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日韓関係(その6)(姜尚中「日韓の『求愛ゲーム』のバカバカしさに気づくべき」、「大韓民国は生まれてはいけない国だった」文在寅大統領の“頭の中身”、日韓関係「今は日本の大勝利」でも「長期的には、かなりマズい」ワケ 北朝鮮と「国交正常化」後に待つのは…) [外交]

日韓関係については、8月28日に取上げた。今日は、(その6)(姜尚中「日韓の『求愛ゲーム』のバカバカしさに気づくべき」、「大韓民国は生まれてはいけない国だった」文在寅大統領の“頭の中身”、日韓関係「今は日本の大勝利」でも「長期的には、かなりマズい」ワケ 北朝鮮と「国交正常化」後に待つのは…)である。

先ずは、東大名誉教授の姜尚中が8月28日付けAERA.Dotに掲載した「「日韓の『求愛ゲーム』のバカバカしさに気づくべき」」を紹介しよう。
https://dot.asahi.com/aera/2019082700039.html?page=1
・『政治学者の姜尚中さんの「AERA」巻頭エッセイ「eyes」をお届けします。時事問題に、政治学的視点からアプローチします』、姜氏の見解とは興味深そうだ。
・『日韓関係は底が抜けたように悪化の一途を辿りつつあります。韓国大統領府は8月22日、関係閣僚らが出席する国家安全保障会議(NSC)を開いて日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の延長の可否を議論し、協定を延長せず終了させることを決めました。これまで私はGSOMIAの破棄には反対の意を示してきたつもりですし、今も変わりはありません。 日韓が鍔迫(つばぜ)り合いを演じる間隙を縫うように、北朝鮮は立て続けに新型の短距離ミサイル開発に邁進し、貴重な実戦配備のためのデータを獲得しています。北朝鮮によるこの無謀な挑発をトランプ大統領は事実上、黙認しています。 金正恩(キムジョンウン)委員長と「ブロマンス」(「ブラザー」と「ロマンス」の掛け合わせ)の関係にあるらしいトランプ大統領が、米国本土を脅威に晒す大陸間弾道ミサイル(ICBM)以外のミサイルはどうでもいいと高を括っていて、これまで開発された核兵器のフリーズだけを条件に北朝鮮との交渉を進めようとしているのだとしたら、北朝鮮の核とミサイルという「ダモクレスの剣」のもとに常在、危機にさらされる日韓はたまったものではありません』、「ダモクレスの剣」とは、常に身に迫る一触即発の危険な状態をいう(コトバンク)。韓国はそれを危機と捉えてないような気もするが・・・。
・『しかも、トランプ大統領は、在日、在韓ともに駐留米軍経費の大幅な積み上げを要求し、経済的なコストの面から在日、在韓米軍の見直し検討を公言しています。そんなトランプ大統領に日韓が個別的な愛顧関係のさや当てを演じて、一体何の意味があるのでしょう。もはや同盟国に対する米国の寛容な外交・安保政策を期待することはできなくなっています。「ギブ・アンド・テイク」のビジネスライクな同盟関係へと移行せざるをえなくなっているのですから、米国をめぐる日韓の「求愛ゲーム」のバカバカしさに気づくべきでしょう。 たとえ日韓の間に親密な友好関係を築くことが難しいとしても、ビジネスライクな関係を結ぶことは可能ですし、その立場から安全保障上の脅威の削減に向けて協力し合うことはできるはずです。狭量なナショナリズムによる「パトリオット・ゲーム」にうつつを抜かしている余裕などないのです』、「米国をめぐる日韓の「求愛ゲーム」」とは言い得て妙だ。日韓とも冷静になってほしいものだ。

次に、8月30日付け文春オンライン「「大韓民国は生まれてはいけない国だった」文在寅大統領の“頭の中身”」を紹介しよう。
https://bunshun.jp/articles/-/13658
・『この夏、韓国の「反日」が止まらない。 これまでの徴用工、慰安婦などの歴史問題を飛び越えて、日本製品の不買運動など経済分野、さらには、GSOMIA破棄という安全保障分野にまで対日強硬策が拡大している。連日のように“暴挙”ともいうべき政策を繰り出す文在寅大統領、そして彼を支持する韓国社会は、いったい何を思っているのか――。 そんな「反日」に埋め尽くされた韓国で一人気を吐くのが、落星台経済研究所の李宇衍(イ・ウヨン)研究委員だ』、韓国“良識派”の見解とは興味深そうだ。
