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環境問題(その5)(「アマゾン火災」がここまでヒドくなった理由 このままでは熱帯雨林の一部が草原化も?、汚れた海「東京湾」は本当に回復しているのか 海洋環境専門家が実態を語る、「アスペルガーは私の誇り」 グレタ・トゥーンベリさんが投げかける「障がい」の意味、【全訳】トゥンベリさんが国連でぶちまけた大人たちへの怒り「あなたがたは私たちを裏切っている」) [世界情勢]

環境問題については、8月31日に取上げた。今日は、(その5)(「アマゾン火災」がここまでヒドくなった理由 このままでは熱帯雨林の一部が草原化も?、汚れた海「東京湾」は本当に回復しているのか 海洋環境専門家が実態を語る、「アスペルガーは私の誇り」 グレタ・トゥーンベリさんが投げかける「障がい」の意味、【全訳】トゥンベリさんが国連でぶちまけた大人たちへの怒り「あなたがたは私たちを裏切っている」)である。

先ずは、貿易コンサルタントの白石 和幸氏が8月25日付け東洋経済オンラインに掲載した「「アマゾン火災」がここまでヒドくなった理由 このままでは熱帯雨林の一部が草原化も?」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/299200
・『世界から注目が集まっているブラジルのアマゾンで多発している火災によって、これまでにない規模の熱帯雨林が焼失している。今年に入ってからだけでも8月20日までに7万4155件の火災が発生し、その数は前年同期比で83%も増加。しかも、人工衛星が確認したところ、8月15日からわずか1週間で、9507カ所で火災が発生しているというのだ。 これに対して、フランスのエマニュエル・マクロン大統領は22日、「われわれの家が燃えている。文字どおり。地球上の酸素の2割を生み出す『肺』、アマゾンが燃えている。これは国際的危機だ」とツイッターで警告。「G7のメンバーの皆さん、ぜひこの緊急事態についてすぐに話し合いましょう」と、24日に開幕する日米欧の先進国首脳会議(G7サミット)で議論する考えを示した』、「G7サミット」では、2200万ドル(約23億3000万円)の消火対策支援で合意したが、ブラジル大統領は、森林火災は「国内問題」として、支援を拒否したようだ(BBCの25日、27日)。
・『気候変動に影響を及ぼす可能性  アマゾンはブラジルやペルー、コロンビアなど7カ国にまたがり、その面積550万平方㎞と、日本の国土の約14倍に上る。そのうち6割がブラジルに属している。アマゾン協力条約機構(OTCA)によると、アマゾンは地球上の酸素の2割を生み出しているほか、アマゾン地帯には、3万品種の異なった植物や2500種類の魚類、1500種類の鳥類、500種類の哺乳類などが生息。さらに、この20年で新たに2200種類の植物や脊椎動物が発見されているという。 イギリスのガーディアン紙の取材に答えたサンパウロ大学高度研究院のシニア・リサーチャー、カルロス・ノブレ氏は、このまま森林火災が続き「臨界点」を越えた場合、通常は湿地帯であるアマゾンが、サバンナのようになり、原住民や野生動植物の生存を脅かすだけでなく、気候変動にも影響を及ぼしかねないとしている。同氏によると、アマゾンでの森林破壊は昨年比2~3割のペースで増えており、10年ぶりに1万平方㎞を越える見通しだ。 コロンビアのエル・ティエンポ紙によると、ドイツやノルウェーは、生態系存続にとって非常に重要なアマゾンの大部分を占めるブラジルでの火災は、ブラジル政府による管理不足にあるとみて、数年前から資金援助を実施。が、今年1月にブラジルでボルソナロ政権が発足してから状況が悪化していることもあり、警告を発する意味で最近資金援助の中断を決めた。 これに対してジャイール・ボルソナロ大統領は、「私はチェーンソーのキャプテンと呼ばれていたが、アマゾンに火をつける(ローマ帝国の)ネロにされてしまった。言っておくが、今は『ケイマダ(焼き畑)』の季節である」とコメント。そして「(火災に関して)新たな、操作されていない情報を私は待っており、それが憂慮されるべきものであれば発表する」と述べており、今のところ鎮火に対して何の策も講じていない』、驚くべき居直りだ。
