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ネットビジネス(その7)(赤字のメルカリ 「メルペイ」普及のため鹿島アントラーズ買収は得か損か、お布施の定額化で躍進 明瞭価格の葬儀スタートアップ・よりそうが20億円調達、「お坊さん便」がアマゾンでの提供終了 全日本仏教会に屈したのか?、“五つ星”はカネで買える 揺らぐアマゾンの信頼 消費者だます「やらせレビュー」蔓延、首謀者が全告白) [産業動向]

ネットビジネスについては、5月22日に取上げた。今日は、(その7)(赤字のメルカリ 「メルペイ」普及のため鹿島アントラーズ買収は得か損か、お布施の定額化で躍進 明瞭価格の葬儀スタートアップ・よりそうが20億円調達、「お坊さん便」がアマゾンでの提供終了 全日本仏教会に屈したのか?、“五つ星”はカネで買える 揺らぐアマゾンの信頼 消費者だます「やらせレビュー」蔓延、首謀者が全告白)である。

先ずは、7月31日付けダイヤモンド・オンライン「赤字のメルカリ、「メルペイ」普及のため鹿島アントラーズ買収は得か損か」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/210411
・『フリーマーケットアプリ大手のメルカリがサッカーJ1の鹿島アントラーズを買収する。赤字続きのメルカリが、畑違いのサッカービジネス参入で狙うのは、競争が激化しているキャッシュレスサービス「メルペイ」の普及だ』、興味深そうだ。
・『「小泉社長の悲願」地元愛をアピール  「テクノロジーで変革を起こし、鹿島アントラーズをグローバルでナンバーワンのチームにしたい」———。 7月30日、東京都文京区の日本サッカー協会ビルで開催された記者会見。フリーマーケットアプリ大手メルカリの小泉文明社長は高らかに宣言した。 メルカリはサッカーJ1の「鹿島アントラーズ」を買収する。鹿島の運営会社、鹿島アントラーズ・エフ・シーの株式の61.6%を、約16億円で日本製鉄から取得し、子会社化する。公正取引委員会の承認を得た上で、8月30日に買収が完了する見通しだ。 メルカリは2017年から鹿島のスポンサー契約を締結。今回の買収の経緯について、「スポンサーとして意見交換する中で、どちらから(買収を持ちかけた)ということはなく、自然発生的に今回の話はまとまった」と小泉社長は説明している。 メルカリの関係者によれば、今回の鹿島の経営権参画は「小泉社長が数年前から語っていた悲願」だという。会見でも小泉社長は、鹿島の本拠地に近い茨城県麻生町(現行方市)出身であることを強調。「中学生時代に巨大なサッカースタジアムができ、ジーコのプレーを見てファンになった。サッカー中心に地域を活性化したい」と“地元愛”をアピールした。 ただ、メルカリが現在事業の3本柱として掲げるのは国内メルカリ事業、米国メルカリ事業、キャッシュレス決済「メルペイ」事業だ。そして、国内メルカリ事業は黒字であるものの、米国メルカリ事業とメルペイ事業での出費がかさみ、19年6月期の業績は137億円の赤字の見込みだ。なぜサッカーという畑違いのビジネスに踏み込むのか』、いくら「“地元愛”」があるとはいっても、上場企業が買収する以上、会社にとってのメリットが必要だ。
・『16億円で買った広告塔  鹿島買収でメルカリが目論むのは、キャッシュレス決済「メルペイ」の普及だ。急増する「〜ペイ」の名がつく決済サービスの中で、今年2月にサービスを開始したメルペイは後発組。登録数は200万を超えたが、競合の背中は遠い。 数多くある決済サービスで、自社のものを使ってもらう有効な手法の一つは、使わざるを得ない場を強制的に生み出すことだ。 例えば、「PayPay」を展開するソフトバンクは、ヤフオクドームで開催される福岡ソフトバンクホークスの試合で、PayPayで支払いをすると生ビールが半額になるなどのキャンペーンを展開。