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2020年展望(2020年は「米国発のリスク」が国際関係を揺さぶる、2020年代はどんな10年(ディケイド)になるのか?) [世界情勢]

明けましておめでとうございます。今日は、2020年展望(2020年は「米国発のリスク」が国際関係を揺さぶる、2020年代はどんな10年(ディケイド)になるのか?)を取上げよう。

先ずは、元外務省外務審議官で日本総合研究所国際戦略研究所理事長の田中 均氏が12月18日付けダイヤモンド・オンラインに掲載した「2020年は「米国発のリスク」が国際関係を揺さぶる」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/223703
・『深刻な「6つのリスク」背景に国際協調体制の弱体化  昨年末の本コラムで筆者は「2019年は国際関係が緊迫する」として6つの地政学リスクを指摘した。 (1)米国は「自国利益優先」を強める、(2)米中の戦略的競争は激化、(3)北朝鮮の非核化は停滞、(4)BREXITの混迷が続く、(5)サウジやイスラエルとイランの対立が先鋭化、(6)日本は近隣諸国との摩擦が拡大する、というものだったが、2019年はおおよそ予想したとおり国際情勢は展開した。 2020年はどうなるか。 先週末、米中で第一段階の貿易合意が発表されたが、米中の戦略的対立は続く。 BREXITも保守党の勝利で2020年1月末までの離脱に道が開かれたが、経過期間の1年の間に英・EU間で経済協定は合意できるかは見通せない。2020年の地政学リスクは依然として深刻だ。 その背景として、長年、鬱積された不満をきっかけとするポピュリズムが先進民主主義国を席巻しているほか、中国・ロシア・トルコなどの新興国においては強権体制が強化され、国際社会は強力な指導者を欠き国際協調体制は弱体化していることがある。 さらに、11月の米国大統領選挙に向けた動きが国際関係を揺さぶることになるだろう』、「地政学リスクは依然として深刻・・・ポピュリズムが先進民主主義国を席巻しているほか、中国・ロシア・トルコなどの新興国においては強権体制が強化され、国際社会は強力な指導者を欠き国際協調体制は弱体化している」、やはり明るい年にはなりそうもなさそうだ。
・『米大統領選からは目を離せない 「再選」厳しければ予想外の対外政策  これから1年、世界は米国大統領選挙戦から目が離せない。 おそらく年内に下院はトランプ大統領弾劾訴追決議案を通過させ、上院の弾劾裁判は1月から開始されることになる。 共和党多数の上院で3分の2の多数で弾劾が成立することはないだろうが、米国史上3人目の弾劾訴追を受けた大統領としてトランプ氏は選挙戦に臨むこととなる。 民主党の候補者が誰になるかによっても違うだろうが、トランプ大統領の再選は容易ではない。 本来は、米経済が好況を維持していることもあり、二期目を狙う大統領は圧倒的に有利なはずだ。しかしトランプ大統領の就任以来3年間の平均支持率は40%前後であり、その前2代の大統領に比べ5~6ポイント低い。 支持率があまり変動していないのは、強固な支持層の存在を裏付けるものではあるが、これは同時に不支持層も多いことを物語っており、票を上積みしていくのは容易ではない。 さらに2020年の選挙では、最大の有権者グループが「ベビーブーマー世代(1946年~64年生まれ)」から、20代~30代の「ミレニアル世代(1981年~96年生まれ)」に移るといわれている。 ミレニアル世代は政治に対する関心が高く投票率を押し上げる要因になるだろうし、民主党支持者が60%を占めるともいわれる。 そのような情勢を背景に、トランプ大統領は実績を上げることに躍起になるだろう。 新NAFTA(USMCA)成立の見通しや、中国との貿易合意第1弾はプラスの要因だ。トランプ大統領は中国とのさらなる合意や北朝鮮非核化の合意に注力するだろうが、安易に妥協すれば共和党強硬派の反発を買うことになり、もろ刃の剣になる。 今の米国の対外政策は、トランプ大統領のツイートから始まる衝動的で一見、華々しい政策と、周到に練られた伝統的な外交安保政策との二層構造の色彩が強い。 トランプ大統領のその時々の思いつきのような短絡的ともとれるアプローチはフォローアップが難しく、反発して政権を離れる幹部も多い。 シリアからの撤兵をはじめ、ペルシャ湾を通行する艦船防護のため有志国構想、中東和平構想、北朝鮮非核化問題、米中貿易戦争のいずれをとっても慎重さを欠け、米国の政策は予見性を損なっているといえる。 トランプ大統領にとり再選見通しが厳しくなればなるほど、対外政策動向は予見性を欠くであろうし、それを大きなリスク要因として、世界は振り回されることになるだろう』、最後の部分は確かにありそうなシナリオだ。
