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EC(電子商取引)(その5)(アマゾンの納税額が楽天より圧倒的に低い理由 ITの巨人に長く根付く「フリーライダー」精神、楽天に怒りの鉄拳…公取委員長が「三木谷社長の横暴を許さない」ワケ これはプラットフォーマーへの警告だ、楽天が8年ぶりの最終赤字 「送料無料」の裏にあった誤算) [産業動向]

EC(電子商取引)については、昨年10月14日に取上げた。今日は、(その5)(アマゾンの納税額が楽天より圧倒的に低い理由 ITの巨人に長く根付く「フリーライダー」精神、楽天に怒りの鉄拳…公取委員長が「三木谷社長の横暴を許さない」ワケ これはプラットフォーマーへの警告だ、楽天が8年ぶりの最終赤字 「送料無料」の裏にあった誤算)である。

先ずは、 ジャーナリストの横田 増生氏が昨年11月11日付け東洋経済オンラインに掲載した「アマゾンの納税額が楽天より圧倒的に低い理由 ITの巨人に長く根付く「フリーライダー」精神」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/308929
・『日本の大手企業、楽天や高島屋と比べて、アマゾンの「納税額」は極端に低い。インターネット通販サイトの雄として世界中を席巻する大企業にもかかわらず、それはなぜか? ジャーナリストの横田増生がアマゾンのさまざまな現場に忍び込み、「巨大企業の光と影」を明らかにした『潜入ルポ amazon帝国』から一部抜粋してお届けする。 2000年に日本で業務を開始したアマゾンジャパンが、日本でいくら納税したかがわかる年が1年だけある。2014年だ。 官報に、アマゾンジャパン株式会社とアマゾンジャパン・ロジスティクス株式会社の2014年12月期の決算公告が発表されている。 アマゾンジャパン株式会社の売上高は316億円強で、法人税が4億5000万円強。さらに、アマゾンジャパン・ロジスティクス株式会社の売上高は582億円で、法人税が6億円強。2社を合計すると、売上高が899億円強で、法人税が約10億8000万円──となる』、日本の道路などのインフラをさんざん使っておきながら、「法人税が約10億8000万円」とは納得がいかない。
・『なぜ「アマゾンの納税額」は少ない?  ここで、「おやっ!?ちょっと変だぞ」と気づいた方もいるだろう。「アマゾンの日本での売上高が、900億円弱というのは、数字が一桁少ないんじゃないのか」と。そう思った人は、かなりのアマゾン通である。 米アマゾンが発表する年次報告書によると、2014年の日本での売上高は79億1200万ドル(8700億円)と記載されている。米アマゾンの年次報告書の記載と比べると、決算公告に記載された売上高は、ほぼ10分の1に減少している。 法人税などの税金は、売上高から販売管理費などの諸経費を引いて最後に残った税引き前利益にかかるものだから、売上高が低くなれば、その分純利益も低くなり、納税額も低くなる。 アマゾンの年次報告書によると、8700億円の売上高を上げている日本において、納税額が10億8000万円に過ぎないというのだ。 単純計算とはいえ、売上高が8700億円となると、法人税額が、100億円を超える可能性もある。実際、同じような売上規模の小売業者である高島屋の法人税はこの年、136億円強に上る。また、日本の同業者である楽天は、同年の売上高は5985億円で税引き前利益が1042億円に対し、法人税は331億円を支払っている。 同業者の楽天と比べるとわかりやすい。楽天が、330億円を超える法人税を納税し、一方、アマゾンは10億円強の法人税を納税する。その差は320億円。アマゾンは、その差額を新しい事業の開発費用や、現行サービスの値引きの原資、さらには従業員の給与の支払いなどに使えるのだから、圧倒的に有利な条件で事業運営を進めることができる・・・』、「売上高は、ほぼ10分の1に減少」、驚いくべきマジックだ。「アマゾンは・・・圧倒的に有利な条件で事業運営を進めることができる」、これでは楽天などの日本勢は勝負にならない。