また、「楽天Pay」を展開する楽天は、ヴィッセル神戸や楽天イーグルスのスタジアムをキャッシュレス化するなど、自社決済に囲い込む場として活用している。 「グッズや飲食販売でのキャッシュレス決済の利用や、チケットのペーパーレス化でスタジアムが快適になる。決済は日々利用するローカル色が強いサービス。スタジアムをショーケースとして、新しいチャレンジの場として活用できる」と小泉社長は相乗効果を強調。メルペイ経済圏の本拠地としての期待を寄せる。 また、国内メルカリ事業についても、「メルカリの利用者は20~30台の女性が中心。40台以上の男性にアプローチできるサッカーの可能性は大きい」(小泉社長)と広告塔としての役割を狙っており、鹿島の選手にメルカリで出品してもらうことなども考えているという。 昨年6月に上場し、約600億円を調達したメルカリ。米国メルカリとメルペイを強化すべく人材獲得などを進める一方で、旅行などの新規事業開発を担っていた子会社ソウゾウを7月に解散。また、シェアリング自転車サービス「メルチャリ」事業も譲渡し、事業の選択と集中を進めていた。 決算で赤字が続いていることについて、小泉社長は「赤字というPL(損益計算書)だけでなく、BS(貸借対照表)やキャッシュフローのバランスと事業の成長が重要だ」と訴える。メルペイ普及のために投じることになる、16億円という鹿島の買収額。ソフトバンクグループがPayPay普及のために投じた2度にわたる「100億円キャンペーン」と比べれば、メルカリにとって“お得な”買い物なのかもしれない』、「メルペイ」の決済サービスを伸ばす手段、広報効果が「16億円」で得られるなら、確かに「“お得な”買い物」のようだ。

次に、9月3日付けダイヤモンド・オンライン「お布施の定額化で躍進、明瞭価格の葬儀スタートアップ・よりそうが20億円調達」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/213303
・『不明瞭な料金体系やさまざまな慣習が残る葬儀業界に挑戦するスタートアップ・よりそう。もともと葬儀社の比較サービスから始まった同社は、明瞭価格をうたう葬儀サービスを軸に、ライフエンディング領域の事業を拡大している。そのよりそうが総額20億円の資金調達を実施したことを明らかにした。同社のこれまでの軌跡と、今後の展開について、よりそう代表取締役社長の芦沢雅治氏に聞いた』、同社の「お坊さん便」については、このブログの2016年4月19日、2018年9月8日に取上げた。
・『レビューサイト運営で気付いた「葬儀」の課題  葬儀サービス「よりそうのお葬式」、僧侶の手配サービス「お坊さん便」などを手がけるスタートアップ・よりそう。同社は9月2日、SBIインベストメント、ジャパン・コインベスト、新生企業投資、ナントCVC2号 ファンド、山口キャピタル、AGキャピタルの計6社より総額20億円の資金を調達したことを明らかにした。よりそうはこれまでグローバル・ブレイン、三井住友海上キャピタル、SMBCベンチャーキャピタル、グロービス・キャピタル・パートナーズ、Spiral Ventures Japan、みずほキャピタルからも資金を調達しており、累計調達額は約32.6億円に上る。 よりそう(当時の社名はみんれび)の設立は2009年3月。学生時代からウェブサイトを制作していた芦沢氏は、2009年にみんれびを設立。当初はさまざまなジャンルのレビューサイトを作り、アフィリエイトを軸に事業を行っていた。その中でもユーザーを集めていたのが葬儀のレビューサイト「葬儀レビ」。そこで芦沢氏は葬儀に関する情報のニーズについて知ることになった。 「いろいろなサイトを立ち上げる中で、当時は葬儀領域の競合が少なく反響もよかったんです。ただ、自分の身のまわりの人がいつ亡くなるかは分からないことがほとんど。