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外国人労働者問題(その13)(日本語学校 空前の「開設ラッシュ」に潜む不安 外国人の特定技能35万人時代に対応できるか、1年で方針転換 廃炉作業に特定技能外国人を送る政権の狂気、「受け入れありき」の移民政策が着々と進んでいる大問題な実態、法令違反が7割超 ブラック企業を次々に生み出す技能実習制度の構造 止まらない人権侵害の現状と背景) [社会]

外国人労働者問題については、3月30日に取上げた。今日は、(その13)(日本語学校 空前の「開設ラッシュ」に潜む不安 外国人の特定技能35万人時代に対応できるか、1年で方針転換 廃炉作業に特定技能外国人を送る政権の狂気、「受け入れありき」の移民政策が着々と進んでいる大問題な実態、法令違反が7割超 ブラック企業を次々に生み出す技能実習制度の構造 止まらない人権侵害の現状と背景)である。

先ずは、4月7日付け東洋経済オンライン「日本語学校、空前の「開設ラッシュ」に潜む不安 外国人の特定技能35万人時代に対応できるか」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/275122
・『「今年2月に41校もの日本語学校の新設が認められた。これは半端な増え方じゃない」――。 1980年代に日本語学校の経営を始めた古参経営者は、「ひょっとして日本語学校は儲かると思って錯覚している人も多いのだろうか」と嘆息する』、リンク先の学校数のグラフでは急増ぶりが顕著だ。
・『2019年はすでに41校が開設  日本語学校は外国人留学生が来日したときの最初の受け皿になる、いわば外国人にとって「日本の顔」というべき存在だ。日本の大学に進学するにしても、日本の企業に就職するにしても、まずは日本語学校に入って一定程度の日本語を身につける必要がある。ここ数年、その日本語学校の開設ブームが起きている。今年2月19日現在で法務省が認めた、いわゆる「法務省告示の日本語教育機関」の数は749に達した。 毎年の新規開設と抹消の推移をみると、ここ数年の新規開設数の多さが際立っている。2015年は41校、2016年は50校と増え、2017年は77校に。2018年もほぼ横ばいの72校で、2019年は2月19日現在で41校の開設がすでに認められている(1990年は制度初年度のため、新規告示校は409校と多い)。 全国の日本語学校176校でつくる全国日本語学校連合会の荒木幹光理事長は「日本語学校は800校近くまで増えたが、金儲けを目的とする、不真面目な一部の学校経営者とわれわれを一緒にしてもらっては困る。大半の日本語学校は現地に行って面接と試験をし、目で見てしっかり留学生を選んでいる」と訴える。荒木理事長によると、学校の開設母体は、企業が技能実習の外国人従業員のために設立したり、大手学習塾の参入もあったりするようだ。 今年に入り、多数の留学生が行方不明になっている東京福祉大学や定員の3倍の留学生を受け入れていたことがわかった茨城県の専門学校の例など、外国人留学生絡みの不祥事が次々と明らかになっている。 荒木理事長は「われわれは年に1回、法務省と警視庁の研修をしっかり受けている。日本語能力試験で何級に何人受かっているのかのほかに出席率を見たり、どんなアルバイトをしているかなど、留学生に問題が起きないように気を配っている」と強調する。 日本語学校は日本語が不自由な外国人を受け入れる。一般的な学校とは異なり、外国人の来日時の出迎えに始まり、市町村役場における住民票や国民健康保険の加入手続き、寮や宿舎での居住マナーや電車の乗り方などの生活面まで学校の仕事は及ぶ。しかも、それを24時間体制でサポートしなければいけないという、特有の気苦労がある』、「外国人留学生絡みの不祥事」については、前回のブログでも紹介した。
・『政府の「さじ加減」に揺れる日本語学校  日本語学校の歴史は、時の政府の出入国管理政策や地震などの外部要因に振り回される歴史だった。 1986年に学校を開設し、東京、大阪、京都で5拠点を展開するアークアカデミーの鈴木紳郎社長は「私が学校を始めたきっかけは、当時の中曽根政権が『留学生10万人計画』をぶち上げたときだった」と振り返る。 中曽根康弘内閣(当時)は1983年に「留学生受け入れ10万人計画」を公表した。日本が受け入れている留学生数が他の先進国と比べて際立って少ないことなどを背景に、当時のフランス並みの10万人の留学生を、21世紀初頭までに実現する目標を掲げた。実際、当時日本にいた留学生は1万人ほどに過ぎなかった。サラリーマンをしていた鈴木氏は「これは面白そう」と考え、日本語学校を始めた。 しかし、その後は浮き沈みの連続だった。1988年には、日本への留学を求める若者が急増し、ビザ申請に対応しきれなくなった中国・上海の日本領事館を取り囲む、いわゆる「上海事件」が勃発した。 韓国のビジネスマン相手の日本語研修がうまく軌道に乗ったかと思えば、アジア通貨危機(1997年)に遭遇したり、石原慎太郎都知事(当時、2003年)の「外国人犯罪キャンペーン」や東日本大震災(2011年)に直面したり。「(日本語学校を取り巻く外部環境は)ひどい波の連続。日本語学校の氷河期には、やめていった学校がいくつもある」(鈴木氏)という。 ある意味、入管当局の“さじ加減”1つで、日本語学校を生かすことも殺すこともできると言える』、リンク先の新規開校・抹消数のグラフでは90年代は抹消が多かったようだ。