・『新政権で森林伐採ペースが加速  現時点でブラジル環境省は、環境省がアマゾン地帯の北部と、中央から東部にかけて広い範囲で乾燥していることが火災の主因だとしているが、これにブラジル国立宇宙研究所(INPE)は反論。同研究所のアルベルト・セッツァー氏は取材に対して、「今年の気候に異常はない。雨量も例年よりいくぶんか少ない程度だ」と、火災原因が焼き畑による延焼や乾燥であるとの見方を否定。「乾燥は火が広がる原因にはなるが、そもそも(火を)始めたのは人間だ」との見解を示している。 社会活動家のベノ・ボニーリャ氏も、アマゾン火災は人災であると断言。ボルソナロ大統領が、アマゾンの管理を緩くしたのが原因だと指摘している。 ブラジルはもともと、過去の大統領時から遺伝子組み換えサトウキビや大豆の生産量増大に向けた農地拡大や資源開発などのために、森林伐採を進めていたが、ボルソナロ大統領が就任してから伐採ペースが加速。現地メディアによると、同氏はもとより、アマゾンは産業発展に利用するべきだとの考えが強く、同氏が大統領についてからは開発業者が一斉にアマゾンにやってくるようになった。開発過程でで伐採した木などを燃やす作業があり、これが十分管理されなかったため火災が多発していると報じている。 昨年のブラジル大統領選の時に対立候補だった労働者党のフェルナンド・アダジ元サンパウロ市長は、「私のライバルが選ばれればアマゾン地帯の崩壊の始まりだ」と指摘していたが、まさにそれが的中しそうな状況になっている。 それにしても、アマゾンにとって危険だと目されていた人物がなぜ大統領に選ばれたのか。それには、同氏の経歴を振り返る必要がある。 ボルソナロ氏は軍人出身で、砲兵部隊からパラシュート部隊に移ってから大尉で退役した。軍人の給料が安すぎるとの理由から、少数の士官グループが兵舎や軍学校に爆薬物を仕掛けて爆破。軍事裁判にかけられ無罪と判決されたが、退役を余儀なくさせられた。 その後、1989年にリオデジャネイロの市会議員を皮切りに、1991年に連邦議員となり、2014年には下院議員としてリオデジャネイロで歴代最高の得票数で当選。下院議員としては目立つ存在ではなく、議員立法も大半が軍人や軍部に関係したものだったという。 当時から目立っていたのは同氏の人種差別、ホモファビア、男性優越主義、軍事政権礼賛といった過激な発言内容であった。一匹オオカミ的な存在で、所属する政党も8回変えている(ブラジル下院には30の政党がある)。発言が過激すぎるため、メディアに取り上げられることも少なかった』、なんとも困った大統領だが、「ブラジルのトランプ」とも呼ばれ、国内の支持率は6割もあるようだ(9月2日Newsweek日本版)。
・『火災はNGOによる腹いせが原因と示唆  そんな同氏が大衆から注目されるようになったのはブラジル経済の成長が低迷する一方で、犯罪が増え、ルラ元大統領を始め多くの政治家が汚職に染まっていったことが背景にある。汚職に手を染めていない政治家を求める向きが強まると同時に、犯罪多発を受けて軍事政権の再来を望む声が増える中、ボルソナロ氏の注目が高まっていったわけだ。同氏が大統領選への出馬を考えるようになったのも、2014年頃だという。 アマゾンの火災をめぐっては、NGOがボルソナロ大統領に原因があると批判してきたが、これに対して大統領は、「NGOがブラジル政府を攻撃するために犯罪活動を行っている」と発言。「政府がNGOに対する公的資金を中止した」ため、この腹いせに森林放火をしているとほのめかした。ボルソナロ大統領はつい最近も、INPEが提出している情報の内容が過激だとして所長を解任するなど、自身の考えと異なる団体や人物は排除してきている。 大統領選でボルソナロ大統領に票を入れた有権者の9割がアマゾン地帯を保護する法的手段を採れるようにすることを議会に懇願している。が、前述のサンパウロ大のノブレ氏がガーディアン紙に語ったところによると、「ブラジルの政治家はブラジル人の声より、国際的な圧力に弱い」。マクロン大統領による呼びかけによって、世界のリーダーが手を結ぶことはあるのか。今もアマゾンは燃え続けている』、いくらこれまでのブラジル政治が腐敗にまみれていたとしても、ボルソナロ大統領の環境に対する姿勢は酷過ぎる。G7の支援を断ったことから、「国際的な圧力」への抵抗力も強そうだ。ブラジル国民が目覚めてくれるのを待つ他なさそうだ。

次に、海洋環境専門家の木村 尚氏が9月2日付け東洋経済オンラインに掲載した「汚れた海「東京湾」は本当に回復しているのか 海洋環境専門家が実態を語る」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/299483