急な相談のニーズも多いため、365日、24時間のコールセンターが必要だと感じたんです。当時は私も電話に出ていました」(芦沢氏) 芦沢氏も語るように、葬儀の多くは短い時間で大きな選択を迫られることがほとんど。また、経験する機会もそうそうないものだ。そんな中でいつでも相談できるコールセンターを作ったことが、ユーザーを集めたのだという。 「正直なところ、その頃は事業的には常に苦しい状況でした。レビューサイトやコンサル事業、他社サイトの集客支援などをやりながら、それをコールセンター業務につぎ込んでいる状況。ですが、レビューして、比較するだけではダメだったんだと思っています。コールセンターまで作ったことが、サイトの価値につながりました」(芦沢氏)』、「コールセンターまで作ったことが、サイトの価値につながりました」、目のつけどころは確かそうだ。さらに、ベンチャー・キャピタルから総額32.6億円も調達したとは、たいしたものだ。
・『「価格が明瞭な葬儀サービスが必要」  レビューサイトは事業として育ちつつあったという当時のよりそう。葬儀に関する相談を受ける中で、現状の葬儀ビジネスにまだまだ不明瞭な点があるということだと気付いた芦沢氏。2013年には明瞭な価格体系を打ち出した葬儀サービスの「よりそうのお葬式(開始当初の名称は「シンプルなお葬式」)」や、法事や法要に定額のお布施で僧侶を手配する「お坊さん便」といった葬儀関連サービスを自ら展開するに至った。 「たとえばお布施の金額を相談されても、これまでだと『お気持ちです』としか言えませんでした。それを定額化して示したことの反応がよかったんです。葬儀の業界を研究してきましたが、すればするほど、『分かりづらい』と感じました。たとえ複数社を並べて比較検討したところで、何が違うのかが見えにくい。お客さまのニーズ考えると、価格が明瞭で、パッケージとしてしっかりした葬儀が必要だと考えました」「老後は怖い。それはみんな怖いじゃないですか。年金をはじめとしたお金、親や自分自身の介護だってそうです。もちろん終活もそうです。だからまず、ここからやっていこうと決めました。最初の頃には『インターネットで葬儀社は探さない』とも言われました。今までは家族や知り合い経由、もしくは病院の提携先などのつながり、もしくは電話帳で探していた領域。それをパソコンやスマホで検索しないわけはないと思っていました」(芦沢氏) 2009年にはユニクエストの「小さなお葬式」、イオン子会社であるイオンライフの「イオンのお葬式」といった明瞭な価格設定をうたう葬儀サービスがスタート。業界団体との摩擦もあったが、その認知を広げつつあった。また、病院提携の葬儀社に葬儀を依頼する割合も減ってきている(芦沢氏によると現在では10%にも満たない状況だという)。さらに、都市圏を中心に核家族化が進んで葬儀自体の規模も小さくなってきた。こういった状況も葬儀サービスのニーズに拍車をかけた』、「明瞭な価格設定をうたう葬儀サービス」がライバルとして出現しているようだ。
・『問い合わせは4年で8倍以上に  同社の売上高は非開示だが、葬儀サービスを軸に、数十億円規模に成長しているという。また、葬儀サービスへの累積問い合わせ件数は2014年度末から2018年度末で比較して約8倍、お坊さん便では約13倍になった。また、2018年3月には社名変更に加えて、墓地、法事、相続といった葬儀周辺領域のサービスをワンストップで提供するブランドとして「よりそう」を打ち出している。よりそうでは生前に加入することで、葬儀や供養の特典が受けられる「よりそうメンバー制度」を展開しているが、その会員は数万人になっているという。 「喪主としてお葬式を上げて、お坊さんを手配します。そうすると今度は四十九日、一周忌法要と続きます。周忌法要だけでなく、位牌や仏壇、お墓も必要になりますし、相続についてもなくなってから10ヵ月以内に決めないといけません。