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日本のスポーツ界(その28)(為末大と大迫傑が噛みついた「箱根駅伝」解体の“Xデー”、バド桃田選手の眼窩底骨折は なぜあっさり見逃されてしまったか、ピンハネ「レスリング協会副会長」続報 被害選手に“喋るな”の脅迫、ずさん会計 反社疑惑……金原元会長“ワンマン人事”のテコンドー協会で「私は倒れた」) [社会]

日本のスポーツ界については、昨年10月1日に取上げた。今日は、(その28)(為末大と大迫傑が噛みついた「箱根駅伝」解体の“Xデー”、バド桃田選手の眼窩底骨折は なぜあっさり見逃されてしまったか、ピンハネ「レスリング協会副会長」続報 被害選手に“喋るな”の脅迫、ずさん会計 反社疑惑……金原元会長“ワンマン人事”のテコンドー協会で「私は倒れた」)である。

先ずは、本年1月9日付け日刊ゲンダイ「為末大と大迫傑が噛みついた「箱根駅伝」解体の“Xデー”」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/sports/267255
・『「利益はいずこに?」 そう思っている人は多いはずだ。 3日、青山学院大の総合優勝で幕を下ろした今年の箱根大学駅伝。同日2人のオリンピアンがツイッターを更新し、「箱根」に関する疑問を呈したのだ。陸上400メートル障害で3度五輪に出場し、世界陸上銅メダルの為末大(41)が、「箱根駅伝の財務内容を明らかにしませんか」と自身のSNSに投稿。続けて「大学スポーツにしては高額な放映権の配分や、意思決定がどのように行われているかを陸上界の人間ですらわからないことが問題視されています」と指摘し、さらに「正月二日であれだけ注目を集めるコンテンツが生み出した利益はどこにいくのか」と問題提起した。 これに呼応したのが早大時代に箱根を走り、マラソンの日本記録保持者の大迫傑(28=リオ五輪5000、1万メートル代表)である。 「僕が学生の当時も箱根によって何かリターンを得たという感覚は一切無かった。箱根の利益はいずこに」「そうした疑問を解決、また今後の選手が最大限のリターンを受けれる様に変えていくためにも、選手主体の大会を作ることは重要。外からコンテンツに乗っかっているだけでは使われ続けるだけ」と持論を語った。 正月の2日間、レースだけでも約11時間にも及ぶ生放送の平均視聴率は毎年30%前後(今年は往路27・5%、復路28・6%=関東地区・ビデオリサーチ調べ)も稼ぐ人気イベントだ。特別協賛のサッポロビールのスポンサー料は8億とも10億円ともいわれ(他に協賛企業もあり)、主催の関東学生陸上競技連盟(以下関東学連)には、毎年2億~3億円の収益が入るともっぱらだ。 学連は法人ではないので財務内容を公開する義務はない。そこで為末氏は「公益法人など公的な法人格はそれを義務付けられています。確か社団やNPOもそうです。私の意見は箱根駅伝を運営する法人がいわゆる任意団体のように会計内容を開示しないでもいいのでしょうかということです」というわけだ』、「関東学生陸上競技連盟」には、「毎年2億~3億円の収益が入る」、一方で、「学連は法人ではないので財務内容を公開する義務はない」、「任意団体」とはいえ巨額の資金を扱いながら開示義務がないまま放置していたとは初めて知った。不正が生まれても不思議ではないようだ。
・『広がる地方との格差  実はこの問題は以前から取り沙汰されてきたものだ。ある大学関係者が言う。 「箱根駅伝は関東学連の主催ですが、事実上の仕切り役は共催の読売新聞社です。学生のスポーツイベントではありますが、結果的に読売新聞社、中継する日本テレビ、主催の学連の利益のために、大学の陸上部員が大会ボランティアに駆り出され、警視庁や神奈川県警も協力し、時には電車さえ止めてきた。たかが関東の大学に限定された大会にそれはおかしいでしょうという声はずっとくすぶっているのです。利益をもっと関東の大学に分配し、トラック&フィールドなどの強化にも回すべきなのです。でも、内容は別にして、学連は改革を好まず、そういう人物を会長にしてこなかった。