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維新の会(その2)(「突発性バカ」になる東大出身者の共通点 怒りと不安の感情を抑えられない、丸山穂高議員の「戦争発言」 維新の“行儀見習い”が原因!?、暴言や失言でも「維新」が支持を失わない理由 巧みな「ふんわりとした気分&イメージ」醸成) [国内政治]

維新の会については、5月29日に取上げた。今日は、(その2)(「突発性バカ」になる東大出身者の共通点 怒りと不安の感情を抑えられない、丸山穂高議員の「戦争発言」 維新の“行儀見習い”が原因!?、暴言や失言でも「維新」が支持を失わない理由 巧みな「ふんわりとした気分&イメージ」醸成)である。

先ずは、精神科医の和田秀樹氏が5月17日付けPRESIDENT Onlineに掲載した「「突発性バカ」になる東大出身者の共通点 怒りと不安の感情を抑えられない」を紹介しよう。
https://president.jp/articles/-/28689
・『東大出身の政治家や首長が「暴言」を吐きバカ化するワケ  丸山穂高衆議院議員は、5月11日、北方領土へのビザなし交流に参加中、「戦争で島を取り返すことに賛成か、反対か」などと発言し、日本維新の会を除名された。野党から批判の声が相次いでいるが、本人はツイッターで「無所属で活動する」と表明し、議員辞職を否定している。 丸山議員は、東京大学経済学部卒後、経済産業省に入った、いわばエリート。ここ1、2年、こうした本来「賢い」とされる人がバカなことをしでかし、自らの社会的生命を危うくしたし失ったりという事案がしばしば起こっている。 政治家でいえば元衆議院議員の豊田真由子氏だ。東京大学法学部を出た後、キャリア官僚になり、さらにハーバードに国費で留学して修士を取った後で国会議員になったが、昨年6月、秘書に暴言・暴行を働いた、と週刊誌に報じられ、その後、議員の職を失うことになった。ネット上に流された暴言を吐いた録音テープが連日テレビやラジオでも放映され、本人にとっては相当な精神的苦痛であったに違いないが、自業自得というしかない。 今年1月には、別の暴言騒動が起きた。東大の教育学部を出て、NHKに入局、その後司法試験に合格し、衆議院議員を経て、兵庫の明石市長になった泉房穂氏だ。2017年6月、国道の土地買収交渉における進捗の停滞に業を煮やしたあまり、担当職員に対して「火つけて捕まってこい、おまえ。燃やしてまえ。損害賠償を個人で負え」などと暴言を吐いた内容が、今年になって明らかになり、やはり録音・公開されて、市長をいったん辞職することになった。 この件は、市の担当者の怠慢ではないかとの指摘もあり、その後の出直し選挙で泉氏は3度目の当選を果たした(任期は2015年の前回市長選挙当選からの残任期間である2019年4月30日までであるため、先頃の統一地方選に臨んだが泉氏以外の立候補者がおらず、4選)』、「明石市長」のケースは始めの2つに比べ軽微だ。
・『エリートのバカ化の原因は「傲慢さ」ではない  こうした暴言トラブルが起きると、大手メディアやテレビ番組のコメンテーターの中には、エリート特有の「傲慢さ」を原因と指摘する者が現れる。 しかし、豊田氏は厚生労働省時代、地道に公僕としての務めを果たし、泉氏も社会福祉士の資格を持ち、弱者に寄り添う政策で知られた。誰の目にもパワーハラスメントに映るものの、傲慢さばかりにフォーカスするのは的外れというものだろう。 私の見立てでは、彼らは人もうらやむ学歴を持つ超エリートだが、感情をコントロールする能力に関してはひどく低かった、ということになる。一般的には、難関大学に合格したようなエリートは、それまで遊びたい気持ちを抑えて受験勉強を優先したはずであり、また日々、勉強を続けるモチベーションを維持していたはずだ。つまり「自己コントロール」の経験値が、世の中の大多数を占める非エリートより高い。ところが、実際はそうではないケースも目立つのだ』、「自己コントロール」の対象による違いもあるのではなかろうか。
