呼びかけた。 自己責任論が蔓延し、自助努力がデフォルトの価値になりつつあるいま、東大生に向かって上野が呼びかけた言葉は大きな意味をもつだろう。そして、女性に対する差別があらゆる面で顕在化する昨今の状況を考えれば、上野のスピーチに深く頷いた人がSNSに溢れたのも当然だ。なかでも、入学式という祝いの場でも空気を読むこともなく、東大生が起こした性暴力事件をもとにした姫野カオルコによる小説『彼女は頭が悪いから』(祝辞で上野も述べたとおり、この小説タイトルは取り調べで加害者である東大生が口にした台詞だ)を俎上に載せ、「この作品を読めば、東大の男子学生が社会からどんな目で見られているかがわかります」と言及した点はさすがとしかいいようがない。 だが、まさしく入学式にこそふさわしいこの祝辞に対して噛みついたのが、情報番組、ワイドショーだった。 たとえば、14日放送の『Mr.サンデー』(フジテレビ)では、三田友梨佳アナや元フジ女子アナで弁護士の菊間千乃が上野の言葉に賛同を示すなか、木村太郎が「性差別があるってことを最初から最後までずーっと言って、僕はその通りだと。では、何したらいいのかってことはわからないの、これ」「女性がそれだけ差別されたのなら、どうやって戦うのかというメッセージがない」と苦言。性差別があることを認めるのであれば、社会で圧倒的優位性をもつ男性として考える是正策を木村が提案すればいいと思うが、「弱者が弱者として守られるのがフェミニズムなんですよ。これでは勝てない」などと批判した。 上野は「フェミニズムはけっして女も男のようにふるまいたいとか、弱者が強者になりたいという思想ではありません。フェミニズムは弱者が弱者のままで尊重されることを求める思想です」と述べていたのに、木村は勝手にフェミニズムをねじ曲げ、勝ち負けの世界に引きずり込んでしまったのである。 一方、昨日放送の『モーニングショー』(テレビ朝日)では、普段は果敢に政権批判をおこなう玉川徹が“ほんとうは東大の女子入学生に『女の幸せって何だと思いますか』と訊きたかった”と言い出し、東大首席卒業で元財務官僚の山口真由に「山口さんって女の幸せって何だと思う?」と質問。すると、山口が「女の幸せ? やっぱりでも、結婚して子どもをちゃんと産んで、きちんとした家庭を育てていくこと」と答えると、玉川はこう述べた。 「東大の女子でも山口さんみたいに考えている人、多いと思う。男の人から愛されて、幸せな家庭をつくってっていうのがあって、でも仕事もちゃんとやりたいんだけど、これは両立しないっていうか。愛されてって方向として選ばれないと思っている人、多いんじゃないかな」』、
・『東大卒元財務官僚の山口真由は「ラッキーにフォーカスすべき」と唖然発言  どうして新入生に「女の幸せ」を尋ねる必要があるのかさっぱり意味がわからないが、この「愛されてって方向として選ばれない」という一言こそ、上野が祝辞で問題視したものだ。上野は男子学生が東大であることを誇るが女子学生はそうではないことにふれ、「男性の価値と成績のよさは一致しているのに女性の価値と成績のよさとのあいだにはねじれがある」と喝破。そして、「女子は子どものときから『かわいい』ことを期待される」「愛される、選ばれる、守ってもらえる価値には、相手を絶対におびやかさないという保証が含まれています。だから女子は、自分が成績がいいことや東大生であることを隠そうとする」とその背景を説明した。玉川の「愛されてって方向として選ばれないと思っている人、多いんじゃないかな」という視線はハナから女を「選ばれる存在」に置くもので、だからこそ「女の幸せ」などという男子学生にはけっして訊かない質問が飛びだしたのだろう。この、あらかじめ結婚や出産育児が念頭におかれた「女の幸せ」というフレーズは、女性にとっては呪いの言葉であり、女性自身が「それが幸せなのだ」と内面化してきた要因のひとつであることは間違いない。 終始、上野の祝辞の意味からズレつづけた『モーニングショー』だったが、その最たるものが、石原良純が「上野さんの話は(実態と)合致してるのかな」と疑義を呈した際の、山口の言葉だろう。