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鉄道トラブル(その1)(新幹線殺傷事件「発達障害と犯罪」を強調した報道への大きな違和感 もっと光を当てるべきことがあるだろう、停電で「電車内閉じ込め」 盲点だった猛暑対策 京成線ストップ、冷房切れ乗客が体調不良、台風で駅に乗客殺到の大混乱 鉄道計画運休の弱点は「運転再開」だ) [社会]

今日は、鉄道トラブル(その1)(新幹線殺傷事件「発達障害と犯罪」を強調した報道への大きな違和感 もっと光を当てるべきことがあるだろう、停電で「電車内閉じ込め」 盲点だった猛暑対策 京成線ストップ、冷房切れ乗客が体調不良、台風で駅に乗客殺到の大混乱 鉄道計画運休の弱点は「運転再開」だ)を取上げよう。

先ずは、筑波大学教授(臨床心理学、犯罪心理学)の原田 隆之氏が昨年6月12日付け現代ビジネスに掲載した「新幹線殺傷事件「発達障害と犯罪」を強調した報道への大きな違和感 もっと光を当てるべきことがあるだろう」を紹介しよう(文中の付注の番号などは省略)。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/56073
・『新幹線の中での惨劇  6月9日、東京発新大阪行きの東海道新幹線「のぞみ」の最終便で、男が乗客にナタなどを振るって、男性1人が死亡、女性2人が重傷を負うという衝撃的な事件が起こった。 奇しくも、8人の死者を出した「大阪池田小事件」から17年、7人の被害者を出した「秋葉原事件」から10年というニュースが、新聞やテレビで何度も流れた直後の出来事だった(事件はいずれも6月8日)。 車内には悲鳴が響きわたり、パニック状態となる乗客もいたというが、新幹線の車内はまさに「走る密室」である。乗客の恐怖はいかばかりであっただろう。 最終便ともなれば、疲れて寝ていた人もいただろうし、食事をしたり、ビールを飲んだりして、くつろいでいた人もいたかもしれない。 普段から安全を前提として過ごしている日常的な状況が、このような理不尽で不可解な凶悪犯罪の舞台となったことに、われわれは底知れぬ不安を抱く。 私も同じ日の日中、仕事で「のぞみ」に乗ったばかりであったので、一報を聞いたときは、他人事だと思えない恐怖を感じた。 毎日仕事やレジャーで多くの人が利用する新幹線、同じように感じた人は多かっただろう』、「新幹線」で「ナタ」を振るうというのは、シュールな悪夢だ。
・『容疑者は「誰でもよかった」と供述  新幹線は事件の直後、非常ボタンが押されたため、一旦緊急停車をしたが、その後最寄りの小田原駅に移動して再度停車した。そして、通報により待ち構えていた警察官が乗り込んで、容疑者が逮捕された。 殺人未遂容疑で逮捕されたのは、愛知県在住の無職、小島一朗容疑者、22歳だった。 警察官に連行される様子は、顔を伏せたり隠したりするわけでもなく、不貞腐れたようなどこか挑戦的な表情にも見えた。 報道によると、彼は両隣(窓側と隣の通路側)の女性に切りつけたということであるが、「誰でもよかった」と供述しているという。 また、死亡した男性は、凶行を止めに入って返り討ちに遭い、馬乗りになった容疑者に何度も刺されていたという目撃証言がある。 本当に理不尽としか言いようがない。被害者の無念や遺族の悲しみを思うと、心の底から怒りと悲しみがこみ上げてくる』、「死亡した男性は、凶行を止めに入って返り討ちに遭い、馬乗りになった容疑者に何度も刺されていた」、誠に勇気ある行動だが、他の乗客は見て見ぬふりを決め込んだのだろう。
・『「容疑者自閉症?」という報道があり…  事件を受けて、毎日新聞のデジタル版は翌日「新幹線殺傷:容疑者自閉症?「旅に出る」と1月自宅出る」との見出しで事件を報じた。 その後見出しからは「自閉症」の語句が、本文からは「自閉症と診断され、昨年2~3月には岡崎市内の病院に入院していた」という箇所が削除された。 そして翌日、毎日新聞は、ツイッター上で「発達障害について不適切な記載をしてしまいました」と謝罪した。 また、夜のニュース番組『Mr.サンデー』では、容疑者の生育歴を詳しく紹介するなかで、容疑者が「発達障害」の診断を受けていたことを何度も繰り返し報じていた。 番組のなかでは、「発達障害の人が皆、犯罪をするわけではない」「そういう決めつけはよくない」と一応の前置きをしていたが、それが吹き飛んでしまうほど、「発達障害」を前面に押し出し、専門家なる者が解説を加えていた』、テレビ番組といえども、担当者が取材してきた内容を、局として自主的にチェックすべきだ。