現在の有吉(正博)会長(現・帝京科学大教授)も、以前は小学校の校長ですからね。よく、箱根を全国大会にする話が出ますが、莫大な利益を生む現在の形を変えるわけがなく、実現の可能性はゼロに近いと言っても過言ではありません」 青学を2年ぶり5度目の優勝に導いた原晋監督は、サッカー、野球、ラグビーをライバルとし、箱根の発着点を6万人収容の国立競技場にすればいいと言った。チケット収入を各大学に分配できるというアイデアを兼ねてのことだろうが、それは年末に日刊ゲンダイのインタビューで語った「箱根駅伝の全国化」とセットでなければ意味がない。 今は箱根駅伝に出場する有名大学の陸上部は大手スポーツメーカーと契約している。ただでさえ全国の有望選手が集まる関東の大学が、今以上に金回りがよくなれば、地方大学との格差は広がる一方だ。 1919年設立の関東学連は体協(現・日本スポーツ協会)より歴史があり、日本学生陸上競技連合より力がある。箱根駅伝のバックには大新聞もついている。簡単には改革できないだろうが、時代は流れている。為末、大迫の意見はもっともで、何かしらの「新たな動き」を見せなければ、正月の風物詩がやり玉に挙げられる日は必ずくる』、「事実上の仕切り役は共催の読売新聞社」、ということは「箱根駅伝」の最大の既得権者が読売新聞社となり、既得権に触れるような改革は一切出来ないことになる。「関東学生陸上競技連盟」の情報開示ですら難しそうだ。やれやれ・・・。

次に、2月14日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した作家・スポーツライターの小林信也氏による「バド桃田選手の眼窩底骨折は、なぜあっさり見逃されてしまったか」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/228719
・『桃田賢斗選手の右目眼窩底骨折が明らかになった。全治3カ月の診断、「シャトルが二重に見える」と聞き、「東京オリンピックに間に合うのか?」という不安が日本中に広がっている。 交通事故に遭ったマレーシアからの帰国後に行われた精密検査の結果は、「特に異常は認められなかった」と報じられていた。日本代表合宿に参加した直後だっただけに、なぜ精密検査でわからなかったのか、疑問の声が上がるのも無理はない』、全く理解し難い事件だ。
・『五輪金メダル候補の選手がなぜ「骨折」を見逃されたのか  報道を整理すると、桃田選手が練習に復帰したところ、「高い打球を見上げたとき、シャトルが二重に見え、違和感があった」という。旧知の専門家に確認すると、「日常生活程度の眼球の動き、つまり目の前の食卓の範囲を見るくらいの動きでは特に痛みや違和感はなかったが、コートに出て、大きく上下に目を動かしたとき症状が出た。それくらいの軽度の眼窩底骨折ではなかったのか」と推測してくれた。 それにしても、精密検査で骨折を見逃すことがあるのか? フジテレビ『バイキング』に一緒に出演した麻生泰医師によれば、「現代の日本の医療機関が使っているCTスキャンで見逃すことはまず考えられない」と言う。あくまで推測だが、「軽度の骨折は分かっていたが、手術をする必要はないと判断していたのではないか」と麻生医師は語っていた。一般の生活者なら自然治癒で対応できる、ところがバドミントンのような激しい競技で早期復帰を図るにはやはり手術が必要と分かったのだろう。 単純な見逃し、医療ミスではなかったと思いたいが、患者がバドミントンの世界チャンピオンであり、半年後に金メダルを争う大切な選手だという認識は当然あるはずだから、一般の生活者と同じ判断基準を用いたとすればそれもおかしな話になる。 桃田選手がマレーシアで交通事故に遭った際に乗っていたのが安価なワゴン車だったこともそうだが、日本中が固唾を飲む思いで応援している金メダル候補たちが、こうも杜撰な環境、無神経な医療支援しか受けられずにいるとは絶望的な気持ちになる。 この一件を見る限り、日本のスポーツ医療の現場のレベルは恐ろしく低く、配慮もない』、「交通事故に遭った際に乗っていたのが安価なワゴン車だった」、「一般の生活者なら自然治癒で対応できる、ところがバドミントンのような激しい競技で早期復帰を図るにはやはり手術が必要と分かったのだろう」、「金メダル候補たちが、こうも杜撰な環境、無神経な医療支援しか受けられずにいるとは絶望的な気持ちになる」、その通りだ。