山口は「そこはあると思います。私も、前半部分見て、上野先生の生きてきた時代もあるし、相当こっちから見ても距離感あって、だからみんなフェミニズムとか勉強しなくなっちゃう」と言うと、こう続けた。 「しかも、上野先生って成功して恵まれているわけじゃないですか。ラッキーだったところにフォーカスしたほうがいいのになって」 上野は東大に入学できるほど教育機会に恵まれた新入生に対し、そのがんばりを恵まれない多くの人びとのために使ってほしい、と述べた。それは、東大を首席卒業し財務省に入省してキャリア官僚になった山口のような人物にこそ向けられたものだったはずだ。だが、そのことにも気付かず「恵まれているんだから、ラッキーだったことにフォーカスしたほうがいいのに」と無邪気に語ったのである』、男の木村はともかく、女性の山口のコメントのお粗末さには驚かされた。
・『上野の格差社会批判に東国原は「がんばらない人がいる」と批判  しかし、こうした木村や玉川、山口といったコメンテーターをさらに上にゆくズレたコメント、いや「暴言」を連発した人物がいた。『バイキング』(フジテレビ)の東国原英夫だ。 東国原はまず、4年制大学進学率が男子55.6%に対して女子48.2%と差があることについて、上野が「成績の差ではありません。『息子は大学まで、娘は短大まで』でよいと考える親の性差別の結果です」と話したことを「本人の意思もある」と反論。その理由は、こうだ。 「女性が手に職をつける、看護師だとか保育士だとか衛生士だとか調理師だとか美容師だとか。そういう方は4年制大学は捨てる」 看護師が「看護婦」、保育士が「保母さん」と呼ばれてきた歴史が物語るように、それらが女性の専門職と見なされてきたのは性的役割分業と切り離せないし、それは女性にあてがわれた数少ない職業だった。いまではその是正も徐々に進んでいるが、それでもいまだに女性の職業とみなし、「本人の意思で4年制大学を選ばない」根拠にするのだから、よくこれで県知事など務めたものだとあきれるほかない。 だが、東国原の噛みつきは続いた。上野が「世の中には、がんばっても報われない人、がんばろうにもがんばれない人、がんばりすぎて心と体をこわした人たちがいます。がんばる前から『しょせんおまえなんか』『どうせわたしなんて』とがんばる意欲をくじかれる人たちもいます」と述べたことに対し、こんなことを言い出したのだ。 「あのなかでひとつだけ足りないのは『がんばらない人がいる』ということを言っていないですよね。世の中にはがんばらない人がいるんですよ。がんばれるのに。その方たちをどうするかっていう問題提起はされていないなって僕の疑問でしたね」 「がんばろうにもがんばれない人」を、自己責任論者は「がんばらない人」と呼ぶ。こうした自己責任論者の存在があるからこそこのスピーチはおこなわれたはずだが、それを東国原は理解できないのである』、そもそも東国原をコメンテーターとしているテレビ局には良識もへったくれもないのだろう。
・『東国原「主体的な女性がいないのは国民性」「国連の言うとおりしなくていい」  しかし、もっとも頭が痛くなったのは、政治家の女性比率が低いことについて話題が及んだときの、こんな発言だ。 ある地方で候補者を公募したものの女性の応募者がいなかった、という話をはじめた東国原は、「女性がなりたいという人が少ないんです。それは男性社会だから、男性環境だから行きたくないというのもひとつあるけども、面倒くさいことが嫌だとか、子育てできない結婚もできないという理由で諦められるという方がいらっしゃるのも事実なんですね」としたり顔で解説。「女性は面倒くさいことが嫌」などということのデータなり根拠を示していただきたいものだが、そもそもこんなことを言うのなら子連れ議員が批判に晒される議会のほうを問題にすべきだ。だが、そんなツッコミが入ることもなく、東国原はこう続けたのだ。 「ですから、たしかにジェンダーギャップ指数というのは世界110位ですよ。日本は低いんですけども、それは、僕が考えるにですよ、ジェンダーギャップ指数を埋めようという主体的な女性がまだ日本国内では少ないんじゃないかなと思っています。