・『アマゾンが使う「巧妙なトリック」  アマゾンジャパンが決算公告で発表している899億円と、米アマゾンが年次報告書で発表している8700億円の差異はどうやって生まれるのか。 財務省出身で、現在は東京財団で研究主幹を務める森信茂樹はこう話す。 「アメリカ本社と日本法人の間におけるアマゾンの税制のスキームは、コミッショネア契約と呼ばれています。コミッショネア契約とは、本来なら、アマゾン本社が行う日本国内での物流業務などの補助的な業務を日本法人が代行することに対し、アマゾン本社が日本法人に委託手数料を支払うという意味です。仮にアメリカ本社が日本法人に全売上高の10%を手数料として払っているとすると、決算公告と年次報告書の差額が説明できます。このスキームを使えば、日本法人の売上高と法人税を大きく圧縮できます」 アマゾンのような国際企業から税金を正しく徴収するには、国税庁が、その企業が各国にどのような拠点があり、どんな機能があり、その拠点や機能によってどれだけの収益を上げているのかを、正確に把握する必要がある。しかも、そうした情報を得たうえで、他国の徴税機関、この場合、アメリカのIRS(内国歳入庁)との交渉に打ち勝つ必要がある。 さらに厄介なのは、アマゾンのような国際企業にとって決算数字の付け替えは、いかようにもできるという点だ。アメリカ本社に集めた日本からの知的財産の使用料を、アメリカ国内の租税回避地である、デラウェア州などで処理されれば、低額の納税で済ませることができる。 その実態は、アマゾンと各国の税務担当局のみが知りえる。その実態は守秘義務に守られ、その詳細が外部に流出することはない。 アマゾンジャパンの租税回避について、追及した国会議員が1人いる。自民党の参議院議員である三原じゅん子だ。2014年3月と2015年3月の参議院予算委員会で、この問題について質問している。 「(アマゾンジャパンは)日本でのシステム運営と顧客サービスを担当しているにすぎないのであって、販売を行っているわけではない、販売しているのはあくまでもアメリカ法人であるから法人税はアメリカに支払うというものです。これはアマゾンの領収書でも確認することができます。/国税庁に伺います。アマゾンのわが国での売り上げと納税額を教えてください」(2014年3月19日の予算委員会議事録) それに対する国税庁の答えは、「アマゾンの日本における売上額と納税額について御下問ありましたけれども、申し訳ありません、個別の事項についてはお答えを差し控えさせていただきたいと存じます」というものだった』、「コミッショネア契約」を認めれば、アマゾンの好き放題に租税回避できることになる。「三原じゅん子」参議院議員もたまにはいいことを質問したようだ。しかし、「国税庁」の守秘義務の壁に阻まれたのは残念だ。
・『「税金対策のプロ」を80人そろえる  租税回避という言葉がある。アマゾンなどの国際IT企業が、世界中に遍在するタックス・ヘイブンという低課税地域や、各国の税法の抜け穴などを巧妙に組み合わせ、納税額を少しでも減らそうとする節税手段だ。そうした国際IT企業などでは、百人前後の大人数の税制度の専門家をスタッフとして抱え、租税回避へと邁進する。 『ジェフ・ベゾス果てなき野望』によると、米アマゾンにも80人からなる税金対策部がある。会計や法律の専門家である彼らは、その知識を駆使し、アマゾンが払う税金が少しでも安くなるように知恵を絞り、その見返りとして高額の給与を手にする。 租税回避は、違法行為である脱税とは違い、一応、法律の条件は満たしているのだが、その目的は、各国の税制に従って正しく納税するということではなく、各国の税制の抜け穴を積極的に探し、合法的に納税を逃れることに全力を尽くすことにある。) 租税回避が違法でないのなら、なぜここで取り上げる必要があるのか。