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安倍内閣の問題閣僚等(その10)(“黒い交際”閣僚をスルー 大メディアのご都合主義と二枚舌、法務相も辞任 止まらぬ安倍政権「辞任ドミノ」 閣僚連続辞任で政局の節目変わるきっかけに、小田嶋氏:セコくなった大臣の首取り) [国内政治]

安倍内閣の問題閣僚等については、5月21日に取上げた。今日は、(その10)(“黒い交際”閣僚をスルー 大メディアのご都合主義と二枚舌、法務相も辞任 止まらぬ安倍政権「辞任ドミノ」 閣僚連続辞任で政局の節目変わるきっかけに、小田嶋氏:セコくなった大臣の首取り)である。

先ずは、9月22日付け日刊ゲンダイ「“黒い交際”閣僚をスルー 大メディアのご都合主義と二枚舌」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/262182
・『もっと大騒ぎするべきじゃないのか――。初入閣した武田良太国家公安委員長(51)と竹本直一IT担当相(78)、元暴力団関係者との“黒い交際”のことである。 11日の組閣直後、武田氏の政治資金管理団体が、元山口組系暴力団組員とされる人物からパーティー代として70万円を受け取っていたことや、竹本氏が元暴力団幹部との写真撮影に応じていたことを週刊誌が報じた。ところが、二階幹事長は「週刊誌に何か書かれたからといって物事がどうこうするわけではない」と言い放ち、問題視しない考えを示した。 だが、これはどう考えてもオカシイ。現職大臣が暴力団と近しい関係にあるのではないか、と指摘されているのも同然だからだ。大体、吉本興業の芸人による闇営業問題が発覚した際、当時の閣僚はこう口をそろえていた。 <一般論として反社会的勢力と付き合うことは厳に慎むべきだ>(世耕弘成元経産相) <文化の健全な振興の観点からもガバナンス(企業統治)、コンプライアンス(法令順守)は極めて重要だ>(柴山昌彦元文科相) <一国民としてすっきりしない>(片山さつき元地方創生相) <吉本興業はクールジャパンのコンテンツ制作者として非常に有力な企業の一つであり、法令順守の徹底や説明責任を期待せざるを得ない>(平井卓也元科技相) 閣僚や自民党幹部が吉本問題でガバナンスやコンプライアンスの重要性を強調していたにもかかわらず、大臣に就いた武田氏や竹本氏が反社との“黒い交際”については知らん顔なんて許されるはずがない。ところが、大新聞・テレビもスルーしたままだから、呆れてしまう。 吉本芸人の星田英利(旧芸名ほっしゃん。)も自身のツイッター上でこう書いた。 <これを問題にしないのだったら、吉本の芸人さんとの違いは? あれもOKってことなんだね?誰か教えて。> この国の大新聞・テレビが二枚舌なのは今に始まったことじゃないが、こんなご都合主義じゃあ、悪辣閣僚がのさばるのもムリはない』、マスコミの安倍政権への忖度もここまでくると、呆れ果てる。

次に、政治ジャーナリストの泉 宏氏が11月1日付け東洋経済オンラインに掲載した「法務相も辞任、止まらぬ安倍政権「辞任ドミノ」 閣僚連続辞任で政局の節目変わるきっかけに」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/311889
・『10月31日の朝、河井克行法相(56)=衆院広島3区=が首相官邸で安倍晋三首相に辞表を提出、受理された。 9月11日の第4次安倍再改造内閣の発足からわずか1カ月半で、経済産業相に引き続いて主要閣僚が辞任した。経済産業相と法務相の辞任は、危機管理を優先した安倍首相による閣僚更迭というのが実態だ。複数の辞任予備軍と目される閣僚も存在しており、「辞任ドミノ」の様相が強まることで、安倍首相の今後の政権運営への不安も広がり始めている』、史上最長政権の気の緩みが出たようだ。