たとえば結婚について、『私は専業主婦のほうがいいわ、専業主婦になりたいの。高等教育はいいわ』と自分で考えられる方が多いと思うんですね。これ、国民性なんですよ。ですから、それを無理やり国連が言うように同数に引き上げるというのを無理におこなわなくても僕はいいんじゃないかと思うんです」「ジェンダーギャップ指数というのは社会的な地位とかそういうことですよね。でも、たとえば内心である家庭内、家庭内を考えたら、圧倒的に女性が権力もってます。女性のほうが、奥さんのほうが権力もってるんですよ。そこは数値化できないんですよ。そのね、ジェンダーギャップ指数、そこの数字も入れたら、日本って女性が上になると思いますよ。そういう数字も入れていないというところを、先生にちょっと忖度していただきたかったと思います」 男女の給与格差や女性の非正規雇用率の高さ、就活セクハラに働いても平等な分担とはならない育児・家事など、この社会で働こうとするとき女性に待ち受けている不平等、理不尽をまったく顧みず「専業主婦志向が高いのは国民性」と言い切る無知さ。そして、「かかあ天下」の数字を加味しろと言う昭和のオヤジ思考……。しかも、このバカバカしい話に対し、MCの坂上忍は「性差別とかそういうのも、男社会だからどうのこうのと言うのは簡単だし、実際問題そうなのかもしれないけど、逆に女性が社会に進出しているのを女性が足を引っ張ったり、女性の絶対数がまだまだ増えていないんじゃないかというのは僕もやっぱ感じて」などと述べたのだった。 テレビが図らずも露呈させた、この国の地獄ぶり──。いや、もしかするとあの上野千鶴子のこと、こうした現実を可視化させることも計算の上での祝辞だったのかもしれないとも思えてくるが、ともかくこの惨状こそが日本の実情なのである。そういう意味でも、重要な祝辞だったことがよくわかるというものだろう』、「テレビが図らずも露呈させた、この国の地獄ぶり」というのは言い得て妙だ。

第三に、サステナビリティ経営・ESG投資アドバイザリー会社のニューラル代表取締役CEO、夫馬 賢治氏が4月24日付け現代ビジネスに寄稿した「日本のジェンダーギャップ「世界第110位」のなにがヤバいか 格差が大きいと…」を紹介しよう。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/64116
・『先進国で最低レベルの男女ギャップ  ダボス会議で有名な世界経済フォーラム(WEF)は、毎年年末になると「世界ジェンダー・ギャップ報告書」なるものを発表している。そこで先進国の中で、毎年のように”最低スコア”を叩き出しているのが日本だ。 最新の2018年度の日本の結果は、149ヶ国中110位と、下から数えたほうが早い。もちろん、米国、英国、ドイツ、フランス、イタリア、カナダを含めたG7諸国の中では断トツで最下位だ。 それくらいでは驚かないかもしれない。しかし、中国、インド、マレーシア、ネパール、ミャンマーよりもランクが下だという事実を知ったら、いかがだろうか。 ちなみにかろうじて韓国(115位)よりも上だが、それ以外で日本より下なのは中東諸国やアフリカ諸国、南の島国などばかりだ。 しかも、日本はどんどんランクを落としている。5年前の2015年ではすでに101位だったのだが、2016年には111位、2017年に114位と順位を下げてきてしまった。2018年は110位と多少挽回したが、誇れる結果ではないだろう。 ダイバーシティという言葉が日本に登場し始めたのは1990年代。それから約20年が経とうとしているが、発展途上国に次々の抜かれていき、全く世界のスピードに追いついていけていない』、日本の順位が中国、インド、マレーシアはともかく、「ネパール、ミャンマーよりもランクが下」とはみっともない限りだ。