・『発達障害と犯罪  容疑者が何らかの診断を受けていたこと、精神科入院歴があることなどが事実だとしても、それは容疑者の有する特性の1つにすぎない。 ほかにも数多くの特性があるはずであるが、彼の一面だけをとらえて殊更に強調して報道することに何の意味があるのだろうか。 不可解な事件が起こると、誰もが不安になる。そして、その「答え」を精神障害に求めて、一時の安心を得ようという安易な心理がそこには透けて見える。 しかし、もしそれが誤った「答え」であれば、事件の解明には何も役立たないし、精神障害に対するいわれのない偏見を増長することにもつながる。 これまで積み重ねられてきた犯罪心理学の膨大な研究データは、発達障害を含む精神障害と犯罪・非行との関連を否定している。これは明確な事実である。メディアが強調するような精神障害と犯罪との関連は、事実に反する「神話」にすぎない。 世の中には精神障害や発達障害を有する多くの人々がいるが、その大多数は犯罪とは無縁である。もちろん、犯罪に赴く者も少数であるが存在する。一方、いわゆる「健常者」も大多数は犯罪とは無縁であるが、少数であるが犯罪行為を行う者がいる。 つまり、どちらの集団にも、犯罪とは無縁の大多数の人々と、犯罪に加担する少数の者がいる点では同じである。 このことをデータで確認してみると、犯罪白書によれば、平成27年度の刑法犯の検挙人員総数は、約24万人であるのに対し、そのうちの精神障害者数は約4,000人にすぎない(発達障害のみのデータはないので、精神障害者全体を見るしかない)。 厚生労働省の患者調査によれば、わが国の精神障害者は約390万人いる。また、同じく厚生労働省のデータによれば、平成26年度に医療機関を受診した発達障害者は、約19.5万人である。 これらの数字をもとに単純に計算すると、一般の人が犯罪を犯す割合(精神障害者を除いたわが国の人口全体のうち、精神障害のない刑法犯の割合)は約0.2%であるのに対し、精神障害者が犯罪を犯す割合(精神障害者全体のうち、精神障害刑法犯の割合)は、約0.1%にすぎない。 さらにわが国の人口全体に占める精神障害者は、約3.1%であるのに対し、刑法犯全体に占める精神障害者は、約1.7%である。 つまり、精神障害者よりも、「健常者」のほうが犯罪に至る割合がずっと多いということである。 このように、これらの単純な事実を見ただけで、精神障害や発達障害を犯罪の「原因」であると決めつけることが正しくないことがわかるだろう』、「精神障害者よりも、「健常者」のほうが犯罪に至る割合がずっと多い」、説得力のある主張だ。
・『犯罪の要因とは何か?  精神障害や発達障害が犯罪の原因でないとすると、何を犯罪の原因であると考えればよいのだろうか。 同じ問いを別の言い方に直すと、精神障害者であれ健常者であれ、犯罪者とそうでない者を分ける要因とは何だろうか。 そのような要因こそを、犯罪に関連する要因(あるいは犯罪の原因)として考えるべきである。 カナダの犯罪心理学者アンドリューとボンタは、膨大な研究データベースから、犯罪に至る者とそうでない者を分ける要因、すなわち犯罪のリスクファクターを8種類見出し、それらを「セントラルエイト」と名づけた。 セントラルエイトの概要は、表のとおりである(リンク先参照)。 今回の事件においても、その背景や原因に迫りたいのであれば、これらの要因を一つひとつ丁寧に検討すべきであるのに、「発達障害」だけに着目することは的外れも甚だしく、真の犯罪の動機や原因に迫ることができない』、さすが「臨床心理学、犯罪心理学」の専門家だけある。
