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アパレル(アパレル業界を追い詰めた「三度の裏切り」…これではもう売れない 百貨店もSCもECモールも終わった、ユニクロ・しまむらに黄信号!2強を駆逐する「ワークマン」強さの秘密、消費者の「アウトレットモール離れ」が進んでいる理由) [産業動向]

今日は、アパレル(アパレル業界を追い詰めた「三度の裏切り」…これではもう売れない 百貨店もSCもECモールも終わった、ユニクロ・しまむらに黄信号!2強を駆逐する「ワークマン」強さの秘密、消費者の「アウトレットモール離れ」が進んでいる理由)を取上げよう。

先ずは、流通・ファッションビジネスコンサルタント (株)小島ファッションマーケティング代表の小島 健輔氏が昨年9月19日付け現代ビジネスに寄稿した「アパレル業界を追い詰めた「三度の裏切り」…これではもう売れない 百貨店もSCもECモールも終わった」を紹介しよう。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/57499
・『プラットフォーマー(※)の裏切りの歴史  今やECの勢いは留まるところを知らず、店舗販売は存続さえ危ぶまれているが、アパレル業界にとっては人気ファッションECモールの手数料高騰が頭の痛い問題になっている。その状況は『ECモールが百貨店化している』と嘆かせるほどで、“三度目の裏切り”かと業界を落胆させている。 アパレル流通の四半世紀を振り返れば、プラットフォーマー(※)の裏切りの歴史だった。アパレル業界とて、それを原価率の切り下げで穴埋めして来たのだから、結局は業界ぐるみで消費者を裏切ったわけで、バーゲンしてもファミリーセールを繰り返してもアウトレットで叩き売っても過半が売れ残るという破綻に陥ったのもやむを得まい。 ※コンテンツ事業者(アパレル)に販売の場を提供するのがプラットフォーマー(百貨店や商業施設、ECモール)で、在庫リスクは負わず家賃や売上手数料を徴収する』、『ECモールが百貨店化している』、というのはここまで来たかという印象だ。プラットフォーマーとしては、最近ではGAFAなどで使われているが、ここでは伝統的な使い方だ。
・『アパレル流通崩壊の引き金は百貨店が引いた  もう二昔も前の出来事だが、アパレル流通のみならず国内アパレル産地崩壊の引き金を引いた“事件”があった。 バブル崩壊後の売上急落を利幅で埋めるべく大手百貨店は92年から00年にかけて毎年のように取り分(「歩率」と言われる売上手数料率)を増やし、8年間で計13ポイントも嵩上げてしまったのだ。どこの百貨店が口火を切ったか業界の上層部は誰もが知っているが、表立って誹られる事は今も憚られる。 取引アパレルは収益を確保すべく原価率をほぼ同ポイント切り下げ(33%が20%になったと言われる)、コストの高い国内生産から中国生産にシフトして国内産地崩壊の引き金を引き、お値打ち感の急落で消費者は百貨店から駅ビルやショッピングセンター(SC)に逃げ出した。アパレル事業者も我先に百貨店から駅ビルやSCに販路を移したが、そこにも罠が待っていた』、どんな「罠」なのだろう。
・『アパレル業界は駅ビルやSCにも裏切られた  00年前後には経済の活発化を目論んで規制緩和が乱発されたが、流通業界を一変させたのが00年3月1日に施行された改正借地借家法と6月1日に施行された大店立地法だった。 前者によって定期借家契約が導入されて出店の初期費用が激減した一方(基本家賃の50ヵ月分という差し入れ保証金からほぼ五分の一の敷金に軽減)、営業権が無くなって定借期間後の営業継続が担保されなくなり、店は資産から利用権に変質した。 商業施設側は差し入れ保証金の減額分を共益費や販促費等も合わせた実質家賃に転嫁したから、テナントの売上対比実質家賃負担は三年で4ポイント前後も高騰した。 後者によっては営業時間が自由化されて全国の商業施設はおしなべて2時間ほど延刻され、売上は増えないまま運営コストが肥大し、人手不足が恒常化して店舗運営の質も低下してしまった。 希望の地と思われた駅ビルやSCでも運営コストの上昇に加え、出店初期費用の低下と規制緩和による商業施設の開発ラッシュでオーバーストアが急進。00年から17年でSCの総商業面積は64%も増加し、販売効率は年々落下して00年の65%まで落ち込んだ。 アパレルチェーンは収益を確保すべく調達原価を切り詰め、お値打ち感を損なってさらに売り上げを落とすという悪循環に陥った。商品の価値も販売の質も怪しくなって顧客が離反し始めたところに追い打ちをかけたのが、11年頃からのスマホの普及とECの台頭だった。 品揃えも商品情報も限られる店舗販売から、品揃えも商品情報も格段に豊かで購入の手間も持ち帰る労働も強いないECへと消費は急激に移行し、損益分岐点の高い店舗販売は採算割れに陥って閉店が広がっていった』、「00年から17年でSCの総商業面積は64%も増加し、販売効率は年々落下して00年の65%まで落ち込んだ」、という過当競争が背景にあるのでは、苦戦もやむを得ないだろう。
