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働き方改革(その20)(同期の上司から受けたいじめと 無言で抗う役職定年社員、新入社員は短期間で劣化する 日本人の「仕事への熱意」は世界最低レベル、「長時間労働がない」ドイツと日本の致命的な差 「仕事は原則8時間以下」が彼らのモットーだ) [経済政策]

働き方改革については、1月5日に取上げた。今日は、(その20)(同期の上司から受けたいじめと 無言で抗う役職定年社員、新入社員は短期間で劣化する 日本人の「仕事への熱意」は世界最低レベル、「長時間労働がない」ドイツと日本の致命的な差 「仕事は原則8時間以下」が彼らのモットーだ)である。

先ずは、健康社会学者(PhD)の河合 薫氏が3月12日付け日経ビジネスオンラインに寄稿した「同期の上司から受けたいじめと、無言で抗う役職定年社員」を紹介しよう』。
https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00118/00013/?P=1
・『「相手にしてもらえないのが、こんなにも辛いことなのかと。自分がいつまで持つのか、自信がなくなってしまいました」役職定年になった会社員は、うつむいたままこう話した。 男性の会社では55歳になると、大まかには次の3つのキャリアプランから選択を強いられるという。 (1)役職を外れ、同じ職場に残る (2)人材派遣会社を1年間利用し、転職を検討する (3)関連会社に転籍する 彼は「会社に貢献したい」との思いから、同じ職場に残ることを選択した。ところが、そこで待っていたのは「集団いじめ」だったのである。 というわけで今回は「役職定年のリアル」を取り上げる。まずは男性の「今」をお聞きください。「青臭いこと言うようですが、私は会社に恩義を感じているんです。いろいろな現場を経験させてもらったし、上司にも恵まれました。なので、自分の経験を生かして後輩のサポーターになれればと考えていたんですが、周りは私を歓迎していませんでした。 ある程度、予想はしていましたが、『自分が前向きにやれば問題ない』と考えていたんです。 ところが、与えられるのは1人で切り盛りする仕事ばかりで、周りとの接触は一切なし。終わらなければ家に持ち帰らなくてはなりません。仕事の内容もあまり意味のあるようなものではなく、データを打ち込むだけの仕事だったり、関連会社との会合をセッティングする仕事だったり。 それで『若手を1人つけてほしい』と上にお願いしました。でも、無視されました。本当に無視です。無言で『あんた何言ってんだ?』というような蔑んだ目で見返されただけでした。 しかも、そういう上司の態度を若手も見てるでしょ。すると同じように無視するようになる。そこに「私」がいるのに、まるでいないように扱われる。今まで一緒にやってきた同僚や部下が、役職がなくなった途端、まるで小学生の“いじめ”のように無視するんです」』、大いにあり得そうな話だが、「『若手を1人つけてほしい』と上にお願いしました」、と要求した本人にも問題がありそうだ。
・『「あれは彼らのせめても抵抗だったんじゃないか」  彼はこう続けた。 「私は役職定年者が、役職から離れられず、偉そうに口を出したり、年下上司をあからさまに批判したりするのを見て、『ああはなりたくない』ってずっと思っていました。でも、今、自分が役職定年になり、あれは彼らのせめても抵抗だったんじゃないかと思うようになった。自分の居場所を確保するために抗っていたんじゃないかって。 シニア社員は、モチベーションが低いってよく言いますよね? でも、それはモチベーションを保てないような扱いを受けるからなんじゃないでしょうか。 私も『腐りたくはない』という思いと、相手にしてもらえないことへの屈辱感が、日々交錯してます。周りとの接点を意図的に断絶させられる苦痛は、想像以上です。自分がいつまで持つのか、自信がない。何よりもショックだったのは……最初に無視した“上”が、同期ってことなんです」 ……ふむ。 ここまで読んで、「この男性の性格に問題があるのでは?」だの、「役職定年する前の態度に問題があったのでは?」だの、「仕事があるだけいいじゃん」だの、男性側にも大きな原因があるのでは……と考えた人もいるかもしれない。 