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医薬品(製薬業)(その3)(「花粉症薬が保険適用外に」医療費約600億円削減でも現役医師が困る理由とは?、捨てられ続ける抗インフルエンザ薬の備蓄薬、たくさんの薬は害になる!? ~“多剤服用”の深刻なリスク~) [産業動向]

医薬品(製薬業)については、昨年8月21日に取上げた。今日は、(その3)(「花粉症薬が保険適用外に」医療費約600億円削減でも現役医師が困る理由とは?、捨てられ続ける抗インフルエンザ薬の備蓄薬、たくさんの薬は害になる!? ~“多剤服用”の深刻なリスク~)である。

先ずは、9月15日付けダイヤモンド・オンラインがAERAdot. 週刊朝日を転載した「「花粉症薬が保険適用外に」医療費約600億円削減でも現役医師が困る理由とは?」を紹介しよう。
https://dot.asahi.com/dot/2019083100010.html?page=1
・『「花粉症薬が保険適用外に」というニュースが、8月下旬に話題になりました。これが正式に決まるとどういうことになるのでしょうか? 著書『心にしみる皮膚の話』が好評発売中の京都大学医学部特定准教授の大塚篤司医師が解説します。 「花粉症に対する抗アレルギー薬が保険適用外」というニュースに大きな反響がありました。これはまだ決まったわけではなく、企業の健康保険組合からなる健康保険組合連合会(健保連、けんぽれん)が、2020年度の診療報酬改定にむけて秋から開催される中央社会保険医療協議会で提起する内容の一部です。 17年度の医療費は42.2兆円。ここ数年は年間2%の割合で費用が増えています。医療費の増加は人口の高齢化に加え高額薬剤の登場による影響もあります。医療費削減は毎年マスコミで取り上げられるテーマの一つです。 大々的に取り上げられた健保連の「花粉症に対する抗アレルギー薬が保険適用外」ですが、皮膚科でも抗アレルギー薬を頻用します。例えば、じんましんやアトピー性皮膚炎など、かゆみを伴う皮膚疾患の患者さんには抗アレルギー剤を処方します。皮膚疾患を治療するうえで抗アレルギー薬は大事な武器の一つです。 健保連は、この提言以外に診療報酬改定に向けて五つの提案をしています。 今回のコラムでは、健保連が提案した五つの政策提言を、一つずつ解説したいと思います』、「健保連」も台所事情が苦しくなっているので、やむを得ない提言なのだろう。
・『【1】機能強化加算のあり方についての検討  機能強化加算とは18年度に施行された、診療所(クリニック)や200床未満の病院の初診料に上乗せされた費用です。保険点数は80点(1点10円)、つまり800円。3割負担の場合は240円が患者さんの自己負担になります。 機能強化加算を請求している医療機関は、地域のかかりつけ医として機能し、夜間や休日の問い合わせへの対応を行っている医療機関になります。この加算を設けることで、かかりつけ医制度を普及させる狙いです。 かかりつけ医制度とは、いきなり専門の診療科に行くのではなく、まずは相談できる地域の医師をつくる制度のことを指します。 大学病院などの高度な専門分野では、限られたリソースを必要としている患者に回す必要があるため、かかりつけ医の普及が重要です。 さて、18年4月から施行された機能強化加算ですが、患者の約6割が1回のみの受診で再診がなかったことがわかりました。かかりつけ医制度の定着を目的としたこの加算ですが、実際のところ4割の患者さんにはかかりつけ医となっていない可能性が指摘されています。また、二つ以上のクリニックから機能強化加算を算定された患者さんも6割いたとのことで、この制度の本来の目的とはかけ離れていることが明らかとなりました。 そのため、この加算は生活習慣病などの継続的な管理が必要な疾患に絞ることを健保連は提案しています』、「かかりつけ医制度」が実態としては余り機能してないのであれば、絞り込みは当然だ。
・『【2】 生活習慣病治療薬の適正な選択(フォーミュラリー)の導入に向けた検討  フォーミュラリーは08年に発表された手法(Am J Health-Syst Pharm 2008;65:1272-83)です。日本語では「医学的妥当性や経済性等を踏まえて作成された医薬品の使用方針」と訳されます。もう少しわかりやすく説明すると、病気の治療方針に薬剤のコストも考えて選択を提案する手法のことです。 フォーミュラリーに関しては独自に取り組んでいる医療施設があります。例えばインフルエンザの場合、重症の場合は薬剤A、妊婦さんには薬剤B、それ以外の患者さんには薬剤C、というように、医学的な根拠に加えてコストの問題も視野に入れた薬剤選択を提示しています。 薬の使い方に関して、多くの疾患で学会主導のガイドラインが公開されています。しかし、そのガイドラインの中で具体的な薬剤名の指定をしたものはなく、コストの観点から一歩踏み込んで使用する薬剤を提案するのがフォーミュラリーです。 このフォーミュラリーを導入すると医療費削減につながると健保連は提案しています。健保連の算定では、血圧をさげる降圧薬で1794億円、高脂血症などに対する脂質異常症治療薬で765億円、糖尿病に対する血糖降下薬で582億円。合計で約3100億円の薬剤費削減額が見込まれるとのことです。 健保連は、薬剤コストを加味したガイドライン作成の環境整備を国がすることを提言しています』、「学会主導のガイドライン」が徹底されないのであれば、「環境整備を国がする」のも当然だ。
