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安全保障(その8)(台湾有事 米国は在日米軍基地の確実な使用を求める、「日本を守っていない」在日米軍の駐留経費負担5倍増額は不可能だ、日本はまた「戦争」をする国になってしまうのか その不安と恐怖 そして今 経営者に求められる覚悟) [外交・防衛]

安全保障については、7月22日に取上げた。今日は、(その8)(台湾有事 米国は在日米軍基地の確実な使用を求める、「日本を守っていない」在日米軍の駐留経費負担5倍増額は不可能だ、日本はまた「戦争」をする国になってしまうのか その不安と恐怖 そして今 経営者に求められる覚悟)である。

先ずは、7月18日付け日経ビジネスオンライン「台湾有事、米国は在日米軍基地の確実な使用を求める」を紹介しよう(Qは聞き手の質問)。
https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00023/071600079/
・『大阪で6月に開催されたG20首脳会議後の記者会見で、トランプ米大統領が「日米同盟はアンフェア」だと発言した。同大統領は日米同盟の本質を理解しているのか。その不満を解消する手段はあるか。台湾や朝鮮半島有事に日米はいかなる連携をするのか。米ランド研究所のジェフリー・ホーナン研究員に聞いた。 (ホーナン氏のインタビューの前編「ホルムズ海峡で低強度紛争起これば、日本に後方支援求む」はこちら) Q:ドナルド・トランプ大統領の「日米同盟はアンフェア」発言について伺います。 同大統領は日米同盟のありようを理解しているでしょうか。日本は基地を提供。米国は日本とシーレーンの防衛を提供。提供するものは異なるけれども平等な条約というのが日米の共通理解だと思います。 ホーナン:残念ながら理解していないと思います。トランプ大統領の認識は、1980年代の日米関係のまま固定化されているのでしょう』、「トランプ大統領の認識は、1980年代の日米関係のまま固定化されている」というのはとんでもないことだ。米政府関係者は何をしているのだろう。
・『それでも、基地の提供はスタート地点  日本はその後、湾岸戦争に臨んで海部俊樹首相(当時)が自衛隊による貢献に一歩を踏み出したのを皮切りにさまざまな努力をしてきました。国連PKO(平和維持活動)への参加、後方支援に対する地理的限定の削除、イラク戦争やアフガニスタン戦争での貢献--。 これらは米国を直接防衛するものではありません。しかし、日本は確実に貢献してきました。それが、トランプ大統領の目には入っていません。 また、日本の基地がなければ、米国は西太平洋からインド洋にかけて前方展開することができません。日本はその基地の経費も多額を負担しています。トランプ大統領がこうした日本の貢献について語るのを聞いたことがありません。彼は米国と日本の関係は、米国とNATOの関係とは異なるのを理解していないのです。同盟国の役割を、互いを「守るか」「守らないか」という狭い範囲に限定してしか見ていない。 日本の一部には以下の意見があります。日本が提供する基地の価値は非常に大きい。米国が負担する防衛義務とバランスが取れている。これ以上、日本の負担を増やす必要はない。これをどう思いますか。 ホーナン:基地の提供と米軍駐留経費の負担は「ベース」になっています。日本は「平成」の時代に安全保障法制を成立させました。「令和」の時代は、同法の下で何を実行するかが問われると思います』、安倍首相は日本の役割をトランプ大統領に説明すべきだ。
・『米軍駐留経費の増大は日米に不満をもたらしかねない  Q:令和の時代に何をするか。次の4つの案があります*。評価を聞かせてください。第1は、米軍駐留経費の負担を拡大させる、です。 *:防衛大学校の武田康裕教授が、以下の案を実現するプランや装備を具体的に設定し、必要なコストを試算している。概要は「日米同盟へのトランプ氏の不満、解消にかかる金額は?」を参照。 ホーナン:その案は、日米双方が不満を残す結果になる恐れがあります。日本が100%負担すれば米国は満足でしょう。「家賃がただ」なわけですから。 Q:でも、その場合は、日本国内で日米地位協定の改定を求める世論が高まるでしょうね。 ホーナン:おっしゃる通りです。では、現行の水準と100%との間のどこを落としどころとするか。日本は、負担するパーセンテージを増やすたびに「この上昇がいつまで続くのか」という不信感を抱くことになります。一方、米国側も「もっと増やすことができるのでは」と考える』、。