だが、そうやって「個人の問題」としたままでいいのか? というのが今回の私の問いかけである。 確かに、男性からの一方的な意見しか聞いていないので、ひょっとしたら「鶏と卵」のようなもので、男性に何がしかの問題があった可能性はある。 それでもやはり、「みなで無視」とは大人のすることか、と解せない。仮に「無視」が少々大げさな表現だったとしても、彼が「周りに軽んじられている」「モチベーションを保てない」と感じていたことは間違いないし、私が知る限り、同様に感じているシニア社員は決して少なくない。 そもそも会社という組織は「人」の集合体であり、さまざまな「感情」がうごめく場所だ。どんなにやる気があっても、自分に向けられる「感情」次第で、やる気がなえることは往々にしてある。 ただでさえ、役職定年者は「自分も、『働かない、お荷物社員』と思われているんじゃないか」という、ステレオタイプ脅威(Stereotype Threat)のプレッシャーを受けるだけに、他人の“まなざし”に過敏になる。 ステレオタイプ脅威は、「自分と関連した集団や属性が、世間からネガティブなステレオタイプを持たれているときに、個人が直面するプレッシャー」と定義され、その脅威にさらされた人は、不安を感じ、やる気が失せ、パフォーマンスが低下しがちだ。 例えば、「女性は数学が不得意」というステレオタイプが存在した場合、その“世間のまなざし”を意識した女性は、本当に数字が不得意になったり、「老人は物忘れがひどい」というステレオタイプは、本当に老人の記憶力を低下させる。「ウチの部下は使えない」と上司が、あっちこっちで言い続けていると、ホントに部下は使えなくなってしまうのだ』、相談者は既に「役職定年者」のケースを見て知っている筈の割には、自分がそれらと違うのかどうかを認識しているのだろうか、いささか頼りない印象を受ける。「ステレオタイプ脅威、・・・脅威にさらされた人は、不安を感じ、やる気が失せ、パフォーマンスが低下しがちだ」、初耳だが、納得できる話だ。
・『「下」だけではなく、「横」も「上」も“加害者”  人間とは自分を自分だけで定義できない。他人のまなざしに拘束され、自分を規定する。 であるからして、私はこれまで何度も、役職定年の是非について問い、「役職定年=働かないおじさん=無駄な人」と批判する若い社員の考え方に警鐘を鳴らす一方で、「心の定年」を勝手に迎えて会社にしがみつく働かないオジさんの“ケツを叩く”コラムを何本も書いた(「現実、企業は50歳以上を“使う”しかないのだ」「「50代社員は無駄」若手にそう思わせる会社の罪」ほか)。 ただ、今回の紹介したエピソードの“主犯”は、若手でも本人でもない。同期。自分と同年代で「自分の気持ち」を一番わかってくれてもいいはずの同期が、普通だったら「パワハラ」になりかねない行為を平然と繰り返し、それが若手に伝染し、「役職定年の孤立」を生じさせた。 「下」だけではなく、「横」も「上」も“加害者”……。役職定年者にとっては、あまりに過酷な環境と言わざるを得ない。 で、今回、私が彼のインタビューを取り上げた理由は、もう1つある。 最近、役職定年になったいわゆる“シニアスタッフ”と接する機会がとても増えたのだが、彼らに対する経営幹部たちの態度に、何とも言葉にし難いトゲトゲしさを感じていたのである。 例えば、講演会。以前は、お世話をしてくれるのは、課長よりちょっと下くらいの40歳前後の社員が中心だった。ところが最近は、年配のいわゆるシニアスタッフが控え室に案内してくれるパターンが増えた。 控え室に入るとほどなくして、経営幹部の方たちが挨拶に来る。大抵、2、3名。社長さんの時もあれば、部長さんの時もある。でもって、そういうお偉い方たちとお話をする時間は、私にとって会社の空気を察するとても貴重な時間だ。ご本人たちが考える以上に「その人の人間性と、周囲との関係性」が露呈する“人間ウォッチング”の場が、控え室といっても過言ではない。 例えば、お世話役のスタッフが一目置かれる存在だったり、幹部との関係性が近かったりする場合、控え室全体の空気がいい。「輪」ができるというかなんというか。誰1人として、そこにいる「人」が疎外されることのない「包まれた空気」を感じとることができる。 逆に、会社の人間関係が悪いと、幹部が入ってきた途端、空気が凍る。それまで笑顔で接していたお世話係の顔がこわばり、異様な緊張感が漂うようになる』、その通りだろう。
