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ソーシャルメディア(その6)(木村花さん襲った誹謗中傷 断ち切るには2つの法改正が必要、テラハ事件 テレビとSNSユーザーが「共犯者」になった重すぎる教訓、弁護士が解説 木村花さん死去、テラハ番組側に法的責任は問えるのか? 米国での訴訟例を見てみると) [メディア]

ソーシャルメディアについては、5月27日に取上げた。今日は、(その6)(木村花さん襲った誹謗中傷 断ち切るには2つの法改正が必要、テラハ事件 テレビとSNSユーザーが「共犯者」になった重すぎる教訓、弁護士が解説 木村花さん死去、テラハ番組側に法的責任は問えるのか? 米国での訴訟例を見てみると)である。

先ずは、5月31日付け日刊ゲンダイが掲載した髙橋裕樹弁護士氏による「木村花さん襲った誹謗中傷 断ち切るには2つの法改正が必要」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/273906
・『「テラスハウス」に出演していた女子プロレスラーの木村花さんが亡くなられたことが大きく報道され、世間の注目を浴びています。亡くなる直前まで木村花さんに対する苛烈なネット上での誹謗中傷が行われていたことが注目の大きな理由だと思います。 SNSが浸透したことで、今や市民一人一人がマスメディアに、裏を返せば一人一人が言葉の凶器を持っている状態になっています。そして昨今の問題はこの凶器を匿名で振り回すことに快感を得ているのではないかという方が相当数いるということです。 ここ数年、ネット上での名誉毀損・プライバシー侵害の法律相談が激増しています。数日前、私がSNSでネットでの誹謗中傷の無料相談の概要告知をしただけで、相談希望者からの多くのDMが届きました。木村花さんの件を受けて、誹謗中傷と戦おうという気持ちになられた方が増えているのだと思います』、「この凶器を匿名で振り回すことに快感を得ているのではないかという方が相当数いる」、困ったことだ。
・『しかしながら、現在の法制度ではネットでの誹謗中傷加害者に賠償責任を負わせるまでのハードルは高いといわざるを得ません。その理由は簡単にいうと3つあります ①手間がかかる(匿名投稿者の特定のための裁判と慰謝料を求める裁判が必要) ②金がかかる(裁判費用・担保金・弁護士費用) ③タイムリミットがある(投稿者情報をSNS運営会社などは3カ月程度しか保存しない) SNS運営会社やプロバイダー(NTTコミュニケーションズ、auなど)の立場からすれば、顧客情報・通信情報を開示することにはなりますが、明らかな名誉毀損や侮辱がなされた場合にまで個人情報保護を押し通す必要はないのではないでしょうか。 ですので弁護士の立場で必要だと思うのは、①の明らかな名誉毀損・侮辱の場合の投稿者情報の開示と、③の投稿者情報の1年程度の保存が法制化・義務化だと思います。この法改正がなされれば、②の費用も相当抑えられることになります。何をもって明らかな名誉毀損とするかは難しいところですが、一歩踏み込んで早期の法改正に進んでいただきたいです』、「SNS運営会社やプロバイダー」への規制強化は当然だろう。

次に、6月5日付けダイヤモンド・オンラインが掲載したジャーナリスト・作家の渋井哲也氏による「テラハ事件、テレビとSNSユーザーが「共犯者」になった重すぎる教訓」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/239340
・『恋愛リアリティ番組『テラスハウス』(フジテレビ系)に出演していた、女子プロレスラーの木村花さん(享年22)が亡くなった。遺書があったことから、警視庁は自殺と見ている。同番組では、木村さんと参加メンバーの男性との間に起きたトラブルの模様が放送された。それをきっかけに、Twitterなどで木村さんに対する名誉毀損や誹謗中傷などの疑いがある書き込みが大量に行われ、自殺との関連が指摘されている。この「事件」の教訓を探る』、興味深そうだ。
