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外食産業(中国発「中華料理チェーン」が相次いで日本進出し大人気を博す理由、スタバと大量閉店「黒船チェーン」の決定的な差 本国で成功したコンセプトを生かせてない、いきなり!ステーキと鳥貴族の業績に急ブレーキがかかった理由) [産業動向]

今日は、外食産業(中国発「中華料理チェーン」が相次いで日本進出し大人気を博す理由、スタバと大量閉店「黒船チェーン」の決定的な差 本国で成功したコンセプトを生かせてない、いきなり!ステーキと鳥貴族の業績に急ブレーキがかかった理由)を取上げよう。

先ずは、2月1日付けダイヤモンド・オンラインが東方新報記事を転載した「中国発「中華料理チェーン」が相次いで日本進出し大人気を博す理由」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/192631
・『中華料理の世界が今、新たな変化を見せている。ここ数年、中国で創業した飲食チェーンが、次々と日本市場に参入しているのだ。中国語と日本語の2ヵ国語で新聞を発行している『東方新報』が2つのチェーンを取材、中華料理の最前線を追った』、興味深そうだ。
・『中国で創業したチェーンが相次いで日本に進出  一昔前、海外に散らばった中国人の職業は、「三把刀(3本の刀)」といわれていた。これは、ハサミを使う裁縫、やはりハサミを使う散髪、そして包丁を使う料理だ。 そのうち、料理人が手掛ける中華料理は日本で100年以上の歴史があり、広東省や福建省、台湾出身の華僑が日本に持ち込んだといわれている。 彼らは、日本で弟子を募って育て、弟子たちは自立して自分たちの店を持つようになる。そしていつしか日本では、中華料理がいつでもどこでも食べられるようになった。 そんな中華料理の世界が今、新たな変化を見せている。ここ数年、中国で創業した飲食チェーンが、次々と日本市場に参入しているのだ。その結果、日本の中華料理は「モデルチェンジ」と「アップグレード」の新時代に突入している』、世界中、どこへ行っても中華料理の店はあり、かつて海外出張し際には重宝させてもらった。「中国で創業した飲食チェーンが、次々と日本市場に参入している」、というのは楽しみだ。
・『「現地化」と「消費体験」進める火鍋チェーン店が日本市場に参入  そのうち、海火鍋チェーン店「海底撈(ハイディラオ)」は1994年に創業して以降、大発展を遂げた。船に例えるなら、「飲食業界の巨大空母」といっていいだろう。2017年末現在、世界100都市に300店舗以上の直営店を構え、スタッフは5万人以上、年間のテーブル利用回数はのべ1億席にも及ぶ。 12年に初の海外店舗としてシンガポールにオープン、その後、米国、オーストラリア、韓国、日本と立て続けに20店舗をオープンさせた。 『東方新報』の取材に応じた海底撈の張航社長は、「消費者からの評価と支持を得て、日本に進出以来、各店の回転率は1日平均4回転、18年9月現在、各店の来店者数ものべ30万人以上となりました」と話す。 強さの秘密は、「現地化」と「消費体験」だ。 火鍋のもと(スープ)など、一部食材は中国の本部から送るというが、それ以外のものは全て現地、つまり日本で買いつけているという。 「日本に『郷に入っては郷に従え』という言葉があるでしょ。日本で出店する上で、できる限り日本人の好みに合わせようと考えてメニューを開発して提供しました。そのため、材料は日本で調達しています。そうすることで、1人でも多くの日本の消費者を魅了させていきたいと考えてきました」(張社長) ショーやイベントも海底撈の特徴だ。日本の店舗では、「麺打ちパフォーマンス」を始め、一瞬でお面が変わる中国の伝統芸能「変面」のショーといったイベントを開催している。 そうしたパフォーマンスにしても、「単に行うだけでなく、複数の料理人で競わせたり、来店客も参加できるようにしたりして、来店客の“消費体験”を高めていくことにしている」というのだ』、なるほど。