・『ミサイル防衛システムの拡充は「ウィン・ウィン」  Q:第2の案は、ミサイル防衛システムの拡充です。新たにTHAAD(地上配備型ミサイル迎撃システム)を加える。迎撃ミサイルは現在、イージス艦に搭載するスタンダードミサイル(A)と、地上に配備するパトリオットミサイル(B)で構成しています。これにイージス・アショア(C)を追加することが決まっています。(C)は(A)を地上に配備する仕様のものです。THAADを加えることで、弾道ミサイルの軌道のミッドコース(弾道の頂点)とターミナル段階(大気圏に再突入し着弾に至る過程)のカバーを強化することができます。 ホーナン:これはよいですね。日本、在日米軍、そして米軍のみなに利益をもたらします。この分野はすでに日米の協力が進んでいますが、協力をさらに深められる分野です。 Q:第3の案は、シーレーン防衛のため、空母を導入する案です。F-35Bを48機搭載できるクイーン・エリザベス級の空母を3隻導入し、それぞれを中心に3つの空母打撃群を構成する。1つの打撃群は6隻の護衛艦(うち3隻は艦隊防空を担うイージス艦)、2隻の潜水艦、1隻の補給艦で構成する。 ホーナン:理論的には良い案だと思います。しかし、実現が難しいのではないでしょうか。3つの空母打撃群を運用するには、それ用の訓練を受けた多数の人材が必要です。今の海上自衛隊でそれを賄えるでしょうか。最も適切な質問は、日本に空母が必要かどうか。私はまだ100%確信してはいません』、「第3の案」の「空母を導入する案」は問題があり過ぎる。
・『島しょ防衛は、統合運用の強化を  Q:第4の案は、島しょ防衛の強化です。在沖縄米海兵隊が使用するキャンプバトラーと普天間基地の施設管理を自衛隊が引き継ぐ。加えて、強襲揚陸艦とドック型輸送艦、ドック型揚陸艦の3隻で構成する部隊を3組整える。 ホーナン:これは良い案ですね。この分野の力が十分ではなかったので、陸上自衛隊が水陸機動団を2018年に設置しました。 ただし、私が見るところ、島嶼防衛の問題は装備ではなく、統合運用の練度です。水陸機動団が力を発揮するには、航空自衛隊と海上自衛隊による上空と海上からの支援が欠かせません。仮に尖閣諸島をめぐって中国と争うことになった場合、陸上自衛隊だけで戦うなら日本は負けます。 陸上自衛隊と米陸軍、海上自衛隊と米海軍、航空自衛隊と米空軍のインターオペラビリティー(相互運用性)の向上や情報共有はかなり進みました。しかし、自衛隊の中の陸・海・空の統合運用が不十分だと思います。 例えば、航空自衛隊と海上自衛隊はLink-16と呼ぶ情報通信ネットワークを通じて情報を共有していますが、陸上自衛隊は今のところこのネットワークに入っていません。各自衛隊間の通信は一定程度確保できているものの、使用する機材、システム、周波数が異なるため、まだ改善の余地があると思っています。情報が共有できなければ、陸上自衛隊の水陸機動団の装備をいくら増やしても、それを生かすことはできません。陸上自衛隊が同ネットワークに加わるのはイージス・アショアの導入を待つ必要があります。 陸上自衛隊、海上自衛隊、航空自衛隊が参加する統合訓練を強化する必要があると思います。仮に水陸機動団が尖閣諸島奪還のために上陸を試みる場合、これに対するミサイル攻撃を防ぐべく上空の安全を確保しなければなりません。これを提供するのは航空自衛隊や海上自衛隊です。例えば陸上自衛隊のオスプレイと航空自衛隊のF-16が連携する訓練などをもっと行うべきでしょう。 自衛隊は優秀な装備を所有しています。これの統合度が高まれば、米国にとっても利益になると思います。 Q:トランプ大統領は米国製装備を日本にもっと買ってほしいようですが。 ホーナン:日本が戦闘機をもっと買ったとしても、パイロットや整備士が足りなければ意味がありません。トランプ大統領の視点は近視眼的なのではないでしょうか』、「航空自衛隊や海上自衛隊」と「陸上自衛隊」の「統合度」向上は必須の課題だ。
・『台湾有事には、在日米軍基地の確実な使用を求める  Q:対中国の抑止力を高める施策で、米国が日本に求めるものはありますか。 ホーナン:日本はすでにいろいろ取り組んでいます。例えば、中国のA2AD戦略*に対峙すべく、南西諸島における体制を強化していますね。 *:Anti Access/ Area Denial(接近阻止・領域拒否)の略。中国にとって「聖域」である第2列島線内の海域に空母を中心とする米軍をアクセスさせないようにする戦略。これを実現すべく、弾道ミサイルや巡航ミサイル、潜水艦、爆撃機の能力を向上させている。第1列島線は東シナ海から台湾を経て南シナ海にかかるライン。第2列島線は、伊豆諸島からグアムを経てパプアニューギニアに至るラインを指す。 陸上自衛隊が今年春、宮古島に駐屯地を設置しました。来年以降、地対空ミサイルや地対艦ミサイルの部隊を配備する予定です。奄美大島の奄美駐屯地には03式中距離地対空誘導弾(中SAM)を、瀬戸内分屯地には12式地対艦誘導弾(SSM)を配備しました。石垣島でも駐屯地を置く計画が進んでいます。これらに先立つ2016年には、日本の最西端である与那国島に沿岸監視隊を配備しました。 ホーナン:この取り組みは米国にも利益をもたらします。在沖縄の米軍基地を守る能力が高まります。さらに、宮古海峡を封鎖し、中国海軍が第1列島線を出て西太平洋に展開するのを防ぐ力も充実します。 Q:日米の一部に、中国が台湾に軍事侵攻する可能性が高まっていると見る向きがあります。 ホーナン:仮にそうなったら米国は日本に、在日米軍基地の使用(アクセス)とその防衛を求めるでしょう。特に沖縄の基地は重要です。これは日米安全保障条約の第6条に基づく要請です。基地が使えないとしたら、米国から見て、同条約が存在する意味がありません。 