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新国立競技場問題(その11)(新国立競技場の整備費が790億円不足 民間から借金の仰天、神宮外苑が「高層ビルの森」に 再開発計画の全貌判明で浮かぶ疑問) [社会]

新国立競技場問題については、2016年4月2日に取上げた。問題はなくなったと思っていたら、新たな問題が出てきたので、今日は(その11)(新国立競技場の整備費が790億円不足 民間から借金の仰天、神宮外苑が「高層ビルの森」に 再開発計画の全貌判明で浮かぶ疑問)である。

先ずは、昨年10月5日付け日刊ゲンダイ「新国立競技場の整備費が790億円不足 民間から借金の仰天」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/238894
・『東京五輪・パラリンピックのメインスタジアムとなる新国立競技場の整備費用が約790億円も不足することが、会計検査院の調べでわかった。5日のNHKが報じた。 新国立競技場の整備費は約1600億円で、財源は「国」「都」、整備の事業主体である「日本スポーツ振興センター(JSC)」のスポーツ振興くじの売上金で、割合は2対1対1とされている。 これについて会計検査院が調査したところ、JSCは昨年度、新国立競技場の整備費や国立代々木競技場の耐震改修工事などに支払う資金がショートし、すでに約50億円を民間金融機関から一時的に借り入れていた。 さらにJSCは今後2年間で約790億円の資金不足を見込んでおり、民間金融機関からの借金で賄う方針だというから驚きだ。返済は長期にわたる見込みだ。 新国立競技場はオリパラ終了後、民営事業化される計画だが、それまではJSCが維持管理費を負担することが想定されている。民営化が遅れれば不足する資金はさらに膨れ上がる恐れがある』、「今後2年間で約790億円の資金不足」ということは、「すでに約50億円を民間金融機関から一時的に借り入れていた」のと合わせ、工費が840億円も膨らんだということなのだろうか。当初の「整備費は約1600億円」が1.5倍に膨らんだというのは、どう考えても異常である。きちんとした説明が必要だろう。「オリパラ終了後、民営事業化される計画」とはいうものの、落札価格が整備費用を下回れば、税金による公的負担がそれだけ膨らむことになる。やれやれ・・・。