・『子どもは男女平等、大学から男女格差が明確に  「何を根拠にダイバーシティが低いと言えるのか」という考えもあると思うので、世界経済フォーラムの「ジェンダー・ギャップ指数」の算出方法について紹介しよう。 このランキングは、「健康と生存」「教育達成度」「ジェンダー間の経済的参加度および機会」「政治的エンパワーメント」の4つの観点から合計14項目でランキングを出し、最後に総合ランキングを導いている。 日本のダイバーシティの低さには、大きな特徴がある。下の図は年齢毎に項目とランキングを並び替えたものだ。日本では、誕生から高校生ぐらいまでは男女格差がほぼなく、ランキングも堂々の世界1位だ。 しかしそこから一気にきな臭くなる。大学や大学院の就学比になると急に100位以下に後退してしまう。 社会人になると、類似労働間での賃金の男女比ではやや緩和されるが、男女の勤労所得比、専門職や管理職での男女比となると、100位以下に下がる。 社会的地位の高い国会議員や閣僚でも同様の男女格差が表れている。すなわち、未成年のうちは、ある程度「男女平等に」という社会通念があるが、成人になると「男性が上」という感覚がいきなり立ち昇ってくるのだ』、これでは上昇志向のある日本人女性が戸惑うのももっともだ。
・『ダイバーシティは日本法で守られている  こうした海外のランキングを取り上げると、「ダイバーシティはそもそも西欧の基準であり、日本文化には相応しくない」と反論する人もいるが、文化云々の問題ではなく、良いわけはない。では、なぜ男女格差があるとまずいのだろうか。 日本で1972年に制定された男女雇用機会均等法には、その目的について「法の下の平等を保障する日本国憲法の理念にのつとり雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保を図るとともに、女性労働者の就業に関して妊娠中及び出産後の健康の確保を図る等の措置を推進する」とある。 ここでは「法の下の平等」という倫理が強く打ち出されている。但し、大学に行きたくない女性もいれば、専門職や管理職、国会議員になりたくない女性もいる。そのため、男女が常に同じ状態になっていなくてもいいのではないかという主張もあろう。 一方で、ジェンダー・ギャップについては、「無意識バイアス」という観点から格差を問題視する有識者も多い。「大学に行きたくない女性もいる」のではなく、「女性は大学に行かなくてもよい」という社会的通念や規範意識によって、女性の大学入学率を押し下げているという考え方だ。 こうした社会学的な考え方は、学術界では広く知られているが、「無意識バイアス」は素人には認識しづらいのも現実だ』、日本では「無意識バイアス」がことの他強く作用しているようだ。
・『格差のある企業は投資されない?  では、成人になると男女格差が生まれる日本の現状は、どのぐらいまずいのだろうか。 この問いに対し、昨今明確な回答を突きつけてくる集団がいる。それが海外投資家だ。海外の年金基金や保険会社、またそれらから運用を受託する運用会社が最近採用しているESG投資戦略では、社員や管理職、さらには取締役会の女性比率にも着目している。 実際に、海外の運用大手ブラックロックやバンガード、ステート・ストリート等もダイバーシティを重視してきている。日本でも、女性取締役を増やさなければ取締役会議長の再任選挙に反対票を投じると迫る海外投資家も表れている。 日本で金融業界に長くいる人ほど、この海外投資家のダイバーシティ重視は意味不明だ。かつてダイバーシティという言葉が使われ始めた1990年代、ダイバーシティの取り組み度合いで投資先企業のバリュエーション(企業価値評価)をするなんてことはご法度だった。 ダイバーシティを考慮することは、企業分析の「雑音」であり、投資パフォーマンスを損なうとまで言う人もいた。なので、金融業界の古くからいる人ほど、昨今の海外投資家のトレンドには違和感を感じている』、かつては「ダイバーシティを考慮することは、企業分析の「雑音」であり、投資パフォーマンスを損なうとまで言う人もいた」というのに比べ、現在は様変わりのようだ。