・『発達障害のとらえ方  このようにビッグデータを見たとき、つまりマクロな見方では、発達障害と犯罪には直接の関連がないことがわかった。しかし、何も発達障害と犯罪はまったく関係ない、と切り捨てているわけではない。 個々のケースをミクロで見たとき、発達障害が犯罪の背景としては無関係でないケースもなかにはある。 ただし、その場合も発達障害を単独で犯罪の要因として見るような単純化した見方ではなく、セントラルエイトとの関連を丁寧に分析するべきである。 例えば、先の番組でも、容疑者の生育歴として、両親との不和、不登校、対人関係の悪化などが挙げられていたし、暴力を容認するような価値観やパーソナリティについても簡単に触れられてはいた。 つまり、本件の背景として光を当てるべきは、発達障害という目立つ要因だけではなく、家庭や学校、そして職場での不幸な対人関係や疎外感などを背景にして、障害を持つ容疑者が徐々に行き場をなくし、追い詰められていった過程のほうであろう。 また、容疑者のパーソナリティを考えると、そうした過程のなかで、不遇感や世間に対する恨みのような感情を募らせていったのかもしれない。 たびたび自殺を口にすることもあったようで、だとすると本件は、無辜の被害者を巻き込んだ「拡大自殺」としてもとらえられるかもしれない。 一方、もし容疑者に対して、適切な支援がなされていたのであれば、孤立を深めず、疎外感や世間に対する恨みなどを募らせることなく、適切な場で能力を発揮して、充実した毎日を送ることができていた可能性がある。 わが国では、特に大人の発達障害者に対する支援が著しく欠如していることが大きな問題である。 このように、本件において、仮に障害、パーソナリティ、環境(支援の欠如)が相互に影響しあって犯罪という結果につながったのだとすると、後の2つを十分に考慮することなく、まだ情報も十分に明らかになっていない段階で、「発達障害」というレッテルだけが新聞の見出しに踊ったり、テレビで連呼されたりすることは、大きな問題である。 発達障害という診断は、多数者とは異なる少数者を異端者として排除するためのレッテル貼りであってはならない。また、学校や職場において、多数者の型に無理やり嵌め込むような、教育や治療の対象とするためのものであってもならない。 それは、本人が「生きづらさ」や「生活上の困難」を抱えていることを示す目印となり、早期から継続して、家庭、学校、職場、社会で、本人の個性や多様性を尊重しながら、「生きづらさ」をなくすための適切な支援や治療が受けられるようにするための指標となるべきものである。 このような事件が起きるたびに、われわれの不安を鎮めるため、安易な理解を求めて容疑者の障害をいたずらにクローズアップすることは、傷害への偏見や排除につながる安易なレッテル貼りそのものであり、メディアはそのような態度を厳に慎むべきである』、主張には全面的に同意する。

次に、8月16日付け東洋経済オンライン「停電で「電車内閉じ込め」、盲点だった猛暑対策 京成線ストップ、冷房切れ乗客が体調不良」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/297386
・『猛暑の中、冷房の止まった列車内に缶詰になり、乗客が体調不良を起こす。これはたまたま乗り込んだ列車の巡り合わせが悪かった、ということでよいのだろうか。事態を重く見た国土交通省鉄道局は8月9日、首都圏13社の鉄道事業者の安全対策責任者を集めて「猛暑時の停電による駅間停車への対応に関する意見交換会」を開いた。 きっかけは、京成電鉄本線などで8本の列車が停電により駅間に停車、車内に閉じ込められた乗客が熱中症とみられる体調不良で救急搬送されたことだ。トラブルは6日朝8時30分ごろに発生。駅間停止した列車は停電により冷房が止まり、乗客15人が体調不良を訴え、うち9人が病院に搬送された』、「猛暑時の停電」が通勤時、とはさぞかし息苦しいことだったろう。