・『「やむにやまれず追い出し部屋を作った」  もちろんこれは私の“肌メーター”による、極めて主観的なものでしかない。 しかしながら、自分で言うのもなんだが、肌メーターの感度はかなり優秀。そのときの空気感はまんま講演会会場の空気であり、講演会後の懇親会にまで続き、そこで聞こえる“声”に「ああ、やっぱりそうなんだぁ〜」と納得することがほとんどなのだ。 で、話を控え室に戻すと……、シニアスタッフがアテンドしてくれた場合、経営幹部が入ってきてもシニアスタッフの態度が変わることはない。しかしながら、肌メーターが「極寒」を感じる会社の場合、幹部の方たちの視界にシニアスタッフが全く入っていない。 そうなのだ。そこに「いる」のに、まるで「いない」かのように振る舞う幹部が確実に存在し、とりわけ、同年代の、「あなただってやがて同じ立場になるかもしれないのよ!」と言いたくなるような人たちの冷淡な態度に、ちょっとばかり驚かれされるのである どこの会社でも、「女性活躍」とセットで「シニア活用」が掲げられているが、会社組織全体の意識改革を促すような取り組みなしにシニア活用問題は解決しないのではないか。「シニア社員のモチベーションをいかにして上げるか」という議論の大前提は、彼らは“やる気がない”というもの。だが、その前提そのものが間違っているとしか思えないのである。 例えば、終身雇用や年功序列が一般的ではない欧米では、基本的に年齢を基準にした処遇は行わない。管理職として生きる人材は、年齢に関係なく、限られたポストをめぐり厳しい競争に耐えねばならず、処遇に満足できなければ転職するかの二者択一を迫られることもある。その代わり、役職定年はない。 以前、グローバル展開を図るある日本企業が、グローバル基準に合わせ役職定年を廃止した。だが、人材の新陳代謝の阻害と人件費の高騰という二重の問題が重くのしかかり、「やむにやまれず追い出し部屋を作った」と、上級幹部社員が明かしてくれたことがあった。 なんとも皮肉な話ではあるが、このエピソードから分かるのは、そもそもの問題は「役職定年」という制度そのものではないってこと。言葉を変えれば、企業が「人」をどう育てるか? どう評価するか? どう処遇するか? という大きな視点での検討が必要なのだ』、正論で、その通りだ。
・『ごく一部を除き、誰もがそうなる  役職定年はそもそも、低成長期における中高年社員の増加を背景に、人件費コントロールの目的で広がった側面が大きい。極論すれば、役職定年となった社員は「やめてもらっても構わない」という考え方だ。当然、役職定年社員の活用という視点はもともと希薄なのだ。 一方、シニア活用がうまくいっている企業の方に話を聞くと、「定年まで働き続ける人を増やす」策を講じているケースが多い。つまり、「やめてもらう」が前提ではなく、「定年まで勤め上げてもらう=会社を去るまで貴重な戦力」を前提にさまざまな制度を導入し、社員教育を行い、役職定年になった社員の役割を明確にし、雇用の安定と福利厚生の整備を徹底しているのだ。「社員の経験は会社の宝物。長年企業を支えてきた土台を引き継ぐことが企業の成長には欠かせない」という経営哲学の下、長い年月をかけてひとつひとつ問題を解決しつつ、「誰もが年齢に縛られずに働き、パフォーマンスを発揮できる仕組み」の試行を積み重ねている。 例えば大和ハウス工業は、2003年にいち早く60歳定年後の「嘱託再雇用制度」を導入。その後、11年にはモチベーションの向上を目的に定年後も部門長処遇が可能になる「理事制度」を採用した。驚くべきなのは、60歳定年後に再雇用を希望する人が以前は50%だったのが、12年には70%にまで増加しているという事実である。13年には「65歳定年制」、15年には、定年以降も働き続けられる「アクティブ・エイジング制度」をスタート。60歳で役職定年になり、65歳で定年を迎えるが、その後も1年更新の嘱託社員として勤務することができる。嘱託社員は原則週休3日となるが、ボーナスも支給され、寮や社宅も利用可能だ。 もちろんある企業での成功事例が、他の企業でもそのまま使えるわけではないかもしれない。「50歳以上って、個人差がすごいあるでしょ」といったシニア雇用に関する難問も、すべてが解決できるわけではないだろう。 