・『第2次安倍政権での閣僚辞任は10人に  河井氏の辞任は、7月の参院選で、妻の案里氏(46)=参院広島選挙区=が運動員に法定額を上回る日当を支払ったという公選法違反疑惑などを週刊文春が報じたことを受けたものだ。報道と同時のスピード辞任について河井氏は、自身や妻の関与は否定したうえで「疑義が生じたこと自体、法の番人として国民の信頼に耐えうるものではない」と、法相という立場からの辞任であることを強調した。 現内閣では、菅原一秀経産相(当時)の公設秘書が選挙区の支援者の葬儀で、菅原氏の代理として香典を手渡した場面が写真付きで報じられ、25日に辞任に追い込まれたばかり。安倍首相は「閣僚に任命したのは私で、責任を痛感している」として国民に陳謝したが、与党内では「(辞任した2人は)どちらも前からさまざまな疑惑が噂された人物で、事前の身体検査が甘かった証拠だ」(閣僚経験者)との批判や不満が広がっている。 2012年末の第2次安倍政権発足以降、辞任した閣僚は河井氏で10人目。発足から2年弱は閣僚が固定していたこともあって辞任した閣僚はいなかったが、内閣改造で顔触れを一新した2014年10月に、小渕優子経産相と松島みどり法相の2人の女性閣僚が辞任した。その後も西川公也農水相(2015年2月)、甘利明経産相(2016年1月)、今村雅弘復興担当相(2017年4月)、稲田朋美防衛相(2017年7月)、江崎鉄磨沖縄・北方担当相(2018年2月)、桜田義孝五輪担当相(2019年4月)が辞任した。 辞任の理由は、今回のような「政治とカネ」絡みから、失言、暴言までさまざまだが、辞任した閣僚の多くは起用前の段階で党内などから「閣僚にして大丈夫なのか」と不安視されていた人物だった。もちろん、歴代政権でも閣僚辞任は少なくなかったが、11月20日で史上最長政権となる安倍政権での頻繁な辞任騒ぎは「すでに季節の風物詩化している」(自民長老)と揶揄される始末だ』、「頻繁な辞任騒ぎは」「すでに季節の風物詩化している」とは言い得て妙だ。
・『どのケースでも安倍首相は「任命責任は私に」と陳謝してきたが、組閣・改造人事のたびに同じことが繰り返されている。与党内には「首相は自分の責任と言いながら、きちんとけじめをつけたことがない。内閣の高支持率にあぐらをかいている」(公明党幹部)との首相批判も広がる。自民党反主流派からは「こんな状況が続けば、次の選挙で必ず国民からしっぺ返しを受ける」(石破派幹部)との声も漏れてくる。 今回の連続辞任について、自民党内では「政権内の権力闘争にも影響を与える」(閣僚経験者)との見方が広がる。菅原、河井両氏は無派閥だが、どちらも菅義偉官房長官の側近で知られる。とくに河井氏は外交担当の首相補佐官や党総裁外交特別補佐官として、日米外交での首相の密使役も務めるなど、首相の懐刀としても活動してきた』、「「任命責任は私に」と陳謝」するだけで済めばこんな簡単なことはない。具体的な責任の取り方を説明すべきだろう。
・『菅氏の求心力低下は不可避に  さらに、法相辞任の原因となった河井案里氏は、参院広島選挙区での出馬を「菅氏が強引に押し進めた」とされる。同区で自民2人目となる案里氏の出馬で落選の憂き目を見た溝手顕正元参院議員会長は、ポスト安倍の有力候補とされる岸田文雄政調会長が率いる岸田派の重鎮で、同派からは「菅氏の露骨な岸田氏いじめ」(幹部)との不満が渦巻いていた。 このため、今回の菅氏側近の連続辞任については与党内でも「菅氏の政権内での影響力や求心力の低下は避けられない」(公明党幹部)との見方が広がる。また、岸田派内では「司法の捜査で河井案里氏の陣営の公選法違反が事実とされれば、連座制による議員辞職もありうる」(若手)として、それに伴う参院補選での溝手氏復活への期待も膨らむ。 河井氏は辞表提出後、「(疑惑は)私も妻もあずかり知らないこと。私としては法令にのっとった選挙をしていると信じている」と語ったが、週刊文春の記事は「案里氏の陣営が選挙カーから名前を連呼する運動員13人に、公選法で定められた上限額1万5千円の倍額の3万円を報酬として支払った」と極めて具体的だ。 