・『韓国“良識派”がクリアに分析  李氏は歴史学者で、いわゆる「徴用工」ら戦時中の朝鮮半島出身の労働者の労働状況などを研究。今年7月にはジュネーブの国連欧州本部で開かれたシンポジウムで、「賃金に民族差別はなかった」と発表したことでも話題となった。 この夏には共著で、韓国社会の反日主義を強く批判した『反日種族主義』(共著)を刊行し、韓国国内で異例のベストセラーとなっている。 韓国の“良識派”は、韓国という国をどのように見つめているのだろうか――。「週刊文春デジタル」では、李氏に単独インタビューを行った。 李氏はインタビューの中で、現在の文在寅政権について、「過去もっとも反日的な政権である上に、自分の政治的利益のために反日的な情緒や認識を利用しようとしている」と指摘。文大統領や周辺の歴史観を次のように説明した』、説明を見てみよう。
・『日本人が疑問に抱かずにはいられない「52の質問」  「もっとも重要な特徴が『大韓民国は生まれてはいけない国だった』と考えていることです。つまり、本来は社会主義の人と手を握って、『統一祖国』を建国しなければいけなかったのに、親日派と手を握ってしまったがために、南と北に国が分かれてしまったという考えです。ですから、その分断の責任がある『親日派』は清算しなくてはいけないという訳です」 そのほか、文在寅大統領の“頭の中身”、北朝鮮にミサイルを撃たれ続ける韓国人の気持ち、朝日新聞などメディアの影響、ベストセラーで訴えた「反日種族主義」とは何か……など、日本人が疑問に抱かずにはいられない「52の質問」について、わかりやすく答えてくれた。約1万4000字にわたる全回答は「週刊文春デジタル」で公開している。 以下に、主な回答を紹介したい』、「『大韓民国は生まれてはいけない国だった』と考えている」、言われてみれば、なるほどと納得した。
・『こじれた理由は、過去もっとも反日的な政権だから(【Q】は質問、【A】は回答)  【Q】日韓関係が緊迫しています。2018年10月に大法院(韓国の最高裁判所)が元徴用工に対しての賠償を命じる判決を下したことなどが契機となり、日本は韓国を「ホワイト国」リストから除外するなど輸出管理規制の強化を打ち出し、それに対抗して韓国が軍事情報包括保護協定(GSOMIA)を破棄する事態にまで発展しました。これまでも日韓関係が悪化することがありましたが、今回はなぜここまでこじれたのでしょうか。 【A】今回の事態は、これまでと違うと思います。文在寅政権が過去もっとも反日的な政権である上に、自分の政治的利益のために反日的な情緒や認識を利用しようとしている政権です。一方の日本では、安倍政権が「韓国の勝手な言動はこれ以上許さない」という強い立場をとっている。この両極端に位置する政権同士が向かい合っているので、ここまでこじれたのだと思います』、「両極端に位置する政権同士が向かい合っているので、ここまでこじれた」、というのはその通りだろう。
・『「統一祖国」建国のために「親日派」は清算する  【Q】文大統領は、なぜ日本に対して厳しい態度を取り続けるのか。どういう人物だと考えていますか。 【A】彼はまさに「左派の歴史観」を持った人物だと考えています。左派の歴史観において、もっとも重要な特徴が「大韓民国は生まれてはいけない国だった」と考えていることです。 つまり、本来は社会主義の人と手を握って、「統一祖国」を建国しなければいけなかったのに、親日派と手を握ってしまったがために、南と北に国が分かれてしまったという考えです。ですから、その分断の責任がある「親日派」は清算しなくてはいけないという訳です』、従来は「左派」といっても、そこまで極端ではなかったような気もするので、「極左」といえるのかも知れない。
・『文大統領は“永遠の学生運動家”  【Q】文大統領の周辺には「革命家」「左派」が多いというのは本当ですか。 【A】本当です。文政権には、「転向していない革命家」や「左派」が、たくさんいることは常識だと思います。 私は、86学番(1986年に大学入学。反米・親北の学生運動が激しかった世代)の学生ですが、同世代でも国会議員や、青瓦台(韓国大統領府)に近い仕事をしている人がたくさんいます。中でも、文政権の周辺にいるのは、「(学生時代に北朝鮮の主体思想などを信奉して、資本主義に)まだ転向していない学生運動家」ですね』、「“永遠の学生運動家”」とは上手い表現だ。