しかしながら、人手が足りない、役職定年社員は使えない、と嘆く前に、目の前にいる社員を、「会社に貢献したい」と考えている社員を、フルに生かす仕組みや組織風土を作る手間を惜しまないことが必要なんじゃないだろうか。 「まずは呼び名から!」と、「シニアスタッフじゃなく、シニアプロ」「シニアスタッフじゃなく、エルダースタッフ」「シニアスタッフじゃなく、メンタープロ」などとネーミングに工夫を凝らす例も増えつつあるようだが、ラインから外れた社員が「敗者」とならないような複線的なキャリアプランであったり、意欲が向上するようなちょっとした成果報酬であったり、それ以外にもできることはいろいろとあるはずだ。 「課長になれるのは7人に1人」と言われる時代。早い時期にラインを外れた社員、役職定年を迎えた社員――彼らは少数派ではないし、決して“敗者”ではない。ごく一部を除き、誰もがそうなる。そして、目を凝らせば、そこには貴重な経験やスキルが多く埋まっている。人手の確保がますます難しくなるこれからの時代、彼らがいなければ、会社組織は回らない。 そのことを胸に留めれば、もっと優しい気持ちで、相手を大切に感じられるのでは。きれいごとかもしれないけど、互いに尊重し合う組織風土なくして、未来はないと思う』、原則的にはその通りだが、役職定年者の経験やスキルの活用は、既存の指揮命令系統との関係など現実には難題が山積している。

次に、4月8日付けAERAdot.「新入社員は短期間で劣化する 日本人の「仕事への熱意」は世界最低レベル」を紹介しよう。
https://dot.asahi.com/dot/2019040500080.html?page=1
・『新しい年度がスタートし、新入社員の初々しい姿が街にあふれるこの季節、桜の花色に誘われるように初心を思い出し、新たな目標を立てた人も多いだろう。 だが、その志が続く人は少ないようだ。これまで、日本人は「勤勉」で「仕事熱心」だと世界中から思われてきた。いや、日本人自身もそう思ってきたはずだ。ところが、近年の調査では、そのようなイメージをくつがえすような結果が次々と出ている。 米国の調査会社ギャラップによると、日本人で「仕事に主体的に取り組む人」は全体のわずか6%。世界139カ国中で132位で、仕事への熱意は世界最低レベルだ。やる気のない社員は71%にのぼり、周囲に不平不満をまき散らしている社員も23%いた』、これは初耳で、驚くべき結果だ。
・『元号が「平成」に変わる前年の1988年、日本では栄養ドリンク「リゲイン」が発売されて「24時間、戦えますか」のフレーズが一世風靡した。仕事に全人生をかける会社員は、もはや遠い昔の話だ。 もちろん、モーレツサラリーマンに代表される昭和的価値観だけが人生なわけではない。IT技術が発達した21世紀の社会で、朝から晩まで会社で働き詰めるなど、時代遅れでしかない。得たい情報があれば手軽に入手でき、会いたい人がいればSNSで気軽につながることもできる。同僚や上司と“ノミニケーション”をしながら仕事の極意を教えてもらわなくても、学ぶ機会はあふれている。だが、今の日本人が情報化社会を十分に活用できているかというと、心もとない。 リクルートワークス研究所が全国の15歳以上の約5万人を対象に実施した調査によると、2017年の1年間で仕事に関わる自己学習をした人は、全回答者のうち33.1%しかいなかった。設問でたずねた「自己学習」とは、「本を読む」「詳しい人に話を聞く」といった手軽なものも含まれていたが、3分の2の人が「何もしていない」ことになる。同研究所の萩原牧子主任研究員は、こう話す。 「年齢別では、20代前半の約4割が自己学習をしていますが、年齢を重ねるとともに徐々に下がり、40代で約3割になります。学ばない理由について『転職や独立を予定していない』(17.2%)や『仕事や育児で忙しい』(15.0%)を大きく引き離して、51.2%の人が『あてはまるものはない』と回答しています。日本人の多くは、そもそも聞かれても特段の理由はないくらい、学ばないことを普通だと感じているのかもしれません」 ちなみに、学ぶ習慣について2回の退職経験がある人と比べると、一度も退職経験がない人は確率として4%低く、退職経験が3回以上ある人は4.3%高かった。日本企業の終身雇用と年功序列の雇用形態は、社員の学ぶ意欲を削いでいる可能性もある。 調査結果に異論もあるだろう。真っ先に思い浮かぶのが、「日本人は仕事が忙しすぎて、学ぶ時間が作れない」というものだ。残念ながら、これも事実ではない。同調査では、週労働時間が35時間未満の人が最も勉強しておらず(25.1%)、45~60時間未満の人が最も勉強している(34.6%)。さすがに、週60時間以上の「過労死ライン」を超えると割合が下がるが、それでも30.6%が何らかの学びをしている』、「週労働時間が35時間未満の人が最も勉強しておらず」というのは、ヒマだと問題意識も低いためなのだろうか。