河井氏が直ちに辞任したことも踏まえれば、「司法当局の捜査は当然」(司法関係者)とされうるだけに、「閣僚辞任で済む話ではない」(立憲民主党幹部)との見方も広がる。 さらに、首相の最側近とされる萩生田光一文部科学相のいわゆる「身の丈」発言も、「閣僚辞任まで発展しかねない」(自民幹部)との声もあがる。 2021年1月に始まる大学入学共通テストで導入される英語の民間試験に関して、萩生田氏は民放テレビ番組で「身の丈に合わせて頑張ってもらえれば」などと発言し、発言を撤回・陳謝したばかりだ。学生の親の収入格差や受験をめぐる地域格差による不公平を容認する発言とも受け取れるだけに、野党側は「発言は言語道断で、撤回ではすまない」(立憲民主党幹部)として閣僚辞任を迫っている。 河井氏の辞表を受理した首相は、すぐさま森雅子元少子化担当相を後任に決めた。菅原氏辞任の際も直ちに後任を決めており、首相サイドは「即断即決の対応は、政権への打撃を最小限にとどめるため」(側近)と解説する。しかし、主要野党は河井氏辞任を受けて「もはや、内閣総辞職に値する異常事態」(国民民主党幹部)との認識で一致し、31日に予定されていた国会審議もすべて先送りとなった』、安倍首相本人は、「菅氏の政権内での影響力や求心力の低下」で内心ニンマリしているとの話もあるようだ。
・『相次ぐ閣僚辞任で「12月総選挙説」は消滅か  今国会で政府が最優先課題とする日米新貿易協定の承認について、政府は会期内成立を確定させるために11月6日の衆院通過を目指しているが、連続辞任劇の影響で今後の国会審議が大幅に停滞する可能性がある。さらに、首相が今国会での審議を強く求める衆参両院の憲法審査会での憲法改正論議も、野党側は「もはや、今国会で本格論議に入る状況ではない」(立憲民主党幹部)と徹底抗戦の構えを強めている。 今国会は、菅原氏の経産相辞任までは「与党の思惑通り、順調に進んできた」(自民国対)だけに、与党内には動揺と不安も広がる。野党側への脅しともなっていた11月20日解散・12月15日選挙説も、「もはや、そんな雰囲気はまったくなくなった」(自民国対)と消滅し、統一会派を組んだ立憲民主、国民民主両党などは「安倍政権を徹底的に追い詰める絶好のチャンス」と結束を強めている。 もちろん、これまでの閣僚辞任劇のほとんどが「野党やマスコミが騒いでも、一過性に終わってきた」(自民幹部)のも事実だ。内閣支持率は一時的には下がっても、騒動が収まると5割前後の高支持率に戻ることを繰り返してきた。それだけに今回も「11月にも天皇即位に伴う皇室行事があるので何とか乗り切れるはず」(官邸筋)と楽観視する向きもある。しかし、党内では「安倍政権にとっては、まさにオウンゴールの連続で、史上最長政権を祝うような状況ではなくなった」(岸田派幹部)との危機感も少なくない。 河井氏辞任について首相は31日午前、疲れを隠せない表情で「菅原氏に引き続いて河井氏が辞職する結果となったことについて、厳しいご批判があることは真摯(しんし)に受け止めなければならない。内閣として、また首相として、より一層身を引き締めて行政の責任を果たしていきたいと決意している」と頭を下げた。また、菅官房長官も同日午前の記者会見で「厳しい批判をきちんと受け止める必要がある」と表情を引き締めた。 今回の連続辞任劇は「安倍・菅ラインでのお友達人事の破綻」(自民長老)ともみられるだけに、「政局の潮目が変わるきっかけ」(同)となる可能性も否定できない』、是非とも「政局の潮目が」変わってのしいものだ。

第三に、コラムニストの小田嶋 隆氏が11月8日付け日経ビジネスオンラインに掲載した「セコくなった大臣の首取り」を紹介しよう。
https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00116/00043/?P=1