そういったことを一元化していきます」(芦沢氏) よりそうでは、今回調達した資金をもとに採用やサービスの拡大を進める。来年度末までに社員数は現在の2倍にあたる200人にまで拡大する。葬儀の市場規模は2兆円。高齢化が進むため、2040年頃までさらに拡大するとの見方もある。 今後はテレビCMをはじめとしたマスプロモーションについても検討中だ。また、提携する葬儀社とも連携し、顧客満足度向上のための仕組みも作っていくという。ユニクエスト(2018年12月)、イオンライフ(2019年4月)同様、2019年1月には景表法の有利誤認にあたるとして措置命令も受けたが、表示を訂正し、再発防止のための体制作りも進めた。 「米国でも、ある葬儀社が価格を公開したら州知事に褒められたというニュースがありました。もちろんそのままの形式で持っていけるかは別ですが、グローバルに課題がある領域です。ですがまずは国内で、そして葬儀の前後までをサポートする事業をやっていきたいと思っています」(芦沢氏)』、「葬儀周辺領域のサービスをワンストップで提供するブランドとして「よりそう」を打ち出している」、広がりがあるビジネスに一挙に拡げてゆく戦略の行方が注目される。

第三に、11月9日付けダイヤモンド・オンライン「「お坊さん便」がアマゾンでの提供終了、全日本仏教会に屈したのか?」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/219904
・『僧侶を手軽に分かりやすい金額で手配できることで好評を博した「お坊さん便」が、アマゾンでの取り扱いを終了する。その背景には仏教界との対立があった。今後、僧侶派遣サービスはどうなるのか』、資金調達もしたのに、本当にどうなっているのだろうか。
・『昨年比150%超の成長 僧侶派遣サービスが普及した理由  「アマゾンでの『お坊さん便』の取り扱いを終了します」――10月24日、よりそう(旧みんれび)は、こうリリースした。 お坊さん便とは、葬儀供養など仏事の際にインターネット上で民間の僧侶を手配し、全国に一律定額で派遣できるサービスのことだ。 2013年に運営を開始し、15年から大手ECサイトのアマゾンで出品。年間累計問い合わせ件数の実績は、14年度に比べて18年度は約13倍になった。また、直近の19年第2四半期では、新規外部受注分で昨年比150%超と成長を続けている。 僧侶の登録者数も1300超に及んでおり、革新的なアイデアが消費者、僧侶の双方に受け入れられたことになる。 では、なぜお坊さん便が普及したのか。 その背景には、お墓参りに行く時間がない、お布施の金額が不明瞭で僧侶とはあまり付き合いたくない、などの理由で先祖供養をする「菩提寺」を必要としなくなった葬儀や供養といった法事をめぐる消費市場の変化がある。 その一方で、僧侶も収入源が減っており、少しでも法事に関わる機会を増やしたいというニーズがあった』、ここまで順調に伸びていたのに、「アマゾンでの取り扱いを終了」した理由は、何なんだろう。
・『「宗教行為を商品化するな」 新勢力と旧勢力の対立  同社の売上高に占めるお坊さん便の割合は「非開示」(同社広報)だが、同社の主力サービスであることは間違いない。 では、なぜ売上に貢献してきたアマゾンでの取り扱いを終了したのか。 その背景には、日本の伝統仏教界における唯一の連合組織「全日本仏教会」の存在がある。 「お坊さん便」がアマゾンで出品された際、同会は「お布施はサービスの対価ではない」「宗教行為を商品化してはいけない」といった反対声明を出した。 こうして、新勢力のお坊さん便VS旧勢力の全日本仏教会という構図が生まれた。 そんな中、よりそうは1年ほど前から「仏教関係者に対してお坊さん便の役割を説明する機会を増やしてきた」(同社広報)という。 そして今年春ごろ、両者が直接対話する場が設けられた。 その中でアマゾンでの出品が文化・宗教行事を商品化したように見えたり、不要なものだという誤解を広めてしまった側面があったこと。葬儀と弔いにおける仏事の重要な役割は、身近な人と死別した悲しみを癒す「グリーフケア」であり、その重要性を希薄化させてしまったことなどを、よりそう側が認めたという』、「アマゾンでの出品」が仏教的には問題があったことを認めざるを得なかったようだ。