租税回避と脱税とは紙一重であり、金融機関や会計事務所、コンサルタントが生み出した複雑怪奇なスキームを使って、納税額を法律の枠で認められたぎりぎり最小限に押し込める。 しかし、租税回避や節税、脱税の境界は極めてあいまいであり、所得や利益を海外にあるタックス・ヘイブンに逃がし、本来なら、納めるべき税金を払わないで済ませているのがアマゾンを含むGAFAに代表される国際企業なのだ。 そうした国際企業が応分の税金を支払うことから逃れるツケを負わされているのが、中所得や低所得の市民である。タックス・ヘイブンなどを舞台とした租税回避によって、富める企業はますます富み、貧する者はますます貧するという負の構図が生まれているからだ(志賀櫻著『タックス・ヘイブン』)』、「国際企業が応分の税金を支払うことから逃れるツケを負わされているのが、中所得や低所得の市民である」、由々しいことだ。ただ、GAFAの「租税回避」については、経済協力開発機構 (OECD)でも議論されているようだ。
・『強く根付く「フリーライダーのDNA」  アマゾンの租税回避を知るうえで大切なのは、この考え方が、アマゾンのDNAに深く刻み込まれている、ということだ。税金によって作られる道路や上下水道、病院などの社会インフラを活用しながらも、あらゆる手を使って納税額を最小限に抑え、その分を事業発展に使うという“フリーライダー(ただ乗り)”のDNAだ。 ベゾスが繰り返し語るアマゾン誕生物語では、ウォール街の金融機関を辞めてアマゾンを起こそうと思ったベゾスが、祖父の自宅のあったテキサス州で車を借り、マッケンジーがハンドルを握り、助手席でベゾスが事業計画書を書きながら、西へと向かった。そして、マイクロソフトなどの本社などがあるため優秀なIT人材が豊富で、書籍の取次の大型倉庫にも近いという理由でワシントン州シアトルを創業の地に選んだ──ことになっている。 しかし、1996年の米ネットメディア《Fast Company》でのインタビューで、創業の地をシアトルに選んだ理由を尋ねられ、ベゾスは税金対策のためだったと答えている。 私の知る限り、ベゾスがアマゾンの税金対策について率直に語った唯一の機会である。 まだ株式を上場したばかりのこのころ、後年にアマゾンの租税回避の問題が、アメリカ国内だけでなく、世界各国を巻き込んだ大問題に発展するなど、ベゾス自身も想像していなかったため、警戒感が薄く、うっかり口を滑らせてしまったのだろうか。しかし、このネット時代、過去の発言の多くは、時間を経てもネット上に残り簡単に手に入れることができる。 先のインタビューで、ベゾスはこう話している。「奇妙に聞こえるかもしれませんが、ネット書店をどこで始めるかというのは大変重要な問題でした。〈中略〉それは、人口の少ない州でないといけませんでした。ネット通販の場合、売上税(消費税)は、本社を置いている州の住民だけにかけられるからです。人口の多い、カリフォルニアやニューヨーク州で事業を始めるのは馬鹿げています。 〈中略〉私はまた、サンフランシスコの近くにある先住民の居留地にアマゾンの本社を置くことはできないか、という可能性も探りました。そうすれば、税金をまったく払わずに事業ができるからです。けれど、不幸なことに、この計画はカリフォルニア州当局が受け入れませんでした」 アメリカの売上税とは日本の消費税にあたる。両者の最大の違いは、日本の消費税が国税であるのに対し、アメリカの売上税が州や市などに払う地方税であることだ。ネット立ち上げの1990年代当時は、法律上、ネット企業が売上税を課税しなければならないのは、本社や物流センターなどがある一部の州だけでよかった。つまり、アマゾンの場合、ワシントン州民の利用者だけが、商品代金に売上税を載せた金額を支払うことになった。 ワシントン州の人口は589万人。アメリカで最も人口の多いカリフォルニア州の3387万人と比べると、5分の1の人口であり、アメリカの全人口である2億8000万人強と比べると、全体の約2%という取るに足らない数字だ。だから、ワシントン州を創業の地に選んだというのだ。