加えて、日本は攻撃されていない限り、日本のEEZ(排他的経済水域)の中で情報 · 監視 · 偵察 (Intelligence, Surveillance and Reconnaissance)や米軍の艦船の護衛を求めることがあるかもしれません。 日本が攻撃されていない限り、それ以上のことはないと考えます。台湾防衛戦に日本が参加(engage)したら、それは中国と戦うことを意味します。さまざまな政治問題が生じます。日本にとって難しい選択でしょう。そうした議論は、米国の公文書を読んでも全く書かれていません。国防総省内でそのような議論があったかもしれませんが、それは分かりません。 Q:基地使用には、事前協議が必要になります。しかし、ベトナム戦争をはじめ、これまで事前協議が行われたことはありません。日本人はここに不安を感じています。 ホーナン:台湾が対象となる場合、米国は日本と必ず事前協議する必要があります。中国を空爆した米軍の爆撃機が沖縄の基地に直接帰還する可能性があります。台湾から最も近い基地ですから。その場合、日本が中国の攻撃対象になるかもしれません。漁業に携わる人や海上保安庁の要員に犠牲者が出かねません。 Q:朝鮮半島有事の場合は、事前協議はありますか。2017~18年にかけて、米国が北朝鮮を武力攻撃する可能性が高まったのは記憶に新しいところです。 ホーナン:朝鮮半島有事の場合は戦闘の規模によると思います。局地的なものであれば、在韓米軍だけで十分に対処できるでしょう』、台湾有事の場合の「事前協議」は明確化しておくべきだろう。
・『朝鮮半島有事には必ず事前協議する  Q:しかし、朝鮮戦争のような規模に拡大し、在日米軍を派遣する必要が生じた場合には、事前協議が必要と考えます。 米国が戦争するのに日本の基地を使用する場合、基本的には事前協議をするのだと思います。ベトナム戦争の時にしなかったのは、北ベトナムが日本を攻撃する可能性が全くなかったから。一方、相手が中国や北朝鮮である場合、日本に被害が及ぶ可能性がある。よって、これに関わるかどうか、日本は自分で判断したいでしょう。そのため事前協議が必要です。 米国が今後、在韓米軍を撤収させる可能性をどう見ますか。第3回目の米朝首脳会談が6月30日に行われ、トランプ大統領が北朝鮮に足を踏み入れました。これによって、朝鮮戦争の「終戦宣言」を出すハードルが低くなったという見方が浮上しています(関連記事「日韓会談を見送った日本、米朝韓協議を見守るだけ?」)。 ホーナン:現時点で撤収させる可能性は100%ないと考えます。米下院が5年、在韓米軍の規模を現行の2万8500人から減らしてはならないと定める法律を可決していますし。 終戦宣言が出れば、韓国の国民が米軍の撤収を求めることがあるかもしれません。しかし、米国は受け入れないでしょう。在韓米軍は米韓同盟に基づいて駐留しています。終戦宣言を出すことと、米韓同盟の破棄とは連動しません。ただし、韓国の政府が、その国民の声を無視できるかどうかは不透明です。 Q:トランプ大統領は今年2月、「現時点で撤収する計画はない」と明言しましたが、その一方で、「いつかするかもしれない」とも発言しています。 ホーナン:トランプ大統領は軍事的な視点ではなく、コストの視点から発言しています。米国が2017年12月に発表した国家安全保障戦略や2018年1月に発表した国家防衛戦略には在韓米軍が持つ軍事的な重要性が記されています。 Q:在韓米軍は、アジアにおける事実上唯一の米陸軍部隊です。在日米軍の陸軍は規模が非常に小さいので。これを維持する必要があるわけですね。対中国の抑止力として重要視されています。 ホーナン:そうした目的があると思います。米軍は認めないかもしれませんが。 ただし、在韓米軍の活動範囲は原則として朝鮮半島内に限定されます。在日米軍の活動範囲がアジア全体に及ぶのとは性格が異なります。 例えば、イラク戦争の時に、当時のドナルド・ラムズフェルド国防長官が在韓米軍の一部を割いて、イラクに派遣しました。この部隊は、その後、韓国に戻してはいません。戻すと、条約違反になる可能性があったからです。 朝鮮戦争の終戦宣言が出たら、在韓米軍の性格も変わるかもしれないですね。冷戦が終結したのを受けて、NATOはその役割を見直しました。同様のことが起こる可能性があります』、日本としても主体的に日米同盟のあり方を見直してゆくべきだろう。

次に、軍事ジャーナリストの田岡俊次氏が8月22日付けダイヤモンド・オンラインに寄稿した「「日本を守っていない」在日米軍の駐留経費負担5倍増額は不可能だ」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/212434
・『7月31日の朝日新聞夕刊は、同21日に来日した米大統領補佐官(安全保障担当)ジョン・ボルトン氏が米軍の駐留経費について「現在の5倍の支払いを求める可能性があると述べた」と報じた。 米政府の中にそのようなことを言った人がいたのだろうが、あまりに法外な話だ。 「3倍」「5倍」説を流して日本側を驚かせ、イラン包囲網の「有志連合」に参加させたり、2021年3月に期限切れとなる在日米軍経費負担に関する特別協定の再交渉が来年に始まる前にベラボウに高い「言い値」を出し、交渉で値引きすることで増額を狙うトランプ式の駆け引きか、とも思われる』、トランプ流の「ディール外交」には冷静に対応すべきだ。