・『希望を持って企業に入社した新入社員にとっては、これらはショックな結果かもしれない。就職や転職は人生の大きな転機だが、同僚や先輩たちのほとんどはスキルアップに興味がない。日々の仕事をただこなしているだけ。それが今の日本人サラリーマンの“平均的な姿”なのだ。 人口減少、少子高齢化、国際社会における地位低下……。日本は今、社会的にも経済的にも安定しているように見えて、近い将来、確実に大きな変化が訪れる。そのなかで、学ぶ習慣がなければ激しく変化する時代に追いつくことは容易ではない。 では、学ばない日本人は、どうすれば学ぶようになるのか。電通若者研究部プランナーで『仕事と人生がうまく回り出す アンテナ力』(三笠書房)の著書がある吉田将英氏は、こう話す。「多くの会社では人口構成がいびつで、上司の人数が多い。商品開発も高齢者向けが多く、若者の感性は尊重されにくい。そんな時代だからこそ、会社にこだわらなくてもいい。SNS時代だからいろんな人とつながることができるし、会社以外の組織で活動することも学びにつながるはずです。それが最終的に、意外な形で会社の仕事に良い影響を与えることもあります」  日本人が学ばなくなったのは個人の責任だけではない。厚生労働省の調査によると、社員一人あたりの教育訓練費は月額1112円(16年)で、1991年の1670円と比べると33%も減少している。企業が提供する学びの機会も減少している今、やはり自ら学習する姿勢が不可欠だ。前出の萩原氏は言う。 「『学び』と聞くと、多くの人が学生時代の試験対策や受験勉強など『負荷がかかるもの』を想像してしまう。しかし、情報化社会が進めば、詰め込み型の暗記学習の価値は低下していきます。一方、変化が激しい社会において、求められている学び行動は、答えがないもの、日常で感じた疑問に向き合う行動です。ふと感じた『なぜ』を解き明かす過程は本来はもっとワクワクする、楽しいもの。私たちは、『学び』の概念を改める必要があります」 前出の吉田氏も、こう話す。「たとえAI(人工知能)による効率化が進んで残業時間が減っても、学ばない人は学ばない。そもそも仕事に対する動機づけをあげるのは会社や上司の仕事ではありません。自分の好奇心を守り、育てること。身近なところに学ぶための“ラッキー”が転がっているので、まずはそれを知ることがスタートラインになるのではないでしょうか」 ギリシャ時代の哲学者アリストテレスは、自著『形而上学』の冒頭で「人は、生まれながらにして知ることを欲している」と書いた。かくいう記者も、日常に忙殺されて学ぶことから遠ざかり気味だ。あらためて新入社員が職場にやってくるこの季節に、学ぶこと、学び続けることの大切さを再認識したい。自戒を込めて』、「同僚や先輩たちのほとんどはスキルアップに興味がない。日々の仕事をただこなしているだけ。それが今の日本人サラリーマンの“平均的な姿”なのだ」というのは危機的だ。人事考課の項目に自己研鑽がある企業もあると思うが、こうした細かなことの積み重ねが重要なのではなかろうか。

第三に、在独ジャーナリストの熊谷 徹氏が5月8日付け東洋経済オンラインに寄稿した「「長時間労働がない」ドイツと日本の致命的な差 「仕事は原則8時間以下」が彼らのモットーだ」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/273436
・『日本よりも労働時間が圧倒的に短いドイツ。にもかかわらず、名目GDP(2017年度)は世界4位にいます。ドイツ人にとって、「長時間労働がありえない理由」を在独ジャーナリストの熊谷徹氏が解説します。 日本とドイツはどちらも物づくりに強い経済大国だ。しかしその働き方には天と地ほどの違いがある。 まず、ドイツ人の労働時間は日本に比べて圧倒的に短い。OECDによると、ドイツの労働者1人あたりの2017年の年間労働時間は、1356時間で、日本(1710時間)よりも約21%短い。彼らが働く時間は、日本人よりも毎年354時間短いことになる。EU平均と比べても、約17%短い。ドイツ人の労働時間は、OECD加盟国の中で最も短い』、確かに年間労働時間の格差は顕著だ。
