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幼児虐待(その7)(「小児性愛者だと見抜けなかった」キッズライン 関係者59人が告発する“性犯罪シッター連続逮捕”の真実、レビュー偽装も発覚「性犯罪シッター事件」の裏でキッズラインが見逃していた“シッター不適格者”たち【関係者59人が告発】、無罪続出の理由 「揺さぶられっ子症候群」の真実 検察側と弁護側 証言台に立つ医師の意見が真っ向対立) [社会]

幼児虐待については、3月29日に取上げた。今日は、(その7)(「小児性愛者だと見抜けなかった」キッズライン 関係者59人が告発する“性犯罪シッター連続逮捕”の真実、レビュー偽装も発覚「性犯罪シッター事件」の裏でキッズラインが見逃していた“シッター不適格者”たち【関係者59人が告発】、無罪続出の理由 「揺さぶられっ子症候群」の真実 検察側と弁護側 証言台に立つ医師の意見が真っ向対立)である。

先ずは、7月9日付け文春オンラインが掲載した日経新聞出身のフリージャーナリストの中野 円佳氏による「「小児性愛者だと見抜けなかった」キッズライン 関係者59人が告発する“性犯罪シッター連続逮捕”の真実」を紹介しよう。
https://bunshun.jp/articles/-/38828
・『7月2日、参議院厚生労働委員会では立憲民主党の田島麻衣子議員から加藤勝信厚生労働大臣に対してこんな質問があがった。 「ベビーシッターで性犯罪が起こりました。(中略)ベビーシッター利用支援事業において、使う側が任意で調べたいときにはベビーシッターさんの過去の犯罪履歴の照会ができるように、こういった仕組みづくりというのは可能でしょうか」 これに対して加藤厚労相は、都道府県が保育士証の交付をする保育士などとは違い、ベビーシッターは居宅訪問型保育事業の届出を行えば活動が可能になってしまうため、犯罪履歴の有無で活動を停止させることができないと説明。届出だけで済んでしまうベビーシッター制度そのものを考える必要があるとの見解を示している』、性犯罪者でもベビーシッターになれるのであれば、制度の欠陥だ。
・『「キッズライン」で発生した子供への性犯罪  すべての発端は、ベビーシッターの大手マッチングサイト「キッズライン」の登録シッターから、子供への性犯罪で2人もの逮捕者が続けて出た事件だ。 事件後の対応は適切であったのか、シッター登録の際に不備はなかったのか。 積極的に取材を申し込んだケースもあるが、筆者のもとに「実態を知ってほしい」と集まってきた声は、キッズライン元従業員、利用者、シッター、トレーナーなど47名、同業他社など業界関係者などを入れて総勢59名に達した。 キッズラインは株式会社キッズライン(「カラーズ」から改名)が提供するオンラインでのベビーシッターマッチングサービスだ。公式サイトによると、2014年にサービスを開始し、2020年1月までにのべ100万件のシッターマッチングをしている。2020年4月時点で、所属するシッター(公式サイトではサポーター)は47都道府県下において4500名を突破したという。 キッズラインはアプリでシッターを手配できる簡便さや、既存のベビーシッターよりも利用料が比較的安価であったことから利用者が急増した (キッズライン公式サイトより) 創業者であり現在CEOに就いているのは、実業家の経沢香保子氏(47)だ。2012年、経沢氏が設立したマーケティング会社「トレンダーズ」が東証マザーズに上場し、当時最年少上場女性社長として話題になった。キッズライン設立後も順調に事業を拡大し、2019年2月からは東京都の支援制度や、2019年10月からは内閣府の割引券の対象となった。 しかし2019年11月中旬、警察からキッズラインに、のちに逮捕される橋本晃典容疑者による被害の報告が入ったという』、「子供への性犯罪で2人もの逮捕者が続けて出た」、それが「100万件のシッターマッチングをしている」大手で発生したのには驚かされた。
・『公式サイトで「該当すると思われる事案の事実確認はできておりません」  警察からの報告が入る前だったか後だったかは判然としないが、11月中旬にキッズライン側は公式サイトに《11/14(木)一部SNSにて、キッズライン利用者とシッターの間でトラブルがあった旨の情報があり、発覚時から情報収集に努めておりますが、現時点では、該当すると思われる事案の事実確認はできておりません》と発表していた。 この後、2020年1月に橋本容疑者は小学5年だった別の男児に対する強制性交容疑で神奈川県警に逮捕。当時は学習支援のボランティアとして、泊まり込みの勉強会に参加していたという。2020年4月24日には、キッズラインでの容疑で再逮捕されたことが報道された。 しかしキッズラインが、登録シッターがサポート先の子供へのわいせつ行為で逮捕されたと公表したのは5月3日に「AERA dot.」で社名が報道されてからのことだった』、1月に「逮捕」されたのに、「「AERA dot.」で社名が報道され」、たので「キッズライン」が事件を「公表したのは5月3日」、とは驚きの隠蔽体質だ。