・『SNSを利用した番組づくりが生んでしまった「悲劇」  「生きててごめなさい。良い人じゃなくてごめんなさい。嫌な気持ちにさせてごめんなさい。消えてなくなったら許してくれますか?」(ママ)。 木村さんはInstagramでこう書いていた。自殺直前の書き込みであることから、遺書的なニュアンスを感じ取ることができる。 彼女が出演していた『テラスハウス』は、台本がないことが売りの番組。しかし、演出はあったようだ。 「集合したら、撮影前に『どんな設定でどんな方向に恋愛を動かしていくのか』という説明を制作者から出演者に伝えます」「デートに行く組み合わせなども制作者側の指示通りに動いてもらっていましたね」という元スタッフのコメントが、ポストセブン(5月27日)で紹介されている。 指示に従うかどうかは個人の判断のようだが、従うと出番が増えるということも語られている。つまりは、制作者の意図を素人が忖度して、面白くつくり上げていったわけだ。もちろん、木村さんについても、同じような指示があったようで、同記事には、「昨年のある放送回では、嫉妬を映像で見せる演出に花さんを使いました」とのコメントも載っていた。) こうした演出での反応はSNSにも現れ、拡散されていく。ネット・ユーザーの中には、その演出を本気にしたり、感想を書き込む人がいたりした。本気と思わないにしても「ネタ」として、楽しみ、煽ったりする人もいただろう。これらの相乗効果でSNSは盛り上がる。それを見つつ、次の番組の方向性がつくられていく。『テラスハウス』は、番組制作側とSNSユーザーとの「共犯関係」で成り立っていたとも言える』、「番組制作側とSNSユーザーとの「共犯関係」で成り立っていた」、言い得て妙だ。
・『海外番組のトラブルを尻目に対策を取らなかった制作側  クリエイター向けのウェブサービス「note」では、「YOU&山里亮太が明かす、『テラスハウス』ここだけのハナシ。」(2019年12月30日付)が掲載された。スタジオメンバーのYOUさんは、ここで「基本、女子もめは……アガりますね」と答えている。元スタッフのコメントと合わせて考えれば、番組内で揉めごとを起こさせて炎上させるという方向性が、暗黙の了解として存在していたのかもしれない。 有名人でも、ネット上の誹謗中傷に悩む。藤田ニコルさんは、Twitterで「知らない顔も見えない人に/心ない事言われ/知らない顔も見えない人に/殺害予告されたり/人間がいっちばん怖い生き物だよ/ストレス発散のため?」(5月23日)などとつぶやき、22万以上の「いいね」がついた。誹謗中傷はプロでも傷つく。まして、『テラスハウス』の出演者はプロではない。出演で被った心理的ダメージのケアを、自分でするしかない。 同様の番組は海外でも放送されているが、木村さんと同様に、自殺者が出ているとも言われる。スタッフがそうした情報を知らなかったはずはない。それでも番組を制作するなら、誹謗中傷の予防策として「演出や編集がある」とアナウンスすること、また誹謗中傷が起きたときのために、ケアスタッフやSNS監視スタッフを用意することが必要だった。一部では、木村さんは番組出演をやめたがっていたとの報道もある(『東スポWeb』5月29日付)。 現在でも、ニュースやバラエティではSNS連動の番組が多くなっているが、ドラマやドキュメンタリーでも試行錯誤を重ねながら、今後もそうした番組がつくられていくことだろう。事件を受けて、フジテレビは『テラスハウス』の打ち切りと制作の検証を決めた。今後のためにも、この検証は大切になる』、「検証」に当たっては、中立的な第三者委員会で行うべきだろう。「誹謗中傷の予防策として「演出や編集がある」とアナウンスすること、また誹謗中傷が起きたときのために、ケアスタッフやSNS監視スタッフを用意することが必要」、同感だ。