・『「怒り」や「不安」という感情が人をおかしくする  「怒り」という感情は時として人間を常軌の逸した心理状態にする。大変怖い。だが、もっと怖いのは過度な「不安」感情による“異常”ともいえる言動だ。 例えば、佐川宣寿・前国税庁長官だ。東大経済学部を出て、財務省の官僚として、エリート街道をひた走っていたが、例の森友学園を巡る、財務省の国有地の売却に関する文書の改竄を「指示した」と認定された。 疑惑を追及された国会での答弁や証人喚問では、安倍首相や昭恵夫人、その他政治家への忖度や指示を受けた事実については明確に否定し、改竄の経緯については刑事訴追の恐れを理由に証言の拒否を続けた。真相は現在も藪の中であり、多くの国民が疑惑の念を深め、不快に感じたことだけは確かだ。 そもそも疑問に思うのは、なぜ改竄を指示したのかということだろう。考えられるのは、もし、売却に関する問題がさらに露見したら、首相や官邸筋に迷惑をかけてしまうのではないかという不安にさいなまれパニック状態になった結果、改竄して事実を必死に覆い隠そうとしたという可能性だ。 しかし、もし、その行為がバレるのではないかと考えなかったとすれば、まったく愚かなことだ。これぞ、賢い人がバカになったといえる典型例ではないだろうか。その詳細なメカニズムに関しては、本連載で今後、解説していく予定だが、現在の認知科学では、「感情と認知(判断)」また「感情と思考」には強いリンクがあると考えられ、感情に認知が支配されていないか定期的にモニタリングすることが重要視されている。 佐川氏は改竄さえしていなければ更迭の理由はなく、希望通りの出世はできないにせよ、それなりの地位が保証されたはずであり、将来は待遇のよい天下り先も得ていたに違いない。ところが彼は完全にその地位を失い、世間に顔向けできない状態に陥った』、「佐川氏」は安倍首相を守り斬った功績で、ほとぼりが冷めたら華麗に天下りする可能性もある。
・『大企業の不祥事も一流大学卒のトップのバカ化が原因  このほかにも大企業の不正会計事件や、リコール隠し、不祥事隠しが最近、立て続けに起きている。これらも、正直に報告すると株主から突き上げられ、マスコミにたたかれる、といった不安が、不正や隠蔽のきっかけとなっているように見える。巧妙に隠したつもりが、結果的に発覚し、そのダメージや損失は甚大なものになる。とてもではないが賢明な行動とはいえない。 そういう企業のトップのほとんどは超一流大学を出ているだけでなく、仕事もできて、社内の出世競争にも勝ち抜いてきた人たちだ。不安という恐ろしい感情が、賢く頭のいい人々をバカにしたといっていいのではないだろうか』、「不安という恐ろしい感情が、賢く頭のいい人々をバカにした」、大いにあり得る話だ。
・『どんなに賢い人でも「バカになる瞬間はある」  私は、もともと極めて賢かった彼らは「自分がバカになることへの対策やケアをしていない」と感じる。 長年大学受験の指導をしていてわかったことがある。それは、本来成績がとてもよい人が志望校に不合格になる場合、その主因は試験当日、突然「バカ」になるということだ。つまり、プレッシャーや不安によりケアレスミスをし、ありえない失点をするのである。 実は、これらはある程度は事前対策が可能なものである。 たとえばミスについては、過去に自分がおかしたケアレスミスを書き出して、どうすれば防げるかを考え、そのトレーニングを事前にやっておけばいい。試験場でパニックにならないようなメンタルトレーニングなども、本やネットで簡単に探せるだろう。 しかし、結果的に不合格となる賢い受験生たちはそういう対策をやっていないのが実情だ。自らの力を過信し、墓穴を掘ってしまうのだ。 アメリカの経営者やエグゼクティブの人たちの多くが、自分の精神科医やカウンセラーを持っていることはよく知られている。メンタルヘルスのためだけでなく、不安や怒りの感情が判断を歪めるという経験則から、それを防ぐために、自分の心理状況をモニターしたり、改善したりする目的があるのだ。要するに、頭も体もメンタルも劣化するものと認識し、その「防御」にお金と時間をかけているわけだ。 確実に言えることは、どんなに賢い人でも、「バカになる瞬間はある」ということだ。AIでなく人間である以上、そうならないということはあり得ない。前述したように、怒りや不安という感情の渦に飲み込まると、利口な人であってもバカ化することがある。 自分は賢いという知的傲慢や、勉強不要という知的怠惰 また、いくら東大卒であろうが、東大教授であろうが、大学を出てから、あるいは教授になってから、ろくに勉強しないとバカになるのも当たり前の話である。学問が日進月歩の今日ではよりその傾向が強いだろう。私は医学の世界に身をおいているが、今でも10年くらい前の治療理論や技術に固執する医者が多いのを見ると、このことを痛感する。 これも自分は賢いという知的傲慢や、勉強なんかしなくても大丈夫という知的怠惰が賢い人をバカにしていると言える。 