・『日本は「絶対悪」、韓国は「絶対善」  【Q】李先生らが書いた『反日種族主義』が韓国でベストセラーになっています。現在の韓国社会を支配している「反日」主義を、李先生は「反日種族主義」と定義していますが、どういったものですか。 【A】私は、以前まで韓国社会を覆う「反日」主義を「反日民族主義」と呼んでいました。しかし、今では近代的な性格を持つ「民族主義」ではなく、前近代的な「種族主義」だと位置づけました。 前近代的というのには、3つの理由があります。 1つ目は「観念的な性格」です。いまの韓国社会は、客観的な現実に基づかず、思い込みのレベルで「日本は絶対悪」という一つの総体を作っています。つまり、日本政府や個人、または日本社会が倫理的もしくは政治的に悪い点があるという具体的な話ではなく、観念的に「ただ一つの絶対悪」として日本が存在している。一方で韓国は「絶対善」です。絶対善の韓国は、絶対悪の日本に何をしても良くて、いつまでもその問題を提起して良いと思っているのです。 2つ目の理由は「非科学的な性格」。いまの韓国社会が客観的な事実でないことを主張し、受け入れていることです。例えば、韓国の慰安婦問題の支援者らが言うような、20万人の少女を連行して慰安婦としたというような一連の主張です。合理的、理性的な思考ができず、極めて感情的になっています。 3つ目は「歪んで偏った現実認識」です。韓国社会は、日本については“下”と考える一方、中国や米国に対しては迎合する。その極めて事大主義的な態度によって、国としてバランス感覚を喪失している点です。 これら前近代的な考え方のもとに、実体のない「悪魔としての日本」がイメージとして膨れ上がっている。そのイメージが、反日政策を進める原動力になっています』、「観念的に「ただ一つの絶対悪」として日本が存在している。一方で韓国は「絶対善」です。絶対善の韓国は、絶対悪の日本に何をしても良くて、いつまでもその問題を提起して良いと思っている」、最近の韓国の姿勢から見て、その通りなのだろう。
・『「同じ民族はミサイルを撃ってこないという根拠のない自信を持っています」  【Q】北朝鮮にミサイルを撃たれ続けている韓国人の気持ちはどういうものですか。 【A】「反日種族主義」の中にある韓国社会は、同じ民族である北朝鮮は我々をミサイルや核で攻撃しないだろうという、根拠のない自信を持っています。ですから、近年、北朝鮮がどんなにミサイルを撃っていても、国民の関心は反日活動に向けられます。ですから、北朝鮮がミサイルを東海(日本海)に10発撃つよりも、芸能人がアサヒビールを買って飲んでいる姿が新聞に出る方が、より大きな社会的反発を起こすでしょう』、「根拠のない自信」を一般の国民までが持っているとは信じ難い。
・『約束を破っても「罪悪感は持ちません」  【Q】韓国国民には、1965年の請求権協定という「約束」を守らないことに対する罪悪感や、「何かおかしい」という疑問の気持ちは出てこないのでしょうか。 【A】そんな疑問や罪悪感は持ちません。なぜならば繰り返しになりますが、「反日種族主義」の中では、日本に対しては何をしてもいいのです。「日本には、じゃんけんも勝たなければならない」とまで言います(笑)。日本との条約という約束を覆すことに罪悪感は当然なく、疑問を持つこともないのです』、こんなことでは、話し合いなど無駄なようだ。
・『朝日新聞は韓国に「多分に温情主義的」  【Q】慰安婦、徴用工などの歴史認識問題は、これまでの日本のマスメディアの報じ方に問題があるという指摘もあります。 【A】いわゆる“良識的”知識人らの問題と全く同じだと思います。朝日新聞をはじめ日本のメディアは、韓国に多分に温情主義的です。「そんなこと必要ない」と申し上げたいです・・・』、「日本のメディアは、韓国に多分に温情主義的です。「そんなこと必要ない」と申し上げたいです」、これには違和感がある。全てのメディアが韓国に厳しいい報道をすれば、日本国民の反韓国感情を煽ることになり、長期的な両国関係にはマイナスになるだけだと思う。