(筆者注・いずれも2000年の国勢調査の数字) ベゾスは創業時の1994年7月、《カダブラ社》として、ワシントン州シアトルを本社として法人登録をする。しかし、その後で社名をアマゾン・ドット・コムと変え、1996年6月に再登記するとき、アメリカの中でもタックス・ヘイブン(租税回避)の地として悪名高いデラウェア州を本社に選んでいる。会社の本社機能はワシントン州シアトルに置くが、税制などの法律で使われる本社の住所はデラウェア州となる。 本社をデラウェア州に置くなら、州の人口数の多寡は関係がなくなる。デラウェア州は今日まで、売上税を課税しなくていい数少ない州の1つなのだから』、「アマゾンの租税回避」は創業時から徹底していたようだ。
・『先住民居留地の利用さえ辞さない  売上税の回避の考え方以上に驚くべきことは、ベゾスがインタビューの後半で語る部分である。 アマゾンを創業するのに、税金がかからないという理由で先住民居留地に本社を置こう、とベゾスは試みている。 正攻法のビジネスとは、大きくかけ離れた裏技、いや寝技である。なりふり構わぬ節税方法だ。先住民居留地のビジネスに税金がかからないのは、歴史的に差別されてきた先住民を雇うことに対する見返りだ。しかし、私の知る限り、ベゾスがアメリカ先住民だけを従業員としてアマゾンを創業するという事業計画を書いたという事実はない。だからこそ、カリフォルニア州政府がそのベゾスの提案を拒否したのだろう。 重要なことは、そんな奇策を弄してまで、ベゾスがアマゾン設立以前から、言い換えれば今のような国際的なIT企業になるはるか前から、租税回避に心血を注いできたという事実だ』、「先住民居留地のビジネス」の特例を当局から拒否されたのは当然だが、「なりふり構わぬ節税方法」にここまで血道を上げるとは驚かされた。なお、最近の「アマゾン」の日本での納税については、第二の記事を読んでほしい。

次に、ジャーナリストの伊藤 博敏氏が2月13日付け現代ビジネスに掲載した「楽天に怒りの鉄拳…公取委員長が「三木谷社長の横暴を許さない」ワケ これはプラットフォーマーへの警告だ」を紹介しよう。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/70398
・『楽天VS公取委の構図  公正取引委員会は、2月10日、インターネット通販サイト「楽天市場」を運営する楽天に対し、独占禁止法違反(優越的地位の乱用)の疑いで立ち入り検査に入った。 強制調査権を持つ怖い役所ながら、普段はソフトな印象の公取委だが、楽天に対する判断は迅速、かつ積極的だ。背景には杉本和行委員長の「プラットフォーマーの横暴を許してはならない」という強い意志がある。 楽天VS公取委の構図を読み取りたい。 楽天が、3月18日から実施を公言している「3980円以上の送料無料」というプランの導入に対し、出店者の集まりである「楽天ユニオン」は、1月22日、独禁法違反の調査を求める署名を提出した。 それを受けて公取委は、1月28日、出店者から事情を聞くなど調査を開始した。だが、楽天は意に介さなかった。 翌29日、楽天の出店者などを集めた「楽天カンファレンス2020」で、三木谷浩史会長兼社長は「たとえ政府や公取委と対峙しようとも必ず実行する」と、ぶち上げた。 公取委に対する挑戦状である』、「三木谷浩史会長兼社長」の決意は並々ならぬものがありそうだ。