実は私の勉強や知的活動の原動力は、より賢く進化していきたいというポジティブなものではない。むしろ、バカになりたくないという「バカ恐怖」がエネルギーになっている。 人は加齢とともに心身が老化・劣化し、不具合や誤作動を起こすことがある。そして、それが人によっては社会的生命の命取りになることもある。 だが、そうした危機感や自覚を少しでも持てば、知らず知らずのうちにバカになってしまうという失態を防ぐことができる、ということを精神科医としてぜひ伝えたい。本連載では今後、賢い人間をバカにしてしまう事例を取り上げ、その原因を解説していく』、「アメリカの経営者やエグゼクティブの人たちの多くが、自分の精神科医やカウンセラーを持っていることはよく知られている。メンタルヘルスのためだけでなく、不安や怒りの感情が判断を歪めるという経験則から、それを防ぐために、自分の心理状況をモニターしたり、改善したりする目的があるのだ。要するに、頭も体もメンタルも劣化するものと認識し、その「防御」にお金と時間をかけているわけだ」、なるほど大した心がけだ。「本連載では今後、賢い人間をバカにしてしまう事例を取り上げ、その原因を解説していく」、今後も楽しみだ。

次に、5月27日付けHARBOR BUSINESS Online「丸山穂高議員の「戦争発言」、維新の“行儀見習い”が原因!?」を紹介しよう。
https://hbol.jp/193149
・『暴言を吐くに至った理由は丸山氏の“個人的資質”だけなのか  2015年夏に安保関連法案阻止のために維新独自案作成に尽力していた丸山穂高衆院議員が、橋下徹・元大阪市長ら維新幹部による“行儀見習い”(再教育)が始まってから約3年半後の今年5月、「戦争で北方領土奪還」発言を口にした。 「『戦争』発言・丸山議員の意外な過去。『日本の戦争参加』に歯止めをきかせようと尽力していた!? 」(5月21日配信)で紹介した通り、憲法学者の小林節・慶應大学名誉教授が「合憲」と認定した維新独自案作成に関わった丸山氏に対して、橋下氏は「『(大阪)維新の会で行儀見習いをさせます』と“再教育”を宣言」(2015年7月11日付『産経新聞』)していた。 丸山氏はどんな再教育を受けて、暴言を吐くまでに変貌していったのか。教育係としての橋下氏の発言に注目していたが、「丸山穂高氏の失敗・4つの理由」(5月22日配信のプレジデントオンライン)には、以下のように丸山氏の“個人的資質”に関する理由ばかりが書かれていた。 1、丸山氏が維新の会の看板の力を過小評価し、自分の力を過大評価した 2、永田町での生活で、どんどん自分の力を過信するようになった 3、維新の会の中に、支えてくれる仲間がいなかった 4、有権者全体からみればごく一部なのに、声は非常に大きいネットの中の応援団に依存しすぎた 再教育前の丸山氏は「戦争に歯止めをかける」という立場だった。しかし、当時の発言を問題視した橋下氏は“再教育”を宣言。そして同年10月、党内路線対立を抱えていた維新は野党共闘路線の「非大阪組」と政権補完路線の「大阪組」に分裂。大阪7区が選挙区の丸山氏は共に維新独自案作成に関わった「非大阪組」と決別して、「大阪組」の一員として“行儀見習い”を受けることになったのだ。この環境の激変が丸山氏を変えていった可能性がある。その変貌ぶりを見ていくことにしよう』、「再教育前の丸山氏は「戦争に歯止めをかける」という立場だった。しかし、当時の発言を問題視した橋下氏は“再教育”を宣言」、やはり“再教育”が橋下氏の思惑以上に効果を発揮したらしい。
・『共謀罪成立の“先兵役”を担った丸山氏  2015年9月の安保関連法案成立の翌々年の2017年春、安倍政権は共謀罪法案を提出した。これに野党は徹底抗戦。与野党激突法案となる中、自民と公明と維新の3党は5月19日、質疑を打ち切って強行採決に踏み切った。その“先兵役”を担ったのが丸山氏だった。渦中の衆院法務委員会で「審議時間はもう十分。私の質疑のあと、ただちに採決してほしい」と発言、強行採決の環境作りをする発言をしたのだ。 野党筆頭理事の民進党・逢坂誠二議員(当時)は激怒し、「これが法治国家なのか。ひどい話だ。しかも委員会の審議に出ていない委員外の者に『審議時間は十分だ』などと言わせて、責任放棄も甚だしい」と抗議した。丸山氏が登場する動画は、当時の民進党のサイト「【衆院法務委】自公維3党が『審議は十分』と共謀罪法案を強行採決」で今でも視聴可能だ。 小林節教授に「合憲」と認定された維新独自案(対案)丸飲みを安倍政権に迫った頃からは、とても想像できない姿へと変貌していた。これは“行儀見習い”による教育効果の産物だったのではないだろうか』、維新は丸山氏を舒明することで、「トカゲの尻尾切り」をしたようだが、もともとの“再教育”については、口を拭ったままという卑怯な姿勢を示した。