・『吉本興業と京都市が仕組んだと言われているステマのお話はその後どうなったのだろうと思っている読者はいないだろうか。 私はそう思った。だから、各方面の報道をチェックしていた。ところが、11月に入ってからこっち、ふっつりと続報が途絶えている。どうやらこのニュースはこのまま黙殺されるカタチでフェードアウトする流れに入ったようだ。つまり、吉本ステマ案件は、報道的には、すでに風化過程に組み込まれているわけだ。 なので、蒸し返すことにする。 私が、あえてこのさしたる大事件にも見えない吉本ステマ騒動にこだわっているのは、この事件に限らず、最近、メディアが報道案件を取り上げる時の扱い方に納得できない気持ちを抱いているからだ。 思うに、21世紀の不況下の報道メディア各社は、ニュースバリューの大きさや事件の重要性よりも、取材のやりやすさや、視聴率の高さを重視する方向にシフトしている。だからこそ、ふだんから付き合いの深い関係先のスキャンダルを暴き立てることよりは、世に言う「文春砲」の後追いで安易に記事を作ることを選択して恥じない。私の目にはどうしてもそんなふうに見える。 本題に入る前にこっちの話をしておこう。あるいは、こっち(メディアの報道姿勢のうさんくささ)の方が本来の本題であるのかもしれないので。 つい2日ほど前、財務省のいわゆる「森友文書」について、新しい展開があった。 「森友学園」をめぐる国有地の売却問題で、情報公開請求に対して、財務省が「不開示」としていた行政文書およそ5600ページをテレビ東京が入手したというこのニュースそのものは、見事なスクープだと思う。 リンク先の記事によれば、新たに公開された応接録や交渉記録は、日付や一部の担当者の名前を除いて、多くが黒塗りにされていたということなのだが、黒塗りでもなんでも、実物の「森友文書」を入手したこと自体が重要な成果だ。 財務省は、文書の特定の部分を黒塗りにすることで、情報の漏洩を防ぎ切ったつもりでいるのかもしれない。しかし、すべてが彼らの思惑通りに展開するわけではない。というのも、文書の表面を覆い尽くしている黒い色のインクそれ自体が、財務省の隠蔽体質をなによりも雄弁に物語ってしまっているからだ。このことを証明したのは、ひとえにテレビ東京の手柄だ。今後、どの部分が黒塗りにされ、どの部分がそのまま開示されていたのかを子細に分析すれば、いまわかっていること以上の何かが浮かび上がる可能性もある。 気になるのは、「森友問題」という、ほんの1年ほど前には日本中のメディアにとって最大級の鉱脈だったはずの事案から、新たなネタを掘り出してきたのが、よりにもよってテレビ東京だったという事実だ。 しかも、テレビ東京の自前のニュースコーナーやウェブサイト以外の大手メディアは、いまのところこのスクープを記事化していない。まさか黙殺するはずはないので、いずれ後追いで報道するとは思うのだが、どっちにしても、立ち上がりの反応が鈍すぎる。いったい彼らは、去年まであんなにやかましく声を張り上げていた森友案件について、どういう落とし前をつけるつもりでいるのだろうか』、「報道メディア各社は、ニュースバリューの大きさや事件の重要性よりも、取材のやりやすさや、視聴率の高さを重視する方向にシフトしている」、同感だ。テレビ東京が「実物の「森友文書」を入手した」、初めて知ったが、まだ番組での紹介などはまだのようだ。
・『テレビ東京の取材力をあなどるわけではないのだが、同局の報道部隊が、予算的にも人員的にも、他の在京テレビキー局や全国紙各社と比べて貧弱であることは、誰もが知る事実だ。その、大手報道各社の陣容と比べれば、何分の一にも満たない予算と人員でやりくりしているテレビ東京が、ほかの日本中の大手メディアを差し置いて、トンビが油揚げをさらうカタチでスクープ記事をモノにした今回のなりゆきは、メジャーな報道各社が、森友関連の話題を追いかけ回すことを事実上断念していたことを意味しているのではなかろうか。それどころか、大手メディアが、政権に「忖度」して、取材を手控えていた可能性だってまったくないとは言い切れない。 