・『過酷だった「猛暑の停電」  京成の発表によると、停車から30分後には避難誘導を開始し、約1時間で3500人の誘導を完了したという。同社は停電を引き起こした青砥変電所(東京都葛飾区)の設備故障の原因も含めて、誘導のあり方を調査中。国交省は停電の原因究明と再発防止策と共に、誘導の検証について報告を求めている。 同社鉄道本部長の室谷正裕常務は「われわれは一生懸命やりました。例えば今回、駅間停止を受けて駅務員が日暮里駅から出たのですが、現場までは900m離れていた。応援に駆け付けるまでの距離と、誘導の距離で2倍になる。時間的にも最短で終えることができたと思っているのですが、それをお客様にどう判断いただけるか」と訴えた。 従来、駅間停車で課題となっていたのは、迅速な運行再開だった。車内に閉じ込められた乗客の誘導が課題としてはっきり認識されたのは、国交省鉄道局安全監理官室によるとごく最近のことだ。それは2018年6月18日に発生した大阪北部地震がきっかけだった。発生は朝7時58分。今回の京成同様に通勤時間帯だった』、「京成の発表によると、停車から30分後には避難誘導を開始し、約1時間で3500人の誘導を完了」、ということであればまずまずのようだ。。
・『この地震ではJR西日本が運行する列車153本が駅間停車し、約14万人に影響を与えた。停車から30分後に降車を開始したものの、特急列車1本を残して停車した全列車の避難を完了するまでに約4時間を要している。 この駅間停車がいかに過酷であったか、同社がまとめた報告からうかがい知ることができる。トイレがない車両は、降車や最寄り駅まで誘導したほか、近接して停車するトイレのある車両へも誘導したが、それにも限界がある。「乗務員室を遮蔽し、手元にある材料で簡易トイレを作成」した。 誘導にも課題があった。線路を歩くことが困難な、杖や車いすを使う乗客には「担架を準備して、係員4、5人で対応」。一方で運行再開を待つ乗客に対しても食料を配布しながらの対応だった。 国交省鉄道局はこの教訓を生かして駅間停止時のガイドラインを策定。救出はしごの列車への搭載や非常用電源の設置、運転再開に向けた効率的な点検のために地震計を増やすなどの提案を行った。 ただ、この地震発生時の大阪市の最高気温は18度。猛暑に適応した対策は、いわば「想定外」だった』、「JR西日本」では、「停車から30分後に降車を開始したものの、特急列車1本を残して停車した全列車の避難を完了するまでに約4時間を要している」、京成と異なり列車本数も多いので、大変だろうが、「約4時間」とは時間がかかり過ぎだ。「トイレ」などへの対応で苦労したのも、無理からぬところだ。
・『猛暑対策は盲点だった  猛暑と真逆の事例は、実はあった。2018年1月11日、新潟県三条市のJR信越線東光寺―帯織駅間の踏切で、新潟発長岡行きの普通電車が豪雪によって運行不能に陥り、430人が約15時間にわたって車内に閉じ込められた。このときも一部の乗客が体調不良で救急搬送されている。列車は暖房も機能しており、トイレも付いていたが、開放までの時間が長過ぎた。 このとき、国交省鉄道局は再発防止策として「運行再開と乗客救出の対応を並行して行うことを徹底する」ことなどを指示したが、これまで猛暑時の駅間停止対策が真剣に検討されたとは言いがたい。 そこで冒頭の猛暑対策の意見交換会だ。予定の時間を過ぎても熱心に話し合いが続いた。会議は非公開だが、ホームページ上で結果のとりまとめを公表する予定だ。国交省鉄道局は「各社、ハードソフト両面からオリジナリティーに富んだ対応を考えている。対策事例集をまとめて活用を呼び掛けたい」(安全監理官室)と会議の方向性を示す。期せずして車内で足止めされた乗客を、できるだけ早期に開放する一助になれば、それに越したことはない。 ただ、昨年から発生した駅間停車の対応を追う限り、鉄道局が閉じ込められた乗客の救出を第一に考えるべきだと明言した文書は残っていない。トラブル対応にあたる安全監理官室は「乗客ファーストであることは当然で、それを前提に対策は考えられている」と話すが、わかりきったことでも明示することは大切ではないか。乗客の安心と鉄道事業者への信頼は、それでこそ育まれるはずだ』、「わかりきったことでも明示することは大切」、というのは当然のことだ。

第三に、鉄道ジャーナリストの枝久保達也氏が9月11日付けダイヤモンド・オンラインに掲載した「台風で駅に乗客殺到の大混乱、鉄道計画運休の弱点は「運転再開」だ」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/214394