・『原発再稼働反対を口にすることがなくなった橋下氏  2012年4月、維新創設者である橋下・大阪市長(当時)は「僕は頭に来た。民主党政権はノーです。俄然やる気が出てきた。維新政治塾のメンバーにはとにかく国政に行ってもらいたい!」と発言。大飯原発再稼働をしようとしていた野田政権打倒宣言をした。 そして、元経産官僚の古賀茂明氏や環境エネルギー政策研究所の飯田哲也所長、河合弘之弁護士らがメンバーの「大阪府市エネルギー戦略会議」を立ち上げ、再稼働なしでの節電計画作成を指示、原発推進の経産省と渡り合った。当時の橋下氏は、大阪から日本のエネルギー政策を脱原発に変えようとしていたのだ。 しかし橋下氏は次第に原発再稼働問題をほとんど口にしなくなり、2012年12月に誕生した第2次安倍政権が原発再稼働に邁進してもこれに反対することはなかった。 しかも2014年7月の滋賀県知事選では、元経産官僚で自公推薦の小鑓隆史候補(現・自民党参院議員)の応援演説を行い、大飯原発再稼働反対で連携した嘉田由紀子・前滋賀県知事から「小鑓候補は原発推進」と忠告された。しかし、橋下氏は「大阪都構想でお世話になっている菅官房長官に頼まれた」と言って聞く耳を持たなかった』、原発再稼働に対し維新が姿勢を180度転換した裏には、菅官房長官の働きかけがあったようだ。
・『維新での“再教育”と、丸山氏の変貌に因果関係はあるのか  このような「ゆ党」と揶揄される政権補完路線は、維新に大きな恩恵をもたらした。橋下氏は2018年9月出版の『政権奪取論 強い野党の作り方』の中で、安倍政権と維新との関係を次のように記している。 「大阪の政治行政は、安倍政権の協力で、これまで進めることができなかった政治課題をどんどん進めることができた。うめきた2期開発、阪神高速道路淀川左岸線の延伸、大阪万博への挑戦、カジノを含む統合型リゾート推進法(IR推進法)の制定、リニア中央新幹線の大阪開通の8年の前倒し――その他、これまで法律や制度の壁にぶつかっていたことを安倍政権の協力で乗り越えたことは多数ある。ゆえに、日本維新の会が安倍政権に協力することは当然だ」(同書p.231より) 維新代表の松井一郎市長と橋下氏は、定期的に安倍首相や菅官房長官と会食する親密な関係だ。安倍政権肝いり法案の審議でも維新は、野党が反対した共謀罪やカジノ法案などに賛成、安倍首相の悲願である憲法改正論議にも協力している。一方で安倍政権側も、維新の目玉政策である大阪万博誘致やリニア開通前倒しなどのインフラ整備促進に協力している。 安倍政権の補完勢力となることで地元への利益誘導に成功してきたように見える維新での“再教育”と、戦争発言を口にした丸山氏の変貌との間に因果関係はないのだろうか。維新にはまったく責任のないことなのだろうか。国会などでの丸山氏の発言が注目される』、維新はいまや安倍政権の”別動隊”になったようだ。

第三に、ジャーナリストの吉富 有治氏が6月13日付け東洋経済オンラインに掲載した「暴言や失言でも「維新」が支持を失わない理由 巧みな「ふんわりとした気分&イメージ」醸成」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/286105
・『政治資金問題で前市長が辞職したことに伴う、6月9日の大阪府堺市長選で、地域政党「大阪維新の会」の新人、永藤英機氏が当選を果たした。4月に行われた市長・知事が入れ替わった大阪府・市の首長ダブル「クロス」選でも勝利を収めた大阪維新の会。今回の堺市長選では、一度否決されたにもかかわらず再度の住民投票を訴えている「大阪都構想」を前面には出さなかったものの、来年の秋には2度目の住民投票が実施される予定である。 一方、国政政党の「日本維新の会」に関しては、北方領土をめぐる「戦争発言」で除名となった丸山穂高衆議院議員、被差別部落への差別を助長する発言をした問題で参院選に立候補予定だった長谷川豊氏の公認を停止し、長谷川氏自身も公認を辞退するなどの問題を生じ、支持率も低迷している。 にもかかわらず、なぜ「維新」は大阪で支持されているのか。東京など大阪以外でもこうした現象は起こりうるのか。このほど、『緊急検証 大阪市がなくなる』を上梓した吉富有治氏がレポートする』、「なぜ「維新」は大阪で支持されているのか」、を是非、解明してほしいものだ。