・『視覚のプロフェッショナルを桃田選手のブレーンに迎えるべき  モノが二重に見えるのは、眼窩底骨折した右目が起こしている異常ではない。人は左右の目でそれぞれ外の光景を捉えている。本当は、両目の幅の分だけずれた二つの像が脳に送られている。脳はこれを瞬時にひとつに重ね合わせ、いつも私たちが見ている自然な視覚に調整している。 ところが、左右の目の機能に大きな差があると、瞬時の調整がうまくいかず、二重に見える。例えば、手のひらで片目ずつサッサッと隠し、見える映像が少し左右にズレる程度なら大丈夫だが、高さが大きく上下するような差異がある人もモノが二重に見える場合がある。 桃田選手の場合、左目の動きは正常だが、右目の動きに支障があって左右のバランスが崩れているのではないかと見られる。 ある医師によれば、手術によって改善はされるが、二重に見える状況が改善されるのに1、2年かかる人もいるという。先ほどの麻生医師も、「この症状の改善は通常、半年くらいの期間でみる必要がある」というから、東京オリンピックでの活躍を前提に考えれば、決して楽観視できる状態ではない。 私は、オリックス時代のイチロー選手をはじめ多くのスポーツ選手の目を検査し、それぞれに適したメガネの処方やモノの見方の助言をしているビジョン・トレーナーの田村知則さんと『眼が人を変える』という本を出版した経験がある。 田村さんが処方するメガネは、単に片目の度数を合わせるのでなく、両眼でモノを見るときの各自の癖を詳しく調べ、必要があればプリズムを施して「気持ちよく両眼で見えるメガネ」を提供してくれる。 そういう処方をすれば、桃田選手の助けにもなるのではないか。確認すると、どうもそれほど簡単ではないようだ。もちろん、実際に検査しなければ断定できないと断った上で、田村さんが教えてくれた。 「二重になるズレが上下左右一定なら容易いですが、例えば上の動きと下の動きではズレが逆になる場合もあります。もしそうであれば、(処方は)簡単にはいきません」 また、二重に見えるようになったことで、いままでは自然体で行っていた「見る」という行為に、余計な神経や意識を使う。それによる体への負担、首や肩の凝りなどの疲労も影響を与える心配があるという。さらに心配な情報がある。 「見えにくい場所ができる心配がありますね」(田村さん) 例えばだが、上方や右手前など、いままで自然に見えていた場所が見にくい、対応が遅れる、死角のようなスペースができる可能性がある。しかも自分ではなかなか自覚できない場合、大きな弱点になってしまう。もしライバルにそれを見破られれば、付け入られる恐れもある。 あくまで可能性の話だが、それを未然に回避し、対応するためにも、桃田選手には視覚のプロフェッショナルをブレーンに迎える選択も重要ではないだろうか。 一連の事故と医療対応の遅れを見て感じるのは、残念ながら、桃田選手を支える周辺チームのプロとしての意識とレベルの欠如だ。東京五輪で金メダル30個獲得を目標に掲げ威勢はいいが、日本スポーツ界の体制はそれに相応しいレベルなのか?「桃田選手を支える周辺チームのプロとしての意識とレベルの欠如だ」、呆れるほかない。 意識改革とレベルアップの必要性が問われている』、幸い「東京五輪」は延期されたようだが、「桃田選手を支える周辺チーム」からはしかるべき説明が欲しいところだ。

第三に、4月18日付けデイリー新潮「ピンハネ「レスリング協会副会長」続報 被害選手に“喋るな”の脅迫」を紹介しよう。
https://www.dailyshincho.jp/article/2020/04181100/?all=1&page=1