・『増えぬ日本語教師、待遇で見劣り  そして今、過去に何度も経験した「日本語学校ブーム」が到来している。たしかに日本語学校の数は右肩上がりで増え続けており、日本語学習者の数も拡大している。 しかし、仮に拡大しようとしても、日本語学校には「成長の制約」がある。最大の問題は、日本語教育を担う日本語教師の不足だ。日本語学習者の数が増える一方なのに対し、日本語教師はあまり増えていない。文化庁によると、国内における日本語学習者数は2017年度に23万人を突破した。2011年度の13万人弱から2倍近く伸びたのに対し、日本語教師の数(ボランティアを含む)は約3万~4万人とほぼ横ばいで推移している。 理由の1つは、日本語教師の待遇がよくないことだ。文化庁によると、日本語教師の約6割がボランティア。非常勤教師が3割で、常勤教師は1割強に過ぎない。年配の教師が多く、50~60代で4割を占める。前出の鈴木氏は「日本語教師の給料は安い。老舗のある学校などは、ボランティア同様に安く使うところからスタートした。教師のなり手が少ないのは給料が安いからだろうが、今はものすごい人手不足だ」と認める・・・外国人がこれからますます増えていくことを想定し、国も動き出している。 今年2月、文化庁の文化審議会日本語教育小委員会は「在留外国人の増加に伴い、日本語学習ニーズの拡大が見込まれることから、日本語教師の量的拡大と質の確保が重要な課題」などとする「基本的な考え方」をまとめた。具体的には、質の高い日本語教師を安定的に確保するために、日本語教師の日本語教育能力を判定し、教師のスキルを証明する「資格」を新たに整備する、と提言した。 ただ、日本語教育につぎ込まれる国の予算額はわずか200億円程度と乏しく、年間約4兆円がつぎ込まれる学校予算(文教関係費)との差は大きい。日本語教育機関の業界団体は昨年11月、超党派の日本語教育推進議員連盟(会長・河村建夫衆院議員)に対し、「日本語教育推進基本法(仮称)の早期成立を」と陳情するなど、日本語教育機関の所管官庁を明確にすることを求めている。官庁の指導権限の強化と国の財政的支援はトレードオフの関係にあるが、日本語学校のレベルアップのためにはこうしたことも必要になるだろう』、「日本語教師の約6割がボランティア」、ボランティアの比率が高いのには驚くが、誰が応募しているのだろう。「日本語教師の給料は安い」のは、需給に応じて高くなっていくのだろう。ただ、外国人向け日本語教育にまで「国の財政的支援」をする必要はないと思う。仮にやるのであれば、外国人労働者を受け入れる企業から目的税を徴求して、その範囲で支援すべきだろう。
・『将来も日本に留学してくれるとは限らない  政府は今年4月に出入国管理法を改正し、特定技能制度を新たに創設した。今後5年間で介護や建設、農業など14分野で約35万人の外国人を受け入れる予定だ。そして、これほど多くの外国人をきちんと受け入れる大前提となるのが、生活や仕事に必要な日本語能力だ。 だが、「特定技能の登録支援機関が、日本語教育についてどういう役割を果たすのか。採算ベースに乗るかどうかを見ながら判断したいが、今はまだ不透明」(ヒューマンアカデミーの田中氏)と当面は様子見の姿勢だ。 3月18日、都内のホールで大手日本語学校、赤門会の卒業式が開かれた。この日卒業するのは中国、韓国やロシア、アフリカのマリなど、35カ国からやってきた約700人。答辞に立ったロシア出身のベリンスキー・ドミトリさんは「入学して2年。お店や役所で会話を理解してもらえないのは日常茶飯事だった」などと日本での生活の苦労を振り返ると、ひときわ大きな歓声が響き渡った。 ドミトリさんは日本の大学に進学する。彼のように、日本語学校卒業生の7~8割は大学や大学院、専門学校への進学を希望している。50カ国から1900人が常時在校している赤門会の新井永鎮常務は「ベトナムやネパールなどはここ数年、日本人気だが、ベトナムでも私費で日本で留学する人が少しずつ減ってきている。ベトナムの国力、経済力が上がっているから。アジアのどの国でも、第一富裕層と言われる子どもたちの留学先ナンバーワンはどうしてもアメリカやイギリスになる。2020年の東京五輪後に日本人気もおそらく一巡することなど、複合的要因を考えると、今までのように留学生が右肩上がりで増えることはおそらくない」とみる。 現状の日本語人気に甘えずに、わざわざ日本に来て日本語を学び、日本の学校や企業、地域に入っていく若き外国人たちにどう向き合うか。人類史上例のない、本格的な人口減少に向かう日本社会に突き付けられた大きな課題である』、「日本語学校卒業生の7~8割は大学や大学院、専門学校への進学を希望している」「赤門会」は例外的なまともな日本語学校なのだろう。