・『百貨店化するECモールと決別する日  運営コストも初期投資も軽く、在庫が多店舗に分散しないからロスも少ないECは店舗販売に代わる希望の地と思われたが、皆が我先に参入して競争が激化し顧客利便が競われるに連れ運営コストが肥大。 流通プラットフォーマーたるECモール事業者も手数料率を年々嵩あげて有力百貨店を上回るほどになり(今や35〜40%と言われる)、『ECモールが百貨店化している』と失望感が広がった。そこに宅配料金の一斉値上げも重なり、ECは他人のプラットフォームに依存する限り低コストとは言えなくなった。 手数料率が高騰する人気ECモール事業者がある一方、仕組みを改善して手数料率を抑制したり利便を高めるECモール事業者もあるが、顧客と在庫、店舗とECを一元一体に運用するにも在庫を抱えないショールーミングストア(発注・決済・物流はECに拠る)に移行するにも自前のECプラットフォームが不可欠で、先行する有力企業はECプラットフォームに投資を集中して店舗網の整理縮小に転じている。 EC受注品の店在庫引き当てと店受け取り・店出荷というZARA(INDITEX社)の決断はその典型で、EC比率が高まった欧州から店舗網の縮小に転じている。 三度もプラットフォーマーに裏切られた挙げ句、アパレル事業者が百貨店や商業施設はもちろんECモールにも見切りを付け、自前プラットフォームに生存を賭けるに至ったのは必然と言うしかあるまい。 アパレル事業者にはその実行スピード、アナログプラットフォーマー(百貨店/商業施設)やデジタルプラットフォーマー(ECモール)にはアパレル事業者を引き止めるコストと利便の革新が問われているのではないか』、『ECモールが百貨店化している』、というのにはいささか驚かされた。アパレル事業者には同情するほかないようだ。

次に、流通ジャーナリストの森山真二氏が3月19日付けダイヤモンド・オンラインに寄稿した「ユニクロ・しまむらに黄信号!2強を駆逐する「ワークマン」強さの秘密」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/197251
・『「ユニクロ」や「しまむら」といったカジュアル衣料専門店の先行きに黄信号が点灯し始めている。2社ともに、デフレが生んだ衣料品販売の優等生として成長、カジュアル衣料専門店の1~2位になっている。しかし、最近、国内ユニクロは成長を牽引してきた価格が「安くない」といわれ、商品も「代わり映えしない」という指摘も出ている。しまむらも過度な商品の絞り込みと、高価格への誘導が裏目に出ている。一時代を築いたデフレの優等生、2強体制の終わりの始まりか――』、興味深そうだ。
・『しまむらの凋落が甚だしい ビジネスモデルの転換が裏目に出た  しまむらの凋落(ちょうらく)が甚だしい。3月11日には2019年2月期の連結業績予想を下方修正した。 売上高の従来予想は5700億円だったが、修正では約240億円下回った5460億円、本業のもうけを示す営業利益は前期比40%減の245億円と期初予想を140億円下回った。既存店の売上高も落ち込みが激しく、前期比約7%減だった。 会社発表の業績修正の理由は一言でいうと、「暖冬で冬物が売れず、売り場改革も不発に終わった」というもの。確かに、衣料品の場合は天候に左右されることはある。しかし、業界ではそうした「短期の天候要因だけが理由だけではない」という声が少なくない。 最大の原因はしまむらが2016年から2017年にかけて実施した商品数の絞り込みだ。最大約3割にも及ぶ大胆な絞り込みを実施したことだろう。 いわば売れ筋商品への絞り込みで在庫負担を減らし売り場効率を引き上げて高価格帯商品を拡充するという、まさに従来のビジネスモデルからの転換を図ったのだ。 しまむらは本来、ユニクロと違って数ある商品の中から「目新しい商品」を発掘するのが1つの「売り物」となって、それが「集客力」となってきた。 しまむらはプライベートブランド(PB)も販売しているが、ユニクロのようなSPA(製造小売業)型ではなく、そのため仕入れ商品が多くを占める。そのバラエティ性が支持されてきた』、しまむらが「バラエティ性が支持されてきた」にも拘らず、「最大約3割にも及ぶ大胆な絞り込みを実施」、というのは余りに乱暴な方向転換だ。普通は、いくつかの店舗で試験的にやって検証すべきところを、いきなりというのは信じ難い。