次に、6月5日付けダイヤモンド・オンライン「神宮外苑が「高層ビルの森」に、再開発計画の全貌判明で浮かぶ疑問」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/204521
・『2012年に新国立競技場の建設構想が打ち上げられてから、ずっとくすぶっていた神宮外苑地区市街地の再開発事業。その全貌がとうとう明らかになった。地権者の1社である三井不動産が東京都に提出した環境影響評価(環境アセスメント)の調査計画書で詳細が分かった。 神宮外苑の再開発計画は、老朽化した神宮球場と秩父宮ラグビー場を入れ替えて建設する巨大再開発事業で、西側はスタジアム通り、東側は絵画館正面の軟式野球場を取り囲む楕円の道路東側、イチョウ並木の東側までが範囲だ。対象地域の地権者は明治神宮、伊藤忠商事、日本スポーツ振興センター、高度技術社会推進協会、日本オラクル。彼らに代わり、同じく地権者の1社である三井不動産が計画をとりまとめた』、「神宮外苑の再開発計画」が「環境アセスメント」で漸く明らかになったとは、遅すぎる感がある。
・『神宮外苑の杜は“高層ビルの森”に  今回の開発のポイントはいくつかある。まずは「秩父宮ラグビー場」と「神宮球場」の位置の入れ替えだ。観光スポットで有名な銀杏並木、その西側の歩道に隣接するかたちで野球場棟、それに併設されるかたちで商業施設とホテルが建設される。高さは約60メートルになる。そして、銀杏並木の東側の樹が生い茂るエリアに2階建て、高さ15メートルの商業施設が数棟建つ。 また、「伊藤忠商事東京本社ビル」(1980年竣工、高さ約90メートル)は、2倍以上の高さとなる約190メートルの超高層に生まれ変わる。ラグビー場棟、野球場棟の周辺には、複合棟として高さ約185メートルと約70メートルの2棟、および並木の北西の端に高さ約30メートルのホテルが建設される。 まさに神宮外苑の杜は、“高層ビルの森”へと変貌を遂げるわけだ』、「銀杏並木」は残るといっても、「“高層ビルの森”」にポツンと残されることになり、景観は台無しになりそうだ。
・『市民団体は危惧を表明  これらの再開発以前に、すでに周辺には「日本青年館ホテル」(高さ約70メートル、17年8月開業)、「ジャパン・スポーツ・オリンピック・スクエア」(高さ約60メートル、今年4月竣工)、「三井ガーデンホテル神宮外苑の杜プレミア」(高さ約50メートル、362室、今年11月開業予定)が建設されている。 こうした大規模な再開発に対し、市民団体「国立競技場と神宮外苑を未来に手わたす会」が危惧を表明している。その内容を簡単にまとめると、以下の4点になる。 (1)神宮外苑は明治天皇の功績を残す公園をつくる目的で造営されたが、戦後まで国有地であったため、1952年に明治神宮に市価の半額で払い下げられた。現在も都市公園と風致地区に指定され、今や都心における大規模で貴重な緑とオープンスペースになっており、特に銀杏並木は東京を代表する並木道として多くの人に親しまれている。再開発のために特別に規制緩和されることが予想されるが、緩和はそのまま地価を大きくアップし、事業者に大きな収益をもたらす可能性がある。どんな理由で緩和が認められ、公的な空間が激変するのか。ほとんどの国民は知らされていない。 (2)銀杏並木と絵画館の限られた樹木だけは守られるが、その両側の歩道を境に環境が激変する。東側は商業施設の建設によって、ヒートアイランドの抑制に寄与している大切な樹林が大幅になくなる。さらに西側には野球場の建物がぎりぎりまで建設される。現在の並木の景観は並木だけで成立するものではない。周辺にあまり高い建物がなく、緑が多いから成立する景観だ。広く根を張った銀杏も建物の影響を受ける可能性がある。現在の再開発計画では並木としての価値が永遠に損なわれるのではないか』、「都市公園と風致地区に指定」を解除するのであれば、明確な理由づけが必要だ。地権者の「明治神宮」に「市価の半額で払い下げられた」のであれば、なおさら公共の監視が必要な筈だ。
・『三井不は「できれば年内に説明機会を設けたい」  (3)大きな開発では環境アセスメントが義務付けられているが、三井不動産などの事業者はその調査計画書のウェブ上での公開を認めていない。そのため国民が十分な情報を得ることを妨げられている。 (4)今回の計画では、絵画館と銀杏並木の西側一帯は都市公園から削除される可能性がある。歴史ある都市公園を地権者の一存で削除していいのか。 加えて筆者としては、(5)ホテル棟、商業施設、複合棟A・Bは三井不動産の所有なのか。それとも別の事業者を想定しているのか。(6)ホテルはすでに周辺にいくつか建設されており、客層の競合はないのか。(7)高度技術社会推進協会の建物部分が計画地から外れたのはなぜか。(8)環境アセスメントの調査計画書をウェブ上で公開するのを許諾しなかったのは三井不動産の判断なのか、他の事業者の反対があったからなのか、といった疑問が浮かんだ。 これらの疑問点について、計画をとりまとめた三井不動産は本編集部の取材に対し、「各地権者などと行政協議中の部分もあり、現時点でのタイミングではお答えできない。しかしながら、包み隠すようなことでもない。できれば年内、それ以降になるかもしれないが、いずれ説明する機会を設けたい」(同社広報担当者)と回答している。 都市計画の策定から今回の施設建設の経緯について、さまざまな疑問を払しょくできるような説明が求められている』、「三井不動産などの事業者はその調査計画書のウェブ上での公開を認めていない」というのも隠蔽体質の最たるものだ。今後の説明では、三井不動産だけでなく、規制を緩和する当局からも説明が欲しいところだ。「環境アセスメント」であれば、もっと早期に説明すべきだ。工事が始まってからの事後承認では意味をなさないが、国立競技場の設計問題で世論がヒートアップしたので、冷めるのを待っていたとしか思えない。やり方が姑息過ぎる。
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