次に、4月20日付け日刊ゲンダイ「1年で方針転換 廃炉作業に特定技能外国人を送る政権の狂気」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/252281
・『このために“移民法”成立を急いでいたとしか思えない。 4月から始まった新たな在留資格「特定技能」で、外国人労働者が東電福島第1原発の廃炉作業に就くことが可能になった、と報じられた。東電はすでに、廃炉作業に当たる元請けのゼネコン関係者らに外国人労働者の受け入れについて説明したらしいが、被曝の危険性が高い廃炉作業の現場に外国人を送り込むなんて正気の沙汰じゃない。 そもそも法務省は技能実習制度における外国人の除染作業でさえ禁止していたはずだ。昨年3月、技能実習生のベトナム人男性が福島原発の除染作業に携わっていたことが発覚。同省は、除染作業は一般的に海外で行われる業務ではないことや、被曝対策が必要な環境は、技能習得のための実習に専念できる環境とは言い難い――として〈技能実習の趣旨にはそぐわない〉としていた。それが改正法とはいえ、1年後には方針が百八十度変わるなんてメチャクチャだろう。 福島原発の現場では元請け、下請け、孫請けの業者が複雑に絡み合い、日本人作業員でさえもマトモに被曝管理されているとは思えない。しかも廃炉作業は少しのミスも許されない過酷な現場だ。予期せぬトラブルが発生したり、大量被曝の危険が生じたりした時、言葉の理解が不十分な外国人にどうやって伝えるのか。要するに、廃炉作業に携わる日本人労働者の線量が限度になりつつあり、人手不足を解消するための手段として「特定技能」が利用されるのだ。重大事故が起きて、大勢の外国人労働者が被曝なんて最悪の事態になれば、日本は世界中から非難されるのは間違いない。 元原子力プラント設計技術者で工学博士の後藤政志氏がこう言う。「外国人労働者を受け入れるための環境を十分、整えているのであればともかく、数合わせのために廃炉作業に従事させるのは非常識極まりない。そもそも低線量被曝が長期間に及んだ場合の健康被害はよく分かっていないのです。国際的な批判も高まると思います」 新たな徴用工問題になるのは間違いない』、その後、5月22日付け日経新聞は「厚労省、東電に「慎重な検討」要請 外国人材の廃炉作業巡り」と伝えた。「慎重な検討」ではなく、禁止すべきだろう。

第三に、室伏政策研究室代表・政策コンサルタントの室伏謙一氏が6月25日付け東洋経済オンラインに寄稿した「「受け入れありき」の移民政策が着々と進んでいる大問題な実態」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/206616
・『4月1日の出入国管理及び難民認定法及び法務省設置法の一部を改正する法律(以下、「移民法」という)が施行されて以降、状況はどうなっているのか。現状と問題点について、指摘したい。 「移民」受け入れが着々と進んでいる  4月1日の出入国管理及び難民認定法及び法務省設置法の一部を改正する法律(以下、「移民法」という)が施行されて以降、「国民の目」が届かないわけではないが届きにくいところで、外国人材すなわち移民の受け入れが着々と進められている。 例えば、特定産業分野のうち外食業において、「外国人材」として日本で働くための事実上の資格試験である特定技能1号技能測定試験が、4月25、26日に早々と実施され、5月21日に合格発表が行われた。合格者は347人でその内訳は、ベトナム人203人、中国人37人、ネパール人30人、韓国人15人、ミャンマー人14人、台湾人10人、スリランカ人9人、フィリピン人8人等だ。 ベトナム人が突出して多いのは、技能実習生としての受け入れ人数が最も多いのがベトナム人であることも背景としてあるのだろう。平成30年6月末の実績で、在留資格「技能実習」で日本に在留しているベトナム人の数は13万4139人であり、年々増加する傾向にある。 ちなみに2番目は中国人で、同じく平成30年6月末の実績で7万4909人だ。 なお、これらの数値はあくまでも在留資格「技能実習」に限ったもので、在留している総数では、ベトナム人29万1494人、中国人が74万1656人。多く在留しているイメージのあるブラジル人については、これらの国よりも少なく19万6781人である』、4月1日の法施行、4月25、26日に「特定技能1号技能測定試験」が実施とは、「お役所仕事」ではあり得ないような早手回しぶりだ。