・『協定改定や貿易交渉にらみ「安保終了」などで駆け引き  この報道について、菅義偉官房長官は31日の記者会見で「ボルトン氏がそのようなことを言った事実はない」と述べた。 だが、トランプ大統領は2016年の大統領選挙中から「日本に駐留する米軍経費は100%日本に支払わせる。条件によっては米軍を撤退させる」と叫んでいた。 最近でも、今年6月26日のFOXビジネスネットワークのインタビューで、「日本が攻撃されれば米国は我々の命と財産をかけて日本人を助けるために戦闘に参加する。だが、もし米国が攻撃されても日本は我々を助ける必要が全くない。米国への攻撃をソニーのテレビで見ておれる」などと日米安保体制の不公平を強調した。 トランプ政権では理性的な閣僚、大統領補佐官など高官が次々に更迭されるか辞任し、ボルトン氏やマイク・ポンぺオ国務長官ら極度の強硬派が牛耳る状態だ。 今後、日本との米軍経費の特別協定や貿易を巡る交渉では理不尽な要求を突き付け、「日米安保条約終了」を切り札に増額受け入れを迫る可能性は高い。 実際、“前例”はある。韓国では昨年の米軍駐留経費負担が9602億ウォンだったのを、今年は1兆389億ウォン(約910億円)と8%余、増額させられた。これは1年限りの仮協定で来年はさらなる増額交渉が行われる予定だ。 在韓米軍は17年7月、主力の第2歩兵師団をソウル北方約30キロの議政府(ウィジョンブ)から、ソウル南方約40キロの平沢(ピョンテク)に移した。さらに昨年6月には、在韓米軍司令部もソウルから平沢に移転した。 北朝鮮軍のロケット砲、長距離砲による損害を避けるとともに、平沢の港や近くの烏山(オサン)空軍基地から世界の他の地域への出動が容易だからだ。 米軍の韓国防衛への関与を減らしているにもかかわらず、駐留経費負担増額を要求するのは強欲だが、米国は「韓国からの全面撤退」をちらつかせ、増額をのませたのだ』、「米軍の韓国防衛への関与を減らしているにもかかわらず、駐留経費負担増額を」のませたというのは、韓国の弱みにつけこんだやり方だ。
・『日本は74.5%を負担 日本防衛には関与せずの米空軍  米国防総省の04年の報告書では、日本は米軍駐留経費の74.5%を負担している。韓国の40%、ドイツの32.6%をはるかに上回っている。 それを3倍、5倍にするのはほぼ不可能だ。実現するには米軍人の給与や、艦艇、航空機などの調達、維持、運用経費を出すしかない。「そうすれば米軍は日本の傭兵になりますな」と防衛省幹部たちも苦笑する。 日本では「駐留米軍が日本を守っている」との観念が刷り込まれているから、米国側の無理な要求に屈しやすい。だが、実は日本防衛に当たっている在日米軍部隊は無きに等しいのだ。 最も顕著なのは空軍(日本に1万2000人余り)だ。 1959年9月2日に航空総隊司令官松前未曾雄空将と、米第5空軍司令官アール・バーンズ中将が結んだ「松前・バーンズ協定」によって、航空自衛隊がレーダーサイトや防空指揮所など管制組織の移管を受け、日本の防空を行うことが決まった。 米空軍は航空自衛隊の指揮下に入らないから、日本の防空には一切関与しないのだ。 以来すでに60年、日本の防空には現在330機の日本の戦闘機と対空ミサイルが当たっている』、「日本では「駐留米軍が日本を守っている」との観念が刷り込まれているから、米国側の無理な要求に屈しやすい。だが、実は日本防衛に当たっている在日米軍部隊は無きに等しいのだ」、一般マスコミもこうした実態をもっとPRし、国民の誤解を解いておくべきだ。日本が「米軍駐留経費の74.5%を負担している。韓国の40%、ドイツの32.6%をはるかに上回っている」、という突出した日本の負担割合には改めて驚かされた。
・『中東などに出動「本国に置くより節約に」  米空軍は沖縄県の嘉手納基地にF15戦闘機27機、青森県の三沢基地にF16戦闘攻撃機22機を常駐させ、ステルス戦闘機F22なども訓練のため嘉手納に飛来している。 72年の沖縄返還後は、沖縄の防空も航空自衛隊(現在那覇にF15約40機)が担い、嘉手納の米軍戦闘機は約半数が交代で烏山に展開し、韓国の防空に当たっていた。 当時、第5空軍は日本と韓国を担当していたから、家族や後方支援部隊は安全な沖縄に置いたのだ。 だが86年に韓国を担当する第7空軍が編成されたため、嘉手納の戦闘機が韓国に行くことはなくなり、91年の湾岸戦争など、中東に出動することが多くなった。 三沢のF16は対空レーダー、対空ミサイルの破壊が専門で、これもしばしば中東で活動してきた。 日本の米空軍基地は米本国の母基地に近い性格となったから、米議会では「日本にいる空軍機は本国に戻し、そこから中東などに派遣する方が合理的ではないか」との質問が何度も出た。 そのたびに米国防当局者は「日本が基地の維持費を出しているから、本国に置くより経費の節約になる」と答弁している』、米軍にとって日本は本来、「ありがたい存在の筈だ。日本政府ももっとこうした実態をPRすべきだ。
