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相次ぐ警察の重大ミス(その6)(警察官「無能が出世することはない」独自の掟 彼らの世界に「理由なき昇進」はあり得ない【平成の事件】警官「シャブ抜き」で事件隠蔽 主犯は本部長 神奈川県警不祥事対応で異例人事、京都で相次いだ警察官の重大不祥事 大阪に次ぎ「2つの府警」の堕落) [社会]

相次ぐ警察の重大ミスについては、昨年10月8日に取り上げた。久しぶりの今日は、(その6)(警察官「無能が出世することはない」独自の掟 彼らの世界に「理由なき昇進」はあり得ない【平成の事件】警官「シャブ抜き」で事件隠蔽 主犯は本部長 神奈川県警不祥事対応で異例人事、京都で相次いだ警察官の重大不祥事 大阪に次ぎ「2つの府警」の堕落)である。

先ずは、第62代警視庁捜査第一課長の久保 正行氏が5月28日付け東洋経済オンラインに寄稿した「警察官「無能が出世することはない」独自の掟 彼らの世界に「理由なき昇進」はあり得ない」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/280209
・『市民の日常生活を守る「警察官」。彼らの世界では、一般企業と違い、「能力のない人間」が出世することはまずありえない。「警察官の出世事情」について、新書『警察官という生き方』著者であり、第62代警視庁捜査第一課長として数々の事件を解決してきた久保正行氏が解説する。 警察官になるためには、まず各都道府県警察本部の採用試験を受けなければなりません。1次試験は筆記で、通ると2次試験は体力検査と面接を受けることになります。 高卒と短大卒、大卒で試験の種類が違い、初任給も異なります。警視庁の場合、高卒の初任給は21万円程度で、大卒の初任給は25万円程度となっています。ただし、入庁後は、勤続年数と階級に応じて給料が上がりますので、必ずしも大卒のほうが給与の面で有利というわけではありません。 警察本部の採用試験に受かったら、高卒の場合は10カ月、大卒の場合は6カ月の間、全寮制である警察学校の初任科で基礎を学び、卒業後、各警察署に配置されることになります。ちなみにこの期間も、給与は支払われます』、この他に、いわゆるキャリアのための国家公務員総合職試験がある。
・『「交番業務」が警察官を鍛える  いくつかの研修を経たのち、ほとんどの警察官はまず交番勤務を経験します。交番の警察官は、地域で事件が発生したら真っ先に駆けつけ、さまざまな種類の犯罪と向き合い、対応を覚えていくことになるので、警察官の業務のエッセンスが凝縮されているわけです。 その後は、警察署内の部署に配置されることもあれば、警察署で経験を積み、本部へと異動になることもあるでしょう。努力と実績次第で、いくつもの警察官としての道が開けていきます。 自分の能力を生かすというところでは、警察官の中には剣道や柔道などの武道に秀でた者が多く、有段者も数多くいます。実際に、警察官になると現行犯を取り押さえたり、攻撃的な人に対処したりする機会がありますから、こうした心得があると大きな武器になります。そうした目的で、警察学校ではランニングなどの基礎体力づくりだけでなく、剣道や柔道の訓練も課されます。 警察には、一般企業のサラリーマンではまず関わらない特殊な場所もあります。 例えば「留置場」は、逮捕した被疑者を一時的に勾留する場所で、その間に取り調べなどを行います。一般的には、「留置人が足を伸ばして寝られる広さ」×「人数分」ほどのスペースがあり、鉄格子が張られていて、食事窓がついています。留置人は番号で呼ばれます。「俺のときは名前で呼ばれた」と言う方がいたら、かなり古い時代ですね。留置場は警察署などに設置されています。 警察は自前で「道場」も持っていて、警察学校はもちろんのこと、各警察署や警察本部にもあります。ここには朝、昼、夜の顔があります。