・『一方で、いい業績を残すためには、いい管理体制なくしては語れない。張社長によると、国内外含めた全店舗を直営にし、法務や財務、店舗拡大戦略といった管理部門の全てを本部で統括する体制を取っているという。 後継者育成にもこだわりがある。 「各国で1号店を出すときには、必ず中国人の店長を抜てきする。だが、2号店、3号店と店舗を拡大させる場合には、新しい店舗を出店できるようになるまで師匠が弟子の面倒を見る『師弟制度』を取っている」(張社長) 料理人や接客スタッフなどの選考については、「現地の状況を踏まえた上で、現地スタッフを雇うか、それとも中国人スタッフを派遣するかを考える」と話す。しかし、各地域の店舗のほとんどが現地スタッフで運営され、具体的な業務ポジションは各店舗の運営状況によって決められているようだ。 このように現地化した海底撈は、日本に根づき始めているが、最近では口コミサイトやインフルエンサーによって火がつき、さらに人気を博している』、「各地域の店舗のほとんどが現地スタッフで運営され、具体的な業務ポジションは各店舗の運営状況によって決められている」、という現地化はさすがだ。
・『ミシュラン1つ星レストランが本場の味で香港グルメの風を吹かす  「われわれのターゲットは、本場の味を好むお客さま」 そう語るのは、国内外で中華料理レストランを展開するレストランチェーン「WDI」の清水謙社長だ。18年4月、香港でミシュラン1つ星に輝くレストラン「添好運(ティム・ホー・ワン)」を、東京の日比谷にオープンさせた。 現在、添好運はすでにシンガポール、フィリピン、タイ、インドネシア、マレーシア、オーストラリアなどにも店舗を構え、日本も含めた多くの国に“香港グルメの風”を吹かせている。 清水社長によると、添好運との出会いは8~9年前。海外出張時に、飛行機の機内雑誌に載っていた記事を読んだのがきっかけだったという。当時、創業者である麦桂培シェフは、4年連続でミシュラン3つ星を獲得していたレストランから独立し、添好運をオープンさせたばかりのころだった。 「その記事を見て『添好運』に興味を持ち、実際に香港のお店に行きました。予想通り料理はとてもおいしかった。そこで、2人のシェフに尋ねたのです。『添好運を海外に出店させる気持ちはないか』と。しかし、彼らの答えは、『すでに、あるシンガポール企業と提携し、アジア圏における経営権を渡してしまった』だったんです」(清水社長)。 壁にぶち当たった清水社長は、一度日本に戻り、作戦を練ってから再び香港へ向かった。そして改めて麦シェフに、「どうあっても添好運を海外展開させたい」と、強い気持ちをぶつけたという。 そのかいあって清水社長は、米国とヨーロッパにおける経営権を得ることができた。 「2年前にニューヨーク店を開店させ、その後、アジアで経営権を持っていたシンガポール企業と交渉、彼らの許可によって日本の経営権を得たことで、ようやく日本で開店することができたのです」(清水社長) メニューを決める上で、清水社長はもともとのメニューの中から日本人が好みそうなものを選択するが、味つけの調整はしない。本場の味を楽しんでほしいと考えているからだ。 こうして出店した添好運が、なぜオープンからわずか数ヵ月で行列の絶えない爆発的な人気店となったのか。この質問に対し清水社長は言う。 「100人の日本人がいて、おそらく60人くらいが日本風味の食べ物を好むだろう。残りの40人は海外旅行経験などあって、外国の食べ物を好む人たちだ。もちろん、60人の中にも海外経験者はいると思うが、ただ『日本は最も安心な国』だと考えている人たちだ」。 そしてこう続ける。「日本は島国だからそんな人たちが過半となっているが、私たち添好運がターゲットとしているのは60人の方ではなく、40人の方なのです。60人の方には苦手という人もいるかもしれないが、彼らは私たちの顧客ではないからそれでいいんです。たとえ40人と少なくても、熱烈なファンになってくれれば、リピーターとしてまた店に来てくれるわけですから」』、清水社長の「日本の経営権」取得の粘りや、ターゲットを「本場の味」に絞ったやり方は大したものだ。