・『【3】 繰り返し利用可能な処方箋(リフィル処方)の導入に向けた検討  リフィルとは「おかわり」の意味の英語。リフィル処方箋とは、繰り返し使える処方箋のことです。患者さんが医師の診察を受けることなく繰り返し使える処方箋を指します。薬剤の変更がない長期処方の場合に活用できる可能性があります。 医師限定のポータルサイト「m3(エムスリー)」がおこなった調査では、薬剤師の半数以上がリフィル処方箋に賛成していますが、医師は半数近くが反対しています。反対する医師はおそらく副作用のリスクを考え、賛成する薬剤師の方々は医師でなくとも対応できると判断しているのでしょう。 フィル処方箋と似た制度に分割調剤というものがあります。これは薬を長期処方された患者さんで家での保管が難しいなどの方を対象として、最大3回にわけて薬剤師が調剤できる仕組みです。 分割調剤はリフィル処方箋に近い概念の制度ですが、現在0.1%未満しか使用されていません。リフィル処方箋を活用することで、健保連は年間約362億円の医療費削減を見込んでいます』、「医師は半数近くが反対」、本音では診断・処方箋の機会が減るので反対しているのだろう。提言に賛成だ。
・『【4】 調剤報酬のあり方についての検討  薬局で薬を受け取る際、調剤基本料という項目があります。これは薬局の立地や処方箋の受け付け回数で異なるものです。具体的には、町中にある個人経営の薬局では調剤基本料1、大きな病院の前などにあるチェーン店では調剤基料本2もしくは3。大学病院の中にある薬局では、特別調剤基本料となり、それぞれ点数が41点、25点、(20点、15点)、10点となっています。つまり、町中の個人経営の小さな薬局の点数を上げ、かかりつけ薬局として機能してほしいという政策です。 しかし現実には、大きな病院の近くにある薬局で調剤基本料1を算定していたとのことでした。 かかりつけ医と同じように、かかりつけ薬局やかかりつけ薬剤師の普及が望まれていますが、複数の病院を利用した患者さんのうち、かかりつけ薬局をもっている患者さんは4.5%とのこと。健保連は調剤報酬の体制を改善するように提言しています』、「かかりつけ薬局をもっている患者さんは4.5%」、驚くべき低さだ。提言はもっともだ。
・『【5】花粉症治療薬の保険適用範囲についての検討  そして、五つ目の提言がニュースで大きく取り上げられた「花粉症治療薬の保険適用外」です。 花粉症の薬は病院の処方箋がなくとも、薬局で購入することができます。いわゆるスイッチOTCと呼ばれるものです。 OTCはOver The Counterの略。カウンター越しに販売者のアドバイスを受け、医者の処方箋がなくとも買える医薬品です。スイッチOTCとは医薬品で使われていた成分がOTCに変わったものです。今回の花粉症に関係したもので言うと、アレジオン、アレグラ、エバステルなどが該当します。つまり、同じ成分の薬を医療機関で処方されると、患者さんの負担は3割ですみますが、処方箋なく薬局で購入すると全額負担となります。 これらの薬剤を保険適用外とすると、医療機関での処方も患者の全額負担となり、その結果約600億円の医療費削減となるようです。 花粉症は日本人の多くが罹患している疾患であり、この提言は国民の負担増につながることから、多くの反対の声があがりました。 また、国が花粉症の治療を健康保険を通してサポートすることは国益につながるのではないかという意見もあります。花粉症や鼻炎は仕事の生産性を下げる報告(J Allergy Clin Immunol Pract. 2018 Jul - Aug;6(4):1274-1286.)や、疾患による患者さんの損失は年間25万円以上との報告があるからです(Allergy. 2017 Jun;72(6):959-966.)』、これは確かに難しく、ここで判断するのは材料不足だ。
・『まとめ  花粉症治療薬の保険適用外だけがニュースで注目されましたが、健保連は五つの提言をしていることを紹介しました。それぞれの提言は負担増(もしくは収入源)を求める相手が異なることがわかります。 抗アレルギー薬が保険適用外になると、皮膚科医の私も困る状況が訪れそうです。例えば、他の病気で入院中の患者さんに皮膚病が出現したとき、抗アレルギー薬が効くとわかっていても入院中は処方できないことになります。 「申し訳ないですが、薬局で抗アレルギー薬を買ってきてください」とは言えません。 国の財源が限られている中で、国民だけが負担増にならないよう2020年度の診療報酬改定を注目しておく必要があります』、健保財政の立て直しも重要な課題で、必要があれば国民負担も求めてゆくばきだろう。

次に、11月28日付け日経メディカル「捨てられ続ける抗インフルエンザ薬の備蓄薬」を紹介しよう。