・『本誌(「週刊新潮」)が3月19日号で報じた、レスリング協会の高田裕司副会長(66)の強化費ピンハネ問題。マットの外で、人知れず“延長戦”が続いていたのである。(以下は「週刊新潮」2020年3月26日号掲載時点の情報です) 今回お届けする戦いが繰り広げられたのは、本誌3月19日号発売前日の3月11日。 「会社も大学も俺側につくから、ハチの巣にされたら、お前、今後どうすんだ?」 ハチの巣に、の部分が「八つ裂きに」のバージョンもある。そんな台詞を、レスリングの金メダリストである高田裕司が言い放ったのだ。 ピンハネ問題を簡単にまとめておこう。被害者は、東京五輪の代表候補だった藤波勇飛(ゆうひ)選手(23)。彼は昨春まで、山梨学院大学レスリング部に在籍。特待生の彼には学校から強化費月10万円が支給される。だが、実際はそのうち4万円を高田監督が“預かり”、監督から6万円が手渡されていた。 藤波選手名義の銀行通帳などは監督が手元に置き、卒業後も預けたはずの金は戻ってこなかったのである。強化費からトレーナーを雇う費用を除けば、4年分で約130万円が使途不明。しかも藤波選手が口座を調べると数十万円が複数回引き出され、残高はほぼゼロとなっていた。卒業後に藤波選手が訊ねると、監督は「通帳はない」「カネもない」の一点張り。すったもんだの末にようやく150万円が返還され――。この一件を証言した藤波選手が、またしても被害者となったのだ』、元「金メダリスト」で「レスリング協会の高田裕司副会長」が「ピンハネ」したとは、呆れてものも言えない。
・『これ以上喋るな  「仕方なく、先生からの呼び出しに応じたのですが」 当の藤波選手が、憤りを抑えながら振り返る。呼び出された甲府市内のデニーズに、ジャージ姿の高田監督がレクサスで乗りつけた。 「謝罪があるかと思いましたが違いました。自分の口を封じようとしてきたんです。“もうこれ以上喋るな”とか“今後は弁護士に任せていると言いなさい”と諭され、弁護士に一緒に会うよう説得もされました」 そして監督は、「ハチの巣」や「八つ裂き」といった文言で押さえ込み技を繰り出した。藤波選手がレスリング界から総攻撃を喰らうことを仄めかしたのだ。 「2時間ほど話しましたが、先生はその間何度も、“俺、脅してないよな”と言ってきました。“そうっすねえ”と応じましたが、八つ裂きとか言われれば、話を聞く気などなくなりますよ」 結局、監督は藤波選手を説得できず業を煮やして先に席を立った。被害者の耳には脅迫まがいの文言だけが残り、またもやパワハラが印象づけられたのである。 高田監督は人々の記憶に刻まれた存在だ。1976年モントリオール五輪で金を獲り、モスクワも連覇確実と言われていたが、日本は参加ボイコット。集会で男泣きした姿が、当時、大々的に報じられたものだ。 そんな“悲劇のオリンピアン”があまりにセコいピンハネとは……。3月19日号では「何か問題あるんですか」と強気だったが、今回は無言を貫き逃げ回るばかり。代わって夫人が、「夫は選手のことを思っていたのだと信じています」と言うのみ。やがて寂しきオリンピアン』、こんな人物が、「協会の副会長」とは「レスリング協会」は一体、どうなっているのだろう。

第四に、4月29日付け文春オンライン「ずさん会計、反社疑惑……金原元会長“ワンマン人事”のテコンドー協会で「私は倒れた」 テコンドー協会 元理事・高橋美穂インタビュー#2」を紹介しよう。
https://bunshun.jp/articles/-/37388
・『昨年12月に金原会長が去り、役員人事も刷新されたテコンドー協会。そのなかではどんなことが起きていたのか。当時、協会の理事を務めていた高橋美穂が明かす内実とは? (【#1】を読む) 国際大会のエントリー漏れというあり得ないミス……それでも金原会長を頂点としたテコンドー協会の体制が変わることはなかった。 2019年5月に世界選手権マンチェスター大会を迎える。これが決定的な事件となった。 協会は選手を8人派遣する一方でなぜか協会スタッフを11人現地へ同行させたのである。高橋美穂は当時を振り返る』、「テコンドー協会」については、このブログの昨年10月1日に国内での代表合宿中止を取上げたが、その後も不祥事が相次いでいるようだ。