朝は警察官が、自主的に通常7時ごろから柔剣道の自主練習を行います。 「自分の身体を守れない者は、他人を救護できない」「今日より若い日はない」という心構えで練習をします。昼は、小中学生に向けた少年柔剣道の練習です。この練習には指定された警察官も指導者として参加します。夜は、捜査本部員の寝どころとなることがあります。 「霊安室」は、あまりなじみがないでしょうが、ここでは数々の悲劇的ドラマがあります。多いのが、事件・事故に巻き込まれた方や行方不明者にまつわるものです。朝、元気な姿で出勤したご主人と、夕方には霊安室の棺の中で会う、ということが現実にあるのです。お子さんが一緒の場合、警察官といえども深い悲しみを負います。涙をこらえて検視を終え、棺をそのままに帰宅することもあります』、着任間もないような「交番の警察官」は、道を聞いても、ロクに答えられないのは、やむを得ない面があるにせよ、利用者にとっては困ることだ。また、「ランニングなどの基礎体力づくり」とあるが、現実には犯人に逃げられてしまう失態も数多い。英国人女性殺害事件でも、かなり多数で逮捕しようとしたが、取り逃がしたのも記憶に新しい。基礎体力づくりでは消防署員の方がはるかに訓練が行き届いている。
・『徹底した「階級組織」  警察は階級に基づいて組織されています。その意味では、上下関係がはっきりしています。堅苦しいかもしれませんが、巨大な組織を束ねて治安の維持に取り組むには、規律が必要なことは確かです。 階級は警察官の日常にも深く浸透します。例えば、警察官のあいさつは敬礼です。基本的には、下位の者がまず敬礼し、次いで上位の者が答礼します。社会や組織の中でのコミュニケーション不足が叫ばれて久しい昨今ですが、その点、警察官は迷うことなく敬礼でコミュニケーションを取ることができます。何か声をかけ合うわけではありませんが、まず一方が敬意を示し、もう一方がそれに応えるわけです。 階級はキャリアを除いて誰もが巡査からスタートし、昇任試験をパスすることで上にいくことができます。また、階級と連動して役職も上がっていきます。役職は、民間企業と同じで、主任、係長、課長、部長などと上がっていきます。上の役職になるほど、多くの部下を抱えることになります。つまり、出世が昇任試験という形で制度化されているわけです。 ですから、「理由はよくわからないが、なぜかあいつは昇進した」とか、「誰よりも頑張ったはずなのに、昇進できなかった」ということが、警察では起こりにくいのです。こうした面では、警察より公平な組織はないと思います。 では、階級について詳しく見ていきましょう。警察には9つの階級があります。下から、巡査、巡査部長、警部補、警部、警視、警視正、警視長、警視監、警視総監です。警部までは昇任試験で上がることができ、それ以上になると、実務経験などをもとに選考されることになります。なお、警視庁に入庁する警察官は地方公務員ですが、警視正になると自動的に国家公務員の身分になります。また、警視監および警視総監は、キャリアの警察官のみがなることのできる階級になっています。 順を追って見ていきましょう。巡査はいわゆる「ヒラ」ですが、巡査部長になると、警察署では主任の役職がつき、部下も持つことになります。警部補になると警察署では係長の役職がつき、現場の責任者として、部下を指導していきます』、ただ、下の記事にあるように、上の地位にある者の不祥事が、発覚し難いというマイナス面もあるようだ。