・『非常に高い合格率のカラクリ  この試験の合格率は75.4%であり、非常に高いといえる。 これは同試験の受験資格の1つとして、『中長期在留者(出入国管理及び難民認定法第19条の3に規定する者をいい、「3月」以下の在留期間が決定された者、「短期滞在」、「外交」、「公用」のいずれかの在留資格が決定された者、特別永住者及び在留資格を有しない者等を除く)であること又は過去に本邦に中長期在留者として在留した経験を有する者であること』と規定されている点が背景の1つとして考えられる。 つまり、簡単にいえば、既に日本に適法に在留しているか、過去に適法に在留していた経験があるかのいずれかが受験の条件ということ。言ってみればゼロからの受験ではなく、「下駄(げた)」を履いて試験に臨んでいるようなものだ。 毎日新聞の報道によると、「農林水産省によると、試験は外食業界で2年ほど働いた人の半数が合格する想定で、合格者は飲食店などでアルバイトをする留学生が多いとみられる」とのことだ。 ただしそうなると、本邦に在留している外国人であって外食業で働いてきた者を使い続けるために、ほぼ「結論ありき」で実施されたと見えなくもない。 この特定技能1号技能測定試験の試験水準は、『「特定技能」に係る試験の方針について(平成31年2月 法務省入国管理局)』では、「特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する基本方針について(平成30年12月25日閣議決定)」において、「1号特定技能外国人に対しては、相当程度の知識又は経験を必要とする技能が求められる。これは、相当期間の実務経験等を要する技能であって、特段の育成・訓練を受けることなく直ちに一定程度の業務を遂行できる水準のものをいう」とされていることを踏まえ、「初級技能者のための試験である3級相当の技能検定等の合格水準と同等の水準を設定する」とされている。 「3級相当の技能検定」とは、技能実習生向けの技能検定区分の1つであり、その試験の程度は「初級の技能労働者が通常有すべき技能及びこれに関する知識の程度」とされている。曖昧この上ない。 さらに、試験の方針では『「実務経験A年程度の者が受験した場合の合格率がB割程度」など合格者の水準を可能な限り明確化する』とまで記載されている。 これでは試験の結果いかんよりも、設定した合格率の範囲で得点上位から合格させることになる。疑り深い見方をすれば、全体的に得点が低い場合であっても合格できることになってしまう。75.4%という非常に高い合格率の背後には、「下駄」に加えてこうしたカラクリがあったというだろう』、「設定した合格率の範囲で得点上位から合格させることになる」、というのは驚くほど甘い仕組みだ。
・『「移民法」の成立に合わせて設立された団体?  さて、今回の試験、これを実施したのは移民法を所管する法務省でもなければ外食業界を所管する農林水産省でもない。「一般社団法人外国人食品産業技能評価機構」なる、聞き慣れない団体が実施主体である。 聞き慣れないのは、それもそのはず。この団体が設立されたのは本年1月21日。会員は外食、中食、食品製造等の関連団体だ。 移民法の成立に合わせて設立されたであろうことは明らかである。 一方、試験を作成したのはこの団体ではなく、一般社団法人日本フードサービス協会だ。同団体は外食産業の業界団体であり、誰でも知っているような外食店舗を展開する企業が会員として名を連ねている。 これらの団体は、移民法成立直後に行われた「平成30年度農業支援外国人適正受入サポート事業(外食業分野における外国人材の適正な受入れ体制の構築)」の公募で、試験の実施準備団体、試験の作成団体としてそれぞれ選定されている。 公募期間は平成30年12月25日から翌31年1月21日まで。勘のいい読者であればもうお気づきだと思うが、試験実施団体の設立日と平成30年度公募事業の締切の日が同じである。普通に考えれば、団体が設立された日に締切になる公募事業に応募することなど、不可能とは言わないまでも困難であり、極めて不自然だ。 そして、平成31年度(令和元年度)の公募は、30年度の締め切りからわずか2週間程度しかたっていない2月6日から行われ、同月26日に締め切られ、それぞれ試験実施団体および試験作成団体として選定されている。 もちろん、事業の継続性や安定性の観点から、前年度に実施した事業者が引き続き選定されるということはありうるし、そのために形式的に公募を行うこともありうる。 しかし、前年度の公募開始からの一連の流れを考えれば、とにかく早く外食業への移民の受け入れを実現したい、できるだけ早く「外国人材」という名札をつけた移民を受け入れて、働いているという実績を作りたい、その結論に導くための形式的なもの、別の言い方をすれば、「結論ありき」の出来レースであると見られても仕方あるまい』、最後の部分はその通りだろう。