・『しまむらが持つ「強み」が失われた  「しまパト」と呼ぶ、しまむら“公認”のファンがインスタグラムなどSNS(交流サイト)で商品画像とともに「しまむらでこんな商品を見つけました」「自宅の近くのしまむらでこんな商品を買っちゃった」などと投稿、その情報がしまむらのサイトに掲載されたり拡散されたりして顧客が顧客を呼ぶ形で支持を高めてきた。 しかし、商品の過度の絞り込みで商品を発掘すること、購買の新鮮味が薄れたといわれる。整然としているようで新たな商品の発見がある。そんな商品政策、エンターテインメント性が希薄化した。 しまむらでは現在この品目数の絞り込みの修復作業を進めているというが客数の落ち込みは顕著で2019年2月期の客数も前期比2.1%減。商品数削減の弊害が相当深刻だったことを示している。 もう1つ、価格政策だ。しまむらの価格帯は、ユニクロよりも安く、それでいてチープではなく、品質もまずまずだったところが受けてきた。 しかし、こちらも価格帯を上方に移行した結果、値頃感が失われ、相対的にネットの低価格カジュアル衣料サイトなどに比べ優位性が失われている。 しかも、しまむらは本来、二等地戦略で地方都市の生活道路の面した場所に出店してきた。発注など中央集権的で、パートやアルバイトで十分に賄えてきた店舗運営も低コストでできた。 しかし大都市に積極的に出店した結果、販管費比率も上昇(2018年2月期は2017年2月期に比べ1ポイント以上上昇)、これを補完するための品ぞろえの絞り込みなど売り場効率化を急いだことが現在の苦境を招いた一因とも指摘されている。 衣料品通販サイト「ゾゾタウン」への出店など、EC(電子商取引)も展開し、巻き返しを狙う戦略を打ち出したが、アパレルメーカーやSPA型企業と違い、しまむらは仕入れ方式のため、出店料がECの足を引っ張る。戦略が裏目、裏目に出ている形だ。 カジュアル衣料業界の専門家は、しまむらの場合は「しまパトのような店舗とウェブを融合した戦略、へたにECサイトに出店するのではなくウェブルーミングを徹底するべきではないか」と指摘する』、「「しまパト」と呼ぶ、しまむら“公認”のファン」がいたというのは大変な財産だったのに、「しまむらが持つ「強み」が失われた」というのはお粗末極まる。
・『ワークマンプラスに食われているユニクロ  ユニクロの場合はしまむらのように、客離れを起こしているという兆候はない。 しかし、2019年8月期の上期(18年9月~19年2月)の既存店売上高は前年同期比0.8%の前年割れだった。テレビなどにあれだけ大量の広告宣伝を投入しても既存店は水面上には出なかった。しかも好採算の重衣料が売れる上期の落ち込みは響く。 国内ユニクロの売上高は2018年8月期で前期比6.8%増の8647億円。これだけの規模になっても7%近く伸びているのだから立派という声もあるし、国内の売上高で8000億円以上あるのだから、既存店が多少、マイナスになるのは仕方ないでしょうという意見もある。しかし既存店はもはや、成長期から停滞期に入ったといえるのは確かだろう。 この停滞を促している要因は種々あるが、最近の特徴的な例としていわれているのが、「ワークマンプラス」の台頭だ。ワークマンプラスは、従来のワークマンで扱っていたアウトドアウエアなど商品に変わりはない。 だが、ショッピングセンターに出店し、一般消費者にも買いやすいように商品政策を再構築した結果、マスコミにも取り上げられ、一般消費者の来店が増加、かつてのガテン系の現業職中心の顧客から一般消費者を取り込んで、まさにワークマンプラスブームを巻き起こしているのだ。 ワークマンプラスは19年3月末で12店になる見込み。しかし1年後の20年3月までに計68店とする計画である。 ユニクロの店舗数は800店近くあるのだから、まだまだ競争相手にならない。 しかし、国内ではワークマンプラスがアウトドアウエアで、ユニクロよりも大きく下をくぐる価格を設定しており、ユニクロの同じような商品の価格は相対的に魅力が薄れたようにみえる。 いわばユニクロはワークマンという“カテゴリーキラー(特定の商品分野を豊富に品ぞろえして安値販売するチェーン店舗)”に重衣料(ジャケットやコートなどの衣類)など稼げるカテゴリーを食われているといってもいい』、ワークマンプラスの出店計画は極めて意欲的だが、自信があるのだろう。