・『目前に控えた東京オリンピックをきっかけに、関心が高まっているのが東京湾の環境だ。いまだ大腸菌の検出などが見られるなど、本当に国際競技ができる環境にあるのか、その環境を疑問視する声も上がる。 東京湾を熟知し、『ザ!鉄腕!DASH!!』(日本テレビ)でダッシュ海岸企画を監修する海洋環境研究家・木村尚氏は「『東京湾は回復している』という言葉だけが独り歩きしている」と語る。※本稿は、木村尚『都会の里海 東京湾人・文化・生き物』(中公新書ラクレ)の一部を再編集したものです』、五輪を控えて、どうも問題山積のようだ。
・『東京湾を覆う「負のスパイラル」  東京湾の後背地の河川流域や沿岸には、約3000万人が暮らしています。この3000万人もの人々の生活と、社会の発展を支えなければならなかった東京湾は、さまざまな形で傷ついてきました。 工業立地や物流基地、港湾機能の拡張や拡大、ごみ処分や住居スペースを生み出すための埋め立て――。その進展は同時に、水質浄化機能や生態系を保持していた干潟、浅場、藻場の埋め立て、工業排水や生活排水による水質汚濁を意味してきました。 排水による過度な栄養供給があれば、プランクトンが異常増殖(いわゆる赤潮化)します。さらに、そうしたプランクトンなどの有機物が死に、海底に堆積すれば、それを分解するため、海中にある大量の酸素が過剰に消費されます。 今度はそれによって貧酸素状態が常態化し、それが湧昇すれば青潮が発生します。そうなれば十分な酸素を取り入れられない生き物は減少し、漁業も衰退。さらには東京湾と直接触れ合える場所も減少し、東京湾での遊びや文化の衰退がもたらされる。まさに「負のスパイラル」です。 近年まで、日本はなんとか経済発展を遂げるため、その努力を続けてきました。実際、少しでも豊かに暮らしたいと誰もが必死でしたし、そうしていくことが環境などにどう影響していくかということまで、気が回らなかったのは事実でしょう。 かくいう私も、そうした経済成長の中で過ごしたわけですから、単純にそのことを責めることはできません。しかし、気を回さなかった結果として、今では東京湾の環境のみならず、自然と人間、人間と人間、そして社会全体にまでそのほころびが目立ってきたように思っています。 東京湾の環境が回復している、という側面について本当によく報道されています。しかしその回復が「本当に意味のあるものなのか」という検証や、「どこまでが事実なのか」といった正しい理解まで進んではいません。 そこで皆さんが日頃なんとなく抱いている印象と、乖離している実態、いわゆる「勘違い」について、ここで整理させていただこうと思います』、「東京湾の環境が回復している」とのマスコミ報道に騙されていたようだ。
・『勘違い①水質は近年になって改善している 近年、環境問題への取り組みが重視されてきた中、確かに東京湾の水質環境についても改善のためにさまざまな対策が取られてきました。 とくに流入する汚れの量(負荷量といいます)についての対策は進んでいて、汚濁のもとになるCOD(化学的酸素要求量。水中の有機物を酸化する際に必要となる酸素量を表し、高いほど汚染されている)の値は、この30年でなんと半分以下にまでなりました。 しかしながら流れ込む量は減っても、東京湾の海域で見た際、その水質が改善されているわけではなく、ここ25年、横ばいの状態が続いています。 これについては、いくつかの理由があります。ここではざっとしか述べませんが、水質の浄化に一役買う、浅場や干潟の大幅な減少が大きな理由として考えられています。 一方、長年の蓄積で海底に汚濁源が今も堆積しているため、ずっと栄養分過多の状態が続いていることもあるでしょうし、また、東京湾は閉鎖性の内湾なので、外海との海水交換もあまり行われないこともあります(ただしここでの汚濁は、栄養過多という意味で、化学的な汚染ではありません)。 つまり、これらの結果として東京湾の水質は再生が進んでいない、むしろ放っておけば、放った分だけ負の循環がさらに続く、というのが現状なのです』、COD「の値は、この30年でなんと半分以下にまでなりました」、」しかし、「東京湾の海域で見た際、その水質が改善されているわけではなく、ここ25年、横ばいの状態が続いています」、というのは初めて知った。