・『世界で最も早く「労働力不足」が深刻化する  では一体、海外投資家はなぜダイバーシティに注目するようになったのか。その背景には、「労働力不足」という明確な問題意識がある。そして、労働力不足問題が世界の中で最も早く深刻になるのが日本だ。 これは、厚生労働省が発表している日本の未来人口予想だ。労働力としてカウントされる15歳から64歳までの人口は、2000年代中頃にピークを迎えてすでに減少を開始。2015年には7,728万人いたのだが、2065年には4,529万人へと約4割も減ってしまう。 この影響はすでに表れており、運送業、コンビニエンスストア、外食産業は、人材不足を理由に事業規模縮小を余儀なくされてきている。また、人手不足のため時給を上げて採用しようとするためコスト増となり、赤字に転落する大企業まで出てきた。 しかし、これでもまだましな方だ。日本は15歳から64歳までの人口が減少する中で、労働力人口はむしろここ数年増加に転じている。その差を埋めているのは、女性と65歳以上の高齢者だ。 また最近では、外国人留学生のアルバイトも活躍し、2017年時点で外国人労働者の数は約128万人。さらにこの4月からは「特定技能ビザ」制度も始まり、5年間で最大約35万人の外国人労働者を受け入れる。 外国人労働者は合わせて160万人超となるが、それでも今後50年間で労働人口が3,000万人以上も消失することを考えると、ホワイトカラー職も含めた幅広い業種が、今後想像を絶する人手不足状態に陥る』、ただ、AIやIOTの普及に伴って、機械への代替が進めば、人手不足は緩和される筈だ。筆者の職業上のポジショントークという印象も受ける。
・『女性を戦力にできない企業は生き残れない  このような社会環境の変化を受け、企業が競合他社よりも人材面で優位に立とうとするならば、ダイバーシティを推進するしかない。ダイバーシティには、ジェンダーだけでなく、外国人、障害者等にも当てはまる言葉だが、とりわけ法律面での上限設定等がない女性労働力の確保は、企業の未来にとって死活問題だ。 また、女性労働力は採用しておわりではなく、働き続けてもらえるような労働環境を整備しなければ、他社へと転職してしまうかもしれない。もちろん、待遇や昇進面で男女格差があれば、それを不満に退職する女性も当然のように出てくるだろう。 海外投資家が着目したダイバーシティは、日本の公的年金基金である年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)も意識し始めた。GPIFは、2017年から運用資金の一部で、ダイバーシティが優れている上場企業に重点的に投資する戦略を採用している』、GPIFの姿勢変化には政府からの示唆もあったのだろうが、海外も含めた投資家から圧力がかかるのは好ましいことだ。
・『女性管理職・女性取締役を増やすこと  では、どうしたら女性が働きやすい環境が創出できるのだろうか。その解決策については、海外投資家の間では、一定のコンセンサスが生まれてきている。ひとつには、女性管理職を増やすことであり、さらには女性取締役を増やすことだ。 女性が抱える不満は、女性の方が感知しやすい。また男性が無意識的に女性を差別する「無意識バイアス」も、女性の上司の方が認知しやすく、対策を講じやすい。そのため、米国を代表する年金基金の一つ、カリフォルニア州職員退職年金基金(カルパース)も、近年、投資先企業に女性取締役を増やすよう迫っている。 冒頭で紹介した「ジェンダー・ギャップ報告書」で、日本の管理職労働者の男女比率は世界129位。労働人口が急速に減る中でのこの順位は、かなり危機的状況だということを認識すべきだろう』、「日本の管理職労働者の男女比率は世界129位」というのは確かに「危機的状況だ」。