・『在日陸軍や海兵隊は情報収集や後方支援が中心  在日米陸軍も、ほとんどが補給、情報部隊だ。 陸上自衛隊は13万8000人余り、戦車670両、ヘリコプター370機を持つのに対し、在日米陸軍の人員は約2600人で、地上戦闘部隊は沖縄のトリイ通信所にいる特殊部隊1個大隊(約400人)だけだ。 これはフィリピンのイスラム反徒の討伐支援などで海外に派遣されていることが多い。 在日米海兵隊約1万9300人の主力は沖縄に駐留する「第3海兵師団」だが、「師団」とは名ばかりで歩兵は第4海兵連隊だけ。それに属する3個大隊(各約900人)は常駐ではなく、6ヵ月交代で本国から派遣される。 実際には1個か2個大隊しか沖縄にいないことが多い。戦車はゼロだ。 沖縄の海兵隊も司令部や補給部隊、病院などの後方支援部隊が多い。地上戦闘部隊は歩兵1個大隊を中心に、オスプレイとヘリコプター計約25機、装甲車約30両などを付けた「第31海兵遠征隊」(約2200人)だ。 この部隊は佐世保を母港としている揚陸艦4隻(常時出動可能3隻)に乗り、第7艦隊の陸戦隊として西太平洋、インド洋を巡航する。 歩兵約900人では本格的戦争ができる規模ではない。海外で戦乱や暴動が起きた際、一時的に飛行場や港を確保し、在留米国人の避難を助けるのが精一杯だ。沖縄の防衛は陸上自衛隊第15旅団(約2600人)の任務だ』、米軍の規模が予想外に小さいのに驚かされた。
・『第7艦隊はインド・太平洋 「シーレーン確保」は海上自衛隊  米海軍は横須賀に第7艦隊旗艦である揚陸戦指揮艦「ブルーリッジ」、原子力空母「ロナルド・レーガン」、ミサイル巡航艦3隻、ミサイル駆逐艦7隻を配備している。 佐世保には空母型の強襲揚陸艦「ワスプ」とドック型揚陸艦3隻、掃海艦4隻を配備してきたが、「ワスプ」はすでに本国に戻り、より大型の「アメリカ」が交代に来る。ドック型揚陸艦も1隻増強の予定だ。 第7艦隊は東経160度以西の太平洋から、東経68度(インドとパキスタンの国境線)以東のインド洋まで、広大な海洋を担当している。横須賀、佐世保を母港とする米軍艦がもっぱら日本の防衛に当たっているわけではもちろんない。 食料の自給率が37%の日本(同じ島国の英国でも70%余り)にとっては、海上の通商路「シーレーン」の確保が海上防衛の最大の課題だ。 だが米国は食料も石油も自給自足が可能だから、商船の防護に対する関心は低い。 米海軍は巡洋艦、駆逐艦、フリゲートを計101隻(うち太平洋・インド洋に46隻)持っているが、これは米海軍の11隻の空母と海兵遠征隊を運ぶ揚陸艦7個群を護衛するのがやっとの数だ。 日本のシーレーンを守るのは、海上自衛隊の護衛艦47隻に頼るしかないのが現状だ』、「第7艦隊はインド・太平洋 「シーレーン確保」は海上自衛隊」、との役割分担は初めて知った。
・『日本への武力攻撃に対する「一義的責任」は日本に  2015年に合意された「日米防衛協力の指針」(ガイドラインズ )では、日本に対する武力攻撃が発生した場合の作戦構想として、防空、日本周辺での艦船の防護、陸上攻撃の阻止撃退などの作戦には自衛隊が「プライマリー・リスポンシビリティー(一義的責任)を負う」と定めている。 これでは「何のために米軍に基地を貸し、巨額の補助金を出しているのか」との疑問が出るから、邦文では自衛隊が「主体的に実施する」とごまかした訳にしている。 自衛隊が日本防衛に一義的責任を負うのは当然だが、当然のことを何度も繰り返して指針に書き込んだのは、いかにも訴訟社会の米国人らしい方策で、なにもしなくても責任を問われないようにしている。 この指針は、すでに自衛隊が日本防衛に主たる責任を負っている実態を追認した形だ。 米国防総省は、在日米海軍の人員を18年9月末で「2万268人」と発表している。2010年には3497人、それ以前も常に3000人台だったが、11年には6833人に急増し、今日では2万人を超えるにいたった。 これは日本を母港としている軍艦の乗員を計算に入れたためだ。第7艦隊は在日米軍司令部の指揮下にないから在日米軍ではない。かつては日本で陸上勤務をしている海軍将兵の人数だけを計算に入れていたが、日本と駐留米軍経費の交渉をする際には在日米軍人の数が多い方が好都合だから、船乗りも計算に入れ約1万7000人の水増しをしたのだろう。 他の諸国、例えばイタリアのナポリ湾には米第6艦隊がいるが、イタリアでは米海軍の人員は4000人と米国防総省は公表しており、艦隊の乗員は計算に入れていないようだ』、「第7艦隊は在日米軍司令部の指揮下にないから在日米軍ではない。かつては日本で陸上勤務をしている海軍将兵の人数だけを計算に入れていたが、日本と駐留米軍経費の交渉をする際には在日米軍人の数が多い方が好都合だから、船乗りも計算に入れ約1万7000人の水増しをしたのだろう」、というのも初耳だが、こんな数字の操作を認めた日本側も情けない。