いずれにせよ、昨今の報道各社の腰砕けっぷりを見るに、大手メディアがいわゆる「モリカケ」問題に関して、すでに戦意喪失の状態に陥っている可能性は否定できない。1980年代の歌舞伎町には、胸ぐらをつかんでスゴんでみせるところまではやっても、本気でケンカをする根性ははじめから持っていないチキンな酔っぱらい学生が群れ集まっていたものだが、現在の報道各社で役員用の椅子に座っているメンバーの中には、その歌舞伎町人種の成れの果てが少なからぬ割合で含まれているはずだと、偏見だと思う人もあるだろうが、私個人は、そう思い込んでいる。彼らは虚勢を張るのが上手なだけで、実際には何もできない。そういう人間を私は、たくさん見てきた。 菅原一秀前経産相と、河井克行前法相を相次いで辞任に追い込んだ最近のできごとについても、私は政治報道にたずさわる記者諸君の手柄だとは思っていない。 あれは、そもそもが資質に欠ける人間を閣僚に抜擢した現政権による自爆案件に過ぎない。そうでなくても、文春砲の波及効果以上のものではない。 ついでに申せばだが、私個人は、メロンだの香典だのの件といい、ウグイス嬢に支払った報酬の件といい、本質的には些末な話題だと思っている。本来なら、大臣の首を引き換えにするような事件ではない。 もちろん、建前論からすれば、2万円ぽっちの香典ではあっても政治資金規正法に違反する支出である以上大臣として批判されるのは当然なのだろうし、ウグイス嬢に支払った金額がたったの3万円であっても、それが法で定められた上限を上回っているのであれば、形式上は、同じく政治資金規正法の基準に照らして厳しく罰せられるべきだというお話にはなる。小さいことをゆるがせにしていては法が法である意味が失われてしまう。それはよくわかっている。 でも、それでもなお、「たかが3万円の話だよね」。 ということは、王道の庶民感覚として、この際、声を大にして呼ばわっておくべきだ。 なぜというに、たかだか3万円だかのカネをばら撒いたことで大臣の首を飛ばしにかかった今回のメディアの仕事ぶりが、本当のところ、一般の日本人の真摯な共感を呼び寄せるとは思えないからだ。 「ほら、アサヒさんたちがまた重箱の隅をつついてるぜ」「まったくシュウトメ根性にペンを持たせたみたいな記者集団だな」と、そう思う読者がいても不思議ではない。 「っていうか、あの人らはメロンだの鯛だので票が買えるみたいな前提で記事を書いてるみたいだけど、それって、根本的な次元で選挙民をバカにしてないか?」と、そう感じるのがむしろ当たり前な庶民でさえある。 私自身は、少なくとも、「メロンがどうしたとか、ウグイス嬢がどうしたとか、まったくどこのチクリ屋に国政を私物化されて大喜びしてるんだか」くらいには思っている』、「メジャーな報道各社が、森友関連の話題を追いかけ回すことを事実上断念していたことを意味しているのではなかろうか。それどころか、大手メディアが、政権に「忖度」して、取材を手控えていた可能性だってまったくないとは言い切れない」、情けない話だ。「菅原一秀前経産相と、河井克行前法相を相次いで辞任に追い込んだ最近のできごとについても・・・あれは、そもそもが資質に欠ける人間を閣僚に抜擢した現政権による自爆案件に過ぎない。そうでなくても、文春砲の波及効果以上のものではない」、その通りだ。
・『今回の二つの事例をよけて考えても、この10年ほど、大臣が辞職に追い込まれるお話が、どんどんセコくなっている傾向は明らかだ。そして、この傾向は、政治不信よりも、むしろ報道不信を招いている。そう思わなければならない。 しかも、セコい事件で尻尾を出した大臣がたちまちのうちに職を追われている一方で、より深刻な腐敗に連なっているかに見える面々は、コトがコトだけに(つまり、ヤマがデカ過ぎて動かぬ証拠を見つけることがそれだけ難しいから)まんまと逃げおおせている。 安倍政権で辞任した大臣の顔と辞任理由を並べてみると、団扇に線香に宝塚のチケットにメロンに香典にウグイス嬢のバイト代てなことになる。どれもこれもいくらなんでも案件としてちっぽけ過ぎる。 