・『中国国内でも大変化 地域の料理を集約した系統料理へ  このように、日本における中華料理も変化しているが、本場、中国国内に目を向けても、ここ10~20年の間で大きな変化が起きていた。 以前の料理人は、東北出身の料理人であれば東北料理を、山東出身の料理人なら山東料理を、といった感じで、それぞれの地域の料理を作ってさえいればよかった。しかし、経済発展に伴って料理人たちの流動化も進んだ結果、中華料理は各地の料理を融合させた「系統料理」(北京料理、四川料理など中国八大料理)として発展した。 そうした流れが加速、結果的に料理人の出身地がどこであっても、料理人は中国各地の料理はもちろん、系統料理が作れるようになった。そうした料理人たちが来日したことで、日本に系統料理が“輸入”され、日本においても中華料理は新たな発展を遂げたのだ。 日本における中華料理も今後、こうした系統料理が中心となっていくことだろう』、「系統料理」とは初耳だが、新な発展とは今後が楽しみだ。

次に、経済評論家、百年コンサルティング代表の鈴木 貴博氏が6月15日付け東洋経済オンラインに寄稿した「スタバと大量閉店「黒船チェーン」の決定的な差 本国で成功したコンセプトを生かせてない」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/286377
・『相次ぐフードチェーン店の大量閉店、各社の事情  アメリカから黒船のごとく上陸して一時は日本でも熱狂的な支持を得たフードチェーン店の大量閉店が相次いでいます。最近ではバーガーキングが5~6月で23店舗を閉店することになりました。サンドイッチチェーン世界最大手のサブウェイも過去5年間で200店規模のお店を閉めています。一昔前にはあれほどの長蛇の列ができていたクリスピークリームドーナツも店舗戦略を改めて、新宿駅にあった1号店はすでに2017年で閉店しています。 3つのチェーンの閉店理由は、おのおのの特別な事情が背景にあります。しかし、一段掘り下げると、実は深層レベルではアメリカの有力チェーン店が克服しなければならない共通の問題が存在していたことが見えてきます。日本市場にはどのような落とし穴が潜んでいるのでしょうか。各社の事情を見ながら、有力チェーンの参入を妨げる魔物の正体を探っていきましょう』、「有力チェーンの参入を妨げる魔物の正体」、とは興味深い。
・『バーガーキングは国内99店舗のうちの6月末までに計23店舗を閉店します。もっともバーガーキングを運営するビーケージャパンは、今回の閉店をスクラップアンドビルド戦略の一環と説明しています。今後の成長が望めない店舗を閉店する一方で、今年の下半期までに20店舗の新店舗を開店する計画。それはそうなのかもしれませんが、過去、バーガーキングは何度も苦境を迎えていて、閉店と再チャレンジを繰り返してきています。 バーガーキングは1993年、「アメリカでマクドナルドに急接近する第2位のハンバーガーチェーンだ」という話題とともに西武グループの招きで日本に上陸しました。バブル崩壊後に西武グループの流通ビジネスが整理を行うことになり、バーガーキングの日本での経営権はJTが引き継ぐのですが、結局は業績不振で2001年に日本から撤退します。 2006年にロッテリアが企業支援ファンドのリヴァンプと組んで日本再上陸を試みます。この再上陸でもかなり力を入れて展開を試みたのですが期待したようには業績は伸びず、2010年に韓国のロッテリアに経営権を1400ウォン(約100円)で譲渡します。その後ライバルのマクドナルドが不祥事で業績を下げる中でも事業拡大は見込めず、2017年に香港の投資会社アフィニティ・エクイティ・パートナーズへと経営権が移ります。 今回は経営権が新しくなった中でのスクラップアンドビルドなので計画通り新店舗への投資は実施されると思われますが、バーガーキングがアメリカ本社の思うほど日本で業績を伸ばせていないという状況はこれまで一貫しています。 バーガーキングが苦しんでいる理由はマクドナルドが低価格戦略で成功している市場で、消費者から見てそれほど大きな違いのないバーガーキングがプチプレミアムと呼ばれるやや高めの価格を維持しようとしていることに問題があるといわれています。この点について一段深く掘ると、もう少し複雑な事情が見えてくるのですが、まずは他のチェーンの事情も見てみましょう』、バーガーキングの日本側スポンサーの目まぐるしい変遷は、驚くべきものだ。ただ、「23店舗を閉店・・・今年の下半期までに20店舗の新店舗を開店」、というのはまだ「スクラップアンドビルド」の段階のようだ。