・『「安保破棄」で困るのは米国 横須賀など使えず制海権困難に  もしトランプ大統領が安保条約を破棄すれば、米海軍は横須賀、佐世保を使えなくなる。軍艦は年に3ヵ月ほどドックに入り点検、修理をするが、グアムのアプラ港にはドックが無い。 ハワイのパールハーバーにはドックがあるが、背後に工業が無いから潜水艦などの簡単な整備程度しかできないようだ。 横須賀、佐世保には巨大なドックがあり、熟練した技師、工員がそろい、部品の調達も容易だから早く安く整備ができる。第7艦隊がそこを使えなくなれば米本土西岸サンディエゴまで後退せざるをえず、西太平洋、インド洋での米国の制海権保持は困難となるだろう。 米国防総省の発表では在日米軍の総人員は5万4200人余りで、最大の受け入れ国だ。第2位のドイツが3万7900人、3位の韓国が2万8500人、4位のイタリアが1万2700人だ。 米国の同盟国は50以上あるが、1万人以上がいるのは4ヵ国だけ。「駐留無き同盟」か、米軍がいてもごく少数、の同盟国が一般的だ。 歴史的には、平時に対等な同盟国に兵力を常駐させた例はまずない。「駐兵権」は清朝末期の中国など半植民地国に列強が認めさせたものだ。 冷戦時代には西ドイツの米軍はソ連軍の侵攻経路の1つとされたフルダ渓谷に展開し、フランクフルトを守っていた。韓国ではソウル北方の議政府付近に布陣し、北朝鮮軍の南侵を迎撃する構えだった。 ところが日本では米軍はソ連に近い北海道ではなく、日本列島の南端で最も安全な沖縄に米軍基地の70%が集中、人員の過半がそこで待機し海外への出動に備えてきた』、在日米軍は、「ソ連」に備えたものではなく、朝鮮やその他地域向けなのが、改めて明確になった。
・『「在日米軍削減」を提案し理不尽な要求に対抗する手も  日本は今年度予算で、「思いやり予算」といわれる米軍基地労働者2万3178人の給与1539億円や光熱水費219億円など駐留経費3888億円のほか、グアム島への海兵隊の一部の移転や辺野古の飛行場建設など米軍再編関係費に1679億円、民有地の地代や周辺対策に1914億円などを防衛省が出す。 このほか、米軍基地のある自治体に総務省が381億円を支払うなど、日本政府は計6204億円を支出する。 米軍に無償で貸している国有地の推定地代は、自治体に貸す場合の安い地代で計算しても1640億円に達し、これも米軍経費負担に入れれば7844億円になる。 日本を直接守っているわけではない米軍に対し、他国と比較にならないほど巨額の補助金を出していること自体が日本政府の弱腰の表れだ。 トランプ政権がさらに執拗に理不尽な増額を迫り、「米軍撤退」や「安保条約終了」で脅しにかかるなら、日本は、トランプ大統領が、「人種差別」を批判した自国の女性議員について言ったように「嫌なら国に帰れ」の姿勢で応じてはどうか。 「在日米軍を削減して貴国の財政赤字縮小の一助とされてはいかが」と、攻守を一転させる論を持ち出すのも対抗手段になるだろう』、「トランプ政権がさらに執拗に理不尽な増額を迫り、「米軍撤退」や「安保条約終了」で脅しにかかるなら、日本は・・・「嫌なら国に帰れ」の姿勢で応じてはどうか」、との主張には、諸手を上げて賛成したい。

第三に、グーグル日本法人元代表でアレックス株式会社代表兼CEOの辻野 晃一郎氏が8月17日付け現代ビジネスに寄稿した「日本はまた「戦争」をする国になってしまうのか、その不安と恐怖 そして今、経営者に求められる覚悟」を紹介しよう。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/66572
・『戦争に近づいていく不安  この原稿を書いているのは2019年8月15日の終戦記念日。「8月ジャーナリズム」という表現もあるそうだが、毎年8月は戦争についての報道を目にする機会が多い。 しかし、毎年ただ儀式のように戦争を思い出し平和の尊さを語っているだけで平和を維持し続けることはできない。 特に最近は、戦争から遠ざかるにつれてまた戦争に近づいていくようなそこはかとない不安を感じることが多くなった。 今、世界に目を向けると、ドナルド・トランプ米大統領が仕掛けた米中の貿易戦争や技術覇権争いは激化の一途をたどる。また、同氏が一方的に核合意を破棄して悪化したイランとの関係はホルムズ海峡における緊張を高めている。冷戦終結の象徴となった米ロの中距離核戦力(INF)全廃条約も失効した。 欧州では、英国のEU離脱を図るBrexitを扇動したボリス・ジョンソン氏が新首相となり、交渉期限の10月末までに合意無き離脱も辞さないと宣言している。 日韓関係も、文在寅大統領の政治スタンスに端を発して史上最悪といわれるほど悪化しつつあり、北朝鮮は再び中短距離ミサイルの発射を繰り返している。 米国内では銃の乱射事件が後を絶たず、香港では「逃亡犯条例」改正案への抗議デモや警察による弾圧が過激さを増す一方で、アジア有数のハブ空港が機能停止に追い込まれた。 国内に目を転じると、京アニ放火事件やあいちトリエンナーレの「表現の不自由展」騒動などが続き、ネットを覗けば、自分の意に沿わない出来事や他人の意見に対して、「ボケ」「クズ」「非国民」などと口汚く罵るような攻撃的なメッセージが溢れている。 今や国内外で、対立、分断、憎悪(ヘイト)、差別、恫喝、威嚇、脅し、暴力の連鎖が異様に目立つようになった。ここ数年の間に、かつてないほど不寛容でネガティブなエネルギーが一気に世間に充満した印象だ』、最後の部分はその通りだ。