・『公表した前後に2人目の逮捕者が出ていた  同日、キッズラインの公式サイトには《本日、2019年7月~2019年11月に弊社での活動履歴のあるサポーターが逮捕された内容に関する報道がありました》とし、《当該サポーターの活動開始後、クレームやトラブル報告は1件もありませんでしたが、2019年11月中旬、警察より当該サポーターに対しての捜査開始の連絡を受けた》と報告。 また事件について公表してこなかった理由として《本件に関しましては、警察より被害者のプライバシー保護のために公表を控えるよう要請があり、準じてまいりました。しかしながら、一部事実とは異なる憶測を含む報道を受け、更なる不安や誤解を広めてしまうおそれが生じましたため、警察とも相談の上、ご報告をさせていただきます》と綴っている。 しかし5月の時点では、事件について利用者へメールなどでの周知はされていない。実はまさにこの前後(4月末~5月下旬)、2人目の逮捕者、荒井健容疑者による被害が起きている。 被害者となったのがAさんの長女だ。新型コロナで子供達の保育園が休園になり、女性サポーターを探したが見つからず、4月末から荒井容疑者にサポートを依頼していた。 Aさんに話を聞いた。 「キッズラインでシッターによるわいせつ事件が起きていたことはまったく知りませんでした。荒井容疑者に依頼した理由は、女性シッターが見つからなかったということもありますが、子供達が通う保育園には男性保育士が多く、長女は男性保育士に懐いていたので大丈夫だろうと。次女もいるので、2人を連れて公園で遊ばせるには男性の方が体力面では良いだろうなとも思いました。それに私が在宅で仕事をしており、夫も在宅勤務の日があったので、何かあっても目が届くと思って……」』、第一の逮捕後すぐに公表していれば、第二の事件は防げた筈だ。
・『「今日伺っていたサポーターは今後来られなくなりました」  荒井容疑者はAさん宅を月末~5月中旬にかけて計8回訪問している。サポートが行われたのは、Aさんが在宅勤務をする自宅の一室や近隣の公園だった。 「隣室で仕事をしていたので、何かあればすぐに駆け付けられますし、公園にはコロナの影響で子供を遊ばせている大人が多く、娘の友達もたくさんいたので大丈夫だと思ってしまいました。 ですが5月25日、荒井容疑者がシッティングを終えて我が家を出てから約2時間半後、キッズラインから突然『今日伺っていたサポーターは今後来られなくなりました』と電話があったんです」(同前) 6月13日の毎日新聞では、捜査関係者などから得た情報として、キッズラインはAさんとは別の依頼者から「同様の被害申告があったとして5月に荒井容疑者の登録を外していた」と報じている。しかし、この時点ではAさんに別の家庭で被害があったという情報が伝えられることはなかった。 「理由を聞いても個人情報ということで教えてもらえなかったのですが、もう来られなくなったということを娘に伝えたら嬉しそうな顔をするので、何かおかしいと思って話を聞いたら犯行が明らかになったのです」(同前)』、これが責任ある会社のすることとは思えない。
・『「理由は個人情報のためお伝えできません」  荒井容疑者はAさんがビデオ会議をしている隣室や、公園の多目的トイレで長女の体を触るなどしていた。被害を受けていたことに気付いたAさん家族は、慌ててキッズラインに連絡を取ろうとしたという。 「キッズラインからかかってきた電話にかけなおしたり、キッズラインのサイトに掲載されていた緊急電話番号を探してかけたりしましたが、なぜか『この電話は現在使われておりません』という音声が流れて……。パニックになり性犯罪相談窓口に電話をしたら、警察に通報するように言われ、通報したら刑事さんが来ました」(同前) その日の深夜にキッズラインに問い合わせフォームから被害の連絡を入れ、返事がきたのは翌日の昼間だった。Aさんはそのときは出られず、夕方にキッズライン側からかかってきた番号にかけなおしたところ、ようやく電話が繋がった。 「荒井容疑者について、突然サポートに来られなくなったのはなぜなのかなどと聞いても、最初は言えないと言われ、その後ようやく聞き出せたのが『規約違反の恐れがあったため強制退会させました。理由は個人情報のためお伝えできません』という回答でした。我が家も私が娘の反応を不審に思わなければ被害に気づかないままだったんです。 被害に遭っている子供が他にもいるかもしれないから、キッズラインに荒井容疑者がサポートしたことがある家庭にせめて『利用規約違反の恐れがあったため強制退会させた』ことを伝えてくださいと言ったのですが、それはできないと言われました。 ほかにも橋本晃典容疑者が逮捕されたことをメールなどで利用者に周知してほしかったこと、それを今からでも全利用者に伝えてほしいこと、あとは評価システムを見直してはどうかという話をしました」(同前)』、「理由は個人情報のためお伝えできません」、個人情報保護法の拡大解釈もいいところだ。
・『キッズラインは自社の責任には触れず  Aさん家族は荒井容疑者についての被害届を警察署へ提出。その後の6月4日、キッズラインは男性サポーターの一括活動停止を発表した。 そして6月10日に筆者がキッズラインサポーター2人目による性被害があることを記事にしたことを受け、翌11日、キッズラインは公式サイトで2人目の事件について言及した。 しかし自社の責任には触れず、《残念ながら、小児性愛者であるかについては、登録審査では見抜くことはできませんでした。なお、この点につきましては、専門家からも面談等で見抜くことは困難であるとの見解を得ています》と主張している。そしてようやく、キッズラインは荒井容疑者がサポートを行ったことのある家庭に連絡をいれはじめた。 荒井容疑者のサポートを利用したことのあるBさんが証言する。 「我が家にも6月11日にキッズラインから電話がかかってきました。まだ捜査段階で、娘が被害にあったのかどうかは分からないと言われました。待つしかない状況に、腑が煮えくり返る思いです。どうしてよりにもよって彼を選んでしまったのか、本当に自分を恨みます。キッズラインには彼に依頼してしまった利用者にどういう対応をとるつもりなのか、ちゃんと説明するよう求めました」 そして6月12日、荒井容疑者はAさんの長女へのわいせつ行為で逮捕された』、「彼を選んでしまった」よりも無責任な「キッズライン」を選んだことが問題のようだ。