・『ユニクロの商品は「革新性」を失いつつある  ユニクロはフリースやヒートテックなど機能性のある商品を生み出し「革新性」があった。しかし、そうした革新的な商品も最近なくなっており、ワークマンプラス現象は、この革新性を失ったユニクロ商品の間隙(かんげき)を突いた格好だ。 ユニクロは海外ではとくに東南アジアを中心にまだまだ成長の余地があるだろう。しかし、国内では低成長に転じており、今後はこの踊り場を経て再成長できるかどうかの正念場でもある。 ユニクロ、しまむらといい、カジュアル衣料品業界に新たな息吹を吹き込んできた両雄は衰退の一途をたどるのか。それとも再び輝きを取り戻せるか』、ユニクロも商品開発には注力しているのだろうが、残念ながら成果につながってないようだ。しまむらも含めた「両雄」の復活を期待したい。

第三に、8月13日付けNEWSポストセブン「消費者の「アウトレットモール離れ」が進んでいる理由」を紹介しよう。
https://www.news-postseven.com/archives/20190813_1424973.html
・『お盆休みに観光も兼ねて大型アウトレットモールで買い物予定を立てている人は多いだろう。1993年に日本で初めてアウトレットモールが開業して以降、大型モールは38店(日本ショッピングセンター協会調べ)まで増え、常に賑わっている郊外施設がある一方で、すでに閉鎖してしまった施設も出るなど、ブームは一服した感もある。ファッションジャーナリストの南充浩氏が、アウトレットモールの現状をレポートする。 日本に初めてアウトレットモールが誕生してから26年が過ぎようとしています。じつは開業当初、業界の中にはアウトレットモールに対して否定的な見方をする人が多くいました。それは流通業界のライバルであるファッションビルや百貨店、総合スーパー(GMS)だけでなく、商品を企画製造するアパレルメーカーの中にも多くいました。 例えば、大手アパレルメーカー「ワールド」のアウトレットモール内での店舗名は、なぜか「ネクストドア」という名前で、ワールドを連想する言葉の欠片すら見当たりませんでした。これはファッションビルや百貨店などへの気兼ねや忖度からこのような名前にしたと言われています。それほどに当時は流通業からのアレルギー反応が強かったといえます。 しかし、開業から26年も経って、すでにアウトレットモールは小売り業態のひとつとして認識されており、変な拒否反応や対抗意識を燃やすファッションビルや百貨店も見当たらなくなりました。 その理由は、アウトレットモールの商品の揃え方、売り方のカラクリが消費者にもバレてしまっているからでしょう。 20年前のアウトレット店は文字通り「売れ残りの在庫品」ばかりだったので、サイズ欠けや色柄欠けがほとんどでした。しかし、今ではどんな種類・サイズの商品も全部ピシっと揃っています。テナント出店している大手各社はアウトレット店専用の新商品をわざわざ作っているからです。 たしかに売れ残り品も入荷しますが、それだけでは売り場は埋まりません。1店舗か2店舗しか出していないような小規模ブランドなら売れ残り品だけでも店を回していけますが、アウトレットだけでも10店以上出店しているような有名店はり品、売れ残だけで埋めることは不可能です。そのため、必然的に専用商品を作らねばなりません。 つまり、現在はアウトレットとは言いながらも、アウトレット品も含めた低価格店舗というのが実態で、大手ブランドになればなるほどその傾向が強まっています。 20年前は郊外に大型アウトレットモールができれば、周辺道路が大渋滞を起こすほど人が押し寄せ、いくつかの施設はいまだに混雑していますが、そうではない施設も出始め、ブームは落ち着いた感はあります。いまでは施設間格差も拡大していますし、閉店となったモールもあります。 例えば、1993年に日本初として誕生した「アウトレットモール・リズム」(埼玉県ふじみ野市)も2011年に閉鎖されています。改装閉店ということでしたがリニューアルオープンした施設はアウトレットモールではないため、必然的にリズムは消滅したといえます。 関西のアウトレットモールも振るいません。