第三に、元外務省職員で作家の佐藤 優氏がラジオ番組で対談した内容を9月8日付け現代ビジネスが転載した「日韓関係「今は日本の大勝利」でも「長期的には、かなりマズい」ワケ 北朝鮮と「国交正常化」後に待つのは…」」を紹介しよう。※本記事は『佐藤優直伝「インテリジェンスの教室」』に収録している文化放送「くにまるジャパン極」の放送内容(2019年8月30日)の一部抜粋です。野村邦丸氏は番組パーソナリティです』、佐藤氏の鋭い切り口が楽しみだ。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/67024
・『文在寅政権の間は、難しい  邦丸:日米韓で軍事の機密情報を共有しましょう、というGSOMIAの枠組みから、韓国は「一抜けた」ということになって、日本はもちろん、アメリカ政府高官が「非常に失望した」とか「無責任だ」とずいぶん非難している。それに今度は韓国側が非難の応酬をしている。 佐藤:韓国は自分から、どんどん袋小路に入っているわけですよね。ただ、ここで重要なのは、ちょっと想定外のことが韓国国内で出てきた。文在寅(ムンジェイン)大統領の側近の不正入試疑惑です。 邦丸:はいはい。 佐藤:日本においても不正入試は深刻ですが、韓国は桁違い。不正入試と兵役拒否は、韓国世論を刺激するんです。極端な形だと、これからデモとか起きてきて、対処方針をうまくとらないと文在寅政権が倒れるかもしれない。 邦丸:ふむ。 佐藤:内政的にそれぐらいの緊張をはらんでいます。ということは、文在寅政権はGSOMIA(軍事情報包括保護協定)の問題で少しナショナリズムを煽って政権基盤を固めようとしていたわけですが、効果がなくなっているんですよ。すると、もう譲歩できない。 大統領がこういう状態だと外務大臣以下、外交当局はなんの妥協もできないので、機械的に自分たちのスタンスを繰り返すだけ……と、こういうふうになっていますよね。 ですから「文在寅政権の間は、日韓関係の改善はない」と日本は腹を括って、とにかく軍事的な衝突だけは起きないようにする。経済的にも関係がそうとう悪くなってきています。特に観光客は極端に減っていますよね。日本の地方経済をかなり疲弊させることになるけれども、韓国との付き合いにはそういうリスクがあるんだ、と思って付き合うしかないですね』、「日本においても不正入試は深刻ですが、韓国は桁違い。不正入試と兵役拒否は、韓国世論を刺激するんです」、これからの捜査の進展が楽しみだ。
・『邦丸:そこでもう一つ、佐藤さんが指摘されているのが、韓国がこのGSOMIAを破棄することを決めたのが8月22日。日本政府に韓国政府が通告したのが翌23日。そしてさらに翌24日の朝、北朝鮮が短距離弾道ミサイルを発射しました。まあ、北朝鮮はよく実験というか、テストをやっているし、アメリカとしても「ああ、あれは大陸間弾道ミサイルじゃないから大丈夫だよ」というふうにトランプさんが言っている。 佐藤:ただ、これは単なる弾道ミサイルじゃなくて誘導装置が付いているので、弾道計算ができない、けっこう面倒くさいやつかもしれません。 ミサイル発射のスケジュール自体は、北朝鮮は前々から決めていて、22日に韓国が決定したから24日にあわてて、ということじゃないと思います。 ただし、あのときに韓国の軍が発射を発表するよりも、日本が発表するほうが確か26分早かった。韓国は今まで、中長距離ミサイルに関しては日本のイージス艦の能力が高いから頼るけども、短距離ミサイルなら韓国が絶対に強い。最近は北朝鮮も短距離しか撃たないから、GSOMIAを破棄したら日本が困るんだ……と、こういうふうに思っていたわけですね。でも、その思惑が外れた。 邦丸:ふむ。 佐藤:26分の時間差というのは、たとえば学力でいうと、小学校高学年と大学生の差ですよ。日本と韓国のミサイルを察知する能力というのは、これは大人と子どもの差だということがはっきりしちゃったんです。 邦丸:どっちが大人なんですか。 佐藤:もちろん、日本です。 邦丸:日本のほうがミサイルを探知する技術においては大学生並み、韓国はまだ小学生並み。 佐藤:そう。それぐらいです』、「日本と韓国のミサイルを察知する能力というのは、これは大人と子どもの差」、事実であれば頼もしい話だ。