・『ようやく全利用者へメールで報告されたものの……  6月18日、キッズラインははじめて全利用者へ事件があったことについての一斉メールを送信した。その後、再びキッズラインとやりとりをしたというBさんは、次のように話している。 「荒井容疑者に依頼した家庭に対応したのはキッズラインの取締役でした。『ここ数日、ニュースで荒井容疑者について取り上げられていますが、トップである経沢さんからのコメントがないのはおかしい』と伝えました。取締役からは『6月18日に全員に配信したメールが代表からの謝罪と受け取ってほしい』と。経沢さんはSNSでは身軽に発信しているのに、ずいぶん腰が重いですよね。 そもそも犯罪者を派遣して手数料を取ったままなのもどうかと思うと伝えたら『返金する』と言われましたが、『返金は?』と聞けば返金、『謝罪は?』といえば謝罪、といった行き当たりばったりの対応に見えます。 他の被害家庭のお母さんと少しやりとりさせていただいたんですが、みなさん不眠になるなど、メンタルにきているんです。普通の企業だったらカウンセリング窓口を作って案内してもいいような事件だと思うんですけどね……」 被害者家族らはキッズラインの事件発覚後の対応に違和感を持っている。そしてこの事件について「ビジネスインサイダー ジャパン」で報じると、筆者の元には同社のサポーター選考(キッズラインではシッターをサポーターと呼称)がそもそも適切だったかについて疑問の声や証言が集まり始めた』、どんな情報が集まったのだろう。
・『サポーター選考を担っていたのはアルバイト  キッズラインのシッターになるには、まず登録説明会に参加。その後に面談を受け、合格すれば実地研修を受ける。そこでさらに合格すればシッターとして活動が開始できる。 サポーターの選考プロセス(キッズライン公式サイトより)(リンク先参照) 当初、面談は社員が対面で行うものだった。しかし2019年頃から「スマホ動画面接」と称し、応募者がスマホで子供に語り掛けるような動画を送信するのみに変更されている。 「まずキッズラインから面接の動画が送られてくるんです。面談についての説明動画に加え、子供が『どうして(シッターを)やろうと思ったんですか? 一緒に何をして遊んでくれますか?』といった質問をしている動画もあります。シッター希望者はその質問に対してお子さんに話すような笑顔や言葉遣いで返事をする動画を撮影し、キッズラインに送信するという流れでした」(2020年4月に登録したサポーターCさん) あるキッズライン関係者Dさんは「その審査をするのは主にアルバイトでした」と証言する。 「キッズラインは社員登用が少ない会社で、シッターの登録会運用や採用、育成などはすべてアルバイトの方で回しています。ただアルバイトと言っても社員レベルの責任を負っている方も多く、ママさんと若い未婚女性が両方います。『スマホ動画面接』も面接対応をずっとしていた方々が審査に当たっていますが、現場からは動画だけで判断していいのかといった疑問の声が上がっていました」(同前) 「勘みたいなものでだいたいわかりますよね?」 2020年1月にキッズラインのシッター登録会の運営バイトに応募したという女性Eさんは次のように語る。 「当初の募集内容はあくまで『登録会の運営』ということで、お話を聞きに行きました。 現地で説明されたのが、登録会の運営はもちろん、シッターの選考からシッターのサポートまでを行うという内容でした。  シッターは子供の命を預かる仕事です。どのように素人が選考をおこなうのか疑問に思ったため、『私はこれまで人事経験など一切ないのですが、シッター希望者が犯罪をおかさないかどうかをどうやって見分けるのでしょうか』というような質問をしました。キッズライン側からは、『アルバイトでもノウハウをもとに選考するから大丈夫。これまでに事件は起きていないし、勘みたいなものでこの人が大丈夫かどうかはだいたいわかりますよね?』というお返事でした。  そのときは『勘』という言葉を不思議に思ったものの、これだけの有名な会社で、ましてや事故も起きていないのだから、しっかりとした選考システムがあるのだろうと考えました。 実際にはこのときすでに1回目の性被害者から被害届が出ていたと思うと怖いです」 結局この女性は採用されなかったが、「軽い気持ちでアルバイト面接を受け、審査に関わっていたかもしれないと考えるとその責任の重大さに今更ながら震える思いです」と語った』、「サポーター選考を担っていたのはアルバイト」、なんとお手軽な採用なのだろう。