・『首都圏を直撃した台風15号。首都圏のJRと私鉄は初めて、足並みを揃えて計画運休に踏み切った。しかし、運転再開を巡っては駅に長蛇の列ができるなど、大混雑が起きた。計画運休は確かに有効な取り組みだが、「運転再開」が課題なのだ』、私の現役時代には「計画運休」はなかった。一体、どんなものなのだろう。
・『首都圏JR・私鉄も計画運休に踏み切った  8日深夜から9日朝にかけて関東を縦断した台風15号は、神奈川県や千葉県の沿岸部を中心に大きな被害をもたらした。首都圏のほとんどのJR線、私鉄線が8日夜から9日朝にかけて運転を見合わせたため、各地で通勤・通学ラッシュが大きく混乱した。 この光景に既視感を覚えた人も少なくないはずだ。JR東日本は、昨年9月30日から10月1日にかけて近畿から東北へ本州を縦断した台風24号でも計画運休を実施。30日正午に「20時以降、首都圏の在来線の全ての路線について順次運転を取りやめる」と発表し、終電を繰り上げて営業を終了した。翌1日の運行は、30日夜の時点では「おおむね平常通り」としていたが、台風の被害が予想以上に大きいことが判明、当日の朝4時になって「始発から全ての路線で運転見合わせ」が発表されたため、運休を知らない乗客が駅に押し寄せて大混乱となった。 この反省をふまえ、今回は8日17時過ぎに「9日は始発から午前8時頃まで運転を見合わせる」ことを発表。また、運転開始後も通常より本数が少なく、点検で異常が見つかった場合は運転開始が遅れる可能性もあることが付け加えられていた。しかし、今回も被害が予想以上に大きく、ほとんどの路線の運転再開が朝8時以降にずれ込んだことで、結果的に昨年の混乱が再現されることになった。 もちろん、一般利用者に計画運休の認知が広がったこと、翌日の運転状況について予告が行われたこと、JR東日本だけでなく私鉄各社も計画運休に踏み切ったことなど、昨年より改善が見られた点も少なくない。2014年から計画運休を実施しているJR西日本も、当初は失敗が続き、多くの批判が寄せられたが、手法の改善と利用者の理解が進んだことで、ようやく定着したという経緯がある(「JR西日本の『計画運休』に称賛の声、台風21号から乗客守る」参照)。 国土交通省は鉄道事業者と一緒に、計画運休時の望ましい情報提供のあり方について検討を進めており、今年7月には、計画運休の48時間前に実施の可能性、24時間前に詳細内容を発表する「情報提供タイムラインのモデルケース」を提示している。ただ、このレベルの事前告知は未だに実現していないのが実情で、計画運休発表時の休業、休校の取り扱いなども含めて、鉄道事業者と利用者の双方に、もうしばらくの経験の蓄積が必要になりそうだ』、「2014年から計画運休を実施しているJR西日本も、当初は失敗が続き、多くの批判が寄せられたが、手法の改善と利用者の理解が進んだことで、ようやく定着したという経緯がある」、「手法」だけでなく、「利用者の理解」も大事なようだ。
・『運転再開時に大混乱 計画運休の大きな課題  しかし、課題は計画運休の事前告知だけにあるわけではない。2年連続の混乱から、計画運休の「限界」も見えてきた。 そもそも計画運休とは、列車運休時の混乱を防止するための手法である。安全確保を目的とした従来の運休は、主に強風や大雨の規制値を基準として行われるが、規制値に達するギリギリまで運行を続けると、帰宅難民が発生したり、駅間に停止した列車の救助が必要になるなど、二次被害が生じかねない。そこで規制値に達する前に計画的に運行を取りやめて、やり過ごそうというものである。 では運転の再開はどうか。一般的には台風通過後、風速や雨量が規制値を下回ってから安全確認を開始し、設備や線路上の安全を確認次第、運転を再開する。これは計画運休においても基本的には同様だが、その結果、首都圏では2年連続で混乱が生じてしまったのである。関西に比べて鉄道利用者数が多く、並行路線が少ない首都圏鉄道網の特性が影響した部分が少なくないかもしれないが、これまで見過ごされていた課題が顕在化した結果とも言えるだろう。 これまで主にJR西日本が実施してきた計画運休は、終電を繰り上げて営業を終了し、翌日の始発からは通常通り運転が再開されるケースが多かったため、運転再開の手法がクローズアップされることは少なかった。