https://medical.nikkeibp.co.jp/inc/mem/pub/eye/201911/563183.html
・『政府は、「新型インフルエンザ等対策特別措置法」に基づき、国民の45%に相当する5650万人分の抗インフルエンザ薬を備蓄目標量に設定。うち約1000万人分は流通備蓄薬とし、約4650万人分を国と都道府県で備蓄している。備蓄しているのは、タミフル(一般名オセルタミビルリン酸塩)の錠剤およびドライシロップ、リレンザ(ザナミビル水和物)、イナビル(ラニナミビルオクタン酸エステル水和物)、ラピアクタ(ペラミビル水和物)。ちなみに、承認後5年程度経った薬が備蓄される仕組みなので、ゾフルーザ(バロキサビルマルボキシル)は現時点では備蓄品目になっていない。 2005年に始まった抗インフルエンザ薬の備蓄に費やした国費は、購入費だけでおおよそ800億円。ここに保管費や輸送費などが上乗せされる。その金額を聞いただけでも驚くが、しかも、使用されることなく期限を迎えると、巨額を投じた備蓄薬がただ廃棄されていることをご存じだろうか。 2006年に購入された1093万人分(約200億円)のタミフルは16年に期限切れとなり、18年には1123万人分(約220億円)、19年には527万人分(約100億円)が期限切れとなった。同様にリレンザも、16年に59.5万人分(約15億円)、17年に75万人分(約18億円)が廃棄され、22年には14.3万人分、23年には215.7万人分(約54億円)が使用期限を迎える(図1、2)。 実は備蓄される抗インフルエンザ薬は、薬価よりも安い金額で購入されている。具体的にはタミフルは薬価の約65%、リレンザは約80%の価格といった具合だ。価格が安いのは、市場に流通させないことを条件に国が直接製薬会社と価格交渉しているから。ここで決まった金額が、全国の自治体が購入する場合にも適用される仕組みだ。 この条件があるため、購入した都道府県は、使用年限が迫ってきた薬剤を市場に放出したり、備蓄以外の目的に使ったりすることができない。大量の備蓄薬が安価に市場に流れれば、医薬品卸ルートで通常価格で購入する医療機関が減り、市場が混乱する。それを避けるために、製薬会社は備蓄薬の市場流通の禁止を条件にしているわけだ』、「製薬会社は備蓄薬の市場流通の禁止を条件にしている」、事情は理解できるが、「使用期限」切れで大量廃棄とはもったいない話だ。何とか工夫できないのだろうか。
・『このような大量廃棄の事態に陥ることは当初から予想されてはいた。備蓄を開始した2005年当時は、使用期限が5年だったため、2010年には期限切れを迎える備蓄薬が出始め、大量の薬が破棄される。このことを問題視する声が専門家の間で広がっていた。 そこで2008年には、厚労省が備蓄薬のタミフルの使用期限を5年から7年に延長。13年には、さらに10年に延長した。リレンザに関しても同様に、2009年に使用期限が5年から7年に、2013年には10年に延長されている。 しかし当然のことながら、こうした問題の先送りにも限界がある。そして、10年目を迎えた2016年から続々と抗インフルエンザ薬の大量廃棄が始まった。もちろん廃棄したのと同じ分を新規に購入し備蓄する必要があるため、今後も莫大な費用が新型インフルエンザ薬に投じ続けられることになる。 備蓄のコストを抑えるべく、厚労省は2019年1月に原薬で備蓄することを認めた。これは国内に製造工場ができ、安定な製造体制が確保できるようになったためだ。原薬の状態で保管すれば、保管スペースが少なくて済み、その分のコストを浮かせることができる。原薬保管の方が、備蓄期間をさらに延長できる可能性もありそうだ。 インフルエンザA(H1N1)pdm09型のパンデミックから10年。もし再び日本で新型インフルエンザによるパンデミックが起こると、全人口の最大25%の約3200万人が感染し、最大で65万人が死亡するという推計もある。 そうした危機的状況を想定すれば、抗インフルエンザ薬の備蓄を中止することは現実的ではない。しかしだからといって、未使用薬が使用期限を迎えるとただ廃棄されるという現実は看過できない。原薬備蓄も抜本的な解決になっているとは言い難い。備蓄薬とは別に、毎年大量の抗インフルエンザ薬が使用されている我が国だからこそ、国と製薬会社・卸が協力して流通を工夫すれば、ある程度、薬剤を無駄なく使用する仕組みができるのではないだろうか』、「流通を工夫」は是非やってほしい。ただ、もともと「インフルエンザ」は毎年型が違っている筈だが、こうした「抗インフルエンザ薬」は万能なのだろうか。素人の私には気になるところだ。

第三に、10月22日付けNHKクローズアップ現代+「たくさんの薬は害になる!? ~“多剤服用”の深刻なリスク~」を紹介しよう。
https://www.nhk.or.jp/gendai/articles/4343/