・『僧侶の目から見た仏教界の生存競争  こうしてみると、新勢力が旧勢力との争いに屈したともみてとれるが、事はそう単純でもなさそうだ。 よりそうは、お坊さん便の窓口を自社サイトに一本化し、サービスを継続する。 なぜなら、消費者心理の変化によって寺院離れが進んでいるという現実があり、全日本仏教会としては民間企業の力を借りてでも消費者と寺院との接点を維持し、グリーフケアの意義を広めたいという思惑があるからだ。 よりそうとしても、消費者が寺院や仏事に価値を感じなくなれば、サービスそのものが成立しなくなる。そこで両者は対立ではなく、協業という選択をとったという訳だ。 最近では、お坊さん便のみならず、僧侶派遣サービスを手掛ける企業が増えた。 ある僧侶はこう話す。 「今の世の中、お寺を維持して僧侶たちの生活の面倒を見たいという人はほぼいない。今回の件は、よりそうにダメージはないだろう。むしろ自社サイトに一本化して勝負を賭けてくる。つまり各社とも一層、熾烈さが増していくだろう。今後、寺院と葬儀社の生き残りをかけた戦いがいよいよ始まる」 今や、葬儀はいらない、お墓はいらない、僧侶はいらないというのが時代の流れだ。 そんな中、お坊さん便のアマゾンからの撤退は僧侶派遣サービスの終えんではなく、むしろ仏教界とそれを取り巻くビジネスの生存を賭けた本格的な競争の号砲が鳴ったと捉えた方がいい。 この僧侶の言葉には、そんな意味が込められている』、「自社サイトに一本化して勝負を賭けてくる」、ある程度、有名にもなったので、「アマゾン」の軒先を借りなくても済むと判断した可能性もある。「僧侶派遣サービス」は各社の「自社サイト」を中心に激化していくのだろう。

第四に、11月22日付け日経ビジネスオンライン「“五つ星”はカネで買える 揺らぐアマゾンの信頼 消費者だます「やらせレビュー」蔓延、首謀者が全告白」を紹介しよう。2頁目後半以降は、有料会員限定になるので、無料部分だけの紹介である。
https://business.nikkei.com/atcl/NBD/19/00117/00082/
・『世界最大の通販サイト、アマゾンで商品を絶賛する「やらせレビュー」が横行している。大勢の消費者を惑わす者の正体を追って中国・深圳の雑居ビルにたどり着いた。不正対策に年間400億円超を投じるアマゾンをあざ笑う首謀者が、ついに全手口を明かした。 IT関連メーカーが集積する中国・深圳。その中心部から10kmほど北の坂田(バンティエン)地区に足を踏み入れた。牛肉や豚肉のおいしそうな匂いを漂わせる飲食店、零細の物流会社、家族経営の商店が混然と立ち並ぶ。 現地を案内してくれた深圳在住の王宇航氏(仮名)が流暢な日本語で切り出した。「坂田地区には、アマゾンにIT関連製品を出品する、私たちのようなネット販売業者が集結しています」 王氏とはフェイスブックを通じて知り合った。チャットで取材交渉を重ねること1カ月。現地で初対面した王氏は社交的な20代の若者だった。 「今から向かう勤務先の同僚たちにはあなたの来訪目的を伝えていません。のちほど真相をすべてお話ししますから、職場では決して余計な詮索をしないようお願いします」 そう念押しして、路地に建つ雑居ビル内のオフィスに招き入れてくれた。2フロアに分かれて50人ほどが働いている。多少雑然としてはいるが、いかがわしさは感じられない。 