タグ:危機的状況 男女雇用機会均等法 姫野カオルコ 女性学 現代ビジネス 女性活躍 litera (その11)(上野千鶴子さん「社会には、あからさまな性差別が横行している。東大もその一つ」(東大入学式の祝辞全文)、上野千鶴子「東大祝辞」でワイドショーコメントが酷い! 東国原英夫 坂上忍 玉川徹 東大卒元官僚の山口真由も、日本のジェンダーギャップ「世界第110位」のなにがヤバいか 格差が大きいと…) HUFFPOST 「上野千鶴子さん「社会には、あからさまな性差別が横行している。東大もその一つ」(東大入学式の祝辞全文)「あなたたちのがんばりを、どうぞ自分が勝ち抜くためだけに使わないでください」」 医学部を除く他学部では、女子の入りにくさは1以下であること、医学部が1を越えていることには、なんらかの説明が要ることを意味 4年制大学進学率は男子55.6%、女子48.2%と7ポイントもの差 「息子は大学まで、娘は短大まで」でよいと考える親の性差別の結果です 多くの娘たちは、子どもなら誰でも持っている翼を折られてきたのです 男性の価値と成績のよさは一致しているのに、女性の価値と成績のよさとのあいだには、ねじれがあるからです 女子は子どものときから「かわいい」ことを期待されます 女子は、自分が成績がいいことや、東大生であることを隠そうとする 『彼女は頭が悪いから』という小説 東大の男子学生が社会からどんな目で見られているかがわかります 東大には今でも東大女子が実質的に入れず、他大学の女子のみに参加を認める男子サークルがあると聞きました 偏差値競争に男女別はありません。ですが、大学に入る時点ですでに隠れた性差別が始まっています 社会に出れば、もっとあからさまな性差別が横行しています 研究職となると、助教の女性比率は18.2、准教授で11.6、教授職で7.8%と低下 国会議員の女性比率より低い数字 ジェンダー研究 先行研究というものがありません。 ですから何をやってもその分野のパイオニア、第1人者になれたのです 女性学はベンチャーでした がんばってもそれが公正に報われない社会があなたたちを待っています がんばったら報われるとあなたがたが思えることそのものが、あなたがたの努力の成果ではなく、環境のおかげだったこと忘れないようにしてください 世の中には、がんばっても報われないひと、がんばろうにもがんばれないひと、がんばりすぎて心と体をこわしたひと...たちがいます あなたたちのがんばりを、どうぞ自分が勝ち抜くためだけに使わないでください。恵まれた環境と恵まれた能力とを、恵まれないひとびとを貶めるためにではなく、そういうひとびとを助けるために使ってください 女性学を生んだのはフェミニズムという女性運動 フェミニズムは弱者が弱者のままで尊重されることを求める思想 これからあなた方を待っているのは、正解のない問いに満ちた世界です 学内に多様性がなぜ必要かと言えば、新しい価値とはシステムとシステムのあいだ、異文化が摩擦するところに生まれるから 大学で学ぶ価値とは、すでにある知を身につけることではなく、これまで誰も見たことのない知を生み出すための知を身に付けること 知を生み出す知を、メタ知識といいます。そのメタ知識を学生に身につけてもらうことこそが、大学の使命です 「上野千鶴子「東大祝辞」でワイドショーコメントが酷い! 東国原英夫、坂上忍、玉川徹、東大卒元官僚の山口真由も」 東大卒元財務官僚の山口真由は「ラッキーにフォーカスすべき」と唖然発言 上野の格差社会批判に東国原は「がんばらない人がいる」と批判 東国原「主体的な女性がいないのは国民性」「国連の言うとおりしなくていい」 夫馬 賢治 「日本のジェンダーギャップ「世界第110位」のなにがヤバいか 格差が大きいと…」 世界ジェンダー・ギャップ報告書 中国、インド、マレーシア、ネパール、ミャンマーよりもランクが下 子どもは男女平等、大学から男女格差が明確に 「法の下の平等」という倫理 「無意識バイアス」 格差のある企業は投資されない? ESG投資戦略 社員や管理職、さらには取締役会の女性比率にも着目 かつてダイバーシティという言葉が使われ始めた1990年代、ダイバーシティの取り組み度合いで投資先企業のバリュエーション(企業価値評価)をするなんてことはご法度 ダイバーシティを考慮することは、企業分析の「雑音」であり、投資パフォーマンスを損なうとまで言う人もいた 世界で最も早く「労働力不足」が深刻化する 女性を戦力にできない企業は生き残れない 女性管理職・女性取締役を増やすこと 日本の管理職労働者の男女比率は世界129位
nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感