だが、週明け月曜日の始発から運転を見合わせる事態となれば、ホームや駅に運転再開を待つ乗客の長蛇の列ができ、大混乱が起きるのは必然である。運転再開時に一斉に乗客が押し寄せる問題は、今後、どの地域でも起こりうる「計画運休の弱点」となる。 しかし、これは鉄道会社の努力でどうにかなる問題ではないのが実情だ。2015年に行われた大都市交通センサスによれば、鉄道で東京23区に到着する通勤・通学定期券の利用者数は1日あたり約514万人。うち神奈川から約89万人、埼玉から約82万人、千葉から約68万人、東京都多摩部から約61万人が県を越えて移動している。何百万人が毎日、数十キロもの距離を電車で移動するために、首都圏には多くの鉄道路線があり、長い編成の列車が高頻度で運行している。それでも平均混雑率150%以上の混雑が生じている』、「そもそも計画運休とは、列車運休時の混乱を防止するための手法である。安全確保を目的とした従来の運休は、主に強風や大雨の規制値を基準として行われるが、規制値に達するギリギリまで運行を続けると、帰宅難民が発生したり、駅間に停止した列車の救助が必要になるなど、二次被害が生じかねない。そこで規制値に達する前に計画的に運行を取りやめて、やり過ごそうというものである」、「運転の再開はどうか。一般的には台風通過後、風速や雨量が規制値を下回ってから安全確認を開始し、設備や線路上の安全を確認次第、運転を再開する。これは計画運休においても基本的には同様だが、その結果、首都圏では2年連続で混乱が生じてしまった」、「首都圏」の「運転の再開」が上手くいかない理由が明確には説明されてないのは、いささか残念だ。
・『運転の早期再開はしないという選択肢もアリ  そのため、降雪時の間引き運転などで運転本数が減ると通常の乗客を運びきれなくなり、激しい混雑と遅延が発生する。あるいは朝ラッシュ時間帯、並行する路線が人身事故で運転見合わせになると、もう一方の路線に乗客が集中して駅では入場規制が行われ、列車は超満員で乗降に時間がかかり、輸送はマヒ状態に陥る。つまり、大都市圏の鉄道網は通常でも綱渡り状態で成り立っている代物であり、輸送のバランスが少しでも崩れれば、途端に機能しなくなってしまうものなのだ。 それだけに、鉄道事業者はどのような状況下であっても、可能な限り輸送を確保し、支障があった場合はそれを最小限に留め、早期に運転を再開させる「習性」を持っている。日本の公共交通の信頼性と安定性が、このような勤勉さに支えられていることは確かである。 しかし、運転再開を急げば急ぐほど、列車の本数が少ないなど、通常運行とは程遠い状態からスタートせざるを得ない。そこに、「電車が動いている!」と判断した乗客が殺到すれば、たちまち大混乱が起きてしまう。これは、鉄道事業者にとっては余りに大きなリスクであるし、回り回って事業者自身の首を絞めかねない。 早期の運転再開が、かえって全体の混乱を招くのであれば、運転を再開できる状況であっても、混乱を避けるために(そして旅客の安全のために)あえて運転再開しない選択肢があってもいいはずだ。 最大の課題は、これからやってくる台風に対応するためではなく、台風が過ぎ去った後も運転再開を引き延ばすことを、利用者と社会が受け入れられるかどうかである。しかし鉄道に危険を及ぼすのは強風と大雨だけではない。利用者の殺到による大混乱を避けることも、安全・安定運行のために鉄道事業者が果たすべき責任のひとつだろう。 平日の朝ラッシュ時間帯に台風が大都市圏を直撃するのは、年に1度あるかないかの話だ。たとえ空振りになったとしても、万が一を避けるために1日くらい会社や学校を休んだほうが手っ取り早い。私たちがそういう社会を望むかどうかという選択肢である。 JR西日本が始めた計画運休は、私たちの社会を変えるほどの大きな意義のある取り組みであった。安全に運転を止めることができるようになった今こそ、安全に運転を再開させるための取り組みに着手すべき時である』、確かに「運転再開」の広報のあり方、利用者や企業の対応は試行錯誤的に改善してゆく他ないのかも知れない。
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