・『1960年代は漁業が盛んだった東京湾  勘違い②漁獲量は近年になって回復している 恵まれているその地形に加え、黒潮や湾に注ぐ大きな河川からの養分などの影響で、もともと豊かだった東京湾。それこそ大昔から1950年代まで、東京湾内での漁業は大変に活発でした。 そして漁獲量でいえば、そのピークはなんと1960年。それほど昔ではありません。 しかし当時19万トンまであった漁獲量も、そこから激減。今ではたった2万トンにまで落ち込んでしまいました。まさに劇的といえるほどの減少です。 この数字は、埋め立てや開発が進み、干潟や浅場の減少に伴って減り続け、実は環境への配慮がされるようになった現代にあってもほとんど回復していません。エビやカニに至っては、残念ながら今もほとんど漁業としては成り立たないような状態が続いています。 確かに生き物としては、ブリやサワラも姿を見せるようになりましたし、マダイなども釣れるようになりました。そういう意味で、少しずつ環境が改善してきた兆しが見え始めているとは思いますが、昔の海のようにただ単純に増やしたい生き物を放流しても、その生き物が棲める環境がなければ増えません。 あくまでそうした生き物が定住できて、再生産されるような環境を復元することのほうがずっと重要です。 ではそういう意味で、現在の東京湾はどうなのかというと、私は毎月のように潜水していますが、よくなったとはまったく感じていません。海底の広い範囲にイオウ細菌が繁茂して、貧酸素が起きており、生き物がいない状況が見られています。場所によって生き物が見られるといっても、漁業として成立するほどの量には到底なっていない。まだまだ努力が必要、という表現のほうが正しいのではないでしょうか』、「漁獲量は近年になって回復して」いない、というのも初耳だ。どうもテレビ番組では回復の兆候をつまみ食いしているだけのようだ。
・『勘違い③各所の努力が結実している  私が東京湾の環境再生に尽力している、と聞くと皆さんは良好な反応を示してくれます。 しかし、自らの体を動かし、お金や時間を費やしてまで、その再生に向けて活動する方や組織は、まだ極めて少ないと言わざるをえません。いろいろな問題が複合的に絡まっているので、簡単にこれが悪い、あれがいい、とは言えないのですが、はっきりしているのは、私たちの普段の生活と、東京湾との関わりがあまりに希薄になっている、ということです。 東京では、経済活動を優先した土地利用や、防護機能の向上にばかりどうしても重点が置かれ、海辺にたどりつくことすらも難しくなってしまっています。そうなれば、海へ向けられる想いや愛は、どうしても薄れてしまうのではないでしょうか。 また、社会が“今”の快適さを追求するあまり、将来のためにお金や時間を使う、という考えになりにくくなっているのも、顕著な結果にまで至らない理由と思われます』、なるほど。
・『東京湾に残されている「傷跡」は想像を超えて深い  以上、典型的な誤解をまとめてみました。皆さんも同様の勘違いをしてはいませんでしょうか。 東京湾の環境は、近年よくなった、と言われることが増えました。確かに部分的には回復したところもあると思いますし、流入する汚れも、かつてに比べて格段に減っています。 しかし、東京湾に残されている「傷跡」は想像を超えて深い。しかも埋め立ての影響などで、自然治癒もあまり期待できない状況にあるため、このままでは劇的な回復は望めません。 だからといって、何もしなければ現状維持どころか、さらに悪化する可能性がずっと高くなってしまいます。そのため私は、その環境の回復に向けてさまざまな活動にこれまで注力し続け、現状を訴え続けています。 現在、間近に迫る東京オリンピックをきっかけに、東京湾の環境への関心が高まっています。しかし大事なのはさらにその先の未来であり、本当の意味で東京湾を復活させるためには私たち一人ひとりがどのように行動すればいいのか、どのように湾に親しめばいいのか、そこに少しでも思いをはせていただければ幸いです』、「東京湾を復活させるためには私たち一人ひとりがどのように行動すればいいのか」、について具体的提案がないのは、臥龍点睛を欠いており、何とも残念だ。

第三に、9月25日付けHUFFPOST「「アスペルガーは私の誇り」 グレタ・トゥーンベリさんが投げかける「障がい」の意味」を紹介しよう。
https://www.huffingtonpost.jp/entry/greta-thunberg_jp_5d8acbfde4b08f48f4ac7565