・『何のための制度や手続なのか  そもそも、今回の特定技能1号技能測定試験の実施に当たっては、受験者に学習して「いただく」ために、ご丁寧に日本語およびベトナム語の両言語でテキストまで用意されている。 これらのテキストは試験作成団体である日本フードサービス協会のサイトからダウンロードでき、当然のことながら無料である。 テキストには(1)接客全般、(2)飲食物調理、(3)衛生管理の3種類があるという手厚さ。これでは試験というより、より多くの移民受験者に合格してもらうための、カタチだけの「試験モドキ」、「一応やりました」という単なるアリバイ作りであると揶揄(やゆ)されても仕方あるまい。 外国語の教材がベトナム語のみ用意されていることからも、ベトナム人アルバイトや技能実習生が引き続き就労できるようにするためであることは明らかだ。 これでは何のための制度や手続きなのか分からない。 むろん、この試験に合格しただけでは特定技能一号外国人として外食産業で就業することはできず、日本語能力試験にも合格する必要がある。 しかし、その日本語能力試験についても、先の基本方針においては、「ある程度日常会話ができ、生活に支障がない程度の能力を有することを基本としつつ、特定産業分野ごとに業務上必要な日本語能力水準が求められる」とされている』、「カタチだけの「試験モドキ」、「一応やりました」という単なるアリバイ作りであると揶揄(やゆ)されても仕方あるまい」、というのは言い得て妙だ。
・『「観光客に毛が生えた程度」のレべルと評せざるをえない  試験の方針では「基本」の水準については、(1)ごく基本的な個人的情報や家族情報、買い物、近所、仕事など、直接的関係がある領域に関する、よく使われる文や表現が理解できる、(2)簡単で日常的な範囲なら、身近で日常の事柄についての情報交換に応ずることができる、および(3)自分の背景や身の回りの状況や、直接的な必要性のある領域の事柄を簡単な言葉で説明できる、等の尺度をもって測定することが考えられるとしている。 端的に言って、これでは「観光客に毛が生えた程度」のレべルと評せざるをえないだろう。 日本語能力試験は、国内にあっては日本国際教育支援協会が実施する日本語能力試験(N4以上)であり、国外にあっては独立行政法人国際交流基金が実施する日本語基礎テストである。 その認定の基準も、前者については、「読む:基本的な語彙や漢字を使って書かれた日常生活の中でも身近な話題の文章を、読んで理解することができる」、「聞く:日常的な場面で、ややゆっくりと話される会話であれば、内容がほぼ理解できる」であり、後者については「ごく基本的な個人的情報や家族情報、買い物、近所、仕事など、直接的関係がある領域に関する、よく使われる文や表現が理解できる。簡単で日常的な範囲なら、身近で日常の事柄についての情報交換に応ずることができる。自分の背景や身の回りの状況や、直接的な必要性のある領域の事柄を簡単な言葉で説明できる」である。 いずれも日本において、「特段の育成・訓練を受けることなく直ちに一定程度の業務を遂行できる」という日本語の能力には程遠いと言わざるをえないだろう。 既に特定技能1号技能測定試験は第2回試験も決まっており、6月24日から28日にかけて東京、大阪他主要都市で実施される。おそらく、それ以降も引き続き実施されることになるだろうし、その結果、拙速と言いたくなる速さで移民が流入してくるだろう』、先日、羽田国際空港に行ったところ、東南アジア系の外国人技能実習生の候補たちが大勢集まっていた。「拙速と言いたくなる速さで移民が流入してくる」のは確かなようだ。
・『百害あって一利なしの「愚策」 直ちに見直すべき  その先に待っているのは、何か。 まず容易に想定されるのは「当たり前」の違いや円滑な意思疎通が困難であることによる現場の混乱等であり、そうしたことにより、希望に胸を膨らませて就業した移民たちは、多くの壁にぶつかることになるだろう。 それに加えて商習慣、生活習慣、文化、宗教等のさまざまな壁があり、これらは一朝一夕で越えられるものではない(そもそもそれを越えようという意思や考えはないかもしれないが…)。 残念ながら、こうしたことはほとんど話題になっていないし、問題視し、国会で質疑している国会議員を、少なくともこの通常国会においては見たことがない(おられるのであれば、ぜひ積極的な情報発信をお願いしたい)。 加えて、移民たちは日本側や日本企業側の都合で、不要になったら帰ってくれるわけではない。彼らは生活の根拠を母国から日本に移しているのであり、彼らは生活をかけ、「人生をかけて」日本に来ているのである。 気がついたときには「既に手遅れ」となる前に、日本社会にとっても日本人にとっても、そして移民たちにとっても百害あって一利なしの「愚策」は直ちに見直すべきであろう』、説得力溢れた主張で大賛成である。将来「徴用工」に発展しかねない問題であり、早目に芽を摘み取っておくべきだろう。

第四に、ライター・編集者「ニッポン複雑紀行」編集長の望月 優大氏が6月28日付け現代ビジネスに寄稿した「法令違反が7割超、ブラック企業を次々に生み出す技能実習制度の構造 止まらない人権侵害の現状と背景」を紹介しよう。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/65550