・『勤労者を守る「厳しい法律」  なぜドイツの労働時間は大幅に短いのだろうか。1つの理由は、法律だ。ドイツ政府は、勤労者の健康を守るために、労働時間についての法律による縛りを日本よりもはるかに厳しくしている。 ドイツの労働時間法によると、1日の労働時間は原則として8時間を超えてはならない。1日あたりの労働時間は10時間まで延長できるが、ほかの日の労働時間を短くすることによって、6カ月間の平均労働時間を、1日あたり8時間以下にしなくてはならない。 1日につき10時間を超える労働は、禁止されている。この上限については例外はありえず、「繁忙期だから」とか、「客からの注文が急に増えたから」という言い訳は通用しない。 経営者は、業務が増えそうだと思ったら、社員1人あたりの1日の労働時間が10時間を超えないように、社員の数を増やさなければならない。 さらに、監督官庁による労働時間の監視が日本よりも厳しい。事業所監督局という役所が時折抜き打ちで、企業の社員の労働時間の記録を検査する。その結果、企業が社員を組織的に毎日10時間を超えて働かせていることが判明した場合、事業所監督局は、企業に対して最高1万5000ユーロ(約195万円)の罰金を科すことができる。社員が労働条件の改善を要求しても経営者が対応しない場合には、社員が事業所監督局に通報することもある。 事業所監督局は、とくに悪質なケースについて、経営者を検察庁に刑事告発することもある。例えば企業経営者が一度長時間労働について摘発された後も、同じ違反を何度も繰り返したり、社員の健康や安全に危険を及ぼすような長時間労働を強制したりした場合である。 裁判所から有罪判決を受けた場合、企業経営者は最長1年間の禁錮刑に処せられる可能性がある。長時間労働を社員に強いるブラック企業の経営者には、罰金ばかりでなく刑務所も待っているのだ。つまり、労働時間の規制を守らない経営者は、「前科者」になるリスクを抱えている。 企業の中には、罰金を科された場合、長時間労働をさせていた部長、課長など管理職にポケットマネーで罰金を払わせることがある。さらに長時間労働を部下に強いていた管理職の社内の勤務評定は非常に悪くなる。このため、ドイツの管理職たちは繁忙期でも社員たちに対し口を酸っぱくして、1日10時間を超えて働かないように命じるのだ』、「ドイツの労働時間法」や「監督官庁による労働時間の監視」は大いに学ぶべきだ。日本は経営側に余りに優し過ぎる。
・『10時間を超える労働には警告  会社によっては、1日の労働時間が10時間近くなると、社員のPC画面に「このまま勤務を続けると労働時間が10時間を超えます。10時間を超える労働は法律違反です。ただちに退社してください」という警告が出るケースもある。 また、管理職のPCの画面に、部下の1日の労働時間が10時間を超えると警告が出るようにしている企業もある。このようにしてドイツの管理職たちは、売上高や収益を増やすだけではなく、部下たちの労働時間の管理にも心を砕かなくてはならないのだ。 日本の働き方改革は残業時間に上限を設けるものだが、ドイツでは1日あたりの労働時間に上限を設けている。これは大きな違いである。 ドイツの企業では、自宅のPCから企業のサーバーにログインして働く「ホーム・オフィス」制度も急速に広がっている。とくに金融サービス業界では、書類の大半が電子化されているので、自宅からの労働が可能になる。会議には電話で参加する。自宅で働いた時間は、会社に自分で申告する。 幼い子どもを抱える社員の間では、ホーム・オフィスは好評である。「毎週金曜日は、ホーム・オフィス」と決めている社員も少なくない。1990年代までドイツでは、社員に対して「午前9時から午後3時までは、オフィスにいる義務」を課す企業が多かったが、最近では「オフィスにいなくても、成果が上がればよい」と考えるのが当たり前になっている。 ドイツ政府と産業界が一体となって進めている製造業のデジタル化プロジェクト「インダストリー4.0」が普及すれば、銀行や保険会社だけではなくメーカーでも自宅からの作業が可能になる』、「10時間を超える労働には警告」にはここまでやるのか、と驚かされた。「ホーム・オフィス」制度も大いに見習うべきだろう。