・『強行突破を図るという確信犯  これに対し、2月5日の定例会見で杉本委員長は、「疑いがあれば調査し、違反があれば厳正に対処する」と述べたものの、三木谷氏の好戦的な態度については、「売り言葉に買い言葉というわけにはいかない」と、述べるにとどめた。 だが、腹のなかは別だった。 楽天は、「送料無料」が独禁法に抵触するかどうかを、昨年、公取委に打診、12月までに「優越的地位の乱用の恐れがある」という回答を得ていた。 だが、強行突破を図るという確信犯。違反行為を阻止するためには、早期着手で、実施までに何らかの措置を講ずる必要があった。 筆者は、楽天ユニオンの中核メンバーから話を聞き、本サイトで<傲慢な時代錯誤経営でアマゾンに勝てるか>と配信、三木谷氏を批判した。 三木谷氏の未来を切り開くベンチャー・スピリットと、ネット通販を日本に根付かせ、IT社会を構築した功績を否定するものではない。 既得権益層に反発、規制緩和を訴えて新経済連盟を立ちあげ、「役人にビジネスの何がわかる」と言ってのけるのだから性根は据わっている』、一般的には波風を立てないようする経営者が殆どのなかで、「「役人にビジネスの何がわかる」と言ってのける」「性根は据わっている」のは確かだ。
・『プラットフォーマーへの警告  だが、GAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)に代表される巨大プラットフォーマーが、二極化を進めて、世界の人々を追い詰めており、その対抗策が国家の役割で、国民(利用者)も反撃を始めている、という時代認識に欠ける。 杉本委員長は、昨年8月に上梓した『デジタル時代の競争政策』(日本経済新聞出版社)のなかで、プラットフォーマーに次のような警告を与えている。 <プラットフォーマーが自らの支配的地位を濫用し、消費者や取引先事業者に不当な不利益を課すことにより、公正な競争を歪めたり、自らの競争者となるおそれのある新規参入者を不当に排除するなど自由な競争を妨げる行為が見られる場合には、競争政策上看過できないことになる> 有無をいわさずに規約を変え、罰金制度を設け、楽天ペイを強要、アフィリエイト課金を最大8%に引き上げ、そして送料を、事実上、出店者の負担にする――。 その優越的地位の乱用に値((注:正しくは「音」)を上げ、「送料無料」が最後の一押しとなって楽天ユニオンは結成され、杉本委員長はその訴えを取り上げた。 これは三木谷氏が暗示する「役所の横暴」ではないし、楽天が10日に発表した「法令上の問題はないと考えている」というレベルの話ではない。 もっと根源からの変化を促すものだ』、「三木谷氏」は一体どうしたのだろう。
・『パラサイトの時代は脱出不可能  今年のアカデミー賞は、韓国映画『パラサイト 半地下の家族』が、英語以外の作品としては、初めて作品賞を受賞した。 全員失業中の半地下の家族と、高台の豪邸に住むIT企業社長の一家。監督賞も受賞したポン・ジュノ監督のテーマは、前作『スノーピアサー』も含めて、底辺の人々が直面する社会システムへの怒りとその破壊である。 ユーモアを交えた格差社会への怒りが、観客の共感に繋がり、凄惨な結末を納得させる。それが世界共通の思いであることをアカデミー賞受賞は伝える。 高台の豪邸と底辺の暮らしの二極化は、かつても映画のテーマであり、57年前には巨匠・黒澤明監督が『天国と地獄』で描いている。山崎努が演じる医学生は、谷底の街から高台に住む三船敏郎が演じる企業経営者を憎み、息子の誘拐に及ぶ。 ただ、この時代の二極化は、その後の高度経済成長によって多くの中産階級を生み、大量消費時代となって解消された。だが、パラサイトの時代は脱出のしようがない。 なかでも、巨大プラットフォーマーは無料サービスの対価として得た個人情報を利用、電子商取引に生かすだけでなく、利用者に好みの衣食住環境を提供、銀行、証券、保険といった金融サービスはもちろん、医療、教育などあらゆる分野をプラットフォーム上で賄えるようにする。 プラットフォーマーの持つ権力と影響力は国家並みに強大で、それに対抗できるのは国家しかない。 だから世界が、GAFA対策に奔走、GAFAもかつての傲慢な姿勢を修正、日本でもアマゾンは、出店者の1%ポイント負担を撤回、売上高を国内法人に計上、日本での納税に切り替えた。 三木谷氏はそうした動きに逆行、出店者に負担を強いて公取委にケンカを売った。それはオーナーでワンマンの三木谷氏の判断である。 文句をつけることはできないが、「国家とのケンカ」は、顧客や民衆の賛同を得て、始めて勝利する過酷なものだ。 国家に戦いを挑み、仮に勝利したとしても待ち構えるのは時価総額で100倍規模のアマゾン。5万の出店者の支持なしに、アマゾンと同じ土俵で戦って、どんな勝算があるのだろうか』、「アマゾンは、出店者の1%ポイント負担を撤回、売上高を国内法人に計上、日本での納税に切り替えた」、「そうした動きに逆行、出店者に負担を強いて公取委にケンカを売った」、とは「三木谷氏」は信じられないほど傲慢になったようだ。