・『たくさんの薬を飲む“多剤服用”。最新の研究で、高齢者が6種類以上の薬を服用すると副作用の危険性が高まることがわかってきた。中には、多種類の薬の副作用で寝たきりになったり、認知機能の低下から認知症と診断されてしまうケースまで起きている。現役世代もひと事ではない。健康食品として扱われるサプリメントと薬を併用すると副作用の危険性が高まる可能性が指摘され始めている。“多剤服用”の深刻なリスクの実態とその対策を考える。 出演者:秋下雅弘さん (東京大学大学院教授・医師) 武田真一 (キャスター) 、 合原明子 (アナウンサー)』、「薬漬け」の弊害とは興味深そうだ。
・『寝たきりの人が劇的改善 原因は薬だった  多剤服用が原因で、寝たきりの状態にまでなったという人に、話を聞くことができました。新江敏子さん、80歳です。3年前、うつや狭心症、不眠などで同時に複数の医療機関にかかっていた、新江さん。それぞれの病院から処方された薬は、12種類にのぼっていました。 新江敏子さん「(飲むだけでも)大変ですね。飲みすぎているかなというのも、その時はあまり考えていなかったです。」 ある日、新江さんに異変が起こり始めます。その様子を、夫の祥泰さんが目の当たりにしました。 夫 祥泰さん「ここで倒れちゃっているんですよ。顔半分があざでした。」 ふらつくことが増え、転倒。動くことが少なくなり、その後、寝たきりの状態にまで陥ってしまいました。当時のカルテです。日常的に介護が必要になり、夫の祥泰さんがつきっきりで、行っていました。 夫 祥泰さん「何が(原因で)悪いんだか、トイレ行くのでも歩けなくなって。」 新江敏子さん「『早く死にたい、死にたい』って言っていました。もう治らないし、ただ寝てるだけはでしょうがないから、『もう早く死にたい』って言っていました。」 転機となったのが、現在の主治医、橋本昌也さんに出会ったことでした。高齢者の医療に詳しい橋本さんは、ふらつきの原因が、薬の種類の多さにあるのではないかと疑いました。 医師 橋本昌也さん「どうも睡眠薬とか安定剤とか、そういうのを飲んでいたようだと。もしかしたら原因なんじゃないかなと思って見ていった。」 最新の研究で、高齢者は薬の種類が増えるほど、体に異常が起こりやすくなることが明らかになっています。特に、6種類を超えるとそのリスクがより高まるのです。 薬の種類が増えると、なぜ、体に異常が起こるのか。大きくかかわっているのが、老化に伴って、薬を代謝する肝臓や、排泄する腎臓の機能が衰えることです。薬の種類が少ないうちは、代謝、排せつされ、さほど問題は起きません。しかし、6種類以上では代謝する機能を超えるため、体内に蓄積されやすくなってしまいます。薬の種類が増えるほど、思いもよらない異常をきたすというのです。 新江さんの場合、蓄積された薬の中で、睡眠薬などの4種類に問題があったのではないかと、橋本さんは考えました。それぞれの薬には、ふらつきなどを引き起こす副作用があります。1つでは副作用が少なくても、複数、蓄積されていると症状が強く現れる可能性があるからです。 合原「薬が原因だって疑うことはありましたか?」 新江敏子さん「いや、疑ってなかったですね。飲めば治ると思っていたから。」 橋本さんは、新江さんの体調を見ながら、副作用を疑った睡眠薬から見直しました。最終的に、5種類にまで減りました。すると、1か月ほどで自力で歩けるほど、回復。夫婦の日常を取り戻すことができました。 新江敏子さん「本当に先生にお会いしてなかったら今がないと思います。」 新江さんのように、多剤服用のリスクを抱える高齢者は、少なくありません。7種類以上の薬をもらう人の割合は、64歳以下では10%。一方、75歳以上になると、24%に増加。4人に1人にのぼります』、「6種類以上では代謝する機能を超えるため、体内に蓄積されやすくなってしまいます。薬の種類が増えるほど、思いもよらない異常をきたす」、「7種類以上の薬をもらう人の割合は・・・75歳以上になると、24%に増加」、恐ろしいことだ。医者には処方箋を出す際に、患者の常用薬を確かめさせるべきだろう。
・『認知症の疑い 2割の人が薬の多さが原因  多剤服用による、体の異変。ある病院では、認知症を疑った患者のうち、実は薬の種類の多さに原因があったという人が2割にのぼっていました 神戸市にある認知症患者が多く訪れる、脳の専門病院です。認知症の検査に来た、小池斐太郎さん、85歳です。3年前、ガスやたばこの火を消し忘れるなど、物忘れが急に増え、他のクリニックを受診しました。 娘 晴美さん「1日寝ているような状態が続いたりして、ちょっと認知症になったのか。」 この時、「認知症」と診断され薬も処方されました。小池さん親子は、さらに詳しい検査をしてもらいたいと、この病院を訪れました。 小池さんを診察した、医師の平田温さんです。脳の画像を見ると、認知症の特徴の一つ、脳の萎縮は、さほど見られませんでした。 医師 平田温さん「隙間が多いと脳が縮んでいるんだけど、あなたの場合は年齢相応ぐらい。」 平田さんは、小池さんが飲んでいた16種類の薬のうち、鎮痛薬と睡眠薬、合わせて4種類に注目しました。それぞれの薬には、物忘れや認知機能の低下を招く副作用があります。小池さんの場合は、これらの薬の副作用が、認知症と同じような症状として現れていると考えました。