・『有給休暇は「30日」が基本  もう1つ、日独の働き方の大きな違いは、有給休暇である。1963年、つまり今から半世紀以上前に施行された「連邦休暇法」によって、企業経営者は社員に毎年最低24日間の有給休暇を与えなくてはならない。 だが実際には、ドイツの大半の企業が社員に毎年30日間の有給休暇を与えている(有給休暇の日数が33日の企業もある)。これに加えて、残業時間を1年間に10日間まで代休によって振り替えることを許している企業も多い。つまり、多くの企業では約40日間の有給休暇が与えられていることになる。 さらに土日と祝日も合わせると、ドイツ人のサラリーマンは毎年約150日休んでいることになる。1年のうち41%は働かないのに会社が回っており、ドイツが世界第4位の経済大国としての地位を保っていられるのは、驚きである。 OECDが2016年12月に発表した統計は、各国の法律で定められた最低有給休暇の日数、法定ではないが大半の企業が認めている有給休暇の日数と、祝日の数を比較している。ドイツの大半の企業が認めている有給休暇(30日)と祝日(9~13日間=州によって異なる)を足すと、39~43日間となり世界で最も多い。日本では法律が定める最低有給休暇(10日)と祝日(16日)を足すと、26日間であり、ドイツに大きく水をあけられている。 日本の特徴は、法律が定める有給休暇の最低日数が10日と非常に少ないことだ。これはドイツ(24日)の半分以下である。しかも、ドイツでは大半の企業が、法定最低日数(24日)ではなく、30日という気前のいい日数の有給休暇を与えている。 日本では、継続勤務年数によって有給休暇の日数が増えていく。例えば、半年働くと10日間の有給休暇が与えられ、3年半以上働いた人の有給休暇日数は14日、勤続年数が6年半を超えると、20日間の有給休暇を取れる。 これに対し、ドイツの大半の企業では、6カ月間の試用期間を無事にパスすれば、最初から30日間の有給休暇が与えられる。この面でも、日本のサラリーマンはドイツの勤労者に比べて不利な立場に置かれている。 さらに、日独の大きな違いを浮き彫りにするのが、有給休暇の取得率である。旅行会社エクスペディア・ジャパンが2018年12月に発表した調査結果によると、同年の日本の有給休暇取得率は50%。これは、同社が調査した19カ国の中で最低である』、日本の有給休暇については、「法律が定める有給休暇の最低日数が10日と非常に少ない」だけでなく、「取得率は50%」と「9カ国の中で最低」(私が考えていたより高いとはいえ)というのは、やはり問題だ。
・『「有給取得率100%」が常識  ドイツは、エクスペディアの統計に含まれていない。しかし、私がこの国に29年住んでさまざまな企業を観察した結果から言うと、ドイツ企業では管理職を除く平社員は、30日間の有給休暇を100%消化するのが常識だ。 有給休暇をすべて取らないと、上司から「なぜ全部消化しないのだ」と問いただされる会社もある。管理職は、組合から「なぜあなたの課には、有給休暇を100%消化しない社員がいるのか。あなたの人事管理のやり方が悪いので、休みを取りにくくなっているのではないか」と追及されるかもしれない。したがって、管理職は上司や組合から白い目で見られたくないので、部下に対して、有給休暇を100%取ることを事実上義務付けている。 つまり、ドイツの平社員は、30日間の有給休暇を完全に消化しなくてはならない。日本人のわれわれの目から見ると、「休暇を取らなくてはならない」というのは、なんと幸せなことだろうか。しかも毎年30日、つまり6週間である。 さらに、エクスペディアの調査によると日本では、「有給休暇を取る際に罪悪感を感じる」と答えた人の比率が58%と非常に高かった。フランスでは、この比率はわずか25%だ』、日本では有給休暇を病気に備えてとっておく傾向が強いが、ドイツやフランスでは病欠でも不利にならない制度的手当てがあるのかも知れない。いずれにしても、日本のサラリーマンは、低いと言われている生産性を上げて、有給休暇をもっと取れるようにメリハリのある働き方が求められているのだろう。
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