・『「警部」のハードルは高い  警察はピラミッド型の組織ですから、警察官のほとんどは、巡査、巡査部長、警部補によって占められています。実際、警部補までは努力でなることができますが、警部になろうとすると、高いハードルが待ち受けています。全国の警察官の約90パーセントが警部補までの階級であるのに対し、警部は全警察官のうち、7パーセント程度しかなれないのです。ですから、この関門を突破するには、法学と実務を真剣に勉強し、さらに仕事で実績を上げなければなりません。 ハードルを乗り越え、警部になると、警察署では課長、警察本部では課長補佐、警視庁では係長などになり、本格的に部下を統率する立場になっていきます。加えて、警部になって初めて、裁判所に逮捕状を請求できるようになります。 警視になると、警察署では署長や副署長などを任される立場になり、本部でも課長や管理官として、組織をとりまとめ、捜査を指揮するようになります。警視正になると、本部の参事官や方面本部長など、さらに大きな組織を束ねるようになるのです。 階級が上がれば役職が上がるだけでなく、部下も多くなり、発言力が高まって、給料も上がります。階級に特殊な名称を使うので、複雑に見えますが、実はとてもシンプルなシステムなのです。たとえ学校で勉強ができなくても、警察に入ればみなゼロからのスタートです。これは警察官の大きな魅力のひとつだと私は思います。 それは男性に限った話ではありません。女性も同様です。女性警察官の数は増え続けており、現在は2万5000人近くいます。警視庁や各県警では警察官の10パーセントが女性になるように採用枠を拡大していて、管理職における女性比率も増しています。キャリアのうえでの性差はありませんが、女性が被害者になりやすい性犯罪や、子どもや老人に関わる犯罪に対しては、とくに女性警察官の活躍が目立ちます。 私は、多くの優秀な女性の警察官と仕事をしてきましたし、実際に今、女性が統率する捜査チームも増えています。ノンキャリアで警察署長になった女性警察官もいます。私が経験した捜査第一課長も、歴代ずっと男性が務めてきましたが、ここ最近の女性の活躍ぶりを見ると、女性の一課長が誕生する日もそう遠くはないでしょう。 もちろん、上にいくことだけが警察官の魅力ではありません。ずっと現場にとどまり、部下を持たずのびのびとやりたい、という人は、昇任試験を辞退すればいいわけです。その自由もまた認められています。どのようなキャリアを歩むかは、それぞれの「生き方」に委ねられているのです。 警視庁の警察官は地方公務員ですから、基本的には数年ごとに異動を繰り返します。例えば、私は警視庁本部の捜査第一課にいるときに昇任し、所轄の警察署で経験を積みました。また、上の階級になると、さまざまな役職が回ってくることも多く、私は王子警察署の副署長になったあと、半年で本部に戻り、鑑識課の理事官というポストに就いたこともあります』、なるほど。
・『現場にいる警察官ほど出世しづらい  ちなみに、より早く上にいくのは、総務部や警務部の警察官です。 とくに企画課や人事課には、若くして昇任した警察官が配属されることが多く、基本的にデスクワークで、試験勉強の時間も確保しやすいため、昇任が早いのです。 現場に出て捜査を行う警察官は、仕事の合間をぬって昇任試験に向けた勉強をする必要があります。私の場合は、休日は図書館に行って勉強をし、平日は家に帰っても布団に入らず、玄関先で寝ていました。しばらく横になっていると寒くて目覚めるので、そこから試験勉強を始められるというわけです。業務とは別に勉強するのは大変ですが、そこを突破すれば誰でも昇任することができます。 ただし、いちばん上の階級や役職までいけるかどうかは、30代で決まります。具体的には、32~33歳で警部になっていないと、いちばん上までは行けません』、早目に決まってしまうということは、昇進を諦めて意欲を失ってしまう人間も多いということになる。

次に、4月23日付けYahooニュースが神奈川新聞記事を転載した「【平成の事件】警官「シャブ抜き」で事件隠蔽、主犯は本部長 神奈川県警不祥事対応で異例人事」を紹介しよう。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190423-00010001-kanag-soci&p=1