・『既成政党化した「維新」  4月7日の大阪ダブル選と統一地方選で圧勝した大阪維新の会(以下、維新)。彼らはダブル選で大阪府知事と大阪市長のいすを守り、統一地方選では大阪府議会で単独過半数を獲得、大阪市議会でも第一会派を維持した。 その圧倒的な強さは6月9日に投開票された堺市長選でも証明された。維新は、前回2017年9月の市長選で竹山修身・前市長に敗れた元大阪府議の永藤英機氏を擁立し、3度目の正直で勝利を手にすることができたのだ。 これまで維新は堺市長選で2度も敗れている。だが、今回は維新に風が吹いていた。そもそもこの選挙のきっかけは、維新の政敵だった竹山修身・前市長によるズサンな政治資金管理が発覚したことだった。前市長の金銭スキャンダルがマスコミや市議会で取り上げられたことで世論は竹山市政に反発し、有権者の怒りを買って前市長は辞任を余儀なくされた。維新にすれば、市民の怒りを追い風にしながら選挙戦に臨むことができたのだ』、維新は「堺市長選」ではとんだ「敵失」に助けられたようだ。
・『政令市である大阪市を廃止し、東京23区のような特別区を設置する、いわゆる「大阪都構想」(以下、都構想)。維新にとっては最大の目玉政策である。維新陣営は、堺市長選で彼らの政策の1丁目1番地である都構想を争点から意図的に外し、代わりに「金と政治」を声高に叫びながら竹山前市長と彼の応援団だった自民党のデタラメぶりをアピールした。最大の政策を隠したのは、堺市民の都構想に対するアレルギーが大阪市民よりも強いからである。事実、維新が堺市で過去2回も敗退したのは、都構想に反対する堺市民が多かったからだ。 一方、自民党大阪は統一地方選の惨敗で独自候補を立てる余裕がなく、党をあげての組織的戦いができなかった。そこに加え、同党大阪府連の会長に就任した渡嘉敷奈緒美衆院議員は都構想に賛成する姿勢を見せたことで府連は大混乱に陥った。 そこでやむなく前堺市議の野村友昭氏が自民党を離党して立候補を表明。党の支援が受けられないことで自民党大阪の有志が自主的に支援し、また共産党や市民団体などが野村氏を応援したものの、結果は13万7862票対12万3771票で敗退。約1万4000票差と予想外に接戦だったのは、後半戦から野村陣営の追い上げが勢いを増したことと堺市民の都構想アレルギーのためだろう。それでも維新は大阪府と大阪市に次いで、府下2番目の政令市の市長まで手中に収めたのである。 大阪府と大阪市、そして堺市の選挙を通じてわかったことは、維新は以前に比べてより支持層が広がり、さらに強固で盤石な組織基盤が大阪に根づいているということである。かつての新興勢力は、いまや押しも押されもせぬ巨大な地域政党に脱皮した。結党から9年、もはや立派な既成政党だ』、「堺市長選」で維新が「最大の目玉政策である」「大阪都構想」を封印したとは、「敵失」に乗って勝つためとはいえ、姑息だ。
・『「暴言」「失言」でも求心力を失わない事情  大阪で維新が産声をあげたのは2010年4月のことだった。自民党大阪府議団を離党した松井一郎府議(現大阪市長)と浅田均府議(現参院議員)ら数人の府議たちが地域政党「大阪維新の会」を結党。そこに大阪では圧倒的な人気を誇った当時の橋下徹府知事(その後、大阪市長に鞍替え)が代表に就任し、世間とマスコミの注目を浴びた。 最初こそ弱小会派だと思われていた維新だが、翌2011年4月の統一地方選では"橋下チルドレン"と呼ばれる新人候補を大量に擁立し、大半が素人に毛の生えた選挙戦でありながら初戦から大勝利を果たした。このとき初めて府議会で単独過半数を取り、過半数には届かなかったものの大阪市議会でも第一会派を獲得。この統一地方選を皮切りに維新は大阪で圧倒的な存在感を示すことになる。 順風満帆、天下無敵に見えた維新にも最大の挫折が待っていた。2015年5月17日に実施された都構想の是非を問う住民投票で敗北したことである。僅差ながら反対票が賛成票を上回ったことで維新は一時、党勢に陰りが見え始めたのだ。 住民投票の結果を受け、橋下徹氏は維新の代表を降り、2015年12月に大阪市長の任期を終えてからは政界を卒業。このとき維新は最大のシンボルを失った。また、2017年10月22日投開票の衆院選では、本拠地の大阪で日本維新の会の候補者が軒並み落選する事態にも見舞われ、「維新もここまでか」と思われた時期もあった』、私も「維新もここまでか」で、小躍りしたものだが、そうは問屋が卸さなかったようだ。