・『ニューヨークの国連本部で行った演説が大きな反響を呼んでいるグレタ・トゥーンベリさん。アスペルガー症候群であることを公表している彼女は、「アスペルガーであることは才能です」と話す。 アスペルガーでなかったら、こうして立ち上がることはなかったでしょうーー。 9月23日にニューヨークの国連本部で行った演説が、大きな反響を呼んでいるグレタ・トゥーンベリさん。 しかし、彼女が動かしているのは、温暖化問題への人々の関心や行動だけではない。その強い意思と行動力は、「障がいとは何なのか」という問いを全世界に投げかけている。 グレタさんは、その地球温暖化対策を訴える行動が評価され、2018年3月にはノーベル平和賞にノミネートもされた。 彼女の呼びかけはシンプルだ。 「地球温暖化が私たちの生存を脅かす重大な問題ならば、どうして私たちは行動しないのでしょう」 BBCによると、始まりはスウェーデンで総選挙が迫っていた2018年8月。グレタさんは、「気候のためのスクールストライキ」というプラカードを掲げて、ストックホルムの国会議事堂の前で座り込んだ。それは、ストライキは総選挙までの2週間、毎日続いた。その後も、彼女は毎週金曜日には学校を休んで、座り込みを続けている。 彼女の行動はまたたく間に世界中に広がり、地球温暖化対策を求める大規模な抗議運動へと発展した。「#FridayForFuture 」というハッシュタグと共に、欧米を中心に多くの若者が運動に参加し、その様子をSNSで発信している。グレタさんは12月には、ポーランドで開かれた会議COP24(通称:国連気候会議)、2019年1月にはダボス会議(世界経済フォーラムの年次総会)で演説した。 グレタさんは、アスペルガー症候群と強迫性障害、場面緘黙であることを公表してる。 アスペルガー症候群とは、知的障害を伴わない自閉症のこと。東京都自閉症協会によると、対人コミュニケーションが苦手、興味の対象が限定的、などが主な症状だという。  しかし、グレタさんは言う。「アスペルガーは病気ではなく、1つの才能。アスペルガーでなかったら、こうして立ち上がることはなかったでしょう」と。(本人Facebook 2/2の投稿より) アスペルガーだからこそ、人とは違った視点で世界が見れるのです。もし私がアスペルガーでなかったら、そんな風に世界を『外側から』見れなかったでしょう(スウェーデンのTVトークショー「Skavlan」より)  私のようなアスペルガーの人間にとっては、ほとんど全てのことが白黒どちらかなのです。私たちは嘘をつくのがあまり上手ではありません (中略) 私にとってこれ(地球温暖化)は白か黒かの問題です。生き残りの問題となればグレーな部分はありません(Greta Thunberg TEDより)』、「グレタさん」の国連の温暖化対策サミットでのスピーチ自体は、この後の記事で紹介するが、「アスペルガーだからこそ、人とは違った視点で世界が見れるのです。もし私がアスペルガーでなかったら、そんな風に世界を『外側から』見れなかったでしょう」、「アスペルガー症候群」がいい形で現れたのだろう。ノーベル平和賞は政治的になり過ぎ、権威もなくなったとはいえ、今年受賞できれば素晴らしいことだ。
・『「正直すぎること」もアスペルガー症候群の特徴の1つだ。これは、コミュニケーションにおいては「空気が読めない」という欠点になるが、「社会のルールや常識にとらわれず、思ったことをはっきり言える」という利点にもなり得る。 グレタさんの「温暖化はこれほど深刻な問題なのに、なぜ私たちは行動を起こさないの」というまっすぐな問いかけは、「正直で」「白黒つけないと気が済まない」というアスペルガー症候群の彼女の個性からきているのかもしれない。 一方で、グレタさんは障がい者としての生きづらさも語っている。 (アスペルガーなどの)自閉症であることは、学校や職場、そしていじめとの終わりなき闘いです(本人Facebook 4/2の投稿より) それでも、正しい環境下で、正しく適応すれば、(自閉症であることは)スーパーパワーとなり得るのです (本人Facebook 4/2の投稿より)とも。 障がいは「世界を動かすほどのパワーをも秘めている」、そんな事実をグレタさん自身が証明している。 「アスペルガーは才能」「アスペルガーであることは私の誇りです」(本人Twitter 4/2の投稿より) 彼女の存在によって、世界の「障がい」の受け止め方がひとつ変わるかもしれない』、「正しい環境下で、正しく適応すれば、(自閉症であることは)スーパーパワーとなり得るのです 」、とはいうものの、いくらスウェーデンでもやはり「いじめとの終わりなき闘い」があり、これを乗り切ってきたようだ。

第四に、9月24日付けYahooニュースがクーリエ・ジャポン記事を転載した「【全訳】トゥンベリさんが国連でぶちまけた大人たちへの怒り「あなたがたは私たちを裏切っている」」を紹介しよう。
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190924-00000002-courrier-int