・『一連の神奈川県警不祥事の中でも、覚醒剤隠蔽事件は突出した事案だった。主犯はキャリアの本部長。本来は職員の不正に目を光らせる監察などの計数十人が関与し、警官の覚醒剤使用を握りつぶしていた。県警は、警察としての存在自体が問われる事態への対処が迫られたが、前段で発覚した別の不祥事対応の引責でトップが辞任を表明、ナンバー2も更迭の流れとなり、機能不全に陥っていた。警察組織の危機に直面した警察庁は、異例の人事を断行。重大行事を控える北陸の地から急遽、一人の警察官僚を呼び寄せた』、「主犯はキャリアの本部長」とは、前代未聞の不祥事だ。
・『神奈川県警を再建せよ、突然の辞令  1999年10月5日。富山県警本部長の金高雅仁に、警察庁官房長の石川重明から電話が入った。用件は神奈川県警への異動内示で、ポストは人事や監察などを統括するナンバー2の警務部長。「大変な事態になっているので、処理を頼む」。相次いで発覚した不祥事への対応を誤り、本部長の辞任と警務部長の更迭が決まっていた神奈川県警の混乱収拾と再建を託されたのだった。 警視庁捜査2課長時代の96年には厚生省の事務次官を逮捕した汚職事件を手掛け、98年から富山に赴任。翌年には国体の開催を控えており、しばらくは富山にいるものと思っていた。しかも、通常は遅くとも発令1週間ほど前にある内示が、この時は2日前。急な異動であいさつもままならず、出張中だった県知事の中沖豊とも面会できなかった。出張先に電話をして異動を伝えた金高に、中沖は「何なんですか、その人事は」と驚きを口にした。 7日、警察庁での辞令交付後、金高は長官室に呼ばれる。二人きりになった場で長官の関口祐弘は「『覚醒剤の事案』が事件になるのであれば、相手が誰であろうと事実に即してきちんと処理するように。しっかりと処理をしないと、神奈川県警は大変なことになる。まずは、これがメインの仕事だ」。半月前に報道で発覚した警官の覚醒剤使用疑惑を巡る不祥事対応への指示だった。 2年10カ月前、96年12月13日未明。幻覚状態となった警備部外事課の警部補が交際相手の女と県警本部に現れ、覚醒剤を使用したと同僚に供述。腕には注射痕もあった。が、事件化はされず、警部補は不倫を理由に諭旨免職となっていた。この問題は全く表面化せず闇に葬られていたが、99年9月に発覚した県警不祥事の報道が過熱する中、覚醒剤使用疑惑として同月下旬に浮上。 報道を受けて当時の記録を確認した監察官室長の大木宏之は「自信を持って申し上げるに至らない、いくつかの疑問が出てきた。しっくりいかない部分、不明瞭な点がある」。当時の処分や捜査が適正であったかを調査するための特別チームを編成し、実態解明に乗り出す方針を示していた』、警察組織は閉鎖的だけに、不祥事のもみ消しはお手のものだろう。
・『「シャブ抜き」の証拠が現存  辞令交付の時点では、神奈川県警も警察庁も「組織的な隠蔽(いんぺい)事案」との認識はあったものの、事件の構図は判然としていなかった。神奈川県警に赴任した金高に、大木は「一番の問題は、誰の命令で動いたかということです」。前任の警務部長の中林英二は「科捜研に、ある程度記録が残っている。その記録を見てくれ」と引き継いだ。 神奈川県警科学捜査研究所。県警本部から数百メートル離れた横浜・中華街の一角にあり、DNA型鑑定、ポリグラフ、火災原因究明、さらには薬物の分析などを担う。その科捜研に、不自然な尿検査のデータが現存していた。覚醒剤の検出を示す陽性反応が出ている「氏名不詳」の検査結果。警部補を横浜市内のホテルに軟禁して連日尿検査を繰り返すなど「シャブ抜き」をし、陰性反応に転じた段階で形ばかりの「正式な捜査」を行った隠蔽工作の証拠の一部だった。 調査チームの報告などから、着任1週間程度で当時の本部長・渡辺泉郎の指示が発端だということが見えた金高は、警察大学校長を最後に99年2月に退官し、民間企業の顧問に転じていた渡辺の職場に出向いて面会。本当に渡辺の指示があったのか確認するためで、この疑惑を巡って捜査当局が渡辺と初めて接触した局面だった。やりとりの後、金高は「これから徹底的に調査をしますので、事実を言ってください」と告げ、別れた。 