・『余談だが、この衆院選で維新の候補者が負け続ける中、大阪の選挙区で当選したのが丸山穂高衆院議員である。ビザなし交流で訪れた国後島で戦争発言をして国会から糾弾決議を受けた丸山議員。彼が世間と国会から「退場」を命じられながら強気でいられるのは、他の維新候補が衆院選挙区で軒並み敗北しても、自分は勝利したという自負があるからではないかと推察する』、なるほど納得した。
・『話を戻そう。橋下徹という政治的シンボルを失い、維新は求心力を失うかに思えた。国会議員を抱える日本維新の会は支持率も振るわず、離党した丸山議員をはじめとして暴言議員、失言センセイが同党の足を引っ張っている。また、地方に目を向ければ維新の党勢が大阪並みに伸びる気配もない。 だが、大阪に限れば維新は強い。圧倒的に強い。結党から今日までの間で維新に愛想を尽かして同党から逃げ出す府議や市議がいたり、選挙違反で逮捕された市議がいても、どうしたわけか大阪の有権者は維新を見放さない。それどころか、今回のダブル選と統一地方選、そして堺市長選を加えてのトリプル勝利である。 大阪市と堺市の両政令市は維新が完全に牛耳った。自民党大阪が力を失って迷走し、公明党が維新の軍門に降ったことで都構想実現の可能性は一気に高まった。今後のスケジュールでは、都構想の設計図を作る法定協議会が6月末から再開され、来年夏には完成。来年の秋には2度目の住民投票が実施される予定である。一度は敗れた都構想も実現しそうな勢いだ。 なぜ維新は大阪で強いのか。逆に言うと、なぜ大阪限定の政党なのか。東京や他府県に住む人とこの話をすると、誰もがここがわからないと口をそろえる。維新最強の理由はさまざまだが、その背景の1つには大阪府と大阪市の特殊な事情がある。大阪の暗黒史だ』、「大阪の暗黒史」とは穏やかではないが、何なのだろう。
・『大阪の「暗黒史」  2004年から2005年にかけ、大阪市はマスコミと世間の集中砲火を浴びた。ろくに働かない市職員や労組の組合員を異常厚遇した問題が続々と発覚し、そこにバブル期に建設した数々の巨大な箱モノが経営破綻したというマスコミ報道が相次いだからである。 大阪府も同様に、関西国際空港の対岸に建設した「りんくうタウン」などさまざまな開発に失敗。それまでは金持ち自治体だった大阪府と大阪市は、箱モノ政策の失敗とズサンな公金感覚で巨額の借金を背負うことになった。当然、府民と市民は怒りの声を上げた。 その後に登場したのが橋下徹氏である。彼は大阪府の改革を公約に2008年1月、府知事選に立候補して当選。府民から大歓迎を受けたのは、まだまだ消えやらぬ大阪府と大阪市への不満がナニワの街に充満していたからである。 例えて言えば、ガスが充満した部屋に少しでも火花が飛べば大爆発を起こすようなものだ。見方を変えると、もし橋下氏がバブル経済の真っ最中に登場すれば、あそこまでの熱狂で迎えられなかっただろう』、「府民から大歓迎を受けたのは、まだまだ消えやらぬ大阪府と大阪市への不満がナニワの街に充満していたからである」、漸く
理解できた。
・『維新の人気もこの延長線上にある。大阪市の暗黒史から10年以上が経過しており、なおかつ橋下氏以前の歴代市長も市政改革は進めてきたのに、維新は今も「大阪市を過去に戻すな」というキャッチフレーズを大阪ダブル選や統一地方選で多用した。「既成政党(自民党など)は大阪市を過去に戻し、既得権益を失うことを恐れている」とことさらアピールすることで、市民の不満感情に新たな火をつけた。 これらの巧妙な心理作戦により、有権者の気分を「大阪市の改革はまだまだ必要だ」というベクトルへと誘導することに維新は成功した。ただし、同じ手法を自民党や公明党、共産党が真似たところで、おそらく誰も信じないだろう。有権者の意識は、すでに「維新はすごい」「維新は信頼できる」で支配され、事実そう思わせるだけの現象が大阪の街に現れたことも無視できないからだ。 維新は時代の波に乗ったラッキーな政党であると思っている。維新が誕生して大阪府政と大阪市政で力を持ち始めたのは、リーマンショックから立ち直りつつあった2012年以降の時期と重なっていた。そこに加えて近年、関西では外国人観光客の増加でインバウンド効果が出始めたり、2025年大阪万博の誘致成功により大阪では景気アップの高揚感に包まれている。 もっとも、これらすべてが維新の政策のおかげではない。万博やインバウンドにしても、例えば関空の滑走路整備など政府や大阪府・市の両議会の支援も無視できず、為替レートの変動といった経済的な外部要因も大いに貢献しているのは言うまでもない』、ラッキーな要素もかなりあったようだが、政治には運も必要だ。