自社開発したワイヤレスイヤホンや携帯型スピーカーなどのIT関連製品を、日本、米国、英国、ドイツ、フランスに輸出し、アマゾンを通じて現地で販売している。各国のアマゾンに開設した「ストア」と呼ばれるオンライン店舗を、現地語を操る従業員が運営していた。日本語を勉強した王氏は、日本向けのストアを任されている。一見したところ何の変哲もない、一般的なネット販売業者である。 しかし一皮むけば、ここは秘密裏に遂行される捏造の中枢だ。ストア運営者せは全員「やら」に手を染めている。担当国の協力者を操って、アマゾンで自社商品を絶賛するレビューを量産している。王氏は、日本の消費者向けのやらせレビューを担う首謀者である。 「私たちだけではありませんよ。この辺りのネット販売業者はどこでもレビューを操作しています」 王氏はそうささやいた。坂田地区は世界最大の通販サイト、アマゾンに偽のレビューを蔓延させる“汚染源”だった』、“汚染源”が「深圳の北の坂田(バンティエン)地区」だったとは、改めて驚かされた。
・『ネットの評判は死活に直結  「商品が届きました。品質がよく、しかも安い。コスパ最高!」 「料理はどれもおいしく、接客も行き届いていました。大満足です」 通販サイトや口コミサイトにずらりと並ぶ高評価のレビューを信頼し、商品を購入したりサービスを選択したりする人は多い。三菱UFJリサーチ&コンサルティング(MURC)が、SNS(交流サイト)の利用者を対象に実施したアンケート調査では、ほぼ全員が商品やサービスの購入時にレビューを参考にしていた。他人のレビューを「とても参考にしている」もしくは「ある程度参考にしている」と回答した比率は合わせて95%を占める。 「レビューを確認するのは、特にどのような商品やサービスを購入するときか」との問いに対して最も多かった答えが「白物家電、AV家電、カメラ」で、46%に達した(複数選択可)。2位は29%の「パソコン、携帯電話」だった。1位と2位の製品群は、日本のネット通販業界では、アマゾンが抜群の販売力を誇っている。 サービス業の中で「特にレビューを確認する」ことが最も多かったカテゴリーは「飲食サービス」で、22%に上った。飲食業ではカカクコムが運営する口コミサイト、食べログのレビューが最も権威があると見なされている。 圧倒的な影響力を持つ「レビュー界」の両雄といえるアマゾンと食べログ。アマゾンに出品するネット販売業者や、食べログに掲載された飲食店は、少しでも評価を高めようと必死だ。MURCの調査では、レビューがよくなかった場合に「購入を取りやめる」あるいは「購入を取りやめることの方が多い」とした者は、合計76%に達した。ネット販売業者や飲食店にとってレビューの良しあしは死活に直結する。 「これは戦争です」 職場から少し離れた喫茶店で、王氏はアマゾンのレビューが販売に与えるインパクトを口にした。 「同業者を上回る評価を獲得しなければ、販売競争に負けてしまいます」 飲食店もレビューに振り回されている。最近まで東京都内でレストランの店長を務めていた川崎理明氏は振り返る。 「食べログでは2年前にレビューの集計方法が突然変わったため、店の総合得点が一気に下がったことがありました。その影響でお客さんからの予約はぴたりと止まりました」 現在、川崎氏は飲食関連のコンサルタントとして活動している。 「クライアントの中には、食べログの点数が下がったせいで、月商700万円が600万円まで落ち込んだ飲食店があります。損益分岐点が月商600万円のお店だったので、店主は頭を抱えています」 わずかな点数の変化で売り上げが大きく増減するストレスから逃れようと、禁断のやらせに手を出そうと思う飲食店経営者が増えるのも無理はない。そうやってやらせレビューに頼る競合店が増えていけば、「正直者がバカを見る」傾向は強まっていく。 坂田地区は正直者がバカを見る段階を通り過ぎている。やらせレビューで攻勢をかける競合相手にやらせで対抗していった結果、もはや正直者は見当たらなくなった。 この記事は有料会員限定です』、「やらせ」がはびこり続ければ、「レビュー」の信頼性が低下する筈だ。現在はそれまでの過渡期なのかも知れない。