・『政府は今年4月に「特定技能」という在留資格を新設し、外国人労働者の受け入れを一層加速している。しかし、そのことに気を取られて忘れてならないのは、様々な問題を抱えた「技能実習」という制度がそのまま残っているという現実だ。 4月以降も、例えば岐阜の婦人服製造業者の社長が実習生を時給405円で働かせていた疑いで逮捕(労基法違反)されるなど、一部の実習生を取り巻く労働環境の劣悪さや人権侵害の状況は変わっていない。 つい先日放送されたNHK「ノーナレ 画面の向こうから」でも、実習先から逃げ出さざるを得なかったベトナム人の若い女性たちの苦境が取り上げられ、今も大きな話題となっている。 なぜ技能実習生の人権侵害は一向に止まらないのか? 実は実習先企業のなんと7割以上で労働基準関係法令違反が認められているという実態がある(厚労省調査)。もはや一つひとつのブラック企業の問題として捉えるだけでは不十分だ。人権侵害が止まらないより根本的な理由、つまり制度や政策のあり方そのものを理解する必要がある。 そこで、この記事では、新刊『ふたつの日本――「移民国家」の建前と現実』(講談社現代新書)の第4章「技能実習生はなぜ「失踪」するのか」から、技能実習制度の現状と構造的な問題を整理したパートを特別公開する。読めば、技能実習生が晒されているリスクとその背景にある構図を理解してもらえるはずだ』、「実習先企業のなんと7割以上で労働基準関係法令違反が認められているという実態」を踏まえれば、「制度や政策のあり方そのもの」に問題があることは明確だ。
・『技能実習生の増加と多様化  技能実習制度については、劣悪な労働環境や様々な人権侵害に関してこれまでも数多くの指摘がなされてきた。近年では、実習生の数が一気に増加する中で、実習先から「失踪」する実習生も増えている。 技能実習とはどんな制度なのか。なぜ日本はこの問題だらけの制度を外国人労働者政策の一つの基軸としてきたのか。技能実習制度の説明に入る前に、直近の実習生の状況について整理しておきたい。 まず、技能実習生の数は伸び続けている。特に2015年ごろからここ数年の伸び幅が大きく、2011年には14.2万人だったそれが、2018年6月末には28.6万人にまで急増している。 出身国別に見ると、1位のベトナムが13.4万人。そのあとに中国(7.5万人)、フィリピン(2.9万人)、インドネシア(2.3万人)、タイ(0.9万人)と続く。ベトナムだけで全体の46.9%を占め、2位の中国と合わせると全体の約4分の3(73.2%)を占める。上位5ヵ国で全体の94.4%だ。 つまり、技能実習生に関わる問題とは、そのほとんどがベトナムと中国を中心とするアジア諸国出身者との間での問題であるということができるだろう。 出身国別の特徴で押さえておきたいのは、2011年時点では全体の75.8%を一国で占めていた中国の割合が2017年には28.3%にまで急減していることだ。この変化は、中国人実習生の実数自体が減少していることに加え、ベトナムやフィリピンなど、その他の国からの実習生の数が増加していることにも起因している。 1993年の制度創設以来、常に技能実習生の大きな割合を占めてきたのが中国出身者だった。しかし、中国自身の経済成長もあり、中国からの流入はすでに減少を始めている。そして、その穴を埋めるように、ベトナムなど中国より貧しいその他のアジア諸国からの流入が増加しているのだ』、「ベトナムやフィリピンなど」も、やがて頭打ちになるのだろう。
・『技能実習の建前と現実  技能実習制度の本質にあるのも「建前」と「現実」の乖離である。まずは建前の方から確認しよう。2017年11月に施行された技能実習法(外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律)の第一条は技能実習の目的をこう定義している。 (……)人材育成を通じた開発途上地域等への技能、技術又は知識(以下「技能等」という。)の移転による国際協力を推進することを目的とする。 ここに明確に示されている通り、技能実習制度の建前は先進国たる日本から発展途上国への技能等の移転による国際協力だ。ODAの位置付けに近い。派遣された日本の職場でのOJT教育を通じて身につけた技能を持ち帰り、自国の発展に活かしてもらうということである。表向きは、日本は与える側であって与えられる側ではない。 だがその建前とは裏腹に、技能実習制度は表向きは受け入れを認めていない低賃金の出稼ぎ労働者たちをサイドドアから受け入れるための方便として機能してきた。地方にある工場や、日本人労働者を採用しづらい重労働かつ低賃金の職場にとって、この制度は労働者を継続的に獲得して事業を維持していくために必要不可欠なシステムとなってきた。 実習生が特に多いのは、食品製造、機械・金属、建設、農業、繊維・衣服などの第一次及び第二次産業である。かつては繊維・衣服が非常に多かったが、最近は食品製造や建設、農業などの分野での伸びが著しい。 だが、問題は国際貢献という建前と非熟練労働者の受け入れという現実との間に大きな乖離があるということばかりではない。より大きな問題は、その乖離が実習生に対して様々な具体的被害を引き起こしてきたということにある』、「様々な具体的被害」とは何なのだろう。