・『アンチコメントが拡大していく「負のループ」のメカニズム  そもそも木村さんを死に追い込んだネット上の誹謗中傷は、どんなメカニズムによって生まれたのか。 ネット・ユーザーが、番組の感想をリアルタイムで投稿し、共感したり、反発したりすることは、「5ちゃんねる」や「爆サイト」などの匿名掲示板などで、以前から行われてきた。そこでは、常に誹謗中傷も付きまとっていた。そうした投稿に反論すべく、匿名掲示板に誹謗中傷された本人が投稿することもあった。 一方SNSの場合は、書き込まれる対象のアカウントがある。木村さんの場合もそうだった。だから誹謗中傷される本人は、匿名掲示板と比べてより直接的な攻撃を受けることになる。Twitterの場合なら、本人への賛同も反発もリプライをする(@とIDをつけて、返信すること)と、本人がわかる設定になっている。本人がリプライを気にしなければ読まずにスルーすることもできるが、自身のアカウントが炎上しているときは、気になってリプライを1つ1つ読んでしまう人が多い。そうなると、大きな精神的ダメージを被りかねない。 また、ネット・コミュニケーションには両義性がある。1つは、同じテーマで感じたことを呟き、共感的な感情を交換する場として機能するので、これがうまく作用すれば、共感のコミュニティができ上がる。 半面、ネットの中の投稿は「他人との差異を見つけたい」という競争的な感情を引き起こす。時にはそれが排除的になり、差別的な言動に繋がって、ヘイトスピーチが横行したりする。 アンチコメントで盛り上がるユーザーは、誹謗中傷された人のことを想像するよりは、そのコメントへの反応(当事者かどうかにかかわらず)を見て楽しむ。そして、それらのアンチでの盛り上がりをさらに過熱させ、回数を増やしたり、極端なコメントを書き込んだりしていく。実際、木村さんへのアンチコメントには「いいね」が多かったとも言われる』、「アンチコメントで盛り上がるユーザーは、誹謗中傷された人のことを想像するよりは、そのコメントへの反応・・・を見て楽しむ。そして、それらのアンチでの盛り上がりをさらに過熱させ、回数を増やしたり、極端なコメントを書き込んだりしていく」、法改正で訴訟を起こし易くし、現実に無責任な投稿者が罰せられることで、ブレーキにしていくほかないのかも知れない。
・『法整備には時間もかかる 現行制度でできることは?  こうした自殺者まで生みかねないSNS上の誹謗中傷を、防ぐ仕組みはつくれないものなのか。 木村さんの死を受けて、国会も動き出した。高市早苗総務大臣は、ネット上の名誉を毀損する内容の投稿者の情報を特定しやすい法制度の検討を始めると、会見で発言した。自民党内ではプロジェクトチームができた。ただ、法整備にはある程度の時間を要するだろう。 現行の制度は、プロバイダらに削除依頼や開示請求をすることはできるが、すぐには判断できない内容もある。業界団体がつくった『プロバイダ責任法 名誉毀損・プライバシー関係ガイドライン』によると、現行制度では、プロバイダなどには常時監視の義務はない。他人の権利が侵害されていると認められる相当の理由がなければ、プロバイダらには賠償責任はない。 同ガイドラインには、著名人についての記述もある。「その私生活の一部も社会の正当な関心事とされ得ること及びそのような職業を選びまた著名となる過程で一定の限度でプライバシーを放棄していると解されることから、当該著名となった分野に関連する情報については、その公開が違法でないとされることがある」とされている。ここから考えれば、今回の木村さんの番組内の言動についての批判だけであれば、プライバシー侵害には当たらない。 筆者も、無料サービスを使って複数の某匿名掲示板を管理している。筆者が名誉毀損やプライバシー侵害に相当すると判断すれば、メールアドレスがわかる場合には削除要請のメールをしたり、こちらが独断で削除したりすることもある。また、サービス提供会社から時折、削除要請の連絡が入ることもある。そうした場合は、当事者からの申請がほとんどで、実名や住所、学校名、企業名が書かれてしまったようなケースだ。特有の名前か、検索すればすぐにわかるような学校名や企業名の場合は、すぐに削除することにしている。 ただ、こうした削除依頼には課題がある。まず、プロバイダなどの管理者が機能しているかどうかだ。私が利用している掲示板サービス提供会社は、申請者からすぐにメールが寄せられる。しかし、管理者が機能してない場合や、連絡先もわからないこともある。その場合は、削除要請は意味をなさない。個人情報開示請求に必要なIPアドレスが、判明するかもわからない。 仮に、発信者情報開示請求を行うにしても、それに基づいたプライバシー侵害や名誉毀損の訴訟には時間がかかる。IPアドレスから、携帯電話会社やプロバイダが分かり、そこからユーザーに辿り着き、やっと、プライバシー侵害や名誉毀損の訴訟に移行できる。