タグ:2017年から鹿島のスポンサー契約を締結 約16億円で日本製鉄から取得し、子会社化する 僧侶の目から見た仏教界の生存競争 「宗教行為を商品化するな」 新勢力と旧勢力の対立 昨年比150%超の成長 僧侶派遣サービスが普及した理由 「お坊さん便」が、アマゾンでの取り扱いを終了する 「「お坊さん便」がアマゾンでの提供終了、全日本仏教会に屈したのか?」 墓地、法事、相続といった葬儀周辺領域のサービスをワンストップで提供するブランドとして「よりそう」を打ち出している 問い合わせは4年で8倍以上に 国内メルカリ事業は黒字であるものの、米国メルカリ事業とメルペイ事業での出費がかさみ、19年6月期の業績は137億円の赤字の見込み 「価格が明瞭な葬儀サービスが必要」 「全日本仏教会」 「お坊さん便」がアマゾンで出品された際、同会は「お布施はサービスの対価ではない」「宗教行為を商品化してはいけない」といった反対声明 「赤字のメルカリ、「メルペイ」普及のため鹿島アントラーズ買収は得か損か」 やらせレビューで攻勢をかける競合相手にやらせで対抗していった結果、もはや正直者は見当たらなくなった ネットの評判は死活に直結 小泉社長は、鹿島の本拠地に近い茨城県麻生町(現行方市)出身 自然発生的に今回の話はまとまった ダイヤモンド・オンライン 16億円で買った広告塔 自社サイトに一本化して勝負を賭けてくる よりそうは1年ほど前から「仏教関係者に対してお坊さん便の役割を説明する機会を増やしてきた 「小泉社長の悲願」地元愛をアピール 鹿島アントラーズを買収 コールセンターまで作ったことが、サイトの価値につながりました 365日、24時間のコールセンターが必要だと感じた アマゾンでの出品が文化・宗教行事を商品化したように見えたり、不要なものだという誤解を広めてしまった側面があったこと。葬儀と弔いにおける仏事の重要な役割は、身近な人と死別した悲しみを癒す「グリーフケア」であり、その重要性を希薄化させてしまったことなどを、よりそう側が認めた よりそう(当時の社名はみんれび) 累計調達額は約32.6億円に上る レビューサイト運営で気付いた「葬儀」の課題 「お坊さん便」 よりそう 「お布施の定額化で躍進、明瞭価格の葬儀スタートアップ・よりそうが20億円調達」 グッズや飲食販売でのキャッシュレス決済の利用や、チケットのペーパーレス化でスタジアムが快適になる。決済は日々利用するローカル色が強いサービス。スタジアムをショーケースとして、新しいチャレンジの場として活用できる アマゾンに偽のレビューを蔓延させる“汚染源”だった (その7)(赤字のメルカリ 「メルペイ」普及のため鹿島アントラーズ買収は得か損か、お布施の定額化で躍進 明瞭価格の葬儀スタートアップ・よりそうが20億円調達、「お坊さん便」がアマゾンでの提供終了 全日本仏教会に屈したのか?、“五つ星”はカネで買える 揺らぐアマゾンの信頼 消費者だます「やらせレビュー」蔓延、首謀者が全告白) ネットビジネス 担当国の協力者を操って、アマゾンで自社商品を絶賛するレビューを量産 ストア運営者は全員「やらせ」に手を染めている 坂田(バンティエン)地区 中国・深圳 アマゾンで商品を絶賛する「やらせレビュー」が横行 「“五つ星”はカネで買える 揺らぐアマゾンの信頼 消費者だます「やらせレビュー」蔓延、首謀者が全告白」 日経ビジネスオンライン 数多くある決済サービスで、自社のものを使ってもらう有効な手法の一つは、使わざるを得ない場を強制的に生み出すことだ
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