・『選手に出させた17万5000円の使い道が説明できない……  「さらに選手を連れていく前にスタッフは視察旅行までしていました。お金がない協会で、イギリスに視察に行くのか?と。しかも協会がお金を負担すればいいんですけど、世界選手権に出場するために、選手1人当たり17万5000円という金額を出させている。 テコンドー選手の場合、所属企業に堅い企業が多いんです。たとえば金融会社や出版社……そういった企業の方々から、この金額を何に使ったのか説明してほしいという話が出ました。そこで選手権後、所属企業、選手たちを全員集めた説明会が実施されたんですよ。しかしそのときに金原会長体制下の小池コーチたちは使途の説明ができなかったんです。選手・スタッフ19人が遠征していて、JOCからの助成金もある。助成の残りの金額を派遣する選手の数で割れば、1人当たりの自己負担金というのがわかるんです。でもそこの説明ができずに、明細すら出て来ない……」 不信感の中での遠征が成功するはずもなく、マンチェスター大会の結果は惨憺たるものであった。メダルどころか、最高がベスト16(3人)で、2回戦敗退2人と初戦敗退が3人だった。選手からは、「代表合宿は中身が薄く、自分たちのホームのほうがもっとレベルが高い練習ができている。それなのに合宿は強制で、お金も負担させられる、それでは今後行かないですよ」という声も出た。) アスリート委員長だった高橋は、協会と選手の対立を煽るのではなく、調整役の責務を履行していた。6月中旬に理事会に「意見書」を提出した。これまでの選手たちの意見を汲み、「毎月の参加を義務づけられている岐阜羽島での代表合宿を任意にすること」「代表強化コーチと所属コーチの連動」「強化選手の活動環境の改善」などを求めた。回答期限を6月末に区切っていた』、選手たちから参加費を取っておきながら、「小池コーチたちは使途の説明ができなかった」、とは驚くべきずさんさだ。
・『金原会長のパワーで人事が決まる  この意見書が出されたことで、ようやくマスコミも問題に注目し始めるが、まだまだ報道は一部の新聞に限られていた。 さらに同じ6月、改革を求めるもうひとつの大きな動きがあった。テコンドー協会の各都道府県の代表者である正会員の総会が開かれたのだが、ここで「現在の小池隆仁コーチ強化体制を解体すべき」という動議が出されたのである。あらかじめこの体制刷新の要望書が準備されており、そこには正会員の過半数14人と強化指定選手の所属コーチ、さらには協会副会長の岡本依子の署名がなされていた。金原会長・小池コーチ体制では東京五輪は戦えないという危機感が共有されていたのである。 「私はその動きを知らなかったのですが、岡本さんも副会長の立場から、会長宛のその要望書に署名するというのは相当勇気がいったと思います。この総会のときには、正会員の皆さんもあらゆるゴタゴタを知っていたので、理事再任を否決をしなければいけないという気持ちが高まっていたんです。 じつはその要望書は金原さんではなくて、あくまでも強化に関わる2人、小池コーチと強化本部長に対してです。ところが、署名入りの要望書を金原さんが総会で配布させなかったんです」 正会員や副会長が署名した準備書面をその場で会長が制止してしまった。しかしそんな妨害があっても、決議が行われ、過半数で小池コーチら2人の理事再任は否決された。 しかしそれでも金原会長の横紙破りはまだ続いた。最高意思決定機関である総会でのこの決定をその場で「受け入れない」ときたのだ。そして、次の理事会で2人をもう一度推薦して再度承認させることを宣言したのである。正会員を無視して、たったひとり、金原会長のパワーによって人事が決められてしまう事態が起こっていた』、「金原会長」は、「正会員や副会長が署名した準備書面をその場で会長が制止」しただけでなく、「総会でのこの決定をその場で「受け入れない」ときた」、とは余りに酷い。