県警に戻った金高は調査チームの幹部に、渡辺との会話の内容や反応を伝達。もみ消しに関与した全員からの聴取が終了した10月下旬、捜査への移行を本部長の村上徳光に具申し、了解を得た。 11月4日、県警は96年に諭旨免職になった元外事課警部補と交際相手の女を覚醒剤使用の疑いで逮捕。14日には、警部補の覚醒剤使用事件を握りつぶした犯人隠避の疑いで、渡辺をはじめ、当時の警務部長、生活安全部長、監察官室長、担当監察官ら9人を書類送検した。担当監察官ら4人は、警部補の自供に基づいて発見した覚醒剤とみられる粉末などを廃棄したとして、証拠隠滅の容疑でも書類送検された。渡辺ら5人は起訴され、全員が有罪となった』、「警部補を横浜市内のホテルに軟禁して連日尿検査を繰り返すなど「シャブ抜き」をし、陰性反応に転じた段階で形ばかりの「正式な捜査」を行った隠蔽工作の証拠の一部だった」、とはここまで徹底した「隠蔽工作」をするものかと呆れてしまった。
・『本部長の命令とは  有罪となった当時の幹部らは公判などで、事件をもみ消す渡辺の方針が不本意であったと口々に語ったが、当時は誰一人、いさめることはなかった。「40年間の勤務で、上司の命令・指示に服従する習性が身についており、正しい判断ができない状態になっていた」「組織の一員として逆らえなかった。勇気と決断がなかった。部下の人事や(自身の)部門の組織への影響を危惧した」などと悔やんだ。 金高は捜査の過程で、神奈川県警で事件に関与した主要な人物に会った。直接相対し、当時や現在の心境などを尋ねた。「皆さん、やってしまったことは大変なことなので後悔していたが、上からの命令だったので、非常に複雑な胸中だったと感じた。自分が動かなければ、こんなことにはならなかった、自分は組織の中で本当はどうすべきだったのかなどと、非常に複雑な思いを持っていた」 未曽有の組織犯罪摘発から20年。県警不祥事への対応に奔走した後、警察組織の中枢を歩み、警察庁長官も務めた金高は今、あの事件をどう振り返るのか。 「1人の一言で数十人が動く完全な組織犯罪だった。それだけ本部長の判断、命令は重い。絶対に正しくなくてはならないと痛切に感じたが、本部長を支える部長クラスが何で声を上げないのかと思った。でも、本部長の命令というのは、重いんですよ。本部長命令には、命懸けの命令もある。そういう人は、絶対に違法なことを命じてはいかんのです」』、金高氏はその後、「警察庁長官も務めた」とはエリート中のエリートだったのだろう。彼も認めるように、やはり「本部長の命令」は重いようだ。ただ、そうであれば、有効な再発防止策など期待すべくもないようだ。

第三に、事件ジャーナリストの戸田一法氏が7月10日付けダイヤモンド・オンラインに寄稿した「京都で相次いだ警察官の重大不祥事、大阪に次ぎ「2つの府警」の堕落」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/208234
・『京都府警で重大な不祥事が相次いで発覚し、揺れに揺れている。5日、山科署の巡査長が特殊詐欺被害の緊急通報を悪用して、高齢男性から約1100万円を詐取したとして詐欺罪で起訴され、本部長が記者会見で謝罪する事態に発展した。また同日、警察学校初任科生の巡査が自宅に大麻を隠し持っていたとして、大麻取締法尾違反(所持)の疑いで逮捕された。巡査は柔道の世界ジュニア選手権優勝者で、柔道の指導教官として将来を嘱望されていた。一方で昨年8月、大阪府警富田林署から容疑者が逃走し、本部長が謝罪した事件をご記憶と思う。一般の方はご存じないと思うが、実は警察本部長の謝罪というのは極めて異例のことだ。2つの「府警」にとって夏は受難の季節なのだろうか』、「柔道の世界ジュニア選手権優勝者で、柔道の指導教官として将来を嘱望されていた」「巡査が自宅に大麻を隠し持っていた」が「逮捕された」、とは情けない限りだ。薬物の魅力の恐ろしさを垣間見た気がする。