仮に訴訟となっても、判決までさらに時間がかかる。 こうした手続きの煩雑さや費用、時間を考えると、SNSのようなリアルタイム・メディアのコミュニケーション速度の特性に応じた、ネット上の名誉毀損には適応しにくい。ミクシィやグリー、モバゲーが流行していた2007年当時、ミニメールが問題になったことがある。ユーザー同士のやりとりの中に、援助交際や犯罪を誘発させかねない内容が含まれており、2008年に青少年ネット規制法を生むベースになった』、「筆者も、無料サービスを使って複数の某匿名掲示板を管理」、さすが情報が詳しい。ただ、「管理者が機能してない場合や、連絡先もわからないこともある」、「管理者」の対応を義務化すべきだろう。
・『リアルタイム・メディア時代に即した制度設計が必要  その動きを受け、SNS側が不適切な内容の書き込みを事前に削除できるようになった。(1)急迫不正の侵害に対して、(2)自己または他人の権利の防衛のために、(3)止むを得ずした行為である、という「正当防衛」や、(1)現在の危難の存在、(2)法益の権衡、(3)補充性、という「緊急避難」と判断できれば、削除しても違法性は問われないというものだ(総務省「利用者視点を踏まえたICTサービスに係る諸問題に関する研究会」第二次提言 2010年5月)。 ただし高市大臣は、「青少年ネット規制法」の議論の際、国家統制を鮮明にした自民党案の責任者でもあった。当時の民主党が反対したことに加え、自民党内でも反対の声があがったという点を考えると、政府がこれから講じる法制度の整備には一抹の不安も感じる。 多様な議論を踏まえて、リアルタイム・メディア時代に即し、言論・表現の自由、利用者の利便性、権利侵害のバランスに配慮した法整備が望まれる。とりわけ、公人に対する批評ができにくい制度設計にならないようにしなければならない。 番組制作側とSNSユーザーが「共犯者」となった今回の事件は、多方面に波紋を広げている。残された課題は大きい』、確かに「政府がこれから講じる法制度の整備には一抹の不安も感じる」、「とりわけ、公人に対する批評ができにくい制度設計にならないようにしなければならない」、同感である。なお、番組を制作したフジテレビについては、放送倫理・番組向上機構(BPO)の場で、審議するべきだろう。

第三に、6月6日付け文春オンラインが掲載した弁護士の田畑 淳氏による「弁護士が解説 木村花さん死去、テラハ番組側に法的責任は問えるのか? 米国での訴訟例を見てみると」を紹介しよう。
https://bunshun.jp/articles/-/38270
・『「テラスハウス」(フジテレビ系/Netflix)に出演していた女子プロレスラーの木村花さん(享年22)が急死した事件から、2週間が経とうとしている。 この間、木村さんの死をめぐり、様々な観点から問題点が指摘されてきたが、SNS上で匿名の誹謗中傷を行った“加害者”に加えて、そうした状況を煽った番組側の責任を問う声も少なくない。 実はリアリティショーの「本場」であるアメリカでも、番組出演者が死に至り、番組側の責任を問う裁判へと発展したケースがある。リアリティショーにおける過激な演出の法的責任は問えるのか。リスクマネジメントに詳しい田畑淳弁護士が解説する』、興味深そうだ。
・『「局部が無修正で放送された」と賠償訴訟を起こした例も  今回、編集部の依頼をうけて、リアリティショーの「本場」であるアメリカの事情を調べてみました。さすが訴訟でも「本場」な国だけあって、興味深いケースがいくつかありました。以下、ちょっと紹介してみます。
+2014年、男女がほぼ裸でさまざまなアクティビティをこなし、恋愛感情を確かめ合うリアリティショー、「デイティング・ネイキッド」において、出演者であるジェシー・ニゼビッツは、彼女の局部が無修正で放送されたとして、1000万ドル(=約11億円)の賠償を求めて番組側に訴訟を起こしました。この訴訟は最終的に原告の敗訴に終わっています。
+また、出演者が太った恋愛相手を求める様子を追うリアリティショー「チャビー(ぽっちゃり、程度の意味)・チェイサー」において、出演者のトリスタン・ワトソンとルームメイトのナディーン・クロスビーがMTVと番組プロデューサーに対して250万ドル(=約2億7000万円)を求めて訴訟を起こし、詐欺、契約違反を主張しました。こちらの訴訟も棄却され、上訴はされなかったようです。