・『韓国に国力で追いつかれると…  邦丸:ただ、こういうことをなるべく内緒にしておこうね、というのが今までだったんじゃないですか。 佐藤:もう信頼関係が崩れちゃっているから、この条約自体がもう機能していなかったんです。となると、どっちが先に撃つか──こういうゲームになっていたんですね。 日本はそこのところで韓国に撃たせる方向で、アメリカに向けてアピールしたわけですよ。韓国や日本の国内向けではなくて。アメリカもそれに乘ってきて、「韓国けしからん」となった。だから今回は日本外交の勝利というか、大勝利で、短期的にはうまくいき過ぎているぐらいなんですね。 ただ中長期的には、やはりまずいんですよ。 というのは、1965年の日韓基本条約の締結時点で、韓国の1人当たりGDPは100ドル強ぐらいだったんです。日本はその7倍。2018年時点で韓国が3万1000ドル、日本が3万9000ドル。近づいてきている。 つまり韓国の要求は──徴用工問題も、韓国に国力がついてきたから、今の国力に合わせた形でもう一回仕切り直しをしろ、ということなんですね。しかも、日本はそれに応じざるを得なくなるんです。 邦丸:なぜ? 佐藤:日朝国交正常化がいずれ起きる。これはトランプさんが北朝鮮との関係を調整するでしょ。米朝が国交正常化したら、日朝も国交正常化する。そうなると、日韓基本条約の改定問題が出てくるんです。 邦丸:順番からすると、来年のトランプさん再選というのが条件になると思うんですけど、トランプ政権が続いた場合、大統領選挙が終わった後ぐらいに米朝交渉が進んで、そこで国交樹立ということになる。 佐藤:朝鮮戦争が終わる。 邦丸:休戦状態から終戦になる。 佐藤:はい。それで、38度線の脅威がなくなる。アメリカと北朝鮮が外交関係を持つ。そうした条件が整うと、日本も北朝鮮と外交関係を持つということになってくるわけですよね。 邦丸:東京に北朝鮮の大使館ができる可能性もある。 佐藤:たぶん、朝鮮総連の本部が看板を掛け換えて「朝鮮民主主義人民共和国大使館」になると思います。 邦丸:はあ~』、「1人当たりGDP」が「2018年時点で韓国が3万1000ドル、日本が3万9000ドル」、ここまで近づいているとは改めて驚かされた。「米朝が国交正常化したら、日朝も国交正常化する。そうなると、日韓基本条約の改定問題が出てくるんです」、「文在寅政権」との交渉は出来れば避けたいものだ。
・『北朝鮮からの「莫大な賠償請求」  佐藤:そうなった場合、日韓基本条約の改定問題が出てくるんです。どうしてかというと、日韓基本条約で「大韓民国は朝鮮半島における唯一の合法政府である」という規定があるんです。もし、北朝鮮と日本が外交関係を樹立したら、韓国だけが唯一の合法政府とは言えないですよね。 邦丸:二つになるわけですね。 佐藤:そうです。だから、条約の根幹部分が変わっちゃう。改定しなきゃならないんですよ。 邦丸:あともう一つ言われるのが、もし日朝が国交樹立したときには当然、北朝鮮側としては第二次大戦のころの韓国が要求したのと同じような賠償請求をしてくる。 佐藤:第二次世界大戦だけじゃなくて、日韓併合以降の全体の賠償請求を当然してきます。ただ、賠償という形ではなく「経済協力」と言ってくるでしょうね。 邦丸:莫大なカネが北朝鮮にいく……。 佐藤:兆単位になる可能性もあります。でも、それはほとんど「タイド」になると思う。ひも付き、です。 邦丸:ひも付き。 佐藤:アンタイドで一般競争入札をするんじゃなくて、プロジェクトを決めて日本の企業をつけていく、こういう感じになるんじゃないかと思う。そうするとある意味、これは国内の産業振興政策とあまり変わらないですよね。 邦丸:なるほどね。 佐藤:だから、大きなおカネをつくっても、日本企業は儲かるし、日本から技術指導ができますから雇用の創出にもなる。今、そういった大義名分をかざす形で公共事業におカネを出せないですからね。対北朝鮮公共事業という大きい公共事業ができると思うんです。 邦丸:なるほど』、「日韓基本条約で「大韓民国は朝鮮半島における唯一の合法政府である」という規定があるんです」、というのでは、北朝鮮と日本が外交関係を樹立するには、改定の必要があるというのは初めて知った。北朝鮮側の賠償請求が、「兆単位」で「ひも付き」になるとすれば、新に大きな利権が発生することになりそうだ。、