・『バーガーキングと比較するとサブウェイの大量閉店はより深刻です。つい先月も首都圏で20店舗を運営していた大手フランチャイズ運営企業が破産宣告を受けるなど、フランチャイズ側も儲からない。一方で日本法人も赤字が続き、投資をする体力が落ちてきています。ピークといわれた2010年代中盤から見ると200店舗規模での店舗閉鎖が起きています』、本当に深刻なようだ。
・『3社の乗り越えられていない課題とは?  かつてサブウェイは「その場で作る健康的なサンドイッチチェーン」として日本でも急速に店舗数を増やしました。ちなみにサブウェイは世界的には店舗数がマクドナルドを上回る世界最大のチェーン店で、世界で約4万4000店を展開しています。日本では1992年の上陸以降、「野菜のサブウェイ」のスローガンを打ち出し店舗数は急拡大。健康に気遣う女性を中心に業績を伸ばしました。 しかしその売り上げの大半がランチタイムに集中するという弱点があって、かつ、手作りである分オーダーから製品提供まで時間がかかるといった事情もあり、ほかにも健康を標榜する競合が台頭する中で、サブウェイからゆっくりと顧客離れが進んでいきました。価格帯としてはバーガーキング同様にプチプレミアム価格だったことで、ランチタイムの女性需要以外の新需要が開拓できなかったことがマイナスに働いたといわれています。 クリスピークリームドーナツはバーガーキングと同時期に同じロッテリアとリヴァンプが手を組んで日本に上陸しました。1個160円の軽くて甘いオリジナルグレーズドというドーナツが大人気となり、1号店となった新宿サザンテラス店には2時間待ちの長蛇の列ができ、大きな話題を呼びました。このオープン時の熱狂が後の反動減につながったといわれています。全国64店舗まで拡大したあたりをピークとして、店舗数も縮小を始めます。こうして2015年以降、全国で20店舗が閉店されていきます。 2016年にはあれだけ人気だった新宿の1号店も閉店が決まりました。クリスピークリームドーナツはこの一連の大量閉店を戦略転換だと言っています。行列のできる店から、長く愛される店へと転身を図る中で大型店を閉鎖する一方、小型で居心地のいいお店を増やしていく。新宿エリアでは新しい新宿のランドマークになった東宝のゴジラビルの直下にそのような新店舗が開店しています。 さて3つのチェーンの閉店の事情はこのようにそれぞれ違います。しかし事情は違ってもそれぞれにある共通点があるということが今回の記事のポイントです。 アメリカで大成功して、そのコンセプトで日本に上陸して、日本でも当初は歓迎される。しかしプチプレミアム価格帯であることが途中でマイナスに働くようになり、やがて需要が減少していく。起きてきた事象を見てみると、よく似たことが3つのチェーンとも起きています。そしてその後ろには、ある魔物が存在している。ここが3社の乗り越えられていない課題です。 アメリカから上陸した他の有力チェーンでは、この3社のような罠に陥らずに成功している飲食チェーンも存在しています。いちばん目立つのはスターバックスコーヒーでプチプレミアム戦略が功を奏して高収益チェーンの象徴といわれるほど展開がうまくいっています。では大量閉店の3社は何が違ったのでしょうか? 実は3社のチェーンはどれも、アメリカで成功したコンセプトが日本市場に文化として受け入れられていない。ここが共通の深層要因であり、乗り越えられていない魔物の正体です。 バーガーキングがなぜアメリカで成功したのか。その理由はマクドナルドとよく似たメニューをそろえながら、調理の際に網焼きにすることで余計な脂を落として調理したことです。ハンバーガーというジャンクフードを調理のプロセスで少しだけ健康によい食べ物に変えたという点が、そもそものバーガーキングの成功コンセプトです。 アメリカではこのことがCMで強調されていて、全米の父母が「ハンバーガーを食べに行きたい」という子どもを連れて行く店として、マクドナルドよりもバーガーキングを選択した。それがバーガーキングのそもそもの成長の原動力でした』、バーガーキングが「ジャンクフードを調理のプロセスで少しだけ健康によい食べ物に変えた」、というのは私も知らなかった。