・『反対派の社員は退職  新型コロナの感染拡大で、リモート面接を含め、オンライン化は至るところで進んでいる。オンライン=悪ではないが、生身のサービス、しかも自分では声をあげられない可能性がある子供の命を預かる領域で、社員が一度も会っていないシッターを紹介していいのか。 キッズライン黎明期のことを知る元従業員Fさんは、選考プロセスのオンライン化について「最初のころは1人1人時間をかけて面接していたのに、なぜこうなってしまったのか」と嘆息した。 「地方在住のサポーターの面談は、2016年頃からオンライン化が進められています。2016年1月25日に大阪、名古屋、福岡で登録会を行うため、プレスリリースを出していますが、集客が思わしくなく、実際には2月に入りオンライン登録会に変更する旨のメールが参加者に送られました。一部社員はシッターの質を担保できないと反対しましたが、社長は毎回出張費などのコストがかかると語り、オンライン面談をすることに決まりました」  社内事情を知る関係者Gさんからも同様の証言が寄せられている。 「その後も様々なプロセスがオンライン化していきました。もちろんオンライン化に反対する社員もいたと思いますが、違和感があっても声をあげづらい社風なんです」 2020年に入ってからは、主要メンバーだった役員や一部の管理職も含め10人近くが退職。30人程度のアルバイトがオペレーションを支えているとはいうが、社員はいまや20人程度とみられる。 「心身を病み、急に体調不良を理由に会社に来なくなり辞めていく社員や、当初は会社の理念に共感して入ったけれど、企業体質に失望して退職する社員も多いと思います」(元社内関係者Hさん) 経沢社長は、2016年に上梓した著書「すべての女は、自由である」(ダイヤモンド社)で、トレンダーズが上場した後の反省をもとに、数字ばかりにとらわれずに顧客のためのサービスを提供したいといった内容を綴っている。 一方で「2020年6月前後に上場することをめざし、準備をしていた」といった複数の証言もある。社内向けに、上場したら社員にストックオプションを検討している旨の話もあったという。 その2020年に向け、社内の体制が崩れていったにもかかわらず、少人数による運営でペースを抑えるどころか、キッズラインはシッター採用を加速させていくのだ――』、「様々なプロセスがオンライン化」、コロナ禍によるものとは違い、コストダウンのためのようだ。こんな有様では、「上場」などおぼつかない筈だ。

次に、この続きを、7月9日付け文春オンライン「レビュー偽装も発覚「性犯罪シッター事件」の裏でキッズラインが見逃していた“シッター不適格者”たち【関係者59人が告発】」を紹介しよう。
https://bunshun.jp/articles/-/38829
・『キッズラインに登録する男性シッター2人が、シッター先の子供へのわいせつ行為で相次いで逮捕された事件。キッズラインは事件発覚後、男性シッターの登録停止や、現場への録画・録音機器の導入を発表している』、客離れは起きないのだろうか。
・『ベビーシッターの規制緩和策として民間の研修を認める方向へ  2020年7月2日、政府の規制改革推進会議は答申を発表し、ベビーシッターの規制緩和策として研修を民間に任せ、オンライン化もしていく方向性を示した。 この規制緩和は同年3月9日にキッズラインの経沢香保子社長が規制改革推進会議の雇用・人づくりワーキンググループで「民間の私たちのようなきちんと研修をしているところを監査いただきつつ、そういった研修機会を民間に拡大していただけないか」と要望していたものだった。 「認可外保育施設指導監督基準」でベビーシッター業ができる人材は、 保育士、看護師に加え、認定ベビーシッター資格保有者と、「都道府県知事が行う研修修了者」だ。しかし、この自治体による研修の開催頻度が少ないため、民間の研修を認めていくという動きなのだ。 しかしキッズライン関係者の間では、シッターとして不適格な人物をスクリーニングすべき同社のシッター登録の過程や研修について疑義が生じている』、「経沢香保子社長が規制改革推進会議の雇用・人づくりワーキンググループ」で要望をしていたとは、厚かましい話だ。
・『シッターの質の担保よりもコスト削減  「「小児性愛者だと見抜けなかった」キッズライン 関係者59人が告発する“性犯罪シッター連続逮捕”の真実」では関係者の証言をもとに、キッズラインのわいせつ事件への対応、シッター登録時の面談が対面からオンライン化していった過程について報じている。 面談のオンライン化については、キッズラインの元社員が「一部社員はシッターの質を担保できないと反対しましたが、社長の『コストがかかる』といった一言でオンライン面談をすることに決まりました」と証言している。 そして、面談のオンライン化に伴って進んでいったのが、シッター実習のオンライン化だ。 従来は、面談に合格したシッターに対して、利用者の中から募集した“ママトレーナー”の自宅で実際に子供の面倒を見る「実地研修」を実施していた。そしてママトレーナーが自宅で研修した新人シッターについての初回レビューを書き、利用者はそのレビューを参考にサポート(※子供の世話)を依頼する、というシステムになっていた。 しかしシッターの近くにママトレーナーがいないケースもあるため、徐々にオンライン化が進められていったという。 ママトレーナーのIさんが明かす』、「キッズライン」は始めの頃はそれなりにきちんとやっていたようだが、次第に「オンライン化」で「シッターの質の担保よりもコスト削減」、やはり「上場」を意識して背伸びをしたようだ。