・『戦争を知らない大人たち  人間の「怒り」や「憎しみ」といった感情は恐ろしい。一人の小さな怒りや憎しみが最後は殺人やテロ、戦争に繋がっていく。 1970年代初頭、『戦争を知らない子供たち』という歌が流行ったが、当時の戦争を知らない子供たちも、今では皆いい歳だ。 安倍晋三総理をはじめ現政権を担っている人たちや、中西宏明経団連会長など経済界の人たちも皆戦後生まれの「戦争を知らない大人たち」だ。 かつて、田中角栄元首相は「戦争を知らない世代が政治の中枢となった時は危ない」と言っていたそうだ。 北方領土視察で暴言の限りを尽くし、挙句の果てには戦争による領土奪還を口にして物議をかもした国会議員がいたが、戦争を放棄して平和国家になったはずのこの国で、いつの間にかまた戦争を肯定するような言動が目立つようになってきていることには激しい嫌悪感を禁じ得ない。 2015年、多くの憲法学者が違憲立法と指摘する安保法制が強行採決で成立し、武器輸出三原則が防衛装備移転三原則に置き換えられて、長く封じ込められてきた戦争ビジネスが実質解禁された。 防衛省主導のもと、経団連をはじめとした経済界もその動きを歓迎している。政権の暴走にあからさまに異を唱える経済人は一人もいない。 海外の武器展示会で、防衛副大臣が不慣れな手つきで武器を構える映像や、防衛省の課長クラスが「今後防衛産業を国家の成長産業にする」と公然と発言する映像がネットに流れたが、実におぞましい思いがした』、今どきの経営者には珍しくハト派のようだ。
・『安倍総理がやってきたこと  今年の広島、長崎の平和記念式典では、両市の市長が、国連の核兵器禁止条約に加わるよう、来賓の安倍総理にあらためて訴えかけた。だが、安倍総理は型通りのあいさつを繰り返しただけで核兵器禁止条約について触れることはなかった。 かつて、ICANのノーベル平和賞受賞に際しても冷たい対応に終始し、沖縄に対しても、何度も示された沖縄の民意に反して一貫して冷淡かつ強引な態度を取り続けていることは、現政権のスタンスを如実に示している。 本来、米軍基地負担を一身に担う沖縄へ寄り添い続けること、および唯一の被爆国として、核不拡散や核兵器の全面的な廃絶に向けて先頭に立って尽力し続けることは、日本国としての基本的立ち位置である。 それを自ら踏みにじるような数々の行為は、多くの国民にとって決して気持ちのよいものではない。 2年前、安倍総理が、長崎の被爆者代表に「あなたはどこの国の総理ですか?」と面と向かって問われていた光景はまさに鮮烈だった。 昨年2月、トランプ政権が米国の核戦略の指針「核態勢見直し(NPR)」を発表し、爆発力を小さくして機動性を高めた小型核兵器の導入に言及した際には、河野太郎外相が「高く評価する」という談話を発表したことにも驚いた。 米国は、世界で唯一、人類に対して実際に核攻撃を実施した国だ。その標的とされた我が国の責務は、今や同盟国である米国の暴走を煽ることではなく、抑えることであるのを間違えないでもらいたい。 憲法で明確に戦争を放棄した我が国を、強引な手法でなし崩し的にまた戦争が出来る国に仕立て直そうとするやり口は尋常ではない。 改憲はその総仕上げとしての目論見にしかみえない。参院選後も安倍総理は改憲に執心の様子だが、改憲を持ち出す前に、日本国憲法について「押し付けられたみっともない憲法」などと公言して現行憲法を軽視する態度こそをまずは改めていただきたい。 「歴史は繰り返す」というが、それは人間の寿命と関係している。悪しき歴史も悲惨な過去も、それを実際に体験した人たちがこの世からいなくなることによって、貴重な体験が忘れ去られたり薄まったりしてまた同じようなことを繰り返すからだ。 人間とは愚かな存在であることを自覚せねばならない。 戦後生まれの戦争を知らない世代がマジョリティとなって社会の要職を占めるようになると、「戦争は二度と起こしてはならない」という当たり前のことすらだんだんわからなくなっていく。田中角栄氏の予言がまさに現実となりつつあるのは実に恐ろしいことだ』、米国が「小型核兵器の導入に言及した際には、河野太郎外相が「高く評価する」という談話を発表」、には私も驚いた。「「歴史は繰り返す」というが、それは人間の寿命と関係している・・ 人間とは愚かな存在であることを自覚せねばならない」、同感である。
・『戦争と経営者と覚悟  ノンフィクション作家の立石泰則氏が『戦争体験と経営者』(岩波新書)という本を出している。 フィリピン戦線から奇跡的な生還を果たしたダイエーの中内功氏や、インパール作戦に従軍して九死に一生を得たワコールの塚本幸一氏など、生き地獄のような戦場を体験したからこそ、生き延びて復員してからは徹底して平和主義を貫いた戦後の経済人を数名取り上げ、彼らの平和へのこだわりと迫力ある生き様を簡潔に描いている。 この本の前書きに、立石氏が長年にわたってインタビューして来た多くの経済人を振り返ったとき、「経営理念も経営手法もまったく異なる、そして様々な個性で彩られた経営者たちであっても彼らの間には『明確な一線』を引ける何かがある」とあり、それは「戦争体験」の有無だ、としている。 私が世話になった企業であるソニーの起源は、終戦直後の今でいうベンチャー企業だった。 創業者の井深大氏も盛田昭夫氏も戦争体験者だ。一般的に、戦争は最先端の技術開発を促すと共に、市場拡大や需要喚起など、経済を拡大させる手段として位置付けられてきた。 しかし、井深大氏の主張は真逆だった。彼は、軍需をやりたがる経団連に異を唱え、「アメリカのエレクトロニクスは、軍需をやったためにスポイルした」と述べて憚らなかったそうだ』、井深大氏の識見と勇気は大したものだ。