・『日韓関係は「仕切り直し」になる  佐藤:しかし、そうすると韓国としては「オレたち、ちょっと安い値段で日本と話つけちゃったんじゃないの?」と、こういう感じになる。そうすると、全体を包括したところで、もう本当に最終的に不可逆的な合意を、新日韓基本条約に書き込んじゃえばいいわけですよね。そこで日韓関係を全部仕切り直すことになる。 邦丸:一回リセットしましょうと。 佐藤:しかし、そのときのリセットにおいて、日本はかなり譲歩することになりますよ。理由は簡単。外交の世界というのは、力と力の均衡なんです。 かつて1人当たりのGDPで韓国が日本の7分の1だったときは、人口を考えると十数倍離れているわけです。それが今は2・5倍くらいまで追いついてきている(注:GDP総額で)。そういう状況で、やはり昔のままにはできないですよね。だから日本は、中長期的には韓国に対して譲歩しなければならない、こういう状況に置かれちゃっているんですよ。 邦丸:ということは徴用工問題も、それから慰安婦問題にしても、もう一度歴史的な見直しを一緒にやらないか、ということになっていくんですか。 佐藤:そういう方向に追い込まれる可能性は十分あります。国際的な圧力もかかってきますから。特に、米朝関係が改善することによって、中国が韓国の後ろ盾になって中国・北朝鮮・韓国の三ヵ国連合になってきますからね。 邦丸:でも、そこはアメリカとしてもなんとかクサビを打ちたいところですよね。 佐藤:クサビを打ちたいと思っても、中国の国力が大きくなっているでしょ。アメリカは、貿易とかアメリカ自身のやっている問題で中国と対峙するのが精いっぱい。日韓の歴史認識問題なんて関与する余裕がないし、しかも第二次世界大戦の歴史認識ということになると、アメリカと中国と韓国と北朝鮮は同じ陣営ですから、日本にとってぜんぜん調子よくない。 邦丸:うーむ』、「新日韓基本条約」では、「中国が韓国の後ろ盾になって中国・北朝鮮・韓国の三ヵ国連合になってきます」、日本にとってはかつてないほどの窮地に追い込まれそうだ。
・『エリート教育が日本の急務  佐藤:だから今、日本は短期では大勝利なんですね。でも中長期的には、かなりの試練が待っていて、われわれは譲歩を迫られる。こういう二重の構造ですね。これは新聞を読んでいてもなかなか見えないですが、重要なところです。 邦丸:見誤らないように。 佐藤:そういうことです。それからあともう一つ重要なのは、韓国がこれだけ国力をつけてきたでしょ。韓国にはさまざまな問題があるんですが、それはやはり「教育」ですよ。 金惠京(キムヘギョン)さんの話を聞いても、彼女の『涙と花札』を読んでもわかるように、日本の子どもたちも一生懸命勉強しますけども、韓国の子どもたちはその比じゃないですよね。企業に入ってから、官庁に入ってからの競争も比べ物にならない。 経済もそうですよね。財閥を伸ばす。それでパイを広げていく。格差が広がっても構わないんだ、というやり方だと伸びるんですよ。このままだと、一人当たりのGDPで韓国に日本は抜かれる可能性すらある。向こうは人口が半分ですからね。 そういうことを考えると、韓国との関係でも中国との関係でも、これからわれわれが軽く見られないようにするためには、教育の強化なんですよ。基礎体力を強化して、今の若い人たちに頑張ってもらって、20年後ぐらいに再び中国や韓国を引き離すことができる基礎体力をどれだけ作れるか。だから私は、中長期的な戦略がすごく重要になってくると思います。 邦丸:昨日(政治アナリストの)伊藤惇夫さんも、これからの日本の将来を見据えたときに、いわゆるエリート層を養成するような学校とか組織とか体制が必要になってくるんじゃないか、と言っていました。 佐藤:金持ちを引きずりおろしても、みんなが金持ちになるわけではない。でも、エリート層が北方領土に行って酔っ払って暴れているようじゃ困るわけです。 成績がいいだけのエリートではなくて、ノブレスオブリージュ、すなわちノーブルな者、高貴な者、社会的な責任をまっとうするエリートを育てる。自分がおカネを稼いだら、そのおカネは社会に還元する。自分の能力をきちんと社会と国家のために還元する、そういう人をつくるエリート教育です。 日本は、学力のエリート教育は十分できています。むしろ問題は、ものの見方や考え方、価値観のエリート教育がないところですよね』、将来の打開策に「エリート教育」を上げるのは余りに安易で、違和感がある。今回の問題にも間に合わない。この部分は無視して、それまでの危機的状況だけを参考にしたい。 