・『トレーニング回数に応じて“ポイント”がもらえる  「私個人としては、シミュレーショントレーニング(オンラインでの研修のこと)だけでデビューされるのは不安なので全て実地で行っていました。ただ、トレーニングをすると、実地であろうがシミュレーションであろうが、キッズラインの利用時に使えるポイントが付与されるんです。 回数が増えるともらえるポイントが大きくなることもあり、月8回ぐらいを目安にトレーニングをしてほしいと言われることもありました。手間のかかる実地のトレーニングよりも、オンラインで済ませてしまうママトレーナーの方も多かったのではないかと思います。 基本的にシミュレーショントレーニングは近くにママトレーナーがいない場合の措置だと聞いていたのですが、2019年9月に、サポーターさんと実地のトレーニングの日程調整をしていたら、途中で『他のママトレーナーさんからオンライントレーニングを提案されたのでそっちにします』とお断りをされることがありました。 キッズラインに問い合わせると、実地の可能なエリアにママトレーナーがいたとしてもサポーターが希望すればオンライントレーニングに変更も可能だと言われました。サポーターさんも交通費がかからなかったり、移動の手間が省けたりで、オンラインを希望される方も少なくはなかったんだと思います」 2019年春に選考を受けた、シッターJさんは次のように話す。 「私の家の近くにはトレーナーとなるママさんがいないため、オンラインで研修を受けました。オンライン研修ではテレビ電話で社員さんから『ご家庭に到着したらまず何をしますか?』『この時はどうしますか?』などの質問をされ、それに答えていきました」 そして、オンライン研修は同時に複数のシッター希望者に対して行われたようだ。 「私の他に5人くらい一緒に研修を受けていたので、順番に指名されて答えていくような形でした」(同前) 従来の実地研修では、1人のシッター希望者がママトレーナーの自宅で研修を受けていた。しかし2020年3~4月には、1人のトレーナーが同時に5~7人のサポーターに対してオンライングループ研修を実施していたようだ。  ママトレーナーKさんは「運営側からは『シミュトレは慣れてくれば何人か同時にすることも可能です。実際に4人ぐらい同時にされているトレーナーさんもいらっしゃいますよ』と言われました」と証言。また、グループ研修を担っていたトレーナーのうち1人は今年3月まで社員であったことも確認している。 キッズラインの主導により、“効率化”された実習で2020年3月と4月は1ヵ月のデビュー人数は、外から確認できるサイトだけでも月300人を超える(男性シッター停止後に発表されたデータのため、実際のデビュー確定人数はこれより多かったと思われる)。 筆者が作成したサポーター新規デビュー数。縦軸は人数(リンク先参照)』、なるほど。
・『初回レビューに「★は5つ満点の採点」を指示  オンライン研修を請け負うママトレーナーは、研修後に研修結果を本社に送信し、最初の利用者が依頼の際に参考にする唯一の情報である「初回レビュー」も記入することになっている。この「初回レビュー」について、ママトレーナーはキッズラインからこのような指示を受けていた。 《一般の親御様がご覧になる1件目の口コミです。【注:トレーニングと分かる表現はお控えください】 ・そのサポーターのおすすめポイント ・具体的なエピソード など、サポーターさんの良さが伝わりやすく、他の親御様が予約したくなるようなコメントをお願いします。 ※合否に関わらず、サポータープロフィールページに即時反映されます。 ★は5つ満点の採点をお願いします。 ※ただし、明らかに合格するには不適格と感じられる方には多くの文章も難しいと思いますので、ご挨拶程度の簡単な文章でも差し支えありません。》』、「ママトレーナー」による「初回レビュー」を商売に使うのも抜け目ない。
・『適性に疑問のあるシッターが合格しているケースも  もちろん元から評価が高いシッターは丁寧なレビューがついているものが大半だろう。しかしこの指示通りに書くと、たとえシッターとして不適格な人物でも、その情報が利用者に共有されることはないということだ。別のママトレーナーLさんからは次のような証言がある。 「子供が突然部屋を出て行ってしまっても後を追わないとか、子供の機嫌が悪くなると諦めたような態度を取る人もいます。備考欄に『この人には安心してお任せできない』と書いたのにもかかわらず、その後会社から何か聞かれる事もなく、合格してお仕事を開始されている方もいました」・・・ 会社側は7月1日のお知らせで《当社運営スタッフが、ママトレーナーから運営側へ報告されるレポートを確認した上で、合否判定を行っているため、実質的には評価が「5」で問題ないと判断されたサポーターが合格する運用となっております》と説明している。 ママトレーナーの評価能力にも幅があり、合否は運営側で総合的に判断しているということだろうが、いずれにせよ初回レビューの内容はママトレーナーの実際の評価と直結していなかったのだ』、「初回レビューの内容はママトレーナーの実際の評価と直結していなかった」、商売用に使う以上、あり得るだろう。
・『“レビュー偽装”にキッズラインの回答は……  また、中には “レビュー偽装”を疑わざるを得ないレビューもあった。 たとえばこのキャラクターのアイコンのレビュアーX氏は、4月20日に北海道から福岡までの研修を担当し、8件のレビューを書いている。驚くべきことに、佐賀県と大阪府のシッターに3歳の娘のサポートを頼み、それぞれ「子供部屋から楽しそうな声が聞こえてきました」と書かれている。 レビュー偽装。サポーターの在住エリアは佐賀県 ・・・(中野氏が作成したママトレーナーX氏のコメント一覧)。同日に北海道から佐賀県までのレビューを記入しており、大阪府と佐賀県では「子供部屋から楽しそうな声が」聞こえたことになっている  キッズラインは、著者が6月30日にこのレビューについて指摘したのを受けて、7月1日にすべてのシッターの初回レビューを非表示にしたうえで、公式サイトで次のように記載している。 《ママトレーナーのレビューは応募サポーターが合格した際には公開されるため、評価が低い場合に応募サポーターとママトレーナー間でのトラブルが発生することも想定し、評価を「5」として記載するように依頼しておりました》 《シミュレーショントレーニングとは、トラブルへの対応力等を確認するためのロールプレイ型の研修です。シミュレーショントレーニングは1対1を基本としていますが、状況により複数で行うこともございます。現在は3名を上限にしております。 レビューについては、ロールプレイの内容に基づいて記載するよう運営より依頼していたため、実際に会ったことのないお子様への対応が、あたかも実際に接したかのように表現されておりました。上記に関しましては、利用者の皆様に実態とは異なるレビューを提供していたことを大変重く受け止め、以下改善策を実施します》』、「“レビュー偽装”」とはあざと過ぎる。