・『警察本部長の謝罪の重み  最近は警察官の不祥事が珍しくなくなり、ニュースで報じられても驚かなくなってしまったが、通常は警察署であれば副署長、本部であれば監察官(警察内部の不祥事などを調査する部署・役職)が「再発防止に努める」「指導、教養を徹底したい」などのコメントを出すぐらいだ。 かなり深刻・重大な事案で全国ニュースになるレベルの不祥事であったとしても、通常は警務部長(警察本部のナンバー2)が記者会見で釈明するのが普通で、本部長が記者会見を開いて謝罪するというのは、実は年に1度あるかないかだ。 昨年4月、滋賀県彦根市の交番で19歳の巡査が上司の巡査部長を射殺し逃走した事件でも、巡査逮捕の記者会見では警務部長が謝罪しただけだった。数日後の定例記者会見では、鎌田徹郎本部長が「極めて遺憾」と謝罪したものの、県警は徹底して撮影を認めなかった。 2017年5月に特殊詐欺事件の証拠品として保管していた現金8572万円が、広島県警広島中央署会計課の金庫から盗まれたのが発覚し、そして、関与したとみられる男性警部補が死亡した後の今年4月の記者会見では、石田勝彦本部長が「県民と社会のみなさまに深くおわび申し上げる」と謝罪したが、質疑応答に立ち会わず退席していた。 警察本部長がカメラの前で謝罪するというのは、実はそれほどまでに重いのだ。2つの府警は、それが立て続けに起きた。万引きや盗撮などといった不祥事とは、レベルが違うのだ』、「滋賀県彦根市の・・・事件でも・・・鎌田徹郎本部長が「極めて遺憾」と謝罪したものの、県警は徹底して撮影を認めなかった」、謝罪にも撮影を認めるか否かの違いがあるとは芸が細かい。
・『ダブルパンチ  山科署巡査長の詐欺事件は6月15日、京都府警捜査2課が高橋龍嗣被告(38)=詐欺罪で起訴、懲戒免職=を逮捕した。起訴状によると、伏見署の交番に勤務していた昨年11月、京都市伏見区の無職男性(78)に「現金を預かる」と偽って現金をだまし取ったというものだ。 11月8日、男性が寄付のため金融機関を訪れ、高額の引き出しをしようとしていたことから金融機関側が特殊詐欺を疑い通報。駆け付けた高橋被告が理由などを聞き、さらに「自宅にも500万円ある」などと資産状況を把握。「銀行に預けた方がいい」などと言って詐取したとされる。 さらに14日には、男性の希望通りに現金を払い出すよう金融機関に依頼して、金融機関から引き出した現金と自宅にあった現金の計約1100万円を詐取した、という手口だ。 高橋被告は男性に「犯罪に関する可能性があるため、預かって捜査する」と説明したが、口座や資産が犯罪に利用されていると説明して高齢者をだますのは、特殊詐欺の常とう手段。現金を詐取した後は、男性に「体調はどうですか」などと定期的に気遣うような連絡をしていたという。 男性は生活保護費を受給していたが、少しずつ貯金し、資産がたまってきたため市役所に相談。受給の打ち切りが決まっていた。高橋被告は「お金を持っていたら生活保護は受けられないですよね。お金を預かって調べる」などと言って、不正受給の疑いを示唆して男性を脅していたとみられる。 高橋被告は当初、府警の聴取に「借りただけでだましていない」「投資に使った」などと容疑を否認していたが、後に「最初からだますつもりだった」と全面的に認めていた。詐取した現金は投資や借金返済、生活費でほぼ全額を使い果たしていた。 この事件で高橋被告が起訴された5日、植田秀人本部長は記者会見で「官民を挙げて特殊詐欺対策を進める中、このような事案が発生したことは言語道断であり、極めて遺憾。被害者の男性、府民の皆様に深くお詫び申し上げます」と謝罪した。 そう、問題は「官民を挙げて特殊詐欺対策を進める中…」だったのだ。 高額の引き出しや振り込みをする利用者への金融機関の声掛けは、特殊詐欺被害防止の最大の抑止策。警察庁によると、18年の特殊詐欺被害は約364億円とされるが、金融機関職員の声掛けなどで約143億円の被害が阻止できたとされる。 