・『香港、台湾情勢いかんで米中は抜き差しならぬ局面も  米国の対中強硬路線は共和・民主両党の全面的な支持を受けており、香港人権・民主主義法だけでなく、ウイグル人権法も成立する方向となっている。 台湾でも来年1月の総統選挙で蔡英文総統が再選される見通しが強く、米国の後ろ盾を得て中国に対抗する路線を歩む可能性が強い。今後、米中間は、次世代通信規格「5G」などハイテクを巡る課題や香港・ウイグル・台湾を巡り厳しく対峙していくこととなるのだろう。 これらは中国が「核心的利益」と位置付ける問題であり、長期にわたる米中対立は必至となる。 来年1年を見通せば、中国は共産党統治の矛盾が深まり、守勢に立たざるを得ないだろう。 その根源にあるのは経済成長率の低下だ。 2020年は、習近平国家主席が公約した「2010年比GDP倍増」の最終年で、この公約達成のためには、最低でも5.8%の成長率を必要とする。 それが米国との第一段階の貿易合意を急がせた理由だろうが、今後も中国政府は目標実現に躍起になるだろう。 そのような経済状況を背景に、中国は香港問題でも強硬な措置をとれない。もし人民解放軍が強制的にデモの排除などに乗り出すなら、米国をはじめ国際社会の強い反発を招き、おそらく主要国は経済制裁を科すといった方向になるのは明らかだ。 従って、中国はそのような行動には出ないだろう。 中国は、混乱が長引くことで香港市民の間からも生活が脅かされるといった批判がでて、デモが自然に収束することを期待するのだろうが、2020年は立法会、2022年には行政長官の選挙が控えている。 これらの選挙を通じ「民主派」が平和裏に勢いを増せば、中国のジレンマは深まる。 香港、台湾情勢いかんでは、中国は強権的に反応を行うことに踏み切る場合もあるだろう。そうなれば米中対立は抜き差しならない局面が来る』、「中国」、「香港、台湾情勢」もどうやら台風の目のようだ。
・『北朝鮮の「瀬戸際作戦」続く 緊迫化するが、対話路線に戻る余地も  北朝鮮の「瀬戸際作戦」は当分、続くのだろう。 北朝鮮は一方的に今年の年末を非核化交渉のデッドラインとし、米国の譲歩を迫っている。 トランプ大統領は大統領選挙をにらみ首脳会談による合意を模索したいと考えているのだろうが、国内の批判を浴びることは必至であり、安易な妥協には踏み切れない。 従って北朝鮮は来年に向けてさらに強硬姿勢のトーンをエスカレートさせていくのだろうし、ICBM発射実験・核実験の再開をにおわす行動をとるだろう。 ただ、実際に実験再開をした場合には、国連はさらなる安保理制裁措置を科すだろうし、北朝鮮がそこまで進むとは考えづらい。おそらく実際の実験には至らない段階で、再び米朝対話に戻る可能性がある。 その場合には、中国との合意のように、米国と北朝鮮の双方が合意できるところを「第一段階の合意」として先に進むことはあり得る。 北朝鮮は寧辺(ニョンビョン)の核施設プラスα、米国は南北経済協力を安保理制裁の例外にすることや相互の連絡事務所設置に応じるところから始めるということになるのかもしれない。 ただ、北朝鮮問題では「計算違い」の可能性を否定することはできない。北朝鮮が米国大統領選挙を人質にもっと米国を揺さぶろうとすれば、ある段階で米国は再び「強い軍事的圧力路線」に戻ることはいとわないだろう。 オリンピック開催も控えた日本の立場からすれば、そのような展開は何としてでも避けたいところだ』、北朝鮮にとっては、再選を控えて成果を焦っているトランプ大統領の方が、交渉し易いのかも知れない。