原因とみられる薬を減らすと、小池さんの物忘れは大きく改善しました。 医師 平田温さん(物忘れのテストで)「何があったのか1回隠すので覚えてください。」 小池斐太郎さん「スプーン、歯ブラシ、時計。」 医師 平田温さん「すごい、30点満点で27点。」 物忘れのテストの結果も、問題ありませんでした。小池さんは、認知症ではないと判断されたのです。 医師 平田温さん「現実に悪さをしている薬をやめてないために(症状が)良くならない。早い時期に気が付いてやめることで対応できるのではないかと。だから、非常に大きな問題だと思っているんです。」 複数の薬を飲んでいる皆さん。決してひと事ではありません』、「小池さん」や先の「新江さん」の場合は、幸いいい医師にめぐり会って治ったから幸運だったとはいえ、多くのケースではそのまま「多剤服用」を続け、副作用に苦しめられ続けているのだろう。
・『なぜ薬が6種類以上でリスク高まる?  武田:多剤服用のリスクを実際に研究された秋下さん、6種類を超えると体に異常が出やすくなるという研究結果ですけれども、詳しくは、どういうふうに見たらいいのでしょうか。 ゲスト 秋下雅弘さん(東京大学大学院教授・医師)秋下さん:基本的には、薬が多くなればなるほど薬の副作用は出やすくなるということなんです。しかし、この研究では、特に6種類以上の方は副作用の発現率が10%を超えていましたし、何種類以上から増えるのかなというのを特殊な解析で検討したところ、5種類まではそうでもないけど、6種類以上から急に増えるというような解析結果になりましたので、6種類ということを報告させていただきました。高齢者はやはり、薬の代謝・排泄機能にもかなり個人差がありますので、2種類でも問題が起きる人もいますし、10種類でも大丈夫という人もいます。ですから、6種類というところにこだわって、自分が6種類より多いからと、自己判断で薬をやめるようなことはしていただきたくないと思います』、「6種類以上の方は副作用の発現率が10%を超えていました」、驚くべき高さだ。一般の医師にも周知徹底させるべく、厚労省も「ガイドライン」など示すべきだ。
・『高齢者だけ?現役世代にリスクは?  武田:多剤服用の問題、高齢の方は特にということですけれども、私たちの世代も何種類も薬を飲んでいる人はいると思うんですよね。 合原:こちら、年代別にどのくらい薬をもらっているかを示したグラフです。64歳以下の現役世代でも、オレンジから赤の範囲、実に半数以上で3種類以上の薬をもらっているということなんです。秋下さん、まだ高齢ではないから大丈夫だと考えていいんでしょうか。 秋下さん:やはり、そうではないです。高齢者に比べると、まだ代謝、あるいは排出する機能は保たれていますのでリスクは低いです。しかし、背景となっている病気をいくつかお持ちで、こういう薬の種類になっていると思うのですが、(年を重ねると)そういう病気もどうしてもまた増えてきます。そうすると、薬ももっと増えてきますので、多剤服用予備軍というような状態の人たちだと思います。 武田:ということは、私たちの世代から、ちゃんと知っておいたほうがいいということですね。 秋下さん:はい。多剤服用にならないように、予備軍でとどまっていただけるように、なるべく新しい病気を増やさない、新しい病気にかからない。そのためにどうしたらいいかということを考えていただく必要があると思います』、我々自身が気を付ける必要があることは当然だが、それ以上に医師や薬剤師などの医療従事者がまずは気を付けるべきだろう。
・『副作用に注意!薬の種類との関係は?  武田:薬の種類、どんな薬を飲んでいるのかはやはり関係あるんですか。 秋下さん:その中に含まれているお薬に、睡眠薬とか鎮痛薬、あるいは精神安定剤といった、いわゆる副作用を起こしやすいお薬が入っていることが多いので、まず、そういったお薬が問題を起こすことがあります。ただ、必ずしもそういうお薬が入っていなくても、薬の種類が多い人は副作用が多いんですね。しかも、例えば高血圧のお薬や、花粉症のお薬、胃薬ですとか、ごく普通に皆さんが飲まれているお薬でもそういうことが起きうるということなんです』、これも医療従事者がまずは気を付けるべきだろう。
・『薬とサプリメントの併用に注意!  合原:この多剤服用のリスクというのは、処方される薬だけではないんです。サプリメントや健康食品にも注意が必要です。いわば、「隠れ多剤服用」ともいえる、医療者が把握できず、本人も気づきにくい問題なんです。 合原「今、サプリとか飲んでいますか?」 50代女性「1、2、3、4。それから腸内環境を良くするものを飲んでいるので、6種類。」 30代女性「ビタミン系が3種類と、亜鉛と、あとアルファリポ酸っていうので5種類飲んでいます。」 合原「お薬と併用していますか?」 30代女性「していますね。頭痛薬とか、風邪薬とか、胃薬とか。」 50代男性「血圧の薬を飲んでいるので、1個だとなんか寂しいからサプリをいっぱい飲んで。なんか薬いっぱい飲んでいるなって感じ。サプリは基本的に毒じゃないと思うので。薬でもないから、別に特にそんなことは気にしてないです。」 