メディアならびに野党が、こんなゴミみたいなミスをあげつらって大臣を辞職に追い込んだことを、自分たちの得点だと思い込んでいるのだとしたら、これは相当におめでたいと申し上げなければならない。 実際、野党が支持されない理由の一つに、彼らがあげつらっている政権側の欠点が、あまりにもくだらないということがあると思う。くだらない欠点を露呈している政権側もたしかにどうしようもない人たちではあるわけだが、では、そのくだらない欠点を大真面目に指摘して何かを成し遂げたつもりになっている野党を、いったい誰が支持したいと思うだろうか。少なくとも私は、メロンを配るのがルール違反なのだとして、そんなバカなことを追及して喜んでいる政治家に国政を委ねたいとは思わない。 線香だの団扇だのメロンだのに関する失策で、政権側があっさりと非を認めて大臣の首を差し出すのは、それらが、形式上申し開きの不可能な事例であるということもあるが、それ以上に、差し出す首が、実のところトカゲの尻尾に過ぎないからだ。つまり、彼らにしてみれば、どうということもない罪だからこそ簡単に認めることができるというそれだけの話ではないか。 さらに驚くのは、メディアの中の人たちが、これらの政治資金規正法がらみの些細な逸脱(選挙中に怪しいカネを配布したり、選挙区の住民に曖昧な物品を配ってまわったりしたみたいなお話)と、国政を歪める重大な疑獄事件に発展しかねない贈収賄を疑わせる資金の出入り(関西電力からの地方政治国政を含む各方面への政治献金や、甘利明元経済再生相、下村博文元文科相の資金疑惑などなど)を、「政治とカネ」というおよそ粗雑なタグで一括処理し、しかも、前者を手柄顔でつつきまわしている一方で、より重大かつ深刻な資金疑惑である後者に関しては、わりとあっさりと尻尾を巻いて追及をあきらめてしまっていることだ。 報道された結果をこっち側から見ている当方のような立場の者からすると、「あんたたちって、もしかして、追及しやすいネタだけ追いかけ回してないか?」  と言いたくなる。 そりゃたしかに、菅原氏にしても河井氏にしても、到底大臣の器にかなう人物だとは思わない。蹴り出されて当然だとも思う。ざまあみろとさえ思っている』、「メディアの中の人たちが、これらの政治資金規正法がらみの些細な逸脱・・・と、国政を歪める重大な疑獄事件に発展しかねない贈収賄を疑わせる資金の出入り(関西電力からの地方政治国政を含む各方面への政治献金や、甘利明元経済再生相、下村博文元文科相の資金疑惑などなど)を、「政治とカネ」というおよそ粗雑なタグで一括処理し、しかも、前者を手柄顔でつつきまわしている一方で、より重大かつ深刻な資金疑惑である後者に関しては、わりとあっさりと尻尾を巻いて追及をあきらめてしまっていることだ」、メディアは弱い者いじめより、本物の悪に立ち向かってほしいものだ。
・『とはいえ、それはそれとして、文春がほじくり出してきたケアレスミス(というよりも「脇の甘さ」案件ですよ。せいぜいが)みたいな失策をネタにした後追いに血道を上げている記者たちが、その一方で、あれほど明々白々たる証拠が転がっているように見えた甘利明氏の金銭授受疑惑や、本人が「いずれ説明する」と明言していながら、いまだに一言たりとも説明していない下村博文氏の政治資金疑惑について、取材に行っている形跡さえ見えていないのはいったいどういうわけなのかと思わないわけにはいかない。 記者は、政治資金規正法というシンプルな法律にかかりやすいカタチで違反している政治家の事例(政治家の側がカネをばら撒いたお話)については、実にシンプルかつ率直な追及記事を書く。政治家の側としても、この種の案件に関しては、申し開きができない。証拠が挙がっている以上、事実を認めるほかにどうしようもない。 で、結果として、大臣は辞職に追い込まれる。 一方、同じ「政治とカネ」の話でも、政治家の側がカネを受け取った事案については、シンプルな記事は書けない。