・『スターバックスがなぜ日本であれだけ成功したのか  ところが日本のバーガーキングは最初の上陸から20年以上が経つのに、この特徴を日本市場できちんと伝えていません。結果、子どもの顧客は少ないまま。そしてジャンクフードが好きな顧客はマクドナルドに流れ、健康的なハンバーガーが好きな顧客はフレッシュネスバーガーに流れるという形で顧客を奪われ、市場の中でなぜ存在しているのか消費者にもよくわからない。中途半端な存在になっているのです。 サブウェイはそもそもアメリカでは「サンドイッチを夕食としても食べる文化がある」という前提で成長した企業です。細長いパンを真ん中で半分に切ったサイズがランチ用、パン一本分のサイズがディナー用というのが本来望ましい食べ方です。しかしこのコンセプトが日本市場に根付いていない。日本ではあいかわらずサンドイッチは昼食で食べるメニューのままです。 結果売れるのはランチの女性向け需要だけ。その日本市場特有のニーズに20年間フォーカスしすぎて、文化を変えられていない。それ以外の時間帯の需要が創造できていない。しかも男性にとっては量がちょっと物足りない。男性を捨て、夕食を捨てればアメリカの4分の1の業績になるのは当然です。 厳しく言えば、サブウェイは日本の文化を変える投資を27年間怠ってきた結果、本来の強さが刺さらない市場で戦い続けるという苦しい状況を自らが招いてしまっているのです。 クリスピークリームドーナツはアメリカではとても甘くてふわっとしていて「いくつも食べたいドーナツ」を提供し、それを「1ダースを標準サイズとして家に持ち帰る」というコンセプトで伸びた会社です。当初は日本でもこのコンセプトは受けましたが、現在では甘さを抑えたドーナツを開発し、小さな店舗で少ない顧客を相手にビジネスを行っている。これが悪いとは言いませんが、アメリカでウケた成功コンセプトが日本市場向けに変質しているという点では課題は他の2社と共通しています。 スターバックスコーヒーがなぜ日本であれだけ成功したのか。それはアメリカで成功したコンセプトからぶれていないからです。 そもそもアメリカで成功したコンセプト自体もそれまでのアメリカ市場の文化を変えたところから始まっています。イタリアで栄えている、そしてアメリカにはなかったエスプレッソコーヒーの香りと味を愉しむコーヒーショップをシアトル発で展開したい。そうやってアメリカの文化を変えることで成功し、日本でもそれまでの日本の喫茶店文化を変えることでスターバックスは大成功を収めてきました。 アメリカであれだけ成功しているチェーンであるということは、そのコンセプトにはそれだけの強みが存在していることを意味しています。それはどのチェーンにとっても共通点です。しかしこれらの3社はそのコンセプトに投資して、日本の文化を変えていくことに力を入れてこなかった。そのようなチェーンが今、大量閉店を招いているように私には見えるのです』、スターバックスコーヒーが「アメリカにはなかったエスプレッソコーヒーの香りと味を愉しむコーヒーショップをシアトル発で展開したい。そうやってアメリカの文化を変えることで成功」、確かに、文化を変えるほどの強みがないと、定着は難しいようだ。

第三に、8月19日付けダイヤモンド・オンライン「いきなり!ステーキと鳥貴族の業績に急ブレーキがかかった理由」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/211256
・『・・・今年に入り業績に黄信号 出店拡大による弊害が原因  破竹の勢いで成長してきた「いきなり!ステーキ」が、ついにつまずいた。 運営するペッパーフードサービスは6月、2019年12月期の営業利益を従来予想の55億円から20億円へと大幅に下方修正することを発表。通年の出店計画も210店から115店に減らすなど、成長に急ブレーキがかかった。 いきなり!ステーキといえば、“手軽に食べられる厚切り肉”という売りが消費者の胃袋をつかみ、ここ数年注目を集めてきた。高原価率の商品を提供する一方、客席の回転率を高めることで利益を生み出すという特徴的なビジネスモデルを持つ。 そんないきなり!がなぜ苦境に立たされているのか。 最大の原因は、同店の特徴であった急成長そのものが裏目に出ていることだ。 いきなり!は、1号店を開店して以来わずか6年弱で約500店舗まで拡大。昨年は1年間で200店も出店し、外食業界では常識外れのスピード出店を続けてきた。 だが、その急展開に中身が追い付かなかった。 