・『気候変動の危機を訴えているスウェーデン人活動家のグレタ・トゥンベリ(16)が、9月23日、米国ニューヨークで開かれている国連の温暖化対策サミットで、「大人」世代に向けた厳しいスピーチをし、世界中で話題になっている。これまでトゥンベリを取り上げてきたクーリエ・ジャポンが緊急全訳をお届けする──』、これまでは部分的に伝えられただけだったので、「全訳」とは有り難い。
・『あなたがたを信じない  私たちはあなたがたを見張っています──これが私のメッセージです。 こんなことはすべてまちがっています。私がこんな壇上にいるべきじゃないんです。大西洋の向こうの学校に戻っているべきなんです。なのに、あなたがたはみんなして、私たち若者に期待してやってくるなんて。ありえない! あなたがたは空っぽの言葉で、私の夢と子供時代を盗みました。それでも、私はラッキーなほうです。人々は苦しんでいます。死んでいます。全生態系は崩壊しつつあります。大量絶滅の始まりに私たちはいるんです。 なのに、あなたがたは、お金の話、永遠に続く経済成長というおとぎ話しかしていない。ありえない! もう30年以上も、科学は明快に示してきました。なのに、あなたがたは目をそらし続け、ここに来て、ちゃんとやってるとか言えるなんて。ありえない! 必要な政治も解決策も、まだぜんぜん見えていないのに。 「あなたたちの話を聞いている」とか「切羽詰まっていることは理解している」とあなたがたは言う。私がどんなに悲しくて怒っているかは別にしても、そんなことは信じたくありません。 この状況をほんとうに理解したと言いながら、行動しないままでいられるなら、あなたがたは邪悪なのでしょう。だから私はなんとしても信じません』、極めて厳しいスピーチだが、特に、「私がこんな壇上にいるべきじゃないんです」との皮肉の鋭さには感心させられた。
・『50%の確率は無難じゃない  「10年で二酸化炭素排出量を半分にする」というおなじみの発想があります。でもそれで地球の気温上昇を摂氏1.5度以下に抑えられる確率は、50%しかないんです。つまり、人間には抑制できない、後戻りできない連鎖反応を引き起こすリスクを抑えられる確率は、50%しかないということです。 50%は、あなたがたにとっては無難かもしれません。ですが、この数字には、気候変動の臨界点、ほとんどのフィードバックループ、有毒な大気汚染に隠れたさらなる温暖化、あるいは公平性や「気候正義」の側面が含まれていません。 この数字はまた、あなたがたの出している何十億トンもの二酸化炭素を、私の世代がありもしない技術で吸収することを当てにしています。 なので、50%のリスクは、私たちにとっては無難ではありません。その結果と共に生きなければならないのは、私たちなんです。 気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の試算では、地球の気温上昇を1.5度以下に抑えられる確率を67%にするために世界が排出できる二酸化炭素は、2018年1月1日にさかのぼって計算すると、残り420ギガトンでした。いま、その数字はすでに350ギガトン未満までに減っています。 なのに、あなたがたは「いつもどおりのやり方」と多少の技術的な方策で解決できるなんてふりをしているんですか。ありえない! いまの排出レベルでは、8年半以内にその規制量に達してしまうことになります』、温暖化をめぐる不都合な真実に、向き合おうとしない大人への辛辣な告発だ。
・『いま決着をつけましょう  これらの数字に沿った方策や計画は、今日ここでなにも提示されないでしょう。これらの数字が気まずすぎるからです。それに、あなたがたはそのことをそのまま言えるほどまだ成熟していない。 あなたがたは私たちを裏切っている。でも、若い人たちはあなたの裏切りを悟りはじめている。 すべての未来の世代の目が、あなたがたに注がれています。そして、あなたがたが私たちを裏切ることにするなら、私は言います。 「私たちは、ぜったいにあなたがたを赦さない」 ただでは済ませません。ちょうどいまここで、決着をつけましょう。世界は目覚めつつあります。変化が訪れています、否応なく。 ありがとうございました』、16歳とは到底思えないしっかりした内容だ。無論、専門家のチェックも受けたのだろうが、スピーチ全体は彼女のオリジナルなのだろう。温暖化の問題は、簡単な解決策はないが、少なくとも石炭火力発電所の増設などで、事態を悪化させるようなことは極力、回避すべきだろう。
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