・『漠然としたイメージによる支持  それでも維新の宣伝は巧みだ。いいことは維新のおかげ、悪いことは既成政党が原因といった善悪二元論的なデフォルメPR作戦が功を奏し、大阪府民と大阪市民はさらに維新に信頼を寄せることになる。統一地方選の前半、私は大阪市内で維新候補の演説を取材しつつ、何人かの支持者と話をした。とくに印象的だったのは、大半の人がふんわりとした気分で維新を支持していることだった。中には「維新になってから役所の対応はスピードが増した。市営地下鉄も民営化され、ますます市民には便利になる」という具体的な成果をあげる人もいた一方で、「都構想とか難しいことはわからへんけど、松井さんや吉村さんはガンバってはると思うで」といった、半ば漠然としたイメージで維新を支持している人が目立ったことである。 有権者がこのような感情を持つのはなぜか。さまざまな外部要因があるにもかかわらず、高揚感のある大阪の街や経済の姿を自党の政策の成果だとする、いわば維新の巧みな宣伝効果のなせるワザなのかもしれない。彼ら維新がプロパガンダに長けた政党なのは、長く同党を見続けた取材者として痛いほど感じている。 都構想に関して言えば、各マスコミの直近の世論調査を見ると大阪市内に限っても都構想に賛成する有権者は反対者を上回っている。この流れであれば次回の住民投票は賛成多数になるだろうと私は考えている。おそらく都構想は実現し、その瞬間、政令市・大阪市は行政上も地図の上からも消えてなくなる。そして次は堺市の番だ。いずれ堺市も政令市から特別区へとスケールダウンするだろう。 しかし、都構想実現の過程でさまざまな問題やハードルがより鮮明になることも危惧している。検討課題が多すぎるこのビッグプロジェクトは2025年大阪万博と同時並行で進めることが可能なのか、特別区への移行に伴うコストは計画以上に膨らまないのか。また、人口60万~70万の政令市と同じ規模を持つ特別区が、財源も権限も"都"に手足を縛られた中で自主的な行政が可能なのか等々である。 以上のように、維新が党勢を伸ばした背景には大阪の特殊事情があったのは間違いない。バブルに浮かれバブルが弾けた大阪という土地の「空間軸」と、大阪府・市の行政ミスから年月が経たない「時間軸」との"交差点"で維新が登場し、最大限のパワーを得ることになった。何度も言うが、維新は時流が味方したラッキーな政党である』、大阪のマスコミも維新に味方している筈だ。森友学園への大阪府の許認可では、叩けばホコリが出る筈だったが、うやむやにされたようだ。
・『大阪だけの現象ではなくなる  ただ、これらは大阪に限った問題ではない。いずれどこの都市でも、また東京都でも起こりうることである。小池百合子都知事が登場した背景には、舛添要一前都知事の公用車問題や政治資金による家族旅行の問題が存在したからだ。これは、かつての大阪府・市のデタラメ行政の余韻が消えぬうちに橋下氏が府知事になった背景と似ている。代表を辞任して勢いが落ちたとはいえ、希望の党を立ち上げるまでのプロセスも維新の誕生を彷彿とさせる。 条件さえ整えば第2、第3の維新は必ず誕生する。橋下徹的な政治シンボルが東京に現れてもおかしくはない。そのとき、改革を掲げる"ヒーロー"の登場に拍手喝采で迎え入れる有権者も数多く出てくることだろう。だが、ときに歴史は冷酷である。最初はヒーローだと信じていた人物や組織が、年月の経過とともに「裏切られた」「しまった」と思わせないとも限らない。事実、そんな史実は国内外で少なくない。 維新はヒーローか、それともアンチヒーローなのか。有権者に、あるいは地方自治や国家にメリットを与えてくれる政党なのか。神ではない私たちは後世の行政学者や政治史家の判断を待つしかないが、それでも現象だけを見て熱に浮かれるのではなく、政治や政治家を冷静に見つめる目だけは持ちたいものである』、お隣の韓国も「改革を掲げる"ヒーロー"の登場に拍手喝采で迎え入れる有権者」、という点では日本以上に極端なようだ。「現象だけを見て熱に浮かれるのではなく、政治や政治家を冷静に見つめる目だけは持ちたい」、というのは諸手を上げて賛成だ。