・『岡本依子に「謝罪しろ」  「このあたりから報道が徐々に金原さんにスポットを当てるようになりはじめました。 否決された2人を理事に戻すためには理事会を経ないといけない。そこで急遽、臨時理事会が開かれたんです。そこから、臨時総会で2人を戻すという手順なんですが、その臨時理事会では、要望書に署名をしていた理事と岡本副会長に対して『謝罪をしろ』という発言が出たんです。しかも岡本さんに対しては『名誉毀損だ。訴える』と恫喝があり、岡本さんが『したらいいじゃないですか』というようなやり取りがありました。『訴える』という表現はおかしいじゃないですかと、岡本さんがJOCのコンプライアンス窓口に訴えましたが、『まずは自助努力をして欲しい』と返されたそうです」 結局、金原会長の宣言通り、一度否決された強化本部長は8月には理事として再任。小池もナショナルコーチとして留任された。高橋の出した意見書も正会員総会での決議も反故にされる。 (※文春オンラインの取材に対し、金原元会長はこの人事に関して「私ひとりの意向ということは有り得ない」「強化本部長はやめてもらったら困るという人が大半だった」「小池コーチは理事再任は見送り、強化のほうに専念してもらった」と回答』、「岡本さんがJOCのコンプライアンス窓口に訴えましたが、『まずは自助努力をして欲しい』と返されたそうです」、JOCも触らぬ神に祟りなしと、無責任の極致だ。
・『28人中26人が合宿ボイコット……選手たちの反乱  9月初めに代表合宿の招集がかかるが、強化体制の改善の動きが無いことに失望した選手たちは、呼ばれた28名中26名がこれをボイコットするという異常事態に陥った。 合宿の開始は17日からだったが、ほとんどの選手が不参加のため中止になった。このとき「選手から直接話を聴きたい」と金原会長がコメント、一気にマスコミ報道も過熱することになる。 そして6月末に期限を切っていた高橋の意見書の回答が協会HP上にようやくもたらされた。 「ただそれが結論も何もなく言葉が並べてあるだけで意見に対してYESかNOかも分からない回答だった。案の定、選手たちはそれを見たときにこれは全く答えになっていないと憤怒した。そこで私たちは安藤専務理事に直接話をしたいと伝えて来ました。 安藤さんも僕は弁護士だから選手との話し合いでの守秘義務は守ると言って下さった。私はメダル候補の選手数名を連れて行き、1時間ほど安藤さんと会談しました。泣いている選手もいましたし、本音に触れた安藤さんも『君たちにそんな思いをさせていて申し訳ない』と言っていました」』、なるほど。
・『「選手から不満という意見は無い」驚きの報告書  「その後にナショナルコーチたちが来て、直接選手と話をしましたが、そこは、かみ合わなかった。コーチたちは『だから、回答書に書いたじゃないか!』というような会話になってしまう。選手たちも『もう無理です、あのコーチたちと一緒にやっていけない』と。でも帰りがてら『美穂さん、やっぱり安藤さんと話してよかったです、協会の中に自分たちの言うことを理解して下さる人たちがいてくれることが分かって嬉しかった』といって帰ったんです」 選手のヒアリングを行った安藤専務理事は、日本協会のゴタゴタについて調査に乗り出しているWT(ワールドテコンドー)に報告することになっていた。ところが、なぜか安藤はWTに対して「選手から意見書の回答内容に不満という意見は無い」と報告してしまうのだ。 「WTへの報告書は金原さんと一緒に作られたそうなんですが……守秘義務を守る、非公開にするからと信頼して、選手たちが言ったことまで書かれてしまっていたんです。読んでもう愕然としたんですよ。おかしいでしょと。選手たちがあそこまで泣いて訴えかけて。 安藤さんも理解してくれて、じつはその後にもらったLINEでも守秘義務を守ると言っていたんです。かつてはテコンドー協会を正常化させなければいけない、選手の権利を守って、環境改善をしなければいけないとおっしゃっていた方でしたから本当に驚きました」 10月1日、選手と協会との溝を埋めるべく協議会が開催されたが、なんと強化選手6人中5人が途中退席する。このときのことは大きく報道されたから記憶に残っている人も多いかもしれない。そのひとり江畑秀範は「協会がWTに選手は回答に不満は無いと報告書を上げましたがそれは嘘です。僕は回答にさえなっていないと思っています」とメディアに明かした』、「安藤専務理事」は「弁護士」ながら、「専務理事」という立場では、「金原会長」支持に回るのもあり得る話だ。「安藤」氏を信じた「選手」や「高橋」氏らが甘過ぎたのだろう。