 これ以外にも、著名ラッパーのザ・ゲームがリアリティショー内で女性への性的暴行をしたとして710万ドル(=約7億円)の賠償を命じられたケース、キャスティングに人種的な偏りがあるとして争いになったケースなど、リアリティショーを巡る法的紛争は枚挙にいとまがありません』、「アメリカ」でこれだけ訴訟になっていることは、フジテレビも承知していた筈だ。
・『リアリティショーで同性に告白され、相手を殺害  もっとも衝撃的な事件は、1995年、TVショー「ジェニー・ジョーンズ・ショー」(スタジオに招かれた視聴者に秘密のゲストが秘密を告白する番組)で起きました。 この番組に招かれたジョナサン・シュミッツに対して、“秘密のゲスト”として登場したスコット・アメデュアが告白した秘密とは、シュミッツに性的な好意を抱いているということでした。シュミッツは、同性の友人であるアメデュアの告白に混乱しながらも、その場では番組の進行に調子を合わせていたようです。 ところがその3日後、シュミッツは、なんとアメデュアを殺害してしまったのです。シュミッツは殺人を犯したことは認めつつ、アメデュアの告白に怒りを覚え、また辱められたと主張しました。 もちろん、これは彼の行為を正当化できる言い分ではなく、シュミッツには第2級殺人罪が適用され、25年から最高で50年までの懲役刑の判決を受けました。 一方で、殺されたアメデュアの遺族は、番組プロデューサーの責任を追及しました。シュミッツの精神疾患と薬物乱用の経歴を考えれば、番組の演出が彼の自尊心を傷つけることは予想できたとして、7000万ドル余(=約70億円)をもとめる裁判を起こしたのです。 第一審において陪審員は、番組側の責任を認め、番組プロデューサーに対して、遺族に2933万ドル(=約27億円)超を支払うよう命じました。 これに対し、第二審は、番組には「スタジオを出てから3日後にシュミッツが殺人行為を犯すことを予測する義務も、これを防ぐ義務も存在しない」として、番組側の責任を否定しました。 番組側の責任をめぐって第一審と第二審で、正反対の判決が出ている点が興味深いところです』、「アメリカ」では「殺人事件」まで起きていたとは、「リアリティショー」の危険性を十分に示している。
・『「テラスハウス」のケースではどうなるのか?  では「テラスハウス」のケースではどうなるのか。木村さんの死について番組側の責任は認められるでしょうか。 本件では、番組があえて木村さんの“悪役っぷり”を煽るような演出がなされ、木村さんが傷つくに任せていたとも言われる点が問題とされそうです。 木村さんが番組に出演するにあたって結んだ契約の中には、出演者の安全を図るような最低限度の義務は含まれるはずです。ですから、(1)番組側がそうした義務に違反したのか、(2)違反したとして死についてまで責任を負うか、という点が検討されることになります。 上記のシュミッツの事件のように、出演者への加害行為が予測されるような演出をあえて行うことについては、番組の作り方次第で責任が認められる余地はありそうです。 しかし、(1)のような番組作りの問題点を裁判所が認める状況になったとしても、(2)の木村さんの死そのものについて、番組制作者に責任を問うことは、よほどの事情がないと容易ではないと考えます。 なぜなら、番組が煽ることでSNSで誹謗中傷がなされることまでは予想できる流れだったとしても、今明らかになっている事実を前提とする限り、やはり殆どの人にとって、それがゆえに木村さんが命を落とすという結果は、想定の域を超えていたと思われるためです』、「SNSで誹謗中傷」、に対し、局として「木村さん」をフォローする責任はある筈で、これを果たしていないとすれば、損害賠償責任があるのではなかろうか。