金融機関にとっては高額であっても、預金の引き出しは顧客の自由であり「何かございましたか?」などと声掛けをするのは、本来は「余計なお世話」だ。しかし、これだけの社会問題になり、警察の働き掛けもあって協力するという流れになったのだ。 全国紙社会部デスクによると、府警幹部は「今まで時間をかけて金融機関側に理解していただいて協力を得てきたのに、警察官がそのノウハウを利用して詐欺をやったのでは、申し開きができない」と頭を抱えているという。 植田本部長がカメラの前で謝罪したのは、実は「被害者や府民」ではなく、全国の警察官と金融機関に対してだったというのが本当のところだろう。 一方、警察学校初任科生の巡査、梅北亘容疑者(23)が逮捕された事件は、警察の情報収集能力そのものが疑われるだけに、内部のショックは大きい。 というのは、逮捕に至った経緯が警察学校内で同期の腕時計を盗んだとして窃盗容疑で実家を家宅捜索したところ、乾燥大麻が見つかったという事件だからだ。逮捕容疑は大阪府守口市の実家に乾燥大麻を所持していたというもので、吸引用とみられるパイプも見つかった。 梅北容疑者は今年4月の採用で、高校時代の14年、柔道の世界ジュニア選手権55キロ級で優勝していた。一般の警察官と違って交番などに配置されるのではなく、術科(柔道、剣道、逮捕術、けん銃射撃,白バイ乗務)を専門とする術科特別訓練(特練)の指定警察官(特練員)として期待されていた。 平たくいえば、容疑の段階ではあるが、将来の幹部候補が実は泥棒で、違法薬物使用者だったということを警察がキャッチできていなかったということだ。 前述の全国紙デスクによると、窃盗、薬物のいずれも常習的な手口らしい。大麻は「自分で吸うために実家に置いていた」と容疑を認めているという。 人事・採用担当の警務部からすれば、窃盗を専門とする捜査3課、違法薬物対策の組織犯罪対策3課は、いったい何をしていたのだと怒り心頭だろう。 そういう意味で京都府警はいま、大変なことになっているらしい』、大混乱の「京都府警」には、現在、京都アニメーション放火殺人事件という重大な事案を抱え、捜査に支障が出ないよう期待したい。
・『富田林署、樋田被告は今  冒頭で紹介した大阪府警富田林署から逃走した樋田淳也被告(31)や同署の近況なども、ここでお伝えしておこう。 その後、府警の検証や樋田被告に対する捜査は続いた。 樋田被告が逃走した約1週間後の昨年8月21日夜、枚方署の20代の男性巡査長が酒に酔って「似た男を見た」と110番していたことが発覚。周辺で似た人物は確認できず、巡査長は「組織に迷惑を掛けた」として依願退職した。 樋田被告が逃走時の留置担当者は、禁止されているスマートフォンを持ち込み、アダルト動画やプロ野球ニュースなどを閲覧していたことが判明した。府警は担当者を懲戒処分にしたが、理由は「スマホを持ち込んだことが理由。閲覧した内容は関係ない」と説明していた。 いずれもトホホなオマケ付きで、留置担当者含め署長ら7人が懲戒処分を受けた。富田林署では、樋田被告が壊した留置場の接見室アクリル板が今年4月までに修理され、現在は容疑者の収容が再開されている。 樋田被告は強制性交や放火、窃盗など計43件の容疑で逮捕・送検され、21件の罪で起訴された。もちろん、逃走した「加重逃走罪」も含まれる。 大阪府内で盗んだ自転車で中国・四国を転々としていた樋田被告。初公判の期日は決まっていないが、全国紙デスクによると、さすがに起訴内容を否認する元気はないだろうとのことだ』、「富田林署」逃走事件については、このブログでは昨年10月8日に取上げたが、本当にお粗末極まる事件だった。「留置担当者含め署長ら7人が懲戒処分」とあるが、その後の捜査も大阪府に限定したという問題は、もっと上層部にも問題があった筈だが、これらの責任は例によってうやむやのようだ。
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