大阪・南港にある「タウンアウトレット・マーレ」(大阪市住之江区)は1999年のオープン当初は賑やかでしたが、すぐに閑散としてしまい、今でも一応アウトレットモールとは名乗っていますが、有名ブランドはほとんど出店していません。 また、同時期に大阪・岸和田にオープンしたベイサイドモール「カンカン」も賑わったのはオープン当初だけですっかり寂れてしまい、今ではアウトレットではなく、ユニクロなどのテナントが入店する普通の商業施設となっています。 その一方で好調を維持し続けるモールもあります。御殿場(静岡)、神戸三田(兵庫)などにある「プレミアム・アウトレット(三菱地所)」や、木更津(千葉)、滋賀竜王(滋賀)などにある「三井アウトレットパーク(三井不動産)」の“大手2強”は比較的安定した人気を誇っていますが、その勢いも今後どこまで続くか分かりません』、「アウトレットだけでも10店以上出店しているような有名店はり品、売れ残だけで埋めることは不可能です。そのため、必然的に専用商品を作らねばなりません」、「名ばかりアウトレットモール」に変わってしまったようだ。
・『なにしろ、アウトレットモールは2010年以降、全国に8施設しかオープンしておらず、既存のモールは1990年代~2010年までが開業のピークだったということになります。どうして新規開業にブレーキがかかったのか、いろいろな理由が考えられます。 まず1つ目は、全国の主要な地方にくまなく大型アウトレットモールができてしまったため、これ以上、来店客数を見込める広大な場所が残っていないことが挙げられます。 アウトレットモールは都心に近い立地のほうがいいわけではなく、観光やドライブついでにクルマで郊外を訪れる人たちをターゲットに、近隣や施設内に有名なレジャー施設や豊富なグルメ店舗があることのほうが重要視されています。長島スパーランド(三重)が近くにある「ジャズドリーム長島」(三井アウトレットパーク)などは、その好例です。そうした近隣レジャーと一体化したモールの新規開発は、そう簡単にできるものではありません。 次に考えられる理由としては、わざわざ郊外のアウトレットモールで洋服などを買わなくても、自宅付近にあるジーユーやH&Mなど低価格ブランド店で十分だと考える人が増えたからではないでしょうか。そのため、アウトレットを訪れる人の中には、レジャーついでに立ち寄って食事をするだけで、短い滞在時間で帰るファミリー層も多くみかけます。 ちなみに、近年は同じモール内であらゆる買い物ができる「ワンストップショッピング」を堪能する外国人観光客が増えてきたため、インバウンド狙いのテナントが増えているのも特徴です。 そして、3つ目はネット通販の普及ではないかと考えています。ネット通販にはECモール、ブランド独自店を問わず、常に売れ残り品や値下げ処分品も並んでいます。実際に各サイトでは店頭ではとっくになくなっている去年の商品が値下げされて並んでいることも珍しくありません。これを活用すればわざわざ遠方にあるアウトレットモールに出かける必要はありません。 ZOZOTOWNが、昨年末に打ち出して半年後に廃止となった割引サービス「ZOZOARIGATO(ゾゾアリガトウ)」は業界では物議を醸し、短期間で廃止となりました。有料会員になれば、初回30%オフ・次回以降10%オフで買えるというサービスでその割引分はZOZOが負担するという内容でした。 オンワード樫山やライトオンはこれに反発してこのサービスから撤退しましたが、「ZOZOが自腹で割り引いてくれるのだから、新商品を並べずに在庫処分品を並べてアウトレット的に使えば効果的だ」と言って撤退しなかったブランドもありました。このように、インターネット通販は在庫処分にことのほか適しているのです。 郊外レジャーと一体化した既存のアウトレットモールは、今後も人気テナントの入れ替えや増床などをしながら一定の売り上げや客数を確保していくでしょうが、これから新規のアウトレットモールが次々と開業するということは考えにくくなりました。 単なる「在庫処分の低価格売り場」としての存在価値が薄れるアウトレットモールは、今後は百貨店やショッピングセンターといったリアル店舗を持つ流通業のみならず、ネット通販との戦いも一層激化していくものと見られます。これもまた時代の流れといえそうです』、「郊外レジャーと一体化した既存のアウトレットモール」を除けば、今後は流通業やネット通販との競争激化で、淘汰が進まざるを得ないようだ。
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