・『法令違反とその不可視化  技能実習制度に常につきまとってきたのが劣悪な労働環境だ。長時間労働、最低賃金違反、残業代の不払い、安全や衛生に関する基準を下回る職場環境、暴力やパワハラ、セクハラなどである。 2017年に厚労省が労働基準監督署を通じて全国約6000の事業場を対象に行った監督指導では、なんとその7割以上で労働基準関係法令違反が認められた。7割以上というのは圧倒的な数字である。何のために法律があるのかと考え込んでしまうほど高い割合だ。 違反の内容は、労働時間に関する違反が最多の26.2%、以下、安全基準、割増賃金の支払いや就業規則に関する違反、労働条件の明示や賃金の支払いそのものに関する違反などが続く。 しかし、こうした外部からの調査がなければ現場の法令違反が明るみに出ることはほとんどない。同じ厚労省の調査によれば、2017年に技能実習生から労基署に対して法令違反の是正を求めてなされた申告はわずか89件に留まった。 厚労省が監督指導した約6000の事業場も含め、実習生を活用している企業はおよそ4万8000社にのぼる。そして、実習生自体は2017年時点で25万人以上も存在していたのだ。 にもかかわらず、実習生から労基署に対してなされた申告は1年間でわずか89件しかなかったわけである。本来なら届くべき声の多くが届かず、不可視の状況に置かれていることが容易に想像されるだろう。 こうした数字を見ると、否が応でも二つの疑問が頭をもたげてくる。一つめは、なぜこんなに多くの法令違反が横行しているのかという疑問。もう一つは、70%以上もの企業で法令違反があるにもかかわらず、なぜほとんどの技能実習生は労基署に対して助けを求めることができないのかという疑問である。 法令違反の横行とその社会的な不可視化には、技能実習の制度そのものに埋め込まれたいくつもの構造的な要因が絡まり合っている。このあと順に見ていきたい』、興味深そうだ。
・『ブローカーの介在  一つめの要因は、実習生の募集やマッチングに介在する国内外の民間ブローカーの存在だ。 技能実習生の受け入れ方には大きく分けて二つのタイプが存在する。一定規模以上の企業が実習生を直接雇用する「企業単独型」と、中小零細企業が組合や商工会などを通じて間接的に実習生を受け入れる「団体監理型」だ。実は実習生全体の96.6%が後者の団体監理型によって受け入れられている(2017年末時点)。 外国人労働者の問題と聞くと日本の大企業が外国人をこき使っているようなイメージを持つ方も多いかもしれないが、少なくとも技能実習制度に限ってみれば、紛れもなく中小零細企業に労働力を送り込むための制度として機能している。そして、そのことが、この制度が多くの問題を構造的に発生させてきたこととも深く関わっている。 実習生と実習先とのマッチングは、送り出し国と日本の双方に存在する民間のブローカーが介在して行われている。 一般論として労働者のマッチングは公的な機関(ハローワークなど)が無料で行うこともありえるし、民間の事業者が有料で行うこともありえるが、実習生については後者のパターンが取られている。しかも、団体監理型では最低でも二つの民間事業者が挟まっている。それが、送り出し国側の「送り出し機関」と受け入れる日本側の「監理団体」である。 送り出し機関や監理団体という言葉だけ見るとよくわからないと思うが、両者ともにその本質は民間の人材事業者である。実習生(候補)に対する日本語教育や職業上の研修、日本での生活面でのサポートなど、通常の人材ビジネスよりも対応範囲は広いものの、あくまでコアにあるのは人材の募集とマッチングだ。 実習先となる中小企業にとって、外国で暮らす労働者や外国の人材会社を自力で開拓することは簡単ではない。政府が間に挟まって紹介をしてくれればいいのだが、現状はそういう仕組みになっていない。結果として、民間の人材事業者に頼って手数料を払わざるを得ないため、実習生本人に支払う賃金を削り込むことになる。 労働者と受け入れ企業との間に挟まる中間事業者が多ければ多いほど、企業が実習生に支払うことができる給与は少なくなってしまう。当然のことだ。この点が、技能実習生が日本人の低賃金労働者よりさらに深刻な低賃金状態に陥りやすい一つめの制度的な要因となっている』、送り出し国側の「送り出し機関」と受け入れる日本側の「監理団体」に搾取されるのでは、実習生の手取りは小さくなるのも当然だろう。