・『欧州はBREXIT後へ 「安定」までは時間かかる  英国では保守党が総選挙に大勝し、2020年1月末までのBREXITに道筋がつけられた。 英国は2020年末までの移行期間の間に、EUとの自由貿易協定を成立させることが求められている。 しかし、このような短期間で合意を達成させるのは不可能だ。 関税の引き下げや撤廃問題はともかく、これまでEU規則の下にあった貿易規則や原産地証明、税関規則などを調整していくのには時間がかかるほか、投資問題や北アイルランドでの国境措置・スコットランドの要請など政治的課題も解決しなければならない。 ジョンソン首相の公約に反し、移行期間を2年程度延長せざるを得ない結果になると思われるが、その際の政治的混乱も覚悟しなければなるまい。 欧州各地で極右、極左、強権的政党などのポピュリスト政党が台頭し既成政党が力を失ってきており、ドイツの国内政治も難しい局面にある。 BREXIT後に向けて、EUではさらなる統合に向けての求心力は働きそうにない。トランプ政権との間でもNATO問題を含め不協和音が目立ち、一方でロシアとの対立は激化していくのだろう。 英国を失ったEUが安定性を取り戻すには時間がかかるのではないか』、欧州まで「英国を失ったEUが安定性を取り戻すには時間がかかる」、特にリーダー役だった「ドイツの国内政治も難しい局面」、であれば、迷走が始まるのかも知れない。
・『中東情勢の不安定化は続く イランはロシア、中国に接近  中東情勢は不安定な情勢が続く。米国は引き続き、サウジアラビアとイスラエルを支援しイラン包囲網を強化しようとするだろうし、イランは経済困難を脱するためにロシア、中国、EUへの傾斜を強めよう。 米国の提唱したペルシャ湾安全航行のための有志連合はイランを刺激し、船舶に対してテロ的な攻撃が行われるリスクを内在している。トルコのクルド攻撃はNATO内の不協和音を一層強めることとなる。原油価格の低落は続き、各地での衝突も続くことになるのだろう』、「米国の」「イラン包囲網強化」、も「ロシア、中国」を利するだけで、困ったことだ。
・『日本と近隣諸国の関係は正念場 対ロシア戦略は再構築が必要  日本にとっては、韓国などの近隣諸国との関係改善が正念場になる。 中国は米国との戦略的競争の長期化を想定し日本との関係改善にかじを切ったが、2020年は習近平国家主席の訪日で新しい関係構築の節目を迎える。 中国の香港、ウイグル、そして台湾問題へのアプローチいかんでは習近平国家主席を国賓で迎えることに内外の批判が出るだろうし、中国との長期的な関係構築のため是々非々で行動する日本の戦略が試される。 韓国との関係は、3つの基本的原則の下で外交が成果を上げれば関係は改善する。 それは、(1)世論を過剰に巻き込まない静かな政府間協議、(2)日韓関係の長期的な重要性についての国民の理解、そして(3)徴用工問題についての日韓基本条約に反しない解決だ。 来年も北朝鮮問題で東アジアの情勢が大きく揺れそうなことを考えれば、日米韓連携が重要となる。北朝鮮問題については、何よりも日朝協議のパイプの構築が求められるのだろう。 ロシアについては、現状では北方四島問題についての進展は見越せない。国際社会の中でロシアへの反発が強まっており、今後の日本の戦略再構築は急務といえよう』、「日韓関係」では韓国経済が失速していることは、関係改善のテコになる可能性があるが、対ロシア関係の「日本の戦略再構築」は難題だろう。

次に、在米作家の冷泉彰彦氏が12月28日付けでメールマガジンJMMに掲載した「2020年代はどんな10年(ディケイド)になるのか?」from911/USを紹介しよう。
・『20世紀の世界では、10年ごとに時代を刻んで世相を語るのが当たり前でした。 例えば日本の場合ですと、戦後の混乱の続いた1950年代、冷戦の厳しさと高度成長の60年代、石油危機など混乱の中で豊かさの確保に走った70年代、そしてバブル膨張の80年代と、その崩壊の90年代というように、それぞれの10年(ディケイド)には濃厚な印象が刻印されていったものです。 更に、これに文化や世相を重ねることも可能であり、いずれにしても10年を単位として、社会は時代の記憶を積み重ねて行ったのでした。その点から考えると、21世紀に入ってからの日本では、前世紀と比較すると、この「10年」という単位への意識が薄れているようです。 2000年代、2010年代と既に2つの時代が過ぎて行ったわけですが、特に日本の場合、どちらの10年も区切りとして鮮やかな印象はありません。理由としては、リーマン・ショック(2008年)、東日本大震災とエネルギー危機(2011年)といった2つの時代の転換点があまりに鮮烈であったことが挙げられます。 その一方で、高齢の引退世代にしても、大企業に終身雇用されている人々にしても、また非正規労働を続けている人に取っても、社会におけるそれぞれが置かれた条件の中で生きるのが精一杯であって、社会全体が10年単位で変わっていく中での自分という意識は薄れているのだと思います。 では、アメリカではどうかというと、やはり10年単位で時代を区切っていく考え方は弱くなっているのを感じます。 