第三に、ジャーナリストの森岡 英樹氏が2月27日付け文春オンラインに掲載した「楽天が8年ぶりの最終赤字 「送料無料」の裏にあった誤算」を紹介しよう。
https://bunshun.jp/articles/-/35890
・『楽天の三木谷浩史会長兼社長は2月13日の決算会見で、ネット通販サイト「楽天市場」の送料無料化を予定通り3月18日から実施すると発表した。 楽天関係者が明かす。「実は幹部は揃って送料無料化に反対していたのですが、三木谷社長は何を言っても聞かず、『とにかくやる』と周囲の反発を撥ねつけた。2000円以上で送料無料を原則としているアマゾンに対抗するために、強行したのです」 昨年8月、楽天は規約を変更し、1店舗で税込み3980円以上を購入した場合、出店者側の負担で一律送料無料にすると発表。出店者が抗議し、今年2月10日に公正取引委員会が楽天に立入検査に入る事態に。 「アマゾンは自社で物流システムを構築し、在庫管理を行っています。一方の楽天はネット上の場所を貸しているだけなのに、有無を言わさず規約を変えたり、楽天銀行への振り込みを強要するなど、強引なやり方に出店者から批判が高まっています」(ITアナリスト) 強気な姿勢の裏で、楽天は昨年12月、独占禁止法に抵触するかどうかを公取委に相談していた。その際、公取委から「優越的地位の乱用のおそれがある」という回答を得ていたのである。 公取委に喧嘩を売ってまで、なぜ強引に進めるのか』、「実は幹部は揃って送料無料化に反対していたのですが、三木谷社長は何を言っても聞かず、『とにかくやる』と周囲の反発を撥ねつけた」、ワンマンの極致だ。
・『第4のキャリアの誤算とは?  その背景には、三木谷氏が「アポロ計画」とぶち上げた第4のキャリア(携帯電話会社)での誤算がある。本格サービスの開始は当初の昨年10月からずれ込み、今年4月を予定している。 「楽天は4G対応の通信ネットワークの構築を急いでいるが、基地局の設置数は携帯各社が20万局規模なのに対し、3月末で4400局にとどく程度。東名阪以外はKDDIのネットワークを借用している」(同前) 他方、携帯各社は4Gよりも100倍速く、1000倍容量が大きくなる5Gへの移行を3月から開始する予定だ。楽天の出遅れ感は否めない。 楽天の2019年12月期決算は、8年ぶりに最終損益が約319億円の赤字に転落した。 「米配車サービスのリフトを減損したのは、これまでのM&Aのツケが出てきたことのあらわれでしょう。フリーキャッシュフローは320億円あり、当座の懸念はないが、物流整備に2000億、通信事業に6000億と投資が集中し、財務を圧迫することになる。こうした投資を継続するため、売上増の即効性がある送料無料を打ち出さざるを得なかったのです」(金融機関幹部) 三木谷氏は「5万店舗を載せた楽天という船が荒波を乗り切るにはこれしかないという思いだ」と強調するが、船から乗組員が下りれば元も子もない』、「こうした(4G対応の通信ネットワークの構築)投資を継続するため、売上増の即効性がある送料無料を打ち出さざるを得なかった」、苦しまぎれに強硬突破を図ろうとしているようだが、失敗した場合のシナリオはあるのだろうか。2月29日付け日経新聞は「「楽天に緊急停止命令を」 送料問題 公取委、地裁に申し立て」と伝えた。「地裁」の判断によるとはいえ、「申し立て」は受理される可能性が高いと思われる。さあ、「三木谷氏」どうする。