・『来日前の多額の借金  二つめの要因は、実習生が来日前に作っている多額の借金だ。 実習生を集める送り出し機関の中には、日本への渡航に必要な費用として100万円を超える金額を要求するところもある。多くの実習生候補はこの渡航前費用を支払うことができないため、多額の借金をしている。さらに、保証金や違約金の契約を結び、家族などを保証人に入れさせられるケースも存在する。 なぜ実習生側は多額の借金という大きなリスクを取るのか。それは、日本で働けばその借金を返済してもなお元が取れるほどの給料をもらえるという話を信じているからだ。しかし、その話が真実であるためには二つの条件が必要である。 一つは賃金が事前の約束通りに支払われるという条件、そしてもう一つは実習先で借金返済に必要な期間は働き続けられるという条件である。これら二つの条件のうちいずれかの条件が崩れると、実習生は窮地に追い込まれる。 一つは賃金が約束より低い場合。約束が守られなくても借金が減るわけではないため、契約賃金以下、時には最低賃金以下の低賃金で働き続けることを余儀なくされる。どんなに過酷な労働環境でも、あるいは職場で暴力やセクハラが横行していても、最初の借金がなくなるわけではないので帰国という選択肢を選ぶことができなくなってしまう。 もう一つは「強制帰国」の恐怖で脅される場合である。強制帰国とは、実習期間の途中に、本人の意思にかかわりなく、実習先(含む監理団体)側の理屈で無理やり帰国させることである。強制帰国の恐怖によって、借金の返済前には帰国できない実習生が、実習先の言いなりにならざるを得ないという構造がある。 来日前に作ってしまった大きな借金のせいで、多くの実習生は「進むも地獄、退くも地獄」の状況に追い込まれてしまうのだ』、「日本への渡航に必要な費用として100万円を超える金額を要求するところもある」、航空機代は大したことはないので、ボロ儲けのようだ。「大きな借金のせいで、多くの実習生は「進むも地獄、退くも地獄」の状況に追い込まれてしまう」、というのはまさに悲劇だ。
・『転職の不自由と孤立  三つめの要因は、実習生には職場移動の自由が与えられてこなかったということである。職場移動の自由が制限されているということは、運悪く悪質な企業に当たってしまった場合に対抗手段が著しく限定されるということを意味する。 通常の労働者には悪質な事業者や相性の悪い職場を去って別の職場を探すための自由があるが、実習生にはその自由がない。たまたま割り当てられた企業に残るか、帰国するかという選択になり、それ以外の選択肢がない。 もし渡航前の借金が残っている場合には、帰国という選択肢も実質的に奪われることになり、実習先が悪質でも従属せざるを得ない状況に陥ってしまう。 2017年の技能実習法によって「外国人技能実習機構(OTIT)」が創設された。現在ではこの機構が実習生からの相談に対応し、転籍先の調整も含む支援を実施することとなっている。しかしまだ始まったばかりの制度であり、どこまで実効性をもった仕組みになっているかは未知数の部分が大きい。 四つめの要因は、実習生が様々な意味で孤立していることだ。まず、実習生の中には日本語がそこまでできない状態で来日する者も少なくない。 また、基本的な労働法や労働基準監督署、労働組合の存在など、日本で労働者としての権利を行使するために必要な制度や組織についての知識も持っていない場合が多いだろう。 さらに悪いことに、実習生の孤立状況をより深化させるために、実習先が実習生のパスポートを強制的に預かったり、来日前に「実習先に文句を言わない」などの誓約書にサインをさせていたりするケースまである。 実習生には悪質な企業を去る自由がないだけでなく、実習先に残ったまま異議を申し立てる力までもが奪われている場合もあるのだ』、「悪質な企業」には受け入れを認めないようにすべきだろう。
・『現実を直視すること  技能実習制度をめぐってなぜこれほどまで法令違反が横行しているのか。そして、なぜ実習生の多くは労基署などを通じて異議を申し立てないのか。そこにはここまで見てきたいくつもの構造的な理由が関わっている。 現在の制度では、ある実習生が日本で事前の期待通りの経験をできるかどうかは運次第、たまたま良い企業に当たるかどうか次第という状況になっている。送り出し機関や監理団体、実習先企業が悪質であったら万事休すだ。 日本で稼ぎたい、技術を学びたい、その思いが多額の借金、何重もの中間搾取、強制帰国の脅しや社会的な孤立状態への追い込みによって裏切られていく。 それは、一つひとつのブラック企業の問題であるだけでなく、それ以上に技能実習制度という制度そのものの成り立ちから構造的に発生している問題だ。 その現実を、今真摯に見つめ直す必要がある。 技能実習は多種多様な産業で利用され、気づいていようがいまいが、私たちの生活はすでにこうした構造を前提に成り立っている。しかも技能実習(約30万人)は日本の移民政策が抱える数多くの問題の一部に過ぎない。在日外国人はいつの間にか300万人に迫る。 幸いにも日本は民主主義国家だ。制度や政策に問題があると多くの人が思えば変えることもできる。いずれにせよ、一歩目は常に現実を知ること、直視することからだ』、技能実習制度の見直しには時間がかかるので、先ずは、技能実習生のための「駆け込み寺」を全国各地に作り、周知徹底させることから始めるべきではなかろうか。
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