・『「IT技術を活用することで、大幅にコストの削減を実現」とPR  2020年3月9日に開かれた政府の会議、規制改革推進会議のワーキンググループで、経沢香保子社長はある資料を配布している。そこには「マッチング費」「請求・決済方法」「運営管理費」を「IT技術を活用することで、大幅にコストの削減を実現」と書かれている。 面談や実習をオンライン化して、1人のレビュアーが北海道から佐賀県までの初回レビューを書くことで「マッチング費」や「運営管理費」を削減したということなのだろうか』、「経沢社長」の対外的PRは抜け目がないようだ。
・『「キッズラインはトラブル対応も全然してくれません」  キッズラインで家事代行を頼んだある利用者Mさんは、次のように話す。 「キッズラインはトラブル対応も全然してくれません。今年3月ごろ、私が子供を見ている間に食事の支度をしてもらったときに、物の破損や紛失があったため、弁償してくださいと言ったんです。最大5億円の賠償保険に入っていることを安心材料の1つとして売りにしていて、保険でカバーされると思ったので。 でもシッターさんからは『本当に私がやったのでしょうか?』と言われ、キッズラインに連絡したのですが、事故報告書をシッターさんが出さないと保険がおりないので直接連絡をとってくださいと言われました。 でも、補償してほしいと言ったことに腹を立てて、子供に嫌がらせをされたらどうしよう、家を知られているので何かされたらどうしようかと考えると怖くて、直接連絡をとるのは嫌だと言ったのですが。キッズラインに手数料を支払っているのに、こんな時でもシッターに直接交渉しないとダメなんでしょうか」』、なるほど。
・『CtoCプラットフォームでも質の管理が重要である理由  確かにプラットフォーマービジネスには、一般的に何かあったときの法的責任を負わない代わりに、利用者も費用が抑えられるという側面はある。しかし、CtoCプラットフォームであれど、表向き当事者同士の責任とは言いながらも、質の管理やトラブル対応についてもかなり気を配っている企業もある。 ベビーシッターではないが、キッズラインと同様に、サービスの提供者を雇用することなく、個人事業主として、ユーザーとマッチングするプラットフォーム型の家事代行サービスを提供している「タスカジ」和田幸子社長は次のように話す。 「ユーザーからハウスキーパーへのクレームが来て、それをきちんとヒアリングして情報を蓄積するのはとても大切な作業です。マッチングは質の管理に法的責任を持たないことにはなっていますが、ユーザー体験をそこなえば大切なユーザーを失うことになるので、質の管理を行うインセンティブは運営側に働いていると思っています。 また、質の管理に力をいれることはユーザー満足度を上げるだけではなく、『デビュー後も何かあったらすぐに運営側から連絡が来て仕事ぶりをどうやら把握されている』『ここのユーザーは運営側と距離が近いので、ちょっとした違和感ですぐに相談してしまいそう』という場作りを心がけることで、犯罪者予備軍に対し『寄り付きたくない』気持ちを持たせる効果もあると思います」(タスカジ和田社長)』、「マッチングは質の管理に法的責任を持たない」が、「ユーザー体験をそこなえば大切なユーザーを失うことになるので、質の管理を行うインセンティブは運営側に働いている」、「キッズライン」には後者の認識はなさそうだ。
・『他のシッターマッチングサービスの対策は?  バイリンガルのシッターをマッチングする「ケアファインダー」では、月額利用料を取る形式でキッズラインと課金モデルは異なるが、事前に許可を得て、シッターと利用者のメッセージのやりとりを運営側が見られるようにし、トラブルが発生した場合には介入しているという。 ケアファインダーのモス恵社長は「利用者とシッターがいつでも弊社に連絡できる体制にしています。とくに初めての利用者の場合はシッティング前とシッティング後に直接電話で連絡し、何か不明点はないか、スムーズにシッティングが行えたかの確認をしています」と話す。 そのほかにも「スマートシッター」はマッチングサービスからスタートしたが、2年前に保護者と会社、シッターと会社がそれぞれ契約を締結する形に変更し、ほぼ派遣型のベビーシッターサービス同様の運営に切り替えている。 米国のCtoCの保育系サービスでは、マッチングサイトで契約相手を探し、連絡を取ったり面談の予約をするなどのサービスを利用する場合に月額課金をし、実際のシッター等のサービスの利用については手数料を取らないという形態も多い。 リスクについて、たとえば米大手シッターマッチングサービス「Care.com」では「スクリーニングはしておりますが、ご家庭がご自身で慎重に審査をすることを推奨します」といった表記をするなどして、シッター選びのポイント周知をしている』、各社なりに工夫しているようだ。