タグ:第二次世界大戦の歴史認識ということになると、アメリカと中国と韓国と北朝鮮は同じ陣営ですから、日本にとってぜんぜん調子よくない AERA.dot 中国が韓国の後ろ盾になって中国・北朝鮮・韓国の三ヵ国連合になってきます もっとも重要な特徴が『大韓民国は生まれてはいけない国だった』と考えていることです。つまり、本来は社会主義の人と手を握って、『統一祖国』を建国しなければいけなかったのに、親日派と手を握ってしまったがために、南と北に国が分かれてしまったという考えです 日韓関係は「仕切り直し」になる 対北朝鮮公共事業という大きい公共事業ができると思うんです 韓国“良識派”がクリアに分析 それはほとんど「タイド」になる 兆単位になる可能性も 賠償という形ではなく「経済協力」と言ってくる 日韓基本条約で「大韓民国は朝鮮半島における唯一の合法政府である」という規定があるんです。もし、北朝鮮と日本が外交関係を樹立したら、韓国だけが唯一の合法政府とは言えないですよね 北朝鮮からの「莫大な賠償請求」 トランプ政権が続いた場合、大統領選挙が終わった後ぐらいに米朝交渉が進んで、そこで国交樹立ということになる 韓国の要求は──徴用工問題も、韓国に国力がついてきたから、今の国力に合わせた形でもう一回仕切り直しをしろ 1965年の日韓基本条約の締結時点で、韓国の1人当たりGDPは100ドル強ぐらいだったんです。日本はその7倍。2018年時点で韓国が3万1000ドル、日本が3万9000ドル。近づいてきている 1人当たりGDP 韓国に国力で追いつかれると… 日本と韓国のミサイルを察知する能力というのは、これは大人と子どもの差だということがはっきりしちゃった 「文在寅政権の間は、日韓関係の改善はない」と日本は腹を括って、とにかく軍事的な衝突だけは起きないようにする 日本においても不正入試は深刻ですが、韓国は桁違い。不正入試と兵役拒否は、韓国世論を刺激するんです 文在寅政権の間は、難しい 「くにまるジャパン極」の放送内容 「日韓関係「今は日本の大勝利」でも「長期的には、かなりマズい」ワケ 北朝鮮と「国交正常化」後に待つのは…」」 現代ビジネス 佐藤 優 約束を破っても「罪悪感は持ちません」 同じ民族はミサイルを撃ってこないという根拠のない自信を持っています 「歪んで偏った現実認識」 姜尚中 いまの韓国社会が客観的な事実でないことを主張し、受け入れている 日本は「絶対悪」、韓国は「絶対善」 文大統領は“永遠の学生運動家” 本来は社会主義の人と手を握って、「統一祖国」を建国しなければいけなかったのに、親日派と手を握ってしまったがために、南と北に国が分かれてしまったという考えです 日韓関係 現在の文在寅政権について、「過去もっとも反日的な政権である上に、自分の政治的利益のために反日的な情緒や認識を利用しようとしている」 日本人が疑問に抱かずにはいられない「52の質問」 「左派の歴史観」 この夏、韓国の「反日」が止まらない 「「大韓民国は生まれてはいけない国だった」文在寅大統領の“頭の中身”」 文春オンライン 落星台経済研究所の李宇衍(イ・ウヨン)研究委員 こじれた理由は、過去もっとも反日的な政権だから 「ギブ・アンド・テイク」のビジネスライクな同盟関係へと移行せざるをえなくなっているのですから、米国をめぐる日韓の「求愛ゲーム」のバカバカしさに気づくべきでしょう 「「日韓の『求愛ゲーム』のバカバカしさに気づくべき」」 (その6)(姜尚中「日韓の『求愛ゲーム』のバカバカしさに気づくべき」、「大韓民国は生まれてはいけない国だった」文在寅大統領の“頭の中身”、日韓関係「今は日本の大勝利」でも「長期的には、かなりマズい」ワケ 北朝鮮と「国交正常化」後に待つのは…)
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