サプリメントを複数飲んでいる人の割合は、年齢とともに増えていきます。20代では3割ほどですが、50代を超えるとおよそ半数にのぼります。専門家は、薬だけでなく、サプリメントもその種類が増えるほど、リスクは高まると指摘します。 国立健康・栄養研究所 薬学博士 千葉剛さん「健康食品は薬ほどは作用は強くないんですけれども、やはり何かしら人の健康に影響する、影響を及ぼす成分が入っていますので、そういうものをやはり多量にとる、複数とることによって体に何かしら影響が出てくる可能性はあります。」 去年発表された、高齢者の多剤服用に関する国の指針です。その中でも、サプリメントを含む健康食品と薬を併用すると、重大な影響があると指摘されています。 高血圧の薬と合わせて多くのサプリメントを飲んでいると話してくれた、津田広信さん、59歳。健康が気になり始めた30代から飲みはじめ、年齢とともに種類が増えていきました。 津田広信さん「酵素アンド酵母、ミドリムシダイエットなど、14種類です。ふだんから毎日お酒も飲むし、太ってきているので、せめてこういうのを飲んでごまかしている。自分の気持ちをごまかしているみたいなものです。」 津田さんの飲み方をチェックするため、今回、薬とサプリメントに詳しい薬剤師の力を借りました。薬剤師が特に注意する必要があると指摘したのは、薬とサプリメントの飲み合わせ。血圧の薬と飲み合わせの悪いサプリメントを見つけました。 薬剤師 千葉一敏さん「血圧のために飲んでいるということで、2つの健康食品(サプリメント)を飲まれているということだった。医薬品と健康食品を見ると、確かに健康食品のほうがかなり弱い作用ではあるんですけど、足すことによってさらに医薬品の効果が出すぎてしまうことがあるので、こういうのは控えたほうがいいですね。」 津田さんは、高血圧でかかっている医師に、サプリメントを使っていることを伝えていませんでした。 津田広信さん「実際に飲んでいる血圧の薬に対して悪い作用が起きるのは、ちょっと問題。とりあえずお医者さんに持っていって見てもらいます。」 薬とサプリメントの飲み合わせについて、相談を受け付けているサプリメントメーカーもあります。およそ150種類のサプリメントを取り扱う会社。飲み合わせについての電話相談は、年間2万5千件にのぼっています。 合原「どうやって電話対応ってされているんですか。」 スタッフ「お客様から電話がかかってまいりましたら、こちらに商品名を打ち込みましてこちらにお薬名を入力いたします。」 薬とサプリメントをそれぞれ入力し、飲み合わせが悪い場合、サプリメントの摂取を控えるよう、アドバイスしています。 サプリメントメーカー 検索システム担当部門 阿部泉さん「今サプリメントを飲んでいらっしゃる方は、やはり50代60代の方が多くいらっしゃいます。そういった方はお薬を飲み始める年代とちょうど重複する年代でもありますので、お客さまにきちんと情報を提供するということを優先して行っております。」 薬とサプリメントの多剤服用。減らすとき、どんな事に気をつければいいでしょうか。 合原:サプリメントなどを飲んでいることを医師に伝えていないという人の割合というのが、実に7割にものぼるという調査もあるんですね。実際に取材をした中にも、高血圧を治療中の女性が、医師に相談をせずに血圧が高めの方にというサプリメントを多くとって、急激に血圧が下がってしまうというケースもありました。 武田:私はそれほど飲んでないのですけれども、周りに飲んでいるという人が多いんですよね。処方された薬に加えて何種類ものサプリメントをとってしまう。秋下さん、どんなリスクがあるとお考えですか。 秋下さん:何種類も、特に10種類も飲んでいらっしゃるような方の場合には、やはり多剤服用と同じような問題というのが起きうる。しかも、処方薬も一緒に飲まれていたりしますので、そういうものと合算するとかなりの数になることを考えますと、リスクを自覚していただく必要はあると思います。 武田:サプリメントは、きちんと相談して、医師や薬剤師さんに相談してとったほうがいいということですか。 秋下さん:はい。厚生労働省の指針でも、「サプリメントなどを含めて注意しましょう」と出していますので、薬剤師さんに聞いていただいて、そういうことをチェックすることも必要になります。その一方で、特に高齢者で栄養状態などに問題がある方の場合は、必要なサプリメントもありますので、サプリメントは無用であるということではなくて、よく相談した上で使うというふうにしていただきたいと思います』、「サプリメントを複数飲んでいる人の割合は・・・50代を超えるとおよそ半数にのぼります」、私は一切飲んでないので、割合の高さに驚いた。サプリメントの広告が目立つが、「多剤服用」のリスクも明記させるべきだ。