・『キッズラインに手数料を払っているのに……   しかし、キッズラインは利用者から20%(単発の場合。定期利用は10%)、シッター側から10%の手数料を徴収している。安心安全を謳い、ある程度の手数料を徴収しているからこそ、利用者もそれ相応の審査がされていると思い、トラブル対応も求めるのだろう。 キッズラインに事実関係について文書で確認したところ、次のような回答があった。 「従前お伝えしていますとおり、弊社としては、全ての個別取材に対応することはいたしかねます。誠に恐縮ではございますが、今回のご質問に対しても、直接ご回答差し上げることはできかねますのでご了承ください」「弊社といたしましては、今後も改善点の把握と安全対策の実行に努めてまいります。また、必要かつ適正な情報に関しては、積極的に情報を開示すると共に、ホームページにより公表してまいります」 従来、派遣型の家事代行やシッターは、同じ人に頼みたくても直接のやりとりができなかったり、急な必要性に応じられなかったりと融通が利きづらかった。 マッチングサービスでは、家事であれば、整理整頓のプロやレストランでシェフをしていた人が料理の作り置きをしてくれたり、シッターであればバイリンガルシッターに英語も教えてもらえたりと、 利用者が働き手の個性を見て頼む人を選ぶことができるという強みもある。キッズラインにも、信頼を積み重ねたシッターやそれに助けられた利用者も多かっただろう。 今回の事件を受けてマッチング型はダメだと言うのは早計だ。ただ、言えることは、善良な働き手たちのためにも、その質の管理と評価システムの機能は大事であるということ。そしてコストを下げながら、手数料がしっかりと入ってくるモデルで数字追って上場を目指したい事業者は、少なくとも子どもの命や一生にかかわる保育やケア領域以外の分野を選んだほうがいいのではないかということだ』、「キッズライン」の現在のビジネスモデルは、どうみても持続可能ではなさそうだ。

第三に、9月28日付けJBPressが掲載したノンフィクション作家・ジャーナリストの柳原 三佳氏による「無罪続出の理由、「揺さぶられっ子症候群」の真実 検察側と弁護側、証言台に立つ医師の意見が真っ向対立」を紹介しよう。文中の記事のURLは省略
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/62276
・『9月25日、取材中の「揺さぶっれっこ症候群」事件で、またしても無罪判決が下されました。 その概要は以下のとおり、すでにテレビ、新聞など多くのメディアが報じています。 『乳児揺さぶり訴訟で母に無罪判決 岐阜地裁「犯罪証明できない」』(2020.9.26/東京新聞) 『「落下事故否定できず」乳児揺さぶり、母無罪 岐阜地裁』(2020.9.26/岐阜新聞) 生後3カ月の男児が脳に出血を伴うけがを負ったのは、2016年のこと。母親(27)は、「誤ってソファから転落させてしてしまった」と懸命に説明しましたが、虐待を疑われてしまいます。 児童相談所は後遺障害を負った男児を一時保護して両親から引き離し、捜査機関は男児と一緒にいた母親を傷害罪で逮捕、起訴、5カ月間勾留し、検察は懲役5年を求刑していました。 岐阜地裁で始まった刑事裁判では、男児のけがが「乳幼児揺さぶられ症候群」か、それとも「転落事故」かをめぐり、検察側の証人である内科医と眼科医、そして弁護側の証人である脳神経外科医の意見が真っ向から対立していました。 しかし、長い審理の末、岐阜地裁の出口博章裁判長は、内科医と眼科医の証言を退け、脳神経外科医の証言を採用。結果的に、「傷害が揺さぶりによって生じたと認めるには合理的疑いが残る」として無罪を言い渡したのです』、興味深そうだ。
・『身に覚えのない「揺さぶり虐待」  この時点で、母親が逮捕されてからすでに3年以上の歳月が経過していました。 無罪判決が下された日、母親は、「私は息子に対して一切の暴行を加えたことはありません。息子が重篤なけがをしてしまった原因はソファから落下したことによるものであり、あまりに軽率な行動だったと深く反省しています。なんであの日に限って目を離したんだと、自分で自分に怒りをぶつける日々です」 自身の深い悔恨の気持ちとともに、我が子のけがを「虐待」と決めつけた医師らに対する怒りを、弁護士を通してこうコメントしています。 「虐待児を直接診察などしたことのない内科医が書いた鑑定書と、非常に問題のある眼科医の意見書をうのみにして、逮捕にふみきったということ、なぜこんなことがまかりとおったのか理解できません。無罪を勝ちとれても、すぐにもとの生活が戻るわけではありません。時間は絶対に巻き戻せません。まったく身に覚えがないことをでっちあげられ、押しつけられ、身勝手に犯罪者に仕立てられ、世にさらされて平穏な生活を理不尽に奪われるのです。何もしていないのに罪人として他人から見られ、扱われる立場をしっかり考えて、まともな活動をしてほしい」 私は、岐阜地裁でこの裁判を傍聴し、被告人として証言台に立った母親と直接話をしました。傍らには心配そうに寄り添う夫やご家族の姿がありました。 かわいいわが子にけがをさせてしまった悔いと悲しみ、さらに、身に覚えのない罪で刑事裁判にかけられた悔しさ・・・憔悴し切っている彼女の表情からは、「虐待」という二文字はとても想像できるものではありませんでした。 同様の揺さぶられっ子症候群事件では、ここ1年の間に無罪が連続して確定しています。現時点ではまだ無罪判決が確定したわけではありませんが、このご家族にもぜひ、平穏な日々を一日も早く取り戻していただきたいと、心からそう思います』、冤罪になった背景には何があるのだろう。