・『また、「財界の鞍馬天狗」の異名を持つ戦後の経済人、中山素平氏は、1990年、湾岸戦争で自衛隊の派兵が論議されていたとき、派兵に反対して「派兵はもちろんのこと、派遣も反対です。憲法改正に至っては論外です。第二次世界大戦であれだけの犠牲を払ったのですから、平和憲法は絶対に厳守すべきだ。そう自らを規定すれば、おのずから日本の役割がはっきりしてくる」と語ったそうだ。 今、井深氏や中山氏のような発言を堂々とする経営者や経済人は見当たらない。 戦争体験者や被爆体験者が高齢化して次々とこの世を去っていく。 今や太平洋戦争のことを知らない若者が普通にいて、戦争を煽るようなことを軽々しく口にする政治家や経営者が少なからず出現し始めている。 冒頭述べた通り、世界的に対立、分断、格差が広がっていく中、日本においても子供や若者、高齢者の貧困が拡大している。 対立や分断、格差や貧困から生まれる怒りや憎しみは、好戦家たちのあおりによって容易に増幅していく。 政治家たちが暴走し、内閣に人事権を握られた官僚や検察や司法が機能不全に陥り、権力を監視する役割を担うはずのマスメディアもその役割を果たせずにいる。 そのような中で、この国が「戦争」との距離を再び縮めるようなことがないよう、問題解決の手段から徹底して「戦争」を排除するコンセンサスを再び創り上げる実行力を持つのはもはや経営者しかいない。 大小問わずビジネスをつかさどるリーダーたちには、その覚悟が求められているような気がする』、「今、井深氏や中山氏のような発言を堂々とする経営者や経済人は見当たらない」の残念なことだ。「辻野氏」にはハト派経営者の輪を広げてほしいものだ。
タグ:日経ビジネスオンライン ダイヤモンド・オンライン 現代ビジネス 田岡俊次 辻野 晃一郎 安全保障(その8)(台湾有事 米国は在日米軍基地の確実な使用を求める、「日本を守っていない」在日米軍の駐留経費負担5倍増額は不可能だ、日本はまた「戦争」をする国になってしまうのか その不安と恐怖 そして今 経営者に求められる覚悟) 「台湾有事、米国は在日米軍基地の確実な使用を求める」 トランプ米大統領が「日米同盟はアンフェア」だと発言 米ランド研究所のジェフリー・ホーナン研究員 トランプ大統領の認識は、1980年代の日米関係のまま固定化されているのでしょう それでも、基地の提供はスタート地点 米軍駐留経費の増大は日米に不満をもたらしかねない ミサイル防衛システムの拡充は「ウィン・ウィン」 島しょ防衛は、統合運用の強化を 台湾有事には、在日米軍基地の確実な使用を求める 「事前協議」は明確化 朝鮮半島有事には必ず事前協議する 「「日本を守っていない」在日米軍の駐留経費負担5倍増額は不可能だ」 ジョン・ボルトン氏が米軍の駐留経費について「現在の5倍の支払いを求める可能性があると述べた」 協定改定や貿易交渉にらみ「安保終了」などで駆け引き 日本は74.5%を負担 日本防衛には関与せずの米空軍 中東などに出動「本国に置くより節約に」 在日陸軍や海兵隊は情報収集や後方支援が中心 第7艦隊はインド・太平洋 「シーレーン確保」は海上自衛隊 日本への武力攻撃に対する「一義的責任」は日本に 「日米防衛協力の指針」(ガイドラインズ ) 防空、日本周辺での艦船の防護、陸上攻撃の阻止撃退などの作戦には自衛隊が「プライマリー・リスポンシビリティー(一義的責任)を負う」 第7艦隊は在日米軍司令部の指揮下にないから在日米軍ではない。かつては日本で陸上勤務をしている海軍将兵の人数だけを計算に入れていたが、日本と駐留米軍経費の交渉をする際には在日米軍人の数が多い方が好都合だから、船乗りも計算に入れ約1万7000人の水増しをしたのだろう 「安保破棄」で困るのは米国 横須賀など使えず制海権困難に 「在日米軍削減」を提案し理不尽な要求に対抗する手も トランプ政権がさらに執拗に理不尽な増額を迫り、「米軍撤退」や「安保条約終了」で脅しにかかるなら、日本は、トランプ大統領が、「人種差別」を批判した自国の女性議員について言ったように「嫌なら国に帰れ」の姿勢で応じてはどうか 「日本はまた「戦争」をする国になってしまうのか、その不安と恐怖 そして今、経営者に求められる覚悟」 戦争に近づいていく不安 戦争を知らない大人たち 田中角栄元首相は「戦争を知らない世代が政治の中枢となった時は危ない」と言っていたそうだ 安倍総理がやってきたこと 「歴史は繰り返す」というが、それは人間の寿命と関係している 悪しき歴史も悲惨な過去も、それを実際に体験した人たちがこの世からいなくなることによって、貴重な体験が忘れ去られたり薄まったりしてまた同じようなことを繰り返すからだ。 人間とは愚かな存在であることを自覚せねばならない 戦争と経営者と覚悟 『戦争体験と経営者』(岩波新書) 中内功氏 塚本幸一氏 生き延びて復員してからは徹底して平和主義を貫いた戦後の経済人 井深大氏 軍需をやりたがる経団連に異を唱え、「アメリカのエレクトロニクスは、軍需をやったためにスポイルした」と述べて憚らなかったそうだ 今、井深氏や中山氏のような発言を堂々とする経営者や経済人は見当たらない
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