タグ:2014年 追及した国会議員 携帯各社は4Gよりも100倍速く、1000倍容量が大きくなる5Gへの移行を3月から開始する予定だ。楽天の出遅れ感は否めない 三原じゅん子 東洋経済オンライン 4G対応の通信ネットワークの構築を急いでいる 横田 増生 アマゾンは、出店者の1%ポイント負担を撤回、売上高を国内法人に計上、日本での納税に切り替えた そうした動きに逆行、出店者に負担を強いて公取委にケンカを売った 米アマゾンの年次報告書の記載と比べると、決算公告に記載された売上高は、ほぼ10分の1に減少している 森岡 英樹 第4のキャリアの誤算とは? (その5)(アマゾンの納税額が楽天より圧倒的に低い理由 ITの巨人に長く根付く「フリーライダー」精神、楽天に怒りの鉄拳…公取委員長が「三木谷社長の横暴を許さない」ワケ これはプラットフォーマーへの警告だ、楽天が8年ぶりの最終赤字 「送料無料」の裏にあった誤算) 「楽天が8年ぶりの最終赤字 「送料無料」の裏にあった誤算」 強く根付く「フリーライダーのDNA」 年次報告書によると、8700億円の売上高を上げている日本において、納税額が10億8000万円に過ぎない 強行突破を図るという確信犯 「役人にビジネスの何がわかる」 先住民居留地の利用さえ辞さない 三木谷浩史会長兼社長は「たとえ政府や公取委と対峙しようとも必ず実行する」と、ぶち上げた (電子商取引) 独禁法違反の調査を求める署名を提出 「3980円以上の送料無料」 なぜ「アマゾンの納税額」は少ない? 「楽天ユニオン」 「「楽天に緊急停止命令を」 送料問題 公取委、地裁に申し立て」 こうした投資を継続するため、売上増の即効性がある送料無料を打ち出さざるを得なかったのです 2019年12月期決算は、8年ぶりに最終損益が約319億円の赤字に転落 文春オンライン 杉本和行委員長の「プラットフォーマーの横暴を許してはならない」という強い意志 独占禁止法違反(優越的地位の乱用)の疑いで立ち入り検査 楽天VS公取委の構図 「楽天に怒りの鉄拳…公取委員長が「三木谷社長の横暴を許さない」ワケ これはプラットフォーマーへの警告だ」 現代ビジネス 伊藤 博敏 国際企業が応分の税金を支払うことから逃れるツケを負わされているのが、中所得や低所得の市民である 租税回避や節税、脱税の境界は極めてあいまいであり、所得や利益を海外にあるタックス・ヘイブンに逃がし、本来なら、納めるべき税金を払わないで済ませているのがアマゾンを含むGAFAに代表される国際企業なのだ 「税金対策のプロ」を80人そろえる 本来なら、アマゾン本社が行う日本国内での物流業務などの補助的な業務を日本法人が代行することに対し、アマゾン本社が日本法人に委託手数料を支払う 個別の事項についてはお答えを差し控えさせていただきたい 国税庁の答えは アメリカ本社に集めた日本からの知的財産の使用料を、アメリカ国内の租税回避地である、デラウェア州などで処理されれば、低額の納税で済ませることができる アマゾンが使う「巧妙なトリック」 アマゾンは、その差額を新しい事業の開発費用や、現行サービスの値引きの原資、さらには従業員の給与の支払いなどに使えるのだから、圧倒的に有利な条件で事業運営を進めることができる 楽天は、同年の売上高は5985億円で税引き前利益が1042億円に対し、法人税は331億円 日経新聞 売上高が899億円強で、法人税が約10億8000万円 コミッショネア契約 アマゾンのような国際企業にとって決算数字の付け替えは、いかようにもできる パラサイトの時代は脱出不可能 EC このスキームを使えば、日本法人の売上高と法人税を大きく圧縮できます 「アマゾンの納税額が楽天より圧倒的に低い理由 ITの巨人に長く根付く「フリーライダー」精神」 「実は幹部は揃って送料無料化に反対していたのですが、三木谷社長は何を言っても聞かず、『とにかくやる』と周囲の反発を撥ねつけた プラットフォーマーへの警告 『潜入ルポ amazon帝国』
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