弊害の一つが自社競合だ。特に、ここ最近力を入れてきた郊外エリアでは店舗の商圏を狭く見積もるなど想定が甘く、自社の店舗同士で客を奪い合う結果となった。 さらに、人材育成にもほころびが生じた。清掃や接客といった店舗サービスの質が悪化したことで、消費者の離反を招いたのだ。 実は、こうしたニュースの動きも、PLと決算数値を使って読み解くことが可能だ。 まず、19年の業績予想を見ると、企業規模を表す売上高自体は右肩上がりに成長しており、一見好調そう。ところが、肝心のもうけの大きさを表す営業利益率は急落しているのだ その要因は、新店以外で集計される「既存店売上高」が落ち込んでしまっているせいだ。 そもそも、営業利益は、売上高から原材料費(売上原価に含まれる)や、人件費・店舗の賃料(販管費に含まれる)といった費用を引いたものであるが、人件費や賃料は固定費と呼ばれ、売り上げが悪くても必ずかかってしまうもの。 つまり、売上高が下がれば相対的に固定費の負担は重くなり、営業利益は必然的に悪化するというわけだ。店舗数が増えたことで決算書上の売上高がいくら増えても、既存店の業績が悪化してしまえば本末転倒なのである。 この新店効果を除いた既存店売上高の動向は、出退店のサイクルが比較的速い外食業界では、企業の実力を反映する数値として決算書の数字と同じぐらい注視される。決算説明資料などに必ず前年比の推移が掲載されているので、分析するときは要チェックだ。 さらに、この間の店舗増加数を追ってみると、18年4月以来、既存店売上高前年比100%割れが続いているが、その直前から月に10店舗を超える出店を続けており、出店拡大と既存店の落ち込みがリンクしていることも分かる。 出店攻勢が既存店の業績に悪影響を与え、PLの利益水準を落とす。これが、同社の不調の構図だ。 「この人手不足の時代に、大量出店すること自体大きなリスクとなっている」と、ある外食アナリストが指摘するように、いきなり!の不調はある意味必然の結果だ』、記事は国内中心だが、海外はもっと悲惨だ。6月15日付け日経新聞によれば、「いきなり!の親会社のペッパーフードサービスは、米ナスダック取引所に上場廃止を申請した。米国内11店舗のうち7店舗を閉鎖、一部店舗は業態転換。2018.12期決算では米国事業不振で25億円の損失を計上」とのことだ。ステーキの本場に殴り込みをかけると意気込んでいたが、とんだ返り討ちに会ったものだ。
・『実は、全く同じ状況にあるのが、焼き鳥チェーンの鳥貴族だ。 「298円均一」でおなじみの同社も、ここ数年メディアへの露出の効果などで注目を浴びてきた。 だが、こうした露出の効果による一時的な客数の増加を「実力」と読み誤った結果、新規出店を加速。既存店の近隣などに出店したものの、いきなり!と同じく自社競合を招く結果となり、既存店の売り上げを痛めた。 さらに、鳥貴族の場合、17年10月に行った280円均一からの値上げもダブルパンチとなった。元々、競合と比べてお得さで人気を博してきた同社だけに、値上げによって価格に敏感な消費者から敬遠されたのが痛手となった。 現在は、新規出店を一時停止。店舗網の再構成やブランド強化などで既存店の回復に努めている。 成長を目指し店舗の拡大を狙うのはもっともなことだが、両社に共通するように、そのスピード感と既存店の維持とのバランスを保つことが、外食企業にとっては生命線となるのだ。 ところで、同じく近年メディアへの露出などで話題を集め、順調に拡大している居酒屋チェーンの串カツ田中はどうだろう。同社は、長期目標として「全国1000店体制」を掲げるが、店舗増加数は安定しており、既存店売上高も平均的に増加している。 昨年6月に導入した全席禁煙化の反動が影を落とすなど別の不安材料はあるが、少なくとも、こうした安定的な出店ペースを維持することが、「1000店」を達成するための一つの鍵となることは間違いない』、「既存店の近隣などに出店」するというのは、恐らく商材の配送、ドミナント戦略などを考慮してのことなのだろうが、反面で「既存店」の苦戦は当然、予想されたことだ。ますます深刻化する人手不足のなかで、外食企業の生き残り戦略が注目される。
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