・『金原会長と反社会的勢力とのつながり?  前後して高橋は『週刊新潮』(19年10月3日号)で出た金原会長の反社会的勢力との関わりの記事について安藤とコンプライアンス委員会に事実関係の調査を依頼することを相談していた。 「会長についての新潮の報道がありました。私はスポンサーを直接何社か獲得していたんですが、その契約書に『かならず反社について関係を持たない』という一文があるんです。報道についてスポンサーさんから実際に『どういうこと?』という問い合わせもありました。でももちろん理事会は動かないし金原さんにそれを直接訊く人もいない。それで協会の規定を片端から読み込んでみたんです。そこに協会の中でも会長と専務理事とアスリート委員長は、コンプライアンス委員会に対して調査依頼を出すことができるという一文があったのを見つけたんです。それでこの規定に則って私が調査依頼を出そうと思いますと弁護士でもある安藤さんに確認しました。そしたら安藤さんも『この問題について無視できないと思っていた。だからやってください』と」 高橋は決して自分勝手に暴走していたわけではない。組織の中で専務理事の了承も取り、コンプライアンス委員長にもメールで「調査依頼を出します」と報告をして受理されていた。ところが、そこから高橋に対する攻撃が始まる』、。
・『「高橋さんを刑事告訴する予定だ」  10月8日に理事会が開催された。音声データが残っているが、高橋に対して「選手たちをあおって合宿に行かせなかったのではないか」などと、個人を責める声が重なり続ける。理事会は約7時間に渡り、岡本は「この理事会では議論がかみ合わないし、選手の要望に応えられないから」と総辞職を主張、高橋も自分たち2人も理事を辞めると発言したが、認められなかった。岡本が「それなら私たちは名前だけですか?」と返すと、「そうです。名前が大事なんです」とある理事が返した。 同じ理事に対して何の敬意も示されない一連のやりとりの中で、「金原会長に対する反社の調査を示した高橋さんを刑事告訴する予定だ」という言葉が飛び出した。もはや理事会の議題ではなく、恫喝であった。1年以上に渡る高橋の心労が一気にあふれ出た。アスリート委員長として堪えていた緊張は崩壊した』、「高橋」氏への恫喝で「理事会は約7時間に渡り」、とは酷い。
・『「もう退席させてください」  「あの言葉を聞いた途端に気持ち悪くなって。ただ、刑事告訴と言われたときに、あ、ヨリ(岡本)さんも2カ月前にこんな感情だったんだ、相当きつかったなというようなことを自分の中で考えていたのは覚えているんです。でもその直後から手足がしびれてきて、そこから朦朧としているんです」 音声データには「もう退席させてください」という高橋の声が残っている。「でもあなたたちが出ると(外には)マスコミがいるから……」という躊躇する理事たちの声。 「最終的になんとか出させてもらえることになり、鞄を持って出たところから、もう記憶がないんです」――そして過呼吸になった高橋は倒れた』、「約7時間」も個人攻撃を受けたのであれば、「過呼吸になった高橋は倒れた」というのも頷ける。
・『金原昇元会長への取材(Q&A)  終わりに、文春オンラインで金原昇元会長に行った取材について記す(Qは聞き手の質問)。 Q:2019年12月に刷新された協会の新体制下において、(会長を退いた)金原さんの影響力が残っているという声がありますが、事実でしょうか?  金原 私のことに対して過敏になっている、怖がっているということを聞きますが意味が分からない、僕は。 Q:今年2月の東京五輪代表選考会も現地(岐阜県)にいかれました。 金原 当然行きますよね。 Q:それは今も影響力があるからでしょうか。 金原 それとこれとは全然別です。私は立場上、責任があるから応援しにいくのは普通のことだと思います。 Q:責任といっても今は役職はないですよね。 金原 役職があるから、ないからじゃなくて、やっぱり今まで積み重ねてきたものがありますから。自己責任、そういうものを今でも感じていますよ。 テコンドー協会はいい感じでガバナンスを構築していますから、個人の影響を受けないいい協会ですよ。それを促進してきたのは私ですから。 Q:前会長が選考会の現地にいくことで委縮する理事の方もいるのでは? 金原 それは僕は分からない。顔を見りゃ「元気?」「頑張ってる?」だけだからさ。僕はなんで「いまも影響力がある」とかそういうことになるのか分からない』、「金原昇元会長」はいまだに隠然たる影響力を持っているようだ。理事の総入れ替えが必要なようだが、一体、どうなるのだろう。スポーツ庁もそろそろ介入すべきだろう。 