・『出演者は、本当に割の合う取引をしているのか?  海外でのケースを見ていると、多くの場合、出演者は契約書にサインしたことで、番組に登場する代わりにプライバシーなどの権利を放棄し、結果、裁判に敗訴しています。出演者にとって、番組への出演により得られるメリットは魅力的には違いありませんが、大企業である番組制作側に対して、本当に割の合う取引をしているのかといえば、そうではないように見えます。 番組編成の自由は重要です。しかし、視聴者の下世話な興味に合わせて誇張された虚構の「リアリティ」のために、出演者から次の死者が出てしまうような事態は避けなければなりません。 木村さんの死に対して、番組側の法的責任を問うことは難しくとも、放送事業者として、また出演者に対して圧倒的な力を持つ事業者として問われるべき道義的責任はあろうかと思います。 また、今回のような事件は、番組制作者が予見すべき事情の範囲が広がる方向に影響する可能性があります。 第二の犠牲者をださないために変わるべきなのは、番組制作者なのか、視聴者なのか、はたまたSNSの仕組みなのか。木村さんの死は、我々に多くのことを問いかけています』、「事業者として問われるべき道義的責任はあろうかと思います」、少なくともBPOでは徹底的に審議してほしいところだ。
タグ:「テラスハウス」のケースではどうなるのか? SNS運営会社やプロバイダー リアリティショーで同性に告白され、相手を殺害 リアリティショーの「本場」であるアメリカの事情 「局部が無修正で放送された」と賠償訴訟を起こした例も 「弁護士が解説 木村花さん死去、テラハ番組側に法的責任は問えるのか? 米国での訴訟例を見てみると」 田畑 淳 番組があえて木村さんの“悪役っぷり”を煽るような演出がなされ、木村さんが傷つくに任せていたとも言われる点が問題 局として「木村さん」をフォローする責任はある筈で、これを果たしていないとすれば、損害賠償責任 文春オンライン 木村花 この凶器を匿名で振り回すことに快感を得ているのではないかという方が相当数いる 女子プロレスラー ③タイムリミットがある(投稿者情報をSNS運営会社などは3カ月程度しか保存しない) 放送倫理・番組向上機構(BPO)の場で、審議するべき 事業者として問われるべき道義的責任はあろうかと思います とりわけ、公人に対する批評ができにくい制度設計にならないようにしなければならない 政府がこれから講じる法制度の整備には一抹の不安も感じる 誹謗中傷加害者に賠償責任を負わせるまでのハードルは高い リアルタイム・メディア時代に即した制度設計が必要 管理者が機能してない場合や、連絡先もわからないこともある 現行制度では、プロバイダなどには常時監視の義務はない。他人の権利が侵害されていると認められる相当の理由がなければ、プロバイダらには賠償責任はない 法整備には時間もかかる 現行制度でできることは? SNSで誹謗中傷 を見て楽しむ。そして、それらのアンチでの盛り上がりをさらに過熱させ、回数を増やしたり、極端なコメントを書き込んだりしていく ソーシャルメディア(その6)(木村花さん襲った誹謗中傷 断ち切るには2つの法改正が必要、テラハ事件 テレビとSNSユーザーが「共犯者」になった重すぎる教訓、弁護士が解説 木村花さん死去、テラハ番組側に法的責任は問えるのか? 米国での訴訟例を見てみると) 出演者は、本当に割の合う取引をしているのか? ②金がかかる(裁判費用・担保金・弁護士費用) アンチコメントで盛り上がるユーザーは、誹謗中傷された人のことを想像するよりは、そのコメントへの反応 アンチコメントが拡大していく「負のループ」のメカニズム ①手間がかかる(匿名投稿者の特定のための裁判と慰謝料を求める裁判が必要) フジテレビは『テラスハウス』の打ち切りと制作の検証 誹謗中傷が起きたときのために、ケアスタッフやSNS監視スタッフを用意することが必要 誹謗中傷の予防策として「演出や編集がある」とアナウンスすること 海外番組のトラブルを尻目に対策を取らなかった制作側 番組制作側とSNSユーザーとの「共犯関係」で成り立っていた テラスハウス SNSを利用した番組づくりが生んでしまった「悲劇」 「テラハ事件、テレビとSNSユーザーが「共犯者」になった重すぎる教訓」 渋井哲也 「木村花さん襲った誹謗中傷 断ち切るには2つの法改正が必要」 髙橋裕樹 日刊ゲンダイ ダイヤモンド・オンライン
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