事実を証明するためには多方面に取材したうえで、動かぬ証拠をつかむことが必要になるわけだが、当然、カネを受け取る政治家は簡単に証拠を残すことはしないし、政治家にカネを渡す側の人間も万全の煙幕を張っている。また、政治家にしても政治家にはたらきかけていた人々にしても、捜査当局によって「クロ」の認定が出るまでは、決して金銭の受け取りを認めない。なぜなら、政治家がカネを受け取ることは、政治家がカネをばらまくことに比べて、より重大かつ深刻な犯罪を示唆しているからで、場合によっては政権そのものがひっくり返る話だからだ。 この話は、なんだか、警察にとって、交通量の少ない道路での駐車違反の摘発が、効率的かつ手軽な点数稼ぎである一方で、悪質煽り運転者の逮捕が危険で手間がかかるわりに成果の上がりにくい仕事である事情に似ている。 摘発される側にしてみれば、駐車違反のような比較的軽微な違法行為が厳しく摘発されている半面、危険な煽り運転のような明らかに人命にかかわる違法行為が見逃されたまま放置されている現状に腹が立つばかり、ということになる。 吉本の事案にも、一応触れておこう。 最初にこのニュースを伝えたNHKのサイトは、《京都市が、市の取り組みをPRするため人気漫才コンビにツイッターで情報発信をしてもらう対価として100万円を支払う契約を吉本興業と結んでいたにもかかわらず、漫才コンビのツイートの中に広告と明示していなかったことが分かりました。―略―》と、特段に「ステルス・マーケティング」「ステマ」という言葉は使っていない。 とはいえ、ネット上では、このテの手法は特別に嫌われることになっている』、「この話は、なんだか、警察にとって、交通量の少ない道路での駐車違反の摘発が、効率的かつ手軽な点数稼ぎである一方で、悪質煽り運転者の逮捕が危険で手間がかかるわりに成果の上がりにくい仕事である事情に似ている」、絶妙な比喩だ。
・『2件のツイートで100万円の報酬というその破格さも話題になった。で、たちまち「癒着やんか」「えげつな」という感じの声が殺到して、ネット界隈は大変な騒ぎになった。  ところが、10月30日に吉本興業が当該のツイートが《「ステルスマーケティング(ステマ)」に該当しないとする見解をまとめたことが30日、関係者への取材でわかった。》という不思議なニュースが共同通信から配信されると、それっきりほぼ続報は途絶える。 「え? どうしてステマじゃないって断言できるわけ?」「関係者って誰?」「見解をまとめたって、その見解をどこに配ったんだ?」と、誰もが疑問に思う点を吉本興業に対してぶつけにいった記者がいたのかいなかったのか、とにかく、どうしてあのツイートがステマに該当しないのかを説明する記事は、以後どこからも出てきていない。 このあたりの対応は、菅官房長官が「批判は当たらない」と言うばかりで、どうして批判には当たらないかの理由や事情をまるで説明していないにもかかわらず、 「官房長官は、どういう理由で批判が当たらないとおっしゃるのでしょうか」と問いただす記者が一人も現れない官邸の記者会見の様子とそっくりだ。 吉本興業に追加取材をかけることさえできない記者が、どうして森友事件の続報をまとめるべく財務省なり官邸なりに突っ込むことができるだろうか(いやできない)。ちなみにこれは反語という語法で、不可能な疑問文を掲げておいてそれを自分で否定してみせる東アジアに特有ないじけたレトリックだ。 反語で締めくくるのは後味が悪い。 「いやできる」と力強く反論してくる記者が現れてくれるとうれしい』、共同通信が流した「吉本興業が当該のツイートが《「ステルスマーケティング(ステマ)」に該当しないとする見解をまとめた」は、全くニュースの形をなしていない。こんなのを流すとは、共同通信も落ちたものだ。「「官房長官は、どういう理由で批判が当たらないとおっしゃるのでしょうか」と問いただす記者が一人も現れない官邸の記者会見の様子とそっくりだ」、東京新聞の勇ましい女性記者は発言を封じられてしまったのだろうか。現在のメディアの姿勢は本当に情けないが、安倍政権の基盤が揺らぎ出せば変わる、とはかなくはあるが、期待したい。