・『減らすときのポイントは?  武田:今とっている薬、あるいはサプリメントの種類を、自分にとって適切な量に減らしたいと思った場合、どうしたらいいのでしょう。 合原:こちらがそのポイントです。まず、自己判断で薬を減らさない。そして、やめないということですね。そして、病院にかかるときは、お薬手帳に薬の情報だけではなくて、飲んでいるサプリメントについても書いて、きちんと医師と情報共有をすることが大事になってきます。 武田:お薬手帳に、こんなサプリメントをとっていますというのを自分で書いてもいいんですか。 秋下さん:もちろんです。お薬手帳はシールを貼ることが多いのですが、それ以外のところというのはただの手帳ですので、手書きで書いていただくのもいいと思いますし、できたら、サプリメントを買ったときについている説明書などを切り取ってペタッと貼っていただく。名前を間違えたりすると調べるにも調べられなくなりますので、正確な情報という意味ではそういうものをうまく使っていただくといいかなと思います。 合原:そうした中、いま、多剤服用の問題を大きく動かすのではないかと期待されている取り組みがあります。薬を減らすことで、進行した認知症の症状を改善しようという大規模なプロジェクトです』、「お薬手帳に薬の情報だけではなくて、飲んでいるサプリメントについても書いて、きちんと医師と情報共有をすることが大事」、その通りだろう。
・『注目される認知症“減薬”プロジェクト  首都圏に48ある、有料老人ホームです。2300人あまりの入居者のうち、半数以上が認知症を患っています。薬を減らして認知症を防ぐ、去年10月から始まったプロジェクト。薬を減らすことで、認知症の症状の改善を目指しています。東京大学の薬学の専門家や、高齢者医療の専門医などが協力して、認知症の高齢者1000人以上を対象に、薬を調整。効果がどの程度出るのか、検証しています。 まず取り組んだのが、薬の種類や量が適正なのか、確認することです。医師や薬剤師、介護士などの専門チームを立ち上げ、日々の体調の変化をみながら、慎重に検討しています。 プロジェクトが始まって半年あまり。薬の種類や量が適正ではなく、改善の余地がある人が実に、7割を超えていることが分かりました。 プロジェクトに参加する医師 髙瀬義昌さん「今までの日本の医療は、どちらかというと薬の種類は多くて、減らすタイミングを見逃して、かえって副作用が大きくなってしまうことがあるので、これから頑張って挑んでいかなきゃいけないと思っています。」 薬を減らすことで、症状が大きく改善する人も出てきました。稲垣ミヨさん、91歳です。12種類の薬を飲んでいた、稲垣さん。当時、症状は悪化していました。 介護士「はいかいされたりとか、大声出して、『助けて』なんていう声も頻回に聞こえていました。」 暴力や暴言で、トラブルを起こすこともありました。稲垣さんの薬をチェックすると、12種類から7種類に減らすことができました。それから2ヶ月。暴力行為は一切なくなり、会話を楽しむまで回復しました。 介護士「ここの生活はどうですか?」 稲垣ミヨさん「いいですね。」 さらに、思いがけない効果が。周囲にも、いい影響が広がり始めたのです。 合原「(介護士の)負担としてもかなり減った?」 介護士 山﨑善斗さん「かなり減りましたね。やはり家族の方は、身体的な負担より、心の負担が大きいと思うので、何でこうなっちゃったんだろうとか。あとはここに足を運ぶのが重くなっていたりとか、そういうのが軽減されたほうが僕たちは嬉しいと思います。」 薬との上手なつきあい方。高齢者と現役世代、それぞれのポイントをみていきます。 合原:このプロジェクトによって、症状の改善だけではなくて周囲の人たちの負担もとても軽くなっているのを感じました。例えば、介護スタッフの方は入所者1人1人に向き合える時間が増えたといいます。さらに家族は、症状が改善したことで、再び親とコミュニケーションを取ることができるようになったと喜びを感じている方もいらっしゃいました。このプロジェクトでは、今後、減薬による効果をまとめて、指標を作成し、さまざまな医療機関や介護施設に広めていきたいとしています』、「認知症“減薬”プロジェクト」はいい取り組みだ。今後の展開が楽しみだ。
・『薬との上手なつきあい方  武田:多剤服用のリスクや減薬の効果を見てきましたけれども、やはり対策を進めていくべきだと感じました。患者や医師や薬剤師、すべての人の意識の変化というのが求められると思うんですけれども、そのために何が必要なのかキーワードを書いていただきました。 秋下さん:「足し算医療からの脱却」ということだと思います。薬が効かない場合に、ついつい、次の薬、次の薬ともらう、あるいは処方すると。こういうことが行われてきたわけですが、もし1つ足すのであれば、1つ引くと、こういう考え方です。それが「足し算医療からの脱却」ということではないかと思います。 武田:いま患者さんが持っていらっしゃるすべての症状を改善しようということで薬が増えていってしまう。そうではなくて、その患者さんの状態の何が大事なのかっていうのを、見極める作業にもつながると思うのですが。 秋下さん:例えば若い人であれば、心筋梗塞とか脳梗塞、あるいはがんといったような、かなり命に関わるような病気が大切。これは異論がないところだと思いますが、高齢者になってきますと、転倒して骨折をする。その原因となっている、ふらつきという問題もあります。それから、もう1つは認知症の問題ですね。