もっとも、日本との比較で言えば、2000年代というのは、911テロとイラク・アフガン戦争、そしてリーマン・ショックによる共和党政権の終焉とオバマの登場という10年だというようなイメージはあります。また2010年代というのは、オバマによる経済復興の時代であったはずが、グローバリズムとITの進捗により徐々に格差が拡大し、社会の分裂が顕著になってトランプが登場した10年という括りもできます。 そんな中で、一応2000年代とか、2010年代という言い方自体は、日本より良く耳にするのは事実です。ですが、アメリカに取っての50年代、60年代、70年代、80年代、90年代がそれぞれ、濃厚に持っていた「時代の特徴や雰囲気」というのは、21世紀に入ってからの「それぞれの10年」では、薄れていると思います』、日本のみならず、「アメリカ」でも「「時代の特徴や雰囲気」というのは、21世紀に入ってからの「それぞれの10年」では、薄れている」、その要因は何なのだろう。
・『時代感覚の薄れということで言えば、この年の瀬には2020年代への予測をする記事が出てきていますが、内容は似通ったものが多くなっています。例えば、・米中の確執は対立の分野を変えつつ続くだろう ・アジアは米国の影響力低下により混乱拡大の気配 ・西側同盟の中でも外でも国家間の争いは激化する ・技術の進歩によって経済格差は更に拡大するだろう といった悲観論はかなり広範に支持されています。また、地球全体で大きなテーマとなっている環境問題、特に地球温暖化と排出ガスの問題については、20年代の10年間は対策が「待ったなし」であるという見方も多く共有されています。 その一方で、技術の分野については、特にその進歩に関しては楽観論が主流です。 英ガーディアン紙の予測、あるいは米CNETの記事などが典型ですが、・人間の大脳がAIと直接コミュニケーションするようになる ・薬剤や再生治療の進歩によりAIDSや癌は相当程度制圧が可能になる ・自動運転や空中移動が実用化される ・ドローンや3Dプリンタの利用が拡大する といった内容が主となっています。技術の進歩に関しては、他のメディアでもこのような見方が一般的です。その一方で、老舗の新聞「シカゴ・トリビューン(電子版)」ではエリック・ゾーンという記者が、もう少し辛口の「2020年代予測」を書いています。 「2029年になっても物販のドローン配達は主流になっていないだろうし、自動運転は市内とか郊外エリアでは実用になっていないだろう。暗号資産が法定通貨を駆逐することもない。人間が月面や火星に行って帰ってくることもないだろう。アメフトが極端な不人気に陥ることもなさそうだ」 「3Dプリンタが一家に一台とはならないだろうし、VRのヘッドセットでみんなが映画やスポーツ中継を見ることもないだろう。AMラジオやフェイスブックがなくなることもないし、在宅勤務は増えても交通渋滞が解消されるほどではないだろう」 「スマート・ウォッチ以外のウェアラブル・デバイスが普及することはないだろう。また、人工知能という言葉は、本質的な意味で使われるのではなく、現在と同様にスローガン的な言葉に留まっているだろう。圧縮空気チューブによる高速移動や高速鉄道などが普及することもないだろう」 という具合に「技術革新や社会の変化のスピードは、それほどでもない」としておいて、その次には「温暖化で住めなくなった沿岸部などからの難民問題が深刻化する」とか、「スパイの七つ道具もどきの小型カメラや、映像処理技術の向上による<ディープ・フェイク>が悪質化する」など、かなり悲観的な「2029年」を描いて見せています。 このゾーン記者の記事が持っている、ある種の「歯切れの悪さ」というのは、何となくこの年末の雰囲気に重なるように思います。そう言えば、アメリカのメディアの好きな「年末回顧」についても、今年の場合は何となく歯切れの悪い感じがしました。 NYタイムスは、12月中旬に、わざわざカラーの別刷りで年末回顧の特集をしていましたが、その表紙はアメリカのニュースではなく香港情勢でした。CNN(電子版)も写真で回顧する2019年という特集を派手なサイトで展開していますが、こちらはプロカメラマンの取った象徴的な写真を羅列しただけで、とにかく1年間に「こんなこと、あんなこと」があったという集成に過ぎないのです。 この歯切れの悪さ、時代感覚の弱さというのは、ある種、日本と逆の構造を持っているように思います。日本の場合は、短期的には様々な問題があり、解決をしたり、抱えていったりしなくてはならないわけですが、とにかく長期トレンドとしては競争力喪失と人口減という衰退の方向性が重くのしかかっています。その重しがあるために、10年で区切ったり、1年を回顧したりということが難しくなっているわけです』、「日本の場合は・・・長期トレンドとしては競争力喪失と人口減という衰退の方向性が重くのしかかっています。その重しがあるために、10年で区切ったり、1年を回顧したりということが難しくなっているわけです」、なるほど説得力がある説明だ。