タグ:警察にとって、交通量の少ない道路での駐車違反の摘発が、効率的かつ手軽な点数稼ぎである一方で、悪質煽り運転者の逮捕が危険で手間がかかるわりに成果の上がりにくい仕事である事情に似ている 吉本興業が当該のツイートが《「ステルスマーケティング(ステマ)」に該当しないとする見解をまとめたことが30日、関係者への取材でわかった。》という不思議なニュースが共同通信から配信 小田嶋 隆 「“黒い交際”閣僚をスルー 大メディアのご都合主義と二枚舌」 メジャーな報道各社が、森友関連の話題を追いかけ回すことを事実上断念していたことを意味しているのではなかろうか。それどころか、大手メディアが、政権に「忖度」して、取材を手控えていた可能性だってまったくないとは言い切れない 「森友文書」 より深刻な腐敗に連なっているかに見える面々は、コトがコトだけに(つまり、ヤマがデカ過ぎて動かぬ証拠を見つけることがそれだけ難しいから)まんまと逃げおおせている 閣僚や自民党幹部が吉本問題でガバナンスやコンプライアンスの重要性を強調していたにもかかわらず、大臣に就いた武田氏や竹本氏が反社との“黒い交際”については知らん顔なんて許されるはずがない ふだんから付き合いの深い関係先のスキャンダルを暴き立てることよりは、世に言う「文春砲」の後追いで安易に記事を作ることを選択して恥じない 報道メディア各社は、ニュースバリューの大きさや事件の重要性よりも、取材のやりやすさや、視聴率の高さを重視する方向にシフトしている 竹本直一IT担当相 行政文書およそ5600ページをテレビ東京が入手 尻尾を巻いて追及をあきらめてしまっている メディアの中の人たちが、これらの政治資金規正法がらみの些細な逸脱(選挙中に怪しいカネを配布したり、選挙区の住民に曖昧な物品を配ってまわったりしたみたいなお話)と、国政を歪める重大な疑獄事件に発展しかねない贈収賄を疑わせる資金の出入り(関西電力からの地方政治国政を含む各方面への政治献金や、甘利明元経済再生相、下村博文元文科相の資金疑惑などなど)を、「政治とカネ」というおよそ粗雑なタグで一括処理し、しかも、前者を手柄顔でつつきまわしている一方で、より重大かつ深刻な資金疑惑である後者に関しては、わりとあっさりと 吉本興業と京都市が仕組んだと言われているステマ 「セコくなった大臣の首取り」 菅官房長官が「批判は当たらない」と言うばかりで、どうして批判には当たらないかの理由や事情をまるで説明していないにもかかわらず、 「官房長官は、どういう理由で批判が当たらないとおっしゃるのでしょうか」と問いただす記者が一人も現れない官邸の記者会見の様子とそっくりだ 安倍首相は「任命責任は私に」と陳謝 日刊ゲンダイ 甘利明氏の金銭授受疑惑 「辞任ドミノ」の様相が強まることで、安倍首相の今後の政権運営への不安も広がり始めている 第2次安倍政権での閣僚辞任は10人に 相次ぐ閣僚辞任で「12月総選挙説」は消滅か (その10)(“黒い交際”閣僚をスルー 大メディアのご都合主義と二枚舌、法務相も辞任 止まらぬ安倍政権「辞任ドミノ」 閣僚連続辞任で政局の節目変わるきっかけに、小田嶋氏:セコくなった大臣の首取り) そもそもが資質に欠ける人間を閣僚に抜擢した現政権による自爆案件に過ぎない。そうでなくても、文春砲の波及効果以上のものではない 「法務相も辞任、止まらぬ安倍政権「辞任ドミノ」 閣僚連続辞任で政局の節目変わるきっかけに」 東洋経済オンライン 菅原一秀前経産相と、河井克行前法相を相次いで辞任 泉 宏 下村博文氏の政治資金疑惑 武田良太国家公安委員長 河井克行法相 このニュースはこのまま黙殺されるカタチでフェードアウトする流れに入ったようだ 日経ビジネスオンライン 元暴力団関係者との“黒い交際” 菅氏の求心力低下は不可避に 安倍内閣の問題閣僚等
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