こういったことのほうが、心筋梗塞の予防などより重要な場合があるんですね。そうしますと、若い人と高齢者では優先順位が変わってくるということが起きますので、そこはよく考える必要があると思います。 武田:そういった優先順位をつけて、薬の種類も整理していくことによって、患者さん自身も状況が改善し、周りも、社会全体もメリットがあると、その可能性があるということなんですね。 秋下さん:そうですね。 武田:ありがとうございました。 ※専門家が「多剤服用のリスク」情報をまとめた一般向けパンフレット『高齢者が気を付けたい多すぎる薬と副作用』をこちらからダウンロードできます。(NHKサイトを離れます)』、「足し算医療からの脱却」は確かに重要だ。「多剤服用のリスク」は、一般のメディアは製薬会社や医師、薬剤師らを忖度して余り取上げられないが、あえて取り上げたNHKはさすがだ。
『高齢者が気を付けたい多すぎる薬と副作用』のURLは下記
https://www.jpn-geriat-soc.or.jp/info/topics/pdf/20161117_01_01.pdf
タグ:医薬品 (製薬業) (その3)(「花粉症薬が保険適用外に」医療費約600億円削減でも現役医師が困る理由とは?、捨てられ続ける抗インフルエンザ薬の備蓄薬、たくさんの薬は害になる!? ~“多剤服用”の深刻なリスク~) ダイヤモンド・オンライン AERAdot. 週刊朝日 「「花粉症薬が保険適用外に」医療費約600億円削減でも現役医師が困る理由とは?」 『心にしみる皮膚の話』 大塚篤司医師 健康保険組合連合会(健保連、けんぽれん) 中央社会保険医療協議会で提起する内容の一部 五つの政策提言 【1】機能強化加算のあり方についての検討 「かかりつけ医制度」が実態としては余り機能してないのであれば、絞り込みは当然だ 【2】 生活習慣病治療薬の適正な選択(フォーミュラリー)の導入に向けた検討 医学的な根拠に加えてコストの問題も視野に入れた薬剤選択を提示 【3】 繰り返し利用可能な処方箋(リフィル処方)の導入に向けた検討 【4】 調剤報酬のあり方についての検討 かかりつけ薬局をもっている患者さんは4.5% 【5】花粉症治療薬の保険適用範囲についての検討 まとめ 日経メディカル 「捨てられ続ける抗インフルエンザ薬の備蓄薬」 「新型インフルエンザ等対策特別措置法」 国民の45%に相当する5650万人分の抗インフルエンザ薬を備蓄目標量に設定。うち約1000万人分は流通備蓄薬とし、約4650万人分を国と都道府県で備蓄 005年に始まった抗インフルエンザ薬の備蓄に費やした国費は、購入費だけでおおよそ800億円 使用されることなく期限を迎えると、巨額を投じた備蓄薬がただ廃棄されている 備蓄される抗インフルエンザ薬は、薬価よりも安い金額で購入 市場に流通させないことを条件に国が直接製薬会社と価格交渉している 都道府県は、使用年限が迫ってきた薬剤を市場に放出したり、備蓄以外の目的に使ったりすることができない 10年目を迎えた2016年から続々と抗インフルエンザ薬の大量廃棄が始まった 備蓄のコストを抑えるべく、厚労省は2019年1月に原薬で備蓄することを認めた 原薬保管の方が、備蓄期間をさらに延長できる可能性も 国と製薬会社・卸が協力して流通を工夫すれば、ある程度、薬剤を無駄なく使用する仕組みができるのではないだろうか NHKクローズアップ現代+ 「たくさんの薬は害になる!? ~“多剤服用”の深刻なリスク~」 寝たきりの人が劇的改善 原因は薬だった 高齢者は薬の種類が増えるほど、体に異常が起こりやすくなることが明らかになっています。特に、6種類を超えるとそのリスクがより高まるのです 6種類以上では代謝する機能を超えるため、体内に蓄積されやすくなってしまいます。薬の種類が増えるほど、思いもよらない異常をきたす 7種類以上の薬をもらう人の割合は、64歳以下では10%。一方、75歳以上になると、24%に増加。4人に1人にのぼります 認知症の疑い 2割の人が薬の多さが原因 なぜ薬が6種類以上でリスク高まる? 6種類以上の方は副作用の発現率が10%を超えていました 高齢者だけ?現役世代にリスクは? 医師や薬剤師などの医療従事者がまずは気を付けるべき 副作用に注意!薬の種類との関係は? 薬とサプリメントの併用に注意! サプリメントを複数飲んでいる人の割合は、年齢とともに増えていきます。20代では3割ほどですが、50代を超えるとおよそ半数にのぼります サプリメントもその種類が増えるほど、リスクは高まる サプリメントを含む健康食品と薬を併用すると、重大な影響があると指摘 サプリメントは、きちんと相談して、医師や薬剤師さんに相談してとったほうがいい 減らすときのポイントは? お薬手帳に薬の情報だけではなくて、飲んでいるサプリメントについても書いて、きちんと医師と情報共有をすることが大事 注目される認知症“減薬”プロジェクト 薬との上手なつきあい方 「足し算医療からの脱却」 『高齢者が気を付けたい多すぎる薬と副作用』
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