・『検察はなぜ専門外の内科医の証言を証拠とするのか  この事件ではなぜ、完全な「無罪」の判決が下されたのでしょうか。 この裁判で検察側の証人として出廷したのは、「認定NPO法人チャイルドファーストジャパン理事長」「一般社団法人日本子ども虐待医学会理事兼事務局長」という肩書を持ち、日本の児童虐待問題では主導的な立場にある山田不二子医師(内科医)です。 一方、弁護側で証言に立った青木信彦医師(脳神経外科医)は、マニュアルに明記されている「揺さぶられっ子症候群」の3徴候(硬膜下血腫、脳浮腫、眼底出血)から安易に虐待と決めつけることに対し、強い警鐘を鳴らしてきた人物です。 「揺さぶられっ子症候群」は赤ちゃんの脳の中で起こる傷病なので、裁判を傍聴していても専門的な医学用語が多く出てきます。そのため、素人には理解が難しいのですが、今回の裁判の内容をもう少し詳しく知りたいという方は、『SBS検証プロジェクト』のサイト内に掲載されたブログ『岐阜地裁はなぜ無罪を言い渡したのか? ―山田不二子医師証言の問題点』をぜひご覧ください。 ブログの筆者は、岐阜地裁の裁判の弁護団の一人で、その他の事件でも数多くの無罪判決を勝ち取っている、秋田真志弁護士です。 秋田弁護士のブログ記事の中から、双方の鑑定医について記された部分を一部紹介したいと思います。 『青木医師は、脳神経外科医として40年以上の経験を持つのに対し、山田医師は虐待問題に取り組んできたとはいえ、内科開業医です。脳神経に関する臨床経験はありません。実は法廷証言でも山田医師は、青木医師の鑑定書でCT画像の誤読を指摘されたことに対し、「指摘どおりCT画像の誤読を認め」(判決)ざるを得ない場面がありました。それ以外にも、山田医師は専門外の物理学について、基礎的な物理法則を無視するかのような証言をするなど、非常に問題のある証言を繰り返していたのです』 私は実際に岐阜地裁の法廷で、山田医師の証人尋問を傍聴しましたが、物理法則に関する秋田弁護士とのやりとりを目の当たりにしたときは本当に愕然としました。検察がなぜ、この医師をこの事件の証人として採用したのか、首をかしげたくなるほどあいまいな証言内容だったからです。 また、山田不二子医師は、自身が岐阜県警大垣署から嘱託された「鑑定書」の末尾に、医学的な意見にとどまらず、次のような一文も記していたのです。 『本件の加害者が誰なのかは明らかである、せめてもの償いとして、犯してしまった暴力について真実を語るべきだ』 この件について秋田弁護士は、『医師としての立場を逸脱した鑑定というほかありません』と指摘し、『この判決をきっかけに、虐待論における医学や医師の役割を見直す必要があるのではないでしょうか』と自身のブログ記事を締めくくっています。 私は、約3年前から揺さぶられっ子症候群事件を多数取材し、昨年、『私は虐待していない 検証 揺さぶられっ子症候群』(柳原三佳著/講談社)という書籍を上梓しました。 虐待を疑われ、幼い我が子と引き離され、刑事訴追された保護者たちの肉声の他、いつから日本で「揺さぶられっ子症候群」という言葉が使われ始めたのか、またそれがどのような経緯で虐待と結びついていったのかなどを専門家に取材しながらレポートしています。 もちろん、山田不二子医師には取材を申し込みましたが、残念ながらお会いすることはかなわず、本書の中にコメントをいただくことはできませんでした』、「山田医師」は「日本子ども虐待医学会理事兼事務局長」という立場上、どうしても「虐待論」に傾きがちなのかも知れない。そんな医師に一方的に「鑑定」させた県警にも問題はありそうだ。
・『山田医師の鑑定で有罪となった男性が東京高裁に控訴  「揺さぶられっ子症候群」裁判の取材を続けてきて痛感するのは、多くの事件が「児童虐待の専門家」として活躍している一部の医師の意見に大きな影響を受けているのではないかということです。 2019年末、孫への虐待を疑われていた祖母が、大阪高裁で逆転無罪判決を勝ち取りましたが、この事件でも、検察側は脳の専門家ではなく、小児科医を証人として採用していました。以下は、同事件をレポートした筆者の記事です。 <相次ぐ逆転無罪、「揺さぶられっ子症候群」妄信の罪 脳は専門外「小児科医」の意見を有罪の根拠とする検察の暴挙>(2020.2.21) 虐待でけがをしたり、命を落としたりする子どもを一人でも減らすための活動は尊いことで、こうした医師らの取り組みについては敬意を表しています。 しかし、刑事裁判において、専門外の分野にまで断定的な意見を述べ、さらには、裁判官でもないのに、鑑定書の中で『せめてもの償いとして、犯してしまった暴力について真実を語るべきだ』などと、無実を訴える母親を断罪してよいのでしょうか。 日常の子育ての中で、不慮の事故、というものは絶対にあり得ないものなのでしょうか。 山田不二子医師はそのほかにも、多数の虐待事件において検察側の証人として鑑定意見書を書き、証人尋問に立っています。過去には、有罪判決も複数出ています。 そのうちのひとつに、知人の子どもへの虐待を疑われて起訴された男性(38)の事件があります。 昨年12月、東京地裁立川支部で懲役3年の実刑判決が下されましたが、逮捕時から一貫して無実を訴えていた男性は即控訴し、東京高裁での控訴審が9月29日午前11時、805号法廷で開かれる予定です。 この事件、弁護側の証人は奇しくも、岐阜の事件で証言台に立った脳神経外科の青木信彦医師です。 山田医師と青木医師の意見の対立を、東京高裁がどう判断するのか、引き続き注目していきたいと思います』、大いに注目したい。
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