タグ:学連は法人ではないので財務内容を公開する義務はない 「選手から不満という意見は無い」驚きの報告書 広がる地方との格差 大学の陸上部員が大会ボランティアに駆り出され、警視庁や神奈川県警も協力 事実上の仕切り役は共催の読売新聞社 視覚のプロフェッショナルを桃田選手のブレーンに迎えるべき 五輪金メダル候補の選手がなぜ「骨折」を見逃されたのか 総会でのこの決定をその場で「受け入れない」ときた 金メダル候補たちが、こうも杜撰な環境、無神経な医療支援しか受けられずにいるとは絶望的な気持ちになる 「バド桃田選手の眼窩底骨折は、なぜあっさり見逃されてしまったか」 すったもんだの末にようやく150万円が返還され 小林信也 ダイヤモンド・オンライン 「箱根駅伝」の最大の既得権者が読売新聞社となり、既得権に触れるような改革は一切出来ないことになる 「箱根駅伝の全国化」 学連は改革を好まず、そういう人物を会長にしてこなかった 金原会長のパワーで人事が決まる 主催の関東学生陸上競技連盟(以下関東学連)には、毎年2億~3億円の収益が入る 特別協賛のサッポロビールのスポンサー料は8億とも10億円ともいわれ 「正月二日であれだけ注目を集めるコンテンツが生み出した利益はどこにいくのか」と問題提起 「大学スポーツにしては高額な放映権の配分や、意思決定がどのように行われているかを陸上界の人間ですらわからないことが問題視されています」 岡本さんがJOCのコンプライアンス窓口に訴えましたが、『まずは自助努力をして欲しい』と返された 岡本依子に「謝罪しろ」 過呼吸になった高橋は倒れた 「もう退席させてください」 理事会は約7時間に渡り 被害者は、東京五輪の代表候補だった藤波勇飛 高田裕司副会長 協会は選手を8人派遣する一方でなぜか協会スタッフを11人現地へ同行させた 「ピンハネ「レスリング協会副会長」続報 被害選手に“喋るな”の脅迫」 デイリー新潮 安藤専務理事 正会員や副会長が署名した準備書面をその場で会長が制止 選手に出させた17万5000円の使い道が説明できない 金メダリスト 28人中26人が合宿ボイコット……選手たちの反乱 「ずさん会計、反社疑惑……金原元会長“ワンマン人事”のテコンドー協会で「私は倒れた」 テコンドー協会 元理事・高橋美穂インタビュー#2」 「為末大と大迫傑が噛みついた「箱根駅伝」解体の“Xデー”」 日刊ゲンダイ 文春オンライン 「ハチの巣」や「八つ裂き」といった文言で押さえ込み技 (その28)(為末大と大迫傑が噛みついた「箱根駅伝」解体の“Xデー”、バド桃田選手の眼窩底骨折は なぜあっさり見逃されてしまったか、ピンハネ「レスリング協会副会長」続報 被害選手に“喋るな”の脅迫、ずさん会計 反社疑惑……金原元会長“ワンマン人事”のテコンドー協会で「私は倒れた」) これ以上喋るな 「高橋さんを刑事告訴する予定だ」 組織の中で専務理事の了承も取り、コンプライアンス委員長にもメールで「調査依頼を出します」と報告をして受理 世界選手権マンチェスター大会 「箱根駅伝の財務内容を明らかにしませんか」 金原会長と反社会的勢力とのつながり? 手と協会との溝を埋めるべく協議会が開催されたが、なんと強化選手6人中5人が途中退席 「WTへの報告書は金原さんと一緒に作られた 4年分で約130万円が使途不明 日本協会のゴタゴタについて調査に乗り出しているWT(ワールドテコンドー)に報告 日本のスポーツ界
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