・『ちなみに、言うまでもないことですが、今年の漢字がどうとか、流行語がどうというのは、面白おかしく同調できる表層の話題づくり以上でも以下でもないわけです。 むしろ、時代の課題に向かい合うのを避けているだけとも思えます。 一方で、アメリカの場合は、技術の進歩と社会の変化であるとか、地球環境の問題であるとか、あるいは国際関係、国際経済の動向などを中長期の視点で議論するだけの意欲は、社会的には十分にあると思います。ですが、短期的には政治の分断という現象、具体的にはトランプ現象と、民主党の党内抗争という問題が重くのしかかっているわけです。 つまり、技術にしても国際関係や経済にしても、左右対立と切り離して議論をするのは難しくなっています。とりわけ環境に関しては、温暖化理論を認めない右派と、グリーン・ニューディールを主張する若手の左派の間では、全く議論ができる状態ではありません。 そんな中で、例えば新聞にしても、ネットやTVの大手メディアにしても、「価値判断を交えた意味のある議論」を志向してしまうと、どうしても左右のどちらかの立場性から逃れられなくなる、そうした報道や議論の困難という問題に縛られてしまっているのだと思います』、アメリカでは、「「価値判断を交えた意味のある議論」を志向してしまうと、どうしても左右のどちらかの立場性から逃れられなくなる、そうした報道や議論の困難という問題に縛られてしまっている」、というのが、「「アメリカ」でも「「時代の特徴や雰囲気」というのは、21世紀に入ってからの「それぞれの10年」では、薄れている」理由のようだ。
・『その意味では、2020年代という「10年(ディケイド)」の方向性を考えるためには、まず現在進行形となっている「大統領弾劾」が否決されるにしても、どのようなプロセスをたどるのかという問題、そして民主党の統一候補がどのような形で選ばれ、2016年の失敗を乗り越えて団結できるのかが問われてきます。 現在の情勢では、上院での弾劾案可決の見通しはなく、各議員の選挙区事情から弾劾に走ったことは民主党の失点であり、共和党を団結させただけのように見えます。 また、民主党の中は穏健派と左派という2つの勢力により深刻な分断を抱えています。 そう考えると、トランプ再選の可能性は少なくありません。 それはそうなのですが、無党派層、中道層、そして共和党支持の中の穏健層、そして若者や女性、あるいは有色人種の多くが「ドナルド・トランプが大統領であり続けることは問題」だと見ている、これもまた、現在のアメリカでは否定できない事実だと思います。その意味で、年明け以降の政局は余り軽く考えることはできないように思います。 もっと言えば、アメリカの世論の深層は、ブッシュ父子やオバマのように「直面した問題に対処するので精一杯」の政権ではなく、少なくともレーガンやクリントンのように、10年単位の長期レンジの中で、アメリカに取っての最適解を示したような政権を欲しているのだと思います。 技術の進歩が人類のライフスタイルや社会のあり方に変革をもたらそうとしている現在、その一方で冷戦の消滅以来懸念されていた国家間の対立が本格化している時代に、超大国アメリカがどのような方向性を打ち出すのか、10年単位の発想がなかなかできない世相を打破して、正に10年単位での発想をもたらすような政治、時代の深層が求めているのはそのような政権なのだと思います。 その意味で、2020年代がどのような10年(ディケイド)になるのかは、2020年に行われる大統領弾劾審議、そして大統領選によって大きく左右されるのだと考えられます』、「アメリカの世論の深層は・・・少なくともレーガンやクリントンのように、10年単位の長期レンジの中で、アメリカに取っての最適解を示したような政権を欲している」、「最適解を示」すのは、トランプでは無理だろうし、民主党の乱立した候補にも無理のように思える。となると、欲求不満だけが残るのだろうか。
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