タグ:東洋経済オンライン 和田秀樹 維新の会 PRESIDENT ONLINE (その2)(「突発性バカ」になる東大出身者の共通点 怒りと不安の感情を抑えられない、丸山穂高議員の「戦争発言」 維新の“行儀見習い”が原因!?、暴言や失言でも「維新」が支持を失わない理由 巧みな「ふんわりとした気分&イメージ」醸成) 「「突発性バカ」になる東大出身者の共通点 怒りと不安の感情を抑えられない」 東大出身の政治家や首長が「暴言」を吐きバカ化するワケ 丸山穂高衆議院議員 元衆議院議員の豊田真由子氏 NHKに入局、その後司法試験に合格し、衆議院議員を経て、兵庫の明石市長になった泉房穂氏 エリートのバカ化の原因は「傲慢さ」ではない 「自己コントロール」 「怒り」や「不安」という感情が人をおかしくする 大企業の不祥事も一流大学卒のトップのバカ化が原因 どんなに賢い人でも「バカになる瞬間はある」 アメリカの経営者やエグゼクティブの人たちの多くが、自分の精神科医やカウンセラーを持っていることはよく知られている。メンタルヘルスのためだけでなく、不安や怒りの感情が判断を歪めるという経験則から、それを防ぐために、自分の心理状況をモニターしたり、改善したりする目的があるのだ。要するに、頭も体もメンタルも劣化するものと認識し、その「防御」にお金と時間をかけているわけだ HARBOR BUSINESS Online 「丸山穂高議員の「戦争発言」、維新の“行儀見習い”が原因!?」 暴言を吐くに至った理由は丸山氏の“個人的資質”だけなのか 「戦争で北方領土奪還」発言 『戦争』発言・丸山議員の意外な過去。『日本の戦争参加』に歯止めをきかせようと尽力していた!? 当時の発言を問題視した橋下氏は“再教育”を宣言 「非大阪組」と決別して、「大阪組」の一員として“行儀見習い”を受けることになったのだ。この環境の激変が丸山氏を変えていった可能性が 共謀罪成立の“先兵役”を担った丸山氏 原発再稼働反対を口にすることがなくなった橋下氏 大阪都構想でお世話になっている菅官房長官に頼まれた 維新での“再教育”と、丸山氏の変貌に因果関係はあるのか 共謀罪やカジノ法案などに賛成、安倍首相の悲願である憲法改正論議にも協力 吉富 有治 「暴言や失言でも「維新」が支持を失わない理由 巧みな「ふんわりとした気分&イメージ」醸成」 大阪府堺市長選で、地域政党「大阪維新の会」の新人、永藤英機氏が当選 国政政党の「日本維新の会」に関しては、北方領土をめぐる「戦争発言」で除名となった丸山穂高衆議院議員、被差別部落への差別を助長する発言をした問題で参院選に立候補予定だった長谷川豊氏の公認を停止し、長谷川氏自身も公認を辞退するなどの問題を生じ、支持率も低迷している 既成政党化した「維新」 竹山修身・前市長によるズサンな政治資金管理が発覚 市民の怒りを追い風にしながら選挙戦に臨むことができた 「大阪都構想」 維新陣営は、堺市長選で彼らの政策の1丁目1番地である都構想を争点から意図的に外し、代わりに「金と政治」を声高に叫びながら竹山前市長と彼の応援団だった自民党のデタラメぶりをアピール 維新は以前に比べてより支持層が広がり、さらに強固で盤石な組織基盤が大阪に根づいている 「暴言」「失言」でも求心力を失わない事情 丸山議員。彼が世間と国会から「退場」を命じられながら強気でいられるのは、他の維新候補が衆院選挙区で軒並み敗北しても、自分は勝利したという自負があるからではないかと推察 自民党大阪が力を失って迷走し、公明党が維新の軍門に降ったことで都構想実現の可能性は一気に高まった 大阪の「暗黒史」 2004年から2005年にかけ、大阪市はマスコミと世間の集中砲火 ろくに働かない市職員や労組の組合員を異常厚遇した問題が続々と発覚し バブル期に建設した数々の巨大な箱モノが経営破綻したというマスコミ報道が相次いだ 「りんくうタウン」などさまざまな開発に失敗。それまでは金持ち自治体だった大阪府と大阪市は、箱モノ政策の失敗とズサンな公金感覚で巨額の借金を背負うことになった その後に登場したのが橋下徹氏である。彼は大阪府の改革を公約に2008年1月、府知事選に立候補して当選。府民から大歓迎を受けたのは、まだまだ消えやらぬ大阪府と大阪市への不満がナニワの街に充満していたから 維新は今も「大阪市を過去に戻すな」というキャッチフレーズを大阪ダブル選や統一地方選で多用 万博やインバウンド 漠然としたイメージによる支持 大阪だけの現象ではなくなる 改革を掲げる"ヒーロー"の登場に拍手喝采で迎え入れる有権者
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